○平田
参考人 井出先生大
へん多角的に
数字をお述べになっておられるようでございますが、先般申し上げましたことに
関連しまして、若干それに言葉の趣旨を正確に申し上げておきたいと思います。
まず、中小の場合は若干推定が入っておりますので、大手の場合につきまして申し上げますと、
設備資金が約千四百億要るだろう。これは大体近代化、
合理化をビルド山を中心に、あるいは一部維持山を中心にやるために五カ年余、ことしの追加まで加えますと五カ年強になりますが、その五カ年強の中で必要とする総資金だろう、これは報告の前の方にいろいろ載せております
数字と見合った
数字でございまして、ほぼ間違いない
数字であろうということでございます。それから先般、二百五十億ないし三百億ほど、正確に申しまして、追加しまして、何とかしなくちゃならぬ資金を必要とするだろう、こう申し上げた。従いまして、その追加しまして何とかしなくちゃならぬ金を出す前に、現在出しておる資金はそのまま継続するとしてということを申し上げた。
合理化事業団から今大手だけで二十億
程度の
設備資金を出しております。近代化資金です。それから、開発銀行から七十億ほど毎年出しております。これは今後もやはり継続して出すものとしまして、そのほかに何とかしなければならない資金が二百五十億ないし三百億くらい要するだろう、こう申し上げたわけでございます。従いまして今出しているものと一緒にしますと、
財政資金としてはもっと多額なものを必要とするということになります。
それからさらに、それでは二百五十億ないし三百億がそのまま全部
財政資金に依存しなければならぬかと申しますと、必ずしもそうとも言えない。と申しますのは、やはり今までのように、
企業によりましては
会社も実情がだいぶ違っておりますことはおそらく井出先生御存じだろうと思いますが、市中調達などでできる
会社も相当ございます。数が多いとは申し上げませんが。何と申しましても、
石炭鉱業の自立というものは、
最終的には私
企業として何とか自立の道を開いていこうということでございますので、やはり
会社自体がみずから一生懸命になって資金についても努力して資金調達をはかるということは当然でございますし、それからまた金融
機関も、御承知の
通り、いろいろ今までのいきさつ、取引の
関係、それからいろいろな系列の
関係等もございますから、今まで貸付も相当やっているわけでございまして、そういう
関係からいきましても、返済の見込みが立たなければ市中から協力を求めるということは無理だと思いますが、返済の見込みが立つということになってきますと、やはり市中としましても、そのときの金融情勢にもよりますが、十分の協力はしてもらわなければならぬ、その趣旨のことを報告にも盛り込んでいただいております。しかし大体今のような状況でございますと、なかなかそれも多く期待することは無理だろうということは、私十分認識しております。従いまして、そういうところをよく
検討しました上で、
最終的には必要な資金を
政府が確保してやる、こういう
考え方をきちっと書いているわけでございまして、そういうことでいきますと、予定の
設備資金につきまして、
会社として必要な
事業ができるようになるだろう、こう見ているわけでございます。従いまして二百五十億ないし三百億というのは、今やっているものの上乗せにそれくらいの資金を何とか市中調達と開発銀行あるいは
事業団等の資金でまかなってやる必要がある、こういう次第でございまして、さらにその内訳を、
財政資金が幾らかということまで申し上げますのは、かえって無
責任と申しますか、非難を受けますので、そういう趣旨をよく申し上げまして、その趣旨に即応して
政府に善処してもらうということを
考えておるわけでございます。
それから
整備資金も同様でございまして、これは大手だけ見ますと六百八十億ぐらい要るだろう、これは五カ年間におきまして
人員が大体十二万人台になるということと見合いまして、この
整備資金の大
部分は退職資金でございますが、これもほぼ前の見通し
通りにいきますと、資金的にはそういう資金が必要になってくるだろう。こういう
数字でございますので、これはそう動きがない
数字ではないかと思います。ただ、これにつきましても、追加しまして何とかしなきゃならぬというのが、三百億前後おそらくあるのではないか。この方はまだ本
年度から始めまして、
合理化事業団が約四十億出すことになっております。しかもこれは返済期限が比較的短いので、三百億出す際には三年分ぐらいを見まして、不足分を、追加
対策分を見ておる。市中から相当今まで借りておりますが、これは何回か切りかえいたしますけれ
ども、四十二
年度あたりでは、市中の方は今までの分が大
部分なくなるだろうという
前提で計算しますと、三百億前後になってくる。これも今申し上げました趣旨で、三百億全部
財政資金に依存する必要はないのではないかと見ております。
会社によりましては
整備計画なり、あるいは
会社の
合理化計画ができますと、これもある
程度市中から協調
融資の形で
融資できる
部分が出てきますし、これはまたある
意味においては、今までの
石炭業と
市中銀行との
関係からいきますと、そういうことで市中も極力協力すべさ場合には協力しなければならないと思いますので、そういうこともやりまして、
整備資金に不足を来たさないようにしょう。しかしこれは今申し上げますように、最後はやはり、すべて
スクラップ・アンド・ビルドの
計画もそれから
雇用計画もあわせてやりまして、その際に資金の
計画につきましても
合理化事業団で
計画を立ててやるようになりますから、その辺のところは、ビルドの方も整備の方も、所定の
計画通り進行するにつきましての債務は、やはり
政府が資金の面で確保をはかっていく、こういうことに相なろうかと思うのでございます。従いまして、そういうところにつきましては、今後は今までよりはもっと正確な形で資金
対策も講じられていく、こういう
考えでございます。
それから、さらにその二つにつきまして申し上げますと、前半にその資金がいずれにしろよけいに要るだろうということは申し上げた
通り、なかんずく三十八年から九年あたりにかけまして相当多額の資金を要するのじゃないか。しかしこれも年々どの
程度にどういうふうにやっていくか、やはり具体
計画と相待ってきまることでございますので、この資金量を、
井手委員のお尋ねでございますが、今私から幾ら要るということを申し上げることはちょっと無理な話でごいますので、私
ども、要するに
答申の趣旨に即応しまして
政府が誠意をもって実行に移すということが何よりも重要なことだと
考えまして、そういうことにつきましては報告のあちこちに実は強調いたしておりますので、御了承願いたいと思います。それが
会社に対する、
企業の
関係の資金でございます。
そのほかに住宅につきましては、率直に申し上げまして、内情話を申し上げますが、私
個人の
考えですけれ
ども、あちこちの
会社にだいぶ私は
炭鉱の
離職者の再
就職状況を聞いてみたのです。そうするとやはり広域の、場所を離れたところにおきましては、まことに少し御年配の方ですと、住宅が一番やはりボトル・ネックになっている。
会社も住宅まで世話をして全部やってやるのは大
へんだ。俗な言葉ですが、住宅つきだと大
へん喜んで受け入れられます。きていただいております人は、大
部分非常によく働いていただいているということでございますので、
広域職業紹介において、私はやはり住宅問題というのが最大の問題じゃないかと私
個人として
考えたわけであります。そこで作文につくります場合には、大量にするとかなんかいうことは各所から意見が出たのです。それは率直に申し上げて、大量というのじゃわからないし、われわれは重視しているのだから八千戸という
数字だけはぜひ
答申に盛りたいのだというので、実は何回か八千戸という
数字を載せるだけでも苦心いたしまして載せまして、それをしかも三十七
年度の追加と三十八
年度中に完成するということで入ったような次第でございますが、これはまとまりまして、
お話の
通りに、建築費の単価が幾ら要るとかいうことをそこまで詰めますと、
政府の仕事がなくなってしまうのじゃないかと思いますが、百万円じゃちょっと一戸当たりできそうにないという話を聞いておりますが、百万と仮定しましても八十億円ということを申し上げたわけです。しかし、そういう金は惜しむべきではない。と申しますのは、住宅は社会全体としても非常に不足しておる。そこで
炭鉱労務者のために集中的、重点的につくるということは、社会全体の見地からも住宅の不足の
一つの補てんの一翼をになうわけでございますので、これはいいことだと思いまして、実はこれは
団長初め
調査団全員も寄ってたかりまして住宅の戸数は計上したような次第でございます。その資金が幾ら要るか、こまかい計算は、これは当然
政府がそれにふさわしい住宅の
計画をつくりまして、
計画を立てて国会の御承認を求めるということに相なるべき筋合いのものじゃないかと
考えます。
それから
ボタ山の
整理につきましては、いろいろ途中で新聞記事等に出ておりましたが、これは率直に申し上げまして、いろいろな案がございます。私
どもの趣旨は、この報告に書いてありましたような趣旨で、これは
政府並びに
事業団等が行なうことになりますが、適正な
計画を立てて、適正な
計画ができますれば、それに対する資金措置は十分講じてやるようにという趣旨でございます。中間に伝わりました
数字は必ずしも正確なものではなくて、
検討資料として出ましたのが新聞、雑誌に非公式に伝えられたものであるかと思いますので、その点は
政府が具体
計画を立てまして出してきた
数字によりまして御判断願いたいと思います。
それから炭産地振興にはその他
道路の問題も、実は私
ども細目は報告文にそこまで
最終的に詰めることもなかなか簡単でございませんでしたので、入れてないのでございますが、炭産地振興には、何と申しましても、交通条件をよくしてやって、広域的に炭産地の振興をはかっていくということが基本的には一番大事であると思うのでございます。これは私の
個人的な
考え方も若干入っておりますが、従いまして、特に筑豊地帯につきましては北九州と福岡を結ぶ、飯塚あたりから田川、それから裏門司でございますね、あの辺を結ぶ
道路、この
道路はどうせいずれつくらなくちゃならぬ、
計画もあるようでありますから、それを少し繰り上げまして、しかも
道路の
計画も
最初の
計画より少し規格をいいものにして、それからショート・カットなんかもできるだけ取り入れまして、できるだけ早くつくるということにいたしますと、少し言い過ぎかもしれませんが、東京の労務者の通勤距離のことを
考えますと、筑豊地帯から工業地帯への通勤距離はそう遠いものじゃない、オートバイで通勤できるのじゃないかと思います。そうすると工場もまたおのずから、下請工場等でがたがたしたところから筑豊地帯に出てくる工場もあるでしょうし、そういう点には
政府はあまり金を惜しまないで、ぜひ
道路計画をつくって、いい
道路をつくるようにしてほしい。その他、工場の誘致その他につきましても、金融
機関、私
ども銀行なんかもできるだけ全面的、積極的に御協力申し上げたいと思いますが、そういうことをやりまして炭産地の振興に努めていこうという
考えでございます。
それも項目の上で実は多数に分かれておりまして、
建設省の予算から出る分、あるいは府県から出る分とか、一部市町村から出る分とか、あるいは
事業団から出る分とか、あるいは
融資も
事業団とか、あるいは
政府金融
機関とか、いろいろ分かれておりますので、その辺のところは
政府が趣旨に即応しまして、しっかりした
計画なりあるいは
数字をはじき出しまして、これも大
部分国会の御承認事項になるかと思いますが、国会に提出されまして、そこで御
審議を願って進めていただくということに相なるかと思います。そのことを申し上げまして御了解を得たいと思うのでございます。