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芳賀小
委員 この問題は取引上非常に大事な点なんです。たとえば
バレイショ澱粉については
基準歩どまりを一五・五%にしてあるが、それなら一五%とか一六%という歩どまりの検出、認定を科学的にどうやるかということになれば、
北海道においてはライマンの比重計がおおむね使われておるということです。これが実際の歩どまりを示すかどうかというところにも問題があるわけです。ライマンでやるとなかなか一六とか一七とかいう答えが出てこないのです。ところが
澱粉工場別の総体の
買い入れ数量から
澱粉の出来高によって、出来高方式で歩どまりの検出を出先の食糧事務所等が行なえば、やはり
工場全体が一五%とか一六%の歩どまりというふうになるわけです。ですから、食糧事務所あるいは
食糧庁の歩どまり
調査というものは、
工場の
生産全体の結果を把握して、
北海道の歩どまりが平均どうであったとか地帯別にどうということになるのであって、この出来高による歩どまり
計算方式と、それから個々の
生産者が取引する場合の、たとえばライマンの比重計によるところの歩どまり等は、現実に見ると違うのです。ですから農家の場合には一番科学的だといってライマンの歩どまりで取引をする、結果的に
工場はそれよりも上回った歩どまりが出てくるという場合も実際問題としてあるわけです。製造業者が良心的にそういう点を調整すれば実害は起きないが、単にライマンの比重計だけの答えによって、これが一番科学的だからこの歩どまりによって取引をするということになると、
基準歩どまりよりも成績のいい
原料イモの場合にはそれほど実害がないけれども、ことしの場合も、現地の意向等を聞くと、一二%とか一三%というライマンから見た歩どまりになっているわけです。こうなると一五・五%で一貫目二十一円、一%下がるごとに十円下げということになって、一二%、一三%の歩どまり検定で
政府の示した取引をやるということになれば、台風の災害とか長雨によってただでさえ収穫が減少しておる中において、歩どまりによる取引方式をライマンだけでやられてはとんでもないことになると思うわけなんです。これは現地の実情を十分知らないとわからぬかもしれぬが、実態はそういうことになっておるわけです。それからライマンの答えというものはその場で即時に出ないのですね。取引上の信頼によって製造業者の取り扱いを信用するということになればこれは別ですが、
生産者と立ち会って甲の歩どまりが
幾らとか、乙の歩どまりがどうだとかいうことが即時出てこないというところにも問題があると思うわけです。ですから、歩どまりによって
原料を
買い上げるということは前進ですからわれわれとしても了解する点ですが、たとこば今後てん菜糖についても含糖率によって買うということにいくべきであるが、実際の取引上の運営等についてはまだ改善すべき問題が出てきているわけです。こういう点については
食糧庁としては、現地の食糧事務所とかあるいは出張所等に対しても適切な指示を流して、運営上誤りのないように措置すべきであるというふうに私たちも実は感じているわけです。特にことしは作況が悪いし、台風や雨害によって歩どまりについても平年よりは低下しているのではないかということも心配されるときですから、この
基準価格より歩どまりが悪いものは
価格で下げないというならいいが、下げるということになれば非常に問題があるわけですからして、この点は、長官においても十分現地の取引
事情というもの、過去一年間の実績とか問題点というものを
検討されて、改善すべきものは即時改善するというふうに、
食糧庁として末端に対する指示並びに指導を加える必要があるというふうに感じておるわけですが、いかがですか。