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国務大臣(福田一君) 実は私
たちも、
松村さんがお帰りになりましてから、どういう
お話があったかということを聞かしていただいたのでありますが、それほど具体的では、それほどと言うか、具体的なことはあまりなかったのでございまして、品目等のことは、こういうものを買ってもらいたい、それからこういうものが買いたいというようなことはありましたが、それをどういうふうにして買うのかということ、また、だれがその場合相手方になってやるのか、そういうようなことをいろいろお伺いしてみましたけれ
ども、もっと高度の
政治的な
意味で、とにかくお互いが
民間ベースでもって
貿易をできるだけ進めたいという
考えを述べられ、またひとつ
相談してみよう、こういうことになったというようなことであったと私は記憶をいたしております。それから、そういうようなことではまだ具体化して参らないので、今度
高碕さんが行かれるについてどういうふうに
政府のほうが
考えておるか、こういう問題はどうだというようないろいろ
質問がございましたので、それについてはお答えをいたしたわけでございまして、そのお答えをいたしました
内容は、まず期限等でありますれば、どんなに長くても五年以上ということでは困るでしょうということを申しておきました。それから肥料等につきましては、いろいろございますが、肥料にも、御
承知のように、硫安とか尿素とか塩安とかいうものがあります。こういうことにつきましては、
民間のいわゆる肥料業界が、硫安については極度にそういうことを希望しておらないというような事情があるのに、われわれとしてどうしても売ってあげなさいとか、こうしろということを言うつもりはございませんでありましたが、尿素とかあるいはまた塩安につきましては、これは話が出た場合に、よそより以上の
条件では困るけれ
ども、よそと同じような
条件であればいいじゃないかというような話が出ておりました。そういうお答えもいたしておきました。それから塩安につきましては、これは延べ払いの問題が具体的に今起きておったわけでありますが、まあわれわれとしましては、大体一年程度にしていただきたいということを申し上げておきました。それから機械類その他の面につきましては、これは大体一年半くらいの延べ払いでやっていただきましょうということを実は申し上げておったわけでございます。なお金額の点になりますというと、いずれにいたしましても、
中共からわれわれが買える品物と、それから今度買える品物を、いわゆる総合バーターでありますから、買える品物、
中共が
日本にほしいと言っておられるものはたくさんあるわけでございますが、われわれの建前としては、やはりそれは一応決済がつくという建前をとりますから、まず
中共からどれだけの品物が買えるだろうかということを
考えてみなければなりません。そういう
意味でいろいろ
調査をしてみましたけれ
ども、今年度あたりで買えるということになりますと、六、七千万ドルというものが大体最高限の数字のように見ております。しかし、まあだんだん将来になりますというと、これは広げられる余地があると思うのでございますが、そういうことを言えば、最高限それだということになりますと、どうしてもその範囲内ということになってくるから、そこで出るもの入るものというものの限度がきまってくるわけにもなります。しかし、そういう場合に、じゃ、ことしの分はぴったり、
向こうから入るものは五千万ドルでこっちが送るものが五千万ドル、こういうふうになるかというと、そこに延べ払いの問題等もありますから、最初
向こうから入るものはいささか少なくて、こっちから送り出すものが相当多い、こういうことはもちろん起こり得るわけでございますから、そこをうまくどういうふうに積み重ねて、うまく総合バーターといいますか、組み合わせをされておるのか、そういうことをいろいろ今
向こうは研究されておるんじゃないか。今具体的に何か電報を見ても、そういうことをひとついろいろ詰めておるというような電報が——
新聞電報でありますが、私は何も公式には受け取っておりませんが、
新聞電報を見ると、そういうことが書いてあるようでありますが、そういうことを今具体的に詰めておられる
段階じゃないか、こういうふうに
考えております。