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1962-12-07 第41回国会 衆議院 建設委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年十二月七日(金曜日)    午前十時二十九分開議  出席委員    委員長 福永 一臣君    理事 木村 守江君 理事 薩摩 雄次君    理事 二階堂 進君 理事 石川 次夫君    理事 山中日露史君       井原 岸高君    大沢 雄一君       金丸  信君    木村 公平君       正示啓次郎君    砂原  格君       八木 徹雄君    山口 好一君       岡本 隆一君    佐野 憲治君       實川 清之君    三宅 正一君       田中幾三郎君  委員外出席者         建 設 技 官         (都市局長)  谷藤 正三君         建設事務官         (道路局長)  平井  学君         参  考  人         (首都高速道路         公団理事長)  神崎 丈二君         参  考  人         (首都高速道路         公団業務部長) 村田 義男君         参  考  人         (東京建設局         長)      加藤  清君         参  考  人         (東京建設局         道路建設本部         長)     竹ケ原輔之夫君         参  考  人         (日本住宅公団         総裁)     挾間  茂君         参  考  人         (住宅金融公庫         総裁)     師岡健四郎君         専  門  員 山口 乾治君     ————————————— 十二月四日  委員廣瀬正雄君辞任につき、その補欠として齋  藤邦吉君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  道路に関する件  住宅に関する件      ————◇—————
  2. 福永一臣

    福永委員長 これより会議を開きます。  去る十一月十日、本委員会におきまして派遣委員より報告を聴取いたしましたのでございますが、これに関しまして政府当局より特に発言を求められておりますので、この際これを許します。平井道路局長
  3. 平井学

    平井説明員 先般の岡本委員さんから御報告かたがた質問のありました件について御報告をいたします。  第一点は、一級国道三号線の早期完成でございますが、特に三太郎峠の改修について御要望並びに御質問があったと記憶いたしますが、この点につきましては、五カ年計画の中に組み込んでございますが、そのうち津奈木太郎はすでに完成しておることは御存じの通りでございます。問題の赤松太郎につきましては、明三十八年度に着工いたしまして四十年には完成するし、できる見込みでございます。なお、佐敷太郎につきましては本年入札に付しまして、本年から着工いたしまして、これは三十九年に完成する見込みでございます。いずれも五カ年計画通り完成できる自信がございますので、この点は一つ御了承願いたいと存じます。  次の問題は、北九州の二級国道百九十九号線の工事が非常におくれておるではないかという御指摘でございます。まことに遺憾でございますが、確かにおくれておりまして、私どもも最近の北九州における道路混雑状況にかんがみまして、早急に解決をいたしたいと思って研究を進めておりますが、目下問題となっておりますのは、小倉市の地域の北部の海岸埋め立てをいたしまして、そこへ百九十九号線を通す計画で進んで参っておるのでございますが、この部分埋め立て地元のいろいろ事情もございましておくれておるというのが主たる理由でございます。この問題につきましては福岡県当局その他運輸省など、関係筋と現在話をしておりまして、早急にこの部分の隘路を打開いたしたいと考えております。  そのほかの、たとえば若戸大橋から西の方につきましては、建設省といたしましては大体昭和四十年度までに仕上げるつもりでおりますが、ただ一部五カ年計画に若干全予算が盛り切られておらない点がございまして、これはできますならば、三十九年度もし大幅改定を願えますならば、三十九年度からおくれを取り戻して四十年までに完成するという強い希望を私どもも持っております。なを逆門司寄りの方は大半見込みがついておりますが、ただ二カ所ばかり部分的なおくれを生じておる点がございますが、これも三十九年、四十年、この二カ年内において完成をいたしたい、かように考えております。  次の御指摘の点は、同じく北九州小倉八幡両市間のバイパスの問題でございます。これにつきましては現在日本道路公団門司から小倉までバイパスとしての有料道路をつくっておりますが、この延長は当然の必要事と存じます。これにつきましては、日本道路公団におきまして昭和三十二年度から予備調査交通量調査輸送調査等に着手しておりまして、現在までに約二千八百万円の調査費を投じて大体調査を終わっております。あとは若干地元小倉市その他の、あるいは米軍火薬庫等事情もございまして、その間最も能率的なルートを決定する作業だけが残っておりますが、これもそう解決困難な問題ではないように御報告を受けておりますので、三十八年からいよいよ本格的に着工すべく予算要求もいたしております。さような状況でございますので、御了承願いたいと存じます。  次の御指摘の点は、北九州本州をつなぎます関門トンネル、これが飽和状態に達しつつある、これに対する対策いかんという御指摘でございますが、確かにお話しの通り大よそ七年後には、関門トンネル交通量は限界に達する見込みでございます。これが対策といたしましては、建設省といたしましても関門第二ルート計画研究いたしております。これをトンネルにするか橋梁にするか、これは技術的な観点から研究いたしております。中国、九州の両縦貫道との関連において不可分の問題として研究を進めて参るつもりでございます。  次に中国一級国道九号線、これについて本工事改良基礎工事が非常におくれておるという仰せでございますが、はなはだ申しわけございませんが、御指摘通りほかの地域整備計画に比べておくれております。いろいろ関係県の御事情等もあったようでございますが、建設省といたしましてもこのおくれを取り戻すために、明三十八年度予算要求におきましては、ほかの地域よりも上回る増加比率予算を通すべく要求を進めておりまして、既定計画の四十年度一ぱいにはこのおくれを取り戻すように、予算要求あるいは工事施行の指導、こういった面について最大の努力をいたすつもりでございます。  次に同じく中国地方を横断する冬路線、山陰と山陽をつなぐ路線整備につきまして御要望、御注文がございましたが、確かにこの間をつなぐ二級国道につきましては、いろいろ両地域連絡上重要な路線が多いのでございまして、これにつきましても現在五カ年計画数字ではやや不足かと思いますけれども、これまたできますならば五カ年計画改定を早急にお願い申し上げまして促進をはかりたい、かように考えております。  次に瀬戸内海、すなわち本州と四国の連絡ルート調査でございますが、現在御指摘のように五つ路線について調査を進めております。明三十八年度予算におきましても、従来通りこの五つ路線について調査をいたすつもりでございますが、目下大臣の御指示もございまして、従来より特に明石−鳴門の線について重点を置くようにという御指示でございますが、とにかく事務的技術的には、他の路線と並行して五つ路線調査をしてもらうことになっております。なお運輸省方面との共同調査につきましては、十分協調をいたしながら進めて参っております。  以上が御指摘の主たる点と存じますが、不完全でございますが以上御報告かたがたお答え申し上げます。
  4. 福永一臣

    福永委員長 質問ありませんか——質疑なしと認めます。     —————————————
  5. 福永一臣

    福永委員長 次に道路に関する件について調査を進めます。本件調査のため、本日は参考人として首都高速道路公団理事長神崎丈二君、首都高速道路公団業務部長村田義男君、東京建設局長加藤清君、東京建設局道路建設本部長竹ケ原輔之夫君、以上四名の方々が御出席になっておられます。  この際参考人方々から簡単に概略説明を聴取いたします。神崎参考人
  6. 神崎丈二

    神崎参考人 私から首都高速道路公団が担当いたしておりまする道路のうち、オリンピック関連街路について申し上げます。  私ども公団が別にオリンピック開催ということを予定して設立されたものでないことは御案内の通りでありまするが、たまたま発足と同時にオリンピック開催が決定いたしましたので、勢い私ども仕事も、ある部分はどうしてもオリンピックということが時限にならざるを得なかったのであります。オリンピック関連高速道路として私ども主力を注いでおりまするのは、羽田空港から江戸橋を過ぎて日本橋本町三丁目までの約十七キロ、それから、江戸橋から渋谷区初台一丁目までの約十キロ強、合計二十七キロ、その他多少の道を加えまして約三十一キロ強をオリンピック関連として重視いたしておるわけであります。これらの道路については、現状において今年度約四割が完成する予定でございます。明年度末には八割五分が、完成され、残りをオリンピックまでに完成いたす予定でございます。一号線、ただいま申し上げました羽田から本町三丁目までの間一部四キロ半、芝浦の海岸通三丁目から弾正橋までの四キロ半を本月二十日から部分供与いたすことはすでに御承知かと存じます。また、本日お呼び出しを受けてしごくしあわせなことは、二、三日前に私どもの一号線にとって最大のガンであった漁業権問題が東京都のなみなみならぬ御苦心の結果妥結いたしまして、大体本年度に入ってから世間一般にいわれておりまする用地問題も比較的スムーズに解決いたしておったのでありまするが、最後に残りました漁業権が片づきましたので、現状においては少なくとも私ども公団オリンピック関連街路についての用地問題は、ほとんど全部片づいたものと御了解願って差しつかえないかと思います。
  7. 福永一臣

  8. 加藤清

    加藤参考人 私ただいま御紹介をいただきました東京都の建設局長であります。オリンピック関連街路につきましては平素当委員会のなみなみならない御配慮をいただいておりますることをこの機会に厚く感謝を申し上げます。また本日は歳末御多端なおりにもかかわりませず、特にオリンピック道路につきまして御調査をいただきますること、まことに感謝をいたします。  お手元関係資料といたしまして二、三の資料を差し上げてありますが、最初に一枚刷りオリンピック関連街路調書ごらんいただきたいと思います。これにつきまして御説明を申し上げます。いわゆるオリンピック関連街路を御参考までに、おわかりやすいように、都市局関係の分と道路局関係の分と東京単独の分と三つに分けまして、それぞれの全体計画、三十六年度執行額本年度予算額本年度末における進捗率見込み事業進捗本年度におきまして特に政府当局に対しまして追加お願いいたしておりまする額、もし幸いにして要望がいれられた場合におきまする今年度末、明年三月末における進捗率、そういうふうに分けましてそれぞれ数字を掲げておいた次第であります。  まず都市局関係の分といたしまして、全体計画——左から二行目でありますが、五百八十九億であります。それに対しまして前年度執行額が百六億、本年度の現にちょうだいいたしております予算額が二百六十億で、この中には(註)にありますように国庫債務負担額六十億を含んでおる二百六十億であります。以上前年度、今年度合計いたしまして三百六十六億、こういうことであります。かくて、この金額をもって全体の執行率六二%に相なるわけでありますが、私どもといたしましてはオリンピックを明後年に控えまして、用地買収がきわめて軌道に乗って進捗いたしております現在、特にスピード・アップいたしまして、できる限り本年度において少なくとも道路構築の前提となります用地買収あるいは家屋の移転につきましては、極力早手回しに進めたいという意味におきまして、本年度七十五億を政府当局お願いをいたしております。もしこの要望がいれられた場合におきましては、明年三月末におきまする進捗率は七五%でありまして、この都市局関係路線といたしましては、一番右側備考欄にありますように、放射四号線ほか九路線でありまして、全長約三十五キロであります。  以上が都市局関係の分でありまして、同様にいたしまして道路局関係の分が本年度末七〇%の進捗率で、この関係路線環状三号ほか五路線延長約九・八キロであります。特に道路局関係の分につきまして、本年度追加お願いいたしておりませんのは、道路局関係の分につきましては幸いにして非常に順調にいっておりますので、特に本年度追加お願いしなくても予定通りいく、こういう見通しであります。  最後に都の単独の分でありまして、総額五十二億、これに対しまして東京単独の分が非常におくれておりまして、事業費合計まん中にありますように十八億、この事業費をもって本年度末三四%の進捗率で、少なくとも公共と同じように今年度十億程度追加を目下都の財務局に対して折衝中であります。この都の単独路線と申しますのは、いずれもオリンピック関連を持っております神宮周辺道路と、駒沢周辺道路でありまして、幅員関係その他からいたしまして公共事業の対象にならない、いわゆる都の単独事業路線でありまして、青山四丁目から右側に入りまして青年館の前に出ます、いわゆる補助二十四号線ほか五路線、約十キロ、これが都の単独の分であります。  以上全体を合わせましてオリンピック関連街路計画といたしましては七百十一億、本年度までの事業費四百三十四億、一応現状のままで推移するにおきましては六十一%の執行率、もし必要なら追加額が認められた場合におきましては全体として五五%の執行率になる、こういうことであります。かくオリンピック道路の全体の路線放射四号外二十一路線全長約五十五キロ、これがいわゆるオリンピック道路の全貌であります。  それから次の首都高速関連街路につきましては、ただいま神崎理事長さんから御説明がありましたので省略させていただきます。  以上が全体の計画でありまして、さらにお手元に二枚刷りの印刷物を差し上げてありますので、ちょっとこれをごらんいただきたいと思います。この調書についての一々の御説明は省略させていただきまして、この調書ごらんになる場合の御参考までに一言だけ御説明を申し上げたいと思います。ただいま御説明いたしました都市局関係路線としてどのような路線があるかということを路線別に掲げたわけであります。  最初放射四号線について一言だけ申し上げますと、いわゆる放射四号線とはどこからどこまでの路線を言うかということを区間として掲げ、さらに延長幅員、総事業費、今年度予算額、今年の十一月十五日までの契約額契約率執行率とそれぞれ具体的に掲げまして、右から二行目の事業所の一特、二特、三建というふうに掲げておりますが、この一特と申しますのは第一特別建設事務所の所管、こういう意味であります。二特は第二特別建設事務所、三建と申しますのは第三建設事務所、こういうことでありまして、この特別建設事務所と申しますのは、特にオリンピック道路時限を限られておりますので、一般建設事務所をもって片手間にやるようななまやさしい仕事ではないという意味におきまして、東京都におきましては、オリンピック関連道路につきましては一般建設事務所のほかにそれぞれの区域を分けまして四つの特別建設事務所をつくりまして、いわゆるオリンピック道路に専念するという態勢をとってあるわけであります。その事業所の略称が一特、二特というふうに相なっておるわけであります。さらに最後状況説明の欄に用地買収の総面積、そのうち現在までに買収済み面積がどの程度になっておるかということを御参考までに掲げたわけであります。なお、数字につきましては先ほどの総括表と多少違いますのは、全部この端数を切り上げまして全体の総括表は億単位数字を表わしておりまするし、この路線別調書単位が百万になっておりますので、多少の数字の相違があります。そういう事情にありますので、御了承をいただきたいと思います。なお、お手元にただいま御説明いたしましたいわゆるオリンピック路線の一覧的な図面を差し上げてありますので、適宜ごらんをいただけば幸いと存じます。  以上、はなはだ簡単でありますが、なお本日午後特に現地を御視察いただく予定になっておりますので、詳細につきましては現地におきまして御説明申し上げたいと思います。よろしくお願いをいたします。
  9. 福永一臣

    福永委員長 次に、竹ケ原参考人の御説明を求めます。
  10. 竹ケ原輔之夫

    竹ケ原参考人 私道路用地買収物件補償築造の方を担当いたしております道路建設本部長竹ケ原でございます。  それではお手元に差し上げてございますこういう図面がございますが、これをごらん願いたいと思います。詳細は、本日午後現地において御説明申し上げたいと思いますが、概略すでに御承知と思いますが、二、三の点について御説明申し上げたいと思います。  そのまん中ごろに緑の着色をしてございますのは、御承知通り左側の大きい方が放射二十三と書いてありますが、これが選手村になりますワシントンハイツでございます。その右の方に明治公園と書いて着色してありますのが神宮、いわゆる陸上競技その他九競技が行なわれる個所でございます。それから左下の方に下がりまして、世田谷の駒沢公園というのがございます。ここはフットボールとかバレーボールとか、そういう関係競技場でございます。それからその左にやはり世田谷馬事公苑というのがございます。ここは馬術が行なわれるところでございます。それからずっと左上の方に朝霞射撃場とございますが、いわゆるこれが朝霞でございまして、射撃が行なわれる個所でございます。それからこの図面の一番北の真上のところにオートレースの行なわれます埼玉県の戸田漕艇場、こういうのが競技が行なわれます大きなものの概略の配置でございまして、私どもただいま担当しておりますのは、まずこの種各競技場連絡する道路、そこに書いてございますが、赤坂見付から渋谷通りまして、世田谷の三軒茶屋、新町に参ります放射四号線、青山通り玉川電車の通っておる三軒茶屋に参ります放射四号線、それから大田区の南千束、中原街道の付近からぐるっと世田谷、杉並、中野、練馬、板橋を経まして中仙道に参ります環状七号線、それから環状七号の練馬のところから分かれまして、朝霞射撃場の方に向かいます放射七号線、こういうのがスケルトンの大きい道路でありまして、このうち放射四号線と環状七号線二つ合わせまして、二十二路線、五十五キロのうちの約六割でありまして、ほとんどこの路線主力になっておるわけであります。何と申しましても、千メートル画に一万何千人住んでおる密度の高い町のどまん中を切り抜いて道路をつくるというのでございまして、難事中の難事ではございますが、御協力によりまして、この全体計画で買収する土地が約十八万四千坪あるのでございますが、十月末で約七〇%の約十三万坪買収決定いたしたわけでございます。それからこれに関係いたします家屋が五千三十五棟あるのでありますが、十月末におきまして約七四%の三千七百棟決定いたしておるわけであります。  かくして先ほど申し上げました通り、本年の末におきましては、用地買収物件補償を約九割程度仕上げまして、若干三十八年度に持ち越しますが、これに歩調を合わせまして、本年の今度の議会にもあれしますが、都におきましても予算外一部負担をいたしまして、工事をあいておるところから仕上げていく。そして立体交差もありますし、普通の街路築造、舗装というようなものでございますが、これは全体の工事費のうち約二割程度でございますが、これを約一年半で仕上げまして、三十九年の十月十日からの平和の祭典のオリンピックのときの交通緩和並びに大きくは東京都の交通難打開の一助といたしたいと思って努力いたしておるわけでございます。  詳細につきましては現地において御説明申し上げたいと思います。
  11. 福永一臣

    福永委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。石川次夫君。
  12. 石川次夫

    石川委員 きょうはお忙しいところ参考人皆さん御苦労さんです。午後現地を見るということで、あらかじめ御説明を受けたいという軽い気持でおいでを願ったわけでございますが、今の御説明関連をいたしまして一、二お伺いをしたいと思います。  加藤建設局長さんの御説明でちょっとふに落ちない点がございます。それは資料の一で三十七年度予定進捗率が六一%となっておりますけれども、それに追加要望事業費というものがこれに加わりますと、進捗率が逆に五五%に落ちるというのがちょっと合点がいかない。この点ちょっと御説明願  いたい。
  13. 加藤清

    加藤参考人 大へんこれは申しわけない資料を作成いたしまして相済みませんが、どうもミスプリントのようであります。今ちょっと調べております。五五%でなくて七三%の間違いです。まことにどうも申しわけありませんでした。
  14. 石川次夫

    石川委員 実を言いますと、オリンピックを再来年に控えていよいよ実施されることになりましたが、オリンピックを再来年東京都の行事として行なうということがよかったか悪かったかという批判は別にいたします。その前に急いでやらなければならぬことがあると思う。オリンピックは時期尚早ではないかという意見を私個人として持っておりましたけれども、しかしながら、やるときまりました以上は、東京都だけの行事ではなく、これは日本の国にとりましても歴史的な大きな行事であるという意味においても、是が非でも支障のないりっぱなオリンピック行事というものを遂行させなければならぬということでは、国民の大半がそういう気持であろうと思います。  ところで一つお伺いしたいのでございますが、たとえば例をあげますと、茨城県の関係で言いますと、道路費を実はことしになりまして最初予定から五億円削られておる。と申しますのは茨城県の単独負担が一億五千万円ですから大体大ざっぱに言いまして五億円ばかり減った。その理由オリンピック道路に相当重点的に費用を向けなければならぬというようなことで、地方公共団体国道関係予算などはだいぶ大幅に減らされておるところが多いと思う。そういうことで自分のところの緊急差し迫った道路というものが、オリンピックのために削られておる。あるいはまた大きく言えば、較差というものを解消するためには、地方道路予算をつけなければならぬのにかかわらず、オリンピック行事ということでもって削られるということは、どうもふに落ちないというようないろいろの批判公共団体知事あたりからかなり強く出ておるという事情一つ御認識をいただきたいと思います。  そういうことでオリンピックのためにそれだけの予算をさいて、自分の方の緊急差し迫った道路予算が削られてしまったというような、怨嗟の声とまでいきませんけれども、そういうようなものを背景としてオリンピック道路事業というのが推し進められておるのだということを考えますと、是が非でもこれはりっぱにオリンピックに間に合うように完成させなければならぬという責任があるのではないかと思うのです。それと同時にオリンピック道路の中で、大へん私しろうとの質問で恐縮でございますけれどもオリンピック関連街路と称して、オリンピックまでに完成しないような計画があるのではなかろうか。そういうことになりますと、地方では相当犠牲を強要されて予算を削られて、それでオリンピック関連街路として予算計画に載っけておいて、しかもオリンピックを行なうときまでに完成しなかったということになりますと、これは相当強い批判が出てくるのではないかということで、私これを見ただけでどうもよくわかりませんけれども、もしそういうようなオリンピックに便乗するような計画というものがありますと、問題が大きくなるということを考えますが、そういう道路がもしあれば、オリンピック関連道路というものからはずしてもらいたい。はずさなければオリンピック道路というもの自体が、各地方の方からも怨嗟の的になりはせぬかという点で、そういうものがあるかどうかという点をまず伺いたい。  それから東京都の関係では環状七号線というのは非常に画期的ないい道路だというふうに考えますけれども、これができますと、東京の西の方から東部方面に行くというときは、ほとんどここを通っていくというような形になるという期待が持てるわけですが、これで一体市内の交通混雑の緩和にどの程度役に立つというお見込みが立つかどうか、それがもしおわかりになりましたら一つお知らせをいただきたい。  それと同時に、東京都の交通難の打開というものは、道路をつくってもとても追いつかないというのが実態でありまして、もっと抜本的な対策が必要であるということを常々考えておりますが、きょうはその場ではありませんから申し上げるととは省略いたしますが、環状七号線のほかにもバイパス的の道路というものがどうしても必要になるのじゃないか。今の交通難の緩和というものに具体的にどの程度寄与するかということと同時に、環状七号線のほかにもそういうものが必要になってくるのじゃないかということについての何か御意見があれば、一つこの際伺っておきたいと思います。  それから既定計画に対しまして、いろいろ建物の移転補償がふえたとか、既定計画を変更した、あるいは予定量よりも多少進捗をしておるというようなことでもって、三十七年度予定通りに作業をするといたしますと非常に費用が足りなくなるということの御説明を受けたのでありますが、私の手元にある資料によりますと、大体都の方の関係あるいは首部高速道路公団の方の関係でどうしても百六十億くらい追加しないと、予定通り三十七年度事業完成しないのだというふうに聞いておるわけでありますが、その予算がもし追加にならないことになりますと、オリンピックには間に合いそうもないというような緊急差し迫った性格を持つ事業費予算追加要望であるのかどうかという点を首都高速道路公団を含めまして一つお伺いしたい。まずそれだけ伺っておきたいと思います。
  15. 加藤清

    加藤参考人 ただいまの御質問にそれぞれお答えいたします。  いろいろ貴重な御意見をお伺いしてまことに恐縮に存じます。特に最初にお述べになりました万一この全体の道路計画の中で未完成になるようなことがあったら、それこそ地方に対しても国民に対してもまことに申しわけないことになるが、その辺の状況はどうか、こういう御質問ですが、実は現実の問題といたしまして、オリンピック事業のために巨額の予算が振り向けられており、そのあおりを食っていろいろの支障を来たしておるということは、実は都の内部におきましてもそういう御意見はかなりあるわけであります。たとえば道路費があまりに巨額になったために、学校、住宅、あるいは中小企業その他の面でどうしても圧迫を受けるという意見も多々ありますし、また当建設局の内部におきましても、いわゆるオリンピック以外の都民の日常生活にきわめて密接な一般道路の方が、そのためにややもすればなおざりになるのではないかというような批判もありまして、実は私どもとしてもその点につきましては慎重に配慮をいたしておるわけであります。特に都といたしましても、さような批判にかんがみまして、去る九月の都議会におきましては、オリンピック道路以外の一般道路の、しかも路面補修的な身近な事業をもっと積極的にやる必要があるというので、約十一億余の緊急道路整備費というふうな名目のもとに予算追加したような関係もありまして、そういう点につきましては重々配慮をいたしております。従いまして、今お尋ねになりました、現在きまっておりまするオリンピック道路計画は、実は率直に申しまして、当初はもっと膨大なる計画であったわけであります。当初、組織委員会の方からお示しになりましたいわゆるオリンピックのために必要なる道路計画としてはもっと大規模であったのでありますが、その後建設省、大蔵省その他関係各方面と再三にわたりまして慎重検討をいたしまして、極力便乗的な部分を排除いたしまして、どうしてもこれだけのものはオリンピックに必要な道路であるというところでしぼりました最後の突き詰めた計画が、本日御説明いたしました計画でありますので、この計画道路が未完成のために迷惑をかけるというふうなことはまずまずありません。自信を持ってこの計画だけは完遂をする、こういうことに相なっております。  それから追加しなければオリンピックに支障があるというほどの切迫した状況にあるかどうかというお尋ねでありますが、これはただいま申し上げましたようにぎりぎりにしぼりました計画であり、しかも私どもといたしましてはやはり時限が限られておりますので、ある程度の余裕をもちまして完成計画を立てませんと、えてしてその場になりまして不測の事態というものが予想されますので、私どもの当初のスケジュールといたしましては、用地買収家屋の移転だけは今年度で全部完了いたしまして、工事の方もできれば半分程度完成いたしたいということで当初の本年度計画を立てまして、政府当局、特に大蔵当局ともいろいろ折衝をいたしたのでありますが、いろいろの関係からいたしましてある程度われわれの実施計画が三十八年度及び三十九年度に延ばされたような事情もありますので、私どもといたしましては、少なくとも現在お願いいたしておりまする七十五億程度追加を認めていただきませんと、やはり何としてもこういう密集地帯における用地の買収あるいは家屋の移転あるいは道路工事の執行でありますので、やはりいざという場合には不安があるということで大事をとりまして、この七十五億の予算お願いは明後年の六月一ぱいまでに一切がっさいを完了するという計画からいたしまして、今年度七十五億程度をよけいにやりたい、こういうことでお願いをいたしておるわけであります。  なお、ただいまお述べになりました百数十億という数字でありますが、これは実は七十五億のほかに、六十億の国庫債務負担分を含めまして百三十五億ということで、一般道路分は建設省あるいは大蔵省にお願いいたしておりますので、本日お手元に差し上げました資料は、国庫債務負担分の六十億はすでにちょうだいしたものということで、今年度の三十七年度予算額に入れてありますので、ちょっとその数字に開きがあるというふうなお感じを与えたかと思いますが、そういう事情に相なっておりますので御了承をいただきたいと思います。  なお、この環状七号線ができた場合、どの程度交通が緩和されるかということと、ほかにもバイパス的な必要があるんではないかという点につきましては、道路建設本部長からお答えいたします。
  16. 竹ケ原輔之夫

    竹ケ原参考人 お答え申し上げます。御承知通り東京の中の環状線は、環状六号の以内というのはほとんどもう満度になりまして、車より歩いた方が早いというような状況でございまして、この環状七号が中仙道まで完遂いたしますと、たとえば南から上がりましてこれを通りまして埼玉、また東の方にも行けるということでございます。それでこれは一日約三万台の計画道路でございますので、これができました当初におきましては、都心部の交通につきましては、少なくとも都心部を通過して行っております分は、みなこちらを回ることが時間が早うございますし、ほとんどこちらを回ると思いますので、相当程度交通量の緩和になると思います。正確なパーセントは今ちょっとデータはございませんが、一日約三万台可能でございますので、この点で御了承願いたいと思います。  なお、このほかにバイパス的なものが必要ではないかということでございますが、これも御承知通り環状七号線ができましても、また何年かいたしますと、これが満度に参ると思うのでありまして、現在国と都におきまして環状八号線、その図面で左側をもう一回り回っております環状八号線、またその外に外郭環状線のごときものを考慮する必要があるのではないかというような話になっておるのでありまして、環状八号線につきましては一部国庫補助もいただき工事に着手いたしております。かようなわけで、環状七号だけではとても間に合わない、かように考え、その他のことについても国においても都においても計画中であるということで御了解願いたいと思います。
  17. 木村守江

    木村(守)委員 ちょっと関連してお尋ねいたしますが、東京都が非常な熱意を持ちまして、オリンピック関連道路オリンピックまでに間に合うように完成させるというために努力しておる気持は、ただいまいろいろ説明を聞きましてよくわかります。しかし先ほど来説明されましたこの資料をもってしましても、公共事業追加予算をしなくても本年の終わりまでには大体七〇%程度できる、しかし都の単独事業は三四%、追加十億をとれたとしてもなお五四%というような状態のようであります。こういうような状態で、はたしてただいま建設局長が申されましたように、いわゆるオリンピックに間に合うように道路完成ができるかどうか、私ども非常に不安にならざるを得ません。特にただいま石川委員から申されましたように、地方は大きな犠牲を払っておると言われましたが、私はそのことにつきましてもいろいろ後ほど建設省の方にお伺いしたいと思うのですが、これはそういうような地方民は、少なくともオリピック道路のために地方公共事業は非常なしわ寄せをされておるのだというような外面的な考え方を持っております。それにもかかわらず東京都の仕事がこんなにおくれておる。もちろんオリンピック東京都だけでやる問題ではありませんけれども、何と申しましても東京都がいま少し熱意を込めて、公共事業を上回るような、いわゆる事業の促進を見なければこれはならないときじゃないかと思うのですが、この資料でもって示したような状態で、はたして一体ただいま説明されたような道路完成ができるかどうかをお尋ねいたしたいと思います。  これと関連いたしまして道路局長にお尋ねいたしますが、ただいまオリンピック道路完成のために、茨城県では五億円のいわゆる公共事業の節約を食った。五億円程度東京周辺の道路に使われておるというような話を聞きましたが、これは聞き捨てならない問題でありまして、こういうような実際の状態があるかどうか、こういう状態があってはならないと考えます。少なくとも五カ年計画道路費というものは算定されておりまして、その五カ年計画に伴って全国の道路の改修、舗装等を促進して参らなければならないと考えますのに、実際問題としてそういうようなことがあるかどうか、この際やはりはっきりして、地方民に安心をさせておくということが必要だろうと思いますので、この点を道路局長にお尋ねいたします。
  18. 加藤清

    加藤参考人 ただいま木村委員から東京都の単独事業につきましていろいろと御注意をいただきまして、まことに恐縮に存じます。実は私どもといたしましても、まさに御指摘通りでありまして、かつては、公共事業につきましては非常にいろいろとお世話になっておりまする国に対しても、またこの関係地方方々に対しましてもまことに相済まぬということで、実は去る九月の追加予算のときにおきましても、われわれといたしまして非常な決心をもちましてお願いをし、さらに今月の都議会に対する追加予算の折衝におきましても非常な決意をもって知事を初め首脳部にお願いをいたしておるのでありまするが、何さま都の現状といたしまして非常に財政難のためにこの際は私ども要望に沿うことができないということで難航いたしておりますが、つい数日前に知事のところで関係首脳全部集まりまして、これが善後策につきましていろいろと相談をいたしたわけであります。その結果、たとい今月の議会において追加ができなくとも少なくとも都の受け持っておりまする都単のオリンピック事業に事を欠かないように、他のあらゆる措置を積極大胆にとって事業に支障のないようにするからといういわば最高首脳部の言明を得ましたので、一応私どもといたしましては、今後も引き続きまして都単の事業につきましては公共と並びまして完全に執行できるような実は見通しをつけましたので、あげてこの二月から来年度にかけまして今までおくれておりました都単の事業費のおくれを取り戻すという見通しになっておりますので、ただいまの御注意の点につきましては、さらに私どもといたしましても知事の方にお伝えをいたしまして、特に先般の行政管理庁の勧告にもこの点について強く御指摘を受けておりますので、本日の当委員会におきまする皆様の御意見を契機といたしまして、一そうの熱意をもって都単道路完成に当たるように私としては最善を尽くしたいと考えます。
  19. 木村守江

    木村(守)委員 まことに必要のように思われますが、今建設局長の答弁よくわかります。わかりますが、今、今度の追加予算でとれるかとれないかわからない、しかし、とれないにしても将来間に合うようにやっていこうというのでありますが、現在公共事業が七〇%やっておる。それに都単の事業がその半分までいっていない。そしてしかも今度の追加予算がとれるかとれないかわからない、しかし間に合うようにするのだというような御答弁でありますが、これに対しまして私ども非常に不安を持っております。こういうようなことで、道路建設費は今さら言うまでもなく、金ができたからすぐできるという問題ではありません。これは土地交渉、家屋移転、このむずかしい問題がありまして、予算はとれたがなかなか事業に着手できないというのが実際の問題だと考えております。そういう点から考えまして、今度の追加予算で非常にむずかしいというようなことであってはいけないのでありまして、どうしても今度の追加予算でこれは十億といわず少なくとも公共事業と足並みをそろえてやれるような状態にしていかなければならないのじゃないかと私は考えております。ややもすれば、東京都は実際道路の問題につきましてあまり関心を持ってないのじゃないかとわれわれ平素考えておるのでありまして、これは言い過ぎかもしれませんが、おぶさっておれば東京都は黙っておかないのだ、何とか政府の方でしまいにはやってくれるだろうというような、いわばずるい考え方を持っておるのじゃないかというようなふうにも推察できるのでありまして、こういうようなことであっては、ほんとうに全国民注視の的になっており、しかも各方面が非常な犠牲を払ってやっておる仕事でございますから、この単独事業公共事業に優先して、公共事業よりももっと先回って、東京都はこれだけの犠牲を払って苦しい財政の中からやっておるのだということを示さなければならないのじゃないかと私は考えますので、お帰りになりましたならば都の首脳部によく話されまして、この完成に万遺憾のないような方法をとってもらいたいと希望しておきます。
  20. 二階堂進

    ○二階堂委員 ちょっと関連して。オリンピック関係道路の問題につきまして東京都も非常に熱意を持って事業の促進に当たっておられることは、僕もよくわかるわけなんです。先ほど石川さんのお話もありましたが、オリンピックは国をあげての大事業でございますので、これは単に東京都だけではなくして国全体が、言うなれば政府が率先して道路を初めオリンピック関係の環境整備仕事に努力いたすべきは当然であろうと思っております。思っておりますが、しかし先ほどの石川委員の発言の中にもありました通り、期限がきまっておる事業だけに相当馬力をかけて事業の促進をはからなければならないという事情もありますでしょうが、地方道路財源がオリンピック関係道路事業につぎ込まれてきておるという事実も私はあるのではないかと考えております。先般来私もそういうようなこと等もありまして、また河野大臣のお考えに基づく、緊急な大都市を中心とする交通緩和対策事業を進めなければならないというお考えからして、多少地方の緊急でないとお考えになっておるような道路事業オリンピック関係や大都市周辺の道路整備事業につぎ込まなければならないというようなお考えが多少あったのではないかと思っております。そういう関係もありまして、私は全国の道路予算を府県別に建設省の方にお願いしまして資料を求めましたら、その資料によりますと、必ずしも府県の道路財源が、昭和三十七年度予算が、先ほど申し上げましたような事業に割愛されているというような顕著な事実は私は認めなかったのであります。また一面におきまして、地方もそういうような声が出ましてからこの予算の消化に非常に努力して、相当地方道路事業も促進されておるやに私も考えるのであります。しかしながら、道路関係仕事予算についてでありますが、あるいはその他公園等の関係予算オリンピック関係事業にある程度徴発されたという事実もなきにしもあらずであります。私はそういうようなこと等を考えてみますと、そういう事実があるならば道路局長からあとで説明をしていただきたいと思いますが、そういうことがあってはならないと思っておりますし、また東京都が、先ほど木村委員の御発言にもありました通り非常に熱意が足らないというような御発言もありましたが、私は数年前からそういう感を深くいたしまして、いろいろと東京都の方にも御忠告を申し上げたこともございますが、問題は私は財源であると思っております。私はオリンピック関係委員会方々にも申し上げたことがございますが、これはオリンピック事業というのは国をあげての大事業でございます。しかも道路とか下水とか、その他の公共関係仕事、環境整備仕事につきましては膨大な予算が要るわけであります。従って、私はこの財源の捻出につきましては、今あるガソリンの財源とか、あるいは一般道路財源というものをただ頼りにしておったのではなかなかうまく仕事が進まない。そこでやはりこれは特別な財源というものの捻出については国も考えなければならないのだと思うが、同時に東京都も私はこの道路財源等の捻出については、別途の財源の捻出方法等を真剣に御検討になる必要があるのではないか、こういうことを今日まで申し上げたことがございます。先ほど建設局長のお話等を聞いておりますと、やはり従来の道路財源に頼っていくんだ、あるいは東京都の単独事業においてもなかなか財源難で非常に因っておるという言葉でございますけれども、これは何といたしましても国をあげての大事業でありまするが、一番やはり投資が多く行なわれ、また一番それによってもうかるといえば語弊がありますが、利益をこうむるのは東京都なんです。何といっても相当な財産が残るわけなんです。あるものはやはりオリンピックに便乗して環境を整備しようというようなお考えも、これはあることは事実だと思っておりますが、それだけにまた地方道路財源その他の財源が一部それは犠牲になるといたしまするならばなおさらのことなのでございます。東京都自体といたしましては、あるいはオリンピック関係の公債を発行するなりあるいはその他の財源の捻出等は頭をしぼれば何とか考えが及ぶものではないかと思っておりますが、そういうこと等について東京都の方でも真剣にお考えになったことがあるかどうか。私は少なくとも先ほどから申し上げますように、一番大きな資産があとに残るのは東京都なんです。また東京都の道路事業あるいはその他の住宅、団地の造成等を考えてみましても、これはキロ当たりの投資というものは莫大なものなんです。大へんな金がオリンピックのために大東京のために投資されるわけなんです。これは大へん一つの犠牲なんです。であればであるほど、国民の負担においてなされる事業が大多数であればあるほど、東京都自体におきましても財源の捻出についてはもっと掘り下げて、これだけの財源を東京都自身にかけるんだということを私はお示しになってこそ国民の協力が得られるものと思うのです。そういうこと等について真剣にお考えが僕はあってしかるべきだと思っておりますが、そういうことをお考えになったことがあるかどうか。  それからもう一つは、神崎さんの首都高速道路公団関係仕事ですが、これは用地等がほとんど解決した、こうおっしゃるわけです。この用地につきましても数日前に解決しました。漁業補償のごときは金額にいたしまして莫大なものだと思っております。一戸当たり千万以上じゃないかと思っております。この補償につきましてもいろいろ従来議論がありましたが、解決した以上は私はとやかく言うべきじゃないと思っておりますが、これも非常に不合理な解決がなされておるようにも私自身は考えるわけなんです。そういうような莫大な用地費等を含めて考えてみましたときに、あなたの方でお考えになっておりまする三十数キロですか、先ほどおっしゃったあるいはもっと少ないキロ数だったかもしれませんが、一体キロ当たりの工事単価というものはどのくらいについておりますか。これが地方一級国道なりあるいはその他の道路等の工事の単価に比べまして大へん大きな開きがあると私は思っております。そういう事実をもし国民がよく知るならば、一体この大東京の中をオリンピックがあるからといって道路整備され環境も整備されますのにこのような莫大な金額を東京都だけに集中して、しかもりっぱになった東京にどんどん人口が集まってくる。ところが地方はそれだけに開発がおくれてくるというような政治的な問題も起こってくるわけなんです。そういうこと等を私は一つお答えを願いたいと思っておりますが、これは神崎さんの方には一体どのくらいの単価でキロ当たり工事ができ上がっておるものか。これは道路の区間とかあるいは位置によって単価も違うところもありましょう。ありましょうが、一番高いところで単価は大体キロ当たりどのくらいかかっておるのか、平均してどのくらいかかっておるのか、大へんなものだろうと思っております。そういうことを考えますと、東京都自体におきましても私はもっと財源の捻出については真剣にお考えになるべきことだと考えております。先ほどからお尋ね申し上げております通り、そういう財源の捻出について真剣に一つ——別途なオリンピック関係のある財源の捻出方法について御検討になったことがあるかということを、一つお答え願いたいと思います。
  21. 加藤清

    加藤参考人 いろいろと東京都のことにつきまして御配慮いただきました御意見、まことにありがとうございます。端的に申しまして、私どもといたしましても、この道路を中心とするいわゆる公共事業一般の財源につきまして非常に苦慮いたしておるわけであります。ただいまの御質問に対する御答弁といたしましては、やはり財務局長が最も適当かと思いますが、私の立場におきまして承知いたしておりまする限りにつきまして御答弁を申し上げたいと思います。  端的に申しまして、実は特に道路整備費の財源であります。都といたしましては、かねてから道路に関する起債のことで、いつも政府お願いをいたしておるわけであります。特に今度のオリンピック事業は、オリンピックという特別の事情があるということと、特に首都であるというこういう特殊事情にかんがみまして、特別に道路についての起債をお願いいたしたいということで、例年強く政府お願いいたしておるのでありまするが、今年度はもちろんのこと前年度におきましても前々年度におきましても、一部路外駐車場関係の起債につきましては御承認をいただきましたが、肝心の道路については全然国といたしましては認めるわけには参らぬということで、非常に苦慮いたしておるわけであります。ことしのたしか初めと思いましたが、オリンピック閣僚懇談会あるいは臨時交通閣僚懇談会におきましていろいろ東京都の道路交通につきまして、政府におきましてお取り上げになりまして、道路整備の全体計画についてあるいはオリンピック道路の全体計画につきまして、いろいろ資料を御要求になりまして、その際私どもの方で御提出申し上げたのですが、そのときにも実は部費負担分につきましてはあげて全額起債という財源構成でお願いをいたしておるわけであります。担税力の点から申しましても償還能力の点から申しましても、さらにはまたこれが永久に子孫のために残るという点から申しましても、ぜひとも起債を認めていただきたいということが、実は東京都といたしまして道路整備の財源調達の一番の方法なんでありますが、それが結局において政府の認めるところとならぬというところを、非常に都といたしまして苦慮いたしておるわけであります。しかし起債以外に何かもっと捻出の方法があるんじゃないかということでありますが、これにつきましては本日の二階堂委員の御意見をとくと体しまして、私ども帰りまして知事を初め財務当局によく連絡をいたしまして、できるだけ財源の捻出について特別の配慮をするようにということを強く私どもも申し入れたいと考えております。  はなはだ不十分でありますが、私建設局長という立場におきまして承知いたしておりまする限りの御答弁を申し上げた次第であります。
  22. 神崎丈二

    神崎参考人 ただいま二階党さんからお話がありました点について、簡単にお答えいたします。  例の私ども道路の建造費の問題でございますが、これは御承知のように単なる平面道路と違って、用地費の問題もありますが、建設そのものが相当込み入ったものであって、その点でも非常にかかるのであります。ことに御注意願いたいことは、議会周辺というような問題、あるいは文化財等の問題で、余儀なく隧道にせざるを得なかったところがだいぶんあるのであります。ところがこれが自動亀道路として不完全であるばかりでなくて、あとの換気という問題で莫大な金がかかる。四号線の三宅坂から英国大使館の前を通ります道が隧道になっておるのでありますが、あそこの換気施設だけで五十億に近い金が要ったわけであります。さようなわけで、これは二階堂さんもおっしゃっておられましてすでにお気づきのことでありますが、私の方の道路の建設費というものは、場所によって非常に違います。先ほど申し上げましたオリンピック関津道路のうちで、一号線の方は比較的安く上がります。今のところでは一キロ十四億強で上がるのではないかと思います。それから四号線の方が、今申し上げたような理由で非常に高くなる、一キロ三十三億強ではないかと思います。平均いたしますと、オリンピック関連道路だけで——平均ということはあまり意味をなしませんけれども、大体二十億ちょっと上、かかるような事態になっております。
  23. 二階堂進

    ○二階堂委員 その中で用地費は一体どのくらいかかっておるのか、あるいは補修費全体、漁業補償も入るわけですか、主として用地費がどのくらいかかっておるのか、ちょっとお知らせ願いたい。
  24. 神崎丈二

    神崎参考人 私の方の道路計画は、御承知のように、なるべく用地費のかからぬということを主にしております。高速道路用地のうちで、一四%ぐらいしか私有地を通っていないと思います。従って、多少道の格好が悪いことは御承知通りであります。  それから今のお話のうちで、例の漁業補償の問題ですが、これは東京都ですっかりおやりになって御解決願ったのですが、いずれそのうちの一部を私の方で使いますから、その使った部分についての補償の分担というようなことは起こるかもしれませんけれども、それはまだ未決定でございます。さようなわけで、用地費は割合に少ないように取り組まれておるのでありますが、その点につきましては業務部長の方から補足いたさせます。
  25. 村田義男

    村田参考人 ちょっと私から補足して説明いたします。私どもの高速道路は、下を街路に広げまして、その上に橋のような格好で高速道路が乗っかります。それがほとんど大部分であります。従って、その街路と申しますのは、実は都の例の受託事業といたしましてやっておるわけでございますが、これはやはり一般の街路予算用地費の増高と同じでございまして、大体今の東京都の趨勢ですと三年に倍ぐらいの用地費の騰貴傾向にございますので、そのような用地費の増大に見合うベき分の三分の一率は経費として私どもの高速道路は分担することになっておりますので、その分のはね返りの分と、今理事長が御説明申し上げました宮城周辺の地下工事、こういうものを達観いたしますと、大体半々ぐらいというふうな目安になっております。
  26. 二階堂進

    ○二階堂委員 大崎の自然教育園のところがまだだいぶもめておったようですが、文化財保護委員会との話し合い、文部省も関係しておると思いますが、うまく解決できたでしょうか、まだ未解決でしょうか。
  27. 神崎丈二

    神崎参考人 この点については、実は建設省と文部省とその後ずっと話し合っておられるのでございますが、建設省都市局長が見えておられますから、局長が一番よく御存じでございますので局長からお答えしていただきたいと思います。
  28. 谷藤正三

    ○谷藤説明員 自然教育園の問題につきましては春からいろいろ交渉いたしまして、地元関係でだいぶもめておりましたが、先月の二十八日でございますか、事務次官同士の話し合いになりまして、位置については全部了解がつきました。ただ高さの問題が若干ありまして下の方は関連街路、上に高速道路がつくことになりますが、下の方の関連街路の高さの位置につきましては、向こうの池との関連がございまして、まだはっきりした説明はできませんけれども、位置につきましては全部話し合いが終わりまして今覚書をかわしておる状態でございます。
  29. 平井学

    平井説明員 木村委員の御質問にお答えいたします。  茨城県でオリンピック道路事業のために、県の公共事業その他道路予算等が五億削減されたのではないかという点でございますが、私の記憶いたしております限りにおきまして、さようなことはございません。と申しますのは、五カ年計画におきましては、初めからオリンピック関係予算とそうでない公共事業、その他の予算ははっきりとワクがきめられておりまして、そのワクを彼此融通するような場合には、建設省といたしましても最高のところで処置せねばならぬ問題でございまして、今までさような融通はございません。おそらく私の推測では、今年八月ごろ府県の道路予算の消化を促進いたしますために、いろいろ応急の措置をいたしましたので、あるいはそれがさようなふうに誤り伝えられておるのかしれませんが、さようなことはいたすべき筋合いのものでもございませんし、今後ともその点は十分気をつけたいと存じております。
  30. 木村守江

    木村(守)委員 ただいま道路局長の答弁を聞きまして、私もその通りだと考えております。しかし、ややもすれば地方では公共事業費が東京オリンピック関連道路のために吸い上げられるのではないかというような非常な心配がございます。その心配が石川委員質問になって現われたと思うのです。特に当局に再三申し上げますが、これは石川委員も先ほど言っておられましたオリンピック関連街路という名をかりまして、便乗的に東京都の道路の改修というものを見込んでいるのではないかというようなことを石川委員も言っておられましたが、東京都でやっておる事業の推進状態から見ますと、そういう疑いが持たれるのです。こういう格好で、ほんとうにオリンピックに間に合わせると言いながら、オリンピックに間に合わなくてもいいんじゃないかと思われるような進捗状態でありまして、こういうところから非常に疑いを持たれるのでありますが、当局どうしてもこれは公共事業に先んじてやるようにしてもらいたい。それから建設省お願いしておきますが、ただいま石川委員の言われましたような疑惑がございます。これに対しては地方は非常に不満を持っておりますから、そういう場合には特にそういうことがないように私が質問したのですが、質問に先んじまして建設省の態度を表明しておくことが必要じゃないかと存じますので、ちょっとつけ加えておきます。
  31. 石川次夫

    石川委員 だいぶ私の質問しようと思いましたことを二階堂さんと木村さんから質問してしまわれたようですから、重複しますから、簡単に残った質問をいたします。  ただその前に、東京都としても責任を持って国民の要望にこたえるために特別の財源を捻出しなければならぬということと同時に、これは機会をあらためて論議しようと思っておりますけれども、先ほど道路局長茨城県から吸い上げた事実はないと言われたが、私は公式的にはその通りだと思うのです。そのことはよくわかるのですけれども、しかし県自体はそうはとっておりません。やはりいろいろな緊急事業の余った予算をほかに回すというようなことの説明として、オリンピック関連道路もあるしというようなことが必ず出ておるようであります。従って地方の受ける感じといたしましては、オリンピック関連道路にとられているのだというふうにとっておる向きもあるようでありますから、その点は誤解を避けるという努力が必要でありますけれども、やはりそれだけの犠牲を払って結果的にはオリンピック関連道路というものはでき上がっているという客観的事実は否定するわけにいかないということで、これは責任を持って完成を急がなければならぬという東京都自体の責任を一つ痛感をしてもらいたいということと同時に、何と申しますか、オリンピック関連道路というふうな事業を今までの既定五カ年計画の中でやるということ自体に無理があるのじゃないか、こういうことになってくるのだと思うのです。しかしこれはきょう議論する場でありませんから省略いたしますけれども、やはり五カ年計画というものを変更する、あるいは特別な事業としてこれを別ワクで考えるというような考慮を払わない限りは、やはり地方の怨嗟の声というものは断ち切ることはできないのじゃないか、こう思いますけれども、きょうはそういう議論をする場でありませんから別の機会に譲りたいと思います。  それから首都高速の方の関係でちょっと伺いたいのでございますが、私のところにあります資料といたしましては、何か三十七年度末で五〇%しかできないというような数字が私の手元には来ておるわけです。今の御説明ですと、買収の方の見通しがついたから絶対大丈夫だというようなことでありますから、一応その言葉に信頼をいたしますけれども、何だかこの三十七年度末で五〇%というのではオリンピックまでに間に合うかどうかという一まつの不安がございますので、ぜひともこれは責任を持ってオリンピックまでには間に合わせるようにがんばってもらいたいという御要望と、それから、これは非常にしろうとの質問で恐縮です。いろいろ申し上げたいことはあるのですが、一つだけ伺いたいと思いますのは、首都高速道路公団のつくっている道路というものは、結局のところ一般街路の方につながらなければ用をなさないわけです。結局環状七号線あるいはその外にまたできます環状線につないでいくというようなことで、初めて首都高速道路公団のつくる道路というものは機能を十分発揮するのだというふうに考えられますけれども、この点で、私のしろうと考えでありますけれども、今までの街路それ自体が非常に交通が輻湊をしておるわけであります。そこへ高速道路公団がつくった道路というものがつながりまして——その高速道路公団のつくった高速道路自体は非常にスピーディにいくかもしれぬけれども、その一般街路につないだところでもって行きどまりになってしまうというようなことだとすると、この高速道路というものの機能を十分発揮しないじゃないか。こういうことは一体具体的に技術的にどういうふうに打開されようとしておるのかどうか。どうもしろうと考えでありますけれども、せっかく早く走ってきましても、街路につながったところで全部ストップしてしまうということになるのじゃなかろうか。ランプ周辺のその整理というものを一体どういうふうにお考えになっているかという一点だけお伺いしておきたい。
  32. 神崎丈二

    神崎参考人 今、石川さんのお話のうちで、私どもの方の関連高速道路進捗が五〇%ということがあったのですが、実は三十七年度来すなわち本年度末では、先ほど申し上げたようにもっと少ないのです。三九%でございます。  それはそれでよろしいといたしまして、御質問のランプ・ウェイが平面街路につながる問題、これはまことにどうも剴切な御質問で、私自身が常に悩んでおる問題です。石川さんと同じ懸念を持ち、発足以来三年間いろいろ研究をいたさせております。しかし、はっきり申し上げれば、まだ私の満足する回答が出ていないのであります。と申しますのは、私どもの方のおり口というのは全線七十キロで約九十カ所ある。これがいずれも肩摩轂撃の東京都内の街路につながっておるのでありまするから、従っており口の周辺を、たとえば小公園風な大きな迂回路でもつくらない限りは、今御心配のような事態の起こることはだれでも想定できるのであります。ところが私どもの方に指示されておる基本計画には、このおり口の周辺の計画がないのであります。むろんこれは、またおり口の周辺の計画をいたすとすれば莫大な費用と労力、困難が伴うことは当然であります。先ほども申し上げた、今月の二十日に予定されている芝浦海岸通り三丁目から弾正橋までの道にしても、その弾正橋のおりたところというものは、まことにどうも困難な状態です。角に十階建てに近い鉄筋の大きな建物がある。これを除かなければ、おそらく石川さんの御心配のような事態を生じはしないかと考えていろいろ研究したのですが、とても今の間に合わない。その結果はどうなるかというと、警視庁方面と御相談してワン・ウエーとかその他の規制で何とかこれをしのいでいくということに相なっておるのであります。  そういうわけで、私自身が非常に心配しておることであり、もうすでに長い間その研究を積み重ねておるのですが、いまだ遺憾ながら私が満足する回答を得ていないということを申し上げて、今後もこのためには最善を尽くして研究いたしたいと思いますが、事がこの基本計画から変えてかからなければどうにもならない問題であることを、はなはだ遺憾とするわけでございます。
  33. 石川次夫

    石川委員 私の心配しておる点は、どうも答弁では解決にならぬようでございますが、これは今後の問題に残しまして、私ほかにも質問がございますけれども、一応おいでになっていただいた概略の御説明はこれで了といたします。  それからこの際、私は参考人に来ていただくようにお願いをしたときには考えておらなかったことなのでございますが、住宅公団とそれから住宅金融公庫の代表の方がお見えになっております。高速道路公団総裁神崎さんに御質問するわけですが、あとでまた同じことを住宅公団住宅金融公庫の代表の方からも御答弁いただきたいということが一つございます。  それは最近でございますけれども、だいぶ労使問題が円滑にいかないでストライキが行なわれる。それから二十日には供用開始というような非常に重要な段階で、またこのような紛争が続くということは、首都高速道路公団にとっても非常に遺憾なことだと考えるわけです。私はどちらがどうというわけではございませんけれども政府機関の労働組合というのは、別に公団、公庫の建設省関係だけではなくて、これは厚生省にも外務省にも、それから農林省にも、あらゆる省に全部あるわけです。ところがその政府機関の労働組合というのは、団体交渉権は法律的には存在をしておる。法律的には存在をしておりますけれども、そこでなかなかきめかねるというのが実態のようです。その背後には、御承知のように各省がある。そのうしろにはまた大蔵省があるということで、そこで団体交渉権は法律的には存在しておるけれども解決がつかないというと、そこでストライキという事態が起こりますけれども、ストライキをやってみたところで、のれんに腕押しという形を、われわれとしても常識的に考えるわけで、現在住宅金融公庫にしても首都高速道路公団にしても、解決の実質的な権限というものは持っておらないというのが実態ではないかと思う。そうなりますと、こういうような状態がいつまでも続くのではないか。これでは、団体交渉権があるといっても、実質的な団体交渉権がないと同じではないか。特に去年あたりは自主的に解決するというふうな向きがあちらこちらであったようですが、ことしになりますと全部、どうも当局側の答えというのは大蔵省に聞かなければわからぬのだというふうに線をそろえて出てきたような格好があります。そこで労働組合側は、なおさら団体交渉権の法律的な権威というものを疑うという結果で、かえって激化したストライキが出てくるのではないかということを私はおそれているわけなのです。それで、これは社会労働の方で基本的には解決をしなければならぬ問題だと思いますけれども、こういうような状態を繰り返すということは、労働者も当局側もともに私は不幸な事態だ、こう考えるので、これを基本的に打開をしなければならぬ。労使の慣行というものをきちっと立てて、ここで団交の妥結をはかる、たとえばどうしても大蔵省が出なければだめだというなら大蔵省に出てきてもらって団体交渉をやらす、あるいは政労協というものが一体になって大蔵省と団体交渉をやらすとか、そうでなければ自主的な権能というものを理事者側に持たしてもらって、そこできめたものは大蔵省はのむのだというようなことにするか、何か方法を考えなければ、これは当局としてもお困りになるんじゃないか、こう思うんですが、それについて何かいいお知恵がありましたらお聞かせを願いたいし、また何か御意見があったら伺いたい。
  34. 神崎丈二

    神崎参考人 実は今石川さんの御心配下さっておる労働問題については、私ども公団は発足が新しいだけに経験がはなはだ浅いのであります。ようやく問題らしい問題となってきたのは、今回がおそらく初めてであります。それで昨晩団交がありまして、今朝五時までやったとかいう話で、実はまだその報告を受けておらないのであります。大体石川さんのおっしゃるような筋合いのもので私どもとしても何かいい方法を立てなければ、労働組合も理事者側も不幸であるとは考えておるのでありますが、今回がほとんど初めての経験であるために、まだ研究がはなはだ浅いという段階にあるのでありまして、今後十分研究いたしたいと思います。しかも、その大きな団交が今朝終わっておるので、その報告を受けていないというのが私の現在の立場でございます。これもあまりりっぱなお答えになりませんけれども、事実ありのままを申し上げておきます。
  35. 石川次夫

    石川委員 今の労使慣行というものをきちっときめるということは、どうしても私は必要だと思うんです。今のままではいつまでたっても同じことを繰り返しておると私は考えておるのですが、これはおそらく住宅公団あるいは住宅金融公庫の方も同じ考えではないかと思うので、あとからまたその関係の方にも伺いますけれども、これはぜひそういう関係方々が寄り集まって、何とか打開をするという道を、皆さん方自体も連絡をとりながらみつけてもらいたい。そうしなければこれはどうにも泥沼のような様相を呈するばかりだと思います。きょうはそういうことを聞くために参考人をお呼びしたわけではございませんので、いずれあらためてそういうことも個人的に御相談をしたい、こう考えております。きょうはこれで打ち切ります。
  36. 福永一臣

    福永委員長 これにて道路に関する参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人方々には本日はいろいろ御意見をお述べいただきどうもありがとうございました。      ————◇—————
  37. 福永一臣

    福永委員長 次に住宅に関する件について調査を進めます。  本件調査のため参考人として日本住宅公団総裁挾間茂君、住宅金融公庫総裁師岡健四郎君が御出席になっておられます。  この際、参考人より簡単に事業概要の説明を聴取いたします。挾間参考人
  38. 挾間茂

    ○挾間参考人 日本住宅公団事業概要を説明するようにという委員長からの御趣旨でございますが、本日は御質疑にお答えする考えで出席いたしましたが、この事業概要を詳細に申し上げますと大へん時間を要すると思いますので、ごくかいつまんで申し上げたいと思います。業務概要の資料は後刻お届けすることにいたします。  住宅公団事業の内容は先刻御承知と思いますが、住宅の建設と宅地の造成とが二つの大きな柱になっております。昭和三十年に住宅公団が設立されまして、今日までに建設いたしました住宅の総数は、今年度事業完成いたしますと、二十三万一千八百五十八戸に相なります。現在までで完成いたしまして管理いたしております戸数は、約二十万戸に相なると思います。そのうちで賃貸住宅が十二万五千戸、ラウンド・ナンバーでありますが、分譲住宅が八万戸ということに相なります。宅地造成につきましては第一期、第二期、第三期と分かれておりますが、第一期は三十年に着工いたしましたもので予定では三百万坪でございます。おおむねこれは完成をいたしましてそれぞれの用途に利用しております。第二期事業は三回に分かれております。三百万坪でございます。この進行の状況は大体五七、八%完成をいたしております。第三期の事業は七百五十万坪でございまして、目下買収その他の手続を進めておるのであります。他に工業用地の造成をいたしております。これはおおむね首都圏整備計画の決定に基づきまして着工いたしておるのでありまして、従って、地域は首都圏の区域内が現在のところは全部でございます。他にも多少地区の選定を進めたいところもございますが、この工業用地の造成は、住宅公団法を昭和三十二年に改正をいたしまして、工業用地の造成をもすることになったわけであります。従って、三十二年度以降でございますが、全部で四百三十万坪でございます。そのほか埋め立て事業を一回京葉地帯で行ないました。これが三十万坪でございます。すべてで四百六十万坪になっております。その中ですでに事業の施行を終わりまして分譲いたしましたものが、東京支所管内、関東支所管内等で八王子、千葉の五井、市原、埼玉の深谷、大宮、神奈川の相模原、目下分譲の仮契約をいたしましたのが神奈川県の平塚というような状態でございます。事業の概要は大体そんなものでございまして、なお事業の概要についてお尋ねございますれば、それに応じまして詳細お答えいたします。簡単でありますが、この程度で……。  なお資料は、御要求がございませんでしたので持参してきておりませんが、御要求がありますればさっそくお届けいたします。
  39. 福永一臣

    福永委員長 次に師岡参考人から簡単に概略説明願います。
  40. 師岡健四郎

    ○師岡参考人 住宅金融公庫関係事業の概要を申し上げます。  住宅金融公庫は、御承知通り二十五年に発足したのでございますが、三十七年度までの事業計画の総額におきまして四千百二十一億円の融資を計画いたしまして、これによりまして住宅の建設されました戸数は百一万一千七百戸と相なっております。もちろん三十七年度の分は完成していない部分もございますが、総計といたしましてはそういうようになっております。なお宅地造成関係が、取得におきまして六百八万坪、造成におきまして四百十八万坪というようになっております。内容をちょっと申し上げますと、住宅関係では一般個人住宅関係が五十三万戸、分譲住宅が八万五千戸、賃貸住宅が六万四千戸、産業労働者住宅が十万三千戸、それから中高層耐火建築に関する融資が、住宅につきまして四万四千戸、非住宅部分につきまして三十九万九千坪分、それから増築関係が十八万五千戸と相なっております。このほかに災害に関する融資もありまして、これが百四十三億という計画になっておりますが、実際にこれによって融資いたしましたのは六万六千戸分と相なっております。  このうち三十七年度についてなお補足して申し上げますと、三十七年度は十二万五千戸の住宅の融資と二百二十六万八千坪の宅地取得に関する融資、なお百四十五万坪の宅地造成に要する融資、それから災害分がやはり例年通り十億と相なっております。本年度事業進捗状況でありますが、現段階におきまして事業承認はほとんど全部完了しておりまして、現在融資を受けた方々が設計をいたしまして、その設計審査を受けておるという段階でありまして、この設計審査が完了いたしますと、やがて契約をいたしまして着工していくということになりますが、この契約をいたしました分も、例年に比しまして本年度としましてはかなり進捗を見ておるわけでございます。ただいま申しましたように、承認は全部終わりましたが、契約の進捗状況は個人住宅で六二%、分譲住宅で四三%、賃貸住宅で三八%、産労住宅が一九%、中高層耐火建築が四四%、増築が三一%、災害復興住宅が六六%、宅地造成が一九%、全体を合算してみますと四五%ほどの契約進捗状況になっております。
  41. 福永一臣

    福永委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。石川次夫君。
  42. 石川次夫

    石川委員 事業報告は、今非常に概略ですが伺ったのですが、それは一応この表を見ると大体わかることなんで、実はお伺いしたかったのは、現在の進捗状況もさることながら、そういうことを進める上において一体どういう点で一番困っているのかというようなこと、それからあと一つは、来年度予算要求住宅金融公庫の場合が出ておりますが、実はその前に意見をちょっと述べさせてもらいますと、どうも日本住宅というものは諸外国に比べて非常に立ちおくれているという意味で、公営住宅を含めて住宅金融公庫あるいは住宅公団あたりの公的な住宅建設というものを相当程度進めないと、衣食住の衣食はとにかく戦後ではない状態に戻ったけれども住宅だけは非常に困窮をきわめておるということは言うまでもないと思うので、ぜひ一つ積極的な意欲を持って来年度予算も獲得しなければならないという気持で、私は参考人方々に来ていただいた。そういう意味で将来の見通しについての要望と言いますか、そういったものもあわせて伺いたいという気持でおいでを願ったわけなんです。でありますから、今の御説明は御説明で一応承っておきますけれども、単価の値上がりその他についても相当お困りになっておる点もあるだろう。現在の困難な点はこれこれなんだ、来年度はこういうふうにしてもらいたいという要望などをあわせて一つ伺いたいと思います。
  43. 挾間茂

    ○挾間参考人 将来の住宅政策の遂行につきましては、いろいろな問題があると思いますが、さしあたり住宅公団仕事を進めるにつきまして、予算との関係、法制の関係等につきまして、特にこれこれの点が困難であるということを二、三御参考に申し上げておきたいと思います。  住宅の建設につきましては、御存じの通り昨年以来資材はさほどの値上がりを見なかったわけでありますが、労務費が非常に高騰をいたしました関係上、住宅建設の坪当たり単価が、政府の方からお認めいただいた単価では、事実上請負契約を締結できない状況にございます。本年度の建設単価は、三十六年度に比してある程度の増額を御承認いただきましたので、大へんありがたく思っておるわけでありますが、それにしても現在の実態と予算単価というものが食い違っておるということで、住宅公団の建設につきましては、平均規模十六坪というものを、これは建設戸数によるものがございますから、やむを得ず縮小せざるを得ないということになりまして、場合によっては、私の方で一DKと申しておりますが、一寝室プラス・ダイニングルームというような小さい住宅の建設をある程度数を増さなければならない。それによって全体の建設戸数のノルマ、予算とのバランスをとるという手段をとっておりますので、建設面におきましては予算単価の問題が一つのネックであるということを申し上げておきたいと思います。  それから第二に、何と申しましても建設について一番基礎的条件をなしますものは、住宅用地の取得の問題でございます。この住宅用地の取得につきましても、最近における地価の高騰が非常に影響をいたしまして、自然住宅用地の取得が、たとえば東京で申しますと、比較的都心から離れたところを選択をしなければならないということでございます。また宅地造成につままして特別の強い法的な措置がまだとられておりませんので、個々の相談によって取得せざるを得ないというときに、その地主さんの協力を得るのにいろいろ困難を感ずるので仕事がおくれるというような点も用地取得の問題についてネックになっておるという状況でございます。その他の点につきましては、事業を進行いたします上にそれほどの困難は感じておりませんが、いずれにしましてもそれらの難点を十分打開して、できるだけ住みよい家で、そして価格の低廉なものを多数の住宅困窮者に提供するという方向に努力を進めておるのであります。
  44. 井原岸高

    ○井原委員 総裁にちょっとお願いしておきたいのです。われわれよく地方の中小企業者から特にこの分譲住宅についての公団に対する申し込みについてときどき頼まれるわけですが、そういう場合に中小企業に対しては過酷なほど審査がむずかしいのです。せっかく推薦されて県の方から出ていても、それが成功するのはごくわずかであって、ほとんど認められないということが毎年あるわけです。変に考えると、安全率に重点を置いて、健全な大企業は認められるけれども地方の中小企業なんというのは堅実性を守るために認められないのじゃないか、われわれそういうように率直に感ずる場合が多いのですが、そういう点で、本年度の申込率とそれに割り当てた戸数はどれくらいになっておるかということを、ちょっと参考に聞いておきたいのです。
  45. 挾間茂

    ○挾間参考人 ただいまのお尋ねは会社の職員住宅等に対する特別分譲住宅のことと思いますが、これは政府からの御方針もございまして、できるだけ多くのパーセンテージは、中小企業と申しますか、その方面に向けるようにしております。しかし、そうかといって大企業でも非常にお困りになっておるところもございますし、また今の雇用の状況から申しますと、職員住宅がなければ職員をどうしても集めることができないというような事情もある場合がございます。ことに最近におきまして、いわゆる産業の地方分散で交通の不便な住宅のあまりないところに会社、工場ができます場合には、産業の伸長を期する意味においてそういうところに特別分譲住宅をいたすこともございます。しかし、やはり中小企業の方々に提供するということが一番多くの部分を占めるような方針で審査をいたしております。従いまして、ただ安易にここならば大丈夫であるという償還能力だけを見て選定をするのじゃございません。いろいろなテーマを集めまして、ほんとうに職員住宅を最も要望されるところ、そうして償還能力が十分であるというところに分譲することにいたしております。  ただいまお尋ねになりましたもう一つの点は、三十七年度におきまして特別分譲住宅の申し込みに対してどれくらいの割り当てができておるかということでございますが、三十年度から三十六年度までを総計いたしますと、大体三倍ぐらいになっております。しかし、これを各年度別に見ますと、三十年度におきましては申し込み戸数に対する建設戸数の割合が一・五倍、三十一年度がやはり一・五倍、三十二年度が一・六倍、三十三年度が一・九倍、三十四年度が二・九倍、三十五年度が四・二倍、三十六年度が六・二倍、三十七年度が五・七倍、こういうような状況になっております。
  46. 師岡健四郎

    ○師岡参考人 石川委員の御質問にお答えいたします。住宅金融公庫としましては、御案内のように、融資申し込みに対して融資をいたしまして、融資を受けた方々が直接事業をされるわけでありまして、直接事業をやるわけではございませんが、この融資を通じまして、お尋ねの住宅金融公庫の業務の現在のネックと申しますか、融資を受けた方がいろいろお困りになっている点について申し上げますと、申し上げるまでもなくやはり建築単価の問題でございます。それと地価の高騰等によりましてだんだんと土地が入手できない、こういうことが最大のネックになっておるようでございます。事業進捗を促進する面におきましても、また地代等を少なくするためにおきましても、この建築費単価の是正ということと土地の入手を容易にしてあげるということが非常に大切になって参っておると思います。来年度予算におきましても、この標準建築費の是正、また土地の不足を少しでも緩和するために、現在の標準建築費についてこれを是正する予算要求し、また宅地造成予算については、本年度が二百二十六万坪でありますが、これを二倍の約五百万坪の予算要求をいたしております。大体問題になります点を言いますと、この二点になろうかと思います。
  47. 石川次夫

    石川委員 実は住宅金融公庫、住宅公団については質問したいことがたくさんあるのですけれども、きょう、一時に建設委員会で出かけなければならぬということで質疑の方を押えられているものですから、非常に大ざっぱな質問になって大へん恐縮ですし、また残念に思うのですが、いずれ機会を改めて御質問する機会を持ちたいと思っておりますので、簡単に二、三点伺っておきたいと思う。  それは日本住宅公団住宅金融公庫あるいは都道府県の住宅公社というのがありますけれども、これが土地を買おうとするときに非常に困ることがある。ということは、土地を買おうとする前に、その付近地でたとえば国鉄あるいは電電公社というところがいい値段で買ってしまうという事態がある。これは別に住宅金融公庫だけの問題ではなくて、地方自治体でも非常に困る問題になっているわけですが、そういう点でお困りになっている例がないかどうか。そういうことに対応して、住宅金融公庫とかあるいは住宅公団、あるいはその他そういう関連するところで、事前に連絡協議会かなんかを持って地価のつり上げにならないような対策を考える必要があるのじゃないかと思うのですけれども、そういうふうな考慮は現在払われておるかどうかということが第二点です。それからあと一つは、これは大したことではありませんけれども住宅公団、金融公庫で造成した土地の譲渡人は、ほかにまた譲渡あるいは賃貸ができないことになっている。そういう場合にはまた買い戻しができるということになっておりますけれども、実際それが実行されているのかどうか。そういう契約にはなっておるけれども全部野放しになっているのじゃないかという感じがするのですが、そういう事実があってそれを買い戻したというような実例があるかどうかという点が一つ。  それからまとめて質問してしまいますが、先ほど私、首都高速道路公団理事長にも伺ったわけですけれども、労使問題がやはり住宅公団あるいは住宅金融公庫でも問題になっていると思うのです。やはり相当するのはこういう従業員の皆さんでございますから、労使の関係が円滑にいかなければ仕事が円滑に進まぬということは言うまでもないと思うのですけれども、それが先ほど申しましたように住宅公団あるいは金融公庫それ自体では決定できない。やはり大蔵省の方にお伺いを立てなければならぬということになると、組合の側からいわせれば団体交渉というのは一体何のためにあるのか、そういうような焦燥感にもかられるし、それがひいては過激な行動に出るという危険性もあるというように思われるので、労使問題というのは、仕事をすると同じウエートでもって、これは仕事をする上には最も重要な一環であるというふうに考えて、積極的に打開策を考慮しなければならぬと思う。ところがどうもそういうふうな取り組み方をしているかどうかということについては、私は相当疑問に感じている。大蔵省がきめるのでどうしようもないんだというような投げやりな形になっているとすれば、紛争をさらに長引かせるという大きな問題になると思うので、これを何とか打開するためにはこうしてもらいたいという積極的な気持があなた方にあるかどうか。具体的に何かいい案があれば一つ示してもらいたい、こう考えるが、それらの点について、まとめて、簡単でけっこうでありますから、御答弁願いたい。
  48. 挾間茂

    ○挾間参考人 第一のお尋ねの点、国鉄、電電公社等が相当高価に土地を購入するために、住宅公団用地取得に困難を感じる実例があるかというお話でございますが、今日までのところさようなことはございません。電電公社の用地は大体交換局とかなんとかいうようなところでございますので、おおむね都市の中心部とか、いずれにしても相当地価の高いところでございます。公団の買収をいたしますところはそれと競合するというようなことは、今日までのところございません。  それから公共団体の方の関係でございますが、私の方としてはむしろ公共団体に積極的に御協力を願っております。土地の買収につきましても、いろいろブローカーとかなんとかというものが入ることは非常に避けなければならぬことでございますので、むしろ町村長あるいは町村会議長の方々というようなところとよく打ち合わせをしまして用地取得を進めておりますので、この辺は、協議会というあらたまったものはございませんが、積極的に協力を求めつつ用地の取得を進めております。  それから宅地分譲をいたしまして、二年間に住宅を建設いたしません場合には買い戻し、あるいは契約をいたしてまだ手をつけておりませんときには解約をするという方法をとっておりますが、今日までのところ、今、私、はっきりした数字は覚えておりませんが、関東支所管内で四件ぐらいございまして、これは買い戻しをいたしております。  それから最後に、労使の関係についてのお尋ねでございます。今日住宅公団の労働組合と団交を続けております問題は、大きく分けますと年末手当の問題とベース・アップの問題でございます。年末手当の問題は、これは昨夜と申しますか、一昨夜から昨日の早暁にかけまして解決をいたしました。まあ私としては非常にいい線によって妥結をいたしまして、調印をする段階になっております。なおベース・アップの問題につきまして、特に石川委員からの御指摘もございました。今日私が回答をいたしておりましたのは、御存じのように賃金の問題は労使の協議によってきめるという労働協約の憲章がございまして、その線を忠実に守っていく。ただし、今回は公務員の給与のベース・アップの問題がございまして、これはこの臨時国会において御決定になるということが前提条件になっておりますので、その決定を待つという心がまえでおりますので、それは——それによってどうこうということじゃございませんが、重要な参考にいたさなければなりませんから、臨時国会の御決議があるのを待った上で、労使の間でよく協議をして定めよう、こういうふうな回答をいたしておりますので、自主性の問題は、十分というか百パーセント尊重して参りたいと思っております。
  49. 福永一臣

    福永委員長 両参考人に対してはなお詳細に御質問申し上げる点もあろうと思われますが、本日は時間の都合上この程度にとどめまして、またあらためておいでを願うことがあろうかと思います。さよう御承知を願いまして、本日はまことに御苦労さまでございました。  これにて散会をいたします。    午後零時三十六分散会