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木村(公)
委員 私一人で長いことやっておりますと恐縮でございますが、ちょうどここには副大臣の政務次官である野本君もおられますから、これは大事な大きな行政の根幹をなす問題だと思いますので、ぜひとも
一つお聞き置きをいただきたいのです。
今数十名の
不正入国者がありますが、その大部分は、この間の御
答弁によりましても、韓国人であるといわれておるのでございます。ところが、その韓国人が不正に入国をしたことは法規違反であるけれ
ども、入国した者が、それならば麻薬を扱っておるとか、あるいはその他の犯罪者が入国者の中にたくさん輩出するかというと、そういうようなケースはない。不正入国したそのことは法律違反であるけれ
ども、入国後の状態を監視しておると、必ずしも
不正行為が続くわけでなく、むしろ善良な者が多いというようなことも御
答弁の中からうかがえるわけなんです。そうすると、この法律を私
どもが十数年前につくったのでございますが、その立法精神からいきますと、わが国に不正に入国する者を取り締まるということは、なぜそれをしなければならぬかというと、他国からわが国に不正に入国して、わが国の利益を害する、国民に不測の
損害を与えるおそれがあるというケースが非常に多かったのでございます。そこでこの機会に出入国の監視を厳重にいたそうではないかということから、この立法がなされたものであると記憶いたしておるのでございます。
ところが不正に入国した者は善良な人が大部分だ。その人たちは、入国そのものは不正だけれ
ども、上がった後には別に悪いこともしないということが立証できるとするならば、もう少しあたたかい態度をもって韓国人に接することが必要になってくるのではあるまいか。おそらく
入管の職員諸君は、国を思うあまり、不正に入国した者に対しましては、断固として峻厳にやろう、それだけが頭に一ぱい入っている。これは順法精神でまことにりっぱなことなんです。
考え方としても、これは決して排斥すべき
考え方ではございませんけれ
ども、もともと立法の趣旨は、みだりに日本へ
外国人が入国して、日本国並びに日本国民に対して不利益を与えるケースが非常に多かったということが、実は立法の動機になっておるという記憶が私にあるのであります。そこで、だんだん日にちがたってきて、現段階では、
不正入国者は、ことに韓国人の場合が大部分だそうですか、その場合に、上がってから別に悪いことをしていない。むしろ在来からおる韓国人の中にあまりよからざる者があるかもしれませんが、親を慕い、兄弟を慕い、あるいは韓国そのものの政情、国情にあきたらずして、あこがれの日本へ命がけでやってきた、小さな船に命を託してやってきた、その後の行動は、あなた方
入管の方々は十分監視をされておると存じますが、監視をされた結果、そういう人たちが、内地において犯罪を犯しているということがないような御
答弁があったものでありますから、それならば少しここで行政政策を変えなければならぬのじゃないか。
不正入国者に対して峻厳に取り締まることは必要だけれ
ども、一たび日本へ来た者につきましては、あるいは仮釈放の問題であるとか、あるいは保釈の問題であるとかという、いわゆる
刑事政策的ないろいろなことが配慮されてよろしい段階にもうきたのではあるまいかという点も、これは高度の政治問題でもございますので、
一つ政務次官からも御見解を承っておきたい。
この動機は、何度も申すようでございますけれ
ども、
外国人が日本に不正に入国して日本国並びに日本国民に不当な
損害を与える危険が非常に多いという段階においてこの法律ができたわけです。ところが、その後世の中が平和になって落ちついてきて、今不正に入国した者をいろいろ
入管で御調査になりますと、入国したそのことは不正である、従って法規には十分抵触するから、強制送還をしなければならぬ、あるいは収容もしなければならぬけれ
ども、それが内地に上がってから犯罪を犯しているかというと、そう犯罪を犯していない。むしろそういうものでなく
——名前を申し上げると非常に弊害があるかもしれませんが、韓国人にあらざる者がむしろ麻薬を扱ったり、その他の重大なる犯罪につながっておるケースが多い。韓国人の場合は、入国そのものは不正であるけれ
ども、入国の動機というものをいろいろ調べてみると、親を慕って来るとか、兄弟を慕って来るとか、あるいはこの間善政だといわれたのは、何かこちらの学校へ入りたいとかいうので不正に入国してきた、そこで
入管の方でも、その心がけがよろしいというので、一まず仮釈放か何かをして逗留を認めたというようなことが新聞に出ておりましたが、ああいう新聞記事を見て喜ぶのは日
本人ではない、韓国が喜ぶのです。この間韓国に行った国
会議員の報告によりますと、あの記事
一つがどのくらい韓国で喜ばれているかわからない。今後韓国と交渉に入る場合にも、ああいうようなことが非常なプラスになるということを私は伺っておりますので、ちょうどよろしい機会ですから、この機会に、不正入国というものは十分取り締まらなければならぬけれ
ども、入国して犯罪を犯さざる善良な人に対しては、政治的に考慮すべき余地があるのではないかという点についても、私は含みのある御
答弁がいただきたいと思っておるのです。
それから、先ほどまだ御
答弁を伺っておりませんでしたが、実は川崎の
入管、これが川崎化成工業との間に土地の交換をやろうとしてそれができなかったのか、今途中でありますから知りませんが、その点についてもいろいろおもしろくないうわさがございますので、アウト・ラインだけでも伺っておきたい。
それから御
答弁漏れになっておりますのは、食費の差別でございます。韓国人、中国人をのけたものの食費は高いけれ
ども、韓国人、中国人というものは、東洋人とか呼ばれて、食費が安い。同じ
外国人でも差別がされておる。しかもわずかの差別なんです。二十円か三十円のことですが、そのようなけちくさいことをやらないで、そういう差別をとってやれば、おそらく喜ばれるのじゃあるまいかと思うので、私はそう深い
関係はありませんけれ
ども、一食について五十円か三十円、そういうわずかの差別をなさって、そうして日本に対して誤解を抱く危険を生じさせるよりは、むしろそういうふうな食費の差別というものはやめて、一視同仁、食べさせるものならば同じものを食べさせるようにしていただきたいということを、私は希望として申し上げておいたのですが、その点の御
答弁がございません。
予算措置をなさるとすればわずかなことです。政務次官もおられるし、いつでもわれわれもお手伝いができると思いますから、その点の御
答弁を伺っておきたいと思います。