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国務大臣(安井謙君)
自治省関係の
昭和三十七年度
歳入歳出予算につきまして、その概略を御
説明申し上げます。
昭和三十七年度の
自治省所管一般会計予算は、
歳入三千四百余万円、
歳出四千五百六十七億二千七百余万円であります。
歳出予算では、前年度の当初
予算額三千六百十八億四千八百余万円に対し、九百四十八億七千九百余万円の増額となっております。前年度の第一次補正後の
予算額三千八百三十一億六千百余万円に対し七百三十五億六千六百余万円の増額となっております。
自治省所管歳出予算に計上いたしましたものは、自治本省及び消防庁の所管事務の執行に必要な
経費でありますが、以下そのおもなるものにつきましてその大要を御
説明申し上げます。
まず第一は、
交付税及び譲与税配付金
特別会計へ繰り入れに必要な
経費であります。その総額は四千四百八十二億二千百余万円でありまして、前年度当初
予算額三千五百六十六億一千百余万円に対して九百十六億九百余万円の増額となっております。前年度の第一次補正後の
予算額三千七百七十九億一千三百余万円に対して七百三億七百余万円の増額となっております。
この
経費は、
昭和三十七年度における所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の二十八・九に相当する額の合算額に、
昭和三十五年度における
交付税及び臨時地方特別
交付金で、まだ
交付していない額を加算した額を計上いたしたものでありまして、すべて
交付税及び譲与税配付金
特別会計へ繰り入れられるものであります。なお、地方
交付税の繰り入れ率は地方財政需要の増高に対処して地方自主財源の
充実強化をはかるため、
昭和三十七年度以降国税三税の収入額のそれぞれの百分の二十八・九とし、百分の〇・四を引き上げたのでありまして、これに伴い、臨時地方特別
交付金は廃止することといたしたのであります。
第二は、参議院議員通常選挙の執行に要する
経費であります。その総額は二十四億三千六百余万円であります。この
経費は、公職選挙法第三十二条の規定に基づいて、
昭和三十七年七月七日に任期満了となる参議院議員の通常選挙に要するものであります。
第三は、選挙の啓発
関係経費であります。
まず常時啓発に要する
経費でありますが、その総額は三億五千万円でありまして、前年度の三億円に比べて五千万円の増額となっております。この
経費は、公明選挙運動を強力に
推進し、国民の政治意識の
向上をはかるために必要な
経費であります。
次に、参議院議員通常選挙の公明化
推進費でありますが、総額一億円であります。この
経費は、参議院議員の通常選挙に際し、選挙が公明かつ適正に行なわれるよう選挙民に周知するに必要な
経費であります。
第四は、国有提供
施設等所在市町村助成
交付金でありますが、総額十二億円であります。この
経費は、国有提供
施設等所在市町村助成
交付金に関する法律に基づいて、国有提供
施設等の所在する都及び市町村に対し
交付するものでありますが、三十七年度は前年度に比べて二億円の増額をはかったのであります。
第五は、奄美群島復興
事業関係経費であります。まず、奄美群島復興
事業費でありますが、総額十四億四千九百余万円でありまして、前年度の十四億一千五百余万円と比べて三千三百余万円の増額となっております。この
経費は、奄美群島復興計画に基づく
昭和三十七年度分の
事業を
実施するために必要な
経費及びその
運営に必要な人件費等であります。
奄美群島復興計画は、
昭和二十九年度から
昭和三十八年度までの十カ年計画で、国費百二十一億一千八百余万円をもって、同群島の復興をはかるため、公共土木
施設の整備、
産業の振興等総額二百十四億一千九百余万円の
事業を行なおうとするものであります。本
事業は順調な進捗を見せ、逐次その成果をあげて参りましたが、
昭和三十七年度末における
事業の進捗率は、国庫補助
事業の計画総額に対し約八八%に達する見込みであります。
次に、奄美群島復興開発
融資基金
出資金に必要な
経費でありますが、その総額は六千万円であります。この
経費は、奄美群島における
産業振興に必要な金融の
円滑化をはかるため、奄美群島復興信用基金に対する追加
出資に必要な
経費であります。奄美群島復興信用基金は、創設以来、その目的達成のため
努力をしておりますが、群島
経済の復興をはかるには、なおその
資金に不足しておりますので、
明年度においても追加
出資をしようとするものであります。これにより同基金に対する
昭和三十七年度末における
政府の
出資総額は三億二千万円となります。
第六は、公共土木
施設及び農地等の小災害地方債の元利補給に必要な
経費でありますが、総額八億九千六百余万円で、前年度の三億七千五百余万円に比べて五億二千余万円の増額となっております。この
経費は、
昭和三十三年、三十四年及び三十六年の各年度における公共土木
施設及び農地等の小災害にかかる地方債について
昭和三十七年度分の元利償還金相当額を
関係地方公共団体に
交付するために要するものであります。
第七は、地方財政再建
促進に必要な
経費でありますが、総額二億五千余万円で、前年度の四億九千三百余万円に比べて二億四千二百余万円の減額となっております。この
経費は、財政再建債に対する再建の指導及び財政再建団体が起こしました財政再建債に対する利子補給を行なうために必要な
経費であります。前年度に比べて大幅な減額となっておりますのは、財政再建が順調に行なわれ財政再建債の償還が進みましたのに伴い利子補給金が減少することによるものであります。
第八は、固定資産税特例債の元利補給に必要な
経費であります。その総額は三億九千四百余万円で、前年度の二億一千七百余万円に比べて一億七千六百余万円の増額となっております。
この
経費は、地方財政法の規定に基づいて、固定資産税の制限税率の引き下げに伴う減収補てんのための地方債について、
昭和三十七年度分の元利償還金相当額を
関係市町村に
交付するために要するものであります。
以上のほか、住所表示
制度の整備を
促進するため一千八百余万円を計上しておりますが、これは、町名地番
制度審議会の答申に基づいて、住所表示
制度を
合理化し、国民の日常
生活の便益を
増進するため、新住所表示
制度を実験的に
実施するために要する
経費であります。
さらに、新市町村の
建設を
促進指導するための
経費として三千三百余万円、新
産業都市の
建設を
促進するため地方開発関連調査費として一千余万円、辺地
地域における公共的
施設の総合整備を
促進するための
経費として八百余万円、地方公務員の新退職年金
制度を
実施するための
経費等を計上しております。
また、固定資産税の評価
制度の改正、地方公務員の新退職年金
制度の
実施等に対処するため、定員を十八名
増加いたしております。
なお、
予算計上の所管は異なっておりますが、当省の事務に
関係のある
予算といたしまして、公営
企業金融公庫の経営基盤を
充実するために必要な
政府出資金を増額するための
経費三億円が別途
大蔵省所管産業投資
特別会計に計上されております。これにより
昭和三十二年度以来の公営
企業金融公庫に対する
政府出資金は二十四億円になります。
以上が自治本省
関係の
一般会計予算の概要であります。
次に消防庁の
予算の概要を御
説明申し上げます。
まず第一は、消防
施設整備費補助に必要な
経費でありますが、総額七億円で、前年度の六億八千万円に比べて二千万円の
増加となっております。
この
経費は、消防
施設強化促進法に基づき市町村の消防
施設整備費及び都道府県の消防学校
設置費に対して補助するために要するものであります。
昭和三十七年度におきましても前年度と同様消防ポンプに対する補助の増額を主とし、消防力の
近代化を一そう
促進する所存であります。
第二に、退職消防団員の報償に必要な
経費でありますが、総額六千九百余万円であります。この
経費は、消防団員が多年勤続して退職する際に、国としてその労苦を謝するための報償を行なうものであり、前年度とほぼ同額を計上しております。
第三に、消防団員等公務災害補償責任共済基金の補助に必要な
経費でありますが、総額五千六百余万円で、前年度の二千二百余万円に比べて三千三百余万円の増額となっております。この
経費は、消防団員等公務災害補償責任共済基金法に基づき基金が
実施する公務災害補償に要する
経費及びその事務費に対し国庫が補助を行ない、基金の円滑な
運営をはかるために要するものであります。
第四に、消防吏員及び消防団員に授与する賞じゅつ金に必要な
経費でありますが、総額一千万円で新たに計上されたものであります。この
経費は、消防吏員及び消防団員が一身の危険を顧みないで職務を遂行して、死亡または不具廃疫となり、特別の功労があった場合に警察職員に準じ、賞じゅつ金を授与し、その功績を賞揚しようとするものであります。
そのほか、災害
予防宣伝
事業等を
日本消防協会に委託するために要する
経費として一千四百万円を計上いたしました。
次に
特別会計予算の概要を御
説明申し上げます。
自治省関係の
特別会計といたしましては、
大蔵省及び
自治省所管交付税及び譲与税配付金
特別会計だけでありますが、本
会計の
歳入は四千八百五億九千七百余万円、
歳出は四千七百九十四億六千百余万円でありまして、
歳入は
一般会計から地方
交付税
交付金及び臨時地方特別
交付金の財源として受け入れられる収入、地方道路税法及び特別とん税法の規定に基づき徴収する租税収入、
交付税及び譲与税配付金
特別会計法の規定に基づき前年度の決算上の剰余金の見込み額を本年度において受け入れる収入その他であります。
歳出は、地方
交付税
交付金、臨時地方特別
交付金、地方道路譲与税譲与金、特別とん譲与税譲与金として、各法律の規定に基づいておのおの定められた地方公共団体に対して
交付または譲与するために必要な
経費その他となっております。
以上
昭和三十七年度の
自治省関係の
一般会計予算及び
特別会計予算につきまして御
説明いたしました。何とぞよろしく御
審議のほどを御願い申し上げます。
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