○二階堂
委員 あまり時間もございませんから、きょうは簡単に一つ国鉄の方に御意見を承ってみたいと思います。
道路整備五カ年
計画に関連いたしまして、国鉄との立体交差の問題につきまして二、三国鉄側の御意見を承り、できますれば、一つその立体交差の
整備事業の
促進に御協力をお願いいたしたい、こういうわけできようは来ていただいたようなわけであります。
私は、主としてきょうは国鉄側に
質問をいたします。また
道路の方につきましては後日
建設省にいろいろと私の
考え方も述べまして、
促進方をお願いいたしたいと思います。
御
承知の
通り、この
道路整備五カ年
計画に基づきまして、
一級国道は
昭和四十年でありますか、大体九四、五%ないし九七、八%の
改良舗装を完了するという
方針をきめて、着々その
事業を推進して参っております。先般私も東北四県あるいは近畿あるいは
九州等の二、三の県を、
道路整備の
事業を
中心といたしまして視察いたしましたが、非常に鉄道との立体交差の
事業がおくれておるということが目についたわけであります。
そこで私は
建設省に対しまして、一体この立体交差の
事業促進がどういうふうになっておるのか、立体交差の未着工の個所が、主として
一級国道でありますが、どういう
状況にあるかという
資料を私は求めてみました。ところが、
昭和三十七
年度踏切除却、立体交差
事業で、未着工の個所の調べが私の手元に届いております。これを見ますと、内地におきまして
——これは地建
関係で申しますと、
建設省の地方建設局
関係で見ますと、東北、関東、北陸、中部、近畿、中国、
四国、
九州、この地建
関係とそれから北海道であります。この個所で三十七
年度の
事業計画されております中で、全体予定個所数が内地におきまして九十一カ所、未着工の個所が四十四カ所であります。北海道が予定個所が二十八個所で、未着工の個所が十二個所であります。このうち、
道路側の理由によって着工ができないというのが、内地において八件、鉄道側の理由によるという
報告が三十六カ所となっております。北海道におきましては、
道路側の理由が七カ所で、鉄道側の理由が五カ所となっております。こういう
数字を見てみますと、こういう立体交差の予定個所が着工できないという理由が主として鉄道の側にあるということが、この
数字の上から明らかになっておるわけであります。断わっておきますが、これは
建設省から出した
資料であります。これは鉄道の方からの
資料を私はとっておりませんし、また理由もとっておりませんので、あるいは一方的な
数字なり、あるいはその理由になっておる点がある建かとも存じますが、私は本日はこの設省からもらっておりまする
資料に基づきまして
お話を申し上げるわけであります。
昭和三十三年か四年かでありましたか、私はこの
委員会に国鉄の方に来ていただきまして、当時は大石
理事であったかと思いますが、この立体交差の問題を議論いたしまして、そうして
促進方をお願いいたしました。以来国鉄の方もこの立体交差の
促進につきまして、非常に窓口の簡素化あるいは
促進等において御協力を賜わった実績は私も
承知いたしておりまして、この点は非常に感謝いたしておるわけでございます。しかしながら、今申し上げました
通り、事実において、
昭和三十七
年度に予定されておる立体交差の個所は、主として国鉄側の理由に基づくことで非常に仕事がおくれておるというところが非常に多いわけであります。そこでこれらの原因をいろいろ
——それは国鉄の方にも言い分がありましょうし、
道路の方にも言い分がありましょうが、私はきょうは主として、国鉄の方が見えておりますので、国鉄の方に少し苦言を呈してみたいと思うのでございます。東北地建
関係だけで見てみましても、
一級国道の
整備計画で鉄道と立体交差する場所は五十八カ所となっております。このうち国鉄
関係は五十六カ所であるが、現在着工されているものはわずか三カ所にすぎない。今後残りの五十二カ所については、大
部分三十八
年度初めに着工を
計画しており、四十
年度には
完成できるように努力しておるが、国鉄との協議が進まないので苦慮いたしておるという
状況である、こういうふうに書いてあります。これは東北地建の
関係で、
一級国道に関連する立体交差でありますが、五十八カ所もあるといううちで、わずかに三カ所しか着工できていない、こういうことであります。私は東北地建管内の全部の個所の個所別の理由と、それからいつ協議が始まったか、どういう理由でおくれておるかという個所を一カ所々々々
建設省からもらっております。これは
建設省の言い分でありますが、きょうは個所別にお尋ねする時間もありません。そこで、このようにおくれておる理由は、国鉄の方との協議が非常におくれておるということが一つであります。それはやはり国鉄の方の基本
計画というものが、たとえば復線にするとか電化にするとかあるいは立体交差にするとかしないとかいったような基本
計画が確定しないこと、それから現地においての具体的な
計画がおくれておるとか、あるいはまた改訂されておるというようなこと等がありまして、これはおくれておるということだと根本的には私も
考えております。しかも、この協議を開始いたしましてから、
道路局の方は地建の
局長が主として交渉の相手に当たっておるわけでありますが、この協議が始まってからいろいろな
計画の
打ち合わせが具体的に確定するまでには、少なくとも一年以上の時日を要しておる。早いのは八カ月とか、あるいは一年八カ月とか、
九州で見ますと大体一年から一年八カ月かかっておる、こういうような
状況であります。東北に参りましていろいろ聞いてみますと、一応今の単線で立体交差の
計画が進められておったが、今あなたの方では複線
計画があるのだ、その複線
計画がきまらなければ
道路の方との立体交差の協議がまとまらない、こういうような理由も相当あるようであります。こういうふうに基本的な
計画があなたの方でおきめになっていないということも、一つの基本的な原因であろうかと思っておりまするが、なおまた、協議が大体まとまりましてからも、あなたの方の
地元の現地の局とのいろいろな交渉にまた時間を要する、これも事実のようであります。これはあなたの方の国鉄内部の機構の非常に複雑なことにも起因しておるかと私は思うのであります。大体鉄道との立体交差につきましては、
建設省の方はほとんど地方の建設
局長が大体窓口の相手になって仕事を進めておるわけであります。ところが、あなたの方は、管理
局長がおられ、そしてまた地方には支社長という方がおられる。
〔
委員長退席、瀬戸山
委員長代理着席〕
それがまた本社の方に通じてきて
事務手続を要求する。そうすると本社の方では施設局ですか建設局ですか、そういう局がある。それからまた今度は支社長にその手続が返って、そして
工事局長に返って、そうして現地の責任者に返っていく。国鉄の内部の機構は私は十分存じておりませんが、手続上判こをもらってその書類を回さなければならない。機構が非常に複雑になっておる。こういうような手続だけでも本社と支社の間で一カ月もかかるというのが普通であるように伺っております。私は、このことにつきましても、かつて大石
理事に来ていただいたときにも、もう少し窓口の簡素化をはかったらどうか
——これはひどい例でありますが、
昭和三十三年ごろでありますか、
九州のあなたの方の
関係のある個所の仕事でありますが、仕事の協議が終わっても、あなたの方にはまだ信号の掛がある、あるいは電気の方の掛があるとか、非常に下の方の担当者の窓口が多い。そうすると、仕事を進める場合にも、業者が
——私はそのときに申し上げましたが、今はそういうことはないと思っておりますけれども、業者がその窓口の掛、四つか五つ窓口がある、その窓口の方々を一席招待してごちそうまでしなければ一向納得が得られないというような事実があります。私はそのときの業者の名前とか人の名前は申し上げませんでしたが、私は事実そういう証拠を持っておったのであります。そういうこと等も率直に私は
委員会で申し上げました。そういうこと等もあって非常にその
促進方を協力していただいた事例も私は持っております。現在はそういうことはないと思っておりますよ。しかしながら、非常にあなたの方の窓口が多くて、手続をする上において複雑な経路がたくさんある。そこで地建の
局長が幾ら相談をしても、
事務的手続においてすら、行ったり来たりに一カ月以上もかかるということになる。しかも立体交差については、はなはだ失礼なことと存じますが、あなた方の方では非常に熱意がないというふうに受け取られてもしょうがないというような具体的な例がいろいろあるわけであります。そこで、私は一体この立体交差の問題等について、
道路の方は五カ年
計画で
一級国道は
昭和四十
年度までにほとんど
改良や
舗装を
完成したいということで、これは当然のことなんです。今日の輸送の混雑しておる
状況等をいろいろ
考えてみますと、これはどんどん
工事を進めていかなければなりませんが、非常に目立っておくれておる個所というものが、
道路の側にも理由があっておくれておる個所もありますが、今申し上げた
通り、国鉄の方の理由が相当多い。こういうように
工事の
施行がおくれておる、しかも
事務的にも長期間を要するというようなことでは、
道路の五カ年
計画の
整備というものは
昭和四十
年度までには終わることができないといったような
実情に追い込まれていっておると私は思うのです。こういうことに対して、一体国鉄の方とされましては、どういうようなお
考えでこの立体交差の問題について対処しておられるのか、またどういうお気持で今後これらの問題を解決していこうと
考えておられるのか、大体の
考え方の
方針だけを承りたいと思います。