○
岡田(利)
委員 現在、
石炭鉱業合理化臨時
措置法に基づいて、たとえば自分の山はもうやっていけないということで買い上げを申請した場合、事業団の業務
方法書に基づけば、その場合当該
労働者の同意を要する。あらかじめ申請しても、あとから自分でもっていやなら取り消しもできるし、しかも、買い上げを決定する
条件としては、当該
労働者の同意を要するということが業務
方法書に書かれておるわけです。これは終閉山に伴う混乱を避けるというための当然の規定であると思う。特に最近はさらに二百万トンの買い上げを、まだ
調査団が
結論を出さぬうちに、
政府が一方的に追加した。このことは
閣議決定に相反するのではないか。相反しないという
見解があるとしても、あの閣議で決定した
関係者に当然そういう点についての
説明がなされた上で、そういう
結論というものが出されるのが至当であったと思うのです。いずれにしても、そういう買い上げの
ワクが増加をされる。さらにまた、これからの
調査団の結果
報告いかんでは、スクラップという
方針を変えない限り、買い上げの
炭鉱がふえていく。これからさらに閉山という問題、
合理化臨時
措置法に基づく買い上げ
炭鉱というものが増加して参るわけです。そうすると、これは単に業務
方法書で当該
労働者の同意を要するという事務的な問題として
解決するのではなくして、これから特に
労働者の協力と納得を得るという面では、法的にもやはりそういう点について明確に規定すべきではないか、実はこういう第一点の
見解を持っておるわけです。
さらに第二の問題は、今日買い上げによって閉山する山あるいは鉱命がなくなってきて終掘になって閉山をする場合、あるいはまた炭層
条件が悪化し、
経済ベースに乗らないために、
石炭資源はあるけれども、終山、閉山をしなければならぬという場合が
想定されて参るわけです。この場合に、今日の
雇用状況から判断しますと、単に企業のその時の状況だけによってぼんぼん
炭鉱労働者がちまたにほうり出されてくるとすれば、私は
計画的な
雇用転換
対策なり、あるいはまた職業訓練の
計画というものは、なかなか立ちにくいのではないかと思うのです。ですからこの点は、ある程度無理のない形で、どうしても出てくるものについては
産業転換ができ得る、こういう
方向で
計画的に
措置をされなければならぬ問題ではなかろうか。それをある程度
計画的にやるとすれば、当然これは国が十分それを監視でき、状況把握でき、それを
監督していくという、そういう機関なり体制というものがない限り、実際上、自由企業なのですから、幾ら口先で言っても、そのように
計画的にやるというととは非常にむずかしいと私は思うわけです。実際これは今までもいろいろ言われたけれども、
計画的になかなかできていないわけです。あそこは首切りがないだろうと思うところに、ぽっと首切りが出てみたり、そういうような例も実はあるわけです。従って、私は第一点の、買い上げの場合には同意を要するということは、当然
合理化臨時
措置法なり何かの法律で明確に規定をして、
労働者の
理解と納得を求めるという、そういう線を前面に出す必要があるし、後段に述べたような、
計画的に
雇用転換をはかるという面では、監視の機関、それを把握する機関が当然
考えられない限り、今の労働省と
通産省の行政の中では、私はとうてい
解決できないという
見解を持っておるわけです。今までもずいぶんやってもらったわけですが、
通産省の方はこれは
合理化でいく、労働省の方はできたものをどうするか、こういうことでなかなかうまくいっていないわけです。こういうものが、これから
長期的に
石炭産業の問題は続いていくわけですから、それに即応する体制、機関というものが当然検討されなければならぬのではなかろうか、こういう
見解を持っておるのですが、両
大臣の御
見解を承っておきたいと思います。