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1962-02-06 第40回国会 参議院 農林水産委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月六日(火曜日)    午前十一時十六分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     梶原 茂嘉君    理事            石谷 憲男君            櫻井 志郎君            安田 敏雄君            森 八三一君    委員            植垣弥一郎君            岡村文四郎君            木島 義夫君            仲原 善一君           小笠原二三男君            北村  暢君            戸叶  武君            藤田  進君            天田 勝正君            千田  正君            北條 雋八君   政府委員    農林政務次官  中野 文門君    農林省農林経済    局長      坂村 吉正君    農林省農地局長 庄野一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   説明員    水産庁漁政部長 林田悠紀夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十六年五月の風害若しくは水  害、同年六月及び十月の水害、同年  七月、八月及び九月の水害若しくは  風水害又は同年八月の北美濃地震に  よる災害を受けた農林水産業施設の  災害復旧事業等に関する特別措置法  の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○昭和三十六年五月、六月、七月、八  月及び九月の天災についての天災に  よる被害農林漁業者等に対する資金  の融通に関する暫定措置法適用の  特例に関する法律の一部を改正する  法律案内閣提出衆議院送付) ○農地開発機械公団法の一部を改正す  る法律案内閣送付予備審査)     —————————————
  2. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた農林水産業施設災害復旧事業等に関する特別措置法の一部を改正する法律案閣法第五号)、及び、昭和三十六年五月、六月、七月、八月及び九月の天災についての天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法適用特例に関する法律の一部を改正する法律案閣法第一六号)の二案を一括議題といたします。  これら二案は、去る二月二日衆議院から送付せられ、本委員会に付託されました。なお、二案についての提案理由説明は、去る二月二日すでに聴取済みでございます。本日補足的説明並び関係資料が提出されましたので、その資料について説明を聞くことといたします。農地局長
  3. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 前回に引き続きまして補足説明を申し上げたいと思います。  お手元にお配りいたしました改正案新旧比較のところを見ていただくとよくわかるかと思いますが、今回の改正案は、昨年の、三十六年の五月から十月の七日までに発生いたしました風水害並び水害並び北美濃地震と、そういったものにつきまして特例法が実施いたされておるわけでございますが、十月に入りまして、十月の八日から十月末までの間に台風二十四号、台風二十六号といった風水害並び水害発生いたしまして、その被害が激甚でございますので、特例法災害指定に十月末までの水害及び風水害を入れるというのが、今回の特例法改正案趣旨でございます。  そういうことで新旧比較表の第一条がこの風水害水害指定でございますが、旧のほうは「十月上旬」これは十月七日までの水害でございますが、それを「十月の水害若しくは風水害」ということで、十月一ばいの風水害というふうに特例法適用されるように改正いたしたい、こういうことでございます。それが第一条の改正でございます。  それから第一条の中に、一項の一号、二号、三号、四号こいうところで、これは新旧比較表の二枚目の裏でございます、「十一月一日から十二月三十一日まで」というのが、前回は十月七日までの風水害特例法指定されて特別助成対象になるということになったわけでございますが、今回は、改正いたしますと、十月末日までの災害特例措置対象になる、こういうことになりますので、前回は十月七日の翌日の十月八月から十二月末日まで、こういうふうになっているのが、「十一月一日から十二月三十一日までに発生した災害による被害に限る。」こういうふうに、十月一日からと災害指定することに関連いたしまして特例法暫定法関連における規定を直したわけでございます。  それから次に、第二条の改正でございますが、第二条は四枚目の裏でございます、一項が「開拓地における住宅農舎畜舎及び鶏舎」二項が「開拓地における農業者共同利用に供する施設及び政令で定めるもの」第三項が「水産動植物養殖施設政令で定めるもの」こういうふうになっておるわけでございますが、一項、二項の「開拓地における住宅農舎畜舎及び鶏舎災害並びに「開拓地における農業者共同利用に供する施設及び政令で定めるもの」につきましては、十月の風水害査定を精密にいたしましたところ、十月については、特例法該当被害発生いたしておりませんので、十月については、この開拓地において住宅なり農舎なりあるいは共同施設なりというものについての適用を除く、ころいうふうに、特例法該当災害がありませんので、明確に規定いたしたわけでございます。それから第三項の「水産動植物養殖施設政令で定めるもの」につきましては、「政令で定める地域発生した昭和三十六年九月及び十月の風水害又は十月下旬の水害」ということで、第二室戸台風以降の災害特例法適用に相なりますので、査定の結果、そういうことにはっきりいたしましたので、三十六年の九月及び十月の風水害または十月下旬の台風二十六号の水害による水産動植物養殖施設特例法対象になるということを明確にしたわけでございます。それが第一条、第二条の本文の改正案でございます。  それからもう一度、こう資料をめくっていただきまして、附則改正をいたしております。附則の第二項でございますが、一枚目の裏の附則というのがございますが、特例法附則に二項を追加したわけでございます。これは非常に長く書いてございますが、改正前の特例法は、暫定措置に対する特例法は、昨年成立して一応施行になったわけでございまして、それで前の災害では五月から十月の七日までの災害については改正前の特例法が施行されておりまして、それで十月に入りまして、八月以降十月末日までの間に台風二十四号、二十六号と災害が参ったわけでございまして、それで今度改正するわけでございますが、その十月における台風二十四号、二十六号の被害を追加したことによりまして、前にすでに指定を受けました地域補助率が薄められて、いわゆる高率補助から下がってくるというところは、既得権としてすでに特例法が成立しておりますので、なお従前の例により、改正前の特例法によって指定された地域で、補助率の高いほうを適用する、こういう、「なお従前の例による。」というのは、十月の七日までに発生いたしました災害によって指定された地域に、さらに十月中に災害があってそれを特例法に入れだために、全体の補助率が下がってくるという場合がありては、非常に既得権を害するということで気の毒でございますので、そういった場合は、なお改正前の特例法補助率でやるというふうに念のために規定いたした次第でございます。  以上が改正法条文に即しました説明でございます。  なお、お手元に横とじの資料をお配りいたしてございますが、これにつきまして簡単に御説明申し上げます。「昭和三十六年十月以降災害別農林水産関係被害概況」こういうことで、十月七日までの災害以降に十月中に発生いたしましたのが、台風二十四号と台風二十六号でございますが、農林水産関係被害総額台風二十四号で百三億四千五百九十四万円、台風二十六号で九十九億七千九百四万八千円、こういうことになりまして、合計、十月中の、今度の特例法改正によりまして入りますものが二百三億二千四百九十八万八千円、こういうことに相なりますが、十月の七日までに発生いたしましたものを入れまして、三十六年の総被害額は千九百九十八億一千百十九万四千円に相なる、こういう資料でございます。  中身は施設関係農地農業用施設、それから林野関係のもので治山、林道が入っております。それから水産関係では漁港、漁船、漁具、それから養殖施設、そのほかに共同利用施設というものと、畜産、蚕糸関係のもの、それから国有林公団関係のもの、これは愛知用水などを入れます。その他を入れまして、大体それが特例法関係に相なると思います。  それから次の2が、農林畜水産物等農作物被害、あるいは林産物減収被害、こういうことに相なるわけでございまして、台風二十四号、二十六号で百十二億五千七百八十六万円の被害があり、従来の三十六年度中の災害と累計いたしますと千七十五億九千七百二十五万七千円、こういうことになります。その内訳は、農作物被害それから林産物被害水産物被害、こういうことに相なっております。  発生の月日は二十四号は十月九日から始まっております。それから台風二十六号は月末の十月二十六日から二十人目、こういうことになります。  発生地帯は二十四号は全国にわたりまして発生いたしておりますし、台風二十六号は主として東海、近畿、四国、九州、中国に発生いたしておる、こういう資料でございます。それから二ぺ−ジでございますが、二ページは農林水産業施設災害復旧暫定法関係復旧事業の三十六年度におきまして予算措置をいたしたものにつきまして一覧表を作りましたわけでございます。いわゆる三十六年の同年災でございまして、第一次補正農地農業用施設というものを含めまして、農地につきましては五億六千八百万円、それから農業用施設につき嘆しては、災害復旧災害関連合わせまして二十三億三千七百万円、それから第二次補正でここに農地農業用施設それからさらに本年に入りまして本予算予備費並び補正予備から予備費支出をいたしたものが、農地について九千五百万、それから農業用施設につきまして十三億三千万、こういうことで農地農業用施設関係は、全部で農地災害復旧は十一億二千百万円、それから農業用施設は五十三億九千八百万円、それから災害関連といたしまして二億六千五百六十三万円、こういうことで大体災害総額に対しまする三十六年度におきまする予算措置としての復旧進度というのは、農地災害復旧で三〇%、大体二五%進度率を上げるということで三〇%、それから災害復旧についても三〇%、災害関連は二五%の措置を三十六年度で実施いたしております。  それから林道につきましても、先ほど申しましたように第一次補正、第二次補正それから今回の予備費計上ということで、全体として四億六千二百万円というものを計上したわけでございまして、林道災害復旧が、予算措置として三〇%の進度率を示しております。関連農地農業用施設災害関連と同じように二五%ということであります。  それから共同利用施設でございますが、八月災害までにつきましては九千七百六十九万七千円が予備費に先般計上をいたしたわけでございますが、それで七〇%の予算措置進度率になっておりますが、第二室戸台風以降の被害につきまして非常に計算のこまかいもの等がありまして、少しおくれまして近く計上の見込みでございますが、至急措置いたしたい、こういうふうに考えて、予備費支出を決定することにいたしたい、こう思っております。  それから入植施設、これは開拓地入植施設でございますが、全部予備費で五千四百九十四万五千円というものが支出することにきまったわけでございまして、それは大体本年度に六五%程度進度率予算措置である、こういうことになっております。  それから水産養殖施設は、九月災害までは予備費で七千九百万円、約一〇〇%の水産養殖施設支出決定をしたわけでございますが、十月の災害については、こまかいので、ちょっと計算等に手間取っておりますが、近くこれにつきましても予備費支出を決定いたすことにいたしたい、こういうことで鋭意努力いたしております。それから三枚目は、天災融資法でございまして、経済局長から御説明があると思います。  それから四枚目でございますが、これは農林水産業施設災害復旧暫定措置法特例法一般の場合の規定との比較でございまして、暫定措置法では農地については十分の五、農業用施設については十分の六・五というものが政令で定める激甚地域については一定基準をこえるものについて今回の特例法によって農地については十分の九ということに相なって、基準額未満は十分の六、こういうことになります。  それから農業用施設は、暫定措置法では一般が十分の六・五でございます。これはいずれも被害額に応じて一定基準をこすものについては補助率が上がるわけでございますが、特例法ではさらに一定基準をこえるものについては十分の九、こういうふうに暫定法特例法補助率比較を御参考までに掲げた次第でございます。  それから天災融資法につきましては経済局長が御説明申し上げるということに相なっております。  以上をもちまして私の補足説明を終わります。
  4. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) それでは天災融資法関係につきまして補足的な御説明を申し上げます。御承知のように、この前、昭和三十六年五月から九月までの天災についての特例法制定をいただいたわけでございますが、その後の災害につきまして特例法適用する、こういう内容でございます。法律条文よりも資料によって御説明申し上げたほうが簡単だと思いますので、この横書きの、資料三枚目でございます。天災融資法に基づく融資ワク設定措置状況表というのがございます。初めから三十五年十二月から、三十六年二月までの降雪というものから、ずっと融資総額が書いてございます。昭和三十六年五月のフエン現象を伴う強風、それから六月から八月までの早魃、七月及び八月の暴風雨、六月から八月までの豪雨及び九月中旬の第二室戸台風、ここまでが先般、特例法適用を受けるように制定を見たわけでございまして、その後の災害と申しますると、備考欄にございますが、九月下旬から十月上旬の長雨及び十月上、下旬の暴風雨及び十月下旬の豪雨につきまして、この前の特例法適用をいたそう、こういう考えでございます。そこで九月下旬から十月上旬までの長雨と申しまするのは、主として関東東北北陸地帯を襲いました長雨でございます。十月上旬のものは台風二十四号というものでございまして、中心地は大体関東東北でございますが、大体水産物被害がおもでございます。それから十月下旬のものは、暴風雨豪雨がございまして、これはいわゆる台風二十六号でございます。これも主として水産物被害が多いのでございます。それから豪雨は、九州東海地方を襲いましたものでございまして、大分等中心被害地でございます。これは十月下旬の豪雨でご遭います。大体調査いたしました結果、こういう災害につきまして、先般の特例法適用をすることが必要であろうと思いましたし、また先般の国会におきまする御要望もございましたので、これらに特例法適用する、こういう内容法律改正をお願いしたいということでございます。  それからしまいから二枚目のぺ−ジと、一番しまいのペ−ジに、この特例法によって特例を設けていただきました内容参考までに書いてございます。資金貸付限度のアップの問題、それから償還期限問題等につきまして特例を設けましたわけでございます。その内容をただいま申し上げました災害適用しよう、こういう考えでございます。  簡単でございますが、補足説明を終わります。
  5. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) それでは二案を一括いたしまして、質疑に入ります。御質疑のおありの方は、御発言を願いたいと思います。
  6. 千田正

    千田正君 二点だけ伺りておきたいと思います。今度の改正案では、開拓関係に対するものが補助対策から除外していると思われるのですが、さっきの農地局長のお話しのように、それはかっての法のほうで十分見られるという観点で、こういうふうにしておられるのですか、どうなのですか。
  7. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 十月以降の分につきましては、開拓地特例法該当するというのには基準がございます。その基準該当する激甚被害開拓地につきまして詳細に査定調査したところがございませんので、五月から九月までの特例法指定で十分やれる、こういうことで幸い被害がなかったということでございます。
  8. 千田正

    千田正君 水産庁の方が見えておりませんけれども、一括して農林水産の問題として伺っていいですね。小型漁船で同じような点があるんですが、小型漁船のほうに対する措置も、今の農地局長のおっしゃるように調査の結果から見ると、小型漁船に対しては補助対象になるような被害がなかったと、こういう観点でこのなには出しておられるのかこういうわけですか。
  9. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 十月におきます台風によります小型漁船被害は、従来法律で取り上げておりまする一件当たり百万円以上の被害で、かつそこの県の協同組合の中で被害を受けておる協同組合が一割をこえておるという基準該当いたしませんので、これは従来漁船保険とか、あるいは公庫の融資で処理をしておりまするので、今回は該当しないということで取り上げなかりた次第でございます。
  10. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 少し委員会を離れておりましたので、一般的な質問をしたいのですが、この暫定法による一般規定と、特例法となって次々と特例的なものが同じ法律の中に出てきますね。それで私全然数字的なことはわからんで質問するんですが、災害の特定された激甚地で、しかも事業費政令で定める一定以上の額であれば補助率が高い、激甚でないときには、事業費相当額政令基準に合っておっても、一般的な規定適用しか受けられない、こういうふうなことになっておるわけですか。
  11. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 特例法では、一戸当たり被害額を算定いたしまして、旧市町村区域で一戸当たり農地なり、あるいは農業施設被害に対します被害農家の二戸当たり被害を算定いたしまして、それが五万円以上こすというような場合に特例法適用するこういうふうになっております。
  12. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、旧市町村別地域的には小範囲であっても、五万円以上のそれに当たるところは激甚地政令指定が行なわれる、こういうことですか。
  13. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 御趣旨のとおりでございます。
  14. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、今後仮定の問題ですが、例年日本全国のうち旧町村でそういう被害が局地的に起こった場合には法律改正して、この特例適用をしていただけるのですか。
  15. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) この第二室戸台風とか、全国的にわたって被害発生いたしました場合において、特例法制定されるわけでございまして、局部的な場合には暫定措置法で大体処理していく、ただし三十六年度におきまするような大災害が引き続いて全国的に、規模の大きい災害全国的にわたった場合に、特例法制定して被害者の救済をいたす、こういう趣旨になっております。
  16. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 国が見た場合に、広域災害であるとか、小災害であるとか、規模の上では言い得ても、個人災害を受けた側からいえば、それは大きかろうが小さかろうが、被害額相当額に達するというものが間々あるわけでしょう。そうすると同じ国の施策で、大災害になって世論が沸き立ち、国会も取り上げて法律改正した場合には適用されるし、そういうことがない場合には、同じ被害を受けておっても、国民として国家から一定の公平な援助が受けられないということを不思議だとは考えられませんか。
  17. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 一般の小範囲なりあるいは局地的な災害につきましては、暫定法というものがございまして、暫定法によりまして、やはり八万円未満と八万円以上十五万円以上と刻みまして、十五万円以上の分は高率助成ができると、こういうことに相なるわけでございます。まあ、暫定法特例法という二つが三十六年度は両方が施行されて、農民あるいは漁民の災害に対して十分の助成をやると、こういうことであります。
  18. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そこが私にはわからないのですが、もしそういうことなら、なぜ暫定法とか特例法とかいうことにし、特例措置国民がこぞって願うか、暫定法でいいものなら暫定法だけでいいわけで、この表で見てもこれは何が基準になったのか賛成ですよ、原則は。私賛成なんですからね。原則賛成なんだが、何が基準になったのかわからぬが、たとえば農地費は十分の五だ。特例法でも一定基準額未満のものは十分の六だ。十分の一ふやす。一定基準をこえると十分の九だ。十分の十にはならないが十分の九だ。片方は十分の六だ。暫定法では十分の五だ。何が基準でこういう刻み方になるのですか。こういうことは農民の側に立って納得できるものでしょうかね。
  19. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 暫定法も、これは基準が書いてあるわけでございまして、農業用施設も十分の六・五から、大体八万円までは十分の六・五、八万円をこしますとこれが逐次暫定法でも上がる。十五万円をこしますと十分の十までできるわけです。こういうふうに暫定法では指定しております。  なぜ暫定法特例法が必要だと、こういうことになりますと、まあ、お説のとおり特例法の場合には、全国的な広がりで大規模災害が広範にわたったということで、局部的な災害の場合よりは農民同士の助け合いになり、あるいは市町村あるいは県で災害援助するというような規模をこして行く場合に非常に特例法を発動するような場合が、室戸台風といったような場合に多いわけでございまして、そういう趣旨もございまして、室戸台風のように全国にわたって、それから各市町村も、非常に農民被害が旧市町村の全般にわたっている、こういった場合に特例法でできるだけ高率援助して行こうという趣旨に相なると思います。まあ農民からいえば、高率、高いほうがいいじゃないかと、こういうことに相なると思いますけれども、しかしながら通常の局部的な災害とか、小範囲災害というものは、暫定法で十分処理できると、こういう感覚でわれわれは特例法制定したのであります。
  20. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 局部的なものは暫定法で十分処理できるということは、広域な激甚な災害の場合に特例法を用いたと内容実質は、国から出る金が少なくとも県から出る、市町村から出るということで、同じ程度には確保されるのだ、こういう建前で、この差があってもいいんだ、こういうのですか、あなたの今おっしゃる趣旨は。
  21. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) それは特例法のほうがいいわけでございますが、やはり国民経済に影響を及ぼすような大災害といったような場合には、周囲の状況が全部田畑が流れたとか、あるいは埋没したとか、そういったやつが、県の中でも市町村軒並みやられておる、こういった場合に特例法制定すると、こういうことになるわけでございます。暫定法については、局部的だから、この程度農民負担限度から見てやれるというような算定でやっているわけでございますが、特例法の場合は、非常に全面的に広く深く災害があった、こういうことでさらに国の援助を必要とする、こういうことに相なります。
  22. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それは納税者の立場からいって公平ですか、施策として。
  23. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 納税者ですか。
  24. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうです。納税をしておる国民として援助を受ける側が同じ災害でそれは平等を欠くというようなことは、これは政治施策として適切な施策だとお考えになっておるのですか。あなたたちは暫定法よりはより幾分でもいいものにしてやっているのだからという恩恵的な施策としての気分がないですか。
  25. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 恩恵的というよりは、農民復旧援助するということが最終の目的でございますので、被害が大きいときには農民復旧援助を手厚くしてやろう、こういうだけでありまして、復旧力が非常にある場合には暫定法でも処理できるが、広範な、そして深い、災害が深刻な災害だった場合には、農民の自立的な復旧力に非常な影響を受けるわけでありまして、国としては十分立ち上がれるように補助率を高めてやる、こういうことでございます。
  26. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私の言うことは、ちょっとしつこいかもしらぬのですけれども、そういう考え方で農林省がおって、そして今言われる所得格差の構造とか、農業構造とか、大だんびらを振り回している農林当局の農政のあり方として、そういうことを公平だと……。農民の側に立って公平であるというお考えがないようですね。そういうことでいいんでしょうかということを聞いておるのです。あなたのほうは十分だ十分だというが、これはお百姓の方に聞いてみなくては、十分だか十分でないかわからぬ。広域な激甚な災害が国全体の経済に影響するところが大きい場合には金はまけい出す、そうでない場合には少しでもいいんだ、そういう論理が私にはわからぬというのです。
  27. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 過去の例を見ましても、伊勢湾台風だとか、この前の狩野川台風とか、そういった大災害のときに特例法制定して、農民施設なり農地復旧に資したわけでございますが、今回の室戸台風中心にいたしまする三十六年度の災害もそれに準ずる被害であったということに相なりまして特例法を出すと、そういうことになって参りました。十月八日までの分につきましては国会で成立をいたしておるわけでございまして、それを改正して十月を入れると、こういうことになるわけであります。  なお、この暫定法特例法との関係でございますが、ただいま御指摘のように、災害の大きいときと災害の少ないときと、同じ農家として差が出てくる場合もあるのじゃないかというお話もございますが、この問題は、やはり災害基本法等も施行いたす段階において、やはり特例法暫定法というものについてよく検討をして、御趣旨のような点について十分今後考える、こういうことに相なっております。
  28. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 局長が事務的に答弁すればそのとおりだと思います。けれどもね、そういう積極的な意欲があるかないか私は聞いてみたいんで、現在はもう特例法暫定法でないですか。だからあなたが言う災害基本法を作るということ大賛成です。うちの党も、それは前から主張しておる。あるいはこういう要綱的なものも出しておる。こういうものは、やはりあなたが今おっしゃったような意味で、暫定法そのものが暫定措置だった。ところが実態としては、特例法で、みんなそれの適用を願う陳情その他が行なわれておる。局長もそれを受けて迷惑に感ずる場合もあるでしょうし、われわれもたいへんだ。特例となるからこういうことになる。またもう一つ特例が出るかもしれぬ。前から、過去の実績として伊勢湾台風以来そういう特例的なものがあったから……。こういうことにあぐらをかかぬで特例的なやり方そのものが間違っておるというか何というかわからぬが、これは根本的な解決策ではないのですから、そういう点をいつも頭に入れながらこの種の問題を考えてもらって、そして基本法的なもので前進していくということを願いたいと思うのですね。これはもう緊急のことだと思うのです。少なくともこの国会あたりには、またこれを改正して、そして十二月までに引き延ばして適用させるなんというような、こういう糊塗策をやらぬで、少なくとも皆さんのほうで日本農業のあり方を考えて、農業基本法を出され、今後の農業構造を云々なんということならば、この通常国会そのものにもう災害基本法的なものを出すべきではなかったかと思う。抜本的にこの問題を解決することによって、農民に一つの希望を与える。これは大事なことじゃないかと思うのですがね。あとで豚肉の問題も出るそうですが、一つの施策として、選択的拡大なんということを宣伝して、豚の飼育をやらせたけれども、うちの県などでは、そういう地域指定された養豚農家は破産一歩手前なんです。何十頭も持ってどうにもならぬという状態にある。これらは何も災害だけではない一貫した問題だと思うのですね。それでまあ、このことに時間を取るのはあれですが、少なくとも災害基本法というようなものはいつ出されるようなお見込みで作業を進めておられるのかお伺いしたい。
  29. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 災害基本法は、前国会で成立いたしまして、その中でいわゆる具体化がまだ進められない。それは法律はできましたが、いわゆる一々災害の起こるたびに特例法を出さなくてもいいようにという趣旨で、暫定法なり特例法両方含めた補助基準といったようなものを考えようということで相談しております。
  30. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だからいつ……。
  31. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) できるだけ早く、そういうものはことしの災害に間に合うようにしたいと思います。
  32. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ことしの災害には間に合わせるつもりでいるのですね。
  33. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) できるだけ早いほうがいいと思いまして、各省寄り寄り協議いたしております。基本法には災害対策、防災からいろいろ入っておるわけでございますが、特例法関係がまだよく詰まってないようでございまして、これは今各省で相談いたしております。基本法のほかに、何か特例法の形のものをどういうふうに入れるか、別法律が要るかどうか。そういう点で各省に今相談中でございますが、これについては御趣旨もございますので、できるだけ早く結論を出していきたい、こういうふうに考えております。
  34. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だから重ねてお答えを願いたいのですが、この法案を喜んで賛成して通す関係からも、ことしの災害には間に合うように法律を作る、そういう努力をしていただけます
  35. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) はっきりしたことは申し上げかねますけれども、各省農林、大蔵、建設、運輸、港湾、あるいは消防といったように各般にわたっておりますので、われわれとしてはできるだけ急いでやりたい、こういう趣旨考えております。
  36. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 よくわかりました。しかしすぐ各省だのなんだのといってよけいなことが出てくるから私はおもしろくない、運輸省のことは運輸委員会で聞くからいいですよ。農林省はどんなことをやっておって、この特例的なものとどういう関連を持って検討して一つの成案を得ようとしているのか、農林省の考えというものはまとまっているのか、そういうところの説明をした上でちょりと待って下さいというなら、よく私もわかるけれども、どうなんです。
  37. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 基本法でございますので、各省のものが入っておるわけでございまして、やはり農林だけの管轄だけでも調整を要する、こういうことになるわけでございます。農林といたしましては、特例法趣旨をできるだけ織り込む、こういう考え方で進んでおります。
  38. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 実際問題としては、特例法を下回るというような施策はもう認められないことなんですからね、既成事実として。そういう建前で農林省どしては主張なさって成案を得られる、そういう趣旨でしょう。そういう点まであいまいなんですか。もしもそれがあいまいだったら、後退したということになる。
  39. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 特例法より後退しないように努力いたしたいと思います。
  40. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは、ことしはあまり雪も降らないから、しょっぱなから早魃だの何だと出てくることは予想されているように考えてもいいように、しろうと考えですが思うのですね、間に合わせていただきたい、強くその点を希望しておきます。
  41. 天田勝正

    ○天田勝正君 もう一点、資金融通に関する暫定措置法で今まで総額幾らの融資をされましたか。
  42. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 先ほど御説明申し上げました資料三枚目にございまするように、五月のフェーン現象で八億、六月から八月までの早魃、七月及び八月の暴風雨台風、六月から八月までの豪雨で三十一億五千万。それから九月中旬の第二室戸台風六十八億でございまして、今回指定しようとするものは十二億前後になろうと思います。この表には十三億とございますけれども、このうちから何千万か減りますので、十二億から三億の間になろうと思います。
  43. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 農地局長に、今の小笠原委員の問題で関連ですが、激甚地指定というのは、大体その県、あるいは市町村指定するわけですね。県全体の中で指定する場合と、市町村指定する場合があるわけですね。
  44. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 激甚地指定は、五月から十月までの災害につきまして、町村単位で指定することに相なっております。
  45. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 そこで、実は同じ河川の流域で、甲の市町村のところが激甚地指定になる、乙の場合はそう災害がなくて、その流域については激甚地指定を受けない、こういう場合があるわけです。特にはなはだしい場合においては、部落が所属する市町村が違っておって、そういう進度の違う被害を受けた際には、片方のほうは激甚地指定で十分の九の補助を受ける、片方のほうは十分の六だというようなことで、今の市町村では末端にいくと問題が起きているわけです。したがって同じ河川の流域ならば、これは市町村別指定するということがないようにというようなことなんです。あるいはまたその隣接市町村では、あとは、補助率の薄いところは結局起債でまかなわなければならぬというような問題が、今市町村の間で会議しまして問題になっているのです。そういう点にかんがみまして、やはり先ほど小笠原委員が申し上げましたように、農民側の立場から立てば、その進度の度合いによって、それを差別つけるべきではないと、こういうようなことが出てきているわけです。ですからそういうような点について、今後どういうふうな考えを持っているかということをお聞きしたいと思います。
  46. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) まだ特例法によりまする激甚地指定は、市町村ごとにやっておりません。今調査中でございます。近くこの法律が通りますれば直ちにやるということで、査定は一応終わっております。市町村単位と申しましても、合併町村もございまして、大体旧市町村なり、あるいは合併後の町村なり、どちらか有利なほうで指定を受けることになります。こういうことに相なります。旧市町村のほうで、被害農民が少なくて災害が多ければ、旧市町村のほうが有利な場合がございますし、広範にわたっている場合は、合併後のほうが有利な場合もございます。これはどちらか有利なほうの指定を受ける、こういうことに相なります。
  47. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 現実に、現地に行きますと、合併市町村であれ、旧市町村であれ、現在違う行政区画にある地域において、激甚地指定を受けたところと、受けないところでは、同じ河川の、同様な河川の流域、あるいは隣接するところと、河川の流域において補助率が違うわけです。そういうことが町村の財政に、はなはだしく影響してきて、農民側からいけば、おれのところは十分の六だけれども、片方のほうは十分の九だというようなことが非常に問題になっているわけです、同じ農民の立場から。ですから、そういうようなものを埋め合わしていくということをおそらくさっき小笠原さんはその意味で申し上げたのであろうと、こういうふうに私は思うわけです。
  48. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 特例法指定基準被害農家二戸当たり災害復旧事業費が五万円をこえる市町村、こういうことになっております。補助率は、その中でまたさらに被害の様相に応じて累進する、こういうことになります。それから暫定法でも、やはりただいまのところでは八万円をこす場合、今は農地で十分の五、農業施設では十分の六・五を、八万円をこす場合にはこれがさらに十分の九とか八とか、あるいは十五万円をこす場合は農業施設暫定法では十分の十まで入れるということで、必ずしも災害の様相によっては特例法のほうが有利とは限りません。そこで、先ほど補足説明で申し上げましたとおり、特例法でいったほうがいいという町村もございましょうし、それから暫定法で三十六年の全部の災害を通算したほうがいい、暫定法では十分の九とか、十分の九・八とか、そういうところにまでいく場合もございましょう。そして、それは農民のほうの選択規定で、どちらでも有利なほうがとれるように、こういうふうに特例法の中にうたってあるわけでございます。特例法がいつも有利とは限りません。暫定法がいい場合もある。それは災害の様相によりまして違ってくるわけです。
  49. 戸叶武

    戸叶武君 私はもっと具体的な例で質問しますけれども、去年の豪雨激甚地帯の指定で、福島県のほうはその指定にあずかったが、行政区画は栃木県であるが、何川県でなくても雨量の多い県においては行政区画にかかわらず、一つの激甚地帯というものが作り上げられるのだが、福島寄りの芦野という、これはへんぴな町ですが、そこは非常に被害を受けたが、その指定にはあずかれなかったというので、町に非常に不満があるのですが、そういうような例は、町村における届出なり何なりのために処置がおくれたのか、それとも県のほうで上手にやらなかったのか、どういうところに問題があるのか、そういう点が非常に私は地方を歩くと所々にあると思うのですが、一つの行政区画というものだけに制約できない雨量の状態というものがあるの.で、その実態を把握して、その上でやはり処置をしなければならないと思うのですが、そういう点はどうなっているのですか。
  50. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) まだ激甚地特例法による農地農業用施設激甚地指定の町村の指定はまだいたしておりません。査定段階でどういうふうに相なりましたか、よく調査しなければやけないと思いますが、大体県で災害復旧計画書というものを作りまして、それに基づいて現地に事務局なり本省なり県と立ち合いで現場査定をやりまして、その結果大体二戸当たり五万円をこすかどうか、こういう被害額を確定いたしまして、それで激甚地指定をやっていく、こういう段階になるわけでありまして、まだ指定はいたしておりませんので、どういうことになったか、もう少し調査いたしたいと思います。
  51. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 このいただいた資料を見ますというと、昭和三十六年の主要災害の総合計が大体千九百九十八億ですね。第一表の一番上欄の右ですが、千九百九十八億。これについて本年度の三十六年度の予算総額はどのくらいになっていますか。第二表の近く計上の見込みというものを含んでどのくらいになりますか。
  52. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 二枚目の表がございますが、二枚目の表で共同利用施設、第二室戸台風以降の共同利用施設、それから水産養殖施設、十月災害、二十四号、二十六号の被害、こういうのが大体補正の予備の中から支出するということになりますので、これは閣議決定を得れば支出できる、こういうことになっております。
  53. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 総額は、三十六年度中……。
  54. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 三十六年災でございますか。
  55. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 そう。
  56. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 三十六年災について公共事業だけでございますが、ことしの予算といたしまして九十六億三千六百万円程度と.いうものを三十六年度において支出いたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。なお、先ほど申しました共同利用施設なり水産養殖施設は別でございます。公共事業だけでございます。農地農業用施設あるいは林道それから漁港といったものを含めまして……。
  57. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 公共事業だけでなくて、大体総額全部合わせてどのくらいになる。
  58. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) それから公共事業以外は、共同利用施設とか、あるいは漁船とか、そういうのを入れますと八億六千九百万円程度支出する、こういうことになります。この八億六千九百万円と、それから先ほど申しました公共事業の九十六億三千六百万円を足しますと百五億、それは公共、非公を合わせてでございます。
  59. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 そうしますと、この第一表をごらんいただきますと、農林水産関係の三十六年における主要災害の総合計の見積もりが千九百九十八億なんです。それで、それにこの復旧費といたしまして百五億と、先ほどの経済局長説明した融資総額合計が百二十四億ばかりになるわけです。そうすると、その対策費としては全部で二百三十億ぐらいのものですね。そうしますと、千九百九十八億円という被害総額に対して、それではたとえば五・三・二とかいうような割合で三カ年で復旧するというような場合を見ましても少しく予算的に不足しているのではないか、こういうように常識的に私どもしろうととして考えられる、数字からいきますとね。そうしますと、これをもっと急速に、特に来年の農地の場合等を考えまして四月ごろまでに、大体田植えまでに復旧させるというようなことを考えていけば、もっと本年度の災害に対する予算総額というものはずっと大幅に伸びなければならぬだろう、こういうように考えられる。で、そういう点についての補正の見通しや何かどういうように具体的に考えておるか。
  60. 庄野五一郎

    政府委員庄野一郎君) 農林水産関係被害総額千九百九十八億、こういう中には施設関係のものと、それから農林水産物の関係のもの二つ入っております。施設関係は九百二十三億、それから農林畜水産物減収被害といったものが千七十五億九千七百万円、こういうことに相なっております。で、施設関係について先ほど申しました百五億の手当をいたす、こういうことに相なるわけでございます。それから農林畜水産物の千七十五億九千七百万円、こういうものにつきましては、農作物では農作物共済等あるわけでございますし、また天災融資法等の措置も講ぜられておるわけでございまして、先ほど経済局長から御説明に相なりましたような融資措置を講ぜられておるわけであります。私が申し上げました百五億というのは施設関係でございますし、また施設関係の中でも、二枚目を開いていただきますと、農地災害復旧で、大体予算措置としては三・五・二の三〇%をいたしております。こういうことに相なっておるかと思います。
  61. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 関連しまして。農作物被害の九百三十一億、このうち共済の適用になっている、大体支払われる金額というものはどの程度になるのか、補償される金額は。
  62. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 正確な数字ではございませんが、現在共済金の支払いを要求をいたされ、いろいろ検討中のものも相当まだございまして、最終的にはきまっておりませんが、二、三十億ないし四、五十億くらいのものが国のほうからの金としては出ていくのではないかというふうな見当でございます。
  63. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで年間の日本の、ここで言われる農作物というものの範囲に入る生産額は幾らですか。大体でよろしゅうございます。
  64. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) ただいま統計の持ち合わせがございませんのではっきりした数字でお答え申し上げられませんけれども、いずれ調査の上お答え申し上げたいと思いますが、総生産額といたしまして一兆五千六百六十七億というのが三十五年のこれは耕種、畜産、蚕糸等全部を引っくるめました総生産額であります。
  65. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると一兆五千億、そのうちここで言われる農作物と畜産物と合わせるというと、九百五十億くらいになりますか。そうすると、相当な高額な国損でもあれば、農民の打撃でもあるのですね。そうしてなお国の手当そのものは三、四十億だ。結局ここにやはり九百億ちょっと上回る金というものが農家に何ら補償されない、減収という形でしょう、そう見ていいでしょう。いやそうでない、ころいう見方なんだということがあったら、一つお答え願いたい。
  66. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 実態から申し上げますると、ここにいう一千億余りの農林畜産物の被害に対しましては、先ほど申し上げました数十億の共済金の支払いと言いまするものは、これはその一部でございます。そのほかに共済関係といたしましては、県の連合会で通常災害については保険をやっておりまするから、国から出なくても、県の連合会におきまして、これはもちろん掛金の国庫負担等がございまして、通常災害についてもそうして手当をやっているわけでございますが、それらを入れますと、これは共済金額も相当の、今、申し上げました数字の倍くらいなものになろうと思います。ですから、それと農作物関係につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、天災融資法で次期作までの経営資金融資をしようという考え方のもとに、合計百三十億程度のものが融資されるわけでございまするから、農作物関係被害といたしましては、まあその二つを入れましたものが、大体農作物につきましての経営関係の経営資金、あるいはそういうような関係におきましての対策費、こういうようなことになろうかと思います。
  67. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういうことで融資があり、あるいは共済関係のことがあるといたしましても、一千億になんなんとする金の中でもって、これは五分の一だというような感じですね。結局、あとは農家のこれは収入減、損です。それが全生産高の一兆五千億程度の中の一千億、こういうことを考えると、なみなみでない事情だと考えられますね。こういうことを放置して、公共施設その他復旧等、その助成とか、補助とかということで、災害復旧、生産物そのをのにおける損というものはあくまでも損であり、次の再生産のための融資だけはある程度保障される、こういうやり方で日本の農業というものが拡大再生産という形にいくとお考えになるのですか、その辺のところをお聞きしたいのです。年々そういうことでいけるかということですね。基本的に、だからこれは皆さんのうんちくを傾けたところを聞きたいのです、基本的に……。こういう形になっておって、日本の農業なり、農民なりというものは生きていけるかということです。この格差が拡大していることは、現状においてだれもが認めるところです。追いつけない。所得倍増の国の政策で工業生産がどんどん伸びれば伸びるほど、農業生産は伸びても格差が開くと言われている。その中で一方こういう災害の打撃から立ち直るための施策というものが、生産そのものについては何にもない。過去において肥料なり何なり、工業生産で輸出その他に事があれば、国がやはりその赤字をまかなうようないろいろな施策をやってきた。あるいは、まあ基本的な柱としては、合理化という問題でやってきたわけですが、農業の場合には、だれもこの赤字を肩がわりしてくれるものはないのですわ。それはもう天然自然の災害で、あきらめるよりほかしようがないというやり方なんですね。こういうことについて、やはり現状でこれではいかぬ、何とかしなければいかぬというお考えがあるだろうと思うのです。そういう点をお聞きしたいのです。
  68. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) おっしゃるとおりでございまして、私どもも現状でいいというふうにはひとつも考えておるわけではございませんで、毎日いろいろ努力をいたしておるわけでございます。で、日本のように非常に自然災害の多いようなところにおきましては、農業もいろいろ経営面、あるいは将来に前向きに向かって施策をやりましても、それは非常に、ときどき穴をあけられる。だから、穴埋めだけでもなかなかたいへんだ、こういうような状況でございまして、したがいまして、よけいに前向きでどんどん積極的な施策をやっていかなければならぬと痛感しているわけでございます。そういう状態ではございますけれども、年々御承知のように農業動向報告にもございますように、全体の経済の伸びに応じまして、農業の生産も四%ぐらいずつ伸びてきておるわけでございまして、災害対策等も十分ではないといいながらだんだん向上はしてきているのじゃないかというふうに私ども考えてはおるのでございますけれども、まだ今後もそういう問題について、私どもも十分研究しなければならぬというふうに考えております。
  69. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私はもう少し具体的なお考えをお聞きしたがったのですが、聞けると思ったのですが、この一兆五千億の生産がある中で、一千億程度のものがいっでもマイナスになってくるということ、それに対して、じゃ国がどういう金を出しておるかというと、先ほど安田委員の質問にあるとおり、そしてまた拡大再生産のためなりなんなりのための農業基盤整備の金とかなんとか、これは相当額出ておりますが、この一千億というものを差し引いて、しろうと論で考えてみたら、この一千億の再生産に使われる金がゼロになってくる。そうして国のほうからことさら基盤整備の金だ、災害復旧の金だ、そういうものが出ていて、このマイナスのロスを差し引いていったら、どこから基盤を整備し、また拡大再生産なり農業生産を高めていく、農家収入をふやしていく、ということが出てくるのか。その算術的な勘定でもちょっと合わないような気がするのですが、これはずいぶん私は無鉄砲なことを言っておると思うのですよ。無鉄砲なことを言ってるようだけれども、生産に回る金がゼロになる。そして国からまた手厚く保護するというかなんかしらぬが、金は出る。しかし、出る金というものでやっても、結局、この天然自然の災害というものは避けられない。今後毎年、ある程度災害というものは持続するでしょう。そうすれば、これはこれで一つの問題として、共済なら共済という問題をもっとしっかりしたもので考えていくとか、その他いろいろ考え方が起こってくるのじゃないかと思うのです。そういうものの考え方がなくて、公共施設について災害復旧の金を出しておるのだ、共済金を一部出しておるのだ、再生産の融資は一部やっておるのだと、これで抜本的に農業が立ち直っていく、で、他の工業生産に追いついていく、バランスをとる、そういうことができるとは私は考えられない。だから、どうするのかということを聞きたいのです。
  70. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) おっしゃるとおり自然災害が年ございまするので、これらについての穴埋めといいまするか、対策については、これはいろいろの問題があるのでございます。対策といたしましても、いろいろの対策を考えにゃいかぬという問題でございまして、われわれもたとえば、あるいは融資であるとか、あるいは共済であるとか、あるいは施設についての補助であるとか、こういうようなことでできる限りの措置考えているわけでございまして、たとえば共済等につきましても、そういうような意味で災害の場合の所得の補てん、こういうような面からいいますれば、私はやはり一番端的なものは、共済とかそういうような制度が、一番はっきりと所得の補てんというようなことにも通ずるのではないかと思うのでございまするので、先般来から農業災害補償法等の改正案等も国会に提案いたしまして、ずっと御審議をいただいておるような次第でございます。それでまあ一つのことでこういう災害が全部きれいに穴埋めができるということは、いろいろ財政状態もございましょうし、ほかの業種との関係等もございましょうし、なかなか簡単にはいかねと思いまするので、各方面からでき得る限りの措置を講ずる、そういうようなものをできるだけ改善して参る、こういうようなことよりほか、なかなか一つの施設で抜本的に片づくのだというようなことは出てこないのではないかと思うのでございまするが、各方面について最善の努力と研究をいたしたいと思っております。
  71. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は、こういう問題こそ、今、あなた方農林省として考えていただけないかと思って質問しておるのです。こんな状態を続けていって、鉱工業生産との格差は、何で解消しようというのです、それなら。農林省当局として自信があるのですか。今やっている施策をとっていけば、結局生産の伸びなり、経済の伸びなり、農業そのものの、バランスがとれる、そういう自信があるものがあったらお示し願いたい。結局こういうことに手を触れなければならぬのじゃないですか。手を触れないで、今の程度でいいのだ、農家個々に八百万なら八百万とい、うものはかぶせちまえばいいのだ、一年の営農そのものは、これは労働力なり肥料代なり種子料なりという、そんなものは個人負担でいいのだ、零細にいけばたいしたものでないのだ、もしもそういう考えがあったら、これはいつまでたったって、日本の農業というものは、その基盤といい、骨格といい、整備できないじゃないですか。農業基本法を打ち立てて、そうして具体的にこの種の問題を考えないで、どうして鉱工業の生産に追いついていくのか、追いつけるわけはないです。追いつけるわけはないが、一つの全体的な構造としてバランスがとれるか私にはわからぬのですね。どうするお考えですか今の施策でいいというのですか。
  72. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 先ほども申し上げましたように、災害対策について、今の施策で十分だとは毛頭考えておらないのでございまして、問題はまだいろいろございまするけれども、なかなかそう一気にこれをやればきれいに片づくのだというようなものはなかなか簡単にはございませんので、各方面との関係もございますので、十分そういうものとの関連等も考え、できるものからできるだけ片づけていく、こういうようなことで各方面についてもその努力をしていく、こういうようなととよりほか簡単にこれをやればこれでいいんだというものはあるまいというふうに考えて努力をいたしておるわけでございます。
  73. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それなら日本の農業というものは、災害がなければ今のような皆さんのやっておるような施策をとっていくなら、この所得倍増の計画ですかに基づく農業の高度成長、鉱工業生産とのバランスをとったあるべき姿勢になるのだ、こう考えておりますが……。  それからもう一つ、特殊な日本の農業の置かれておるこういう災害の問題は、そういう将来の日本の経済なり産業構造から見て、農業に対して大きなおくれをとらせておる原因だということを認めませんか。別に聞き直します、私はそういうふうに、そういう形で聞き直します。
  74. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) もし、かりに日本の農業に災害がないといたしましても、それは実際日本ばかりじゃございませんで、諸外国の例を見ましても農業とそれから他の工業との格差というものは、これは相当あるのでございまして、生産性の問題、その他いろいろ差があるのでございまして、これはいろいろ自然的なそういうような制約を受ける農業でもございますし、発展の段階からいいましても、そういうような状態にあるのでございますから、そういう点を根本的に片づけていく、こういうようなところが一つの農業を伸ばしていく問題であろうと、こう思っております。そういうような意味で農業基本法がねらっております方向というものが農業を近代化する、そうして所得をふやし、ほかの産業にできるだけ追っついていこう、こういう方向に進められるのではないかというふうに私は考えております。
  75. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、日本農業の後進性を脱却できない相当大きな原因部分としては、日本は特殊なこの災害というものがあるのだということをお認めになるわけですね。災害がなくてさえも追いつけないというのですから、この災害もなお大きな影響を持つということはお認めになるでしょう。
  76. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) もちろん災害も大きな影響があろうと思います。
  77. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それなら一つ一つ片づけていくのに、この災害における公共施設復旧、整備、これはむろんのことですが、個々人の災害負担になる農作物、このものに対してもある種のこれは個々人の収入減にならぬような措置考えていくということも当然なことじゃないですか。
  78. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) おっしゃるとおりでございまして、そこで日本の農業ではほかの国にあまり例を見ないような農業災害補償法というようなものもございまして、農業共済というような姿で個々人の災害の損失の補てんを考えよう、こういう制度もあるわけでございます。ですから、そういうようなものについても十分とは申し上げられないけれども、そういうようなものも十分今後検討いたしまして改善を加えていく、こういうことが必要であろうと思うのであります。現在、国会に継続審査になりましてすでに法案も出されて御検討をいただいておるわけであります。
  79. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういう努力をしておるということもわかるのですよ。私の聞いているのは、この池田内閣の所得倍増ということに伴って農業生産はどう高めていく、どうあるべきか、このことはきちっとあると思うのです。であるから、農業基本法なり、あるいは災害基本法なりというものが出てきていると思うのです。ですから、そうであれば、私はしろうと的なめちゃめちゃな議論であるかもしれぬが、この災害から起こってくる各種の農産物の減収に伴う農家の困窮というもの、こういうものが何らかの形で救済されるといいますか、補償されるといいますか、そういう施策があってしかるべきじゃないかと、それは鉱工業生産のほうにおんぶすることがあるかもしれぬ、けれども、そういうことをやらなければ日本の農業なんというものは生きていけないのじゃないかということを言いたい。私たちにはよくわからぬけれども、従来結局、鉱工業生産というものは日本の農業の上にあぐらをかいて伸びてきた、だから、それは転換させる時期じゃないかということも考えられるのですね。もう少しそういう根本的な立場からこういう問題を考えていただくということにならないものかということをお尋ねしておったわけなんです。みんなめいめい農家に肩がわりして減収分は負担させる、そうして営農資金は出してやるのだといって、それは借金になって残り、あるいは残るだけでなく、前の借金があるために貸付の対象にならぬで、技術的に末端では押えられて、営農資金を借りたつもりが救済で差っ引くなんという、そういうことが起こってくれば何にもならぬ、農家というものは出した金さえも借りかねて、予定だけ貸し出しが消化できなかったというような農林中金などの出先があるのじゃないですか。みんな金融上の操作をしておる機関は自分の金庫が損しないためには、いろいろのことをやりますよ、末端へ行って。そうして簡単に借りられる金でもないのだ。利払いだって相当額です。それは社会主義国のソ連なりあるいはユーゴなり、そんなところでもそれは二十年でも二十五年でも長期の金融で、そうしてある場合には一%、利子は。ある場合には利子がないのだ。それくらいの扱いをして、なおかつ農業が伸びないということで、やはりヨーロッパ各国だって、東欧諸国だって困っているんじゃないか。そうしたら、ましてこういう災害がある日本の農業が、それは五分で低利だ、六分で低利だと言っても、あるいは三分五厘の長期で低利だと言っても、他の諸外国の手厚い施策から言えば、まだまだおくれがあるように私らは思うのですね。こういう点を考えて、農産物そのもの、これは共済でやるならやるでもいいが、それはいろいろ御苦労をなすったようだが、もう少し国の資金が投与されて、その資金というのは結局伸びるほうからとってくる金ということになるでしょう。そして一方傾斜しているものへその資金が流れていくというくらいの抜本的な基本的な施策というものがなくて、日本の農業というものがほんとうに発展すると考えますか。私は、そういう意味で、まあ、経済局長でも農地局長でも少し中心になって、どちらもそれぞれ今度の農林大臣大いに動かせる力があるようにも思われるから、がんばっていいものを作るように献言したらどうですか、これでやったらどうですかという。そうしたら実力者の河野さんは、やれということでやれば、もっといいものが出るかもしらぬ。まあ、余談、よけいな話になりましたが、結局、今のような施策では、それは毎年冷々糊塗してはいけるだろうけれども、この農業と工業との格差は開く一方。日本の農民というものはやっていけないということになるだろうと思うのですよ。なりませんというなら、なりませんとお答え願いたい。そんなことにはなりません。私の言うようになるのかというたら、なるように思われると言って下さい。
  80. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) ならないように、ひとつ各方面について最善の努力をして参ります。貴重な御意見を伺いまして、十分私どもも反省させられておりますので、十分ひとつ勉強いたしたいと思っております。
  81. 植垣弥一郎

    植垣弥一郎君 小笠原委員から重大と申しますか、非常に大事な事柄についての御発言がありましたが、私、別に小笠原さんにも、お役所の方々にもお聞きしてみたいことがあるのですが、できれば速記をとめて五、六分間の自由話し合いがお許し願えないか、あるいは休憩して。
  82. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  83. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 速記をつけて。  他に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 御異議ないと認めます。  それではこれより二案を一括討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。1御意見もございませんようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  85. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより順次二案の採決に入ります。  まず、昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた農林水産業施設災害復旧事業等に関する特別措置法の一部を改正する法律案閣法第五号)を問題に供します。  本案を原案どおり可決することに賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  86. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 全会一致でございます。よって、本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  次に、昭和三十六年五月、六月、七月、八月及び九月の天災についての天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法適用特例に関する法律の一部を改正する法律案閣法第二八号)を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  87. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 全会一致でございますよって、本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、ただいま可決されました二案の、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成その他事後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  89. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 農地開発機械公団法の一部を改正する法律案閣法第五三号、予備審査)を議題といたします。まず、本案について提案理由説明を聞くことといたします。中野政務次官。
  90. 中野文門

    政府委員(中野文門君) 農地開発機械公団法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  農地開発機械公団は、国際復興開発銀行等から資金融資を受けて、高能率の機械を保有し、主として北海道根釧地区、青森県上北地区等の大規模開墾作業を初めとして農地の造成改良または農地災害復旧事業を機械力で早期に完成することを目途として、昭和三十年設立され、これらの事業を国、地方公共団体等から委託を受けて実施し、またその保有する機械をこれらの事業に貸し付ける義務を行なって参りました。  今後農業基本法に地づく新農政の方向として、農業構造改善のための農用地の開発、大圃場の造成等の土地条件の整備が必須事業となり、その事業量の増大とこれに伴う農地開発用機械の需要の増大が予想されております。  これらの動向に対処いたしまして、農林省の保有する農地開発用機械等を同公団に現物出資して、これらの機械と同公団の保有する機械とを一元的に管理運営して効率的に使用するとともに、公団の運営の円滑、健全化をはかるため新たに政府から出資を行なうことにより同公団を整備強化し、これによって農地開発改良事業の効率的推進を期するものであります。  以下、本法案の内容につきまして簡単に御説明いたします。  第一に、昭和三十七年度におきまして、同公団に対し、政府から一億五千万円を出資するとともに、政府は必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、公団に追加して出資することができることとしております。  第二に、現在、農林省において農地の開発改良事業の用に供している国有機械の一部と、これらの機械の整備または修理の業務の用に供している諸施設を公団に現物出資することができるよういたしたのであります。  第三に、公団で保有いたします機械等の整備または修理の用に供する施設の効果的な運用をはかるために、公団の業務に支障がない限り、この施設により、委託を受けて機械等の整備または修理の事業を公団が行なうことができることとしております。  第四に、公団の余裕金の運用につきまして、信託業務を営む銀行または信託会社への金銭信託の方法によることができることを追加しております。  なお、このほか、これに関連して公団の役員並びに財務及び会計に関する諸規定を整備いたすこととしております。  以上が、この法律案を提出する理由及び法案の概要であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さるようお願いいたします。
  91. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 以上で本案の提案理由説明は終わりました。本案につきましては、本日はこの程度にいたしたいと思います。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  92. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 速記をつけ  て。  本日はこれをもって散会いたします。    午後一時八分散会      —————・—————