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穗積委員 これでは
国会を開いて審議をしても
意味がないじゃないでしょうか。これは全然ナンセンスですよ。
国会というものを認めておられないで、民主的に
国民の
納得のいくようにと言ったって、
納得しようがないですね。
それじゃ、もうこれらの問題を押し問答いたしましても他の方に迷惑ですし、次にまた時間の余裕のあるときにさらに伺いましょう。これは打ち切ったのではありません。はなはだ遺憾の意を表して、留保して、もう一点だけ最後にあなたの外交政治家としての御所感を伺いたいことがあるのです。
朝鮮というものは、今まで
日本が半世紀にわたって支配をしておって、今度の戦争に
日本が敗けて、初めてこれが独立国になってきた。従って、朝鮮の問題については、実はわれわれはああしろこうしろというようなことは
発言権がないわけです。そこで、われわれが受け取っておるのは、統一朝鮮というものに対してその原則を受け取っておるわけですね。そうであるならば、われわれがかねて言うように、またこの前の
国会で河上
委員長も具体的に
提案をしたように、
懸案のビジネス・ライクの問題は、遺憾ながら二つに分かれているのだから二つの
政府との間でやって、全朝鮮に関連のある国交問題、その中に含まれる領土その他の
問題等については、これは統一政権の樹立を待ってやるべきであるという
提案をわれわれは具体的にしておるわけです。朝鮮との関係をいつまでも不自然・非正常的な状態に置けということを言っておるのではありません。これは社会党の主張ではなく、
日本が終戦後国際的な取りきめあるいは
条約等で承認して受け取った朝鮮に対する原則というものはそうでなければならない。ところが、あなた方は、統一ができないということを無理に理由とされて、そうして、やむを得ず南とやるのだ、こういうふうに言っておられるわけですが、実は、私
どもがちょうど平壌に滞在中、御承知のように、十月八日に、朝鮮の
国会、すなわち最高人民
会議の総選挙がありました。その最初の総選挙後の
国会が十月二十三日と四日にわたって平壌に招集されました。その最初の日に、金日成首相が
政府を
代表してこの朝鮮の統一問題について
方針を明らかにして内外に訴えたわけです。その要点を簡単ですから申し
上げます。現状すぐ統一が困難であることは、これは不本意ながら事実を認める、そこで、金日成が
提案をいたしておりますのは、二つの
政府の間での連邦制を暫定的にまずやろうじゃないかということです。非常に具体的ですね。その場合においては、両国の
政府の間でまず平和協定を結ぼう、そうして、軍備については、お互いの不信をなくすために、停戦協定十三条は停戦時の兵力をふやさないという約束になっておりますが、それをさらに、両国
政府並びに人民の相互信頼、安心のために、十万以下にお互いに軍備を減らそうではないかということです。そうして、さらに、内政は不
干渉のままで、そこで両国の人民によって選ばれた連邦
会議を持とうではないか、同時に、両国の間における経済
委員会を合流してつくって、そうして、その連邦制で相談をしながら、内部的には経済・文化の交流を
合意に達したものだけからでもやろう、無理にやろうとは言わない、南の方が拒否すればそれはできないが、
合意に達したものだけからでもやろうじゃないか、そうして、対外的な問題はこの連邦制の機関でやろう、両国の
国会ではなくて連邦
会議でやる、全朝鮮人民に関連のある重要な国際問題はその連邦
会議で相談をして、連邦
政府で
折衝に当たろうではないか、その
過程をとって、相互信頼ができたときに民主的にして最も平和的な方法で総選挙をやろう、そしてそこで連邦ではなくて統一の政権をつくろう、その内容がどういうものになるかは人民のきめることである、こういう
提案です。そうして、それをやるためには、外国の軍隊は撤退をしろ、北には外国の軍隊は一兵もいない、基地は
一つもない、南における軍隊も撤退をして、自主的に民主的に平和的にやろうという
提案です。これは私は非常に現実的でありかつ
合理的な
提案であると思います。そうであるならばできるわけです。今不幸にして南北朝鮮に分かれておりますけれ
ども、あれは国境でなくて武装解除の軍事境界線にすぎないわけです。ですから、われわれが朝鮮問題について努力すべきことは、やはり、その統一を促進して、国際
会議で決定され平和
条約二条でも規定してわれわれが原則を認めておるように、統一政権が早くできるようにわれわれは協力をする、これを支持するというのが、
日本の
政府並びに
日本人民のとるべき正しい
態度であると私は思うのです。そのときに、あなた方が言われるように、李ライン問題とか、漁業問題とか、その他の問題について
解決がつかぬのじゃないのです。そういう
懸案の問題は、貿易問題でも、両国の
政府と公平平等に
解決していく。共通の問題については、今の連邦
会議、連邦
政府で、できるならばそこで過渡的
段階においても
交渉妥結ができるわけです。私はこれを
日本政府並びに人民は支持すべきであると思う。南朝鮮の多くの人民もこの統一方式というものは支持しているわけです。ただ、それが弾圧されていますから、言論の発表も結社も全然できないものだから、黙っているだけでございます。こういう基本的な
立場で私は進むべきだと思うのです。これはあなた方も認めておる。これを無視することはできない。それとの接触もあればしなければならないと認めでおられる朝鮮民主主義人民共和国の全朝鮮人民に対する訴えであり、外国に対する
提案でもあります。これについて
外務大臣のお
考えを伺っておきたいと思います。