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1962-08-29 第41回国会 衆議院 運輸委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年八月二十九日(水曜日)委員会にお いて次の通り小委員及び小委員長を選任した。  都市交通に関する小委員       有田 喜一君    壽原 正一君       鈴木 仙八君    關谷 勝利君       高橋清一郎君    細田 吉藏君       井岡 大治君    久保 三郎君       島上善五郎君    肥田 次郎君  都市交通に関する小委員長                 細田 吉藏君  観光に関する小委員       有馬 英治君    伊藤 郷一君       加藤常太郎君    川野 芳滿君       簡牛 凡夫君    砂原  格君       福家 俊一君    細田 吉藏君       山田 彌一君    石村 英雄君       加藤 勘十君    勝澤 芳雄君       内海  清君  観光に関する小委員長                 山田 彌一君  踏切道整備に関する小委員       尾関 義一君    佐々木義武君       關谷 勝利君    中馬 辰猪君       細田 吉藏君    増田甲子七君       久保 三郎君    田中織之進君       肥田 次郎君    内海  清君  踏切道整備に関する小委員長                 佐々木義武君 ————————————————————— 昭和三十七年八月二十九日(水曜日)    午前十時二十一分開議  出席委員    委員長 木村 俊夫君    理事 佐々木義武君 理事 鈴木 仙八君    理事 高橋清一郎君 理事 細田 吉藏君    理事 山田 彌一君 理事 井岡 大治君    理事 久保 三郎君 理事 肥田 次郎君       有田 喜一君    有馬 英治君       伊藤 郷一君    尾関 義一君       川野 芳滿君    簡牛 凡夫君       壽原 正一君    砂原  格君       中馬 辰猪君    福家 俊一君       増田甲子七君    石村 英雄君       加藤 勘十君    勝澤 芳雄君       島上善五郎君    松原喜之次君       矢尾喜三郎君    内海  清君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 綾部健太郎君  出席政府委員         運輸政務次官  大石 武一君         運輸事務官         (大臣官房長) 廣瀬 眞一君         運輸事務官         (海運局長)  辻  章男君         運 輸 技 官         (船舶局長)  藤野  淳君         運輸事務官         (船員局長)  若狭 得治君         運輸事務官         (自動車局長) 木村 睦男君  委員外出席者         運輸事務官         (航空局監理部         長)      栃内 一彦君         海上保安庁長官 和田  勇君         気象庁長官   和達 清夫君         郵政事務官         (電波監理局航         空海上課長)  三枝  豊君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 八月二十八日  東北本線複線化及び電化の早期実現に関する  請願柳谷清三郎紹介)(第四二二号)  奥羽本線の勾配改良及び複線化等に関する請願  (柳谷清三郎紹介)(第四二三号)  青函隧道早期建設に関する請願柳谷清三郎  君紹介)(第四二四号)  首都の交通緩和及び防火のため国鉄武蔵野線敷  設等に関する請願花村四郎紹介)(第四四  七号)  老人の国鉄運賃割引に関する請願古井喜實君  紹介)(第四七七号)     ————————————— 本日の会議に付した案件  小委員及び小委員長選任の件  船舶職員法の一部を改正する法律案(第三十九  回国会内閣提出第五五号、第四十回国会参議院  送付)  陸運に関する件(自動車行政に関する問題)  航空に関する件(航空管制に関する問題等)      ————◇—————
  2. 木村俊夫

    木村委員長 これより会議を開きます。  この際、先般の委員会において委員長に一任されておりました都市交通観光、及び踏切道整備に関する各小委員及び小委員長を次の通り指名いたします。  都市交通に関する小委員に       有田 喜一君    壽原 正一君       鈴木 仙八君    關谷 勝利君       高橋清一郎君    細田 吉藏君       井岡 大治君    久保 三郎君       島上善五郎君    肥田 次郎君  観光に関する小委員に       有馬 英治君    伊藤 郷一君       加藤常太郎君    川野 芳滿君       簡牛 凡夫君    砂原  格君       福家 俊一君    細田 吉藏君       山田 彌一君    石村 英雄君       加藤 勘十君    勝澤 芳雄君       内海  清君  踏切道整備に関する小委員に       尾関 義一君    佐々木義武君       關谷 勝利君    中馬 辰猪君       細田 吉藏君    増田甲子七君       久保 三郎君    田中織之進君       肥田 次郎君    内海  清君  次に、都市交通に関する小委員長細田吉藏君、観光に関する小委員長山田彌一君、踏切道整備に関する小委員長佐々木義武君、以上であります。      ————◇—————
  3. 木村俊夫

    木村委員長 陸運及び航空に関する件について調査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
  4. 久保三郎

    久保委員 先般の国会で、自動車損害賠償保障法並びに車両法の一部改正がなされたわけであります。この改正問題点は、いわゆる賠償保険の無保険をなくするということで、車両検査証保険期間というか、そういうものを一致させる意味で、特殊なステッカーというか、標章を車体に張らせるというのが要点であります。その後、法の改正に伴って実務に移っておられるようでありますが、この法案改正について、予算的な裏づけはどうなっているのか。言うならば、われわれが今日まで了解したところによりますれば、検査証の更新に従って、逐次これを実施するようになっていたと思うのでありますが、実際は今年中に全部実施をするということで、作業量としても非常に時間的に多くなっているように見受けられる。もちろん、人間的な裏づけには臨時人夫その他を使ってやらせておるようでありますが、今後の見通しとして必ずしも円滑にいけないのではなかろうか。特に大都市における作業においては、それでなくてさえ車両検査両数が増加の一途をたどっておるさなかであります。なかなかもって思うようにいかないのではないかと思います。さらにもう一つは、予算面関係することで、この法律改正趣旨徹底、こういうものについていかなる手段を講じておるのか、こういう点についてお伺いすると同時に、必要な政令というか、規則というか、そういうものの関係はどうなっておるか。これについて、自動車局長お答えをいただきたいと思います。
  5. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 車検標章貼布の法案につきましては、この前の通常国会におきまして御承認いただいて実施に移したわけでありますが、ただいま御質問のように、当初車検ステッカーを全車両に張りますのには、相当な業務量にもなりますので、できるだけ早く終了することが趣旨ではございますが、そういう点も考えまして、まず二年くらいはかかるであろうということで構想を練ったのでありますが、いろいろ各方面からの御意見が出まして、そういう二年もかかるようではいけないということで、最後には、提出いたしました法案では約一年ということで、車検ステッカーは来年の一月一日から全面的に張って走らなければいけない。それから軽自動車保険ステッカーは、来年の三月一ぱいにこれを終わらなければならないというふうな形で、法案の御審議を願ったわけであります。当時すでに予算国会に提案になっておりましたときでありますので、そのときの予算では、二年間くらいでやる当初の一年分の予算としてしか計上してありませんので、この予算では短縮した期間中の実施がむずかしいということは、当初からわかっておったところであります。しかしながら、すでに予算国会審議され、まだ成立していない段階におきまして、予算そのものを変更するということもできないのでございまして、その点につきましては、大蔵省ともいろいろ話し合いまして、この実施を約一年間以内に短縮したという実情につきましては、一応了解を得てこの法案を出したわけであります。ただし、予算手当につきましては、その後実施状況を見て考えるという含みで、この法案の御審議を願ったわけであります。それで、この法律によるステッカー交付が十月一日から始まることになっておりますが、十月一日からでは期間が非常に短いので、二カ月さかのぼりまして、八月一日からステッカー交付を開始しよう。そうしてできるだけ一日の仕事量を薄めていくというふうに考えまして、現在スタートしておるわけであります。短期間にやるために、実際各陸運局あるいは陸運事務所におきまして、どのようにやったらよろしいかということの詳細な報告をとりまして、既配賦予算、あるいは年度当初成立いたしております予算の範囲内では、これだけ足りない、これだけ臨時人夫が要るというような詳細な資料をとりまして、これに基づきまして、この年度内の予算庁費あるいは人件費の使い方について、会計当局と交渉いたしまして、ただいまのところではまだスタートしたばかりでございますので、成立予算の中でやりくりをやって実施に移しております。しかし、これは当初でございますので、年度半ばあるいは年度の終わりになりますと、当然やりくりにつきましても不足の面が出て参りますので、そのときにはさらに大蔵省折衝いたしまして、必要な予算措置をとってもらう、こういうつもりで現在やっております。八月一日からスタートしておりますが、ただいまのところ、出足がわれわれが予想しておりますより多少おくれておりますために、今のところは、別に臨時非常勤の人を使ってまでやる必要もなく、現在の職員でやっておるのが実情でございます。しかし、だんだん仕事量がふえて参りますので、それに応じまして、非常勤の人を使うとか、そういうことができるようにただいまから準備をいたし、すでにある程度のそれに伴う実行経費配賦等もいたしておるのでございます。
  6. 久保三郎

    久保委員 二年でやるところを一年ということで予算は組んであるそうでありますが、あと大蔵省と大体了解済みであるから、今のところ既定経費やりくりでというお話です。御指摘のように、まだ繰り上げて実施して間もないことでありますから、人間の面では問題がまだ起きないかと思います。しかし、予想される車両数その他から見れば、相当大きな予算が必要ではないかと思う。そういう取りまとめをして、年度半ばというのならばもう年度半ばでありますから、実施半ばという意味だと思いますが、実施半ばというのは、大体先ほどのお話によれば、ステッカーは一月から全部やるのだ、こういうのであります。そうなると、この十月、十一月、十二月一ぱい、三カ月間に非常に殺到するのではなかろうか。そういう意味から、既定経費でまかなえないのは当然であります。よって、この予算めどをつけないと、実は現場関係においては、非常に不安を持っておるのが一つあると思います。不安の中で消化をしようとするのでありますから、先行きがわからぬということでありますから、そうなれば、どうしても仕事の計画をおのずから立てにくい面があろうと思います。早急に予算めどを立てて、それぞれの陸運局並びに陸運事務所から上がってきている要求に基づいて予算の配当を急ぐべきだと思うのでありますが、大蔵省との折衝は、ただいまのところはその程度でございますか、どうですか。
  7. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 期間内にこの仕事を完了いたすために、各陸運局から詳細な実行予算数字をとり、それを集計して、それぞれ私の方でそれを査定いたしまして、それを期間内に実行するために、もう幾ら要るかというふうな数字もはじいております。さしあたっては、先ほど申し上げましたように、その他の既定経費やりくりで間に合わしておりますが、最終的には、不足の部分を補ってもらうつもりで、すでに先般来大蔵省折衝をいたしております。なお、今後とも引き続き、既定経費のワク内で大体操作ができにくくなる時期もほぼおのずからわかっておりますので、それに間に合わすように、最終的な手当をいたしたい、こういうふうに考えながら今作業を進めておる段階であります。
  8. 久保三郎

    久保委員 そこであらためてお尋ねしますが、今まで本年度予算に組み込まれているこれに関連する予算は、幾らなのですか。さらに、新たに要求される大体の概算は、どの程度になるか。
  9. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 この仕事のために本年度当初予算で成立いたしました額は、四百六十一万二千円、それに対しまして、先般各陸運局から所要経費資料をとりましたその集計は、約三千八百万円になっております。これを差引いたしますと、約三千三百万円ほどの不足ということになるのでありますが、この所要額は、これがすべてどうしても必要だと思われるものばかりでもございませんので、この点につきましては、本省でいろいろ査定をいたしておるわけでございますが、この不足額につきましては、ただいま申し上げましたように、当座の仕事としては、すでに成立しております自動車局関係のほかの経費その他のやりくりでやっておるわけでございます。それからこのために、既定仕事その他に食い込むわけであります。それらの仕事をやる時期にその穴を埋めてやるという必要が出て参りますので、その時期を失しないように、さらに大蔵省折衝をする、そういうふうに考えて、現在進めております。
  10. 久保三郎

    久保委員 自動車局長、当初予算が四百六十一万二千円だそうでありますが、この中には、大体大半印刷費のようでありますね。あとそれで臨時要員等を雇う。あるいはPRのための印刷費もございましょう。それもやっておられると思うのでありますが、やらぬとすれば、ちょっと徹底できません。それとも保険会社にこれはやらせておるのかもわかりませんが、少なくともそういうものを入れると、四百六十万では、印刷費もちょっと足らぬのではなかろうか。今の御説明では、既定経費を食って操作してやっていく、あとから予算追加でとってくるんだ、こういうお話でありますが、予算要求が三千八百万で、差引三千三百万円大体足らないという要求だそうでありますが、もちろんお説の通り、あなたの手元において妥当な数字を査定して折衝されると思いますが、しかし、何といってもけた違い数字であります。このけた違い数字既定経費でまかなっていくということは、ちょっとどうかと私らは思うのです。むしろ、この際その作業を進めると同時に、予算確保を一日も早く取り急いできめなければ、残念ながらこのステッカーの円滑な処理はできかねるのではなかろうか。そしてお客というか、結局自動車所有者から、それぞれ苦情が来やしないかと私は心配しているわけであります。そういう点について、もう一ぺんお答えをいただきたいのでありますが、どうもあなたの今までのお話では、大体十二月ころになったら、一つ大蔵省ともよく相談してきまるだろうという見方のように聞こえますが、そういう意味ですか。それとも十月、せめて十月一日以前に決着をつけるという意味ですか。どちらですか。
  11. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 ただいま申し上げましたように、現在すでにこの仕事をスタートしておりますので、すでに成立いたしております予算やりくりでできるところまでやって、そして最後に、この穴を最終的には大蔵省折衝して埋めていくという考えで進めておりますが、あくまでも既定期間内にこの仕事を完了いたしたい。そういうことを目標にいたしまして、時期その他についても十分考えながら、今仕事を進めているわけでございまして、大蔵省折衝いたしまして、予算を最終的にきめますのが、十月になりますか、あるいは十一月になりますか、その点につきましては、いつという、別に今から目測を置いておるわけではございませんが、どうしてもそれが必要な時期までには、必ず折衝いたしまして裏づけをしてもらう、こういう予定で現在やっております。
  12. 久保三郎

    久保委員 くどいようでありますが、大体期限のきめられた仕事なんであります。しかも、予算は半額というか、お説によれば、半額ということになっておるわけです。既定経費やりくりで一時しのいでおいて、あとから補てんするのも一つの方法でありましょうが、えてしてこういうやり方は非常に無理がくるということであります。御案内通り、この法案審議の途中でも実は論議の的になりましたが、指定工場車両検査の一部をやらせるということも、この委員会で問題があったわけです。この御説明には、今後増加する分くらいだけはこの制度の改正によって消化するんだ、こういうお話であります。ところが、今すでに車両検査そのものが非常な仕事の量になっておる。この上に期限のきめられたステッカーの貼付は、簡単な作業ではありましょうが、なかなかそうは簡単にいかない、こういうふうに考えるわけです。よって、これはあなたにいろいろ御質問申し上げてもらちがあかぬことでありますから、運輸大臣に一言申し上げておきますが、ただいまお聞きの通りでありまして、車一つステッカーをつけるという作業だけを見ておれば簡単でありますが、大へんな数であります。しかも、予算が、前大臣の時代でありましたが、二年分のものをやるはずのもののうちの一年だというのです。でありますから、非常な困難が生ずるだろうと思うのです。よって、この際、せめて十月一日以前にあと追加予算の獲得をして、現場職員に不安のないように、さらに自動車所有主に不便をかけないように、これは手配をとっていただきたい、こう思うのですが、いかがでしょう。
  13. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 御趣旨ごもっともでございまして、私どもそういうように努力いたします。
  14. 久保三郎

    久保委員 それからステッカーばかりじゃございませんので、実は陸運事務所における車両検査あるいは登録事務というものは、これまで何回も当委員会においてそれぞれ意見が出て、この人員なり設備を増強せよ、こういう要求をたび重ねて出しておるわけなんであります。毎年幾らかずつは人間の面と検査場等施設の改善がございますが、自動車車両増加に比しては、スズメの涙であるといっていいくらいの少なさであります。よって、予算要求の時期でもありますので、これはさらに前進を遂げられるよう、新しい運輸大臣である綾部大臣の手腕、力量を信頼して、従来のスズメの涙じゃなくして、もう少し充実した車両検査施設なり人員確保してほしい、こういうように思うわけであります。あわせてこの点を要望しておきます。時間もございませんので次に参ります。  次は航空管制官人員需給状態について、お尋ねをいたしたいのです。この航空管制官待遇なり増員については、当委員会においてすでに何回か論議され、さらに航空法の一部改正論議の過程でも、大きな問題になっておる。さらに最近では、御案内通り管制官のミスによるところの飛行場における航空機の衝突事故というような問題まで惹起しておる。この航空関係の、ことに安全性確保については、すでに内閣においては、これが対策本部をつくって、政策は出したが、実行はいまだしの観がある。実際においてそれをやっておらない。その中でも、特に航空管制官待遇というか、あるいはこれの人員増加、そういう問題については、全然前進がないのではないかと思うのです。  そこでお尋ねしたいのは、最近われわれの耳に入ったところによりますと、これはある新聞でも書いておりましたが、航空管制官要員需給状態は、定員に満たないという現状である。さらに新規採用にあたっても、これは残念ながらこの募集の人員にはるかに及ばない。こういう状態が続いておる。このままでいくと、他産業に移る者も出てくる。そこで、他産業に移る者については、陰の力となってこれを抑制して、辛うじて今日の管制業務を遂行しているというのが実際だそうであります。その通りでございますか。いかがですか。
  15. 栃内一彦

    栃内説明員 管制官の問題につきましては、今先生のおっしゃいましたように、各般の委員会その他から、その対策を緊急にやるようにという御意見をいただいております。また、国会におきましても、しばしばこの問題につきまして御注意を受けておるのでございます。運輸省といたしましては、管制官充実——これは量的な充実はもちろんでございますが、訓練を十分やって優秀な管制官を数多くそろえるということで、毎年予算要求に際しましては定員要求をいたしておりまして、幸いに、定員につきましては、かなりの程度人員が認められるということになっております。ただ、今御指摘のように、定員はあっても欠員があるのではないかという点でございますが、この点は、御指摘通り、現在においても若干の欠員を持っております。なお、欠員があるということのほかに、訓練中の職員がかなりありますので、管制本部その他の現場におきまして、さらに人員を増してくれという要求が出ております。そこで、私どもとしては、現在訓練中の人々の訓練を急ぐということ、また欠員補充をするということで、今いろいろな対策を立てておりますが、訓練の方は、この十月で一段落いたします。そうなりますと、現在困っておるところの補充がつく、こういうような見通しになっております。
  16. 久保三郎

    久保委員 全体の定員に対して、欠員は何名ありますか。
  17. 栃内一彦

    栃内説明員 現在定員は四百四十五名でございまして、現在員といたしまして四百九人、すなわち欠員は三十六名ということになっております。
  18. 久保三郎

    久保委員 その大半は、やはり人間が大勢要る官制本部が多いのですか。それとも各空港、たとえば羽田とかあるいは小牧ですか、そういうところですか。いかがですか。
  19. 栃内一彦

    栃内説明員 現在におきます欠員状況の内訳を申しますと、各保安事務所におきまして三十七名、管制本部におきまして三十五名、そのほかに訓練中の者が三十六名おりますので、訓練中の者はもちろん現在員でございますので、これらを計算いたしますと、全体としては先ほど申し上げました三十六名の欠員、こういうことになるわけでございます。
  20. 久保三郎

    久保委員 結局、実際の欠員は七十二名ということになるわけなんですね。三十六名というのは、まだ第一線に立ち得ない者でありますから。そうでしょう。いかがですか。
  21. 栃内一彦

    栃内説明員 現在におきましては、三十六名は十月一ぱい訓練を要しますので、第一線には立てない、十一月から立てる、こういうような状況でございます。
  22. 久保三郎

    久保委員 そういう意味だから、実際における管制本部なら管制本部定員の中には、訓練定員も入っておるのですか。
  23. 栃内一彦

    栃内説明員 定員といたしましては、訓練中の人も定員の中に入っております。
  24. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、やはり訓練中の者を含めて、差引三十六名欠員である、こう了解していいんですか。
  25. 栃内一彦

    栃内説明員 さようでございます。
  26. 久保三郎

    久保委員 これは四百四十五名の定員は、昨年に比してどの程度ふえておりますか。
  27. 栃内一彦

    栃内説明員 三十一名ふえております。
  28. 久保三郎

    久保委員 三十一名の定員の割当というか、その算出基礎というか、そういうものは、実際の仕事にマッチしていると思っておりますか。
  29. 栃内一彦

    栃内説明員 私どもといたしましては、以前三直四交代ということで定員要求をいたしておりましたが、管制本部その他の主要な航空保安事務所におきましては、その業務繁忙性にかんがみまして、四直五交代ということで定員要求しております。この点は、明年度予算におきましても同様でございますが、しからば、なぜ現在四直五交代制がまだ実際にできないかという点は、先ほど御説明しましたように、訓練中の者がまだ仕上がらない。なお、この訓練には、管制官業務の性質から申しまして、相当の月日を要するということで、現在予算的には、今申しました管制本部及び主要の空港につきましては、四直五交代が認められておりますが、訓練が完了するまでの過渡期間におきましては、これが実施できない。これがやっとこの十月に完了いたしまして、十一月からはそういう体制を逐次繁忙をきわめているところから実施していくということで考えております。
  30. 久保三郎

    久保委員 その今の勤務体制、新しい四直五交代ですか、これに完全に移り得るのは、今の御計画では何年後ですか。
  31. 栃内一彦

    栃内説明員 管制本部につきましては、最も重要な、また繁忙なところでございますので、十一月から四直五交代をやりたい。そのほか、東京あるいは名古屋、大阪というようなところは、できるだけそのあと補充をいたしまして、今年度中にはこれを全部四直五交代に持っていくようにいたしたい、かように考えております。
  32. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、三十六名の訓練要員訓練完了をすれば、遠からず、年度内にはおそくも全体の重要な管制の関係は、今の四直五交代制になる、こういうことでございますか。
  33. 栃内一彦

    栃内説明員 原則的にはそういうことでございます。ただ、管制本部におきまして、現在の訓練生の充実ということを考えまして、たとえば海洋における管制につきましては、現在十分なことはやれないわけでございますが、これらはさらに訓練生が出て参りまして、十分勤務にたえ得るという見通しがつくまでは、現在のままでやっていくということでございますので、きわめて重要な部分につきましては、おっしゃるように四直五交代ということで任務が遂行できる、こういうことになるわけでございます。
  34. 久保三郎

    久保委員 お話によりますと、なかなか完全に実施はできないようですね、完全な新しい勤務体制は。しかも、私は、この勤務体制が妥当であるかどうか、よくわかりません、実際に言って。それもあわせてお答えいただきたいのですが、四直五交代制というのは、現在の管制業務仕事の量にマッチしているかどうか、これはどうなんですか、基本的に。
  35. 栃内一彦

    栃内説明員 現在のわれわれの考えといたしましては、四直五交代制でやっていくということでございます。なお今後、この問題は、実際問題としましてこういう点で不工合な点がある、あるいはこういう点で逆に余裕があるというような新たなる調査の結果ができますれば、変えるということもあり得ると思います。現在におきましては、四直五交代制がわれわれの基本的な考え方でございまして、一日も早くこの体制ができるようにということで努力を集中しておるわけでございます。
  36. 久保三郎

    久保委員 私ども管制本部に調査に参ったのは、もうたしか三年か、それ以前かもしれません。そのときの状態であるとするならば、あるいはその後航空機の数も多くなって参っておりましょうし、そういうことを考えると、四直五交代制は——たとえば、最近は自動に切りかえるものが多いのでありますが、電話の交換手の勤務体制は、なるほど一日八時間にはなっておると思うのでありますけれども、その勤務形態はちょっと違うのですね。いわゆるレシーバーを耳に当てる時間を、たとえば一時間半とかあるいは二時間に区切りまして、その間十五分なり二十分の、いや三十分くらいの休憩を断続して与えてやっていくという勤務形態なんです。これは電話の交換手の勤務形態でありますが、われわれが管制本部を調査したときの状況を今思い浮かべれば、残念ながらその業務は電話の交換手に比すべくもないと思います。もちろん、管制本部は新しく来年移転されると思うのでありますが、移転されても、あの秒を争う仕事の中で長時間当直にすわるということは、非常な苦痛であり、また、肉体的にも相当な疲労度を覚えるのではなかろうかと思う。そういう点からいけば、これをさらに改善する方向を見出すべきだと思うのです。こういうことについては、御考慮を願っているかどうか。いかがでしょう。
  37. 栃内一彦

    栃内説明員 ただいま御指摘通り、現在ジョンソン基地にあります管制本部は、明年の春には東久留米村の新しい施設に移るということになっております。移転いたしますと、従来の悪い勤務環境から格段に進歩した勤務環境になる。また、今年度予算で、おかげさまで箱根山につけます長距離レーダーの予算が認められました。これは大体三カ年計画で完成する予定でございます。このレーダーができますと、従来は耳にたよっておった管制の方式が、耳はもちろん従来通り使いますけれども、さらにレーダースコープに飛行機の影が映るということで、目も使ってさらに管制をやるということで、管制の能率も上がりますし、また信頼度も一段と高くなる。また、神経をすり減らす点も若干は緩和されるのではないか。あるいは今度の新しいセンターにおきまして、できるだけ近代的な機械を導入いたしまして、あるいは電子計算機によるとか、そのほかいろいろな新しい機械にたよって、さらに管制の能率あるいは正確性というものを高めていきたい。その結果は、おそらく管制官の勤務条件というものも相当改善される面があるのではないかと存じます。従いまして、今後どういうような機械を入れるかという点につきまして、十分研究をして、また予算要求し、できるだけ近代的な管制組織をつくっていく。そしてその近代的な管制組織において、管制官という特殊の労働が、どういうような時間なりあるいは勤務割になることが一番合理的であるかという点を、できますならば諸外国の例等も参考にいたしまして、最も妥当な線を出していく、こういうことで進めたいと存じております。
  38. 久保三郎

    久保委員 そこで先ほどの話に戻りますが、三十六名の欠員は、どういう理由で今日予算定員に対して欠員になっているのか。これは、いうならば管制官の労働条件というか、そういうものが仕事の実態に合わないというところに大きな障害があるのではなかろうかと思うのでありますが、この点はいかように考えられるか。
  39. 栃内一彦

    栃内説明員 この欠員が生じます原因は、私の考え方によりますと、大体二つあると思います。一つは、採用者の試験をいたしまして、今後管制官として十分やっていける人の数が十分ではないという点と、若干ではございますが、退職者がある、この両方の点から欠員というものが生じておると思います。  そこで、それでは申込者あるいは受験者というものがきわめて少ないのかと申しますと、決して数の上では少なくございません。しかし、いろいろな点を試験をいたしまして、これならばやっていけるという人は、必ずしも十分には残らないという現状でございます。この点は、今後さらに募集をよくやっていくというような点で解決しなければならないと思います。  それから退職者の方は、これは現在の管制本部のジョンソン基地における生活環境が悪い、あるいは勤務に対して十分な手当ができていないというような点も若干あると思いますが、人数にしましてそれほど多くはございませんが、やめていく人がある。それで、新たに募集をするにしましても、できるだけ退職者を少なくして、安心して職場で働いてもらうためにも、生活環境、職場環境はもちろんのこと、給与の面、あるいは先ほど御指摘の勤務条件、労働時間の点、これらに総合的な手を打ちまして、新たな募集者も優秀な人がたくさんくるように、また一たん管制官になった方が安んじてその職場で働けるようにというような、いろいろな施策はわれわれとして十分やらなければならないという責務は大いに自覚しておるわけでございます。明年度予算におきましても、管制職員待遇改善につきましては、相当思い切った手を打ちたいと考えておりますので、この点につきましては、人事院あるいは大蔵省との折衝におきまして、われわれも十分努力いたしますが、できましたら先生方の御援助もお願いしたい、かように考えておるわけでございます。
  40. 久保三郎

    久保委員 あなたがおっしゃる欠員の生じた原因は、一つには応募者の中で十分資格のある者がたくさんいない、それだけの数がない、さらに退職者が出ている、こういうお話で、あなたの結論としては、これは別に二つにあらずしてひということになったわけであります。現象面としては二つでございますが、基本的には一つだ、こういうふうになるわけであります。結局は労働条件そのものがつり合いがとれていないということでございますね。  そこで管制官そのものの職務評価を正しくしなきゃならぬということは、あなたも今思い切った待遇改善を要求したいと言われたが、ところが、これはこのごろ始まったことではないのですね。とうから始まっているのでありますが、なかなかどうもこの管制官の職務評価を正しく行ない得ない。それが三十六名の欠員が出てくる原因である。野放しにしておけばもっと欠員が出てくるのではなかろうかと聞いております。たとえば、ほかの会社に応募すれば、たいてい航空局に関係のある会社でありますから、裏から手を回すか表から手を回すかわからぬが、僕のところの職員についてはちょっと待ってくれ——なるほど監督官庁でありますから、会社は手控えざるを得ない。中には、職業の選択の自由について干渉するのかという声まである。これはなかなか問題があると思います。私は、決して職業選択の自由を阻むのをいいこととは思っていない。しかし、私ども、どうも今日の日本における航空管制の陣容を弱体化していく方向についての協力はなかなかむずかしいから、強化していくならばいい。それには一刻も早く今あなたが御指摘になった、われわれに協力を求めたところの待遇改善案というものを、やはり大臣にもとくと理解してもらって、強力に推し進めなければ、来年はもっと減るのではなかろうか。ところが、飛行機の数は多くなっていく。こういう関係を抜本的にまず第一に改善してもらわなければならぬと思うのですが、幸い運輸大臣お聞きの通りでありますので、来年度予算要求も間近でありますから、今航空局からお話のあった、とにもかくにも管制官欠員補充というか、充実は焦眉の急であります。しかし、補充しても直ちにこれをその第一線に使用することが不可能な実態であります。そうだとすれば、手が早ければ早いほどいい。よって、これはできるならばもう今年度追加予算である程度の目鼻をつけるべきだと思うのでありますが、いかがでございましょう。
  41. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 御指摘の点十分考慮いたして、来年度予算では思い切った要求をいたしております。それを実現すべく努力いたすつもりであります。
  42. 久保三郎

    久保委員 いつも大臣というと、最善の努力をしておりますというのが——もちろん綾部大臣は違うと思うのでありますが、従来われわれが折衝している大臣は、いつもそういうことを言っている。最後には、努力をしたのでありますがというきまり文句が大体あるわけなんです。そういうことがないように、一つぜひお願いしたい。  それからもう一つ申し上げたいのは、特殊勤務手当等も、人事院規則の改正によってこれまたなくなるという話も聞いておる。こういうものも含めて、あなたが今おっしゃるところの待遇改善を、思い切ったのを要求する考えでございますか、いかがでございますか。
  43. 栃内一彦

    栃内説明員 現在の人事院の方の新たなる給与体系の手直しという点につきましては、私としてはなはだ不勉強で十分承知しておりませんが、私どもといたしましては、今率直に申し上げましたように——もちろん先生から、原因が二つというが原因は一つではないかという御指摘がありましたが、まことにその通りでございまして、その点は十分よくわかるわけでございますので、人事院あるいは大蔵省とは根本的な問題について折衝して、できるだけ管制官が来るように、また一たびなった人が退職していくということのないように、最善の努力をしたい、かように考えております。
  44. 久保三郎

    久保委員 いろいろお話申し上げなくちゃならぬことがたくさんあるわけですが、特に設備の問題でありますが、空港にあるレーダー、これは従来見て回っているのは、野戦用のレーダーといいますか、ああいうものがまだ解消されていない。しかもこれが大へん老朽化しておる。この更新についても、それぞれ年度予算で処理されていると思うのでありますが、十分でないように思うわけです。ところが、先ほどお話があった生活環境、執務環境が十分でないのも、これは御承知の通りであります。特に管制塔における、きょうあたりは少し涼しいかもしれませんが、日当たりのいいところで、真夏にみんな締め切ってやっている。最近ある地区においては扇風機一つくらいつけたそうですか、冷房機一つくらいつけてやるべきだと私は思うのです。そこを離れては仕事にならないのでありますから。ところが、それまでの配慮がなかなかできていないというところにも問題があると私は思う。さらに、健康管理の問題でありますが、これも他官庁の職員に比べて非常に低位にある。非常に問題だと思います。しかも、当然でありますが、内部疾患が多い。こういうことからいって、この職種がだんだん減っていく傾向にある。これらについても、健康管理その他の十分な手配がいまだに講じられていないというのは、はなはだ残念であります。この委員会でも、三年くらい前だと思うのでありますが、航空法改正になってもう二年になると思うのであります。ちょうど辻海運局長が局長の時代であります。そのときにもこういう論議があった。十分やりますと言うが、十分やっておらないのが最近の新聞にも出ているわけであります。辻さんは、今度は海の方に回りましたから、責任はないと思うのでありますが、いずれの場合におっても、運輸省におられるわけでありますから、少なくともあとのことは十分責任を持ってやっていただきたいと思うのです。あなたもその通りであります。  それからもう一つ申し上げたいのは、これらの計画について、これからの管制官の需給計画というか、そういうものについては、どう考えておられるか。来年度要求は、どういうふうに考えるか。それがございますか。
  45. 栃内一彦

    栃内説明員 今おっしゃいました点につきまして、幸いに努力した結果が出ておるという点がございますので、その点をちょっと申し上げてみますと、冷房施設につきましては、おかげさまで鹿児島、熊本等暑いところから始めまして、現在十の空港の設置が完了しております。そして来年は、さらに四カ所の冷房施設要求しております。明年要求しますところは、広島、仙台、秋田、新潟というところでございます。これでわかりますように、広島は新しくできた空港でございますが、仙台、秋田、新潟というような比較的涼しいといわれるところも、明年度予算要求をすることができるということは、それより暑いところは済んでおるということでございますので、この点は、おかげさまで相当実際に進捗しておると申し上げることができると思います。しかし、これは比較的うまくいった例でございまして、それではほかのいろいろな点が十分にできているかというと、確かに努力の至らざるところもございまして、必ずしも全部が満足すべき状態にはいっておりませんが、少なくともこの程度のところはおかげさまでやりおおせたということを一言申し添えておきます。  それから三十八年度の増員計画としましては、現在全部で九十五名の増員を大蔵省の方に要求するということで予算作業をやっておる、こういう状況でございます。
  46. 肥田次郎

    肥田委員 私も、航空問題で簡単に関連質問ということでお願いいたします。  あとで本論に入りますけれども、まずお伺いしたいのは、日航と全日空に対する政府の援助の状態、たとえば資金的な面、これについて簡単に一つ知らしてもらいたいと思います。
  47. 栃内一彦

    栃内説明員 日本航空に対します政府の援助のおもなものは、いわゆる政府出資でございますが、政府出資につきましては、二十八年十月から十億円の政府出資をいたしまして、これが三十二年まで続いておりました。その後五億になりまして、最近は三億ということで参っております。そのほかに、社債に対する政府保証ということで、これまた一つの資金的な援助ということになっております。それから全日空に対しましては、従来、乗員の養成の補助ということで、約一千何百万円かをたしか二カ年にわたっておると思いますが、出す。それから今年におきましても、乗員の養成、すなわち、今度初めてパイロットになった人の養成に金がかかりますので、これに対して補助金を出す、こういうような助成政策をやっておる、こういうことでございます。
  48. 肥田次郎

    肥田委員 その次にお伺いしますが、全日空とそれから日航に対して、業務提携について航空局長が話し合いを進めろということでこの両社を呼んだ、これはいつごろおやりになっておりますか。
  49. 栃内一彦

    栃内説明員 両社の業務提携につきましては、この春に行なわれました航空審議会に対する運輸大臣の諮問、それに対する答申におきまして、両社の提携強化をやったらどうかという答申をいただいたわけでございます。これに基づきまして、運輸大臣の勧告を出しました。両社長に提携をするようにという勧告を出しまして、それに基づきまして、両社長が共同声明を出して、この問題について大いにやろうということを表明されたわけでございます。その後、両社の折衝は続いております。その協議の内容は、私ども直接そこに出ておるわけではございませんが、両社から聞きますと、いろいろ基本的な問題で話し合いがつかない点が多い。従って、両社の自主的な調整というものが、このまま続いていっても、なかなかうまくいきそうもないというような感じを得ましたので、先般、両社の提携に関する基本的な方針を運輸省としてきめまして、航空局長から両社長に示した、こういうことでございます。示した月日は八月の十何日でありましたか、今正確に覚えておりませんが、八月中旬ということを記憶しております。
  50. 肥田次郎

    肥田委員 その日にちは八月十五日です。ところで、私はこのときに示された内容を見て非常に疑問を抱くのですが、ちょっと読み上げてみます。一つは、日本航空及び全日本空輸の路線が並立して営業している東京−大阪、東京−札幌の両幹線の就航便数は、三十九年度までに現状の日航六、全日空四のまま、四十年度から両社の便数比率を均等になるようにしなさい。その次に、国内幹線で使う両社の航空機は、できるだけ同じ程度の能力のものを使うようにする。その次には、また将来新機種を購入するときには、両社ともできるだけ同じ機種のものを購入し、部品、整備施設を共同で使うことを研究する。この一見してもっともじゃないかという印象を受ける内容が、実は非常に重大な意味を持っておるのじゃないかと私は思うのです。今ここに簡単に書かれておりますが、こういうことが実際にできると思ってやっておられるのですか。たとえば一つの例を申し上げますと、今いわれた全日空と日航に対する援助態勢でも、片一方は政府が積極的な支援の態勢をやって今日まで来ておる。全日空の方では、わしらが記憶している範囲では、ぼろ飛行機を使って、こう言っちゃ悪いですけれども、至るところで墜落をして、ずいぶん人気を落とした。その上で地方飛行機会社、運輸会社を合併をして、そうして最近ようやく立ち直って、新鋭機の購入をして、これによって日航の領域がどんどん侵されてきて、日航の飛行機はだいぶこのごろすいているじゃないかという状態が出てきた。要するに両社——両社というのは語弊があるけれども、いわゆる航空輸送の関係で一生懸命に努力してきた全日空、こういう言葉が使えるのじゃないかと思うし、片一方では国家の補助を受けてやっておったという、いわゆるあぐらをかいておった日航の輸送状態、こういうものがそういう営業格差を作ってきておる。こういうことは、資本主義社会の世の中であれば、常識的にも考えられる。それが、運輸省が、いつの間にやらわれわれの言う社会政策の中で行なうような、こういう方針を出されて、飛行機は同じような飛行機を買いなさい。いわゆる同じような機種にしなさい。性能−性能というよりも、同じような程度のものにしなさい。そうして日航を保護する立場で、それぞれの便数を調節しよう。こういう全く自由自在なやり方ができるのかどうかということが一つ。それからいつの間に運輸省は、航空政策に関する限りはこのような社会主義的な思い切った方針を出されたのか。そしてこれが実際に実現できると思っておられるのかどうか。この点一つ、関連質問ですから、いずれあらためてまた質問いたしますけれども、簡単にお答え願いたい。
  51. 栃内一彦

    栃内説明員 ただいま先生の引用されましたのは、おそらく新聞記事だと思いますが、今拝聴いたしますと、若干新聞記事のニュアンスというものは、私どもの考えておりますところと違っておる点があると思います。それを第一点として申し上げておきたいと思います。  それから、日本航空が、全日空に国内幹線でもって劣勢の地位に立ってきたのじゃないか。これは政府の補助があるにかかわらず、経営方針があぐらをかいておるからやられたのだ、こういうような御見解のように承りましたが、私は必ずしもそうでもない。日本航空に対する助成というものは、国際線を伸長するために主として助成をやって参ったのでございまして、この国際線が相当な赤字を負担しておるというところに、いわば日本航空の今の経営上の困難ということの主因があるわけでございます。しかも、国内における日本航空の機械というものは、大体におきまして国際線から回ってきたもの、あるいは国内線でもごく古くなったものが今使われておるというのが、現状でございます。それに反しまして、全日空は新たな機械を導入した。この点におきまして、現在客は日航の方がすいているのではないかという現象が出ておる。かように考えるわけでございまして、必ずしもあぐらをかいておったということはちょっと言えないんではないか、こういうふうに考えます。  なお、この両社の提携がうまくいくかどうかということは、もちろん先のことでございますから、はっきりしたことは申し上げかねますが、私どもといたしましては、できるだけこの方針で、運輸審議会の答申なり、あるいはその後の一連の打ってきた手を、この際さらにはっきりした形で両社長に示した、こういうことでございますので、できるだけ両社がこの線でもって協調してもらうということを期待しておる次第でございます。
  52. 肥田次郎

    肥田委員 私は、ここで今あなたの言われたことに対して議論しようとは思いませんけれども、私の解釈は、間違っておりませんよ。よろしいですか。日航が国の援助のもとに国際航空を担任しているということは、よくわかっている。その担任しているということと、それから全日空が今日まできたところの過程というものは、これは比較にならないと思います。だから、日航の擁護というふうには私は表現しませんが、しかし、そういうようなものの見方をしているのが航空局じゃないかと、今のあなたの言葉を聞いてそういう印象を受けました。私は、だから私の解釈の方が正しいと思っている。あぐらをかいているというのは、言葉のどぎつさを感ぜられるかもしれませんが、とにかく日航は、政府のバックということで、国際路線をやれということで国際路線に手をつける。だから、国内のサービスということについては、重心がはずれてきている、軽くなっておるから、こういう結果が出てきた。自然現象じゃない、人為的な現象である。片一方は、鋭意経営に努力してきた。そうして思い切って新機種も入れる。こういう状態で努力した結果が、こういう経営格差がついてきた。私はそのことをすなおに言っておるわけです。今これの一つの例をとると、日航がこういう状態になってきた場合に、日航と全日空との提携を提唱される、この考え方も、私は間違っておるとは言わない。その性能を同じようなものにしなさい、機種を同じようなものにしなさい、こういうふうなことも、実際に航空局が指導する、いわゆる運輸省が指導するというやり方が正しいのかどうか。そういうことは、資本主義社会の中では行ないませんよ。海運問題にしても、そういうことをやりなさいというのにできないから、それぞれの企業競争というものをそのまま放置している。企業競争が激しくなれば、自由主義社会の中、資本主義社会の中では、この方向が正しいのだ、こう言っている。それを航空局では、両社を同じようなものにしなさい、こういうような思想が——私はこの思想が間違っているというのではないけれども、こういうことができるのであるかどうか。こういうことが運輸省の方針として出されて、ほんとうにやっていけるかどうかということになると、私は無理なことをあなたたちは考えているのじゃないかということになると思う。どうなんでしょうか。
  53. 栃内一彦

    栃内説明員 全日空が非常に努力をしまして、資本を集め、経営をよくして、いいサービスをしてきた。この点について、私は別にそれがけしからぬというようなことは毛頭考えておらない。お客さんにいいサービスを提供しているという点は、私はよく認めますし、また、全日空の努力というものについても、敬意を表しているわけでございます。  それから機械を統一することが可能かどうかということ、これは私は、厳密な意味で完全に同じにするということは、実際問題としてできないと思います。しかし、機械競争をいたずらにやるということをチェックして、そうしてできるだけ同じ程度の機械によって、最終的には運賃収入のプールというようなことで、両社が無用な競争をしないというようなところに持っていくことは、決してできないということではなく、これはやりようによってはやり得る問題であり、この点は、両社が今後お互いにどういうふうに相談していくかということできまると思います。もちろん、両社とも株式会社でございますから、おのずからそこに競争ということがあることは当然でありまして、また、それは非常にけっこうな面もあるわけであります。要は、問題は、過当な競争をするということのないようにということでありまして、適正な競争であるならばけっこうではないか、かように考えます。
  54. 肥田次郎

    肥田委員 あなたの今おっしゃっていることは、ものの考え方が、官僚統制の弊害の方に向かおうとするのか、それから、そうじゃなしに、われわれが言うところの社会化の方向に向かおうとするのか、この方向がどこで分かれるかということについては、今簡単に表現できないから、私は、これはこのままにしておきます。しかし実際に不可能なことがありますよ。機種のできるだけという表現は、これは非常に幅の広いものだけれども、しかし、究極の目的は、機種を同じようなものにして、いわゆる機能を同じようなものにして、結局、料金のプール、こういうところにある。料金のプールということは実はつけたしで、相互の無意味な競争をなくそうというところに本質的な問題があるとするならば、それだけの問題を考えられる方が私は妥当ではないかと思うのです。この新聞の表現に間違いがあるとするなら、一つ航空局の正しい考え方というものを出して下さい。そうしないと、航空政策というものに対して、少なくとも今日までの姿の中では、双方が競争されたらいいじゃないか、そうしていい飛行機で旅客に満足感と安心感を与えて、サービスがよくなる、これに越したことはないじゃないかというのが、皆さん方のお考え方の基調になっている。われわれの言うところは違うのです。われわれの言うところは、少々は無理をしても、いわゆる航空という本来の使命に徹したやり方をしなさい、こう言っておるけれども、それは皆さん方のうちでも反対をしておられる。だから、その点はどこで分かれ目になるか、これは今簡単に言えませんからやめておきますが、そういう重大な問題を含んでおるということを申し上げておきたいと思います。  それから、これは運輸大臣一つ、そういう際には十分考慮をしてということじゃなしに、運輸大臣はこういうふうなやり方が正しいというふうに——これは運輸大臣大臣におなりになる前の計画だそうでございますから、そういうふうに——私は、今の政府の政策なら、いたずらにそういう統制経済とか官僚統制だとか、あるいは一つのものを規制をしてやるというような形については政策をとっておられないと思っておる。それぞれの姿の中で最善の競争をして、そこからよりよいものを見出していく、こういうことが基本方針であるべきにもかかわらず、航空問題についてこういうような方針を出されることについて、運輸大臣はすぐ——これは出されている以上は、航空局はこの実現の方向に向かって両社を指導していくと思うのですが、運輸大臣はこういう方針についてどうお考えなんですか、お聞きしたいと思います。
  55. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 私は、その方針を推進していきたいと考えております。
  56. 肥田次郎

    肥田委員 あなたは簡単に推進していきたいとおっしゃいますけれども、そうすると一つはっきりとした方向を示してもらいたいと思います。両航空社をそういうふうに統制されるということなら、私たちはけっこうなことなんです。注文があるのです。全企業をそういうふうに一つの方向に持っていくというお考えをまず持って、それで手近なものから手をつけようじゃないかという方法、手段は、これはあるとしても、こういう問題をいきなり出して、そうして何らの方向も示さないでこれを推進していきたいと思うというのは、どうも私は少し無責任なお答えじゃないかという気がいたします。
  57. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 私は、無責任だと思いません。その通りやるつもりでございます。
  58. 肥田次郎

    肥田委員 その通りやるというお答えを私はどうこうと言うのじゃないのですよ。それじゃ内容を聞かして下さい。運輸政策全体についてどういう政策をやっていこうとするのか。
  59. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 私は、その内容は今申し上げるのを差し控えたいと思います。それはいろいろ研究いたしておりますから、ここで申し上げることを差し控えたいと思います。
  60. 久保三郎

    久保委員 関連して。  日航、全日空の統一という問題でいろいろ御意見が開陳されましたが、この日航並びに全日空だけではなくて、国内航空全体についての中から結論を導き出さぬと、これは混乱が起きると思うのです。それはまた、健全な航空網の形成というか、航空輸送というものに支障を来たすと思うのです。そういう点について御配慮の上で、ただいま大臣が言明された通りの御方針でございましょうか、いかがでございましょうか。
  61. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 その通りです。
  62. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、ローカル航空についても、ある一定の御見解をお持ちでございますか、いかがですか。
  63. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 一種の見解は持っております。
  64. 久保三郎

    久保委員 まだ固まらぬのでありますか。固まっているとすれば、参考のために御披露いただけませんか。
  65. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 まだ固まっておりませんから、ここで発表することを差し控えたいと思います。
  66. 肥田次郎

    肥田委員 大臣、私らは、この基本的な方針は、われわれの立場からは反対をするのじゃないのですよ。ところが、皆さん方の立場で、はたしてこういうような問題ができるのかどうか。それは非常な無理が起きてくるだろうという気がするからお聞きしたのです。航空局長の事務代理で、あなたはちょっと少し何かむきになって答弁をされたように思いますがね。そういうことで私は聞いたのじゃないのですよ。  そこで、そういうふうに大臣も、これはその方針をやりたいとおっしゃるなら、この両社を合併させて、いわゆるほんとうの公社的なものにしようというお考えを持っておられるのか。それとも、全日空に国内航空路を全部まかせて、日航は国際航空路だけにするとか、こういうことなら、私は、この方針がずいぶん省けて、実現する可能性があると思うのです。ところが、実際文章を読んでみれば——この新聞の悪い点は、新聞を訂正してもらえば訂正してもらいましょう。ところが、文章が悪いということでなしに、この受けた印象というものは、飛行機も同じようにしなさい、そうすれば修繕は便利じゃないか、そうして飛行機の機種が同じになるならおのずから料金の問題もプールができるし、そうしたらいわゆる回数も両社で割り当てればいいじゃないか。要するに、航空機利用の旅客というものは、どっか交通公社なら交通公社があって、そうしてそこが何機には何名、何便目には何名ということで割当さえすればいいようなことになる。これは理想的な姿ですよ。ところが、今日、鉄道でもどこでもそんなことはできてはいないじゃないですか。これは非常にむずかしい問題だから、私は、これをやられるなら三年や五年のことじゃちょっと話はまとまらぬと思う。現在の自民党政府の政策というものが変わらない限りは、なかなかむずかしい問題じゃないかと思うのです。それを簡単に大臣は、これをやりたいと言われるから、私は驚いた。一体どういうふうにおやりになるのかと驚いたのですよ。
  67. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 私は、ただいま申しました通り、そういう方針が、日本航空界全体のために、そうしてまた、激しい国際競争場裏に日本が打ち勝つために、まずそういうことから一つ順次やっていきたい。ですが、それじゃしからば具体策はどういうようにやるかということは、ただいま申し上げられない、かように申しておるわけであります。
  68. 島上善五郎

    ○島上委員 関連質問。  これは私の記憶がはっきりしておりませんけれども、現在、国内航空で認可しておるものが二十をこえておるのじゃないかと思うのです。小さい、大きいはあるでしょうけれども、たくさんの航空会社があるはずです。しかもそのたくさんの航空会社の経営状況というものは、今後きわめて不安定な状況の中にあるのじゃないか。それで、私どもの考えからしますならば、これらに対してもこのまま放置しておくべきではない。現在もなお認可申請中のものもあるでしょうし、今後も設立しようとする会社も相当数あると予想されると思うのです。こういうものに対してもう少しちゃんとした方針が立てられて、考えられて、その一環として今これを打ち出したというならば、私どもそれはそれなりに理解できると思うんです。それに対しては、今研究中であるとか、いわば放任しておる状態で、この二つだけを取り上げておるということになると、航空に対する一貫した方針がないように思わざるを得ないんです。そのたくさんのきわめて不安定な状況の中にある国内航空に対してどういう考えを持っているか、もう少しこれは明確にしていただきたいと思うんです。
  69. 栃内一彦

    栃内説明員 ただいま御指摘になりましたように、確かに航空会社が二十幾つあると思いますが、現在議論になっております日本航空、全日空の問題とそのほかの問題は、もちろん密接な関係はございましょう。しかし、現在いわゆる路線をやっておる会社は六社でございます。これがいわゆるローカル的な航空をやっておるわけでございます。これとの関係は、もちろん今の議論になっております問題と関係はございましょうが、しかし、そのほかの飛行機あるいはヘリコプターをわずか持って、そしてこれによって水田における農薬の散布をするとか、あるいは遊覧飛行をするとか、こういう会社が多いわけでございまして、これらと日本航空、全日空の問題とは直接は関係がない、こういうことでございます。  なお、この小さい会社の経理状況というものは必ずしもすべてが良好というわけではございませんが、中にはいいものもございます。それから比較的苦しいというものもございます。これらはやはり今後の企業の努力によって十分新しい販路を開いていくということを努力中でございます。そういうことでございますので、二十何社あると申しましても、そのうちのいわゆる路線六社の問題と、今の日本航空、全日空の問題は、もちろん何らかの意味関係はございましょうが、そのほかのものとは直接の関係はない、かように考えておる次第でございます。
  70. 島上善五郎

    ○島上委員 それはわかりまするが、直接の関係はありませんけれども、たくさんの航空会社がある、観光をやったり農薬散布をやったりしている航空会社がある。私の聞き及んでいるところでは、どうも新しく認可する際にも、一定の明確な方針があってしているのかどうか疑わしいところがある。これはもう安定している会社も一、二あるかもしれませんが、私の聞き及んでいるところでは、大部分はきわめて不安定な状態にある。これに対して現在のまま放任しておいてよろしいものかどうか、今後の認可申請に対しても、やはり一定の方針があって、その基準に照らして認可をすることだと思いますけれども、こういう群小といっては失礼ですけれども、たくさんありまする国内航空に対する規制とか統合とか、そういうような方針が今日考えられているかどうか、その一環として今回打ち出しているのかどうか、その関係会社自体が、あるいは事業自体が直接の関係がないにしても、国内航空に対する一定の運輸省の方針があって、その一定の方針の一つとして今度打ち出されたものであるかどうか、もしそうだとすれば、その他の観光あるいは農薬散布をやっている航空会社に対しても、今後その方針に従って指導するなり何なりしなければならぬということに当然なると思うんですが、その点一つ……。
  71. 栃内一彦

    栃内説明員 ただいまの御質問のうち、いわゆる農薬散布あるいは遊覧飛行等をやっておる会社、それが、確かに苦しい会社もございます。それから今後免許申請というようなことも出てくる。現在出ておるものもございますが、今後出てくることもあり得ると思います。これは今、われわれは一定の基準に従いまして、たとえば資本的な力がどうとか、あるいは技術者が十分いるか、その他施設が完備しておるかどうかというような点はもちろん調べます。それから、その会社というか、新しく免許する場合に、はたしてその会社の事業もくろみがどうかという点も検討いたします。そこで、今後の免許といたしまして、われわれとしてはいたずらに数をふやすということはもちろん考えておりません。これはおっしゃるまでもなく過当競争になるのでございますが、しかし全然それでは今後一社も免許をせぬのかというようなことは、ここで申し上げることは不適当ではないか、しかし、考え方として、それほど野放図にやろうというようなことは考えておりません。
  72. 久保三郎

    久保委員 そこで、これは運輸大臣にお聞きするよりは、実務担当のあなたにお聞きした方がいいと思いますが、ただいままで全日空と日航の統一というか、そういうことが論議されておるのですけれども、今日ただいま過当競争に陥っているのかどうか、あるいは陥る傾向があるのかどうか、それはどうです。
  73. 栃内一彦

    栃内説明員 現在は必ずしもそこまでいっているとは思いませんが、このまま放置しておきますならばそういう弊害は起こるおそれがある、従ってそういうことになってはいかぬというふうに考えます。
  74. 久保三郎

    久保委員 このまま放置すればということでありまして、てっぺんから統一ということよりは、さらに過当競争を防いで、十分な輸送サービスを提供できるように指導し調整することの方が、まず先決問題ではなかろうかと思うのでありますが、これについてはすでに手を打っておられるわけでありますか。
  75. 栃内一彦

    栃内説明員 このいわゆる幹線における両社の運営をどのように調整していくかという問題につきましては、すでにもう去年の秋ごろからいろいろなところで議論されまして、それを受けまして航空審議会に諮問がされまして、答申が出たわけでございます。その中でも、やはり私が今申し上げましたように、このまま放置して勝手にやっておっては過当競争になるおそれもあるから、業者間の調整をやろうということで、その一環の考え方を受け継ぎまして、このたびの措置が講ぜられたわけでございます。決してこの考え方がやぶから棒に八月十五日に出たということではございませんわけでございます。
  76. 肥田次郎

    肥田委員 それでは、私は関連質問ですから、またいずれ本格的な質問をさせてもらうことにして、この点一つ確認して打ち切りたいと思います。日航の状態は、この前の事故のときに航空局から答弁があったように、あの事故を起こした飛行機の名前は忘れましたが、たまたま償却が済んでいる飛行機なんだ、こういうふうな答弁でした。要するに日航に関する限りはもう償却が済んだようなボロ飛行機——ちょっと語弊がありますが、これを使って、これは間違えたかどうかそんなことは知りせまんが、とにかく着陸しようとして、出ておった足を引っ込めて、そうしてひっくり返った、その飛行機がもう寿命がきておるのだ、ライフがきておるのだ、もう償却も済んでおる、こういうことがたしか答弁にあったと思うのです。私らが考えるのは、日航がいつまでもそんなボロ飛行機を使っているつもりはないでしょうが、もう今では日航の使っている飛行機と全日空の飛行機は格段の差がついてきておる。それを今後は飛行機の機種を同じにしようとか性能を同じにしようとかいう方針があるということは、日航の内容というものをうんと上げなければ追っつかないということになる。全日空を下げるわけにはいかないですよ。そうするとおのずから日航と全日空とを合併さすような構想があるのかということになる。国内線は全部日航にまかせて、そして少々規制があっても、政府の援助と両社一本になった姿の中から、合理的な経営の中から国際路線の赤を少しでも補っていこう、こういうふうな考え方なら私らも了承できるのですよ。ですから、要するに私が今申し上げたようなことを前提に考えていいのかどうかという安心感がないと、私はこのままで、大臣がおっしゃったようなことで、ああそうですかというわけにはいかない。そういうことなら、いずれわれわれも資料を集めて本格的な質問をさせてもらわなきゃならぬ。きょうは関連質問ですから、その点について今私が申し上げたような認識の範囲でいいのかどうかということだけお答えいただきたい。
  77. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 肥田さんの意見はよく私聞きまして、どうすればいいかということは、過当競争に陥らざるようにすることに努力するという、その目標を示したのでありまして、それに従って推進していきたい、かように考えております。合併とかそういうことについての段階ではまだないと思っております。
  78. 肥田次郎

    肥田委員 今の大臣の表現はちょっと弱いのです。目標なら、何もぎょうぎょうしく航空局長が両社の代表を呼んで、そうして運輸省はこういう方針だからということを示されるというのはどうなんでしょうか。そういうわけなら、もうただ単に一般にいうところの話の席で出る内容だと私は思うのです。しかし、この両社を呼んで、そしてこれだけのものを示されたということ、これだけのものを大新聞が取り上げたということは、いわゆる運輸省の基本方針ということでなければならぬ。基本方針である限りは、その奥にはそういう計画のものがない限り、これは荒唐無稽のものではありませんかという印象を受けるのです。だから、合併なんかは前提の条件でないということ——そういうものも含んでくるだろう、考えられるだろう、こういうふうに理解をしてよろしいですか。
  79. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 私がただいま申しました答え通りで御了解願えるものと思っております。
  80. 肥田次郎

    肥田委員 いずれあらためて質問することにいたします。      ————◇—————
  81. 木村俊夫

    木村委員長 船舶職員法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。肥田次郎君。
  82. 肥田次郎

    肥田委員 先般の進行状態は、要するに船員局長の考えておられる法改正の考え方と、それから郵政省の方の考え方とには相当食い違いがあるということを、私は質疑の中から感じたわけです。そこで、その問題は最後にこちらの方から申し上げるといたしまして、要するに将来の海運強化という本質的な問題について、これは先般もちょっとお伺いをいたしましたが、内容がやはり不十分であったと私は考えますので、海運強化のほんの一手段として今これをやったということならわかるけれども、その一手段として手をつける以上は、これから先の全体的な計画というものをわれわれはぜひ知らしてもらいたい。それはわれわれの考えていることと同じ方向なのかどうか、こういうことについて疑義がありますので、まずお伺いしたいと思います。  それは、将来の船腹の拡充ということについていろいろ言われておるように、船腹が足りないということ、これを拡充しなければ国際競争に負けるということ、その反面、各業者は、いわゆる多額の利息を持ってそれに追われておるというような状況の中で、現在のようないわゆる分立した船会社をそのまま放置しておいて、いうところの海運基盤強化という方策が成り立つのかどうか、こういう点についてまず基本的な考え方というものをお伺いしたいと思います。
  83. 辻章男

    ○辻政府委員 海運企業の基盤の強化につきましては、ただいま前国会より継続審議になっておりまする海運企業の整備に関する臨時措置法によりまして、大いに効果が上がるものと考えております。  なお、それに付加いたしまして、今後の新造船の建造等につきましても、助成の幅を厚くするように考慮したいというふうに考えております。
  84. 肥田次郎

    肥田委員 そんなもので簡単にいけるとは私は思わないのですが、もっと突っ込んでお伺いしますが、とにかくたしか一千億からの負債があるのですね。そうでしょう。そういう問題を抜きにして、いわゆる基盤強化ということはむずかしいと思うのですが、そういう議論はさておいて、計画の本質的なものとしてお伺いしたいのですが、さっき言った要するに企業整備、こういうふうなことについてはお考えがあるのですかどうですかということを、もう一度伺いたいと思います。要するに今の分立したままの状態で置いておくのか、それとも、船が足りなければ国が船をつくって貸してやろう、あるいはその船を公団が持っておって貸してやろう、こういうふうな思い切った海運強化の方策がとられるのかどうか、そういうようなことを将来考えておられるのかどうかということをまず聞きたいと思います。
  85. 辻章男

    ○辻政府委員 今後日本経済の進展に即応しまして、原材料の輸入の輸送に当たりますとか、あるいは製品の輸出に当たるような必要な船腹は増加さしていきたいというふうに考えておりますが、今お話がございましたように、そのために特に公団等の特殊機関をつくる考えは今ございません。
  86. 肥田次郎

    肥田委員 そうすると、結局いうところの海運政策というものは、運輸省が考えているのは、もう旧態依然として、現状のままを何とかかんとかやりくりしていけばいいという考えを出ないものかというふうにわれわれは理解をしていいのですか。
  87. 辻章男

    ○辻政府委員 現在の海運企業の基盤を強化いたしまして、それらが今後必要とする船舶の建造をなし得るような態勢に持っていきたい、かように考えておる次第でございます。
  88. 肥田次郎

    肥田委員 そういうことに対する具体的な指導といいますか、それはどういう方向になりますか。
  89. 辻章男

    ○辻政府委員 これは、利子補給会社に対しましては、常に監査をいたしておりまして、経理の妥当を保つようにいたしておりますし、また一般的な業務方面につきましては協調の方向に持って参りまして、過当競争を排除して、邦船が一丸となって外船に対抗し得るような態勢にいくように、絶えず行政指導をいたしておる次第でございます。
  90. 肥田次郎

    肥田委員 それでは、結局今われわれの方で受ける印象というものは、具体的ないわゆる強化政策というものはなかなかむずかしいので、当面のことだけに手をつけて、手をつけやすいところから手をつけて、そうして逐次——逐次ということはいつのことかわからぬけれども、基盤強化の方向に向っていく、方向だけはその方向に向ける。船のへさきはとにかく海運基盤強化という方向には向いておる、走っておるかどうかはわからない、こういうことに理解をしていいですか。
  91. 辻章男

    ○辻政府委員 先ほども申し上げましたように、現在継続審議になっておりますが、海運企業の整備に関する臨時措置法によりまして、抜本的に海運企業の基盤強化をいたしたい、また強化し得る、かように考えておる次第でございます。
  92. 肥田次郎

    肥田委員 海運局長、そういう抽象的なことでなしに、こういうふうにやるのだということを聞かせてもらいたいのですよ。措置法でやるのだと言うが、これから後にやる内容があるのですから、これによってこういうふうにやっていくのだということを聞かせてもらいたいのです。
  93. 辻章男

    ○辻政府委員 これは海運企業の整備に関する臨時措置法によりまして、政府においても助成をする。しかし、これは企業の徹底した合理化努力と、また関係いたします市中の金融機関の協力を前提として国が助成していこうという考えでございまして、各社におきます整備計画がどういう姿になってくるかということは、今後の問題でございます。ただいま御質問ございましたが、具体的な点を示せと言われましても、現在のところは、各企業についての具体的な内容を申し上げるような段階にはなっていないわけであります。
  94. 肥田次郎

    肥田委員 いわゆる具体的な方策がなしに、基盤強化などというようなことができるとは思えないのです。  そこで局長、この間の話の中にありましたが、船舶の運航は次第にオートメ化してきておるということで、人があまり要らぬようになるのではないかというようなお話がありました。これについては、世界的な傾向というのはどういう方向になるのか、これも一つ参考のために聞かしていただきたいと思います。私も船のことは全然わかりませんので、将来の方向というものをお伺いしておきたいと思うのです。たとえば、極端にオートメ化した姿の中では、荷物を積み込んで、船が出港して向こうの港に着くまで、一切無線操縦でできるような、そういうことを将来の方向として研究をしておられるのかどうか。これは一つわれわれ勉強したいと思いますから……。
  95. 藤野淳

    ○藤野政府委員 はなはだ技術的な御説明になるかと思いますが、船のオートメ化につきましては、最も組織的に、また大々的に研究しておりますのは、アメリカでございます。一九五八年に海事総合研究委員会を組織いたしまして、国内の科学者、技術者、経験者を集めまして、船舶の抜本的な、飛躍的な近代化を研究いたしまして、一九六〇年に、それを受けまして、アメリカのマリタイム・アドミニストレーションの中に研究開発室を設けまして、実施に移ろうとしておるわけであります。それによりますと、一九六三年、来年度でございますが、二十六人で動かす船、再来年度は十四人で動かす船を試作したい。試作費を国で出したいということでございます。ただいま肥田委員のおっしゃいました陸から無線操縦で人のいない船を動かすということは、もちろんこれは理想でございまして、将来はメガナイズド・シップということで、十人で動かす船をアメリカは一応の終局目標に置いておるようでございますが、当面十四人の船を具体的に建造する計画を持っておる次第でございます。また、イギリスその他欧州でも、海運経営上及び船員の需給の動向から、極力自動化、機械化いたしまして、運航コストを下げる、船を近代化するという計画を着々実施に移そうという気配が、非常に濃厚でございます。
  96. 肥田次郎

    肥田委員 その際、船舶局長、とりあえずそれに近づく方向としては、船員の待遇という問題については、どういうことが考えられておるでしょうか。
  97. 藤野淳

    ○藤野政府委員 船員の待遇につきましては、これは船員局の所掌でございます。しかし、私どもの考え方といたしましては、船員労働が、自動化、機械化によりまして、質、量、それから範囲、非常に変わって参りますので、これは船員局の方でそれの対策を十分考えていただくというつもりでおります。
  98. 肥田次郎

    肥田委員 私の聞いたのは、船員局長にやってもらうために聞いたのではないのです。今あなたが言われた、将来船が進歩する方向としては、究極の目標は無線操縦、そういうこともあるだろうとわれわれも思います。しかし、それまでにやはり乗員の船に乗っておる乗り心地といいますか、ここを職場として、ここで安心して仕事ができるというこの状態を考えた場合に、今日までのような人間が操作するために乗り込んでおるというのではなくて、船をすみかとして、そして船とともに生活ができるような方向に、将来の造船の方向が向かないだろうか。そういう方向に向いた後に、その究極の目標がいわゆる無線操縦、こういう順序になるのではないかという感じがするのです。ですから、私が聞いたのは、簡単な質問でして、少なくとも将来は、俗にいう船乗りの待遇は今までよりはずいぶんよくなるだろう、こういう方向に向かうのかどうか。そういう思想が、船をつくる上においてあるだろうということで、お聞きしたわけです。
  99. 藤野淳

    ○藤野政府委員 造船に従事しております技術者の目標と申しますのは、ただいま先生のおっしゃいます通りでございまして、技術を人間生活の向上に役立てるということが目的でございまして、たとい十人ならずとも、二十人、十四人になりましても、船内におきまして航海あるいはその他船内業務に従事いたしております乗組員の作業環境、あるいは生活環境その他は格段に向上いたしまして、非常に愉快な気持で船に乗り、作業ができるようにしたいというのが、われわれの考えでございます。
  100. 肥田次郎

    肥田委員 私は今二、三質問いたしましたが、それは皆さん方の専門家の中から、われわれがほんとうに将来に対して明るい見通しを持てるようなお答えがいただけるだろう、勉強する意味で聞いたのですが、これはこれくらいにいたします。  そこで海運局長船員局長に関連してお伺いしたいのですが、それは起こった事件は、北星海運が争議をやったときの問題です。そこで会社がとった処置として、こういうことがいわれております。会社は、争議の対策として、四千五百トンあるいは六千トンの船を沿海資格に切り下げて、無線局を休止して運航した、こういうことが載っておるわけです。そういう事実が行なわれておったかどうかということを一つお聞きしたいのと、それから無線局を自由に休止をして、そしていわば手続上はただ簡単に通知しておけば、無線局を休止して運航ができるのか。それからもう一つは、船舶の航海資格というものは、どのような手続をとって——そういうふうに単純に、争議対策と思われるような、いわゆる急遽そういう措置を講じて、そしてその船を就航さした、こういうようなことが、法的に可能だとするならば、どういう手段をとってやったのか。一つ説明をいただきたいと思います。
  101. 若狭得治

    ○若狭政府委員 北星海運株式会社が、通信士の獲得に非常な困難を来たしたために、その減員を行なう一つの手段として、近海区域の航行資格を有する船舶を沿海区域を航行する船舶として届け出まして、そうして、電波法及び船舶職員法によりますれば、沿海区域を航行する船舶は、船舶無線局を設置する義務はございませんので、無線局を閉鎖する。そのかわりに電話をつけたというような報告は参っておりますが、私の手元には、現在その資料を持ち合わせておりません。具体的に六千トンの船であったかどうかという御質問については、後ほどお答えしたいと思います。ただ、今御質問の中で、争議のときにそういうような状態があったというお話でございますけれども、これは争議とは全く関係はなかったというように記憶いたしております。
  102. 肥田次郎

    肥田委員 それは一つ調べて、そして私の方でも認識の間違いがあったらいけませんから、一つあとで報告をしていただくといたしまして、要するに、争議手段としてやったというのは、これは雑誌に書いてある文章の内容です。しかし、それはともかくとして、そういうような急遽航海資格を変更してやるというようなことは、届け出だけでいいわけですか。それから、そうすると、関連性が出て来まして、従来の無線局も、この船はついておるだろう、こう思っておったのに、無線局はその航海に限って休止されておった、こういうふうなことは、これもただ通告だけでいいのですか。われわれとしては、どうもそういうものは、簡単に自分の意思の通りにやっていいんだというふうな印象を受けるわけで、その点について一つあなたの方のお考え方を承りたいと思います。
  103. 若狭得治

    ○若狭政府委員 具体的な問題につきましては、これは船舶安全法に基づく手続でございますので、船舶局長からお答えしていただきたいと思いますけれども、根本的には、近海資格の船舶がその航行区域を非常に局限いたしまして、沿海近く、もっと危険性のない航行区域を常時航行する船舶になるわけでございますので、根本的にはむしろいろいろな安全設備が軽くなるという関係から、いろいろな手続が簡単になっておるわけでございます。
  104. 藤野淳

    ○藤野政府委員 航行区域が遠洋から近海、近海から沿海に軽くなります場合には、届け出でいいか、臨時検査をするかという問題でございますが、船舶安全法によりますと、その場合でも臨検をいたします。必要とすれば、軽減された装備を確認するといったような意味合いにおいて、臨検をする建前になっております。
  105. 肥田次郎

    肥田委員 船舶安全法の第四条という条文は、どうなっておりますか。
  106. 藤野淳

    ○藤野政府委員 船舶安全法の第四条は、「無線電信又は無線電話施設の強制」という内容でございます。お読みいたしますと、第四条は  左二掲グル船舶ハ電波法二依ル無線電信ヲ施設スルコトヲ要ス   一 遠洋区域又ハ近海区域ヲ航行スル総噸数千六百噸以上ノ船舶   二 遠洋区域又ハ近海区域ヲ航行スル旅客船(十二人ヲ超ユル旅客定員ヲ有スル船舶)   三 総噸数百噸以上ノ漁船   四 前各号ヲ除クノ外旅客船又ハ総噸数五百噸以上ノ船舶ニシテ国際航海二従事スルモノ これが第一項でございます。第二項は  「前項ノ無線電信ハ同項第四号に掲グル船舶(総噸数千六百噸以上ノモノヲ除ク)ニシテ旅客船二非ザルモノニ付テハ電波法二依ル無線電話ヲ以テ之二代フルコトヲ得」、第三項は「前二項ノ規定二依リ無線電信又ハ無線電話ノ施設ヲ要スル船舶ト錐モ航海ノ目的其ノ他ノ事情二依リ主務大臣二於テ巳ムコトヲ得ズ又ハ必要ナシト認ムルトキハ之ヲ施設スルコトヲ要セズ」、以上が安全法第四条であります。
  107. 肥田次郎

    肥田委員 そうすると、北星海運が沿海資格に変更してやったということは、抵触しないというのですか、抵触をするんですか。実情を調べないとよくわからないと言われれば、調べてもらえればいいのですが。
  108. 藤野淳

    ○藤野政府委員 沿海の貨物船につきましては、無線電信を強制いたしておりません。従いまして、第四条に触れないと思います。
  109. 肥田次郎

    肥田委員 海運局長、これはあなたがどうこうということでなしに、こういう事実があります。要するに、沿海資格に船を変えて、そうして会社が通信士を減らして、ともかく合法的に動かしたということは、こういうふうに、片一方は争議回避と見て非難しているわけであります。ところが、運輸省海運局では通信士合理化は口でいうのはたやすいが、容易に実現できるものではない。北星の今回の措置は高く評価する。一社がこうして先鞭をつければ、他社も見習うべきだ。海運界の自主的合理化として、世間にもアッピールすると思う」、これは「国際海運」という雑誌に載っていたものが「無線通信」というこの機関誌に載っているわけでありますが、海運局でだれがこういう表現をされたのですか。
  110. 辻章男

    ○辻政府委員 私はそういうことを申した記憶はございませんし、私の局員でそういうことを言ったということは聞いておりません。
  111. 肥田次郎

    肥田委員 そういういろいろな関係が出てきますが、これはどうだこうだということは、私はいずれあとから言いますが、それからわれわれが疑問にするのは、こういうふうに船舶安全法の第四条には抵触をしないというふうに、法のぎりぎりまでやったということは、これはりっぱな行為で、見上げたものだというように海運局からほめてもらったというこの船会社の行為が、実際はその船についてこういうことが言われておりまして、これは幌内丸の船内大会の決議として、いわゆる通信士だけではなしに、船内の大会の決議として、こういうふうに会社に訴えているという記事が載っておるのです。簡単に読みますと、「先般当社において沿海資格に格下げを断行したが、これは乗組員にとって極わめて重大な問題で、船舶の堪航性を保持し且つ人命の安全を保証する法的裏づけの引下げてあるので職場への不安となって私たちは相当の動揺をうけております。1 沿海といっても北海道航路は荒天濃霧台風という天候と常に斗わねばならない上に、小型船と異って避航も当然限定されてくるので船舶の資格も近海以上とする要素さえあるのであります。機関規則においても内燃機装備船として、当然備えつけるべきシリンダーカバー、ピストンをはじめ主要な備品及び道具類は殆ど不要となります。2 満載吃水線の抹消、過重積付を強いられる可能性があって船舶の安全を保障すべき根拠が法的になくなります。3 職員法上沿海資格千も以上は航海士、機関士各一名でよいことになっていますので、その定員にて航海するということも当然考えられます。」ここでは、いわゆる切り下げたためにいろいろな矛盾が出てくるということを訴えております。その次に、「近年殊に船舶の輻湊がはげしい日本近海で、遠洋大型船と何ら異ることなき四千も級の高性能船の装備人員を沿海として航行せしめることは安全を期しがたいのであります。」と、こうあります。それから、その次に、「無線電信は装備しなくても良いことになり、かりに本社の方針の如く第三種局乙とすれば通信士は一名で良いことになり、これは当然二十四時間執務でなくなることを意味し自船の安全航行に支障をきたすばかりでなく相互安全体制にも大きな影響を与えます。更にレーダー方探等の保守整備或は航行中起りうる故障の場合の修理等について支障を来たすことは明白です。」それからもう一つ、こういうことをやる前に、船会社としては、レーダーは、もう通信士が乗船していないのだから、その場合は、レーダーロッグブックには記載をしなくてもよろしい。それから、「SSB電話に関しては、通信士の乗船している船の電話機所管は無線部とする。通信士の非常船の船の電話機所管は甲板部とする。」要するに、SSB電話をこれにかえてつけたかわりに、これは要するに甲板におる者がこれを受けなさい、まあこういうふうに会社が指示しておる。ところが、そのあとでこういうことを言っておるのですよ。これもやはり船員大会の意向として、「無線業務については沿海資格船も公衆電報取扱所にするよう電々公社と委託契約を直ちに締結すること。」こう言っておる。要するに、このSSB電話をつけた場合に、電電公社とそういう委託契約というものを結ばないで、自由自在につけて、そしておれの方の船はこういうふうにして動くのだという任意の航行というものがこでは認められて、そうしてそれを海運局からほめられた、こういう結果をここに書いておるわけなんです。こういう事実について、海運局長、それから船員局長、これを御存じになっておりませんか。
  112. 若狭得治

    ○若狭政府委員 そういう事実は、承知いたしております。具体的に申し上げますれば、北星海運の問題につきましては、近海資格を持っている船でございますので、通信士の数は二名でよろしいわけでございます。電波法によりましても、船舶職員法によりましても、二名でよろしいわけであります。従いまして、十六時間の無線電信局の運用ということに法律上きまっておるわけでございます。そうしてあとの八時間は、この間から御議論がありますオート・アラームによって警急信号を聴守することになっておるわけでございますけれども、北星海運の問題につきましては、この一名をオート・アラームにかえるという問題について、具体的な交渉において通信士諸君との話し合いがつかなかったというために生じた問題であるというように、私は記憶いたしております。従いまして、その法律上の規定通りに乗船、配乗するということが、通信士諸君の同意を得られなかったということは、私は非常に遺憾なことであるというように考えております。しかしながら、会社が、そのために資格を変更いたしまして、せっかく装備してある無線局を閉鎖いたしまして、そうして電話に取りかえたということは、私は、必ずしも好ましいことではない、そういう事態が起きるのは、むしろ現在の法律に非常な無理があるからそういう事態が起こるのだ。従って、その需給関係を緩和し、同時に、北海道航路のような非常に近距離の船舶にも三名乗船させるというような情勢を、一刻も早く是正していただかなければならないというように考えておるわけでございます。
  113. 肥田次郎

    肥田委員 ここに訴えているのは、いわゆる海運局でほめられたというのは、もうぎりぎり一ぱいのところでお前のところはうまいことをやったというので、海運局の方からこの北星会社はほめられた、こういっておるのです。ところが、片一方は、ぎりぎりのところでうまいことをやったとほめられたけれども、実際に三十貫のからだを持っている者が十五貫のからだに急になったって、そのまま十五貫のからだで行動できはせぬじゃないか。三十貫のからだは、やはり三十貫の重量を持った行動しかできやせぬ。その結果、非常な無理ができたのだ、こういうふうに訴えておると思うのです。  それから、電電公社とのこのSSBの電話との関係というものは、これはこの文章によると、私もこれは全くしろうとでありますのでお伺いしたいのですが、勝手に設置をして、そうして連絡をしていいのですか。ここではすみやかに委託の手続をとってもらいたいという意見が出ておるわけなんですが、それを考えると、船の方では、SSB電話をくっつけて、そうして通信士をなくして、これはオート・アラームをつけている、つけていないということは言っておりませんからわかりませんが、要するに、電話だけで沿海航行をやろう、こういうふうにこの船では処置をとったように受け取れるわけなんです。その際に、郵政省としての見解は、これについて問題はないことになりますか。
  114. 三枝豊

    ○三枝説明員 この問題は、SSBの電話のサービスを現在電電公社がやっておりませんので、委託という問題は生じないわけであります。それで、実情は、小型船舶に対する海上の無線通信というものをいろいろ私どもの方で考えておりまして、その対策として、電電公社の電話のサービスを最近は計画しておりますけれども、数年前は、いろいろな都合で、現在論議されております五百KCの中波のサービスだけで十分であるということで、電話のサービスがなかったものですから、これを船舶会社が集まって無線電話の利用組合というものを形成させる、それによって一つの専用通信というような形でやらしておるというわけでありまして、ただいまお話にありました船は、多分どこか、たとえば現在北海道とか九州方面にあります。小樽とか、室蘭とか、青森とか、八戸とかいうところにあります。そういう小型の内航船無線利用組合の組合員に加入いたしまして、そのSSBの電話を利用するものだと思います。
  115. 肥田次郎

    肥田委員 要するに、私は、この海運関係に関する限りは、非常に大ざっぱないわゆる取り締まり法規しかないと思うんです。だから、そういう点では、その内容を一つ一つつかまえてこれがいいか悪いかということを私は言おうとは思いませんが、非常に大ざっぱだということだけはこれで考えられると思うんです。そこで、一般の取り締まりというよりも、指導方法として、船についてどういうふうにやっておられるかということを一つ聞きたいのです。それは、たとえば定期旅客船あたりになると、これは航路も一定しており、時間もはっきりわかっておる。欠航すれば、欠航して、これもあとであるけれども、通知がきてわかる、こういうことになると思います。しかし、それ以外の貨物を輸送する船舶になってくると、もう全くその自由意思で動いて差しつがないものか。そういう面について、何らかのいわゆる義務を持たしておるのかどうか。この点について一つお答えをいただきたいと思います。
  116. 若狭得治

    ○若狭政府委員 これは、船舶安全法によりまして、船につきましては、その船の資格あるいは航行区域によりまして、厳密な航行安全上の規則があるわけでございまして、これに適合しておりまする船につきましては、船主の自由意思によりまして、できるだけ合理的に配船するように考えておる次第でございます。特にそのためにどういう指導をするというようなことは、やっておりません。
  117. 肥田次郎

    肥田委員 もう一つ。そこで要するに、今私がお伺いしておるのは、その程度のものだろうと予想されるんです。予想されるから、なおこれは重大な問題になってくるんですが、旅客船とそれから貨物船の、安全法の中で言うところの監督、指導について二点だけお伺いしたいと思うんですが、貨物船について、積荷の制限というようなものについては、これは船に自主的にまかしてありますか。何らかの形でこれを時々検査するこういう方法をとっておられますか。
  118. 藤野淳

    ○藤野政府委員 船舶安全法に基づき、満載吃水線の標示を必要としない船舶につきましては、積み荷の制限は、船長の判断にまかせられておるわけであります。   〔委員長退席、高橋(清)委員長代理着席〕
  119. 肥田次郎

    肥田委員 そこでもう一つお伺いしたいのは、先般神戸港を出たところですか、そこで舞子丸が自衛艦と衝突をいたしました。そうして新聞では操法についての誤りだということが出ておりますが、これはさておきまして、私がここで問題にしてお伺いしておきたいのは、船は、貨物船であろうと旅客船であろうと、おのずから積荷の、いわゆる船の資格に応じたところの制限があるはずだと思うんです。貨物船はともかく、旅客船になりますと、必ずそれぞれの格に応じて何名々々といういわゆる定員数が書いてある。これがどのように守られておるかということ、それからこれはどのようにいわゆる検査をされておるかということ、これをお伺いしたいのです。たまたまこの舞子丸は、こういうふうにいわれております。海上保安部の方では、船舶安全法の中で常に警告しておった、三度も四度も関西汽船については警告をしておった、こういうことがいわれております。ところが、片一方ではそういうことにとんちゃくなしに、実際には舞子丸の定員は五百七十八名で、臨時定員としては九百七十人まで認められているが、千十九人を乗せていた。これは明らかに定員オーバーで、神戸海上保安部では、松井船長と関西汽船の関係者を船舶安全法違反の疑いで調べておるのだ、こういうふうにいわれておるわけなんです。問題は、監督の権限、監督の方法の問題と、それから船というものが、運輸省の全体の政策として、いかにも旧態依然として、少しのんびりし過ぎているのじゃないか、至るところで海難問題が起きて世論を騒がせておるにもかかわらず、依然としてこれを改めておらない、こういう問題が、たまたま舞子丸で事故があって、その事故が人命にまで及ばなかったからそのままで済んだけれども、もしこの千何十名乗っておる人が死んだということになってくると、これは大へんな騒ぎになってくる。世論がここに沸騰してくる。そういうことがあるにもかかわらず、こういう問題については、積極的に運輸省の海運政策の中で取り締まるという方法が、少しも具体的にされておらない、こういうことを私は感ずるのです。これは重大な問題ですから、今ここでわずかな答弁で満足するわけには参りませんので、もう十二時をだいぶ回っておりますから、一つ暫時休憩をいただきまして、そのあとでまたあらためてお答えをいただきたいと思います。
  120. 高橋清一郎

    ○高橋(清)委員長代理 内海清君。
  121. 内海清

    内海(清)委員 昨日ちょっと船舶局長に、この間実際船を調査においでになりましたときの問題で質問をしておりましたが、その点について、お願いしておいた点、御調査になりましたら、お聞かせいただきたい。その問題だけちょっと質問いたしたいわけであります。
  122. 若狭得治

    ○若狭政府委員 昨日御質問のございました問題の第一、那智山丸におきましてオート・アラームのテストを行なった場合に、アンテナをはずしてテストしておったそうであるけれども、それは事実かどうかということでございますが、その点につきましては、やはりアンテナをはずしてテストをしたということでございます。これは、私は専門的なことでわかりませんけれども、アンテナをはずさない場合には、警急信号が外へ出まして、近くの船が受信いたしました場合には混乱が起こってくるということで、テストの場合にはアンテナをはずして行なうのが常態であるというように聞いておるわけでございます。アンテナをはずしましても、はずさなくても、オート・アラーム自体の性能、作動には全く関係がないそうでございます。  それから岬丸のオート・アラームは、本年四月から一回も作動しなかったというが、その原因はどういうものであるかということでございますけれども、これにつきましては、確かに作動したという事実はないようでございます。その原因につきましては、いろいろな場合が考えられるわけでございますけれども、通常の場合におきましては、通信士が直接当直いたしておる場合にはオート・アラームを作動させておかないというのが常識でございます。ただ、国際条約におきまして、通信士が他の電波によって発受信をいたしておる場合には、オート・アラームを作動させておくというような関係がございますけれども、常態におきましては、通信士が勤務しておる間はオート・アラームははずしておくということでございます。  それで具体的に、当直の際耳で聞く場合には、SOSを何回か受信したけれども、たまたまオート・アラームにたよった時間には、全然警急信号というものがなかったという問題でございますが、これはたまたまその時間に警急信号を発したものがなかったものであるか、あるいは機械が何らかの故障を起こしておったものであるか、その点は明らかにすることはできませんけれども、われわれの今日想像できるところでは、現在の日本の船舶は、御承知のように、ほとんどの船舶が当直をいたしまして、二十四時間の船舶局の運用をいたしておるわけでございます。具体的な人間、通信士が乗り込みまして、耳で聞いておるわけでございます。御承知のように、オート・アラームは、SOS自体を受信する器械ではございませんので、SOSの前置信号でありますところの警急信号——きのう郵政省から御説明のありましたように、警急信号を受信する器械でございます。従いまして、日本近海においてほとんど大部分の船舶が常時耳で聞いておるという態勢にあります場合に、はたしてSOSを発信する船舶が、そのSOSの前置信号を発信して、しかる後にSOSを発信するというような措置をとったかどうかという点に問題があるのではないだろうかというふうなことが想像されるわけでございます。その点につきましては、国際条約におきましては、警急信号を発して、しかる後SOSを発信するというようにございますけれども、日本の現状から見まして、SOSを直接発信しても、ほとんど大部分の場合はそれで間に合う。間に合うがゆえに、そういうめんどうくさいといいますか、一分間ではございますけれども、SOSの前置信号というものを発信しないという例が、比較的あるのではないかという点が想像されるわけでございます。  なおもう一つ、きのう御質問のございました航行安全審議会の答申が出ない前に、法律案要綱というものを各方面に配付したというのは事実かどうかという問題でございますけれども法律案要綱という形式ではなかったと思いますけれども、今度の法律改正に関しまして、審議会の御意見だけではなしに、国会を含めまして、各方面の意見を事前にお聞きいたしまして、われわれの態度を決定する一つの参考とするために、いろいろな資料も配付いたしましたし、御説明もいたしておるということは事実でございます。
  123. 内海清

    内海(清)委員 最初の那智山丸のテストの場合に、アンテナをはずしてテストをやったのは事実であるということでありますが、アンテナをはずしてテストをしても、正常にこれが作動するということはまあ考えられるわけであります。しかし、オート・アラームのテストとしては、その使用状態においてテストをするのが正常なテストの仕方ではないか。テストの場合は、いつもアンテナをはずしてやるのだというただいまのお話でありますけれども、それでは私ちょっとうなずけない。つまりオート・アラームというものは、警急信号を受けることがその使命であります。でありますから、これがどこであろうと、常に発せられた場合には、その警急信号を受ける状態にあらねばならぬ。その点はいかがでしょう。  なお、郵政省関係も、その点はっきりしておりますれば、お教えいただきたい。
  124. 三枝豊

    ○三枝説明員 那智山丸のテストのとき、私所用がありまして同行しませんでしたから、その間の事情をよく存じませんけれども、アンテナをはずしてテストをしても、オート・アラームの性能の調査はできるわけであります。しかし、おっしゃるように、アンテナを入れておきますと、外からの空電とか、混信とか、そういうものと一緒にそのテスト信号が入りますので、その方がベターであることは事実でございます。航海中、日に一度テストをいたすことが義務的になっておりますが、これはそのたびにアンテナをおろしてテストするのではなくて、アンテナをつけたままやっておりますので、おっしゃるように、ちょっと船員局長お話と違うところがありますが、その点を申し上げます。
  125. 内海清

    内海(清)委員 これはアンテナをはずしてテストをしても、そのテストはできる、器械そのものはできることは当然であります。しかし、このオート・アラームの使命から申しまして、常に警急信号が受信できる状態においてテストをすることが原則でなければならぬ、私はかように思うのであります。そういうふうな状態を御視察になって、この法案に対しまするオート・アラームの問題を御論議になることはいかがか、私はかように考えるのであります。しかし、時間がございませんから、それはその点にとどめておきまして、なお岬丸の問題でございましたが、これは今局長のお話のように、私専門家によって調べましても、条約によりますと、警急信号を出して、それから二分置いてSOSを打つということが、原則のようであります。従って、この原則から申しますならば、SOSを受けたときには、その前に必ず同じ五百KCで受けるのでありますから、必ずこのオート・アラームというものにこれが入ってこなければならぬ、受信しなければならぬのが建前だと思うのでありますが、その点いかがですか。
  126. 三枝豊

    ○三枝説明員 今お話がございましたように、規則の上ではオート・アラーム、遭難信号を出す前には警急信号を出して一分間の間隔をおけとありますけれども、その必要がないと認めるときは、その警急信号及び一分間の間隔というようなことは省略していいということになっております。先ほど船員局長説明になりましたように、日本近海では、ほとんどの船が三直制をやっている。海岸局も常時ワッチをしておりますので、遭難のときに、その警急信号の一分間と、遭難呼び出しまでの一分間、合わせて二分、その時間はやはり貴重でございますので、そういうだれもが聞いているという状態においては、警急信号を出さない例の方が多いと考えられると存じます。
  127. 内海清

    内海(清)委員 この問題は、私の調査いたしましたものでも、条約の方はこれを必ずやれという強制はないようであります。日本近海においては、現在三人の人が乗っておるというふうな関係もありまして、今お話のようなこともあるかとも存ずるのであります。原則としては、必ずしもきのう局長のお話のようなことではない、かように私は考えておるのであります。  時間がございませんから、これもこの程度にいたしまして、なお審議会の答申以前に配られたということ、局長はそういう事実はないようなお話でございましたが、大体そういうことがあったということであります。この点は、私どもの承知いたしております範囲でも、昨年の九月二十五日、この日にそういうふうな事実が現実にあったということを私聞いておる。それはいろいろの方面の意見を聞くということがありますけれども、私の知っております範囲では、改正案要綱というふうなものが配られたということである。もし真実にこういうことであるならば、これは審議会を全く無視したものであって、重大な問題であると思うのであります。これは将来もなお問題になると思いますが、皆様お疲れのようでありますので、一応昨日の私の質問に対してのお答え、これを了承いたしまして、これで一応質問を打ち切ります。なお保留しておきたいと思います。
  128. 高橋清一郎

    ○高橋(清)委員長代理 休憩いたします。    午後零時五十三分休憩   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕