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1962-08-28 第41回国会 衆議院 逓信委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年八月二十八日(火曜日)    午前十時五十一分開議  出席委員    委員長 本名  武君    理事 大高  康君 理事 岡田 修一君    理事 佐藤虎次郎君 理事 佐藤洋之助君    理事 羽田武嗣郎君 理事 栗原 俊夫君    理事 森本  靖君       大上  司君    上林榮吉君       小泉 純也君    中山 榮一君       畑   和君    原   茂君       安平 鹿一君    受田 新吉君       谷口善太郎君  出席政府委員         郵政政務次官  保岡 武久君  委員外出席者         運輸事務官         (海運局次長) 亀山 信郎君         郵政事務官         (電波監理局次         長)      石川 忠夫君         会計検査院事務         官         (第五局長)  白木 康進君         参  考  人         (日本放送協会         会長)     阿部真之助君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   前田 義徳君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   小野 吉郎君         専 門 員   吉田 弘苗君     ――――――――――――― 八月二十四日  委員受田新吉辞任につき、その補欠として西  尾末廣君が議長指名委員に選任された。 同日  委員西尾末廣君辞任につき、その補欠として受  田新吉君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 八月二十七日  日本放送協会昭和三十五年度財産目録貸借対  照表及び損益計算書 同月二十四日  鳥取県日野町にテレビ放送局設置に関する請願  (足鹿覺紹介)(第二二五号)  有線放送電話関係法改正及び財政措置に関す  る請願外五十六件(安倍晋太郎紹介)(第二  二六号)  同(椎熊三郎紹介)(第二二七号)  同外五件(堤康次郎紹介)(第二二八号)  同外五十二件(星島二郎紹介)(第二二九  号)  同外八件(荒舩清十郎紹介)(第二四八号)  同(椎熊三郎紹介)(第二四九号)  同外三十三件(谷垣專一君紹介)(第二五〇  号)  同(濱地文平紹介)(第二五一号)  同(細田義安紹介)(第二五二号)  同(上林榮吉紹介)(第二六六号)  同(椎熊三郎紹介)(第二六七号)  同外十九件(永田亮一紹介)(第二六八号)  同外一件(福永健司紹介)(第二六九号)  同外十件(松山千惠子紹介)(第二七〇号)  同外八件(永山忠則紹介)(第二七一号)  同(伊藤郷一君紹介)(第三一一号)  同(前田義雄紹介)(第三一二号)  同外十五件(本名武紹介)(第三二九号)  同外三十四件(藤本捨助君紹介)(第三三〇  号)  同(湯山勇紹介)(第三三一号)  同外一件(安平鹿一君紹介)(第三三二号)  同外二件(重政誠之紹介)(第三五〇号)  は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 八月二十七日  有線放送電話関係法改正及び財政措置に関す  る陳情書外一件  (第二三九号)  同  (第二四〇号)  同  (第  三三六号)  串木野郵便局敷地確保に関する陳情書  (第二九九号)  は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  電波法の一部を改正する法律案(第三十九回国  会内閣提出第五六号、第四十回国会参議院送  付)  日本放送協会昭和三十五年度財産目録貸借対  照表及び損益計算書電波監理及び放送に関する  件(FM放送に関する問題等)      ――――◇―――――
  2. 本名武

    本名委員長 これより会議を開きます。  日本放送協会昭和三十五年度財産目録貸借対照表及び損益計算書議題として審査に入ります。     —————————————
  3. 本名武

    本名委員長 この際、参考人招致の件についてお諮りいたします。  すなわち、本件に関し、審査が終了するまで、随時日本放送協会より参考人を招致いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 本名武

    本名委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、参考人人選等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 本名武

    本名委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————
  6. 本名武

    本名委員長 まず保岡郵政政務次官より概要説明を聴取することといたします。
  7. 保岡武久

    保岡政府委員 ただいま議題となりました日本放送協会昭和三十五年度財産目録貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書国会提出について、概略御説明申し上げます。  日本放送協会のこれらの書類は、放送法第四十条第三項の規定によりまして、国会に提出いたすものであります。  協会から提出されました昭和三十五年度の貸借対照表等によりますと、昭和三十六年三月三十一日現在における資産総額は二百六十六億四百万円で、前年度末に比し六十六億一千百万円の増加となっており、これに照応する資本総額は百二十三億四千六百万円で、前年度未に比し三十八億五千五百万円の増加負債総額は百四十二億五千八百万円で、前年度末に比し二十七億五千六百万円の増加となっております。資産内容を見ますと、流動資産三十五億四千二百万円、固定資産二百九億九千万円、特定資産十七億八千百万円、繰延勘定二億九千百万円となっております。また、負債内容は、流動負債八億七千七百万円、固定負債百三十三億八千百万円であり、固定負債の内訳は、放送債券九十一億七千五百万円、長期借入金四十二億六百万円となっております。  次に、損益につきましては、事業収入は三百二十四億三千五百万円で、前年度に比し七十二億七千八百万円の増加であり、事業支出は二百八十五億一千三百万円で、前年度に比し六十二億一千万円の増加となっております。従いまして、当期剰余金は三十九億二千二百万円となっておりますが、これはテレビジョン放送受信者の予想以上の増加によるものであります。  なお、当期剰余金につきましては、その大部分放送債券償還長期借入金返還等資本支出に充当されております。  以上の通りでございますが、何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  8. 本名武

    本名委員長 次に、参考人日本放送協会会長阿部真之助君より補足説明を聴取することといたします。
  9. 阿部真之助

    阿部参考人 ただいま郵政政務次官から日本放送協会昭和三十五年度財産目録貸借対照表及び損益計算書概要について御説明がございましたが、委員長の御指命によりまして、これから補足説明を申し上げることといたします。  まず、当年度末現在の財政状態財産目録貸借対照表から見てみますと、資産総額二百六十六億四百六十四万円のうち、最も大きな部分を占めております固定資産は二百九億八千九百七十一万円で、前年度末に比較しまして四十九億九千百九十一万円の増となっております。これは、主として、当年度建設計画に基づきまして、八戸ほかの総合テレビジョン局、富山ほかの教育テレビジョン局、そして熊野ほかのラジオ中継放送所建設及び前年度に引続く広島放送会館岡山放送会館金沢放送会館建設、その他、放送設備関係機器の整備及び局舎、宿舎の増改築等を行なったためであります。  一方、これに対します負債総額は百四十二億五千八百五十八万円となりましたが、このうち固定負債について申しますと、百三十三億八千百六十七万円で、前年度末に比較しまして二十九億三千百五十万円の増となっております。これは当年度放送債券を新規に四十億円発行し、他方三億一千五百二十万円を償還しましたほか、七億五千三百二十九万円の長期借入金の返済を行なったためであります。  また、資本につきましては、従来旧法人から承継した純財産額に、その後実施した第一次及び第二次再評価積立金を組み入れたものを固有資本として表示し、さらに積立金及び当期剰余金を合はせて剰乗金と称しておりましたが、協会における剰余金は、その大部分固定資産化されたものに照応するものでありますため、そのうち三十九億円につきまして、従来の固有資本に組み入れることといたしまして財務の実態に即応させ、名称も資本と呼ぶことといたしたものであります。この結果、当年度末の資本は七十一億五千百九十五万円となりました。  次に、当年度事業収支の結果を損益計算書で見ますと、事業収入は三百二十四億三千五百五十八万円で、前年度決算と比較しまして、七十二億七千八百二十五万円の増加となっております。これは主として、テレビジョンにおきまして、前に申しましたようにテレビジョン放送網建設を推進しサービス・エリアの拡大をはかります。一方放送番組拡充及び事業の周知に努めました結果、有料受信者契約数におきましては急速な上伸を示し、当年度内二百七十一万の増加を得たことによるものであります。この結果当年度受信契約者数は六百八十四万に達することになりました。一方、ラジオにおきましては、極力その受信者維持増加に努めたのでありますが、当年度内百六十三万の減少を見、当年度末一千百十二万となりました。なお、有線放送受信者に対しましては、付帯決議の主旨に沿い、受信料の半免措置を講じ、当年度末における年除対象は四十二万六千件、減収額は一億六千四百七十七万円となりました。  次に、事業支出について申し上げますと、事業費が二百三十七億八千四百八十八万円で、前年度決算に比較しまして、五十億七千七百十七万円の増となりましたが、これは、テレビジョン放送時間の延長と番組内容充実、カラー・テレビジョンの本放送開始国際放送拡充受信者普及開発促進等を行ないましたほか、これら事業拡充に伴う維持運用費人件費増加によるものであります。  減価償却費は二十七億千三百八十六万円で、前年度決算に比較しまして六億百九十三万円の増となりましたが、これは建設工事の急速な進展に伴う償却資産の増によるもののほか、前年度に引き続きまして、陳腐化のはなはだしいラジオ資産について特別償却を行なったためであります。  以上の収支の結果、当期剰余金は三十九億二千二百三十六万円となりました。  協会当年度末における財政状態及び当年度事業成績は以上の通りでございますが、今後の事業運営にあたりましても、公共放送としての使命と責務を銘記いたしまして、全国あまねくラジオテレビジョン両方放送が受信できるように、難聴視地域の解消、外国電波による混信の防過に努めますとともに、放送番組充実向上経営管理合理化等を進めまして、放送事業の発展に一そう努力をいたして参りたい所存でございます。  何とぞよろしく御審議のほどお願いする次第でございます。
  10. 本名武

    本名委員長 次に、会計検査院当局より検査報告について説明を求めます。白木第五局長
  11. 白木康進

    白木会計検査院説明員 昭和三十五年度の日本放送協会決算につきましては、例年通り予算執行状況及び決算内容につきまして、書面及び本部、それに一部の放送局につきまして実地検査を施行いたしまして検査をいたしたりでございますが、検査の結果不当と認めた事項はございません。  簡単でございますが、御報告いたします。      ————◇—————
  12. 本名武

    本名委員長 郵政事業に関する件、郵政監察に関する件、電気通信に関する件並びに電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを、許します。森本靖君。
  13. 森本靖

    森本委員 質問をいたしますが、ちょっとその前にNHK一つだけ注文があります。これはあした質問をするときにやろうと思いましたけれども、ちょっと聞いておきたいと思いますことは、NHK理事以上の方でありますが、国会開会中に海外に出られることがたびたびあるわけであります。これは、私は今後も注意をしておきたいと思いますが、電電公社でも国際電電でもそうでありますが、当委員会関係のありまするそれぞれの団体の——普通の人は別でありますけれども、理事以上の人になりますと国会開会中に海外に出たいという場合には、一応衆参両院逓信委員長に何月何日からこういう用事で行ってくるからという通知だけはぜひしておいてもらいたい、こう思うわけでありまして、その辺のことについてはNHKとしてはどうお考えか、これは前田専務からでも聞いておきたい。
  14. 前田義徳

    前田参考人 まことに御同感と思いまするが、大体理事の中で会長の特別の指名によりまして問題の担当を命ぜられておりますので、その限りにおいては御審議に際しましても支障はないかと存じますが、根本的には御同感でございますので、そのようにいたしたいと考えております。
  15. 森本靖

    森本委員 それでけっこうでありますが、これは許可するとかしないとかいう権限は別にこちらにありませんが、ただ、道義的に、各団体の方から少なくとも役員以上でありますと、国会開会中に海外に出る場合はこうこうで出るからという通知通告くらいは委員長の方にするように、委員長から一つそういう習慣をつけておいてもらいたい。今前田専務も言われましたように、おそらく協会当局としては答辯等についても万全手落ちのないようにしとおられるということは十分わかりますけれども、しかし、会長がおらない場合は副会長ということになるわけでありまして副会長もおらない場合は専務ということになりますけれども、会長、副会長というのは代表的な人物でありますから、そういう点につきましては一つ今後そういう習慣をつけるように、委員長の方からでもお願いしておきたいと思います。
  16. 本名武

    本名委員長 善処いたします。
  17. 森本靖

    森本委員 一般電波関係についての質問をしたいと思いますが、特に特別の問題として私が聞いておきたいと思いますことは、この間の中波のいわゆる増波がありまして、御承知の通り、関東で二波、中部地方岐阜で一波、三波新しく波が出たわけであります。これについては、われわれとしては、この波の割当のやり方についても非常に疑義を持っておったわけでありますが、まず聞いておきたいことは、岐阜に対してこういうふうな新しい中波ラジオの波を与えなければならぬという客観的な理由の御説明を願いたい、こう思うわけであります。
  18. 石川忠夫

    石川説明員 先般の五月のチャンネル・プランの再編にあたりまして、お話のありました栃木、茨城並び岐阜県におきまして、一般放送事業者標準放送の波が一波ずつ割り当てられたわけでございますが、これを割り当てられました理由といたしましては、これらの地域広域放送によって一応おおわれておるわけではございますが、その地域社会の住民のローカル番組に対する需要と、それから地元ローカルスポンサー需要がむずかしい点もございますので、そういう要望が前々からありたわけでございます。さらには、去る四月四日の衆議院逓信委員会に対する電波放送の小委員会報告の第二にもかような趣旨がうたわれてございまして、こういった趣旨を尊重いたしまして、波の許す限りにおきまして、できるだけそういった地域社会需要を満足させたい、こういうことから三波を加えたわけでございます。
  19. 森本靖

    森本委員 小委員会のなには、別に地域を指定したわけじゃないのでしょう。
  20. 石川忠夫

    石川説明員 地域は指定ございません。この前の小委員会報告の中では、「現在数県にまたがる広域放送の行われている区域内に於いても、中波、超短波を通じ、周波数の許す限り、併行的に、都道府県単位地域放送局設置について考慮すべきである。」こういうふうに書いてあります。
  21. 森本靖

    森本委員 それはこの間のFM放送のときの電波放送の小委員会であって、現在の問題のことをいっているのではないのですよ。将来はかくあるべきであるということをいっておるわけであって、それを曲解されちゃちょっと困ると思う。  それから、この岐阜の場合は、もと岐阜にはラジオ放送局があったわけでしょう。
  22. 石川忠夫

    石川説明員 ありました。
  23. 森本靖

    森本委員 そのあったのが廃止になったわけですね。
  24. 石川忠夫

    石川説明員 詳しいことは調べてございませんが、三重県の放送会社一緒になりまして名古屋に出たと聞いております。
  25. 森本靖

    森本委員 その三重県と岐阜名古屋とが二緒になって要するに名古屋に大電力放送局をつくってやることが最もふさわしいということで、郵政省としては岐阜三重名古屋合併をさして、そして一つ放送局にさしたわけでしょう。
  26. 石川忠夫

    石川説明員 合併して名古屋に出ましたいきさつについては、十分調査してございませんのではっきりしておりませんが、多分そういうことだろうと私の方も考えております。
  27. 森本靖

    森本委員 だからそのときに、名古屋三重それから岐阜というふうなところの放送局がそれぞれの寡少資本でやっておったのではなかなか立っていかぬから、十キロ以上の大電力にして、そうして名古屋から放送して、しかも三重岐阜というところのローカル番組については十分にこれを考慮していくという建前で、この三つ合併をしてやった、こういう経過じゃないのですか心もしそういう経過がわからぬということなら、わかる人を一つ呼んできて下さい。
  28. 石川忠夫

    石川説明員 そういう経過だと思います。
  29. 森本靖

    森本委員 そういう経過岐阜三重名古屋とが一緒になっていわゆる東海ラジオ放送株式会社ですか、それができて、電力も十キロに上がった。だから当然そこは岐阜三重というところのローカル性を考えるところのローカル放送はやらなければならぬということに私は当時なっておったと思うわけであります。そういうところと今電波放送の小委員会で出したところの結論とかみ合せて、岐阜にやらなければならぬという理屈にならぬと思う。それなら、岐阜にやらなければならぬということになったら、三重県にもやらなければならぬということになる。
  30. 石川忠夫

    石川説明員 私どもローカル番組に対する需要だとかあるいはローカルスポンサーに対する需要ということで置かなければならない点においては、三重県は全然別であるということは言いがたい、かように考えております。
  31. 森本靖

    森本委員 だから、三重県は全然別であるとは言いがたいということになれば、岐阜に許可するなら三重にも許可しなければならぬということになりますが、片方には波がないということであなたの方は回答すると思うのですが、岐阜にそれだけどうしてもやらなければならぬということ自体も私は非常におかしいと思うわけでありますが、きょうは岐阜に波をおろしたということがおかしいということの問題を追及するわけではありません。そのこともまた他日中波のこの間の割当全般をにらみ合わせての行政の不合理さを追及はいたしますが、きょうは、とにかくそういうことで不合理さがあるにもかかわらず一応岐阜におろしたということになっておるわけでありますが、今回予備免許をおろしたのはどこになっておりますか。
  32. 石川忠夫

  33. 森本靖

    森本委員 そこで、そのラジオ岐阜予備免許をおろしましたときに誓約書というものをあなたの方に入れておるようですが、その誓約書というものはどういう内容ですか。
  34. 石川忠夫

    石川説明員 「資本構成については、岐阜放送側と協議し、改めて株式名簿を製作し、双方立会の上、郵政大臣あて提出いたします。右名簿につき、御当局において御確認をいただいた上予備免許効力を発生するものとして異存はありません。」という誓約書が入ってございます。
  35. 森本靖

    森本委員 岐阜関係でこのラジオ岐阜予備免許がおりておるわけでありますが、それ以外に免許申請をしておったのは岐阜放送だけですか。
  36. 石川忠夫

    石川説明員 おっしゃる通りでございます。
  37. 森本靖

    森本委員 その岐阜放送代表者並びに発起人の重立った人の名前と職業を言ってくれませんか。
  38. 石川忠夫

    石川説明員 申し上げます。岐阜放送発起人は、河村忠一渡辺六一、安部源三郎早川好治郎高畑与之助渡辺茂三郎加納精吾、そういうふうになっております。代表者東前豊という人であります。
  39. 森本靖

    森本委員 東前豊という人はどういう人ですか。岐阜県で有力な人ですか。
  40. 石川忠夫

    石川説明員 前の岐阜市長でございます。
  41. 森本靖

    森本委員 そうすると、それ以外の発起人岐阜県における有力な人ですか。
  42. 石川忠夫

    石川説明員 岐阜市だけではございませんが、岐阜大垣あたり会社の社長というような人であります。
  43. 森本靖

    森本委員 そこで私は今後の免許問題——とにかくFM放送免許問題にも非常に影響いたしますので聞いておきたいと思いますが、こういうふうに免許申請競願をしたという場合に、これはこの前のテレビ免許をおろすときに非常に弊害があったわけでありますが、去年まで福島の問題が解決つかなかったということは、競願が二つ三つあった場合は、その内容いかんにかかわらず、それを足して、三つなら三つで割る、それが五つあれば五で割る。そこで、とにかくその五つのものがちゃんとした話し合いがつかなければ予備免許効力が発しない。今回も、この岐阜放送ラジオ岐阜とが話し合いをして、株式の問題について話し合いがつかなければ免許効力を失う、こうなっておるわけであります。もしこういうふうな誓約書予備免許という条件がずっと将来続いていくとするならば、今後も勝手にぼこぼこ免許申請を出しておけば一つ権利獲得というような意味になるわけであります。そういう点も見越してかどうか知りませんけれども、この前のテレビチャンネル合戦といわれておりますあの免許のときの状況を振り返って、現在は各新聞社あるいはさらにまた民間、そういうものが入りまじってFM放送のごときは数倍にわたる免許申請が出ておる、こういう状況になっておるわけであります。これをいかように解決をつけるかということは、将来の大きな郵政大臣にけされた政治的たま腕になるわけでありますが、たまな手中間の免許として新しく放送局を設立するに際して、こういうふうに岐阜放送ラジオ岐阜があくまでも話し合いをしてやらなければ話し合いがつかぬというような習慣をつけるということは、今後の免許のあり方からいたしましてもまことにおかしい、私はこういうように考えるわけですが、その辺どうですか。
  44. 保岡武久

    保岡政府委員 私からお答えいたしたいと思いますが、森本先生の今の御意見は非常にごもっともな点があるのでございまして、複数の申請者があります際に、どれもこれも一こま乗れるんだというような印象をつけるということは、非常にまずいことだと考えております。従って、今後FM放送許可等の際にはそういうことのありませんように、十分に事業体実態を調査いたしまして、かりに同じような力があり、経営能力があり、番組編成等の妥当、公平さ、あるいは適正さというようなものが出てきている場合には、よほど考慮を要することと思うのでございますが、弱小のものでただ便乗したいというようなことが明瞭であるという場合には、これは当然オミットすべきじゃないだろうかというように私は考えます。
  45. 森本靖

    森本委員 その場合当然できるという資本構成であるというふうに見ておっても、たとえばその背後に大新聞社あり、大放送あり、あるいは県外弱電メーカー資本がある。実際に名前だけ借りておるということがわかっおっても、なておかつ両者が合併せいというようなことをやるわけですか、表面上ちゃんとした人が出てきておれば……。
  46. 保岡武久

    保岡政府委員 実際の問題について具体的に検討し、そして筋の通ったように物事を処理していくほかないんじゃないかと考えております。
  47. 森本靖

    森本委員 これは人の名前がたくさん出てきますので、もうこれ以上この岐阜の問題については私は追及いたしませんけれども、地元新聞なんかを見てみますると、県外寡少資本排除というようなことでかなり大々的にその代表者の談話が載っておりますし、また内部には政治家名前も相当新聞紙に出てきておる。そういうことであるとするならば、何か電波行政というものがそういう目に見えない陰であやつられておるという印象を今回の場合でもかなり私は受ける。そういうふうな公平であるべき電波行政というものが、何か他のばく然とした力にあやつられておるというふうな印象を受けるような電波行政というものは、少なくとも何かそこに一本筋の通っておらぬ電波行政のやり方があると私は思う。だから、かりに今回の免許についてもやはり郵政省が正式にきちんとした調査をすれば、何ものにも、屈しない調査をするならば、二つのうちでどちらがその地元で一番有力なものであり、どれが一番資本構成があり、ほんとうに地元の人の声を反映するものがどちらであるかということは判断がつくはずであります。そういう判断がつかないとするならば、少なくとも郵政省として免許する価値はない。そういうことをずっと詳細に調査をしていくとするならば、何もかも一緒くたにしてやれというようなことにはならぬと思う。何もかも一緒くたにしてやれということは、何らかの大きな力がくるので、下手すると次長くらいの首は飛んでしまうということになるかもわからぬというふうなおそれもあって、やはりそういうふうな妥協的な条件に出る。もしこういうことが将来FM放送の問題についても行なわれるとするならば、これはゆゆしき問題であります。そういうことになりますと、日本の電波行政というものは全く混乱をした政治行政になって、この間のテレビチャンネル・プランの二の舞以上の大きな争いになる。この間のテレビチャンネル・プランのときにも相当新聞あるいは週刊誌等にもその内幕が書かれております。書かれておりますけれども、幸いなことにはそう大した問題に事実上はならなかった。しかし、今後のFM放送というものは最後の通信の媒体としてかなり放送局新聞社その他あらゆる団体というものが注目しておる。そのFM放送免許をおろす前に、今回この岐阜とそれから栃木でありましたか、群馬でありましたか、三つ新しく許可になりた。その新く競許可になった岐阜の問題がとにかしく願をすることを一緒くたにしてやれ、こういうことになっておる。しかも私の聞いておるところでは、内部の争いがなかなかまとまりそうにない。これはまとまらなかった場合は、あなたの方の誓約書にある通り無効、こういうことになりますか。
  48. 石川忠夫

    石川説明員 期日までに誓約の内容ができまして郵政大臣において確認されなければ失効する、こういうことでございます。
  49. 森本靖

    森本委員 私は郵政省に聞きたいと思いますのは、この予備免許をおろすということは、岐阜県に中波ラジオ放送局をこしらえなければならぬというところから郵政省はおろしたと思う。そういたしますと、だれがこの放送をやるということについては一番望ましいかということを、当然あなたの方では審議をしなければならぬ。ところがこれが一番よろしい、たとえばここで例をとってみますと、ラジオ岐阜が一番よろしい、しかし、それにやや劣るけれども、岐阜放送というものがある。ラジオ岐阜岐阜放送とが話をして一つ会社にしなさい。ところがけんかをして一緒にならなかった。そしてぺしゃんこであるということだったら、初めから免許の許可をしない方がいい。岐阜中波ラジオ放送局をつくらなければならぬという電波行政の命令で、いわゆる至上命令でこれをやろうとするならば、やはりその次の段階というものも考えておかなければならぬ。福島のようになるおそれは多分にある。福島はテレビが開局されて五年越しでようやくできるという形になっておる。またしても一方がそのごたごたでごねる、また片一方がよろしいということになった場合、片一方がだめだということになると、これはいつになったら片がつくかさっぱりわからぬ。こういう免許のやり方というものは郵政省としてとるべきものじゃない、私はこう思うのですが、その辺は政務次官どうですか。
  50. 保岡武久

    保岡政府委員 お説ごもっともだと思うのでございますが、なかなか実際の場合にはむずかしい問題があって、苦心の策としてああいうことになったのじゃないか、私は、当局者でなかったものですからわかりませんけれども、そういうふうに想像するのでございますが、今予備免許したものが誓約書通りまとまらぬときにはどうするかというお話もございますけれども、郵政省といたしましては、一たび方針をきめて予備免許した以上は、できるだけまとめるように努力してみたいと考えております。
  51. 森本靖

    森本委員 それは、郵政省としては予備免許した以上は、まとまるという自信があって予備免許をおろしたということになると思いますが、それなら福島の場合もまとまるといって自信があって免許をおろした。ところが福島の場合は、私がここで六年越しに質問をしてやっとまとまった。まとまったときには、どういう形でまとまったかさっぱりわからぬ。これは郵政省は御承知だろうと思いますが、そういう経過になっておるわけです。だからこれも郵政省にまかせておけば、一体いつになったらまとまるかわからぬ。郵政省よりはほど遠いところで、どこかで話し合いがつけばすぐまとまる、こういう形では一体郵政省は何をしておるか。机の上で書類の上に字を書いておるだけだ。   〔委員長退席、大高委員長代理着席〕 あとはずっとえらい人がどこか陰でやっておるという形で電波行政が側面的に見ると見受けられる。そういうことであってはならぬということを私は強調したいわけであります。何も岐阜の問題をとってこの問題だけを追及しているわけではありません。ややもすると、電波行政というものは、今の私の質疑応答を聞いておって、だれしもそういう感じを抱くだろうと思う。だからそういう感じが抱かれないように、今後の電波行政予備免許というような重要な問題についてはやってもらいたい、こういうことであります。政務次官がこれはお説ごもっともでは、なかなか片がつかぬ問題であります。非常に重要な問題でありますから、今後はそういうふうな、いわゆる政治的な問題に支配せられずに、郵政省が郵政省としての判断と詳細な、正確な資料とデータによってこの免許をおろすという形のものをとっていかなければならぬ。その郵政省のやり方に対しまして、悪いときには、当然電波監理審議会で批判を受けましょうし、あるいは場合によっては当委員会としては行政監督権を発動して、そういう場合については委員会を通じて質問をする、こういう場合もあるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、その過程に来るまでに、あらゆる人々の技量、手腕に左右せられずに、まじめにやっていただきたいということを私は特に要望しておきたいと思います。あなたの方でこれが必ず予備免許効力を発する、こういうように解釈しておる、こういうことでありますが、それは間違いございませんか。もう一ぺん政務次官に聞いておきます。
  52. 保岡武久

    保岡政府委員 郵政省としては、方針をきめました以上は、この方針の実現に全力尽くします。  なお、森本先生の今後の問題についての御意見は、頂門の一針としてつつしんで拝聴いたします。
  53. 森本靖

    森本委員 つつしんで拝聴するだけではいかぬのであって、それを実行に移してもらわぬと何にもならぬわけであります。  そこで、この予備免許については自信がある、こういう御発言でございますので、この予備免許についてはもうあと九月十日まででありますから、もしこれができないということになった場合には、その当事者としては、責任をとるかどうか明らかにしておいてもらいたい。そこまでいかないと、これは話はまとまらぬので、先ほどはっきりと予備免許がまとまるという自信があります。こういう答弁をいたしておりますから、もしまとまらないということになるとするならば、その責任はどうなるか。
  54. 保岡武久

    保岡政府委員 まとまるつもりで全力を尽しておるところでございますから、一つ責任の問題まとまらないときにはどうということは、今しばらくかんべん願いたいと思います。
  55. 森本靖

    森本委員 これ以上この問題を強く追及いたしません。しかし、一たび免許をおろしたならば——その免許のおろし方についても疑問がある。それから波の割り当ての仕方についても疑問がある。しかし、一たび免許をおろした以上は、そのおろした方針に従って岐阜放送局が設立できるように努力する義務があると思いますから、これ以上責任問題の追及はいたしませんが、それはそれなりの覚悟をもってやっていただきたいということをつけ加えて、これに関する私の質問を終わります。      ————◇—————
  56. 大高康

    ○大高委員長代理 電波法の一部を改正する法律案議題として審議に入ります。  質疑の通告がありますのでこれを許します。岡田修一君
  57. 岡田修一

    ○岡田(修)委員 電波法の一部改正案につきましては、先週主要なポイントは御質問したのですが、まだ少し疑問の点がございまするので、質問したいと思います。  まず第一に、現在無線通信士が船内でどういう仕事をしておるか。本来の船舶業務に関する通信並びに船員の一般公衆通信、こういうもの以外にいろいろの業務をやっておるように聞き及ぶのですが、どういう種類の仕事をやっておるのか、その辺の御説明をお願いしたいと思います。
  58. 石川忠夫

    石川説明員 船舶通信士が通信のほかにやっておるように聞いておりますのは、レーダーその他の機器の、何といいますか、船内でできる程度の保守と申しますが、そういうことをやっておるように聞いております。
  59. 岡田修一

    ○岡田(修)委員 ただそれだけでしょうか。それでは大体船舶通信士が一日にどれだけの船舶業務に関する通信を発するか、これは平均的でけっこうです。それからどれだけの公衆通信を発受しておるか。それ以外の業務にどれだけの時間をさいておるか、この辺の御研究はございますか。
  60. 石川忠夫

    石川説明員 実はきょう電波法改正の資料を全然持って参っておりませんものですから、手もとにございませんが、記録にございますので、追って御通知申し上げたいと思います。
  61. 岡田修一

    ○岡田(修)委員 ただいまの点は、それでは後刻御研究を願って、御答弁願いたいと思います。  そこで私の聞き及んでおるところでは、一般の公的な仕事のほかに、ラジオその他を聴取して船内新聞を発行しておる。相当時間的な余裕がありますから、船内乗組員の精神的な慰安をはかるための新聞を発行するとか、その他のことをやっていらっしゃる。そこで一体海上で陸上の無線放送あるいはテレビの受信といいますか、これはどの範囲までその到達距離があるのか、その辺をお伺いしたいと思います。たとえば、太平洋航路を航行する船が、海岸にどのくらい接近すればそれぞれのラジオが聴取できるのか、あるいは全航海中聴取できるのか、最近の無線機器の発達によってほとんどあらゆる地域ラジオの聴取あるいは最近の人工衛星打ち上げによってテレビも見得るようになるのじゃないかと思いますが、その辺のお考えを伺いたい。
  62. 石川忠夫

    石川説明員 現在資料を持ち合わせておりませんけれども、ラジオにおきましては、特に夜間は相当海上におきましては伸びていって、遠距離でも聞けると思います。テレビにつきましては、まだそれほど何海里まで見えるのかというのは調べてございませんが、そう遠距離まで現在の出力ではいかないのではなかろうか、かように存じます。将来宇宙衛星通信が飛びまして、これを媒体といたしましてテレビの受信が直接受像できるような時代になりますれば、あるいは先生のお話のように海上においてもテレビが見える時代がくるかと想像されますけれども、現在のところでは何とも申し上げかねます。
  63. 岡田修一

    ○岡田(修)委員 私は無線通信士の船内における船内新聞の発行その他の役割がこれからの無線機器の発達その他によって非常に減殺されていくのじゃないか、そういった点は重く見られる人もありますけれども、ネグレクトしていい問題ではないか、こういう意味でお尋ねしたのであります。最近通信機械も非常に発達しまして、必ずしも耳で聞かなくても、発信する方が文字をタイプに打てば自然に向こうでも文字で現われてくる、こういうふうなものが非常に発達しているのですが、船舶無線の場合はいかがですか。
  64. 石川忠夫

    石川説明員 先生のお話の点はテレタイプだとかファックスだとかそういう問題だろうと想像されるのでございますが、現在のところはそういったものは海上において十分利用されておるかと申し上げますと、ファックスにつきましては、主として気象はファックスによってやっておるという以外にあまり聞いておりませんが、無線機器のいう面が取り入れられるのではなかろうか、こういうふうに想像されます。
  65. 岡田修一

    ○岡田(修)委員 私の聞き及ぶところでは、十分そういう面に研究をして発達をし得る余地がある。ところがそういう機械が発達すると、当然今問題になっておるように無線通信士の減員の問題に波及するものだから、無線通信士の人たちといいますか、それの関係の人たちの間で、そういう方面の研究が非常になおざりにされているということを聞くのですが、そういう点はいかがですか。
  66. 石川忠夫

    石川説明員 現在の状況で申し上げますと、郵政省としても無線通信士の需給が非常に逼迫いたしておりますので、臨時試験をやる等によって、補充と申しますか、できるだけ無線通信士をふやす方策をとっておるような状況であります。ファックスだとかその他の発達した無線通信機を使うことを無線通信士の連中がはばんでいるというようなことは聞いておりませんし、想像もいたしておりません。ただこれは無線機器の発達によって、その価格と、結局通信士に対する需給による給与との見合いで、今後はだんだんそういうところへ行くのではなかろうかと想像はいたしております。
  67. 上林山榮吉

    上林委員 関連——岡田委員と郵政当局との質疑応答を承りまして、明確を欠くうらみがありますので、少しばかり質問いたします。  その第一点は、無線通信士は通信を行なう以外に何をやっておるかという質問に対して、レーダーの機械の操作も兼ねてやっておる、こういう答弁でございましたが、このレーダーの監視あるいは操作というものは、無線通信発達によりまして将来はどしどしそう士がやることが今の船員組織では一番適当であると思われるかどうか。同時に無線通信士がレーダーを——レーダーというものは、これはもう船の心臓あるいは目にあたる大事な機械なのですね。こうしたようなものは将来船としては非常に重要に考えていかなければならぬ大事な問題なのですが、レーダーはますます発達するでしょう。この高度のレーダーを操作するには、やはり技術的経験のある者、あるいは故障が起こった場合にこの故障を直し得る力のある者がいないと、たとえば港を離れて遠く航海しているような場合、これは非常に重要になってくるのですね。この点を将来どういうふうに扱わせた方がいいと考えておるか、いわゆる無線並びに船の航行の安全、これと加えてどういう考えを郵政省は持っておるのか。私は改正案は賛成です。曲がりなりにも賛成していかなければならない、こういうふうに考えておるのですけれども、その前提あるいは内容としてもう少しわれわれ及び国民にわかるような説明というものが必要なのです。その意味において今のこの第一問に対してどういうふうにお考えになっておるか、まず伺いたい。
  68. 石川忠夫

    石川説明員 レーダーの操作につきましては、ただいま聞いたのでありますが、航海士の方でやるということでございますが、私が申し上げましたのは調整と申しますか保守と申しますか、保守関係は船舶通信士が従来やっている、こういうふうになっておるわけでございます。それでこういうことが望ましいかどうかという御質問だと思いますが、私どもといたしましては、やはりあるべき姿としては通信士は通信をやり、レーダーの操作を担当いたします航海士なら航海士のところで保守をやる、港に入ったらちゃんとした大修繕をやるということが筋ではあるまいか、かように考えておるわけでございます。
  69. 上林山榮吉

    上林委員 今やむを得ず航海士と通信士が共同して担当しておるのだけれども、将来は航海士が技術的な保守もできるような教育を受けて、これが担当していくことが正しい、こういうふうにお考えだと了解をいたしましたが、これは言うべくしてなかなか行なわれないことでありますから、一つその点は運輸省ともよく連絡をとられて、通信士はおれの方だ、航海士はお前の方だ、こういうふうに安易に考えないで、将来の改革のために努力をしてもらいたい、こういうふうに強く要望いたしておきます。  第二点について私お尋ねいたしたいのは、質疑を聞いておって、これも郵政省はどうも自信がないような答弁のようです。いわゆる現在の機械あるいはここ数年で改良されるであろう程度までの機械ですね。いわゆる無線の到達距離はどれくらいか、もっと通俗的にいえば、太平洋のまん中まで通ずるのか、あるいは大西洋はどうだ、あるいはインド洋はどうだ、こういうことについて何か自信のある答弁がありますか。その辺は現在の時点においての機械では到達しません、あるいは、こと数年しても、改良しても到達しないであろうとか、到達しますとかいう一つの見識がなければならない。私が仄聞したところによりますと、そういうようなところは、船から船に中継をして、そうして陸地にこれを到達せしめておる現況だということも聞いておるのだが、それはパーセントにして一年間にどれくらい中継をしなければ聞かれないものかどうか、もうそれは機械の発達によって現在は解消されたものかどうか、この辺の事情をもっとわかるように説明してほしい。
  70. 石川忠夫

    石川説明員 海洋において、どこら辺までテレビが現在見得るか、また将来見得るか……。
  71. 上林山榮吉

    上林委員 テレビラジオだけの問題じゃないよ。無線電信の問題も入っているんだよ。
  72. 石川忠夫

    石川説明員 無線電信におきましては、ほとんど全世界のどこの海域でも、先生のおっしゃるような中継的な方式をとっているところもございますけれども、日本船から日本の国に通信ができるようになっております。
  73. 上林山榮吉

    上林委員 まあ大部分は通信ができる、通信ができないところもある、こういう程度に聞いたのですけれども、日本船からどこへ行っても日本の陸地には連絡ができる、あるいは外国の陸地にも連絡ができる、こういうふうに了解していいですか。私が聞いたところは、まだ中継しなければ届かぬところがある、その費用は莫大なものである、むしろ直接に通信しておるものよりも費用の負担においてドルなんかを支払う関係等もあったりして、これはやはりそちらの方の負担が重いのだという話をしかるべき人から聞いたこともあります。あなたの話を聞くと、だいぶそれが解消された、あるいはほとんど解消されたかのごとく聞かれるので、それであれば、まことに幸いだと思うんですよ。機械が発展すべきは発展していかねばなりませんから、それにマッチした法律の改正あるいは運営というものをやっていかなければならぬのですから、何も私はとらわれて質問をしているわけじゃない。私の言うのは、中継をしなければ届かぬ、船から船に中継して遠いところは陸地に持ってくる、あるいはまた外国の海岸局等に連絡をしなければならぬ、そうしないと通じない、これにはドルを払わなければならない、これが非常に国としては損だという説も聞くわけですが、その辺の事情を研究しておられるかどうか。私の言うのは全く杞慶にすぎないか。杞慶であれば幸いだと思うけれども、データを僕が持ってないから、あなた方当局にデータをお尋ねしているわけです。その点もう少し……。
  74. 石川忠夫

    石川説明員 私が先ほど中継と申し上げましたのは、日本船が日本船へ中継を依頼して、日本に電報を打ち込む、こういうことを申し上げたわけでございます。そのほか先生のおっしゃるように、外国の基地なり船なりを通じて通信しなければ日本に通信できない場所がどのくらいあるかということにつきましては、私資料を持ち合わせておりませんので、内容については聞いておりますけれども、その点は後ほど調べてお知らせしたいと存じます。
  75. 岡田修一

    ○岡田(修)委員 ただいまの上林山先生の質問ですが、先週私が質問いたしたおりに、運輸省の海運局長に、今度無線通信士の定員が減少すると、自然外国の海岸局を経由せざるを得なくなる、その場合に、相当の電信料がかさむ、そのかさむ電信料と無線通信士減員による利益とどちらが大きいかという質問をしたのです。それに対して運輸省の方では、いろいろ自分の方で試算した結果、十数億の利益が得られる予定だ、こういう答弁があったのですけれども、ただいま上林委員から御質問がありましたので、もう一度この点について運輸省の方からあなたの方で御研究になったところを御答弁願いた思いといます。
  76. 亀山信郎

    ○亀山説明員 大体通信士が減員された場合に通信が非常に輻湊する、一時に集中するためにその通信士の勤務時間外の電報を内地に送り届けるのに外国の海岸局を利用する、現在は先ほど電波監理局から御答弁がありましたように、ほとんど地球の裏側からでも直接船舶からの通信を行なっておりますけれども、減員によってこれができない場合に、外国の海岸局を使って内地に電報を打ってくる、その場合にはそれだけの費用が今までよりはかさむわけでございまして、これは電報の通数にもよりまするが、必要な電報ということを船主協会の方で試算をいたしました結果、それによって、今まで外国の海岸局に支払われていないで今後支払いを要するであろう金額は年間約一億円に上るであろう、しかし、電波法改正等によりまして減員が実現いたしました場合には、その方面の人件費の節約は年間約十七億になる、従って、その差額十六億程度は海運全体としては負担が軽くなるだろう、こういうふうに想定をいたしておるわけでございます。
  77. 上林山榮吉

    上林委員 私は電波法改正は最初反対だったのです。今の段階でやるべきじゃない、態勢が整っていない、こういうわけで反対いたしましたが、それぞれ政府両省でいろいろお話し合いになったので、まあやむを得ず賛成をしてきたのですが、しかし、今のような説明は運輸省としてずさんじゃないか。船主協会の資料によらなければ、運輸省自体の資料を持っていないということは、私はまことに遺憾であると思います。これは自主的にあらゆる方面からあなた方がデータを集められて、運輸省の責任において両省と話し合った線においてこの問題を解決しようとする熱意がなければならぬ。私は運輸省にも好意を持っておる一人です。ですが、こういう問題はもう少し権威のある資料を出さなければ、国会審議にはならないのですよ。だから、そういう意味合いにおいて、海岸の基地局を利用することによって、今までよりわずか一億ふえると言っていますが、海岸の基地局を利用する通数、それから基地局を利用しないでも済む通数、そのデータがありますか。そして一通当たりの値段がドルを払う場合は非常に高くなるのです。これも換算をしておるかどうか。今見ているとなかなか時間がかかりそうですから、数字でけっこうだから、あとでお出し下さい。
  78. 岡田修一

    ○岡田(修)委員 次に本問題は最近における無線通信士、特に船舶無線通信士の需給状況から促進された点が多分にあるのですが、そこで現在の無線通信士養成の状況、その養成された無線通信士が陸上、海上、どのように流れていっているか、この点をお伺いしたい。
  79. 石川忠夫

    石川説明員 ただいま資料がございませんので、資料を調べまして、後ほど御通知申し上げることにさせていただきたいと思います。
  80. 大高康

    ○大高委員長代理 この際、暫時休憩いたします。    午後零時四分休憩   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕