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滝井委員 そうしますと、結論的には、そういう場合には失対に迎えても差しつかえないということですね。
これで最後ですけれ
ども、この
報告書にもありますが、
失業者の滞留しておる地帯あるいは失業多発地帯における
失業対策事業、これは今炭鉱の問題とかあるいは鉱山のあるところ、あるいは
駐留軍の離職者が重なっておる。こういうように現実に
失業者が滞留して、その上に多発的な状態が重なるというような、こういうものに対する
対策、これを少し具体的に御説明願いたいと思うのです。たとえば福岡あたりの筑豊炭田でいえば、現在滞留しておりますその上に、炭鉱離職者が、有沢
調査団によって七万人前後出てきます。四月六日の閣議
決定以来、全国の炭鉱から月に三千人ずつ離職者が出ておる。筑豊炭田だけでいっても、千四、五百から、多いときには二千くらいになってきておる。そうすると、新たなそういう炭鉱離職者が毎月出てきているわけですね。同時に今度は、炭鉱が閉山することによって付近の農家なり中小企業の諸君が
失業者になってあふれてくるわけです。その地域
経済の崩壊によって、農民、中小企業者が
失業者として現われてくるほかに、今度は、あなた方がこの失対を方向転換することによって、やはりこれは広域
職業紹介に持っていかなければならぬわけですから、七万人程度——三十五万人のうちの二割というもの、あるいは三割、十万人くらいになるかもしれません。そういうものが広域
職業紹介形態に乗るわけでしょう。こうなりますと、三段、四段の重なりが出てくる。滞留をしておる。そうしてその上に炭鉱離職者が出る。それから地域からも新しい者が出てくる。そして今度は、あなた方が
一般失対をおやめになって、とにかく三割程度の人はやめる形になって、広域
職業紹介のレールに乗ってくるわけです。こういう、ヘレン・ケラーの三重苦じゃないが、四重苦がこの多発地帯に起こってくるわけです。一体、こういうところの
対策というものはどういう形になるのかということです。外に出ていく者と地域の者とが二本立てになってくるわけです。そうすると、そういう地域は、もはや炭鉱がやんでしまえば仕事なんかないですよ。ここは相当勇断を、有沢さんの
答申にもあるように、
政府は積極果敢な
措置をやってくれ、いわば蛮勇をふるわなければならぬわけでしょう。同時にこの
報告も、多発地帯のところを見ると、私、有沢さんにも
質問したのだが、はっきりした答弁がないのですが、おやりになることが全部炭鉱離職者の
対策と同じなんです。地域開発の推進、広域
職業紹介の実施、移転資金の支給、移転
就職者用住宅の確保、みんな炭鉱離職者
対策と同じですよ。同じことを、この
一般失対から出ていくA層とB層の上にはやることになっている。まあ
大橋労働大臣が、観音様で八つくらい手のあるのがあるが、それよりもう
二つくらい手をふやさぬとこれはできない状態ですよ。何といっても一番集中的に問題が現われるのが、私は滞留地帯であり、多発地帯だと思うのです。この
対策を快刀乱麻、勇断をもってやられれば、他のものは解決すると思う。他のものはそれにならえばいいと思う。その
対策をここで少しわかりやすく御説明願いたいと思う。まず総括を
労働大臣に言っていただいて、それからその補足的なものは
三治さんから言ってもらいたい。