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1962-11-28 第41回国会 衆議院 運輸委員会観光に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員会昭和三十七年八月二十二日(水曜 日)委員会において設置することに決した。 八月二十九日  本小委員委員会において次の通り選任された。       有馬 英治君    伊藤 郷一君       加藤常太郎君    川野 芳滿君       簡牛 凡夫君    砂原  格君       福家 俊一君    細田 吉藏君       山田 彌一君    石村 英雄君       加藤 勘十君    勝澤 芳雄君       内海  清君 同日  山田彌一君が委員会において小委員長に選任さ  れた。 ————————————————————— 昭和三十七年十一月二十八日(水曜日)    午前十時四十五分開議  出席小委員    小委員長 山田 彌一君       有馬 英治君    川野 芳滿君       砂原  格君    福家 俊一君       加藤 勘十君    勝澤 芳雄君     —————————————  小委員外出席者         運輸委員長   木村 俊夫君         運 輸 委 員 肥田 次郎君         運輸事務官         (観光局長)  梶本 保邦君         参  考  人         (国際旅行業者         協会常務理事) 榎本 容二君         参  考  人         (全国旅行業団         体連合会副会         長)      大友  保君         参  考  人         (日本観光協会         理事)     小金井健男君         参  考  人         (日本観光旅館         連盟専務理事) 上月木代次君         参  考  人         (日本ホテル協         会常務理事)  近藤  清君         参  考  人         (国際観光旅館         連盟常務理事) 福田  彰君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  観光に関する件(観光施設等に関する問題)      ————◇—————
  2. 山田彌一

    山田委員長 これより運輸委員会観光に関する小委員会を開会いたします。  観光に関する件について調査を進めます。  観光事業の振興に伴う宿泊設備整備充実は、目下の急務でありまして、特に近く開かれるオリンピックの開催に伴い、外人観光客も多数訪れますことと思いますので、宿泊施設の拡充はもとより、従業員サービス改善にも一段の努力が必要かと存じます。本日は、これらの問題を中心として、参考人各位より御意見を伺うことといたします。  この際、参考人皆さん方に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ御出席を下さいまして、まことにありがとうございます。何とぞそれぞれの立場から忌憚のない御意見を伺い、もって本問題の調査の上に貴重な参考に供したいと存じます。  なお、参考人各位、お一人お一人、意見開陳をいただいてから小委員方々質疑を行ないますのが本旨でございますが、時間の関係もありますので、代表二人の方に御意見開陳をいただきました後に、小委員質疑に対し御意見を述べていただくことにいたしたいと存じます。  それではまず、近藤清参考人にお願いいたします。
  3. 近藤清

    近藤参考人 ホテル協会近藤でございます。  私ども施設その他を御説明いたしますと、ただいま私どもホテルの数は、全国で百三十軒ございます。そうしまして、そのおもなものは東京及びその周辺にございまして、なおその他では京都とか大阪にも相当収容能力は持っておりますけれども東京中心になっております。ただいまの収容能力を申し上げますと、全国では、室数が約一万七千室くらいございまして、その収容能力が約二万四千人になってございます。なお、このうちでオリンピック時にどのくらいの収容ができるかと申しますと、大体われわれの方では、東京中心といたしまして、この周辺を考えております。千葉それから川崎、横浜、湘南、箱根熱海伊豆でございます。この辺までのホテルを一応考えまして計画を練っております。伊東、伊豆熱海の方は少し遠いのではないかという御意見もございましたけれども、これにつきましては、オリンピック時には交通機関相当よくなって、時間的にも短縮されやしないかというようなことで、少し遠いように考えましたけれども伊豆箱根までこの圏内に入れてございます。箱根は、昨年東京で開かれましたロータリーのときにも、一応箱根の地区のホテルを利用して、相当宿泊を緩和している事実もございますので、箱根も入れてございます。今東京中心としましたその周辺収容能力は、人数にしまして約一万三千ベッドぐらいでございますけれども、これがオリンピックのときに、ただいま計画をしております各ホテル計画が実施されました場合には、約二万一千ぐらいのベッド数にはなりはしないかというふうに考えてございます。なおこのほかに、われわれの会員以外のホテルで、外客宿泊できる施設を持っておりますホテルが十三軒ほどございまして、これが約四百人ぐらいの収容能力を持っております。これは昨年のロータリーのときには、この方々にも御協力願って宿泊を受け持っていただきました。しかし、オリンピック時には、一日約三万のお客さんが来るというふうにいわれておりますので、このホテル計画が全部できて二万一千ぐらいのベッドができましても、なかなか十分でございません。なおこのほかに、旅館の方も相当数宿泊能力があると思いますけれども、それを入れましても三万の来客収容することはなかなか困難ではないか、こういうふうに考えております。  それでは、そういうものをどうしたらいいかということをいわれておるのでございますけれども、これには民泊とか、会社の寮とか、アパートを一時転用するとか、いろいろな計画を持たれておりますけれども、これはわれわれの方は、一応そういうときには参考人として意見を聴取されておる程度でございまして、それよりももっと大事なことは、これだけ足りないのだ——現在はオリンピックのときにこれだけ足りないのでありますけれども運輸省計画によりますと、オリンピックには大体五十五万来る。それから昭和四十五年には、百二十五万ぐらいの来訪外客があるのじゃないかという計画のように伺っております。そういうことを考えますと、現在のこのホテル室数だけでは、とてもこの来訪外客に追いついていくことはできませんのであります。それではどうしたらいいかといわれますと、需要供給の面によりまして、ホテル計画してホテルをつくろうという意欲を持っている方は、相当あるのでございます。しかしながら、先だつものがなかなか十分にいきませんので、これを早く何とかしていただきたい、金融を十分にしていただきたい、こういうふうに考えまして、先般来運輸当局にも、またその他の関係当局にもいろいろお願いはしてございますけれども、なかなか十分に融資をいただいておりません。  一例を申し上げまして大へん恐縮でございますけれども、昨年ローマで開かれましたオリンピックのときには、イタリアではホテル資金法というものがございまして、そうしてこの資金法によりましてホテル建設する場合、それから施設整備改善などを行なう場合には、大体要求額の五〇%以上の融資を受けているように聞いております。しかもこの利率は年五分、そうして建物の建設の場合には返還期間が二十五年、施設の場合には五カ年、こういうふうに非常に優遇された金融措置をいただいておるように聞いております。わが国におきましても、もしこれに近いような何か融資方法がございますれば、それが呼び水の一つとなりまして、そうして相当ホテル建設意欲を燃やすのではないか、こういうふうに考えておるのでございます。ただいまのわれわれが融資を受けております条件は、大体われわれの方でお願いしております金額の一割程度ぐらいではないかと思うのでございます。利率は年八分七厘、返済期間は十五年ぐらいが、今のところ一番長い返済期間でございます。昨年度の運輸省発表によりますと、三十六年度は二十六件の融資申請に対して二十五億の融資をしている、大体一件一億円に毛満たないような現状でございます。しかし、日本でも昭和の初め、、昭和の五年から十二年ぐらいにかけましては、大蔵省の預金部が、当時の金としては相当多額と思われる九百二十五万円の融資をしまして、そうして利率も年三分四厘、返済期間は三年据置の二十七年、こういうように、当時としては浜口内閣緊縮財政にもかかわらず、非常に国際観光といいますか、こういったような面では優遇をされまして、それが今日のホテルの発展の基盤になっておりはしないかと考えられるような措置をいただいておりました。そういうことでございますので、当委員会におきましても、この融資のことには特に意を重く持たれまして、今後、一つこういう方面についてのごあっせんなり御協力をいただきたいと考えておる次第でございます。  なお、オリンピック宿泊受け入れにつきましては、われわれの方としては、ローマでは受け入れの場合、ホテル料金などを高くして、そうして大へん不評を買ったように聞いております。これはローマでは、たとえば平常時に四千リラのものを、それを政府の許可を得まして二割増額し、また、そのほかに、食事をとらなければ引き受けないとか、あるいは十八日間全部の金額を払い込まなければ引き受けないとかいうようないろいろな面がございましたので、われわれとしましても、そういう轍を踏まないようにできるだけ注意をいたしまして、この受け入れについては、われわれの方の委員会などをつくりまして、十分に万全を期しております。  しかしながら、われわれの方で、そういう面も一生懸命にやっておって、来客に対するサービスその他のことにつきましても、できるだけその後に及ぼす影響なども考えまして、従業員教育とかいろいろのことをやっておりますが、ここで一番問題になりますことは、ことしの四月から外国人に対しても日本の国民と同じように、料理飲食等消費税というものがかかっておりますけれども、実は昨年来この問題がかなりいろいろ論議されまして、われわれもここに御出席先生方にもいろいろ陳情して、何とかこの料飲税課税のことについて御協力願って、これを従来通り非課税にしていただこうということでお願いして参りましたけれども、一部の方々の反対などがあったそうで、ついに四月から課税になっております。  この料飲税についてのその後の状況を御説明いたしますと、外国から非常に多くの小言が来ております。私どもでは、文章で来ております毛の、それから口頭で来ておりますものを全部集計いたしますと、数百に及んでおります。その中で大体どういうことを言っておるかということを御報告しますと、国際的に考えても、世界一この税金は高い。アメリカでも大体三%だ。ヨーロッパでも三%くらいじゃないか。それにこの税金サービス料に対して課税をする。世界でこういう例は見ない。こんな国辱的なことは早くやめるように君たちも政府に陳情をしろ。これは御説明するまでもなく、たとえばホテルで二千円の飲食あるいは宿泊をした場合に、それに対して一割のサービス料を私の方でちょうだいしてございます。そうしますと、二千二百円に対して今度二百二十円という課税をする。サービス料に対して課税をするようになってございます。これはサービス料とわれわれ言っておりますけれども外国人に言わせますと、サービス料はとりもなおさずチップだ。チップというものは、お客が泊って、そのサービスに対しての好意で出すものであって、本来一割取るということもいろいろ議論はあるけれども、まあ一割くらいならば、世界各国から見てもそう大して高額とは考えられぬ。しかし、それに課税をするということはどういうことかというふうに、このサービス料課税をする問題は非常に多くコンブレインが来ております。それから、これだけ高い課税をしておきながら、何らこれに対する見返りがないじゃないか。たとえばこれだけの税を取れば、これを目的税にするとかなんとかして、道路をよくするとか、その他の施設をよくするためにこの金を使うならわかるけれども、何かわからない税の中にごちゃごちゃ入ってしまうというように聞いておるけれども、この点についてはどうだ。先日も私ブラジル大使に呼ばれまして、ブラジルから来たお客さんのおもてなしをしましたときに、ブラジル大使いわく、私はときどき川奈にゴルフに行くけれども川奈まで行く間に英文の道標が一カ所か二カ所しかない。私は行くたんびに気をつけて見ているけれども、いまだにそれよりふえておらない。外国人冷々々と君たち一生懸命で外客を誘致するようなことを言っているけれども外国人が一人で来て、もしオーナー・ドライブした場合には、行くところがわからないじゃないか。たとえばどこかのジャンクションに行った場合に、右に行っていいのか、左に行っていいのか、言葉もわからないで非常に困るという場合には、日本のだれか運転手をつけて行かなければならぬという不便があるというような御注意ども承っております。それからもう一つは、ホテルあるいは旅館食堂食事をした場合と、外の食堂食事をした場合に、課税方法が違うじゃないか。たとえばホテル食事をしますと、宿泊に伴う飲食ということからしまして、ホテルではやむを得ずに五百円以下の飲食に対しましても、全部をプールして、それで幾らという課税をいたしておる。しかし、表で食事をした場合には、五百円未満ですと、課税対象にならぬ。全然税金がついてなくて、課税をされない。こういうことは非常な税の不均衡じゃないか、こういうことに対しても、もう少しホテル業者政府当局に対して強く陳情したらどうか、こういうような苦情が来ております。こういうことがございましたばかりでもないでしょうけれども、われわれが出しました四月以降の統計を見ますと、来訪外客は若干減っておるように見られます。昨年は、運輸省発表によりますと、大体二十五万人くらいの外客が来ておる。本年は二十九万人くらいの外客予想をされておりましたけれども、おそらくことしの十二月にこの記録を出しましても、二十九万の数には至らないのではないかというふうに考えられております。これはアメリカドル防衛とか、国際事情の緊迫とか、いろいろ問題はあると思いますけれども、この料飲税の問題などはかなり大きく響いておりはしないかと考えておる次第でございます。  なお、先ほどの融資のところで、ちょっと忘れましたけれども、われわれの方の計算でいきますと、大体三十八年以降は四十億以上の融資をいただきませんと、なかなか来訪外客収容するだけのホテル建設は追っつかないのではないか、こういうふうに考えております。なお、この金融措置いかんでは、オリンピック時には、三千ベッドくらいの減少が考えられます。  それから、われわれの方としましては、来訪外客は、全部ホテル旅館収容したいのでございますけれども、なかなか全部の外人収容することができないのです。これは運輸省からは、ホテルのアコモデーションの少なくとも九〇%は外客を入れろ、一〇%くらいはいろいろな関係でその他の客を入れてもいいけれども、とにかく九〇%は外客収容しろというふうに強い御指示がございますので、その趣旨を徹底するようにホテルには指導しております。  次に、従業員教育につきましては、特にこういうことをということはございません。これは、絶えず観光局から、従業員教育につきましては、いろいろと御指示をいただいておりますので、絶えずそれを行なっております。しかしながら、これを機会に、日本人の弱いといわれております語学をどうしてもマスターしなければならぬというので、各ホテルとも、語学につきましてはいい先生をお願いしまして、一生懸命に、オリンピックに間に合うように教育は行なっております。しかしながら、最近の雇用関係などによりまして、なかなか思うような教育ができないのでございます。これを御説明いたしますと、戦争中に、ホテル産業としては非常に低いので、大部分が徴用にとられまして、残っておりますものは、もうほんとうに役に立たないような老人か、あるいは女子というようなものでございまして、終戦になりますと、今度は進駐軍が入って参りまして、生殺与奪の権は進駐軍が全部握っておりますので、どんな優秀なホテル従業員でありましても、進駐軍の隊長あるいは支配人のごきげんに沿わなければ解雇されてしまうというようなことで、この間の従業員教育というものは、ゼロでございました。日本が独立いたしました後に、ホテルもやっとわれわれの方へ戻って参りましたので、その後にホテル従業員教育にかかりましたけれども、御承知のように、なかなか人は集まらないし、また最近におきましては、ほかの産業のブームに乗りまして、そちらの方へ人をとられてしまって、なかなかわれわれの方へは人が集まってこないというようなことで、最近ホテル従業員がいろいろ問題を起こす事件もできておりますけれども、そういうように非常に雇用関係がむずかしいということも一つ御留意いただきまして、今後こういう面につきましても、何か御協力いただければ幸いと存ずる次第でございます。われわれにおきましても、もちろんそういうことは別として、一生懸命に従業員教育して、昔のように、日本サービス業サービス世界の範というふうに引き上げていきたいと考えております。  こういうことでございまして、われわれの方のオリンピック受け入れば、できるだけ多くの外客を誘致して、外貨獲得国際収支改善に寄与いたしたいと存じております。しかし、これはわれわれと最も関連の深いものの一つとしまして、オリンピック時には、ぜひオリンピックサービスセンターというものを設置していただいて、外客が参りましたときのいろいろな相談とか、それからコンブレインもあると思いますが、そういったようなものもつくっておいて御処置願いたいと思います。ローマでは、数カ所にこういうものができておったように聞いております。  なお、これはオリンピックとは直接関係ございませんけれども、最近、日本におきます国際会議が、年々ふえてきております。これに対して、先般日本観光協会におきましては、インフォーメーション・センターというものをつくることにして、来月には有楽町の付近に開設をするという運びになっておりますけれども、そのほかにコンベンションビューローというようなものを——これは日本の国で国際的な会議をやる場合に、外国から来る方はやはり皆さんいいシーズンにやりたい、四月とか五月、あるいは十月とか、十一月にやりたい。そういうときには、われわれの方では一番一般観光外客の多いときでございますので、なかなかこういう大きなコンベンション収容するだけのものがございません。諸外国におきましては、このコンベンションビューローというものを非常に重要視して、そうしてこのコンベンションビューロー相当の金を出して、国際会議を誘致するようにやっております。日本におきましても、コンベンションビューローというものの必要は御当局もよく御承知と思いますし、われわれにおきましては、不可欠ではないかというふうに考えております。三十六年の国際会議を見ますと、大小合わせまして三十三件参りました。お客さんは一万三千人以上であります。三十七年度は、今のところ予定も入れまして三十五件、この来訪客数が一万五千五百人以上というふうに計算されております。これも、一つこの機会にぜひ実現されますようにお願いいたしたいと存じております。  次に、それではわれわれの方のオリンピックのときには、ローマではこういう批判を受けたじゃないか、日本ではどういうふうにやっていくのだ、料金等についてはどうだという御説明を申し上げますと、われわれの方におきましては、現在部屋代及び飲食につきましては、オリンピック料金というものを特別考えておりません。現在の値段によりまして予約を受けております。しかしながら、最近の物価の値上がりとか人件費の高騰によりまして、オリンピックのときに相当値を上げていただかなければならぬというような事態もあるかもしれませんが、ただいまでは、一応、三十八年の十二月三十一日までに著しい経済的変動のありました場合には、われわれの方のホテル協会の中にオリンピック準備委員会というのがございますので、そこでよく検討いたしまして、そうして監督官庁運輸省にも御相談申し上げて、妥当な値上げをお願いしたい、こういうふうに考えております。しかし、できるだけ今いただきました注文に対しては値を上げたくないということは、もちろんでございます。  それから予約受付につきましては、われわれの方では、先ほども申し上げましたように、三万人来るというお客さんを一応頭に入れまして、この十二月一日から予約受付を開始することにいたしてございます。しかしながら、日本オリンピックを開催するということが発表されますと同時に、もう世界各国から相当外客宿泊申し込みがございまして、アメリカなどからは特にエージェントが参りまして、日本ホテルを押えようというような事態も生じましたので、これにつきまして、われわれとしてもそういうダフ屋的なものを排除する意味におきまして、一応予約申込金というものをつくりまして、そうしてその申込金をちょうだいしておいてダフ屋を防ごう、そうしてほんとう日本に来ていただく方にお部屋を差し上げたい、こういうふうに考えまして、今予約金をちょうだいすることにいたしてございます。  それではどのくらいの予約が今来ているかと申しますと、今月の二十一日現在で、東京都内だけで一万九千人以上の申し込みが来ております。神奈川県その他で二千五百人くらい、計二万一千五百人以上の予約申し込みが参っておるのでございます。これが十二月一日に受付開始ということになりますと、もう少しふえやせぬかというように考えられますけれども、この受け入れをどうするかということで、非常にありがたいような悲鳴をあげておる次第でございます。  以上、概略でございますけれども、私どもオリンピックに対する施設及び受け入れについての御説明を終わります。
  4. 山田彌一

    山田委員長 次に、福田彰参考人にお願いいたします。
  5. 福田彰

    福田参考人 私、国際観光旅館連盟福田でございます。  本日は、観光施設に関する諸問題ということでございますけれども、御承知のように、旅館外人客対象として営業の政策を取り上げてきたというのは戦後のことでございまして、戦前まではあまり外人客対象とはしなかった。そういう点で、施設という面よりも、むしろ私ども立場から参りますと、旅館へ来た外客をいかに接遇するかということの方が、従来大きな問題であったわけでございます。  外人客対象として国際観光旅館連盟が発足いたしましたのが、昭和二十三年十二月でございますので、ちょうど十四年になるわけでございます。その間、運輸省観光局の御尽力、御指導によって、日本座敷外人向けの改造その他、いわゆる施設というものの根本的な考え方については、大体一つの線ができたと思います。また、事実十年間を経まして、まあこれならば外人の方が見えてもそう不自由は感ぜられないだろうというふうな施設の面までは参ったと思います。その第一回のテスト・ケースと申しますか、その第一回の大きな会合が昨年のロータリーの大会でございまして、このときは、われわれとしても非常に自重といいますか、外人客に対する、特に大勢の外人客を扱う第一回の試みでもありましたので、あまり手を広げずに、できる範囲のことで十分にやりたいという考え方から、昨年の実績から申しまけと、約四百名の外人の方が、平均滞在日数五・三日ぐらいだったと思いますが、そういう実績によって、日本旅館というものが、いわゆるホテルとは違った宿泊施設だという印象を非常に強く与えたことは、御承知の通りでございます。これによって私どもとしては、現在の施設状況で日本座敷外人に使用するということは、決して間違っておらない、むしろ中に見えた外人の方の御意見としては、せっかく日本へ来た以上は、日本の家庭に最も近い日本旅館に泊まるべきだと思う、自分は、そういう意味において多少の不便はあるけれども日本滞在中は全部日本旅館で通すのだというふうな御意見をはっきりおっしゃっておられる外人客の方もおられました。そういった意味において、私どもとしては、ホテルとは全然別の考え方——まあ発足当時は、御承知のようにホテル進駐軍に取られ、いわゆる一般外人客宿泊施設というものが非常に不足しておりましたので、発足当時の考え方といたしましては、旅館ホテルの代用という意味でこれができたのでございますけれども、昨年のロータリーの経験から考えまして、代用ではなくて、日本独自の宿泊施設だという考え方に変わって参ったわけでございます。もちろん、その軒数は全国で九百軒、今度のオリンピック宿泊に出す地区としまして、東京、横浜、箱根熱海、その辺まで入れましても、百十軒余りでございます。従って、いわゆる一般的な考え方旅館、つまり私どもの連盟九百軒のほかに、きょうもお見えいただいておりますが、日本観光旅館連盟というのがございます。これはいわゆる外客宿泊せしめることを主たる目的とするのではなくて、いわゆる国内客の宿泊が主体でありますが、これが全国で約六千軒ございます。東京都内だけでも三百軒近い会員がございます。ですから、そういった数から申しますと、非常に比率は少なうございますけれども、われわれとしては、少ない立場であっても、一応来た外客に対しては満足していただこうという考え方を主体にして参ったわけでございます。従って、昨年のロータリーもそうでございましたし、一九六四年に行なわれるオリンピック外客宿泊についても、あまり無理なキャパシティの増強ははかる必要はない。それはそれとしてホテルなりその他の施設におまかせして、われわれとしてはできるだけの室数を出していただくけれども、しかし、経営者の考え方によっては、必ずしも全面的に協力するとは限りません、中には外客のために部屋を出すという考え方に非常に消極的な方もございますけれども、そういった方に対しても、あまり強制的には出していただいておりません。しかし、一つの例として申し上げますと、東京から伊東までの間約百十軒の旅館のうち、御承知かと存じますが、政府登録旅館については八割、それからわれわれ一般会員については一応六割の客室を出していただくようにお願いしたわけでございます。その結果が、客室数二千百十一というものがオリンピックに提供されることになったのでございます。これとても、われわれとしては決して強制したわけではございません。しかし、われわれとしてはできるだけ出していただくという考え方皆さんに徹底した結果が、こういう数字になったわけでございます。  それから、先ほど近藤さんから、ことしに入って飲食税の関係か、あるいはその他の関係も多少はございましょうけれども、私ども飲食税の関係ではないかと思いますが、ホテルにおいてすら若干の減少を来たしておるというお話がございましたが、これが旅館に参りますと、若干どころではないわけでございます。昨年に比べますと、非常に減っております。はなはだしい月においては、半減しておる月もあります。というのは、結局一般外客の観念としては、一応ホテルという考え方になるのは当然でございまして、まあホテル相当込んでいるから旅館へ行こうという方もおったのが、ホテルがすいておれば、旅館はやめてホテルへ行こうかという方が多くなる、しわ寄せが旅館へ全部集まってくるというような格好ではないかと思いますが、ことしに入っての外客の減少は、ホテルにおけるよりも旅館における方が非常に多いように思っております。これはこまかい数字を調べたわけではございませんが、まだ集計されておりませんからわかりませんが、大体上半期の動きから見ても、減少度が旅館においてははなはだしい、こういうふうに思っております。それでそういった関係で、通常の外客に対する宿泊施設の増強という問題については、われわれの考え方としては、先ほども申し上げましたように、それほど積極的ではございません。しかし、たとえば今度のオリンピックに対して七千も八千も部屋が足りないというような場合については、これをどうするかということについて、旅館立場から、これは連盟としての考え方でもございませんし、あるいは日本観光旅館連盟の方と御相談したわけでもございませんが、私の一つ考え方としては、たとえば先ほど申し上げました六千軒の日本観光旅館連盟の会員の方々の中でも、特にハイクラスと言っては語弊がありますが、やや外人を扱ってもよろしいという意欲のあるお宅も相当ございます。そういう方々が、この際何らか施設の改良を行なって、外人の方も扱ってみたいという考え方になっておるのではありますが、御承知のように、外客のみならず、オリンピック当時においては、国内旅客の問題も、これは現在何ら検討はされておりませんけれども、大へん大きな問題だと思います。従って、黙っておっても日本国内の旅客で一ぱいになることは間違いない。従って、ざっくばらんに申し上げて、何も好んでむずかしい問題にぶつからなくてもいいじゃないかという考え方の経営者も、相当おられると思います。しかし、一方、この際せっかくいいチャンスだから、施設を改良して、いわゆる政府登録の旅館にまで持っていきたいという意欲の経営者も、相当ございます。しかし、これをどうするかということになりますと、現在そういった旅館に対して、まずさしあたって金融の道として開かれておりますのは、中小企業金融公庫のお金でございますが、これは昨年われわれに対しては多少増額——二千万までの増額になっておりますが、日本観光旅館連盟の方々の場合は、一千万円で押えられておるのではないかと思います。しかも、これが九分四厘の利率でございます。そうしますと、こういった程度融資では、改良してまでという条件にはならないのではないか。昔の不動産銀行のように、四分ないし五分程度のしかも二十年くらいの非常に有利な金融の道が開ければ、そういった方々もここで思い切って改造をしようというふうな考え方に徹するのではなかろうか。そうしますと、現在五千名ないし七千名の宿泊容量が不足しておるという問題も、かりに五億の金をそういった条件で貸し出すということにしますと、一部屋五十万の改造費用を充当いたしましても、千室の部屋ができるわけであります。それからもし三十万で切り上げるとすれば、千五百室の客室ができるというふうなことで、いわゆる外客向けのキャパシティの増強という問題は、金の出どころさえあれば、必ずしも不可能なことではないのではないか、こういうふうに思っております。また、これは考えようによっては、先日もある会合でちょっと冗談話に申し上げたのですが、何もこういった金を、政府だとか都にばかり依存する考え方をやめて、たとえば大企業の旅行あっせん業者が、今部屋がないから困るというお話だけれども、もし一社が一千万の金を出して一つ旅館を買い占めしたらどうか——買い占めというわけじゃないですが、そのオリンピック期間中独占的に使用する。一千万で五十万の改造資金を出せば、二十室がそのエージェントの自由になる。そういう考え方も必ずしもできないことはないのではないか、こういうふうな考え方を私どもとしてはしております。しかし、われわれ国際観光旅館連盟立場から申しまして、必ずしもそういった無理な——大へん飛躍いたしますが、実はことし都内で開発の融資をお願いして、それがうまくいかなかったためにオリンピック部屋が間に合わないというのが、部屋数にいたしまして約六十室ございます。これはことし提出した都内のわれわれメンバーの中で、規模が小さいとかいろいろな理由があったのだろうと思いますが、開発の融資がだめになった例があります。ですから、われわれの範囲においても、そういったものがスムーズにいけば、自然増的な増加は当然考えられるわけでございますが、それはそれといたしまして、私どもとしては、設備受け入れキャパシティを無理に増強するということよりも、この際われわれとして考えるべきことは、つまり先ほども申し上げましたように、旅館というものの特異性が、いわゆる一般外客にはなじんでおらない。従って、旅館へ泊るということに対して非常に不安の念を抱いている面はあるのではなかろうか。たとえばわれわれがメキシコへ行った場合に——アメリカは別ですが、メキシコへ行った場合には、メキシコ人のホテル、純粋のメキシコ風のホテル——そういった形のものはあまり見かけませんが、そういったところに泊るよりは、やはりアメリカ風のホテルへ泊ろう、これは人情として当然だと思います。しかし、一度泊ってみるとということによって、その日本へ見えた外客の方に日本旅館を認識してもらうことによって、この人たちがまた国へ帰った場合に、宣伝効果と申しますか、そういった面で非常に大きな役割をなしていただく、そういった考え方から、われわれとしては、できるだけ来た外客に対しては十分なサービスをしたい。つまり旅館へ泊ってよかったという気持を持って帰ってもらいたいというふうな考え方を持って、現在のところ外客宿泊に対する対策を立てておるわけでございます。  従って、こういった観点からオリンピックに対する受け入れ態勢をどうしておるか、簡単に申し上げますと、まず、日本旅館料金問題が非常にあいまいであるということが、一つ取り上げられるだろうと思います。従来一泊二食付料金のみで行なわれておりましたが、この問題については、かねて数年前から観光局皆さん方から、何とかすっきりした線を出せないものかということでいろいろ研究して参ったわけでございますが、なかなか従来の習慣というものがございまして、これを一気に改正するということは非常に困難がございまして、また、根本的に室料制度と一泊二食付制度というものは成り立ちが違いますので、これを関連させようとすると、そこにいろいろな矛盾を生ずるわけでございます。今度オリンピックに際して取り上げました問題は、一泊二食付料金も併用する。つまりホテルと同じように室料制度を採用するけれどもお客の好みによっては一泊二食付の料金制度も併用する。これはアメリカなどでも、長期滞在等の場合には一泊二食付制度というものが行なわれておるわけでございますから、一応納得していただく範囲においては、別に制度としてあっても一向差しつかえないと存じます。その室料制度そのものも、従来、ホテルとは異なりまして、横の連絡と申しますか非常に組織的な連絡がございませんので、お店によってまちまちな料金がつけられておったうらみがございます。従って、同じような部屋の設備でありながら、Aの旅館、Bの旅館で大へんな相違があるというふうなことがあっては、やはり一つのこういう催しに対してまずいのではなかろうかということから、大体のワクをきめて、つまり一つの例を申し上げますと、バス付で二人の場合には四千五百円から五千四百円の室料だ、それからバスなしの場合には三千二百円から四千三百円だ、この範囲内で——まあお店によって多少の差はやむを得ないけれども、この範囲内でやってもらいたいというふうなことで、料金の統一というわけではございませんけれども、大体の目安をつけてもらうということが一つでございます。  なお、この際これに関連して申し上げますと、この四月にチップ制の問題が非常にやかましく言われたわけでございますが、今回のオリンピックに関しては、宿泊料金の一割五分をサービス料としていただく。これは現在、日本旅館の場合に、サービス料として一割ないし一割五分、熱海は、御承知のように一割五分取っております。都内でも一割五分のうちが二、三軒あります。そういった点から、これを統一いたしまして一割五分にする。そのかわりチップは一切いただかないということを徹底さしたわけでございます。こういったことは、せんだって発表になりました東京都のサーキュラーの中にはっきりと記入してございます。  それから第二に考えられますことは、海外事務と申しますか、私ども旅館業者といたしまして、まあ海外事務連絡という点で非常にウィーク・ポイントを持っております。従って、この点は、私ども宿泊対策委員会ができましたときにも、東京都のオリンピック関係の方にお願いしたことは、都なりあるいは組織委員なりで、いずれにしろ東京都にインフォメーション・センターというものをつくるべきだと思う。そうすると、その一ブロックとして宿泊関係をコントロールするセクションが要るんではなかろうかというふうにお願いしたわけでございます。そしてわれわれの考えとしては、そこで海外との事務連絡をやっていただこう。われわれとして非常に手薄であり、またふなれであるために、不本意ながらもミスを生じやしないかというふうなことから、そういった考え方をやったわけでございますけれども、これは、都の方でもそういったものをつくる見通しが当時ございませんでしたので、それではそれにかわるものとして、私どもとしては、先ほどもちょっとお話しいたしましたが、海外の旅客を扱いなれておる日本の旅行業者、これは一つの組合ができておりまして、国際旅行業者協会というのがございます。JATAと称しておりますが、このメンバーの方々に海外事務を代行していただくというふうなことで、われわれの最も不得意とする点をカバーしていただこうというふうな考え方でおります。  それから第三番目に問題になりますのは、先ほど近藤さんからお話のありました通訳の問題でございます。それは現在、われわれの会員になる資格として、少なくとも一人は英語あるいはその他の外国語がある程度話せる従業員を必要とすることになっておりますが、もちろん東京都内あるいは熱海あたりでは、相当この点では大した問題なくやって参っておりますが、現実に二千百室の客室を外客に提供するということになりますと、現在たとえば一軒二人のそういった人がいるということになりますと、全体で、大体二百名の者が東京、横浜、箱根にいるわけでございますが、これが十人を一人で持つということになりましても、なお二百名ほど不足するわけでございます。もちろん、それまでにわれわれとしても従業員語学の講習会その他で十分気をつけて参りますけれども、一気に二百名の語学のできる人たちを補充するという問題は、相当大へんな問題でございまして、これは何も旅館に限った問題ではございません。たとえばタクシーにおいてしかり、あるいはその他の問題においてもそうでございますが、通訳の問題が相当大きな問題だと存じます。これは現在においても、地方に参りました場合に、相当いろいろな通訳の数の問題、質の問題その他で、いろいろ問題があるように伺っておりますが、全国的な問題として、一つぜひお取り上げいただいて、何らかの手を打っていただかない限りにおいては、せっかく各セクションで十分の注意を払い、何とか満足していただくように努力をいたしましても、せっかくの効果が半減する、あるいは逆にマイナスになる、こういうようなケースも起きる可能性があるのではなかろうかと思います。  大体、以上三つが、私どもとして今度のオリンピックに対して、日本旅館としていかに対処すべきかという点を重点的に研究して参っておりまして、前の第一、第二の問題については、大体目安もつき、あと事務的な打ち合わせの段階に入っておるわけでございますけれども、第三の通訳の問題については、まだ全然手をつけていない状態でございます。これはまた、われわれだけではちょっと解決しにくい問題でございますので、あわせてこの席上でお願いしておきたいと思います。  それから先ほどもちょっとお話しいたしましたが、外客来訪数の一定の線というものがございまして、それ以上を越した場合には、日本旅館の利用度というものは非常に急激にふえて参ります。これは当然風俗、習慣その他から、やはりホテルを第一というふうな考え方になるのは当然だと思いますけれども、この一定線以下に落ちた場合に、日本旅館の利用度というものが比例して落ちない、もっとひどく落ちるという現実をよく認識していただいて、何とか自然増をスムーズな線で上げていただく。それにはやはり道路の問題、その他飲食税の問題等もございますけれども、やはり日本旅館というものが、決して外客がお泊まりになっても不愉快なものではないのだということを先生方もよく御承知いただきたい。そのいい証拠が、一度旅館へ泊まった方は、必ず二度目も来ていただくという実例が多うございますので、こういった点もこの際あらためてお願いしておきたいと思います。  はなはだ雑駁とした話でございますが、旅館側の立場としては、現在考えております段階は以上のような点でございます。     —————————————
  6. 山田彌一

    山田委員長 これより参考人の方に対する質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを許します。福家俊一君。
  7. 福家俊一

    福家委員 非常に参考になるよいお話を承りましたが、ホテル業界の自粛といいますか、反省すべき点もまた多々あると思います。そういう観点からの御意見がなかったことを私はきわめて遺憾とするものであります。  一、二の例をあげて質問したいと思いますが、最近、十日の朝、帝国ホテル第一新館の三階一三三三号室で、大の親日家といわれるアメリカ・ニューヨーク市のマンフレッド・ゴールドマン氏が強盗に刺殺されて、旅行用小切手九百ドルが奪われるという大不祥事件が発生したわけであります。また、去る三十一年一月、旧館三階三〇一号室において、同ホテルの地下室の美術宝石店店員の増淵七郎さんが五人組にさるぐつわをはめられて、二・五八カラットのダイヤ指輪など宝石十六点が盗まれたというような事件があります。三十三年五月には、また二〇二号室で米人トーマス・アルバート・ドワイド・ジョーンズ二世がなぐり殺されたという事件、その容疑者としてジョセフ・クラウリー氏が逮捕されましたが、証拠不十分で無罪となった。本格的な強盗殺人事件は、最初申し上げた点のみに限られておりますけれども、こういう事件が日本の第一流ホテルにおいて相次いで起きておる。もちろんこれは治安当局である警察の責任であることは言うまでもありませんが、こういう事件を未然に防ぐといいますか、ホテル側として道義的な責任というか、これはサービス精神にもつながると思うのであります。そういう点について、オリンピックを控えて、しかも場所が帝国ホテルで起きたというようなことは、世界に対する日本の信用というものに非常な打撃と言わざるを得ないと思うのであります。口を開けば政府の補助とかあるいは融資の問題とか、ここ二、三年来問題が継続して、われわれの党内でも、あるいは社会党におきましても、努力をしておる外人料理飲食等消費税の免除、こういうような陳情がいろいろございますが、こういうことが起きると、われわれとしても、観光的な日本の将来あるいは国家的な援助というようなことは十分理解しておりますけれども、大きな障害になるのでございまして、こういう点について業界の方の御意見を承りたいと思います。
  8. 近藤清

    近藤参考人 ただいま福家先生のお話のように、確かに今度の帝国ホテルの事件につきましては、もうわれわれ業界をあげまして、なくなられましたゴールドマンさんには何と申し上げてよいかわからないような哀悼の意を表しておる次第でございます。また、それによって国際的にも国内的にもいろいろ御迷惑を及ぼしたことにつきましては、深く業界で反省いたしまして、今後こういうことのないように十分注意しなければいかぬというふうに考えております。  先ほどの帝国ホテルにおきました起こりました三〇一号室の問題、それから同じく帝国ホテルで起きました殺人事件、これは一つ宿泊客とそれから売店の業者との問題でありまして、ホテルも十分注意はしなければいけないのですが、この問題はなかなかホテル注意だけでは十分な守備ができなかったのではないかと思います。それからもう一つの殺人事件は、何か兄弟げんかというように聞いております。しかし、これも道義的に見まして、ホテルでもそういう点では十分注意しておらなければならないのでございます。そういうことが、帝国ホテルだけでなく、ほかのホテルにも発生しております。先日のプリンス・ホテルで中共の卓球の選手が手を切られたとか、あるいは同じくプリンス系のホテルでどろぼうが入ったとか、そして多額の金銭を盗まれたとかいうことは、十分に考えて、われわれは絶えず従業員には注意はいたしておるのでございます。しかし、われわれがホテルに入りましたときには、大ぜい先輩がおりました中へ一人か二人入れられまして、そしていいにつけ悪いにつけ、いろいろのことを教えられる。そして短期日のうちに一人前になるように教育をされておるのでございますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたように、最近では、絶えず従業員がかわる、いい条件があれば、義理とか人情とかいうことでなしにみんないい条件のところへ行ってしまうようなことがありまして、せっかくなれかかった従業員も腰が軽くて長く勤まらぬ。これはもちろんいろいろな条件もございますけれども、そういったようなこともございますので、われわれとしては、できるだけお客さんに対する面でも、もしお客さんが、あやしいと言うとなんでございますけれどもお客さんが迷っておったような場合には、どちらへおいでになりますかと言って、御案内する気持でお客さんにお尋ねするというように教育はしておるのでございます。たまたま帝国ホテル事件では、お客さんがドアをあけておいたということもございますけれども、われわれとしては、お客さんがああいう御老齢の方でもあり、それからまたからだが十分の方でなかったというようなことで、キャプテンが注意はしておったように聞いておりますけれども、そのすきをねらわれたということで、今後ほかのホテルにおきましても、もしお客さんの部屋などがあいていたら十分に御注意申し上げるようにしたい。ただ、われわれが申し上げたいことは、ホテルの廊下でございますので、どういう方が通っているかわかりませんものですから、あまりどうも疑ぐるような態度をするといかがかというふうな——よくわれわれ古いホテル屋は、ゲスト・イズ・オールウエイズ・ライトというようなことで教育された習慣などもございますものですから、お客さんにはもう絶対的だというような、卑屈になるような面も考えられますので、今後はそういうことのないように、先般も警視庁へ呼ばれまして、今後こういう問題に対して、オリンピックもあり、その他の国際会議もあるのだ、ホテル業者はどういうふうに心がまえをしているかということの会議などがございまして、われわれとしても、できれば今後は、警備の者も、従来はあまり警察関係の人とか、そういった専門的な人が入っておらないで、ほんとうに火災の予防とか盗難の予防程度のことしか気をつけておらなかった、殺人ということはあまり気にしておらなかったので、大へん申しわけないような言い方でございますけれども、今までそういう外から来て、何の関係もないような人が人を殺して逃げた、しかも犯人がつかまらなかったというような事態がなかったものですから、そういう非常にうかつなことがございまして、今後はできるだけ専門家の御意見ども伺い、また専門家にも御推薦願って、そういう人を警備の中心としてやっていこうじゃないかというふうに考えております。これにつきましては、今後、なおまた一そうわれわれの方の理事会なりなんなりに諮りまして、対策をまとめておきたい、こういうふうに考えております。
  9. 福家俊一

    福家委員 本員はこれ以上追及はいたしませんが、参考人のお話は、何か責任を他に転じておられるようにやや感じられるのでございます。私が申し上げることは、もちろん人心の頽廃、あるいは従業員の利得に迷うために訓練というものが不十分であることも認めますが、経営者としても、やはり世界の大事なお客を預かるものでございますから、少したるんでいるのではないか。そういう精神的な弛緩というものについて、深く反省をしていただきたいということを申し上げたのでございます。  もう一点、国際的な問題とはちょっと違いますが、参考人に幸い日本観光旅館連盟専務理事の上月さんがおいでになっておりますので、一点お伺いしておきたいと思います。  これは私が、党の観光特別委員長立場から、ぜひとも身をもって体験してみたいと、いろいろ地方を歩きまして、私自身が受けた事実をもって御質問してみたいのでございます。最近観光ブームに乗りまして、各地方でいろいろ観光資源の開発が行なわれておる。国の援助はもちろん、その地元の県市等も、国民の血税をもって協力しておる。たとえば会津、磐梯から福島につなぐ吾妻スカイライン、莫大な金をもって施設をしたのであります。ところが、この地方における旅館業者がこの精神に協力するどころか、逆行した行ないが公然と行なわれておる。たとえば私が夫婦で福島駅におりましたときに、夜の七時半ごろでございましたが、娘さんたちが二、三人ずつの集団でおそらく二、三十人おったと思います。しくしく泣いておる。どうしたんだと聞いてみますると、泊まる宿屋がない。そこで案内所に行ってみた。もちろん駅前に福島観光旅館案内所というボックスがございますが、そこへ行っていろいろ頼んでも、どうしてもないのだということで泣いておるのであります。そこで私がそのボックスに行って聞きましたところ、部屋はあるのです。部屋はあるけれども、団体ならとる。五組、六組話し合って、十人くらいの組にするなら泊めてやる。二人、三人では部屋がない、こう言って断わっておるわけです。それじゃ私ども夫婦はどうであるかというと、まあお二人ならうんとはずまなければ泊めることはできません。いつ団体のお客が来るかわかりません。こういう話です。それからまあ高くてもよろしい。一応これは参考になると思いまして、ちょうどそのときは自家用で運転手と参っておりましたが、三人一緒に泊まるならよろしい。常識から考えまして、夫婦と運転手と同じ部屋で寝る。私は実はびっくりしたのでございます。しかも、それが私どもの常識で、少なくとも規定されておる旅館宿泊料の三倍くらいの値段を要求するわけでございます。たとえばわれわれちょうど年ごろの子女をお互いに持っておると思うのですが、もちろん予約がなく行くことが悪いとあなた方はおっしゃるかもしれませんが、今日の御時勢です。学生たちが二、三人のグループと行く。ところが、最近のことでございますから、その中には男が一人まじって娘が二人とか、あるいは男が二人に娘が一人とか、その知らない人同士を五組も六組も寝さすということでは、やはり不安を感じて、同じ学校のグループとか友だちグループであれば安心するかもしれませんが、これがしくしく泣いているという状態、これは風紀上も非常に重大なことではなかろうか。  それからこれは一つ参考になると思いまして、スカイラインを通って会津、磐梯、東山、それから那須、塩原、日光、川治、鬼怒川方面の宿屋に参りました。あの辺は、かえってスカイラインをつくったために、やらずぶったくりと申しますか、この際とるだけとらなければならぬ。もうむちゃくちゃで、サービス精神とかいうものはどこにもありません。しかも、それだけの不当な要求をして、施設はよいのかというと、まあ幸いにして小委員長山田先生日本観光協会の会長でございますから、その事情は私どもが申し上げなくともよく御認識のことと存じますが、箱根以西の旅館に比べますと、問題にならない施設もある。そして料金は三倍、ひどいところは五倍も要求する、こういうことでは、一体観光の精神、特に日本旅館のやり方というものは、根本的に考え直さなければならないのではないか。これは私一人が体験しての意見ではございません。この話をここに御出席の、特に名前は差し控えますが、参考人の一人にも聞きました。日本観光協会の最高幹部の二、三人にも意見を聞きました。私と同じような意見——もっとひどい話も出ました。たとえば団体でない他人の夫婦同士の相組みで泊まるなら泊めるというようなお話も伺いました。全然知らぬ夫婦同士を相部屋で寝さす、あるいは泊められた部屋が、壁が腐って、頭が痛くて寝られない。一体どうしたのかといえば、けさ塗りたての壁の部屋なのです。これは衛生上、健康上非常な問題だと思います。それからこのごろ長距離バスで乗り入れてくる。バスの運転手と助手を全部相部屋へぶっ込んで寝さしておる。これは私自身も調べている。事実をもって申し上げておるのであります。こういう風紀上の問題に対しての考え方を、一体どこを見ておられるか。他人の大事な子女の全然知らない連中を、ホテル料金の都合と申しますか、一方的なやらずぶったくりの悪らつな考え方から相部屋に寝さして責任を負わない。一体これが旅館のやり方の精神かどうか、私は非常に疑問を持たざるを得ない。また一ぺん値段をきめて部屋に通しておきながら、ほかに七人、八人の団体が来たから値段を上げてくれ、それを承知しないなら、どこでもほかの旅館に行っていただきます。こういうことを公然と要求する旅館がございます。名前を言えというなら言ってもけっこうですが、一体これでは、私たちは最近、全国の陳情を受けまして、観光基本法という立法をしようとして努力の最中でございますが、日本旅館に関しては、もちろんこういう人ばかりではなく、先ほど福田参考人がおっしゃったような、私どもが非常に敬服するようなまじめな経営者も多々ございます。だが、私が今申し上げたような地方も、皆さんと同じような会員であるならば、この際抜本的反省をされないならば、私が委員長である限り、この観光立法から、日本旅館の問題は、国が、あるいは地方の府県が、国民や県民の税金をもって施設をするようなことを私ははずして一ぺん考えなければならない。そういう施設をした場合においては、その地元の業者はこぞってその精神に協力し、観光誘致の、そこへ行った働く人々のあすのエネルギーへの慰安なのでございますから、非常に喜び、かつサービスに対してたたえられるような協力精神でない限り、私はこういう人間でございますから率直に申し上げますが、鉄槌を加えて反省を促そうと、委員長として考えておる次第でございます。いかがでございましょうか。
  10. 上月木代次

    ○上月参考人 日本観光旅館連盟の上月でございます。今福家先生からおしかりを受けましたが、お話のうちの福島観光旅館案内所でございますか、これにつきましては、どうも私どもの方の連盟の案内所ではないと承知しておりますが、よく調査いたしまして、日本観光旅館連盟関係の団体でかりそめにも今お話のありましたようなことがございましたら、私ども徹底的に調査いたしまして、処分いたしたいと思っております。  なお、一部の日本観光旅館連盟の会員旅館で、今福家先生からお話を承りますと、不都合なことがあったと承りまして、まことに申しわけなく思っております。十分そういった点につきましても調査いたしまして、場合によっては日本観光旅館連盟からはずすということも考えたいと思っております。そういったこともちゃんと規則の中に入っておりますので、規則に従って何と申しますか、除名処分と申しましょうか、そういった方法をとっていきたいと思っております。お話のうちの、ある一つ部屋を一人でお使いになる場合、あるいは二人でお使いになる場合、三人さんでお使いになる場合、これにつきましては、お一人当たりの宿泊料金がおのずから変わってくるということは、お客様の皆さんある程度は御了解いただけると思うのですが、ここでついでではございますが、一言お願い申し上げたいことは、日観連に限らず、あらゆる宿泊設備が、従来から固定資産税の問題にしましても、普通に資産税が課されておる。あるいはまた耐用年数の問題にしましても、そうなんですが、お客様の部屋というものは、物理的には固定資産ではございますが、機能的と申しますか、そういった面では一種の品物と申しますか、お客様に一日々々売っているわけですから、資産税につきましても、こうした機会にお願い申し上げて御考慮をちょうだいしたいというふうに考えております。今申し上げましたことは、実は一年ばかり前に中小企業金融公庫でもって市川某という方に委嘱をされてお調べになった結果、今のホテルあるいは旅館における資産税というものは考慮する必要があるというふうなことをはっきりおっしゃっておられるのをある本で読んだことがございますが、そういった点につきましても、この機会にお願い申し上げて、将来の御考慮をお願い申し上げたいと思います。はたして今私が申し上げましたことが、福家先生の質問に対してお答えになっておるかどうかわかりませんが、非常に不愉快な思いをさせたという点につきましては、深くおわび申し上げたいと思います。  以上でもし御了解がいただけますならば、しあわせに存じます。
  11. 福家俊一

    福家委員 私は、個人が受けた不愉快の問題をここに取り上げておるのではありません。もしそれならば、その旅館の名前をはっきり申し上げて、どういう処分をするかという質問をするはずであります。そうでなくして、国や県が莫大な国費を費やし、あるいは国民の税金を費やしてつくった施設に対して、その地方の人たちはこれを歓迎するのはもちろんでございましょう。しかし、それを生かす精神になぜ立っていないのか。このスカイラインができたばかりに、その地方の人が、この際やらずぶったくりのような、旅館の精神を根本的に忘れて、しかも風紀上、あるいは次代を背負うところの青年男女というものの扱いが非常に悪くなっている。こういうことには親心をもって考えなければならないのじゃないか。特に私が申し上げた地方をもう一度念のために申し上げましょう。福島、会津、磐梯方面、那須、塩原、日光、鬼怒川等の最近の旅客サービス状態がどういうものであるかということを、もしあなた方が御存じないのならば、観光旅館協会の最高幹部として、私は糾弾せざるを得ない。これは国民、民の声ですよ、実際に。あるいはあなた方、肩書きを名乗らず、変装して一ペん一般客になって行ってごらんなさい。どういう扱いを受けるか。もちろん、あなた方は観光協会の専務理事なんていって行きますから、向こうは大事に大臣以上の扱いをされるでしょう。しかし、身を変えて菜っぱ服でも着て行ってごらんなさい。私はそういう大局の問題を申し上げておる。そこでこういう地方一般について、北海道にもそういう傾向はあります。この前、観光委員会で行きましたときに、そういう苦情を二、三陳情を一般から受けておりますから、そういう扱いに対することを申し上げておる。
  12. 上月木代次

    ○上月参考人 実はそういったお話もあることを心配いたしまして、平生から従業員を相手の講習会、あるいは経営者を集めての講習会というふうなものを一年に一回あるいは二回本部で行ない、あるいはまた、各地でもってそういった講習会を開いておりますほかに、数年前からモニター制をしきまして、数十名のモニターの方にいろいろな方面から注意をごちょうだいいたしておりまして、注意をいただくごとにその関係旅館に通告書を発しておるような状態でございまして、日本観光旅館連盟の本部といたしましても、あらゆる努力をしておるということをこの際御了解をいただきたいと思うわけであります。以後につきましては、十分注意をいたしたいと思います。
  13. 福田彰

    福田参考人 ただいま福家先生からおしかりのあったような事態は、私どもの会員の中にあったかどうか、あるいは私の立場から申し上げても、絶対にないとは言い切れないと思います。と申しますのは、御承知のように、観光事業という考え方が一応取り上げられましたのはここ数年のことでございまして、従来の考え方と申しますと、ざっくばらんに申し上げますと、物見遊山という考え方が強かったのではないか。従って、これに対応するわれわれ業界の考え方も、それほどはっきりした理念はなく、一応業者としてやってきたというふうな面もなきにしもあらずだと存じます。しかし、最近ここ四、五年の間に、観光事業というものに対する考え方も変わりまして、また連盟の会員に対しても、事業としての考え方を徹底させるべくわれわれとしても努力して参りましたが、なおわれわれとして先ほども、申し上げましたように、特にサービスの面を取り上げてオリンピックに対処するという考え方は、今おっしゃいましたような危惧がなきにしもあらずという点をおもんばかりまして、とりあえず外人客に対してだけでも理想的な宿泊設備あるいはサービスを提供する、こういった段階を経ることによって、これがすなわち国内の邦人旅客に対しても徹底していくのではなかろうかというふうな考え方を持っております。しかし、全体の考え方としては、今先生のおっしゃったようなケースは非常に減少しつつあることだと思いますし、また、われわれとしてもそういった考え方が非常に業界としてマイナスであるということを強く言って参っておることでございますので、かりにそういった事態がありましても、しばらく時をかしていただいて、何とか一日も早く理想的な宿泊サービスを完成したい、こういうふうに思っております。
  14. 山田彌一

    山田委員長 次に勝澤芳雄君。
  15. 勝澤芳雄

    勝澤委員 ただいま先輩の福家先生から言われました旅館サービスの問題につきましては、ときどきそういう話を聞くわけでありまして、また雑誌や新聞等にそういう問題が出されます。これはやはり何といいましても、こういうものについての注意を喚起するというのは、行き過ぎても差しつかえないほどではないだろうかということを思いますので、この際業界の方々におきましても、今の実情から、特に新興観光地というものは、あるいはお客の多いときにはとかくありがちでありますから、これを機会一つ十分注意を喚起していただきたいと存じますし、また観光局としても、やはりこれについては関係県市に十分な注意をしていただきたいということを、まず最初に要望いたしておきます。  そこで私は、今近藤さん、福田さんから大へん有益な御説明を賜わったわけでありますが、私たちも、今最初に言われました融資の問題、これを大幅に、思い切った金融をすることによってオリンピック受け入れというものをやらなければならぬ、こういうように考えているわけであります。従いまして、この点について局長の方からも、お話は聞いているでしょうが、観光局として、今融資関係について要望があった事項について、今どういうお考えでお話を進められているか、その点について少し御説明を賜わりたいと思います。
  16. 梶本保邦

    ○梶本説明員 まず最初におわびを申し上げなければならないことは、先ほど来お話の出ております問題につきまして、私ども自身が、残念ながら大なり小なりそういった体験をしたということでございまして、私の方とすれば、当然その衝に当たるものとしまして、特に日本旅館のあり方という問題について、観光ブームが盛んになってくればくるほど、やはり謙虚な気持で自粛自戒していかなければいけないというふうな気持を持っております。従いまして、この機会にさらに一そう観光局としての自覚と責任とを持って業界の指導に当たっていきたい、かように考えておりますので、この点はどうぞ御了承いただきたいと思います。  なお、ただいまお話のございました融資の問題でございますが、この点につきましては、昭和二十六年に初めて財政投融資対象としてホテルが選ばれましてから三十六年まで、十一年間にわたりましてちょうど八十四億円の開発銀行からの融資を得ております。件数にいたしまして八十四件ございますので、一件一億円、こういうことになるわけでございますが、全体のホテルなり旅館の総建設費というものが、六百億円を越しております。そのうちの八十四億円でございますので、大体全体の建設費の一三%程度が財政投融資としてお世話になっておる金額である、こういうふうな統計が出ております。私どもは、財政投融資というものをもう少しちょうだいしなければ、幾ら呼び水的な性格であるというふうに観念をいたしましても、これではとても少な過ぎる、かように考えております。運輸省としましては、財政投融資、開発銀行から三分の一、市中銀行から三分の一、残りの三分の一を自己資金で調達する、こういうふうな考え方のもとに、ただいま関係方面と折衝をいたしておるわけでございます。  なお、観光についての融資というものは、いわゆる海運だとか電力だとかというふうな大きな柱が立っておりませんで、その他産業の中に観光事業が含まれております。これでは十分な対策とは言い得ませんので、私どもは少なくとも観光という柱を財政投融資対象の中に、その他産業の中ではなくして、立てていただきたいということを、特に来年度の予算の編成を前にいたしまして、関係方面と折衝いたしております。しかも、そのワクたるや、昨年度は大体二十九億余りでございますが、とてもこれでは足りません。これは謙虚な気持で十分な検討をいたしまして、決してオリンピックだけに便乗した考え方ではなくして、将来の国際観光の動向を検討した上で、少な目の数字として出しておりますもので、来年度は、開発銀行と北海道東北開発公庫と合わせまして七十億、中小企業金融公庫として十五億、合わせて八十五億の財政投融資を予算要求としてお願いをいたしておるわけでございます。今年度は、大体ただいままでの折衝の段階の数字を率直に申し上げますと、開発銀行の中央からは大体三十億程度は少なくともいただけるだろう。それから今年度初めて地方開発ワクとして旅館対象になりましたので、大体数億は開発銀行からいただける。それから御承知の北海道東北開発公庫がことしから旅館対象にいたしましたので、これが話が五億という点で了解点に達しております。北海道が三億、東北が二億、合わせて五億、従いましてこれを合計いたしますと、四十億をこすというふうに考えております。中小企業金融公庫の方は、最初からワクがどれだけというふうなきまり方ではございませんで、そのつどケース・バイ・ケースで運輸省が副申をつけて中小企業金融公庫と折衝して出していただいておる。これも昨年度から従来のワクを破りまして、二千万円まで一件についてちょうだいできるというふうにワクの拡大も行なわれたのでございますけれども、やはりこれでは足りない。少なくとも業界の要望は五千万円、こう言っておられるのでございますが、運輸省としましては、一挙にそこまでということもあるいは困難かもしれませんので、少なくとも三千万円程度までは出していただきたいということで、ただいま折衝を続けておる段階でございます。  以上が、大体最近の状況についてのあらましでございます。
  17. 勝澤芳雄

    勝澤委員 参考人中心に聞くのが目的でありますので、またあらためた機会にいろいろと詳しく要望などについてもお願いいたしたいと存じますが、今近藤さんが言われた、たとえばイタリアにおけるホテル資金法というようなものの考え方というのを取り上げ、少しく検討する必要があるんじゃないだろうか、あるいはまた浜口内閣のときから比べてみると、観光政策はずっとおくれているといいますから、どうも時代が進んだけれども観光政策はおくれている。これはやはり観光業者全体にも、業界全体の事柄にも言えることでしょうから、そういう点はお互いにやはり検討し合わなければならぬと思う。  それから料理飲食等消費税の問題ですが、この運輸委員会の中でやりますと、先ほど福家先生も言われましたように、与野党一致をしてやろうじゃないか、外人課税は当然だ、継続しようじゃないか、お互いがこの部屋から外に出ますと、両方の党でなかなか一致をしなくていかないわけでありますけれども、最近外人客が減少しているという点、私も二、三見ました。直接的な影響ではないでしょうけれども一つの理由にはなろうと思うわけでありまして、これらの点につきましては検討さしていただきたいと存じます。  それから特に私が申し上げておきたいのは、先ほど従業員の雇用の問題が言われました。従業員教育の問題も言われました。サービスの問題も言われました。そこで、一体サービスというのは限界があるだろうと思うのです。とかく過剰サービスというものもときどき問題になるわけですけれども、一体サービスはどこまでやるんだということの申し合わせといいますか、業界の協定といいますか、あるいは従業員の労働時間なんかの問題につきましても、最近ある週刊誌によりますと、二部制、三部制をやるというようなことも言われておりますし、ホテルもデラックスになったけれども従業員の宿舎も相当デラックスになったということも言われております。こういう点から考えてみますと、私は従業員雇用関係を安定させるものは何かといえば、やはり事務員にはなる、しかしなかなか女中さんにはならない——あるいはこのごろ女中さんでなくて、接待さんというような言葉で言うようですけれども、やはりここらの観念を変えさせるように、業界の人たちが一緒になって全体的に考え直していかなければいかぬじゃないだろうかと思うのです。たとえば私の赤坂の宿舎なんかに、このごろ若い娘さんがあんまさんに来るわけです。聞いてみると、十八、九の娘さんが嫁入り前の就職口として来ているわけですね。それでけっこう二十三、四になってお嫁に行く。それでなかなか希望者がある。ですから、やはり宿屋の女中さんというものが、職業の上で事務員と同じようなレベルにあるものだ、あるいは労働条件もそうだ、こういうことをもう少し考えていかなければいかぬじゃないか。そういうならば、やはりそれは基本的には経営主の頭の切りかえ——これは旅館だけでなく、中小企業全体にわたることなんですけれども、その頭の切れかえをやりながら、そこにやはり過剰サービス——どこかの寮なんかに泊まりますと、もう十時過ぎにはだれもいないわけですが、旅館ですと、十二時でも一時でもやる、寝るのは二時か三時で、朝七時に起きている、こんなことではなり手がないのはあたりまえなんですね。ですから、やはり泊まるお客さんも、旅館あるいはホテルの型にはめていくといいますか、こういうところだという訓練をしていかなければならぬと思うのです。やはり片方でそういうPRをしながら、片方で待遇といいますか、労働条件といいますか、こういうものも考えていく。そんなことを言ったってそれは無理だ、お互いに自由競争だ、こういうならば、今魚屋さんだって八百屋さんだって、無理だ無理だと言っておったけれども、週休制というのをやってきたわけで、そうしたらお互いにみなそれで利益を得てきたわけですから、やはりそういう点を今度は逆の面から考えていかなければならぬじゃないだろうかと思うのです。そういう点についての業界を指導されておる皆さん参考になる意見がありましたら、一つお聞かせ願いたいと思うのです。
  18. 上月木代次

    ○上月参考人 勝澤先生の今のお話の第一点につきましては、サービスというものには実はスタンダードがないのでございます。と申し上げますことは、お客様によってこれではサービス不足だとおっしゃる方、同じことをしてもサービス過剰だとおっしゃる方、いろいろに違ってくるわけで、スタンダードだというものがございません。スタンダードがあれば非常にいいのですが、今の日本旅館の状態では、あるお客様は、ある旅館で調べたところによりますと、一泊の間に三十六回でございますか、女中さんが部屋に入った。そうしてもなおかつ不足だと言われる場合がある。あるいはまたお客様の中には、もうそっとしておいてくれとおっしゃる方がある。こういった点について、非常にむずかしいものがあるように思います。これはお客様に理解をしていただくほか仕方がないと思うのですが、今の段階では、そういったふうにスタンダードがないということであります。  いま一つの問題につきましては、むろん新しい感覚を持った経営者は週休制度もとっております。あるいは二部制といった方法もとっておりますが、残念ながらやはり一部の旅館ではそうもいかない場合がある。また、いなかの方に行きますと、基準監督署のお方がお見えになっても、十一時でもう終わりなのか、もう少しサービスしたらどうかというふうなことをおっしゃるお方もあるそうでございますことを御報告申し上げておきたいと思います。こういった点について、自分たちも一生懸命に研究はいたしておりますが、非常にむずかしい点があるということを御了承いただきたいと思います。
  19. 勝澤芳雄

    勝澤委員 大へんおもしろい話が出てきましたけれども、税務署の役人が、払うときに税金をまけてくれと言ったという話も私は聞いたことがあります。今の労働基準監督署の話、それはやはりその業界が私は悪いと思うのですよ。ホテルホテル業界でこうだときっちり一つの基準をきめたらどうなんでしょうか。あるいは国際観光だったら、国際観光できめたらどうですか。そしてあなたはサービスにはスタンダードがないと言われている。女中さんを三十六回も呼んで、それでもサービスが足りないという人がある。こんなお客は三十六回サービスするから悪いのです。ですから基準をつくったらいい、それがあるべきだと私は思うのです。そんなことはいやだと言うかもしれないけれども、そういうことによる不平や不満が幾ら出てもいいじゃないでしょうか。今も福家先生が言われた二夫婦を一つ部屋に泊めるとか、二人の組を団体でなければ泊めないとか、これこそ一番直さなければならぬことです。これをほったらかしておいて、どうも三十六回でサービスが悪かったということでは話にならぬと思うのです。ですから私は今一応週休制の例を出しましたが、たとえば日本政府登録の旅館というのは、こういうふうにどこへ行っても基準はきまっているのだ、もう十一時になったらお酒は飲めない、飲むのだったら十時前によこしておいて下さいということで、夜中に目があいたときにビールを持ってきてくれといって持っていけば、この旅館はいいなと言われるのはあたりまえです。しかしそれは過剰サービスだということを訓練をしていかなかったら、いつまでたっても困ります。いつまでたっても労働基準法は守られない。それはやはり皆さんが守るようにしていかなかったら、片方は便利ですから、三十六回も来てまだサービスが悪いと言う。私はしろうとですからよくわかりませんけれども、たとえば上着を脱ぎます。うしろからどてらを着せるのがサービスの部類に入るのか、それはさせるべきでないというふうにきめるべきか、そういうものをお互いやってみたらどうですか。そうして、着せてくれと言ったら、いや、私のところのサービスの限界はここですという書いたものをお客に出したらいいじゃないですか。それは皆知っておるわけですから、それだったら一流二流へ泊るよりも三流四流へ行けというので泊まるでしょうから、それはそれでいいじゃないでしょうか。そういうふうにして、皆さんが十一時に労働基準監督署の役人がビールを持ってこいと言ったから持っていったのだということでは話にならぬと思う。税務署の役人が泊まって税金を負けてくれと言ったから、これはきらわれるといけないから負けたというのでは話にならぬ。それは負けなければ大へんでしょうけれども、やはりそこは、今の八百屋さんや魚屋さんが、月給取りが一週間に日曜を休んでいる、おれは休みがないのはけしからぬといって文句を言ってきたけれども、これは自分が悪いのだとお互いが考え直してやってみたら、売り上げが同じで楽になって、家庭のサービスがよくなって、家の中がうまくいく。こうなったわけですから、それはみずからの中で、あなたは専務さんですから、やはりそういう点を考えてもらわねばいかぬと思うのですよ。そういうふうに新しい時代になっていると思うのです。年をとったお客さんと若いお客さんと、お客の層も変わっているわけですから、だんだん時代に合った、よそ並みのところに合わせるようにしたらどうでしょうか。そういう点だけ、これは私、しろうとが考えた話ですから、参考にしていただきたいと思います。  それから宿泊料金なんですが、これは外国と比較した場合は、料金そのものあるいはサービス料を含めて、どういうことになっているのでしょうか。
  20. 近藤清

    近藤参考人 ただいまの料金の問題でございますけれども、これは日本でもそうでありますように、諸外国におきましても、料金部屋代を主にしてございます。日本では昔からの習慣がございますから、食事付になっておりますけれども、大体アメリカ、ヨーロッパにおきましては、部屋を売って食事は自由にする、それについてサービス料とかそういうものも全部含まない。含むのは税金だけでありまして、ヨーロッパでは一部食事が、コンチネンタル・ブレックファーストといいまして、朝だけつくところもございます。しかし大部分が部屋だけを売って、そうしてあとのものは泊まりの客の自由というふうになっております。  それからもう一つ、先ほどの労働条件のことでございますけれどもホテルにおきましては、都市のホテルは大部分もう三部制でやっております。地方へ行きますと若干条件の違うところもありますけれども、大部分が三部制でやっております。八時間交代でやっておりまして、それで大部分のホテルが労働組合に入っております。そのために労働条件などもなかなかやかましく言っております。その単産の上にまたホテル従業員の従連というのがございまして、それが頭になって各ホテルの単産に対していろいろ指令を出しております。最近では統一指令などを出しまして、特に賃金の問題をやかましく言っております。しかし賃金はなかなか地区によりまして同じような条件でいきませんものですから、これは指令は出しておりましても、なかなか指令通りにはいっておらないようですけれども、その他の条件の週休制とかあるいは祭日の休暇とか、正月休暇とか、女子の生理休暇とか、こういったようなものは統一要求として出して、個々のホテルと組合とが交渉を重ねて話を進めております。  それからまた都市のホテルにおきましても、最近は雇用関係でいろいろむずかしい関係がありますので、地方から、特にこれは女子ですけれども、集めまして、そして宿舎をつくっております。その宿舎の料金といいますか部屋代などは、ほとんど取っておりません。ただ、給食の場合に、宿舎は原則として二食給食するような習慣がございますので、一食は何がしかの料金を取っておるようなところもございます。そのかわり六畳に二人あるいは八畳に三人というように、個室というようなわけにはいっていないようでございます。  それからまた先ほどのサービスの問題でございますけれどもホテルサービスは、御承知のように外国人が多いものですから、外国人部屋へ帰ってきても、別に日本旅館のようにお茶を持っていかなければ小言を言うとか、サービスが悪いとかいうようなことを言いませんで、用事のあったときにベルを鳴らして呼ぶか電話で用事を言いつけるというようなことでございますので、部屋の片づけをするとか、お客さんが用事を言いつけたときに行くとか、あるいは靴をみがいてあげるとかいうようなサービスで、先ほど上月さんのおっしゃったように、お客さんによってはなかなか数多く呼ぶ方もおりますけれども、そういう点では日本人と比してかなり用事が少ないのじゃないかというふうに見ております。なお、経営者も、サービスの点につきましては、外国人は過剰サービスということを非常にいやがりますので、それはこれだけサービスされるとこれだけのチップをやらなければならぬじゃないかというような考えがあるのじゃないかと思いますが、それですから、経営者もあまり過剰なサービスをしないような教育はしております。しかし外国人のことでございますので、言葉がわからないと、サービスの上で支障を来たしますものですから、そういう点においては特に留意をしておるように見受けられます。
  21. 勝澤芳雄

    勝澤委員 宿泊料金の一五%をサービス料としてもらう、サービス料という制度は、外国にもあるのですか。
  22. 梶本保邦

    ○梶本説明員 日本ホテル旅館宿泊料金が諸外国と比べてどうかという御質問でございますが、残念ながら安い方ではないということを、観光局としても申し上げざるを得ないのでございます。原因はいろいろございましょうけれども、とにかく世界的に見ても決して安い方ではない。われわれはもっと料金の低廉化ということをいろいろ政策の面でも考えていかなければならぬということのために、御承知の第四十国会において国際観光ホテル整備法の一部改正を行ないまして、政府登録ホテル及び旅館につきまして料金の届出制を実施したことは、先生も御承知の通りでございます。  それからサービス料の問題でございますが、サービス料はやはり領収書にちゃんとついて参ります。これは私の数少ない外遊の経験ではございますけれども、私自身の体験によりますと、ホテルに泊まりました場合には、領収書の中に、ホテル部屋料金のほかにサービス料というものがちゃんとついて参っております。これは英語系の国においては、やはりサービス・チャージというような言葉がございますし、それからドイツ語の諸国におきましてはベーディヌングスゲルトというようなサービス料金に当たるドイツ語がちゃんと書いてございまして、私、ちゃんとそれを払って参ったのでございます。そのサービス料を一割とられるほかに、やはり一挙手一投足がチップ対象になっておるというのが諸外国の実情でございます。これをわれわれとしてはどうしてもやめたい。結局、私、観光客の立場になりますと、料金が高いとか安いとかということも問題でございますけれども、一体これがどのくらいするものだということが最後までわからない、不安な気持でおるというところにやはり問題があるのじゃなかろうかという気がするわけでございまして、料金が高くても、それが領収書の面できちんと書いてこられれば、やはり観光客としては気持がいい、一体このほかにどれくらいチップを払わなければならぬのか、多過ぎても困るし、少な過ぎても困るという気持で旅行を続けるというところに観光客の問題があるのじゃなかろうか、かように考えるわけでございます。従いまして、先ほど福田参考人から、熱海地区においては特に一五%というお話がございましたが、これについては観光局としても実は了承をいたしておる線でございます。と申しますのは、今まで旅館等におきましては、特にサービス料のほかにやはりいわゆる心づけとして、接待さんなんかにお渡ししておったというふうな例もときどき見受けましたので、われわれとしては、それはやめていただきたい、やはり領収書にサービス料としてはっきりと明示して、そしてそれ以外のものは全部お断わりするという態勢をとっていただきたいというのが、私どものノー・チップ制の通達を出しました根本趣旨でございます。従いまして、いろいろの壁にぶつかったわけなんです。今おっしゃるような日本の労働の雇用の条件、特に賃金体系、これが、日本旅館の場合においては非常に困難な問題が多々ございましたし、そういったことをやはり給与体系の面からできるだけすっきりしなければ、日本旅館の体系というものは立ち直っていかないのじゃないかというふうな気持も運輸省としては持っておるわけでございます。従いまして、チップは全廃、ちょうだいするものはサービス料として領収書の中にはっきり明示するという建前を貫くように指導をいたしておるわけでございまして、それでこそ観光客の立場に立って、やはり気持よく旅行をしていただけるのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
  23. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで福田さんにちょっとお尋ねしたいのですが、サービス料というのはどういう意味を持った料金なんでございましょうか。そうしてそのサービス料というのが一般の料金の一五%取られる、それは一体どういう目的に使われるべきなんでしょうか。
  24. 福田彰

    福田参考人 この問題は大へん厄介な問題でございまして、各経営者の考えによって三つくらいに分かれておるのではなかろうかと思います。私個人の考え方としては、サービス料というような考え方はおかしいのじゃないか、つまり熱海が一昨年ですか一五%のサービス料を取るときに話題になったことですが、一五%のサービス料を取るのであれば、部屋料から飲食料から全部五%ずつ値上げしたらどうかという純理論的な考え方一つございます。もう一つは、従業員に還付する人件費の一部という見方をする考え方、もう一つはあいまいに取っておくというような考え方、この三つに分けられると思いますが、純理論的に考えた場合には、先ほど近藤さんのおっしゃったのとは多少ズレがあるかと思いますが、私どもは、売り上げの一部である、従って、もちろんサービス料だから、別にこれは預かり金とか何とかという帳簿の上でも操作するわけではございませんで、一応売上金として私どもでは計上しておりますが、そういう考え方であれば、何もことさらサービス料という言葉にこだわる必要はないわけであります。ところがこれがやはり営業政策上、ネットの価格があまり高くなるということは、隣のお店に比べてネットが高いとどうしても隣の安い方にとられるおそれがありはしないかというような危惧もあるでしょうし、そんな関係で、サービス料というものを上積みしてきている。しかし、これはあくまでも営業収益として、たとえば部屋料収益あるいは食事収益と同じような扱いをしておる方もあります。それからあるお店では、一五%を出してもなお人件費に不足でございますので、さらに五%なり七%なりを追加して人件費に充当しておる、それからまたある場合には、今のノー・チップ制度とは非常に逆行するわけでございますけれども従業員チップ、いわゆる手もらいのチップでございますけれども、これをそのお店によっていろいろの配分の仕方があるかと思います。従業員に還元する、それから一五%のうちの半分ないし四割あるいは六割を人件費として従業員に出すというようなことで、現在のところでは必ずしも統一された考え方ではないのじゃないかと思います。それで、ノー・チップ制度の問題で、人件費に関連して旅館として非常に苦しい立場になったお店が相当あるかと思います。しかしこれは、一気にはできませんけれども、徐々に——旅行者としての立場から考えますと、ノー・チップ制という制度は大へんけっこうな制度だと思うのです。で、われわれとしては、できるだけその線に沿いたい、しかし、いろいろ関連する事項もございますので、一気にはできませんが、いずれ将来には完全なノー・チップ制度の考え方に徹したいということでございます。たとえば、先ほど従業員の勤務時間の問題等がございましたが、私の聞きました話では、アメリカのニューヨークで一流のウォルドフアストリアのベルボーイのヘッドのチップが年間四万ドルだそうでございます。当時大統領の年俸が二万五千ドルのときでございましたが、つまり四万ドルもチップ——いわゆる営業外の人件費が充当されるのであれば、三部制にでも二部制にでもきわめて簡単にできるのじゃなかろうか。つまり、現在われわれ旅館業者として人件費を二〇%以下に押えたいという念願を持っておるわけでございますけれどもアメリカあたりでは、大体一五・六%が現実だと思うのです。しかも倍ないし三倍の稼動で一五・六%ということは、これを日本に換算しますと、売り上げの五・六%の人件費で営業しておる。逆に言いますと、その他の一四%近くのものはチップでまかなっておるというようなことで、そこに現在の日本旅館としての、経営の立場上、非常に苦しい面があるかと思いますけれども、そういった点を何らかすっきりした線で解決していきたい。また事実、最近の非常に進んだ地区、つまり観光ルートに乗ったような地区においては、割合に人件費の問題等もはっきりした線で処理しておりますし、それから勤務時間等の問題、従業員の宿舎の問題、そういった点もほぼ理想に近い線まで近づいておるかと思います。ですから、場合によってはサービスの問題で非常に事務的に処理されて御不満をいただくというような場合もあるかと思いますが、早い話が、現実に東京で現在行なっておるあるお店では、十一時以降は夜警以外はだれもおらない。たとえば、こういう実例がありました。羽田へお客を送りに行った御夫婦が、羽田で東京へ遊学しているお嬢さんと一緒になったので、娘を連れて帰って来て、床をもう一つ敷いてもらおうと思ったら、だれもいなくて敷けなかったというようなことで徹底したお店もございますが、なかなか現在の旅館ではそこまでいっておりません。大体そういうところでございます。
  25. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで近藤さんにお尋ねしたいのですが、これもだいぶ前に雑誌で見たことがあるのですけれども、ある外国の芸術家が日本ホテルに泊まった。たまたまホテルがストライキをやっておった。料金を払うときに領収書を見たら、料金以外にサービス料が書いてあった。ストライキをやっておって何もサービスがなかったにかかわらず、サービス料を払うのはどういう意味だといって少しくごたごたして、まあ大物の芸術家ですから、最後には払っていった、こういうことがある雑誌に載っておった。私はサービス料というものは一体何だろうなというふうに思ったのですけれどもサービス料というのは、今言われたように、一つの見方によれば、私も経験したのによれば、やはり営業政策上、たとえば三千円の一割五分増の三千四百五十円と書くより、三千円と書いた方がよい、こういうところじゃないかと思うのです。やっぱりこのサービス料の書き方というものを少しこの辺で検討しなければならぬのじゃないだろうか、正札にごまかしがあるということになりますから。この辺のことを私は雑誌を読んだときに感じたのですけれども、そういう問題についていかがでしょうか、お考えを少し……。
  26. 近藤清

    近藤参考人 ただいまの御質問でございますけれども、あるいはそういうホテルがあったかもしれませんけれども、実は先般京都のあるホテルでストライキがありまして、そのときには、私はあとでその支配人に聞きましたところ、サービスもしておらないし、それからろくなもてなしができないのだから、部屋代は半額にして、そしてサービス料とかそういうものはもらわなかったというふうに報告を聞いたことがあるのでございます。あるいはその週刊誌に出ていたホテルとそこのホテルと相違はあるかもしれませんけれども、実際問題として、サービス料といっておりますけれども、実際は、先ほど申し上げたように外国人チップのように考えておりますサービス料という書き方は、サービス・チャージと書いてあるところとグラチュレーションと書いておるところと、今のところは二つぐらいだろうと思います。いずれにしてもそのよってくるところは同じことでございまして、それではどうしてサービス料を一割も取ったのだというふうなことですが、横道にそれるかもしれませんけれども、このサービス料は戦前からちょうだいしておるのでございます。これは戦前に帝国ホテルで現場のチップをもらっております人と、バックの方の人と収入が非常にアンバランスだった、バックの方のお客に接しないようなところの人は、収入はまあ安定はしておるけれども非常に低い、ボーイさんとかお客に接している人は、安定はしていないけれども非常にチップが入ってくる。シーズンによっては、当時三井、三菱のような大きな会社の課長さんでも百二、三十円ぐらいの収入であったものが、一ボーイが二百円も三百円もチップをもらうというようなことがあったのでございますが、そういうことと、そういう不満もありましたし、それからお客さんがチップを出したり出さなかったり非常に不安だというので、それではこれはもう従業員が均等に給料がもらえるように、セクション、セクションによってあまりアンバランスのないようにしようというので、一応考えましたのがサービス料でございます。そのときにどうして一割にきまったかといいますと、ドイツ人とか英国人は大体自分が宿泊した支払い料金の一割ぐらいしかくれなかったものでございます。そういうものをいろいろと計算してみますと、大体一割でいいのじゃないかというので、帝国ホテルが初めてサービス料というものを採用しまして、逐次各ホテルがそれに右へならえして今日に至っております。われわれの方としてはサービス料は今一割ちょうだいしておる。あるホテルで入会をしたいというときに、サービス料を回りの旅館や何かが一割五分つけていたからというので、一割五分つけ出してきたのであります。しかし、われわれの方では一割五分のサービス料を取るならば入会はお断わりだ、われわれは一割で世界各国に宣伝してきているのだから、一割ならば入会させてもいいけれども、一割五分サービス料を取るならばわれわれの方の仲間には入れたくない、そのホテルも、それならばほかの旅館にも了解を得て一割にするからというので、入会したような実例もあるのでございます。まあ、しかし今のサービス料がどういうものだと言われますとちょっと困るのですけれども外国に行きますと、先生方承知のように、荷物を一つ持たしてもアメリカですと二十五セントぐらい、水一ぱい飲んでも二十五セントのようで、一割以上のサービス料がついてくるのじゃないかというので、われわれの方も、このサービス料というものについては、部屋代あるいは食事代にもう入れたらいいのじゃないかという意見も、新しいホテルの経営者にはあるのでございます。サービス料というものをやめてしまえ、こんなものは、運輸省から特別なチップはもらうなというような御注意まで受けて、そんなものやめろ、チップなんというものを持っているから、サービス料という名前ではありますけれども、そういうものを持っているから何かいつまでも水商売式な精神があるのじゃないか、最近のように近代企業として発展しつつあるのだから、そういう点でもっと考えてみろというような新しい意見を出している経営者もございます。しかし日本だけがそれをやりましても、外国から来た方は、日本サービス料はないのか、それじゃアメリカとかヨーロッパと同じようにチップは自由なんだろうと言って、おそらくチップを下さるのじゃないか、そうなるとかえってそのノー・チップ制に違反しはしないかというようなこともございます。特に先ほど福田君からも話がありましたように、アメリカのようなああいう国でもチップのわずらいは実に大きなもので、ベルボーイが四万ドルも取った、あるいは荷物を運んでいる人が帰りにはキャデラックのすごい車に乗っていくというように、非常にチップによって生きている。このチップの自由制を改善して日本ホテルのように一〇%にしようじゃないかということで、アメリカホテル業者もよりより協議してやりましたところ、労働組合から大反撃をくって、もしチップ一割制にするならば、ストライキに訴えてもわれわれはこれを阻止するのだというので、やむを得ずアメリカでは現在ああいうチップになっているわけです。ですから日本でもできればほんとうチップというものをなくしたい、われわれもこういうふうに考えております。それからまた今のチップの分け方なんかにつきましてもいろいろ問題なんかございます。しかし、大部分のホテルはこれはサービス料という名前のごとく従業員に下さったのだというので、労働組合と話をして、そのうちの幾らは、二〇%か一〇%は会社の手数料と言ってはおかしいのですけれども、いろいろなものに入れてもいい、あとのものは自分たちによこせというふうなことで協約を結んでいるようなホテルもございます。そういう次第でございますので、チップをもうこの辺でやめろという御意見は大へんありがたいのですけれども世界的な一つの習慣がありますものですから、なかなかむずかしいのじゃないかと思いますが、なおまたこの趣旨を理事会にも報告しまして、検討するようにしたいと思います。
  27. 勝澤芳雄

    勝澤委員 ホテルがストライキをやっているというのはサービス料をとるという問題ですが、私は大へんおもしろい問題だと思いました。一体サービス料というものはどういうものだろうかということでお聞きしたわけでございまして、いろいろと長い歴史があるわけでありますから、十分御検討願いたいと思います。  それから最後に通訳の問題についていろいろ御希望があったわけでありますが、これはやはり一時的のものとするならば、学生を使うとかあるいは全国から季節労務者的にまん中にみんな集めてきてするようなこともあるでしょうけれども、これらについての対策といいますか、こういう点は十分業界の方々運輸省とも相談をしながらやられておると思うのですが、その辺についてどうなっておりますか。  それからもう一つは、オリンピック受け入れ予約をもうし始める、これは各旅館ごとにやられるのですか。窓口一本でそこでやられているのですか、その辺について、二つお伺いしたいと思います。
  28. 福田彰

    福田参考人 第一の通訳の問題でございますが、先ほどもお話し申し上げましたように、われわれの連盟の会員の条件の一つとして語学のできる者が一名以上いるということが条件になっております。従って、日常の営業の場合においては、もちろんそれでも多少不便はあるかと思いますが、まあ曲がりなりにも営業上差しつかえない状態にあると思います。ところが、昨年のロータリーの場合にも経験いたしましたが、これが数名あるいは数十名の外客ということになりますと、従来の語学のできる人間では間に合わないという事態が起こるわけです。そうかといって、特にそういったために臨時に大ぜいの通訳を入れるということも問題がございます。ロータリーのときの実績を申し上げますと、めいめいの旅館が、たとえば国際基督教大学の学生をアルバイトに入れるとか、あるいは親戚の連中を手伝いによこすとか、また場合によっては日本のロータリアンで英語のできる、あるいはスペイン語のできるというような人がかつて出まして、お手伝いをしていただいた店もございます。しかし、大体において学生のアルバイトないしは知り合いの範囲内で処理をしたわけでございます。大体平均いたしますと一軒に一名ないし二名ぐらい追加したのじゃないかと思います。しかし、今度オリンピックになりますと、語学の範囲も多種類になりますことと、それから人数がロータリーの場合よりも多くなる可能性が多いものですから、われわれの範囲内だけでは、また国際的な行事でありますために、たとえばロータリーで間に合ったような学校の学生連中に声をかけましても、その連中は競技運営上の通訳としてかり出されるとか、いろいろな面でわれわれとして手を打つ範囲が非常に狭められる可能性が多いと思うのです。従って、宿泊なら宿泊だけ、あるいは運輸なら運輸だけといった意味で、特にそういった面をお考え置きいただかないと、そのときになって混乱を招きやしないかということが一つございます。  それから従業員のふだんの教育の問題は、各地方ごとに毎年一回ないし二回、熱海などでは三回ぐらいやっておると思いますが、従業員の連中に各旅館から一名ないし三名くらい出てもらって、その連中の講習会をやっております。これは運輸省観光局からも強く要望がありまして、おそらくもう五年以上続けておるのじゃないかと思います。ただ、せっかく英語を習った従業員がその次にはやめていくというようなケースもありますので、なかなかやった回数に比例して効果が蓄積されないうらみがございます。けれども、一応そういう形態で、とりあえず英語ということでやっております。従って、今度の場合に、英語の面は多少とも補いの道がつくとしても、スペイン語、イタリア語等特殊な言葉については、やはり部外からの応援をいただかないと、ちょっと手の打ちようがないのではなかろうか、こういうふうに考えております。
  29. 近藤清

    近藤参考人 ただいま勝澤先生の御質問の通訳の問題は、ホテルにおきましては大部分のホテルが、フロントあるいはその他の係におきましても英語を解す者がおります。それからお客さんが通訳をほしいという場合には、ほとんどがあっせん業者があっせんしているお客さんが多うございます。そういう場合にはあっせん業者の方が通訳をつけてやるというので、ホテルではあまり通訳とは直接関係はございません。  それからもう一つ予約受付のことでございますが、これは自由制にいたしてございます。各ホテルがエージェントなりあるいは直接外国からのお客さんに文書なり何なりで御注意をいただいて、そうして返事を出して予約受付をいたしております。なお予約受付は、十二月の一日から正式に受け付けることになっております。ただいまではまだ正式な予約受付はございませんので、ただ申し込んできておりますお客さんを一応リストに載せまして、十二月一日以降になりましたら正式な予約金をちょうだいして契約をしたい。こういうふうに考えております。
  30. 福田彰

    福田参考人 予約受付をお答えするのを忘れておりましたが、これは旅館の場合はホテルと全然異なりまして、先ほどもちょっと申し上げましたように、旅館の場合どうしても海外との事務手続その他が不なれでございますので、そのエキスパートに代行していただきたい、運輸省に登録しております外客の旅行あっせん業者、日本国際旅行業者協会、ジャパン・アソシエーション・オブ・トラベル・エージェントですか、これのメンバー三十四、五軒ございますが、そこに全部部屋を提供いたしまして、お客が直接旅館に申し込んだ場合も、あるいは友だちに申し込んだ場合も、エージェントに申し込んだ場合も、一応われわれの事務局の窓口でチェックいたしまして、それを各エージェントに還元して事務手続をやっていただく、最終的に旅館に返ってくるというふうなことでホテルの場合とは相当相違がございます。これは旅館業者の事務不なれの点をカバーする意味で、特にそういった面を考えております。
  31. 勝澤芳雄

    勝澤委員 観光局長に伺いますが、オリンピック関係だけの旅客というものは、ホテルにしてもあるいは旅館にしても、今のお話を聞いていると、ホテルホテルで受けている、それから観光旅館観光旅館で受けているという形のようにお聞きしたのですが、先ほど福田さんからも、ちょっと日本観光旅館連盟の中でも外客に利用させるようなものが考慮すればできるのじゃないか、こういうようなお話でしたが、全体的に見ますと、最終的には民泊というものも考えられなければならないでしょうが、日本として旅館受け入れというものの窓口を一まとめにしてやっていくという操作はやらないのですか、あるいはそうでなくて、今のままでずっといった方がいいのですか、どういうふうにお考えですか。
  32. 梶本保邦

    ○梶本説明員 ただいまお話しのように、オリンピック来訪外客に対しては、宿泊対策本部というものを一カ所にまとめる、これが最上の案でございます。運輸省としましては、その方針で東京都のオリンピック準備局と折衝をずっと続けておったのでございまして、東京都のオリンピック準備局自体もこの案に賛成でございます。ところが予算の関係やら、いろいろのことがあったようでございまして、詳しいことはわかりませんが、とにかくその案が流れたわけでございまして、私どもとしては、非常に残念に思っております。一番いい方法は、やはりホテル旅館を一個所にまとめる、そこに提供し得る部屋数が幾らあるかということで、一本でコントロールするのが一番いい案でございますけれども、そういう方法が残念ながらとれなかったわけでございます。とれなかったので、やむを得ず、それではホテルの方はホテル側でやる、旅館の方は旅館でやる、ところがいろいろ旅館には制約がございますので、いわゆるASTA、国際旅行あっせん業者の協会を通じて、そこでお願いして、手不足の点は旅館業者としてカバーしてもらうという格好に今なっておるわけでございます。ただ、そこで問題が残っておりますのは、入場券とのリンクの問題でございます。日本ホテルだけ予約してやってきたけれどもオリンピックが見られなかったというふうなことが起こっては、これはまた紛争の種になりますので、この点はホテル予約というものと入場券とリンクする方法を考えていきたい、こういうふうなことで、ただいまオリンピック準備局とはわれわれとしては話を進めておる段階でございます。
  33. 勝澤芳雄

    勝澤委員 今の問題は、また時期を見まして、オリンピック特別委員会で総合的に意見なり何かを申し上げたいと思います。  最後に、近藤さんと福田さんからは御意見を承ったわけでありますが、大へん時間もおそくなりましたけれども、せっかくおいでになったわけですから、ほかの参考人の方から何か私たちに御要望、御意見があれば、お聞かせ願いたいと思います。
  34. 上月木代次

    ○上月参考人 さっきちょっとお願い申し上げましたが、旅館の固定資産税と融資関係でございます。現在国際観光旅館連盟では、中小企業金融公庫あるいは開発銀行から融資を受けておりますが、日本観光旅館連盟は今のととろ中小企業金融公庫から一千万円というワクでもって受けてはおりますが、実際は融資対象が衛生関係に限定されております関係で、お客様のお部屋をふやそうと思ってもできないわけです。そういった点につきまして、少なくとも今、国際観光旅館連盟が受けておられる二千万円までというワクにしていただきたい。いま一つは、衛生施設に限定せられるということをはずしていただきたいというお願いでございます。  そういったことをこの機会にお願い申し上げまして、政府当局の御配慮をちょうだいいたしたいと思うわけでございます。
  35. 山田彌一

    山田委員長 それではこの際、参考人各位に対して、小委員会を代表して一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。  本日は、長時間にわたり貴重な御意見を承りまして、各小委員質疑に対しまして懇切丁寧にお答え下さいまして、まことにありがとうございました。本問題の今後の調査の上に貴重な参考となることと存じまして、厚くお礼を申し上げます。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時二十九分散会