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国務大臣(中村梅吉君) 都心部を通らないで通過できるような
道路としましては、現在
昭和三十九年までに完成を目途といたしまして環状七号
道路を整備建設中でございます。なお並行しまして、この外側にできる環状八号
道路を昨年以来、
相当大規模な予算を投じまして羽田の空港をスタートに、現在建設を開始しておるわけでございます。なお、そのほかに京浜地区から
千葉方面に通行するものが、東京湾の
関係でどうしても都心を通ります。この都心通過を避けるためには、海のほうに別の
道路を作ることが考えられますので、これは東京都と相談いたしまして、今漁業
補償の折衝中でございますが、これがまとまりましたならば、東京湾の整備の一環としまして、百メートルくらいの
道路を防災的な使命と双方にないまして、江戸川方面から蒲田方面に直通するものを作りたい。行路の点は地下道にするか橋にするかは研究中でございますが、そういうふうにいたしたいと思っております。
グリーン・ベルトの問題は大きな問題で、ロンドンでニュー・タウンを作り始めましたときは、その周辺にグリーン・ベルト地帯を作りまして、国費で用地買収して確保したのでありますが、
日本で首都圏整備が始まりまして衛星都市圏の建設を始めました際に、私
ども在野中でございましたが、国費によって要所々々を買収して、グリーン・ベルト用地を確保する必要があるという主張を持っていたのでありますが、これは膨大な経費を要しますので、
日本の現状としては、とうてい実行することが不可能であるということで、今日まできております。そこで首都圏整備
委員会としましては、できるだけ既成市街地の外側に大学の運動場、会社の運動場あるいは適当な寮等を建設してもらうように行政指導をいたしまして、極力そういう方面は緑で確保をいたしたい、こういう
程度で進んでおるわけでございます。
それから、例の既成市街地の大都市再開発問題懇談会の問題は、実は現状で放置することはとうていできませんので、私は就任いたしまして以来、省内の担当局に命じまして、既成市街地の再開発はどうすべきであるかということを、いろいろな角度から各般の資料を集めまして検討を命じてやらせております。
一例をあげますと、東京都には、たくさんの都市計画
予定路線の決定が都市計画審議会できまっておりますので、これが全部完成すれば、
日本の
道路はすばらしいものになるのでありますが、しからばこれをやりましたならば、どれくらいの経費がかかるか。二年前の積算では一兆五千億、二年おくれた今日では二兆円をこえるだろう、だろうでは困るのは、煮詰めた数字を出すと、それが可能であるかどうか。それがむずかしいとするならば、もっと金をかけないで、二階建
道路などの工夫をして交通をさばく道はないか。その他、だんだんベッド・タウンが遠くなりまして、輸送が非常に麻痺
状態にありますので、既成市街地を、もっと合理的に高度利用をして開発したいし、あわせて公共用地を生み出すような道を講じたらどうか。一連の試みとして最近まとまってきましたものとして、半蔵門から四谷見附までの間を三十メートル以上の
——三十二メートルにきまりましたが、
道路をあけまして、両側を高層建築にして、げたばき住宅を建てるというのが一つまとまりまして、これは都市計画審議会に付議されました。これに類似する方法がいろいろ考えられますので、事務当局で検討しておりますが、事務当局だけでやるということは、独走のきらいがありますので、近来各大学にも、都市問題研究の学者が非常にたくさんできましたが、これらの方々にお集まりをいただいて、御意見を十分伺い、討議をしていただいて、世間も納得し、非常にもっともだと思われるようなものをひとつ生み出してみたい、こういう努力を払う道として、実はそういう懇談会組織を作りまして、近々のうちに、第一回会合をいたしましてスタートをいたしたい、こう思っておるような次第でございます。
道路の堀り返し問題は、これは全く非難の目標でございます。大体都内の
道路が、国道も若干ございますが、都道及び区道でございますので、それに電話線、電気、水道、ガス等が入っておりますので、それらの
道路占用機関が、必要があって掘るわけでございますが、これにつきましては、最近、東京都の
道路管理部に
関係機関の協議会を作らせまして、そしてできるだけ統一的に掘るようにということで相談をし、また、二、三年先に掘る
予定の施設の
状態のものに対しては、一個所が掘るときには繰り上げて同時施工をしてもらうというような打ち合わせ機関を作りまして、ひとつ一ぺんこの整備が済んだら、これからは、ばらばらな掘り返しはさせないようにということを今進めておるわけでございます。
一方、最近非常に掘り返しが多いのは、舗装が、
昭和三十四年以降の舗装は非常に完全舗装になってきましてよろしいのでありますが、それ以前にできました舗装は
——東京あたりの早く舗装のできました所は、ほとんど全部でございますので、まあ至るところしわがあり、ひびがあり、凹凸がありますので、これをオリンピックまでに主要
道路は、最近の完全舗装に置きかえようということで、都のほうも熱心にやっております。国のほうもそれを督励してやっておるわけでございます。そういう
関係で、主要
道路につきましては、埋設物の
関係のほかに、舗装の完備ということのために最近非常に工事が多いわけで、一そう目立っておると思います。
われわれとしましては、世間の非難をできるだけないようにしていきたいということのために実は苦労いたしておるわけでございまするが、今後も御意見を尊重いたしまして十分配慮いたしたいと思います。