○武藤
委員 配慮をしなければならぬ問題ですが、今回の日米経済協力
会議においても、特にアメリカは、日本を自由主義陣営のチャンピオンとして強く
要望しておるわけですね。低開発国の援助に対しては、日本が大いに努力してくれ、特に東南アジアの方に関しては日本がやってくれということをケネディが言っておるわけですね。そういうような自由主義陣営の一環として、日本の自由民主党は大いに貿易振興及び経済協力費という名で、本年度予算をふやしたわけですね。それが実際の効果が上がっていないというこの姿を見たときに、まことにこの基金の使い方はおざなりですね。もっとレベルの高いところで総合的に判断をしてこの金を使わぬからこういうことになるのです。基金を預けっぱなしで、
検査もしない、どの国でどのようにしておるかということもおそらく政務次官はきょうの質疑応答を通じて初めてわかったようなことだろうと思うのです。こういうようなことでは選挙のために人気をとるための単なる予算項目であって、具体的には効果がないときめつけられても私は弁解の余地はなかろうと思うのです。こういうようなことが予算の使い方の中身には各所にあると思うのです。われわれ
委員の
責任もありますが、従来
委員会というのは、過去のそういう予算執行の状況や明年度の予算について具体的にここで質疑応答をするという習慣が非常に薄かったためにも、そういうことが欠陥として私は出ておると思うのですが、今後は一つきめた予算がどう使われておるかということに対しても、われわれは十分
検討する必要があると思いますので、きょうのこの質疑応答の
内容を見て、どうも金の貸し方がずさんでしかも開発の
基本的な構想もなくて、ほんとうに行き当たりばったりで、その金を抱えてどうしようかということに苦慮しておるのが今の姿のような気がいたします。この問題に対しては、国民の血のにじむような血税なんですから、私はこの基金が大切にしかも十分効果の上がるように使用されることを強く
要望しておき、その後の結果についてはまた羽柴さんに使用状況等をじっくりまたお尋ねをいたしますから、こういうことについては一つ十分気を配って最善の努力をしてもらいたいと思います。
最後に、政務次官にお尋ねいたしますが、自由主義陣営の強化ということだけにあせって、非常に不安定な国国、しかも開発をするにしてもとてもできない、先ほど有馬
委員がおっしゃいましたような非常な危険性の伴っておるところまで膨大な
調査費を計上してやるというような乱暴な金の支出は慎んでもらいたい。もし自由主義陣営を強化するというねらいでやるのだということで、がむしゃらに不安定な国に出すがごときことは、日本の将来に大きな禍根を残すと思うのです。ですから低開発国を援助するという場合には、できるだけ国連にプールして、国連の窓口を通じて低開発国の援助をするという
責任分担をやはり国連を通じてやるべきだと私は思うのです。だから、基金は基金として、別ワクとして日本の
政府が持っておるのはいいです。いいけれ
ども、どこの国へどのようにやっていこうかということは、できるだけ国連の場を通じて、国連の大きな計画にマッチした日本の開発協力というものを
考えなければならぬと思うのです。そういう点でも、羽柴さんあるいはこれを担当しておる方々にそういう点を強く
要望して、この問題については一応ピリオドを打っておきたいと思いますが、政務次官、それに対するあなたの御
意見だけでもお聞かせしておいていただければ、次に進みたいと思います。