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穗積委員 さっぱり
説明にならない。大卒さんは大体が
経済官僚出身だから大体
通産省やわれわれと同じ
考えだと思ったら、
外務大臣になられたら、外務官僚のペースに乗せられて、
外務省としてガットにだけ入り込めばそれで
交渉は済んだ、
貿易は伸びなくても、あるいは
あと向こうから一方的にセーフガードの条項やあるいはセンシティブ・リストで非常に不当な――これはこっちが承諾を与えたやつですから不当なとは言われない。
交渉のときにしっかりしておらなければ、こっちが承諾したんですから、押せないですよ。それでもかまわぬというのは、それでは、あなた方政治家として、
経済もわかっておる、
経済外交をやろうというのに、少し私は心配になってきた。私はもっとあなたを高く
評価しておるんだけれ
ども、何とか入り込めさえすれば、
あとは
貿易が伸びても伸びぬでもそれは
通産省の仕事だというようなことで、いわば無条件降伏か条件降伏かは知らぬけれ
ども、それではだめだ。われわれ心配するのは、今までも、ヨーロッパの帝国主義
諸国、あるいはその独占の態度というものは、一ペン取った権益というものはそう簡単に離しませんよ。しかも
日本が承諾を与えているんだから。ガット三十五条の問題は、
国際情勢、
自由化の問題なり、それから
経済の動きで、
撤回問題は真正面から押すことができるでしょう。ところが、その
交渉でこっちが承諾を与えて無期限に無条件にセーフガードやセンシティブ・リストを与えておいたら、これはあなたの方が承諾をしてやったんだからというので、何ぼでもこれは食い下がります。その点は、われわれ今までの長きヨーロッパとの
経済外交なり外交の歴史を振り返ってみても、がめついヨーロッパのことですから、この二つの条項を認めるということは、うかうかと名前だけもちって、
あとはこの
日本の中に租借地ができたように
日本の外交の中に租借地を与えるわけですから、その点はしっかりしてやっていただきたいと思う。これは実は大事なことですから、まだ続いて御
意見を伺い議論をしたいのですけれ
ども、特に
外務省にその要望を強く申し上げまして、またその
交渉が始まったときには、われわれもそういう無条件降伏や条件降伏を承諾するわけにいかぬから、またあらためてお尋ねしますけれ
ども、あらかじめ申し上げておさます。
続いて、関連して、ついでですから伺っておきますが、延べ払い問題は今
貿易発展の大きな条件になってきているわけです。この間ブラジルの鉄のプラント輸出の問題でも、
日本側が落札しておきながらこの延べ払い問題でヨーロッパに取られてしまった。
日本の政界も財界もぎくりとしたわけですね。延べ払い問題というのは、この前私が伺うと、対共産圏
貿易についての延べ払いについては同様に公平に認める、すなわち、第三国の保証というものは必ずしも必要としない、そういう御意向で、われわれの要望にこたえて答弁があったわけですね。それはいいとして、そこで、きょうは大蔵省からも柴崎さんお見えになっておられるようですから、事のついでに伺っておきますが、そうすると、輸銀がこれを保証するわけですが、そのワクについて、あらかじめ延べ払いのワクについては国別または
地域別にワクを置かれるかどうか。さらに具体的にお尋ねすれば、
中国、ソビエト、朝鮮人民共和国あるいはベトナム等々との延べ払い問題と自由主義
諸国に対する延べ払いとで、まん中で境を引くのか引かぬのか。余裕があればいつでも、自由主義
諸国と共産圏との
貿易に延べ払いを許容するワクについて、初めから固定をしないで、そのときどきの状況を見て、スライディングというか、イラスティックというか、伸縮性をもってこれに当たられるおつもりであるか。大蔵省、
通産省、
外務省の三者がおられますから、三者の結論だけちょっとお尋ねしておきたい。延べ払い保証について、輸銀に初めから固定したワクを置くか置かぬかということです。