○田中啓一君 ちょっと関連して。たいへんきょうは
農協というものの本旨につきまして、私もどうも戦後の
農協人にしましても
役所にしましても、何やら非常にマンネリズムに陥りまして、もっともっと
農協というのは本質的に
考えて
発展方向にあるものじゃなかろうかと思っておったのでありますが、そういうような面に対して一条の清風を送り込んでくるような御
質問でございままして、非常に私は傾聴いたしておったわけでございますが、そこで私も似たようなことで
考えますのが、今出ました、たばこ耕作
組合というものが
農協法とは別の
法律でできている、やっとることは今の流通だの、あるいは
生産物資材の共同購買、販売というようなこと主として流通面だということは
意味は同じようなわけです。一体そういうたばこを
生産をする点に特別のところがあるということであれば、果実
農業協同組合と同じようなことだろうと思うのです。あるいはずいぶんあります酪
農協同
組合というようなもの、開拓
農業協同組合というようなもの、ほとんど同じものだろうと思う。どこも違わぬのじゃないかと思う。それが一体別の
法律でできておって全く
農協一般の監督官庁とは離れて、行政の
指導監督を受けておるということもおかしいのじゃないか、こういうように思うわけです。それから、今日の問題で、一番みんなが往生している建物共済の問題、さらに私は建物共済の問題が起きたのは、作物共済の問題から起きたわけなんであります。これは純然たる共済
事業であります。ただ事の必要上、半ば強制設立、強制加入の点が設立自由加入の
農協法とは違っておるということで、別種の
法律を立てて、そうしてやってきたものでありますから、もともと
農協がよろしく二枚看板をかけてやっておったものが、だんだんわかりかかってしまって、そこへ同じ
事業を初めたということで、まことに今困った問題を起こしておるわけです。それからもう
一つ考えますのは、
農協の
事業というところに、明らかにその五号に、「
農業の目的に供される土地の造成、改良若しくは管理又は
農業水利施設の設置若しくは管理」、こういう
事業が掲げられておるのであります。これはおそらくもとの
産業組合法にはどうもなかったんじゃないかというような私は気がするんですが、とにかく現行法には初めから入っております。実はこういうことになっておるけれども、土地改良をやる場合には別に土地改良区というものを作ってやるのを
原則としていっておるわけでございます。他のものをやれぬわけではもちろんないわけでありますが、非常にそれはもう実際は
例外的になっている。もっともこれも強制加入という面がありますので、
農業協同組合では不適当だと、こういうことであろうと思います。しかし、今後排水あるいは激減のでき上がってしまってからの管理というようなことを
考えますると、実は今後は田畑輪換だとか、あるいは輪作だとか言われて、これはもう農作業そのものに、営農そのものに非常に密着をしてくるわけであります。このような団地においては、今年は牧草を作ろう、二年作ったら、今度はすき起こして稲を作ろう、そうすると水が多量に要る。牧草を作るときには水は要らない、こういうようなことでございままして、ほとんどもう営農そのものと非常に密着してくる。それから今度は
農業協同組合の中か、厳密にいえば、それは
農業協同組合ではないのかわかりませんが、
農業協同組合法の中に
農事組合というものができまして、
農業経営つまり
協業経営をやる、こういうのが出てくると、これはどうもそこに水の管理を移してやらぬと、まことにうまくいかぬのではないかというような気もいたしております。しかもそういうような面だけ部落単位の
農事組合でやったらどうか、こういうようなことで非常に入り組んでおりまして、密接な連関が出てきているのじゃないかと思う。零細
農業から脱して適正規模な多角
経営にいく、それを補うのに協業
組織をもってする。こういうことは明らかであるわけであります。先ほど安田さんから
お話がありましたように、
農業基本法の目的に沿って一斉に何もかも立ち上がっていく、こういうようなときになりますと、あっちの団体だ、こっちの団体と言ってはまことにわずらわしい話で、しかも
事業をやれば、
資金は個々の農家があっちにもこっちも出さなければならぬ。役員もあっちにもこっちにもできる。まことに不思議なもので、団体ができると、団体そのもののために他の団体と一致ができないというようなことも出てくるわけです。でありますから、私は今すぐどうするということは、だれも見解が立つわけではないのでありますから、まさにこれらの
農業団体というものの全体について基本法の線に沿って
整備を企ててしかるべき
段階になっているのではないか。何かちらちら新聞に出たのを見ますと、
金融面だけは、何か
農協からやや離れるようなことも
考える人もあると、そう新聞に出ている。私はこういうときですから、いろいろなことを
考えて下さるのは、当然なことで、皆が
考えるのはよろしいと思うのでありますが、とにもかくにも何もかも一ぺんこういう団体に関すること、
組織に関することを、私はここで根本的に検討して、それぞれ必要な程度においてやっていくというようなことを
考えるべき時代じゃなかろうかというように思われますが、これをもう
一つ、幸い農地局長などで、やっぱりそういうことについては
関係者に違いございまませんから、両方からひとつお答えを願いたいと思うのであります。