○大倉精一君 これ以上申しませんが、やはり監督の職にある
大臣が、こういう点について、
国鉄総裁の良識に信頼をするだけじゃ、私はいかぬと思うのです。やはり、この際、監督
大臣であるところの
大臣が、こうすべきだ、ああすべきだという
一つの信念を持つべきだと思うのです。でなければ、もう一切
総裁にまかしておけばいい。
政府は一切何にもやらぬ、
政府は何でも
国鉄にまかしておけばいい。こういう重大な問題は、あげて国民は注目しているのですから、おそらく自民党の中でもいろいろ
意見があるでしょう。ただ、これは
大臣がひとつ社会的な影響を
考えて決断すべきだと私は思うのですよ。決断の方法はいろいろあるでしょう。法律は法律ですよ。法律以外にそういう措置というものが私はとられるべきだと。監査
委員会は監査
委員会でありますから、
大臣としての責任というものは非常に重いのじゃないか。と同時に、もっと極端に言うなら、もっとオーバーな言い方をするならば、ずっと参宮線以来の事故から
考えてみて、
政府は一体
国鉄にどんなことをやったか、
政府がやらなければならぬことを
政府みずから怠っておるという点もある。そうすれば、こういう大事故が起こったり、社会的な大きな問題が起こった場合には、
大臣もこれは大きな責任があるのでありますから、斎藤
運輸大臣が
国鉄に何やらを命令したということであぐらをかいているだけじゃ、これはだれでも
運輸大臣やれますよ。やはり共同責任はとってもらわなければならぬ。やめろとかなんとかいうわけじゃありませんが、そういう
一つの責任感というものが、あるいは信念というものがない限り、いかにこれから改善します、改善しますと申しましても、これは作文に終わるだろうと思います。たとえば、これはまあ
あとからいろいろ申し上げるのですけれ
ども、この事故防止対策の要綱も見ました。この中で非常に重要な抜けている点
——この前の列車ダイヤ改正によって
国鉄の要員というのが非常に極端に不足していますが必要な要員の増加、確保については一言半句もこれは触れていません。私は、たとえばこういう新聞記事をしまってありますが、参考のために御披露申しましょう。これは三十七年四月二十一日の朝日新聞でございましたが、本文は抜きにしまして、動力車の名古屋地本の調べによりまするというと、「中部支社関係で、三月現在、定員をみたしているのは機関士、電気機関士だけで、
あとの機関助士・電気機関助士、電車運転士、同助士はいずれも定員を割り、二十日間の年次休暇を消化するためには百四人が不足と算定している。とくに春、秋の多客期には増発が相つぎ、年休がとれない
ばかりか、病人でもあれば公休者も呼出される始末。いちばんひどいのは北陸線の金沢管理局。六月の電化を前に少なくとも四十組は足りないといい、同支社は昨年暮に六百万円で金鉄局管内の乗務員の年休買上げをしたほどだ。この買上げをしたほどだ。この買上げ措置は労基法違反であるため実際には「臨時報償制度」といい、全国にさきがけて実施された。」こういうことをほっておいて、こういう作文を作ってみても、何もならぬ。事故を起こすのは、
保安設備もあるでしょうが、人間だということになれば、人間の問題を解決することが一言半句も触れていない。これは
あとで別のときにやりますけれ
ども、これはまだまだ責任観念の欠如が
国鉄にあると思うのですね。私はもうこれ以上申しませんが、
総裁の進退については非常に社会的に重大でありまするから、
政府も十分ひとつこれの遺憾のないように善処をしてもらいたいと思います。これだけ要望しておきます。ちょっと御所見を……。