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矢嶋三義君 財政需要と言いますがね、
総理、あなたは幸運でもありますよ。三十六年度に自然増収が約二千三百二十億円、三十七年度は四千七百五十億円、それから地方財政
計画におきましても、当初
予算に対して三十六年度千三百五十億円、三十七年度約千三百億円、そうして
予算規模は三十六年度二四・四%、また三十七年度は二四・三%で、財政投融資
計画におきましても、たいへんな伸びです。三十六年度に二二・七%、三十七年度に一七・九%、こういう増額をはかられておるわけです。その結果として昨年度に、実にドルを十億ドル食いつぶしたわけですね。これは
木村委員も指摘しましたが、十億ドル。そうして物価を一〇%程度上げたわけでしょう。これは金融財政政策としては大失敗ですよ。これは昔の政友会、憲政会当時だったら、当然政変ものだと思う。不幸にして
日本社会党が十分の力を持っていないものですから、政変は起こらないですけれ
ども、これは
政治家として、
池田さんは責任を持たなければならない。しかし、それは過去のことは言いません。ところが今後の問題としては、先ほど藤山さんがちょっとなにしましたが、三十七年度のこの
計画見ましても、ずいぶんとずれてきているわけですね。全く馬車馬のように進んでいこうとするわけです。あなたの自信と高姿勢はいいけれ
ども、その結果が、あるいはビルマ賠償の再検討、タイ特別円の有償が無償に、あるいは日韓会談が、あちら側は八億ドルといっている、一説によると、幾ら悪くても
政治折衝で三百六十億円下っちゃ問題にならない、こういっている。さらに
アメリカのドル
防衛政策への協力とか、あるいは貿易自由化に対する他国の働きかけとか、あなたの自信と高姿勢というものは、こういう点に出てきているわけで、実際
国民の低所得層というものは生活に苦しんでいるわけですからね、こういう点、十分御注意いただかなくちゃならない。
で、私はもう経済演説からいって、修正されるべきだ、それから、何らかの深い配慮をされる必要があると思うのですが、これの
答弁と、それから最後に、
総理と
大蔵大臣にお伺いしますが、それは、いずれかの数字が狂ってくると思う、どの数字が狂うとお
考えになりますか、よく聞いておってお
考え願いたい。三十六年度の自然増収二四・四%、経済成長率は前年には実質九・二%見込んでいる。三十七年度の成長率はその半分、五・四%見込んでおる。ところが
予算模規は、先ほど申し上げましたように、三十六年度二四・四%の伸びと匹敵する二四・三%であると見て、そうして財政投融資
計画においても一七・九%の拡大をしている。そうして一方では金融引き締め堅持をやっている。そうしながら税の自然増収見込みは実に二八・六%見ている。そうして設備投資も三十六年度の三兆八千億に対して、三十七年度はほとんど変らない、約三兆七千億円というのを見ている。そして先ほど指摘されたように、鉱工業生産指数は五・五、こうなっている。これはつじつま合わんですよ、これら、今並べた数字はつじつま合いません。だから、この
予算をあげて、三十七会計年度、これを運用していったら、どの数字かが著しく狂ってくると思う。私の
見通しでは、結論としては、輸入がふえて、そうして外貨の危機という形で出てくるであろう。とても総合収支じり一億ドルなんかでは片づかない。その結果というものは、大衆に対して大きなしわ寄せがきて痛めつけられるであろう、この点、私は予見いたしております。あなた方は、私の今申し上げた数字のどこに一番狂いがくるとお
考えになって、
国民のために、どういう施策を警戒しながらやっていかれるか、そういうことを伺います。できれば政権を渡していただくと都合がいいと思いますが、それは無理でしょうから、その点、
お答えいただきたいと思います。