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1962-09-02 第41回国会 衆議院 内閣委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年九月二日(日曜日)    午後二時九分開議  出席委員    委員長 永山 忠則君    理事 伊能繁次郎君 理事 岡崎 英城君    理事 内藤  隆君 理事 宮澤 胤勇君    理事 石橋 政嗣君 理事 石山 權作君    理解 山内  広君       内海 安吉君    小笠 公韶君       草野一郎平君    島村 一郎君       辻  寛一君    中島 茂喜君       藤原 節夫君    保科善四郎君       前田 正男君    飛鳥田一雄君       緒方 孝男君    田口 誠治君       受田 新吉君  出席国務大臣         国 務 大 臣 志賀健次郎君  出席政府委員         防衛政務次官  生田 宏一君         防衛庁参事官         (長官官房長) 加藤 陽三君         調達庁長官   林  一夫君         総理府事務官         (調達庁総務部         長)      大石 孝章君  委員外出席者         参議院内閣委員         長       村山 道雄君         参議院法制局参         事         (第四部長)  村田 育二君         防衛庁参事官  麻生  茂君         専  門  員 加藤 重喜君     ————————————— 本日の会議に付した案件  防衛庁設置法及び防衛庁設置法等の一部を改正  する法律の一部を改正する法律案参議院提出、  参法第九号)      ————◇—————
  2. 永山忠則

    永山委員長 これより会議を開きます。  防衛庁設置法及び防衛庁設置法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  前会に引き続き質疑を継続いたします。質疑の申し出がありますので、これを許します。小笠公韶君
  3. 小笠公韶

    小笠委員 本案に対しまして、提案者提案理由の御説明を昨日の質疑応答で拝聴いたしまして、どうしても納得がいかないのであります。従いまして、二、三の点についてお尋ねをいたしたいと思います。非常に平凡なことを伺うのでありますから、明快に一つ答弁をお願い申し上げたい。もうくだらぬ修飾語は要りませんから、明快率直に御答弁を願いたいと思うのであります。  私は、特に政府側に対しまして若干の点を伺いたいのですが、その第一は前国会審議をいたしました防衛庁設置法等の一部を改正する法律、その内容は、防衛施設庁設置することを内容としておったのでありますが、この点についても、 日がたちましたので、あらためて防衛施設庁設置目的というものを端的に一つ説明を願いたい、こう思うのであります。
  4. 加藤陽三

    加藤政府委員 これは、この前提案の際に御説明いたしましたのと大体同じことでございますが、だんだん見て参りますと、米軍基地施設というものが減少して参ります。他面、自衛隊の方の基地施設というものはだんだんと増加しておる。日本の将来のことを考えますと、でき得る限り基地施設というものは合理的に使うことを考えなければいけないというふうなことも考えるわけでございます。また一面、地元の住民の方々から申しますと、たとえば富士の演習場を例として考えますと、米軍の使用したことに基づく補償その他の関係調達庁の方に行かなければならない。自衛隊が使用しました際におきましては、その補償その他の問題は防衛庁の方に行かなければならぬ。受ける地元方々は同じでございます。その交渉の相手方が違うというふうなことは、非常に御迷惑なことであろう。  それからいま一つは、大局的に考えまして、調達庁というものは、毎年々々相当業務量の縮小に伴いまして、整理等もここ数年間あったのでありますが、その職員方々は、その身分の安定ということについて相当関心を持っておられる。そこで一本化することによりまして、地元方々利益もはかられ、また調達庁職員方々も、自衛隊施設仕事を扱われることによりまして、今後は安定した状態において仕事ができるのではなかろうか。こういうことから考えまして、数年来この問題は考えられてきておったのでありますが、なかなか結論が出ませんでしたのが、やっとこの前の通常国会提案する運びに至ったような次第でございます。
  5. 小笠公韶

    小笠委員 そうしますと、目的二つ。それではただいま御答弁の中にあります。調達庁職員が順次減少していく、その減少していく数字的な五年なら五年の見通しを、ここに御提示を願いたい。
  6. 林一夫

    ○林(一)政府委員 最近の減員数字を申し上げます。  三十四年度が三百二十名、三十五年度が七十五名、三十六年度が七十五名ということでございます。三十四年度以前につきましては、三十三年度が百三十五名ということになっております。従いまして、三十三年が百三十五名、三十四年が三百二十名、三十五年が七十五名、三十六年が七十五名、最近四カ年で計六百五名の定員減をいたしております。
  7. 小笠公韶

    小笠委員 今お答えになりました数字は、過去の数字であります。昨日来の御答弁の中には、現在以降の見通しとして減少傾向をとる、こういう御説明があったのであります。ただいま官房長からもそういうことであった。従いまして、本日以後において、現在の総定員が幾らあって、そうして今後五年間の見通しは、不確定要素があるとしても、大体これくらい減るのだという裏づけが当然あって、昨日来の御答弁になっておると思うのであります。従いまして、裏づけ数字の片りんをまず示してもらわなければ御説明が納得いたしかねる、こう考えるのであります。
  8. 林一夫

    ○林(一)政府委員 詳細な数字につきまして、ただいま総務部長から説明いたさせます。
  9. 大石孝章

    大石(孝)政府委員 お答えいたします。  将来の見通し数字につきましては、見方によりましていろいろな数字がとれるわけでありますが、調達庁業務の柱となるものは、御承知地位協定士施設区域の数並びに駐留軍従業員の数、あるいはそれに伴いますところの補償の態様というようなものでございます。従いまして、そういう角度から申しますと、先ほど御質問がございましたように、また、昨日うちの林長官からお答え申し上げましたように、相当量減少を見る、こういうことでございます。なかんずく私ども非常に心配いたしておりますのは、この調達庁の出先は、北は北海道から南は九州に至るまであるわけでありますが、地域的に見まして、名古屋、大阪等駐留軍施設区域はきわめて減少状態にあるわけでございますので、そういう地域的な関係のあるものは非常に重点的に減少を見るのではないかというふうに私どもは懸念いたしております。私どもいろいろな計算をいたしますが、また、行管とか大蔵省とか他の機関の御批判もございますが、やはりただいま林長官からお答え申し上げましたように、過去四年間における計数が六百五というようなわけでございますから、先行き四、五年を見ますと、もっともっと相当量の数が出るものと懸念いたしております。
  10. 小笠公韶

    小笠委員 地域的に相当量出る、こういうようなお話は、一つ主観であります。主観に基づいて、出るであろうと想像して数字を出しておられるようであります。私は明らかに客観的な数字をおつかみのはずだと思います。客観的な数字をつかまずして減少傾向であるというのでは、先ほど官房長説明防衛施設庁設置の大きな理由というものは、説明がつかぬと思います。説明のつかない、裏づけのない説明によって、抽象論説明をせられては、防衛施設庁をつくることがよいのか悪いのか、判断に苦しむものであります。しかしながら、一面から申しますれば、将来にわたってどういうふうな減少カーブをたどるであろうかということは、影響するところも多大であろうと思いますから、これ以上は追及いたしませんが、将来相当数減少するということを確認して、話を進めることにいたしたいと思うのであります。  それでは第二の問題として、官房長説明は、将来自衛隊基地業務が順次増加していく、従って、基地業務中心とする調達業務を一本化することによって合理的な運営が期待される、こういう御説明であったので、事実の裏づけがもしそうだとすれば、まさに論理はそういう結論になると思う。そこで、建設本部所管自衛隊基地中心とする同様の業務防衛施設庁に統合する予定の業務の将来の見通しをここに明らかにしてほしい。増加の趨勢はどうなのか。
  11. 加藤陽三

    加藤政府委員 これは将来どういうふうな管理取得等が行なわれるかということは、予算との関係もありまして、今ここで申し上げることは非常に困難であります。ただしかし、御承知と思いますが、防衛庁といたしましては、現在百里の問題も控えておる、小松島の問題も控えておる、こういうふうに、まだ手をつけていない、あるいは今手をつけており、しかも現在きまっておるものでも、ふえるものが相当あるわけでございます。これらのことを考えまして、今までも防衛庁の方の建設本部の方は、数字は忘れましたが、過去数年間増員を要求して参っておるような次第でございます。今後もやはりこういう傾向は続くのじゃなかろうかというふうに考えております。
  12. 小笠公韶

    小笠委員 これはまた不確実数字であります。しからば、将来予算によって新規事業として着手するもの、現に事業として着手しながら完成していないもの、こう二つに分けて、後者についても相当増加要員を要する、これはうなづけることであります。それらのマイナス要因プラス要因を合わしてみたとき、この防衛施設庁設置することによって、現在の調達庁関係職員身分の安定に大きく寄与できるんだ、こういうことが数字的に発表できる、できぬにかかわらず、確信を持っておられるのかどうか。若干のプラスはあるが、減る方が多いんだ、こういうことになるのか、あるいはふえるのは確実な計数というものから見てもこれくらいになる、いわんや、新防衛五カ年計画中心として考えたその線から考えてみて、これくらいの施設を将来必要とするのだ、第二次防衛五カ年計画をベースにとって考えてみても、そういう一つ数字は出るはずであります。この二次計画が、成立するしないにかかわらず、スタートいたしておるのでありますから、この線から考えてみて、建設本部関係業務というものがどうふえていくか、もう一度お答えを願いたい。
  13. 加藤陽三

    加藤政府委員 次期防衛力整備計画は、これは御承知と思いますが、目標についてきめておるわけでございまして、区域施設というふうなものも按分して出てくるわけでございますが、これはやはり一応の目標はありますけれども次期防衛整備計画内容というふうに決定できるようになっているということではございません。防衛整備計画目標自体も、その年々の財政状況によってあるいは増減されることはあり得るというふうにもなっておることは、御承知かと思うのでございます。一応の目標はありますけれども、今申し上げました通り、毎年々々の予算の編成の方針、要領等によってきめられていくことでございますから、確定的に防衛力整備計画ができた後においては、飛行場が幾つになり何が何本になるということを申し上げることは、今ちょっと困難かと思うのでございます。
  14. 小笠公韶

    小笠委員 これ以上は追及いたしません。結論として、マイナス要因プラス要因とを比べてみると、現職の人々をとって考えると、全体的にはプラスになる、こういう立論のもとにスタートしているというふうに理解をいたします。  次に伺いたいのは、これも事実関係でありますが、自衛隊基地中心として施設業務を行なう建設本部業務と、調達庁で行なっております基地業務その他との間におきまして、両者業務の実態を見た場合に、共通部分と全然独自の分野に属する業務内容とがあるはずでありますが、この共通分野業務内容のおもなもの、この共通する部分と、それぞれ独自の分野との割合等がどうなっているか、これを伺いたい。
  15. 加藤陽三

    加藤政府委員 ただいま数字お答えする用意がないことは、まことに申訳ないことと思いますが、大観して申しますと、調達庁仕事の中で、業務関係仕事は全然別でございます。そのほか、飛行場演習場取得管理補償というふうなことは、これは自衛隊の方の分野でございます。職員の人数から申しますと、労務部の方は、府県庁事務を委任しておりますので、その調達庁職員の中の数から申し上げますことは、非常にむずかしいのでありますが、職員の数から申し上げますと、非常に共通部分が大きいということが言えると思います。
  16. 小笠公韶

    小笠委員 私は、以上三点で、防衛施設本庁設置目的、その合理性というものについての確認をしたかったのであります。  そこで、本論に入りまして、これから提案者に御質問申上げたい。こう考えるのであります。  前国会の末期におきまして、参議院の方で防衛庁設置法等の一部改正法案を採決するにあたりまして、附帯決議がつけられたことは御承知通りでありますが、この附帯決議をつけられるに至りました事情というものが、私どもにはわからないのであります。特に後段御質問を申し上げたいと思うのでありますが、附帯決議の案文とここに審議している法案との関係に至りましては、全く理解ができないことは、昨日石橋議員が指摘した通りであります。いろいろ提案者の御説明はあったのでありますが、この速記録を読んで、この速記録趣旨参議院意思を体して本案提案されたと理解することは、非常に困難である。そういう点から、本案附帯決議との関連の御説明を聞く前に、附帯決議をつけるに至りました事情というものが、もしお漏らし願えるならば、参考のために伺いたいと思います。
  17. 村山道雄

    村山参議院議員 附帯決議がつきました理由は、昨日も御説明申し上げた点でございますが、お話のように、調達庁職員防衛庁の中に入れる、しかも、今度新しくできまする機関の中に統合するという場合には、特別職になるということになっておるわけでございますが、これは現在の調達庁職員身分服務等に非常な変動を生ずる次第でございます。そのことが、職務の性質上適当でないというので、この附帯決議がついたような次第でございます。従いまして、この附帯決議趣旨は、現在調達庁の中におる人たち身分取り扱いについて、特別職の新しいいろいろの身分取り扱い関係変動を受けないで現状のままにいたしたい、それがこの決議に至った原因で、理由でもございまするし、また決議趣旨でもあるわけでございます。
  18. 小笠公韶

    小笠委員 今の御説明は、この附帯決議をつけるに至りますまでの裏の事情説明にはなっておらぬ。でありますから、それ以上はお伺いをいたしません。ただ、昨日読み上げられましたこの提案理由書であります。提案理由書によりますと、まん中ごろに「従来の調達庁職員身分一般職より特別職に切りかえることは重大なる身分の変更であり、調達庁職員に与える影響も大きいことを考慮し、従来の調達庁職員については防衛施設庁設置後もなお一般職職員として」と、明らかに書いてある。こういうふうなことは、参議院決議というか、御意思が先ほど来伺いました、調達庁系統職員方々身分の安定をはかることが大事だという前提に立っておると思う。調達庁職員方々が将来いつ離職のうき目にあうかわからないという不安に一つ終止符を打たしていく、こういうことが本案の基本的な要件であることは、先ほど来説明通りであります。おそらくこの問題を無視して、一般職とか特別職という言葉は私にはわかりませんが、こういうところによってこういう提案を出してくるということになりますれば、調達庁職員の諸君の身分の安定はどうなってもいいんだ、こういうふうな考え方に踏み切らざるを得ないのではありませんか。私は、本案の最も重要なる点はここにあると思う。せっかく、調達庁職員がここ数年間毎年減員のうき目にあってきたのを、一つ終止符を打とうという案であります。これをいかぬのだ、一般職特別職かということの観念遊戯といっては失礼があるかもしれませんが、身分の基礎の問題はもとに返してよろしいんだ、こういう議論が成り立つかどうか。本案の最も重要なる一点はここにあるのであります。しかも、この提案理由を見ますれば、矛盾がある。防衛施設庁というものを作るということを認めながら、この法律制定の瞬間における現在員だけをとって一般職にし、将来何かの都合で異動があれば、その異動後は別の扱いにしても差しつかえない案である。人事行政としてこれほど不公平な案がありますか。幸い、この案は、先ほど申しましたように、もとに返そうというのでありますが、いわゆる公務員身分扱いとして、一般職といい、あるいは特別職といい、一つ職務にある者は大体同じ扱いを受けるのが筋であります。一定の日時を限って、ある者は一般職であり、他の者は特別職であっても差しつかえないということがこの案に出ておる。こういう点についてはどうお考えになっておるか。一つ行政庁という組織体を動かすにあたって、職員身分扱いはいかに考えていくか、分断して考えても差しつかえないのか。本案提案理由に「人事管理の円滑を期するため」と書いてある。人事管理の円滑を期するという見地から見たときに、前段の方の考え方はおかしいじゃありませんか。その点を一つ伺いたい。
  19. 村山道雄

    村山参議院議員 お答えを申し上げます。  お話趣旨はきわめてごもっともでありまして、われわれも一番苦慮したところであります。と申しますのは、同じ防衛庁長官所管の役所ではございますけれども防衛施設庁調達庁では、先ほどお話がございましたように、調達庁の方では、身分が将来不安であるということはいなめないことであると思います。しかしながら、お話しのように、防衛庁の中に入りました以上は、やはり一貫して特別職になる、これはその通りであると思うのでありまして、結局それらの点を考え合わせまして、本案審議いたしますときにも、参議院の段階におきまして、同じ防衛庁長官所管職員でございますから、身分関係を現在のままにいたしますために、調達庁を存置することにいたしましても、将来離職不安等のないように、配置転換その他の方法によりまして、十分身分の保障を加えられたいという点について質疑をいたし、防衛庁長官も、これは十分どころか、十二分に自分としては考えたいというような答弁を得ておるような次第であります。二者択一的な関係にありますことは、お説の通りだと私も考えております。
  20. 小笠公韶

    小笠委員 問題の焦点をそのままにして、附帯決議でこれを扱っておる。私は、こういうところに非常な疑問を感ずるのであります。防衛施設庁に統合して一般職でいくか、あるいは原案の通り特別職でいくか、いずれにいたしましても、この問題は重要な問題であります。でありますから、法律を通して、しかも、この決議によりますれば、次期国会において一般職とすと書いてある。なぜ継続審査で慎重な審議をせられなかったのか。問題を賢明に扱う意味において、これを将来検討するというならばまだわかる。次期国会においてこれを改めるという扱い方が、国会審議の上においてはあり得ますか。迷惑を受けるのは関係職員方々であります。私は、この次期国会という言葉に重大なる疑議を認めざるを得ません。なぜ継続審査として慎重審議をしなかったのか。次で変えるぞということを約束しながら、法律は制定させる、通過させる、これは通過させないと同じであります。私は、この辺の、次期国会においてということについて、なぜ次期国会としたか、提案者の御説明を伺いたい。
  21. 村山道雄

    村山参議院議員 前国会最終日の最後の十一時半ごろにこの話は起き上がりまして、お話のように、継続審査にするということも、もちろん考えられ、今となりましてはそれがいい方法であったかとも考えられるのでございまするが、しかし、この防衛庁設置法を通過せしめたい、そこで、次期国会において、この点について改正を加えるということを附帯決議の形で残したような次第でございます。何分句々の際でございましたので……。お説のような点は、われわれ十分了承できるわけでございます。
  22. 小笠公韶

    小笠委員 これは防衛庁長官出席してほしいのでありますが、私は、これに関して当時の藤枝国務大臣の発言に重大なる関心を持つものであります。「ただいまの附帯決議につきましては、御趣旨を十分尊重して参りたいと存じます。」と彼はしゃべっておる。このことは、防衛庁において防衛庁設置法の一部改正法律案に対していかなる信念を持っておったか、その信念に対して私は疑問を禁じ得ません。先ほど来るる調達庁現状というようなものを考えまするときに、最も重大なる問題に触れておる問題である。なお、志賀長官は昨日、記憶ははっきりありませんが、不本意だという言葉を述べておる。不本意というのは、日本語で何という意味でありますか、それを一ぺん私は明らかにしたいと思う。(「本意にあらずということじゃないか」と呼ぶ者あり)本意にあらずということは、何ということであるか、これはあらためて志賀長官出席を求めて解明いたしたいと存じます。  次いで、私はいろいろ伺って参りましたが、めくらヘビにおじずで質問を続けて参った。肝心のところを少しも理解せずに質問を続けて参りました。そこで、提案者一つ教えを願いたいと思うわけであります。それは、この附帯決議を見ましても、あるいは昨日の提案理由書を見ましても、一般職特別職とがいわゆる議論の争点になっておる。一般職特別職相違点、相互の利弊について一つ教えを願いたい。
  23. 村山道雄

    村山参議院議員 これは一般職につきましては、公務員法人事院規則によって規制されておりますが、特別職になりますと、自衛隊員として自衛隊法によって規制をされるわけでございます。その結果といたしまして、おもな点を申し上げますと、一つ服務の基本的な基準が違っております。一般職でございますと、「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務遂行に当っては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」とあるのでございますが、自衛隊員につきましては、「隊員は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身をきたえ、技能をみがき、強い責任感をもって専心その職務遂行にあたり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託にこたえることを期するものとする。」とございます。  それから第二の点といたしまして、普通の職員でございますれば、職員団体規定といたしまして、「職員は、組合その他の団体を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる。職員は、これらの組織を通じて、代表者を自ら選んでこれを指名し、勤務条件に関し、及びその他社交的厚生的活動を含む適法な目的のため、人事院の定める手続に従い、当局と交渉することができる。」とございます。一方自衛隊員におきましては、「隊員は、勤務条件等に関し使用者たる国の利益を代表する者と交渉するための組合その他の団体を結成し、又はこれに加入してはならない。」「隊員は、同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は政府活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。」とあります。  次に、第三点といたしまして、自衛隊員につきましては防衛出動規定がございます。「内閣総理大臣は、外部からの武力攻撃に際して、わが国防衛するため必要があると認める場合には、」「自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。」それから命令による治安出動規定でございまするが、「内閣総理大臣は、間接侵略その他の緊急事態に際して、一般警察力をもっては、治安を維持することができないと認められる場合には、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。」という規定がございまして、これに基づきまして宣誓その他の細目も異なっておるというのが、現在の両者の区分でございます。
  24. 小笠公韶

    小笠委員 まず第一に、一般公務員法による規定自衛隊法による規定の相違からくる基本的要件が違うことは、お話通りでございます。でありますから、自衛隊におきましても、特定の任務に精進せしめるが、そのことが、主権者たる国民の負託にこたえるということを要請しておることは、お話通りであります。とどのつまりは、一般公務員国民全体の奉仕者として活動するということにおいて、当面の任務というものが非常に制限されておるかされておらないかは別といたしまして、国民の負託にこたえ、国民の公僕として働く、こういうような思想においては共通であります。  そこで問題は、職員団体の相違があるように今伺ったのでありますが、たとえば、任命、懲戒、分限、研修、こういうような公務員一般的な問題につきましては、法律の根拠は違うにいたしましても、現実にどの程度給与、任命、懲戒、分限等において相違がございますか。
  25. 村山道雄

    村山参議院議員 まず、任命権者につきましては、普通の職員の場合には、「任命権は、法律に別段の定のある場合を除いては、内閣、各大臣、会計検査院長及び人事院総裁並びに各外局の長に属するものとする。」「前項に規定する機関の長たる任命権者は、その任命権を、その部内の上級の職員に限り委任することができる。」とあるのでございます。調達庁の場合には、「調達庁職員の任免は、調達庁長官が行う。」となっております。  それから任命関係でもっと大きな問題は、退職の承認の問題でございます。自衛隊員になりました場合には、「長官又はその委任を受けた者は、隊員が退職することを申し出た場合において、これを承認することが自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるときは、」中略いたしまして、「隊員にあっては自衛隊の任務を遂行するため最少限度必要とされる期間その退職を承認しないことができる。」これらの点が非常に大きな相違点であると考えております。
  26. 小笠公韶

    小笠委員 第三点の防衛出動規定等につきましては、お説の通り各種任務としてあるわけでありますが、問題は、たとえば調達庁に勤務する者の立場から見まするとき、法律構成がいかにあろうとも、一番問題になるのは、職員組合を結成できるかできないか、こういうところに大きな相違点があろうかと思うのであります。そこで、この職員組合につきましては、自衛隊法によりますれば、お知りの通りに認めておりません。だが、現在の国家公務員におきまする、公務員法で認める公務員職員団体規定は、人事院規則の定めるところによって、自由なる組合を結成し、人事院に届出をして、その届出組合に限って、いわゆる所属長官に勤務条件その他についての意見の具申ができるということになっている。団体交渉権とというものを認めておるのではありません。意見具申の道を開いておるにすぎません。  そこで私は、自衛隊において、職員組合結成を認めないが、職員の各自の自由なる意見、希望というものを表明せしめるのにいかなる手をとっておるか、こういうことを防衛庁の当局に伺いたいのであります。
  27. 加藤陽三

    加藤政府委員 御承知のごとく、自衛隊法におきましては、団体の結成を認めておりませんけれども、その職場々々におきまして仕事上、仕事に関する意見を表明することは自由であるのであります。また、そのことによって仕事の積極性も出てくるでろうと思うのであります。  ただ、人事に関する面につきましては、これはなかなかむずかしい面もございます。しかし、やはりどの職場におきましても人事上のいろいろの問題が起こってくることは考えられ得るわけでございまして、防衛庁におきましては、人事院にいろいろな問題を提訴することは認めておりませんけれども、たとえば懲戒処分等について不服があります場合においては、公正審査会というものがございまして、その公正審査会の審理を請求することができる、その公正審査会の決定に基づいて防衛庁長官が適当な措置をする場合もあり得るというふうなことをしておるわけでございます。
  28. 小笠公韶

    小笠委員 そういたしますと、今現実の国家公務員法によれば、人事院規則によって、登録組合に限って意見の具申の道が開かれておる。ただし、団体交渉権を認めておらぬことは御承知通りでありであります。現在の調達庁あるいは自衛隊において、今加藤官房長のようなお話があるわけであります。そうすると、形式的に組合を認めておるかおらぬかという相違点、差異になるのであります。ここに両者の差といのものは、形式的な登録組合を認めるか認めていないか、その機能の面においては両者同一だと大よそ言い得るのではないか、こういうふうに判断されるのでありますが、こう判断して差しつかえないですか。
  29. 加藤陽三

    加藤政府委員 ただいま私が申し上げましたことは、人事の処分について満足できないというふうな場合におきましては、人事院に対する提訴等と同じような趣旨をもちまして、防衛庁の部内にもそういう機関を置いておるということを申し上げたのでございます。組合の結成ということになりますると、そういう個々の人事処分だけでなく、その問題もございましょうけれども、もっと広い意味の効果と申しますか、働きが出てくるのではなかろうかというふうに私は考える次第でございます。
  30. 小笠公韶

    小笠委員 私が伺っておるのは、人事の問題に関してのみではございません。職員のその職場々々におけるその意見を具申し、お互いに有無相通ずるというか、下意上達をして職場を明るくし職場を明るくし、職場の能率を上げていく、こういうような道が、組合制度の一つの任務でもある。人事に関しましては、御承知通りに、一般職以外のものについて人事院に提訴を認めないことは御説の通り。しかし、今の御答弁によりますれば、これにかわる公正審査会というものを設置して、そこに公正なる人事処分の審議をする、こういう道を開いておるということであります。そうしますれば、人事に関する関する問題以外の面において、一般公務員職員組合とこれとが、あなたの方で職場々々における意見を認めると、こういうお話をしておったが、それとの機能的差異はどこにあるか、機能的差異がなければ、形式だけではないか、こういうことを伺っておるのであります。
  31. 加藤陽三

    加藤政府委員 ただいまのお尋ねでございまするが、人事の問題は別にいたしまして、職場々々の空気を明るくして仕事を積極的に伸ばすということは、これは必要であると思います。防衛庁の中でも、一部におきましては、苦情処理というふうなことを考えておるところもございまするが、さらに将来も、職場における苦情が円滑に上に伝わって必要なる措置がとられるような手段、工夫というものは考えていきたいということは、前国会におきまして、石橋委員のお尋ねによりまして、当時の防衛庁長官お答えをしておるのであります。ただ、私ども考えまするに、自衛隊のような性格の団体におきましては、命令服従ということが相当重要な要素と考えておるのでございます。その間の調和ということは、非常にむずかしい問題でございますしことに団体的な行動を認めることによりまして、その命令服従の関係の円滑な実施という面にいささかでも障害があってはならないというようなことを、特に重視しておるところでございます。
  32. 小笠公韶

    小笠委員 それでは提案者にこの問題をもう一度伺いたい。一般職特別職の差異について、特別職でも特に自衛隊法による特別職との差異については、今までに明らかにされてきた。そこで、新しい本案提案するにあたって、基本的要件である、理由である一般職特別職との差というものが、いよいよ組合の結成を容認するかしないかというようなところに大きくかかってきたように思うのであります。そこで、一般職特別職との差異に、今申し上げましたようなこと以外に——調達庁職員を切りかえることは重大なる身分の変更である。調達庁職員に与える影響も大きいことを考慮しなければならぬ。切りかえることは確かに身分の大きな変更である。そこで、組合組織を認めるか認めないかということ以外に、あるいは認めて、何か別な案を用意されてこういうことを考えておったのか、提案者が、特別職一般職にしなければ困るのだ、一方において身分の安定というものを犠牲にしても一般職にしなければならぬというには、私は、一般職に重大なる魅力がなければならぬ、そうでなければ調達庁職員の期待に沿いかねるのではないか、こういう点から考えまして、その一般職特別職の論議の最も重大なる点はどこに置いてお考えになったのか、もう一度御説明を願いたい。
  33. 村山道雄

    村山参議院議員 先ほど申し上げました組合の結成の問題、職務の本質の問題、また退職を不承認の場合があるという問題、防衛出動、命令による治安出動、これはいずれも身分上重大な影響であると考え、また今も考えておりまするが、また、法律によりまして身分が変わってしまうということ自体、組合に対しましては非常に重大な影響であると思います。配置転換等の場合におきましては、これは本人たち意思によって変わるということになるわけでございますけれども、それらの面を勘案いたしましても、組合員に与える影響は重大であると考えましたことは、私は間違っておらなかったと考えております。
  34. 小笠公韶

    小笠委員 これは防衛庁に伺いたいのでありますが、今、自衛隊法及び国家公務員法規定する公務員身分、その任務等々についての相違を列挙せられましたが、防衛施設庁におきまする職員が、防衛出動を命ずるという場合等々、一般の制服と同じような形において出動する場合は、多くの場合を予想しておられるかどうか。
  35. 麻生茂

    ○麻生説明員 お答えいたします。  防衛施設庁職員は、それぞれの法律に従いまして仕事を行なっておるわけでございます。従いまして、防衛施設庁業務につきまして、自衛官とともに第一線に出て活動をするというような場合は、実際的には大体考えられないのではないかというふうに考えております。ただ、規定の上からは、形式的にはそういう場合も可能ではある。しかし、実質的には、現実の行なっておる業務に即して考えまするならば、あるとしてもきわめて稀有であり、まずほとんど考えられないのではないかというふうに考えております。
  36. 小笠公韶

    小笠委員 ここに形式論と実際との乖離が明らかに浮かび出ておるのです。公務員法及び自衛隊法の文面だけの差異から議論をして、重大なる法律の変更をせんとしておる。私は、この点に重大なる関心を抱かざるを得ないのでありますが、それ以上は聞きません。  私は、そこで、これも事実関係でありますから、率直に提案者防衛庁からお答えを願いたいと思います。  その第一点は、現在調達庁に勤務しておられる方々の御意向というものはいずこにあるか。調達庁に勤務しておられる方々の一人々々の御意見をきょう聞くわけには参りません。でありましょうが、大勢の把握として、回れ右をして現状調達庁の姿に置いておく、不安定な身分のままに置いておく方を好んでいる人が多いのか、あるいはさきに成立した防衛施設庁というものに吸収されてもその方が身分が安定される、こういう方がいいと考えておるか、そこの観測をいかにしておられるか、まず、私は、提案者からその事実の見通しを伺いたいと思います。
  37. 村山道雄

    村山参議院議員 先ほどもお答え申し上げましたように、確かにお話しのように、防衛庁に入れば身分の不安が非常に少なくなる。しかしながら、その場合には特別職に切りかえられる、という二つの問題がございまして、これはいずれかを立てなければならないのでございまするが、この附帯決議をつけました段階におきましては、ぜひ一般職にとどまったいという要望が非常に強かったわけでございます。そこで、先ほども申し上げましたように、志賀長官が御出席になりましたが、この両者とも志賀防衛庁長官所管職員でございますので、その身分上の不安の点は、防衛庁長官配置転換その他の十二分の御配慮がいただけるということに信頼をいたしまして、やはり一般職にとどまったいという希望をかなえることが適当である、さように考えた次第であります。
  38. 林一夫

    ○林(一)政府委員 これは前から御説明申し上げております通り、この防衛施設庁設置する目的一つは、調達の職員身分の安定ということでございました。調達庁職員身分につきましては、御承知のように、非常に不安定であります。先ほども申し上げましたように、米軍部隊というものはだんだんと撤退をしております。従いまして、米軍施設に関する業務に従事しておる調達庁職員というものは、だんだん減員いたしておるのであります。この減員傾向というものは、将来も非常に強くなると私どもは考えておるのであります。この身分の安定をはかるということが、調達庁職員の五、六年前からのほんとうに心からの熱願であったのであります。どうしてもわれわれの身分を安定してほしいというのは、調達庁職員全部の強い熱願であったのであります。それが、さきの国会において防衛施設庁設置するという法案が通過して、私ども調達庁職員は非常に喜んでおったのでございます。そういう点から申しまして、この身分の安定を希望しておる調達庁職員は、どうしてもこの防衛施設庁を作ってもらいたいという強い念願を持っておるということは、これは間違いのない事実であります。
  39. 小笠公韶

    小笠委員 これは重大なる発言の食い違いであります。提案者は、防衛施設庁を作って特別職になるのならやめて、一般職現状のまま調達庁職員として残りたいというのが多数だという答弁をしておる。一方において林長官は、身分の安定をはかることを目的とした防衛施設庁設置——この身分の安定をはかることこそ数年来の調達庁職員全員の熱願という言葉を使っておる。今日この熱願がさめておるのか。一方はさめたと言い、一方はさめないと言う。この事実の認定をいずれに置くか。それでは私は伺いたいと思うのでありますが、提案者は、調達庁職員特別職になるのならば調達庁のままで一般職であっていいという人々が多数だという判定を、いかなる材料によってせられたか、まず、判定の材料から伺っていきたい。
  40. 村山道雄

    村山参議院議員 この附帯決議は、この前の参議院における防衛庁設置法の一部改正の段階においてついたのでございますが、その段階におきまして、野党の国会議員の皆さんその他が、ぜひ一般職に置くようにという強い要望がございましたので、本案を通過せしめる場合に、この附帯決議をつけたわけでございますが、その場合におきまして、これはぜひ一般職にしたい、法律によって特別職に切りかえられることは困るということが非常に強い要望である、さように私らは認定をいたしたような次第でございます。
  41. 小笠公韶

    小笠委員 これはまた話が変わって参りまして、認定したという言葉を使っておる。  委員長、私は、ここでこの法律案審議するにあたって、虚心たんかいにものを考えたいと思うことは、調達庁職員方々が、先ほど来屡次説明のあるように、将来いつ、減員に追い込まれるかもしれないというような不安な状態に置かれておる。しかも一方において、自衛隊基地業務というものは次第にふえる。そこで新規採用をとっていくんだ、こういう事実が行なわれていくであろうという想定のもとに考えるときに、調達庁に現在勤務しておる人々の安定を考えること、これはぜひとも許される範囲において考えることが、それこそ私は親切な立法論であると思う。  そこで、今認定をしたと言われたが、参議院の先生方と、現実に調達庁に働いておる人々との立場は、若干の相違があると想像される。その立場の相違が、当の勤務しておる職員の人々の利害と必ずしも一致しない場合があり得る。本案を考える場合に、この点は最も明確にすべきものであると私は思う。私は、これは重大なる発言で、食い違っておると思う。現に働いておる人々の多数が、その方がいいという意見ならば、それも十分余裕をもって考えましよう。私は、こういう点でもう少し提案者が——前の国会といっても五月であります。まだ三カ月しか過ぎていない。その三カ月の期間によって現在の職員方々の真意が変わった——これは重大なる変更であります。この点は明確にしてほしい。
  42. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員 ちょっと関連して。この問題は非常に重大でありまして、ただいま提案者お話だと、それはどこで聞いたかというたら、野党の諸君並びにその他の話を聞いて、そう思ったというお話ですが、御承知通り、野党の諸君はどこから材料を得たか、おそらく私は労組から得たと思う。今日の調達庁のありさまは、もう労組の役員だけが離れてしまって、大体の者は全部今施設庁に合併してもらいたい。そこで、組合の大会を開こうというたって、労組は逃げちゃって大会は開けない。実態とまるきり離れている。その数人というか、十数人の役員と社会党の人々とおそらく話をせられて、この重大な決定をせられた、そういうあやまちが、その附帯決議の出たところにあるのだと思うのですが、これについては、一つこの実態を明らかにしていただきたいと思うのです。場合によっては、それを調べるために何か材料を提出してもらうか、何かそういう方法を協議したいと思いますから、暫時休憩をして、一つその御相談を理事会でも開いてやりたいと思いますが、委員長、いかがですか。
  43. 永山忠則

    永山委員長 暫時休憩いたします。    午後三時十五分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕