○若狭
政府委員 昨日御質問のございました問題の第一、那智山丸におきましてオート・アラームのテストを行なった場合に、アンテナをはずしてテストしておったそうであるけれ
ども、それは事実かどうかということでございますが、その点につきましては、やはりアンテナをはずしてテストをしたということでございます。これは、私は専門的なことでわかりませんけれ
ども、アンテナをはずさない場合には、警急信号が外へ出まして、近くの船が受信いたしました場合には混乱が起こってくるということで、テストの場合にはアンテナをはずして行なうのが常態であるというように聞いておるわけでございます。アンテナをはずしましても、はずさなくても、オート・アラーム自体の性能、作動には全く
関係がないそうでございます。
それから岬丸のオート・アラームは、本年四月から一回も作動しなかったというが、その原因はどういうものであるかということでございますけれ
ども、これにつきましては、確かに作動したという事実はないようでございます。その原因につきましては、いろいろな場合が考えられるわけでございますけれ
ども、通常の場合におきましては、通信士が直接当直いたしておる場合にはオート・アラームを作動させておかないというのが常識でございます。ただ、国際条約におきまして、通信士が他の電波によって発受信をいたしておる場合には、オート・アラームを作動させておくというような
関係がございますけれ
ども、常態におきましては、通信士が勤務しておる間はオート・アラームははずしておくということでございます。
それで具体的に、当直の際耳で聞く場合には、SOSを何回か受信したけれ
ども、たまたまオート・アラームにたよった時間には、全然警急信号というものがなかったという問題でございますが、これはたまたまその時間に警急信号を発したものがなかったものであるか、あるいは機械が何らかの故障を起こしておったものであるか、その点は明らかにすることはできませんけれ
ども、われわれの今日想像できるところでは、現在の日本の船舶は、御承知のように、ほとんどの船舶が当直をいたしまして、二十四時間の船舶局の運用をいたしておるわけでございます。具体的な
人間、通信士が乗り込みまして、耳で聞いておるわけでございます。御承知のように、オート・アラームは、SOS自体を受信する器械ではございませんので、SOSの前置信号でありますところの警急信号——きのう郵政省から御
説明のありましたように、警急信号を受信する器械でございます。従いまして、日本近海においてほとんど大部分の船舶が常時耳で聞いておるという態勢にあります場合に、はたしてSOSを発信する船舶が、そのSOSの前置信号を発信して、しかる後にSOSを発信するというような措置をとったかどうかという点に問題があるのではないだろうかというふうなことが想像されるわけでございます。その点につきましては、国際条約におきましては、警急信号を発して、しかる後SOSを発信するというようにございますけれ
ども、日本の現状から見まして、SOSを直接発信しても、ほとんど大部分の場合はそれで間に合う。間に合うがゆえに、そういうめんどうくさいといいますか、一分間ではございますけれ
ども、SOSの前置信号というものを発信しないという例が、比較的あるのではないかという点が想像されるわけでございます。
なおもう
一つ、きのう御質問のございました航行安全
審議会の答申が出ない前に、
法律案要綱というものを各方面に配付したというのは事実かどうかという問題でございますけれ
ども、
法律案要綱という形式ではなかったと思いますけれ
ども、今度の
法律の
改正に関しまして、
審議会の御
意見だけではなしに、
国会を含めまして、各方面の
意見を事前にお聞きいたしまして、われわれの態度を決定する
一つの参考とするために、いろいろな
資料も配付いたしましたし、御
説明もいたしておるということは事実でございます。