○内海(清)
委員 私は、
海運、造船の
問題について少し詳細に御
質問申し上げたいと思っておりましたが、あと時間の
関係がございまして、もう二十分もないようなことに相なったのであります。はなはだ遺憾に存じまするが、ごく簡単に御
質問申し上げ、いずれまた次の
委員会でも十分時間をいただきまして、重ねて御
質問いたしたいと思うのであります。
海運の
問題につきましては、さきの臨時国会の最終
段階におきまして、いわゆる
海運企業の
基盤整備の臨時措置法案が、御
承知のような審議未了、廃案になりましたわけであります。その最終
段階におきまして、それぞれの政党から御要望なり御
意見があったわけであります。その後、
運輸当局におきましては、これに対しまする非常な御尽力で、次国会に
提案すべく吟味が行なわれておるようであります。ここで詳しいことは今申し上げませんが、どうか私
どもの要望いたしておりまする事項が十分に政策として具現いたしますように、ここでこの
問題は簡単に御要望だけ申し上げておきたいと思うのであります。
次に、時間がありませんから、
質問いたすことがはなはだちぐはぐになるかもしれませんが、造船の
問題について若干
お尋ね申し上げたいと思うのであります。
先ほど申しましたような
基盤整備の臨時措置法案が廃案になりましたために、三十七年度のいわゆる十八次造船が、せっかく
予算措置がなされておるのでありまするが、船主協会においては、かような法案の内容ではわれわれは十八次に参加することができない。さらにまた、金融業界におきましても、この
状態では融資がむずかしいのだ、こういうふうな
状態になりまして今日に至っておるわけであります。しかしながら、造船業界といたしましては、すでに造船業界の事情も御
承知でありましょうが、今日大体百八十万トンの造船能力を持っておるといわれております。その
従業員は約十万でありまして、これに関連工業を加えますと、三十万にはなんなんとする
従業員であります。家族を含めますれば、およそ百五十万程度に相なるということが認識されておるわけであります。ところが、この造船業界におきましては、国内船におきましては、いわゆる
計画造船、自己資金船、さらにその能力の
関係上から輸出船、こういうものによって工事量を確保して参っておるのであります。しかしながら、何と申しましても、この国内船の中の
計画造船がベースになることは申し上げるまでもございません。次いで自己資金船、その余力をもって輸出船を建造するというのが、建前になっておるのであります。しかも、造船所の特質といたしまして、御
承知のように、非常に多くの
従業員を持っておるということであります。しかも受注生産であります。さらにまた総合工業でありまして、受注から起工までに相当の準備期間が要る。さらに起工いたしましても、その工期は非常に長い。また、金額的に申しましても、一件十億、二十億、大きいのになれば三十億をこすというまことに膨大な金額でありますので、従いまして、そういう制度からして、一たん決定いたしました船台
計画というものは、決して容易に変え得るものではないのであります。そういう
観点から考えまして、この十八次は、今年度におきまして五十万トンが決定いたしたわけでありまするが、造船所は、この五十万トンを支柱といたしまして、受注
計画、工事量の充足という面を考えて参ったのであります。ところが、この五十万トンは、二十五万トンが年度内起工であり、二十五万トンは契約ベースである、かようなことになっておるのであります。従って、初め予想しておりましたよりも年度内におきます工事量が非常に減少した、かような実態に相なっておるのでありまして、この工事量の充足ということに非常に今日困っておるのが、
実情であると思うのであります。そういう
関係から、造船業界におきましても、少なくとも本年度は、六月末までには造船所の工事
計画に支障のないように船主決定をしていただきたい、かようにお願いして参ったのでありまするが、先ほど来申しました整備案等の
関係から、これが一向進展しなかった、こういう
状態にあるのであります。しかも、この造船の市況は、国内船、輸出船ともに今非常に悪化して参っておりまして、新規受注が非常に減っております。それに加えまして、最近の大手の造船所は、かなりの面において陸上部門に進出いたしておりまするが、昨年来の景気調整、金融引き締めによりまして、これがまた非常に減っておる、こういう
実情にあるのであります。従って、もしもこのまま十八次の実施がずるずるとおくれるようなことに相なりますならば、各造船所には多くのアイドルが発生いたします。すでに発生いたしております。特に年度後半に至りましては、この造船所の操業度は非常に低下いたしまして、憂慮すべき
状態にあるのであります。ことに関連工業は、御
承知のように、いわゆる中小企業が大部分でございます。さなきだに金融引き締めによりまして、今日非常な苦境にあるときであります。これに一そうの拍車をかけまして、社会
問題さえも起こしかねない、こういうことが憂慮されておる実態でございます。従いまして、この際十八次造船は早期に実施されまして、この危機を克服することが大事だ、私はかように考えておるのでありますが、この造船業の実態につきまして、大臣はどのように認識しておられましょうか、この点を
一つお伺い申し上げたいと思います。