○佐々木(良)
委員 石炭
対策の問題は、離職者の問題を含めまして、おそらく次の臨時国会の最大の問題になろうかと思います。従って、問題は非常に深刻でありますが、本日は時間がございませんので、一つこの次に十分承らしていただきたいと思います。あと、時間がありませんから、私は問題点だけを羅列をいたしまして、時間のあります限りの御答弁をいただきたいと思います。
第一に、中小企業の年末
金融の問題につきまして、
政府は、十月二十六日の
閣議でありましたか、中小企業
金融公庫や国民公庫、商工中金等に約二百五十億円、それから市中銀行に対する買いオペ百五十億円、合わせて四百億円
程度の金額を決定したように伝えられておりますが、そのような
方針であるかどうか。そのような
方針であった場合に、この中の買いオペの百五十億というのは、実際は本年六月の買いオペ分を引き上げる、その穴を埋めるだけの結果になるわけでありますから、従って貸付ワクの増加にはならないのではないかと
考えられるわけであります。従いまして、それらの問題はなお微妙でありますが、大体年末の
金融対策としてはその
程度のものを
考えられておるのであろうか。もしそうであるとするならば、
現状に対しましてははなはだ不足するものであって、これは一つ一段とお
考えを願いたい。特に目下長期資金が必要な
状態であろうと思われますので、この辺も十分考慮された
方針を
補正の
段階で織り込まれたい、こう思います。
さらに、今度は第二番目に、
先ほど長谷川
委員から御
質問のありましたところの生活保護基準の引き上げの問題につきまして、厚生
大臣がお見えでないようでありますので、渡海次官、もしできたらお答えを願いたいと思いますが、
先ほどの長谷川さんの
質問に対する御答弁では、大体米価の値上げに見合うようなものは今度の
補正でまかないたい、こういう
方針に承ったと思います。そして
先ほどの
大蔵大臣の話によりますと、大体そのための生活保護基準の引き上げをまあ二・一%
程度という話が出ておるのだという
程度に伺ったのでありますが、現在そのようなものであるかどうか。しかしながら、基本的には生活保護基準の引き上げという問題が単なる米価の引き上げに見合うだけの
内容のものでは、これははなはだ不満足な
内容を持つものであって、本格的な生活保護の
内容そのものを引き上げるという考慮が必要なはずである。従いまして、厚生省におきましては、漏れ承りますと、来
年度の
予算の要求としては、生活保護基準を二一・三五%引き上げの要求を出しておられるとか。もしそのような
方針があるとするならば、この問題は、当然に二・一%引き上げた上に、さらにそれに増加さるべき
内容のものだと私どもは
承知をせざるを得ないのでありまして、そういう
内容になってこそ初めて本格的な生活保護基準の引き上げの
内容に相当するものだと思いますが、そういう
方針で進まれるのかどうか。そうしてまた、二一・三五%の要求の根拠がありましたならば、お示しをいただきたい。
なお、もう一つ、
先ほど高田さんの御
質問の中で、農林
大臣がお答えになっておりましたところの消費者米価の値上げの問題というのは、これもほんとうにわが党もあげて高田さんの御
意見に全面的に賛成でありますことを、農林
大臣おられぬようでありますが、一つぜひ御了承を願いたい。この際こそはまさに本格的に食管制度そのものを改正しなければならぬ
段階に来ておると
考えられる。格別に、農業
収入の半分以上が供米代金の
収入であるという
現状から見るならば、
生産者米価は、再
生産費用と農家所得を保障する額がこれによって償われなければならないのはあたりまえのことでありまして、会計上の会計技術の立場から、一般会計からの食管会計への繰り入れを単なる赤字補てんという
意味に見るのは、ほんとうは妥当ではないのでありまして、私どもは、そのような
内容のものは、むしろあくまでも主要な農業政策費の
内容を持つものと見て、会計技術上の問題とこんがらがらないように一つ処置を願いたい。これはおそらく今度の三十八
年度本
予算にもわたっての重大問題となろうと思いますが、高田さんの御
意見に全面的に賛成をいたしながら、
政府に警告をいたしておきたいと思います。
時間もなさそうでありますが、最後にもう一つ、長谷川さんの
質問にお答えになった文部
大臣の
方針についてでありますが、相当明確に、正月の線をくずさずに、高校増設のための進学率を見て、今度の
補正に盛りたいという
方針であり、同時にまた、その中には単価並びに構造比率の問題も入れるという
方針であったように承ります。しかし、そのような
方針であるとするならば、今ちらちらしておるような金額ではこれは決して目的に沿い得るものではないことは、むしろ文部
大臣の方がよく御
承知のことだろうと思います。
従って、私はつけ加えることをいたしませんが、一口だけつけ加えることを許していただきますならば、
池田総理大臣は人づくりの問題を今金看板のように掲げられ、同時にまた、文部
大臣もおそらくその
方針でこの問題に取り組まれようとしておるのだと思います。もし人づくりの問題が、観念的、精神的な単なる人間の鋳型を皆さん方がお
考えになって、その鋳型の中に人間をはめ込めようというお
考えであるならば、これこそ全くひどい問題の提示になるだけだと思います。私どもは、人づくりを
考えられるならば、まず人をつくる入れ物を基本的に充実させることを必要とする。一番先に、これは文部
大臣自身がよく御
承知のように、私ども自身が子供を学校に預けようとした場合に、その学校の先生方が、実際は夏休みであるとかあるいはその他の場合でも、どこかの講習会で費用をとってこなければならぬとか、あるいはまた夜学に出てかせがなければならぬとか、あるいはよその子供を預かって家庭教師でその
内容を償わなければならぬとか、預けた子供に専念でき得るような生活根拠を与えずに、その人に本格的に自分の子供が預けられる
状態であるかどうか。私は、人づくりの問題の第一の基本に、この先生方の基本的な待遇改善の問題について本格的な取り組み方をしていただきたい。
第二番目には、今ここで問題が出ておるように、子供を預けて入れるところは学校であり、勉強するところは学校でありますから、
先ほどの
お話によりますと、三十六
年度も収容し得ておるという
お話でありますが、これはすし詰めにすれば何ぼでも収容し得るわけであります。しかしながら、条件は決してそのような
状態ではありませんので、人づくりの問題の第二の条件としては、あくまでも校舎の問題や研究施設等の、そのような設備の充実の問題と本気に取り組んでいただきたい。
そして最後に、人づくりの問題の第三番目としては、今は学校に入るのも金、就職するのも金。本来最も人をつくらなければならないもとであるところが金で買われなければならぬような
現状であることは、文部
大臣も御
承知のはずであります。従って、貧乏人が学校に行けずに、金持ちだけが学校に行けて就職できるような
状態にしておいて、青少年の教育問題であるとか、あるいは人づくりの問題なんぞを云えされることの方が、ほんとうはおかしいと思う。もし本格的に人づくりの問題をお
考えになるならば、まず先生方の待遇改善の問題、施設の充実の問題、貧乏人も能力があるならば大手を振って学校に入れる
状態をつくられることこそが、本格的な人づくりの基礎であろうかと思うわけであります。一つ十分に
検討して、今度の
補正予算並びに三十八
年度の
予算に盛り込まれる現実の政策として取り組まれんことを特に希望いたします。