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政府委員(三輪良雄君) 実は今私の仕事としては所管でございませんけれども、しかしながら私も実は一年半前に神奈川県の本部長で、第一線の経験をいたしまして、ほんとうに今お話のようなことを承ると、いても立ってもいたたまれない気がいたすくらいでございます。実は私も第一線の本部長といたしましては、小さい
事態を軽視してはいけないということを、私は着任の第一に要望いたしまして、そういうつもりでやったのでございます。したがって決して
警察がこういうものを取り合わないという態度でやっているとは思いませんし、一生懸命やっているのであります。ただいまお言葉の中に言いわけもあるだろうということもございまして、決して言いわけのつもりではございませんけれども、私はその当時この問題について
感じましたことでございますが、一つはこれは検挙いたしまして、まず
裁判に送るわけでございますけれども、そういう際にただいまの
裁判の手続が御
承知のように公判中心でございますので、そこへ被害を受けた方々が行っていただくということが、これきわめて大事なことでございます。実は例はこの球根のような場合とは違いますけれども、どうしてもそういう話を聞いて、やりたいという
事件で、一人やってくれるといいますか、公判に出て述べてくれるという方がありました。そして
裁判までいきましたところが、どうしてもその
証人尋問の日に出てこない、やはり
考えてみたらどうもやめておこうという話になるということで、実はなかなかこういう
事件としてけりがつかないことが実情でございまして、よく新聞にも最近出てございますけれども、終電車で何人かが一人の酔った人をなぐっているのを、五十人も六十人もいる人が見て何にも手を出さないというような状態が、実は
事件を立てようといたしましても、ぜひやってもらいたいがおれは出ない、だれかほかの方で
事件をひとつやってくれないかということを皆さんおっしゃるのでございます。これはしかし
警察の立場では、被害者が協力してくれないから、こういうささいな暴力
事件というものがあとを断たないと言う、被害者のほうでは
警察が十分やってくれない、保護してくれないからこわくて言えないじゃないかという悪循環になっておりまして、これもどちらが立つかというと
警察が立つほかないのであります。したがって、当時一生懸命やりましたことは、出ていただくということとともに、いわゆるお礼参りその他の被害者あるいは
証人などの保護という点についても、できるだけ具体的に言いまして、地元の交番から必ず毎日そこに御連絡に行って、何か変わったことがないかということを必ず言いなさいというようなことまで言って、全県とはいきませんが、所によっては、それじゃあひとつ今までやられたことを話そうかというようなところが、ぼちぼち地区によっては出てきていただいたことを記憶いたしておるのであります。
それから第二の白タクの問題でございますけれども、これも実は神奈川で手をやいた問題でございます。一部には実は白タクのほうがかえって安くていいじゃないかとか、普通の円タクが乗車を拒んだりするのに白タクはやってくれるから、ああいうものは何も一生懸命やらなくてもいいのじゃないかというようなことを言う向きもむしろありました。それより何より、実はあれを検挙いたしましてもこれは
事件として立てることはきわめてむずかしいことでございます。あのときおりましても、実は尾行し、乗り込んだところに行ってそのお客さんに、——実はあそこは共済組合という形でやっておりましたが、ほんとうにあなたは組合員なんですか、ただ円タクのかわりに乗ったんですかということを確かめて、実は何百人もの方をそうやってお調べをして、これまた出ていただくことを皆さん御迷惑がっておりましたけれども、その一つの組織の何人かの運転手を送りましたけれども、これがなかなか
裁判で、はかが参りません。そのものズバリでいける
取り締まり法規が実はきわめて不備なわけでございます。しかしながらそうは言いましても、根気強くそういうところに
警察官が出張って、少なくとも無理やりに乗せるというお言葉がございましたが、そういうことがあってはならないし、できる限りやはりそういうところには、手が足りないとはいいながら、外勤
警察官を派遣をいたしまして、制服
警察官がいるということで予防できるという、せめてそういう
効果はねらうべきだと私も思います。決して口頭でここでいいかげんなことを申すというつもりではなくて、私自身も
警察官の一員として、そういうことを何とかしてなくしたいという念願で常時おるのでございます。ただいまのお言葉につきましては、私も誠意を持ってなおこれが実効が上がりますように、
関係当局にも働きかけるつもりでおるのであります。