○西村(関)
委員 時間が参りましたから、私はまだいろいろ
質問したいことが一ぱいあるのでございますが、今の船入澗の問題は地元が非常に関心を持っているのです。あの十勝太の素朴な漁民
たちがこの一点にかけていると言ってもいいくらいなのです。これをだますような結果に――だます意思はなくても、だますような結果になったならば、大きな社会問題が私は起こると思うのです。その点をただいま志賀長官は責任をもってやるというふうに言われましたが、
努力する、
努力するじゃいけません。どうしてもやってもらわなければ困るのであります。そういう点についてまだ明確な
お答えを私は得ておりませんので、この一点につきましては
質問を後日に保留いたしたいと思います。
最後に、一点だけお伺いいたしまして、
質問を終わりたいと思います。今
警察庁長官がお見えになっておられないで、
警備第二課長がお見えになっておると思いますが、今までお伺いいたしておりまする十勝太のロランC電波塔の設置をめぐりまして、一応の行政手続を終えて、これの工事が業者に移されたという段階において、業者は工事を進めようとする、これに対して幾多の疑問を持っているところの地元の道民の人
たちを中心として、全国民がこの十勝太ロランC電波塔をつくってもらっては困るということで、反対運動の反対共闘組織ができて、そこで工事をやろうとする側と工事を阻止しようとする側との間に衝突が起こったということも、御承知の
通りだと思います。これは現在冬季期間中は工事をやらないということで、一応ピケ隊もピケを解いたようでございますが、しかし、問題は解決したのではございません。将来に残っているのでございます。私が参りましていろいろ
調査をいたしました結果、
警察はやはり中立の立場を守らなければならないということは、これは今さら私が申すまでもないことであります。反対運動が起こっているのは、起こるべき
理由があって起こっているのでございます。もちろん、これは道交法でありますとか、その他業務執行に関して、これを妨害する者を排除するというような法の立場に立って、
警察が行動なさるということであろうと思うのでございますが、しかし、反対運動がただ反対のための反対ではない、
理由があって反対運動が起こっているのでありますから、やはりその法を執行する場合においても十分な配慮がなければならないと思うのであります。話し合いをしようと言っておるところのピケ隊の隊長を社会党の宣伝カーの上から引きずりおろす、そうして手錠をはめて検挙するというようなことは、私は、少し行き過ぎではないか、やはり一応の話し合いをすべきではないかと思うのであります。この点はいろいろそれぞれの立場に立って見解の相違もあろうと思いますけれ
ども、この種の問題についてトラブルが起こる場合に、
警察が中立の立場を逸脱するような傾向が私は間々あると思うのでございます。この問題につきましても、私の聴取いたしましたところによりますと、相当な行き過ぎが
警察にあったというふうに考えられるのであります。しかし、その点についてあくまで
警察は中立の立場を堅持して、法を執行するために、法を守っていくために行動するのだと
お答えになるだろうと思いますが、こういうことがあった。工事をするために資材を搬入するトラックが現地へどんどん入っていく、そうすると、十勝太の住民は、今までそんな車なんか通らなかったのに、どんどん車が入ってくる。子供
たちが道ばたで今までは平和に遊んでおった。ところが、もう子供も遊ぶことができないので、親
たちは非常に神経を使わなければならない。幸いにして子供の被害はなかったけれ
ども、鶏がやはりひき殺されたというので、十勝太の住民の人が
警察の方に電話をかけて、どうかスピードをゆるめてもらえぬでしょうか、鹿島建設のトラックが村の中を通るときはスピードを落とすように
一つ警察から話してもらえぬでしょうかとお願いをいたしましたところが、その派出所の巡査部長は、一々土建屋の自動車に乗っていられるか、
警察はそんなことはやっておられぬ、そういうことを言うやつは反対派のやつだろう、こう言ってきめつけた、こういうことを私に訴えております。私は、そういうことはやはり
警察の民主化を考えておられる長官の
趣旨に反すると思う。やはりそういう事態があれば、そういうこまかいことまで配慮して、そうか、それではスピードを落とすように
一つ話し合いをしてやろうと言って納得させるのが、私は
警察のとるべき
態度ではないかと思うのであります。にもかかわらず、そんなことを言うやつは反対派のやつだろうといってきめつける。こういうことは、反対してない者でも反対派に追いやってしまう結果になるのじゃないかと思います。こういう点に対して、部下の指導に当たられるところの長官の立場に立って、
警備第二課長のこういう問題に対する御見解を承っておきたいと思います。