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政府委員(高木広一君) お答え申します。ただいま
大臣から
お話しになりましたように、われわれといたしましては帰国せられました移住者、引揚者をあたたかく迎えて、そうしてこれらの人が
日本において更生し得るように、前向きにいろいろの援助をしたいという
考えで各省協議いたしまして、これらの移住者が横浜に上陸せられましたときに、まず労働省
関係で帰国移住者の就職についての希望をお伺いいたし、できればその場でできるだけ就職についてきめる。なおそれできまらない場合には、郷里に落ちつかれた上においてその土地の職安で就職についてのお世話をする。これは労働省は非常によくやっていただいておりまして、われわれ外務省
関係者としては非常に感謝している次第であります。それから農林省も帰国移住者につきましては外務省と同様に大きな責任を感じておりまして、農業に定着する人に対して農林省としてはできる限りの援助をするということで、国内開拓入植についての融資
制度がございますが、これの適用、さらには従来農業拓殖基金というのがございまして、海外に移住するための金融あるいは保証をしておったのでありますが、これを、帰った人に対しても一家族三十万円まで必要な融資に対する保証をする、その他農林省の力の範囲における各種の移住者
協力措置を講じるということになっておりまして、個々には農林
関係等にすでに御相談になっている向きもございます。また、
国民金融公庫の活用につきましても大蔵省とも相談いたしまして、銀行局長から
国民金融公庫総裁に、ドミニカ移住者に対しては特別に好意的に取り計らうようにという指令も出ました。これにつきましては
関係県及び
地方海外協会が移住者を手引きしながら各地の商工
会議所あるいは県の商工課、これらのところで御相談にあずかりながら必要な融資について
協力する。これは法律上は一応百万円ということになっておりますが、大体炭鉱離職者並みの扱いがされる。そういう点でまあ人為的保証だけで融資されるということになると、三十万円以下というように伺っております。これは実際その具体的な計画の指導、そして確実な計画を作り出すことの御
協力は大事なことだろうと思います。
そのほか労働省
関係では雇用促進公団、就職がきまった場合に、これに対する職業訓練、あるいは訓練を受けるための手当、あるいはそれらのための手当というようなものが与えられるということになっております。
それからさっき
大臣がちょっと申されました住居の件でございますが、さしあたっては、あるいは親戚にあるいは県の住宅にお入れするということもございますが、大体百二十家族くらい帰ってくるということでございますので、われわれのほうといたしましては建設省にお願いいたしまして、三十七年度の第二種公営住宅の中からドミニカからの帰国者のために百軒イヤマークをしていただくということになりまして、建設省からも各
地方にそのことが通達されております。すでに神奈川、静岡、福島その他の県からドミニカ移住者のための第二種公営住宅の割当につきまして、現在伺っているところでは二十二件ばかり申し出があるというふうに聞いております。
それから、その他われわれといたしましては、海外から帰った移住者の手を引きながら前向きで更生にできるだけ御
協力したいと思っておるのでありますが、帰られて早々でもございますし、気分の転換という点で、なかなかいろろい就職の問題なんかを申し上げましても、それに決断がつかない、あるいは長崎の例でございますが、就職がきまって、最初でございますから給料も大したことはございません、二万一千円の口があったところが、それで
自分は満足できないものだから、病気というようなことで東京までおいでになって、またうろうろしておられるというようなケースもございます。帰られた方の気持からすれば、それもやむを得ないことだと思います。われわれといたしましては、できる限り移住者の気分を尊重しながら、更生について御
協力したい、こう思っておる次第であります。