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木村禧八郎君 時間がなくなりましたので、最後にお伺いしますが、日本の重要市場である東南アジア市場、これについては二月七日の
閣議ですか、OAECの問題が話し合いされたように新聞で見たわけです。
池田さんは、東南アジアの共同市場の問題について話された、あちらに行きまして
お話されておるように伝えられておりますが、このOAECについての考え、
総理はどういうふうにお考えになっているのか、この
見通しです。それがまあ第一点です。
それから最後に、今後の
経済の
見通しについて伺っておきたいと思うのです。
経済企画庁長官はおりませんので、これはまたあとで伺いますが、
政府は大体今後、本年の六月、七月ごろまでは生産は下がっていく、七月ごろ底をついて、そうして回復
過程に転ずるというような
見通しのようであります、三十七
年度の
経済見通しによりますと。私は逆に見ておるんですが、この点
政府と非常に違うのでございますが、特に
総理の御所見を承っておきたいと思うのです。これは重大な問題だと思うのです。三十七
年度の大型
予算を組んだ結果として、それから選挙対策もあって、私は金融を締めるったって、そんなに締められないんじゃないかと思う。これから買いオペもやって参りますが、私は一−三月は危機は起こらないと思います、手当をしますから。参議院議員選挙前はあまり
政府は金融面において引き締めはできない。
予算面においても大型
予算を組んでおるわけです。国民所得に対して一六・九%、一七%
予算を組んでおる。そこで上期において私はそんなに不景気にならない。三月決算はそんなに悪くはない。そのかわりに下期に行ってこの反動が来るんではないか。下期に行って
国際収支は
政府の予想するように、私は一億ドルなんという赤字にとどまらぬのじゃないか。もちろんこれは在庫の問題もあるわけでありますけれども、そうして結局私は下期において、七月、八月ころになると、三十七
年度の
国際収支は予想よりもかなり悪化してくる
見通しになり、したがって金融をうんと締めなければならない、
予算も大型
予算を組んだけれども、千億くらいはこれは
繰り延べなければならない、こういう事態が私は来るのではないか。ですから、私はむしろ逆に下期に非常なデフレ政策をとらなければならない事態が来るのではないか。そして
池田内閣は借金政策、ボロウイング政策で一応つないでいく。しかし、ボロウイング政策でつないでいっても、アメリカの借金によってつないでいっても限界がありますから、私は下期になってかなり強いデフレ政策をとらざるを得なくなる。そうなると日本の
経済自体は非常に深刻な事態になるのではないか。またIMFから借金をするとしても、その借金を返さなければならないのでございますから、三億五千万ドル借金をするのなら、それだけ輸出をふやさなければなりませんから、
昭和三十四、五年と違って、そんなに私は貿易の黒字は急速に生じないと思うのです。輸出をふやそうと思うならば、輸入をふやさなければならない。そんなに急速に私は黒字はふえない。また
国際収支の赤字もかなり長期的に続くのではないか、そういうふうに私は見るのでありますが、この点私は
政府の見方と逆なんです。
政府は上期において景気はずっと下がって、鉱工業生産も下がっていくと言っております。私はむしろ下期に問題があるのじゃないか。参議院選挙のために、参議院選挙対策としてそんなに引き締め政策はとれない、そして放漫
予算を組んだ、その反動は下期に来るのではないか、こう思うのでありますが、この点について
総理の御所見を最後に伺いまして、私の
質問を終わります。