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板川小委員 第二の
民族系資本が第二の
丸善、第三の
丸善になる可能性も
現状からいうとあり得るという
状態じゃないかと思うのです。そういうような
状態になっておる市況
悪化の
原因というのは、一体どこにあるのですか、
自由化に入ったら、実力の競争ですから、実力の競争で
シェアを拡大していく。これはそういう約束で
政府は
自由化をしたのですから、国際
石油資本からいえば、そういう場を与えられたのですから、当然自由に力でやっても、私は決してそれを悪いと言えないと思うのです。そこに
石油の
自由化の問題があったと思うのですが、しかし、
自由化をやっている国なんというのは、今岡田君も言ったように、どこの国でも
石油は規制をしておるのです。アメリカでも
石油の輸入は制限しておる。アメリカが
石油の輸入制限をした
原因は、西海岸地方では
日本のガソリンの方が安く手に入るということで、自国の精製業者が脅威を受けるからということがきっかけじゃなかったですか。アメリカでは、自国の
石油産業を保護するために、
石油の
自由化をしてないじゃないですか。だけれども、とにかくした。
自由化したら、私は、
民族系の
資本が、出光さんがいかに強いといっても、さか立ちしてもかないっこないと思うのです。ある本に書いてあったのは
——私はこの資料がどれだけ正しいかわかりませんが、専門の本ですが、その本には、大体一〇〇のうちの三分の二を、
原油の
段階で、王様と掘った方の
会社がまず折半する、三分の一ずつまず
石油を掘る
段階でもうけをとる、たとえばキロリットル三千円で売り出すならば、二千円は王様と掘った方の
会社で利益を得るという形で、とにかく三分の二は王様と掘った方で利益を得る。あとの三分の一を持ってきて、
精製販売をしてもうける。その
精製販売の
会社の中へ五〇%
資本が入れば、利益の半分は持っていかれる、だから、三分の一の半分しか、国内
資本というのは、提携
会社はもうけがない、こういうのですね。しかし、
外油系では、販売でどんな
赤字が出ても、そういった採油の
段階でもうけておりますから、全体としては決して損はない。しかし、
日本の
民族系の
資本のように、
原油を買ってきて販売だけで利ざやをもうけようというのですから、ソ連油を買ったりなんかして多少もうけようとしても、これは競争をやったら勝てっこはないですよ。だから
丸善のような形のものが出、それは
丸善の
経営者は
責任がありますけれども、第二、第三のものも出る可能性がある、こういうところにあると思うのですね。だから私は、国の
影響下に置く、エネルギーの
自主性を確保するというためには、やはり国が
民族系に対しては相当な手当も
考えなくてはならぬじゃないか、これは
附帯決議にありますが、そういうことも当然
考えなくてはならぬじゃないか、こう思うのです。
そこでこの当面の市況
悪化の
原因は、
自由化によって
シェアを拡大しよう、だから販売の
段階でどんな
赤字が出ても、当分がまんしてやってもらう。そうして
民族系をつぶしたり自分の
ひもつきにすれば、将来安定した市況になり、安定した
値段で十分売ることができる、こういう形をとっておるのじゃないか、私はここに市況
悪化の最大の
原因があるのじゃないか、こう思うのですが、どうですか。