○説明員(
上田明信君) 商法の一部を改正する
法律案の条文について、御説明申し上げます。
株式会社の
計算規定で改正されました部分は、第二百八十三条第一項、第二百八十五条、第二百八十五条ノニから第二百八十五条ノ七、第二百八十六条ノニ、第二百八十六条ノ三、第二百八十六条ノ五、第二百八十七条ノニ、第二百八十八条、第二百八十八条ノニ第一項第三号、第二項、第二百九十条第一項、第二百九十三条ノ五であります。
まず、
株式会社の計算に関しまして、
流動資産、
固定資産、
金銭債権、社債その他の債券、株式その他の出資及びのれんの各評価、並びに
繰り延べ資産、
準備金、
引当金、利益の配当、
財産目録及び
付属明細書について、現行の規定を改め、または新たに規定を設けることにいたしました。なお、同じく
物的会社である
有限会社についてもこれらの規定を準用するのが適当でありますので、この
法律案の附則で
有限会社法の一部を改正して、そのことを規定いたしました。
以下説明の便宜上、必ずしも条文の順序を追わず、まず
株式会社の
計算関係から始めて、各
項目ごとに
該当条文を読み上げまして御説明申し上げることといたします。
まず
流動資産の評価について御説明申し上げます。これは第二百八十五条ノ二の規定でございます。
現行法では、
流動資産の評価について、
決算期における価額、いわゆる時価をこえることができないこととする時価以下主義の立場をとっているのであります。そのため、広く
評価益の計上を認めることとなり、また恣意に多額の
評価損を計上することも可能となる結果になっているのであります。そこで、この
法律案においては、
流動資産の評価は、原則として、
取得価額または
製作価額によることとし、いまだ実現しない利益、すなわち
評価益の計上を禁じて、いわゆる
原価主義を採用することとしました。しかし、時価が原価より著しく低くなった場合においても、なお、
原価主義を貫くことは、
資本維持の原則上妥当ではないので、時価が
取得価額または
製作価額より著しく低いときは、価額が
取得価額または
製作価額まで回復する見込みがある場合を除き、時価を付さねばならないことにしました。なお、同時に、時価が
取得価額または
製作価額より低いときは、時価によるものとする低
価主義をも認めたのでありますが、これは、低
価主義が、慣行として行なわれているからであります。したがって、
流動資産の評価については、結局、
原価主義と低
価主義との選択を認めたことになるわけであります。
次に、
固定資産の評価について御説明申し上げます。これは第二百八十五条ノ三の規定でございます。
固定資産の評価については、
現行法の解釈には疑義がありまして、見解が分かれております。そこで、この
法律案では、会計の理論及び実際に合わせて、
固定資産の評価は、原則として
取得価額または
製作価額によることとし、毎
決算期に相当の
減価償却をしなければならないこととし、
固定資産については、
評価益の計上を禁止することにしました。これは、
固定資産は、元来売却を予定しない資産であるからであります。
次に、
金銭債権の評価について御説明申し上げます。第二百八十五条ノ四の規定であります。
現行法では、
金銭債権の評価についても解釈上疑義があります。この
法律案では、
金銭債権の評価は、原則として、
債権金額によることにしました。
取得価額によらないことにしたのは、
会計実務の慣行を尊重したのであります。しかし、債権を
債権金額より低い代金で買い入れた場合、その他相当の理由がある場合、たとえば、
無利息債権のような場合には、
債権金額から相当の減額をした価額によることができることとして、債権の実質的な価額によることができる道を講じたのであります。なお、
金銭債権について取り立て不能のおそれがあるときは、
現行法の解釈としても、取り立てることができない
見込み額を減額しなければならないのであるが、この
法律案ではこのことを明文で明らかにしたのであります。
次に、社債等の評価について御説明申し上げます。これは第二百八十五条ノ五でございます。
現行法では、社債の評価については、時価をこえることができないとし、
取引所の相場のある社債については、その
決算期前一月の
平均価額をこえてはならないこととしています。この
法律案では、社債の評価についても、原則として、
取得価額によることにいたしました。ただ、社債の価額は、通常、
償還期限が近づくに従い高くなり、あるいは低くなるもでありますから、
取得価額と社債の金額が異なるときは、相当の増額または減額をすることができることとしました。
取引所の相場のある社債の評価については、この相当の増額または減額をすることができる点以外は、
流動資産の評価と同様であります。
取引所の相場のない社債の評価については、その時価が明らかでないので、取り立て不能のおそれがあるときは、
金銭債権と同様、取り立てることができない
見込み額を
取得価額から減額しなければならないことにしました。なお、国債、地方債その他の債券、たとえば、電電債などの評価については、当然のことでありますが、社債の評価と同様にいたしました。
次に、株式その他の出資の評価について御説明申し上げます。これは第二百八十五条ノ六の規定でございます。
現行法では、株式の評価については、社債の評価と全く同様に定められております。この
法律案では、株式の評価についても、原則として
取得価額によることにいたしました。株式のうち、
取引所の相場のある株式の評価は、
流動資産の評価と全く同様にいたしましたが、
取引所の相場のない株式及び
有限会社の社員の持ち分、その他出資による持ち分の評価については、その時価が明らかでないので、
債権者及び企業の保護のために、
発行会社の
財産状態が著しく悪化したときは、相当の減額をした価額によることにいたしました。
次に、のれんの評価について御説明申し上げます。これは第二百八十五条ノ七の規定でございます。
現行法では、のれんの評価については、明文の規定がなく、解釈上疑義があります。のれんは、財産としての価値があるのであるが、この
法律案では、これを有償で譲り受け、または合併によって取得した場合に限り、その
取得価額を付すことができることといたしました。みずから有償で創設したとき、あるいは無償で取得したときは、通常合理的な評価額を付することは困難であり、また、恣意に評価する危険も多いので、これらの場合には、資産としての計上を認めないことといたしました。なお、のれんは、資産としては、不確実なものでありますから、その取得後五年内に毎
決算期において
均等額以上を償却しなければならないものといたしました。
次に、
繰り延べ資産について御説明申し上げます。これは第二百八十六条ノニ、第二百八十六条ノ三、第二百八十六条ノ五、第二百九十条第一項の規定であります。
現行法では、
繰り延べ資産として、
設立費用、
社債発行差金、
建設利息及び
新株発行費用の四種だけを資産として認めているにすぎませんが、現在の
企業会計の理論上から、あるいは
会計実務の必要から、
繰り延べ資産の範囲を拡張すべきであるという要望が多かったのであります。そこで、この
法律案では、これらの要望にこたえまして、
開業準備のために支出した金額、新製品または新技術の研究、新技術または新
経営組織の採用、資源の開発、市場の開拓のために特別に支出した金額及び
社債発行のために支出した金額を
貸借対照表の資産の部に計上することができるものといたしました。しかし、
社債発行費用以外のこれらの費用を何らの制限なしに、資産とすることは、その金額が巨額になることもあるので、不確実な巨額の資産を認めることになり、また、会社が恣意に多額の
繰り延べ資産を計上する危険もありますから、
資本維持の原則との調整が必要になるのであります。そこで、これらの
繰り延べ資産を計上することを認めるとともに、配当の制限をする規定を設けました。すなわち、これらの
繰り延べ資産の
合計額が
資本準備金及び
利益準備金の
合計額をこえる場合においては、その
超過額は、
配当可能利益の計算の上では、これを資産としないことにいたしました。さらに、この
法律案では、これらの
繰り延べ資産は、不確実な資産であるので、開業後またはその費用の支出後五年内に、毎
決算期において、
均等額以上を償却しなければならないものといたしました。また、
社債発行費用は、
新株発行費用に準じ、原則として、
社債発行後三年内に、毎
決算期において
均等額以上を償却しなければならないものといたしました。
次に、
準備金について御説明申し上げます。まず
評価益についてでありますが、これは第二百八十八条ノ二第三号の規定であります。
現行法では、一
営業年度における
財産評価益よりその
評価損を控除した額を
資本準備金とし、資産に対する
控除項目として配当を制限しておりますが、この
法律案のもとにおいては、
評価益は生じないことになるので、右の規定を整理したのであります。
合併差益についてでありますが、これは第二百八十八条ノ二第二項の規定であります。
現行法では、合併により消滅した会社より承継した財産の価額が、その会社より承継した債務の額、その会社の株主に支払った金額及び合併後存続する会社の増加した資本の額または合併により設立した会社の資本の額をこえるときは、その
超過額は、
資本準備金となります。そのために、合併後は、
利益準備金の
積み立て必要額の増加または
任意準備金の減少を来たし、
配当可能利益が減少することになり、また契約に基づいて積み立てられた
任意準備金が消滅することになって、実際
上不都合が生じております。そこで、この
法律案では、この実際上の不都合を除くために、
合併差益のうち、
消滅会社の
利益準備金及び
任意準備金に相当する額は、これを
資本準備金とせず、これを
存続会社または
新設会社の
利益準備金または
任意準備金とすることができる道を開いたのであります。
利益準備金についてでありますが、これは第二百八十八条の規定であります。
現行法では、資本の四分の一に達するまで毎
決算期の利益の二十分の一以上を
利益準備金として積み立てなければならないことになっておりますが、この毎
決算期の利益の意義については疑義があり、見解が分かれております。そこで、この
法律案では、
利益準備金として資本の四分の一に達するまで、株主に対する現金による配当額の十分の一以上を積み立てなければならないものとし、疑義が生ずることを避けたのであります。
次に、
引当金について御説明申し上げます。これは第二百八十七条ノ二の規定でございます。
現行法では、いわゆる
負債性引当金について規定を設けていないのであります。
負債性引当金というのは、将来における特定の支出に対する
準備額であって、その負担が
当該事業年度に属し、その金額を見積もることができるものというように説明されていますが、その内容は、必ずしも明確とは言えないのであります。また、法律上債務でない
見越し費用を負債とすることについては、理論上疑義がないわけではないのであります。しかし、会計の理論及び実際の面から、
負債性引当金を認めるべきであるという要望が多いのであります。そこで、この
法律案では、この要望をいれ、特定の支出または損失に備えて
引当金を
貸借対照表上の負債として計上するこができる道を開いたのであります。しかし、この
引当金は、その範囲が広く、また
経理操作に利用されやすい項目でもあるので、
株主総会で
計算書類の承認をする際に、
引当金の目的を明らかにしておく必要上、その目的を
貸借対照表において明らかにしなければならないこととし、また、この
引当金を目的外に使用するときは、
損益計算書において、その理由を明らかにしなければならないことにいたしました。この
引当金の項目は、株主の利益に関することでありますから、この項目の内容を株主に知らしめることによって株主の保護をはかる趣旨であります。
次に、利益の配当について御説明申し上げます。これは第二百九十条第一項の規定であります。
現行法では、
配当可能利益につき、損失を填補し、かつ
準備金を控除した後でなければ利益の配当をすることができないと規定していますが、規定の表現が明確を欠くので、この
法律案においては、株主に配当し得べき利益は、
貸借対照表上の
純資産額から資本の額、その
決算期までに積み立てられた
資本準備金及び
利益準備金の
合計額並びにその
決算期に積み立てなければならない
利益準備金を控除した額とし、さらにこれにさきに説明いたしました
繰り延べ資産を計上した場合の配当の制限の規定を加えたのであります。
次に、
財産目録の除外について御説明申し上げます。これは第二百八十三条第一項の規定でございます。
現行法では、
財産目録を
株主総会に提出してその承認を得なければならないことになっていますが、
財産目録は、非常に大部なものであり、またこれを総会に提出させる実益も少ないので、この
法律案では、
財産目録を
株主総会に提出すべき
計算書類から除くことといたしました。しかし、
財産目録を作成しなければならないことは、
従前どおりであります。
次に、
付属明細書の
記載事項について御説明申し上げます。これは第二百九十三条ノ五でございます。
現行法では、
取締役及び
監査役に対する報酬は、定款または
株主総会の決議で定めることになっていますが、定款または
株主総会で定められた報酬額の支払いに関する
報告規定がないので、この
法律案においては、これを
附属明細表に記載せしめることにいたしました。
以上は、
株式会社の計算に関する
改正規定の説明であります。
以下、
株式会社の計算に関する規定以外の部分について御説明申し上げます。
まず、
合名会社の社員等の出資の登記について御説明申し上げます。これは第六十四条第一項第四号の規定でございます。
現行法では、
合名会社の社員及び
合資会社の
無限責任社員の出資の目的、その価格及び
履行部分を
登記事項としているが、これらの社員は、会社の債務につき
連帯無限の責任を負うのみならず、出資の払い戻しも自由にできるのであるから、右の事項を登記する実益が乏しいので、この
法律案においては、
登記事項としないことにいたしました。
次に、
合併財産目録等について御説明申し上げます。これは第九十九条の規定でございます。
現行法では、合併または
資本減少の決議後二週間内に
財産目録及び
貸借対照表を作成しなければならないことになっています。これは、
債権者を保護するための規定と思われるのでありますが、二週間内に作成することは事実上困難であり、また
債権者には強力な異議を申し立てる権利があるので、この
法律案においては、この
作成義務を強制しないことにいたしました。
次に、
合併等に対する
異議申し出期間について御説明申し上げます。これは第百条第一項の規定であります。
現行法では、合併または
資本減少の場合における
債権者の
異議申し出期間は、二月を下ることを得ないとしていますが、二月以上というのは長きに過ぎるので、この
法律案では、これを一月以上と改めることにいたしました。
次に、
合名会社等の
清算結了の登記について御説明申し上げます。第百十九条ノ二の規定であります。
現行法では、
合名会社及び
合資会社の
任意清算の場合に、
清算結了の登記をする規定がないから、登記簿上清算が結了しているかどうかが明らかでないので、この
法律案においては、
清算結了の登記をすることにいたしました。
次に、支店の所在地について御説明申し上げます。これは第百六十六条第一項第八号、第二百六十条の規定であります。
現行法では、
株式会社の支店の所在地は定款の
記載事項となっているが、支店の設置、移転及び廃止等は、現段階においては、会社の
業務執行として
取締役会の
決議事項とするのが妥当であると考えられるので、そのように改めたのであります。
次に、
払い込みの
取り扱い場所について御説明申し上げます。これは第百七十五条第二項第十号、第四項の規定であります。
現行法では、株式の
払い込みを取り扱うべき銀行または
信託会社の
払い込み取り扱いの場所は
株式申込証の
記載事項になっているが、
株式申込証の小型化に伴い
取り扱いの場所を記載することが無理になってきたので、これを改めることにし、この
法律案においては、
取り扱いの場所を
株式申込証に記載しない場合には、
株式申込証を交付する際に、
払い込みの
取り扱い場所を記載した書面を交付しなければならないことにいたしました。
次に、
取締役等の登記について御説明申し上げます。これは第百八十八条第二項第七号、第八号の規定であります。
現行法では、
株式会社の
代表取締役以外の
取締役及び
監査役についても、その氏名及び住所が
登記事項になっているが、この登記はさしたる実益がない。しかし、
代表取締役以外の
取締役及び
監査役の登記を全く廃止するのも行き過ぎであるので、この
法律案においては、
登記事務の簡素化及び
登記申請人の
負担軽減のため、
代表取締役以外の
取締役及び
監査役については、氏名だけで、住所の登記はしないことにいたしました。
次に、所在不明の株主について御説明申し上げます。第二百二十四条ノ二の規定であります。
現行法では、会社が株主または
質権者に対してする通知または催告が株主または
質権者の所在不明により長期間にわたって到達しない場合でも、通知または催告を省略することができないことになっています。この
法律案においては、
株式事務の合理化の必要から、
株主名簿に記載した株主または
質権者の住所またはその者が会社に通知した住所にあてて発した通知及び催告が引き続き五年間到達しないときは、会社は、その者に対する通知及び催告をしないことができることとし、また配当金の支払いその他その者に対する会社の義務の履行の場所を会社の本店とすることにした。しかし、これがために、株主または
質権者の
権利自体が消滅するわけではありません。
次に、新株の
効力発生日について御説明申し上げます。これは第二百八十条ノ九第一項、第二項の規定であります。
現行法では、
払い込みまたは
現物出資の給付をした新株の引受人は、
払込期日から株主となることになっているが、この「
払込期日から」という意味について疑義があるので、これを「
払込期日の翌日から」と改め、
新株引受人が株主となる時期を明確にいたしました。
次に、社債の登記について御説明申し上げます。これは第三百五条、第三百四十一条ノ三、第三百四十一条ノ四の規定であります。
転換社債以外の社債の登記はしないものとしたが、その理由は、社債の登記をすることが会社及び登記所にとって非常に大きな負担となっているにかかわらず、実際上の必要性がきわめて乏しいからであります。
次に
株式併合等の場合の
株券提供期間について御説明申し上げます。これは第三百七十七条第一項の規定であります。株式の併合または分割の場合において、株券を会社に提出すべき期間は、
現行法では三月以上となっているが、長きに過ぎるので、一月以上ということに改めました。
合併等に対する
異議申立期間を短縮したのと同様の趣旨であります。
次に、合併の場合の
貸借対照表の備え置きについて御説明申し上げます。これは第四百八条ノ二、第四百九十八条第一項第二十号の規定であります。
現行法では、
合併契約書承認のため
株主総会の決議に加わろうとする株主が、合併の
相手方会社の
貸借対照表を閲覧しようとしても、
相手方会社の株主または
債権者でなければ、
相手方会社において閲覧することができないことになっているので、自己の会社において、
相手方会社の
貸借対照表をも閲覧できるようにするため、
合併当事会社は、
合併契約書承認のための
株主総会の会日の二週間前から
相手方会社の
貸借対照表をも本店に備えて置かなければならないこととし、株主及び
債権者は、その
貸借対照表の閲覧及びその謄本または抄本の交付を請求することができることにしたわけであります。なお、この規定に違反して
貸借対照表を備え置かないときは、過料の罰則があります。
次に、その他の規定について御説明申し上げます。まず、第百二十三条第二項、第百三十四条の規定についてであります。
合名会社及び
合資会社の清算人の登記及び
清算結了の登記の
登記義務者は、非
訟事件手続法で定めることにしたための整理であります。
第百四十三条については、
合名会社の
任意清算の場合に
清算結了の登記に関する規定第百十九条ノ二を設けたことに伴い、会社の帳簿及び清算に関する
重要書類の
保存期間の始期を
清算結了の登記の後と改めたのであります。
以上のほか、この
法律案で改正をした規定が若干ありますが、いずれも、以上で述べた改正に伴う条文の字句の整理でございます。
次に、附則について申し上げます。この法律は、あらかじめその内容を国民に十分周知させるとともに、施行前から新法に改めるための準備をする余裕をも与えておくことが望ましいので、第一条で、
施行期日を昭和三十八年四月一日と定め、また、旧法から新法への移行を円滑にするため、第二条から第十二条までにおいて所要の
経過規定を置いたのであります。
なお、この法律の施行の際現に存する
株式会社の計算について、この法律の施行後直ちに
改正法を適用することは、一定の手続を経て行なわれる会社の計算という事務の性質からみて適当ではないので、この法律の施行の際現に存する
株式会社のこの法律の施行後最初に到来する
決算期及びその以前の
決算期に関する
計算関係は、なお従前の例によることといたしました。したがって、たとえば、
決算期を三月末日と九月末日とする年二期の
決算期の会社では、この法律の施行後最初に到来する
決算期は昭和三十八年九月末日でありますが、この九月末日の
決算期に関する計算についてはなお改正前の法律に従うこととなり、
改正法の規定は昭和三十九年三月末の
決算期に関する計算について適用されることとなるのであります。
第十三条から第四十九条までは、いずれも商法の改正に伴って関係法律に必要な整理を加えたものであります。