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1962-04-19 第40回国会 参議院 内閣委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月十九日(木曜日)    午後一時三十分開会     —————————————   委員の異動 本日委員吉江勝保君及び塩見俊二君辞 任につき、その補欠として勝俣稔君及 び鍋島直紹君を議長において指名し た。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     河野 謙三君    理事            石原幹市郎君            下村  定君            鶴園 哲夫君    委員            上原 正吉君            勝俣  稔君            木村篤太郎君            中野 文門君            鍋島 直紹君            一松 定吉君            松村 秀逸君   国務大臣    労 働 大 臣 福永 健司君    国 務 大 臣 藤山愛一郎君   政府委員    人事院総裁   入江誠一郎君    人事院事務局給    与局長     瀧本 忠男君    内閣総理大臣官    房公務員制度調    査室長     増子 正宏君    経済企画庁長官    官房長     村上  一君    経済企画庁調整    局長      中野 正一君    経済企画庁総合    開発局長    曾田  忠君    大蔵政務次官  天野 公義君    大蔵省主計局次    長       谷村  裕君    大蔵省主計局給    与課長     平井 廸郎君    労働大臣官房長 松永 正男君    労働省労働基準    局長      大島  靖君   事務局側    常任委員会専門    員       伊藤  清君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○労働省設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○経済企画庁設置法の一部を改正する  法律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 河野謙三

    委員長河野謙三君) これより内閣委員会を開会いたします。  労働省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に続いて質疑を行ないます。  関係当局からの出席の方は、福永労働大臣大島労働基準局長松永官房長人事院より入江人事院総裁瀧本給与局長並びに増子公務員制度調査室長がお見えになっております。  御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  3. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 暫定手当の、本年度暫定手当を無級地支給するという問題を前回論議したわけでございますが、きょうも冒頭にこの問題をやりたいと思っておったんですけれども大蔵省のほうの御出席が二時ごろになるようでありますので、この問題あとに回しまして、特別手当、三月末の特別手当、それから年度手当といいますか、この問題について、公務員制度担当大臣でもありますし、伺いたいわけでありますが、私この三月末の特別手当につきまして、毎年三月になりますと、人事院あるいは公務員制度担当大臣に伺って参っておるわけでありますが、本年もどうしてもこの問題をまた取り上げて論議をしなきゃならないというふうに思うわけであります。  まず、公務員制度担当大臣にお伺いいたしたいのでありますが、三月末に特別手当を出すということにつきまして、公務員組合との交渉の中で、これは出さないというような回答があったように聞いておるわけですけれども、この事情をひとつ伺いたいと思います。
  4. 福永健司

    国務大臣福永健司君) この件につきましては、公務員代表人たちとしばしばお目にかかって話を聞き、また、私といたしましても閣議等で何回か発言をいたしまして協議をいたしてみたのでありますが、結論において、公務員については年度手当ないし年度末においての一時金というものは出せない、こういうことになったわけであります。私は私なりに努力をいたしたつもりでございます。結果においてそういうことになり、したがって、公務員代表人たちにもそういうことについて説明をし、まあ了承されるようにお話をいたしましたようなわけであります。さらに長い間この問題についていろんな話し合いをいたしましたわけでありますが、結果は今申し上げたような次第であります。
  5. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 この公務員に、これは国家公務員に対しまして三月末に何らかの手当支給するということになりますと、これは当然法律改正するかしなければできないわけでありまして、したがって、そういう準備なくして、どのようにお考えになりましても、支給できないことは、これは明らかなことでありまして、にもかかわらず、どうも長いこといろいろ公務員組合代表人たちとお話し合いをなさったようでありますが、やはりそういう法律改正準備がなければできない。そこで、そういうようなやはり法制化をするという必要があるわけであります。その問題につきまして、人事院総裁公務員制度担当大臣に伺いたいのでありますが、これは毎国会私三月になると主張をいたすわけですが、三十一年の三月に、当時の人事院が、当時の人事院と言っては恐縮ですが、人事院政府に対しまして、政府といいますか、公務員制度担当大臣に対しまして、三月末に国家公務員に対しましても特別手当を出す必要があるという、そういう申し入れをいたしたことがあるわけであります。それに対しまして政府はこれを拒絶した形になっておりまして、そこで人事院といたしましては、続いてその年の七月の勧告で、三月末に特別手当を出すという勧告をいたしたわけであります。  そこで、またこの問題を蒸し返してここで論議をいたしたいわけであります。その特別手当を出す理由として言われましたことは、これは国家公務員に対しましても慣行として三月末に出ておったという事実もありましょうし、あるいは四月という月が普通の月と違いましていろいろ金の要る月である。入学であるとか、進学であるとかあるいは幼稚園に入るとか、いろいろありましょうが、つまり、特に普通の月と違って若干の金の要る月だという理由もありましょう。人事院がこの勧告の中で明確にいたしましたのは、三公社現業、この言葉を申し上げますといいのですが、この勧告に載っておりますのは五現業職員、三公社職員は、一般職国家公務員の六月、十二月の期末手当についても、一般職公務員よりも上回っている。さらに三月末において支給される特別手当も増加してきている。こういう前提に立ちまして、かりに特別手当つまり業績手当というのが、五現業公社に特有なものであるとしても、均衡をはかるために国家公務員に対しましても特別手当支給する必要がある、こういう勧告になっておるわけであります。私はこれは実にりっぱな真実だと思うのです。今日といえどもこれはそのとおりであります。さらにますますその真実さを強固にしているものだと思うのです。したがって、この点について種々の角度から人事院総裁に伺いたいのでありますけれども、これは毎回伺っておりますので、簡単に総裁のお考えと、それから公務員制度担当大臣としてのお考えをひとつ承っておきたいと思います。
  6. 入江誠一郎

    政府委員入江誠一郎君) 年度末の手当につきましていろんな経緯、あるいは三十一年の三月並びに七月の書簡なり勧告経緯は、今お話のとおりでございます。そこで、結局、現在人事院年度手当につきまして勧告する意思があるかないか、あるいはその理由を御説明するような御要請だと思いますが、率直に申しまして、現在の段階におきまして、年度手当につきまして勧告する意向は持っておりません。この問題は、国公共闘その他公務員組合の方にも、先ほど来御指摘ありましたように、御折衝がありまして、そういうふうに申して参りましたのですが、それではその理由がどうかということになりますが、私どもも、この三月と申しますか、年度末に、ただいまお話のように、学校の関係とか、その他公務員各位がいろいろ経費が要りますことは、十分存じております。ただしかし、これにはやはり給与勧告をいたします以上は、そこに一つの筋を立てる必要がございまして、一つの問題は、御存じのとおり、公務員給与は大体民間給与調子を合わしておるわけでございますが、これはかって御説明申し上げたこともございますように、いわゆる一時金と申しますか、臨時手当につきましては、現在の民間状況は圧倒的に夏と年末が多うございまして、三月といいますか、春はほとんどきわめて少なうございます。具体的に数字を申し上げてもよろしゅうございますが、大体これは前に御説明したとおりでございますが、それからまた回数から申しましても、年二回というものが圧倒的に多うございまして、あるいは年三回以上というのは非常に少ない、ほとんど金融機関以外は三回以上というのは非常に少ない状況でございまして、そういうふうに民間臨時給支給状況という点から申しますると、回数あるいは三月の支給ということは、少なくとも民間の現在の調子には合わないということになるわけであります。  そこで、それならなぜ一体そういうことがわかっておりながら、今御指摘のように、三十一年の七月に人事院勧告をしたかというきっと御疑念が起こると思いますが、あのころはよく御存じのとおり、大体経緯がございまして、ちょうどあのころの経済変動期に、人事院勧告を留保いたしまして、しばらく公務員給与というものは押えられたわけでございます。その間現業方面においては、団交という方法があります関係もあるかとも思いますけれども、やはり一般のベースアップというものは差し控えられたようでございますが、それが団交によっていわゆる年度末といいますか、年度末に限らず、全体の臨時給が相当ふえるというような状況にございました。そのころは、まあなかなか現在のように、現業臨時給体系というものがはっきりいたしておりませんで、御存じのとおり、大体公務員期末手当勤勉手当に相当するものが、公社現業に、いわゆる期末手当奨励手当、そのほか業績手当というものがありますが、この業績手当奨励手当というものがこんがらがって、全体として非常にだんだん増加して、人事院といたしましては、そこはどうしても割り切れないということで、ただいま御指摘のように、三月にまず所管担当大臣にお願いいたしましたのでありますが、やはりこういうものは法律に基づいたきちっとした形式で要請しなければいかぬじゃないかというような声もあったりいたしまして、別にそうだからというわけではございませんけれども、七月勧告したわけでございます。それを政府が受けられまして、政府としては、年度手当を作るということは給与体系をますます複雑にするというふうな考えもあり、それを十二月の期末手当で増加いたしまして、それと同時に、公務員現業あるいは公社の間で、ことに現業、五現業、主として四現業になりますが、不均衡があったのでは公務員もおさまるまいというので、それを機として、御存じのとおり、給与総則予算総則四現業については改正されまして、業績手当というものを廃止され、奨励手当期末手当ということにし、大体給与水準、いわゆる俸給上の給与水準が大体四現業公務員とが合わさると同時に、臨時給につきましても、四現業公務員というものは調子が合うということで、ずっと参ったわけであります。ただ、三公社等全逓につきましては、これはやっぱりああいう特別な企業的性格を持っておりますので、業績手当いわゆる業績に応ずる手当というものができまして、これはちょっと公務員としては別格のものだという解釈のもとに、その後ずっと政府におかれても、つまり現業関係合理化といいますか、整理されまして、公務員調子が合ったわけでございまして、それで人事院といたしましては、いわゆる不均衡といいますか、という問題はそこで起こりませんで、現在に至っておるわけであります。大体そこに不均衡があるかないかということには関心は十分持っておりますけれども、そういうふうな解決をいたしておりますので、民間調子を合わすということを考えながら、その後ずっと参っておる、その状況は今日といえども変わりません。  そこで、そう申しますと、次に、それじゃ四現業につきまして昨年〇・五、今年〇・二の一時金と申しますか、特別手当が出たじゃないか、それは人事院として不均衡考えぬかというおそらく御指摘があると思いますが、この問題につきましては、一見そういうふうに公務員各位としてもお考えになるのはごもっともなのでございますが、これは御存じのように、去年の仲裁裁定は大体その点をはっきりは裁定理由には書いておられませんけれども公務員給与が十月実施になり、四現業給与が三月末でございましたか、四月でございましたか、そのころから実施になりますので、別に四現業給与を、公務員が十月実施になったからそれに合わすという意味でないけれども、大体給与水準が同様にきておるという点も考慮して、結局そういう実施時期がおくれたというような意味考えて、大体それを補てんするという意味において、一時金を出したという大体そういうふうな意味のことを書いておられたと思います。ですからこれについてはいろいろ御議論ありましょうが、そういうふうに、むしろ公務員均衡をとったというふうな仲裁裁定だったと思いますが、今年は〇・二が支給されまして、その理由につきましては、御存じのとおり、特別な、そういうことは書いておられませんけれども、この点は今後十分研究する必要があると思っております。大体そういうわけで、私どもといたしましては、三十一年の勧告が、政府において解決された、その解決された一つ合理化された線が今日に至っておる、その点については、特別に現在人事院として情勢変化による新しい考え方をするのはいかがかと考えておるのが現状でございます。
  7. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 最初に、御指摘法律改正を必要とすることについて、その用意をしないで、しかも手間取っておったということはどういうことかというような趣旨のお尋ねがございましたが、この点につきましては、まず法律改正して、年度末に手当が出るようにしてくれないかという意味の希望が述べられ、そういうわけに参らぬという話で、それでは何か現在の制度のもとで考えられるいい知恵はないかと、こういうようなことで、さらに話があって、そういうことについていろいろ話し合ってみた、さらにまた、政府としても研究してみた、こういうようなことがございましたので、時間がかかった、こういう次第に御了承をいただきたいと存じます。  後段の点につきましては、ただいま人事院総裁、非常に詳細にお話がございました。私といたしましては、今述べられたような考え方を尊重して処置していきたいと、こういうことでございます。
  8. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 総裁は、割合詳細に御答弁いただいたのですが、この中にどうしても理解のつかない点がありますししますので、重ねてこの点について伺っておきますが、何か情勢変化によりまして、四現業と非現業国家公務員との間に不均衡なものがなくなったようなお話のようですけれども、これは私は、先ほど人事院勧告で文章を引用して指摘いたしましたように、六月と十二月に出る四現業あるいは五現業公社手当というものが国家公務員よりも多くなっていることはこれはもう御承知のとおりであります。これは均衡がとれているというようなことには毛頭ならないのでありますし、さらに、人事院がこの勧告指摘しておりますように、三月末の手当というようなものもこれは毎年出るわけで丸し、その額というものも、昨年は〇・五で、ことしは〇・二ということになっているわけでありますし、不均衡がなくなった、こう情勢変化というものは、毛頭、三十一年当時と全然変わっていないことは、より一そう明確になってきている。人事院としまして、この〇・一という特別手当勧告されましたときに非常に苦労されたのですが、三公社現業が一体どのくらい出されているか、いろいろ苦労されまして、最低限〇・一というふうに押えられたような経過からお出しになっていることは今日明確になっているんですけれども、ですから、不均衡がなくなったというお話は受け取れない。  それからもう一つ、不均衡の問題で、昨年出ました〇・五カ月分というものを、国家公務員は十月から給与が上がって、そうした三公社現業関係は翌年の三月に上がった。したがって、均衡上というふうな感じも受けるのですが、これはとんでもない話です。今のお話ですと、これは三公社現業国家公務員給与を追っているような、追いかけているような印象を受ける——そうではないんです。国家公務員が、言うなれば民間、さらには三公社現業あとを追っているわけです。逆なんです。かりに、昨年人事院がああいう七・一%、千七百九十七円という勧告を出しましたけれども、あれを実施してみても、三公社現業よりも公務員は幾らか低いわけです。だから、国家公務員のほうが三公社現業を追いかけているわけです。こういうシステムになっているわけであって、その意味でこの〇・五というのは、やはり私としては、先ほどのような人事院の、それは公労委なり、そういうところがそういう御解釈をなさるなら、それはそれなりとして、人事院がそういう解釈をなさることは私は理解がつかないわけであります。さらに、先ほどのような総裁の御説明ですと、三十一年の人事院勧告というものは、それは人事院としては今考えてみて、どうも本心の発するところでなかったというような印象を受けるわけですけれども、私は、人事院がこういう勧告をされましたことについては、これは正しい。今日といえども、これは正しいというふうに思っておりますが、それが政府において取り入れられるところにならなかったというような点等もあって、種々総裁が考慮されたような発言をなさいますことは、どうも理解がつきにくいわけであります。もっとも過去の問題でありますから、過去の問題としてのまあいろいろ御反省のあることはわかりますけれども、しかし、反省を越えたような御発言になっているように思います。  それから最後に出されまして、本年の〇・二というやつ、これについては、人事院としても御検討をいろいろしてみたいというようなお話です。私はどうも終始一貫しないと思いますがね。人事院としては、民間給与との関係に重点を置いて考えていくのだ、こういう主張で、三十一年の勧告を若干御批判なさっている。で、この〇・二については、しかしそれとはちょっと離れたような印象を受けて、五現業四現業との関係もやはり考えなければならぬというふうに受け取れる。ですから、私は一番すっきりするのは、三十一年の勧告というのは、やはり人事院としては正しいし、今日といえどもそういう考え方を持っているという論理を展開なされますと、すべて解消するのではないかというふうに思うのです。そこら辺につきまして、総裁にひとつ、あまりこれは突っ込んでごたごたすると、おもしろくないような話になるかもしれませんけれどもね。ですけれども、どうもやはり今申し上げた程度は伺っておかなければならぬと思うのですけれどもね。
  9. 入江誠一郎

    政府委員入江誠一郎君) 今いろいろ御指摘の点は、確かにごもっともな点がございますが、決して三十一年の七月の勧告が間違っておったというふうな意味のことを申て上げたわけじゃございませんので、あのときの、御存じのとおり、二十九年、三十年、三十一年というふうな、一つ給与全体の、あの経済界との関係からきた一つの歴史的な事実と申しますか、そういう点から、ことに現業関係との関係を特別考慮する必要もございまして、ああいう勧告を出しましたわけだと私思いますのですが、まあ、やはり民間に比較するか、現業に比較するか、今お話のとおり、これを割り切ればそれはまあはっきりと申しますか、すっきりするのかもしれませんけれども、まあ、やはりこれは御存じのとおり、何といっても給与法の、公務員法の精神から申しますと、公務員給与というものは、民間給与に合わすということがこれはまあやはり一つの最も大筋でございますから、民間給与によって合わしていたらいいようなものでございますけれども、しかしまあ、実際問題としまして、私どもといたしましては、やはり同じようにあるいは公務員関係に従事するものとして現業関係給与というものに、全然関心を持たないわけにもいきませんわけで、まあしかし、それが先ほど来お話の、一体公務員給与現業が合わしているのか、現業公務員に合わしているのかという問題にも関連して参りますのですが、これはまあよく御存じのとおり、現業でもやはり三公社や郵政というのは大体一〇%以上公務員よりも高いということで、私どもこの問題については、いろいろ意見もございまするけれども、そういうことでずっとやっているわけでございます。そこだけ考えると、公務員が追っているということはなりまするし、なかなかこの問題は、どっちが追うかということは、仲裁裁定が先か、人事院勧告が先かということはむずかしい問題で、私の先ほど申した〇・五の、昨年の一時金、四現業の一時金、公務員と大体調子政府も合わしておられるところの四現業との比較においての〇・五というものは、仲裁裁定委員会がそういうふうなことを言っておられるということを申し上げたわけで、別に人事院がそういうことを解釈したわけではございません。やはり仲裁裁定がそういうふうにいって、〇・五を出されたということは、それだけの増加部分というものは、やはりそれだけ公務員給与水準の大体同じである四現業についての実施時期のズレを補てんするという意味にもとれますわけです。それだけに、直ちに〇・五だけ不均衡ともまあ言えないのじゃないかということを申し上げたのであります。
  10. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は繰り返し言いますように、三十一年当時人事院が出されましたこれは、今日といえどもそのとうりだ。六月、十二月に出ます期末手当、これも国家公務員よりも高くなっておりますことは、これは御承知のとうりです。さらに三月末に、今回は〇・二でありますが、〇・二というものが出ている。総裁は今、〇・二については今後考えてみたいというような話を先ほどなさったわけですが、私としましては、ぜひ〇・二について人事院考えてもらうという点は、強く要望いたしておきたいと思いますが、さらに国家公務員は、国家公務員なるがゆえに、かりに、四現業でよろしゅうございましょう、四現業人たちに対して年末手当も少なくてよろしい、夏期手当も少なくてよろしい、こういうことでほうっておかれるということは、これはよくないというふうに思うのです。で、労働大臣は、公務員制度担当大臣は、幾らか出そうということでいろいろお骨折りになったような話ですが、そのお骨折は、これは法制化してもらわないことには話にならぬのです。ですから、ひとつ担当大臣は、法制化のためにお考えをいただかなければならぬと思うし、それから人事院としては、これは政府はいつも答弁するのでありますけれども勧告を待っておるということもよく言われますし、建前としてそういうものも是認できるわけでありますが、したがって、この三月末の特別手当について、人事院としてはやはり勧告の態勢をおとりになるというようなことを、私としては要望いたしたいと思います。そこで、少しごたごたいたしましたので、労働大臣にその点と、総裁にその点を、それから総裁には、前に申し上げました、あるいは公務員制度担当大臣も、国家公務員国家公務員なるがゆえに、十二月、六月は少なくてよろしいのか、三月末は毎年ゼロでよろしいのか、こういう点についてお気持なりお考えをひとつ。
  11. 福永健司

    国務大臣福永健司君) お話の点は、人事院の御意見も伺って今後に処したいと、こう思うわけでございます。お話の点については、私は私なりに努力をいたしましたが、今、にわかに法制化するというような点については、政府全体といたしましては、なかなか簡単にそういう結論にいくということは困難だと私は見ておるのであります。しかし、まあ私に努力するようにと言われるお言葉に対しましての、その私のお答えといたしましては、まあ、これは、さっきも申し上げましたように、人事院の御意見も尊重しつつ、私は私なりの努力を今後もいたしたい、こう考えております。ただ、先ほども申し上げたことを繰り返すわけでございますが、努力いたしますということによって、直ちに現実的な期待が多く持たれますということになりますと、期待はずれだということで、またおしかりを受けなければならぬことになりますので、先ほど申し上げましたように、とは申しても、なかなか容易ではございませんということは、つけ加えさせておいていただきたいと思います。
  12. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  13. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 速記を始めて。
  14. 入江誠一郎

    政府委員入江誠一郎君) この公務員の夏と冬との臨時給及び三月の臨時給の問題でございますが、大体、先ほども御答弁申し上げましたので尽きるわけでございますが、結局、大きな方針といたしましては、繰り返しますようでございますが、やはり民間臨時給公務員給与を合わすということで、やはり今後とも参りたい。しかし、一面、この現業関係に全然関心を持たないというわけにもいきませんので、ただ、まあ、この現業関係、これは私から申し上げることではございませんが、どうも現業関係でも、やはり三公社と郵政と申しますかは、業績手当というものの関係上、公務員と相当差があることは、私ども承知いたしておりますけれども、やはり企業の性質から言って、業績手当というものが、団交によって、その時の業績が上がったということで支給されるものは、これはまあ、やはり特別扱いを、ある程度いたしませんと、それにすぐ公務員を合わしていくというわけにも参らないのじゃないか。やはり四現業というものが、もし合わせるとすれば、一つの対象になるのじゃないかと思いますが、そういうような意味で、先ほど来の、るる御説明申し上げたような理由によって、現在のところでは、三月の臨時給勧告をすることは少し無理じゃないか。なお、今後もいろいろ検討いたしたいと思います。
  15. 河野謙三

    委員長河野謙三君) ただいま大蔵省天野政務次官並びに平井主計局給与課長が出席されましたから、御報告申し上げます。
  16. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 総裁が今、民間給与に重点を置いてお進めになる、しかし、現実問題として、実際問題として、やはり四現業関係関心を払っていかなければならぬというお話ですが、私は、今、現実論として申し上げておるわけです。民間の問題をどうこうということでなくて、現実問題として、国家公務員がかりに今、総裁がおっしゃるように、四現業の年末手当夏期手当よりも少なくていいのか。それから三月末はゼロでいいのか、毎年ゼロでいいのか。その点について、総裁の見解を承りたいわけです。今の担当大臣も、公務員制度担当大臣お話のように、人事院意見を尊重しながら進めていきたいということでありますし、法律の建前として、そういう趣旨であると思いますが、したがって、私は、その点、やはり問題は、人事院総裁がどういうふうなお考えをお持ちになるかということも重要な問題だと思いますので、いいというふうにお考えになるかどうか、伺いたいのです。
  17. 入江誠一郎

    政府委員入江誠一郎君) 現在の段階におきましては、先ほど申し上げましたように、四現業公務員との関係におきましては、公務員のほうが悪いというふうに申し上げられないのじゃないかと思います。それは、やはり昨年の〇・五、今年の〇・二というようなのは問題になると思いますが、昨年の〇・五の分につきましては、私どもとしてはやはり仲裁裁定理由を見まして、必ずしも公務員のほうが悪いという解釈はできないのじゃないか。今年の〇・二というものは、仲裁裁定としてはただ一時金とうたってございますが、おそらくやはりそういうふうな理由じゃないかと思いますけれども、この点は私どもいかんとも解釈するのは無理でございますから、どういう趣旨で出されたかは今後ひとつ十分検討いたしたいと思っております。
  18. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 総裁は、四現業期末手当公務員と比べてみて均衡がとれているというんですが、そういうお話では私は理解つかない。これは三十一年に人事院勧告の中で指摘しておられますように、年末手当それから夏期手当も差が出ている。その後三十一年からずっと差が出ているわけですよ。低かったということはないんですよ。同じだったということもないんですよ。さらに今の〇・二の問題についても、これは公務員の場合ゼロですから、そういうお感じで公務員の大切な給与を御判断いただいては私としてははなはだ遺憾に思うわけです。
  19. 入江誠一郎

    政府委員入江誠一郎君) 詳細なところは給与局長からまた説明をしてもらいまするが私ども、三十一年までは、勧告した当時は確かに四現業と差がございました、奨励手当とかあるいは業績手当関係もはっきりいたしておりませんし、四現業についての給与総則の適用もあれまではございましたから。ところが、三十一年にあの給与総則の規定が改正されたわけでございまして、その後は三月支給のものはずっとゼロで参っておったと私どもは了解しております。それが、御存じのように、昨年の〇・五と今年の〇・二というものが出された、そういうふうに解釈いたしております。なお、給与局長から。
  20. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) ただいま総裁からお答えになりましたとおりでございますが、少しつけ加えさしていただきますと、これは、先ほどからお話が出ておりまするように、三公社現業の中におきましても、三公社と郵政というものと、そのほかの四現業というものの間には、十分確信を持っては言いがたいのではありまするけれども給与水準に相当の差があるようでございます。それで三十五年の四月に、当時は人事院勧告実施がおくれておりまして、三十五年の四月に公務員は四%上がった。その当時におきまする仲裁裁定の結果、やはり三公社現業につきましても三十五年の四月に上がった。こういう経緯がございます。その後の時点におきまして、われわれといたしましては、三公社、郵政につきましては、相当の格差が公務員と比べて給与水準においてある。しかし、四現業につきましては大体同程度の水準である。このように一応推算して考えておったのでございます。そこで、三十五年の十月には公務員のほうが一二・四%上がりました結果におきまして、三十五年の十月から三十六年の四月の間におきましては、おおむね三公社、郵政と公務員の水準は大体一致したのではなかろうか、こういうふうに思うわけであります。ところが、四現業につきましては、公務員のほうが一〇%程度高くなっておったのではなかろうか、このようにわれわれは考えております。三十六年の四月に仲裁裁定の結果、おおむね三公社現業に対しまして、まあ思惟は多少違いますけれども、おおむね一〇%程度の給与改善があったということでございまするので、また、その時点以降におきましては、三公社、郵政はまあもとの格差程度にまた戻ったと、しかし、四現業公務員とは大体同一水準になったのではなかろうか、このように考えております。  そこで、一体われわれが、公社現業に十分な関心を払うという意味におきまして、三公社、郵政を問題にすべきであるか、あるいは四現業を問題にすべきであるかという問題があろうかと思うのでありますけれども、先ほど総裁も申されましたように、三公社、郵政というものにつきましては、まあ業績手当という、これは俗称でありましょうが、制度がございまして、予算の節約があったとか、あるいは業績が上がったとか、あるいは予定以上に収入が上がったとかいうようなことに対しまして臨時の給与支給するという方法が残されておるわけでございます。しかし、四現業につきましては、先ほど総裁お話にもありましたように、これは業績手当というものを一応予算総則考えないということで、このいわゆる特別給につきましては公務員と同一な取り扱いをするということになったわけであります。問題は、三公社、郵政を中心にするか、あるいは四現業との比較を中心にするか、いろいろ観点はございましょうが、今のような三公社、郵政につきましては特別の取り扱いに、取り扱いと申しまするか、まあ業績手当という制度があるという点が変わっておるわけでございまするので、一応比較としては四現業公務員ということを考えていくのが妥当ではなかろうかろうかという考え方があるわけであります。まあそういう考え方に立ちまする限り、少なくともここ一、二年の経緯を見て参りますると、公務員給与の改善が行なわれた時期と、それから四現業給与の改善が行なわれた時期につきましては、ここ一、二年のところを見て参りますると、四現業のほうが多少おくれがあるというようなことから、先ほど総裁お話になったような経緯に相なろうか、さように思うのであります。  この公務員につきまして夏期と年末だけで、年度末に手当がないという制度がいいかどうかという、イエス、ノーというようなどっちかの返事をしろというようなお話でございまするけれども、従来の経緯考えて参りますると、現在のところ、やはり直ちに年度手当というものを一般職公務員につきまして考えることが妥当であるという線は、現在のところまあ出ていないということに相なるのでございまして、総裁も言われましたが、四現業につきまして昨年〇・五で、現実にそういうものが出て、また、ことし〇・二というものが出て、一つ体系的にそういうものができておるということにつきましては、これはまあ人事院といたしまして十分な関心を持つわけでございまして、こういうことにつきましては今後とも十分研究いたしたい、このように考えております。
  21. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 少しくどくなりまして恐縮なんでありますけれども、昨年の十二月末の年末手当、これがかりに四現業をとってみて、その四現業国家公務員と同じだというお話は受け取れません、そんなものじゃない。ですから私は公務員は逆に低いのだというこを言っておるわけです。それで終わってないでしょう。四現業の場合はさらに年度手当も出てくる。ですからこれは人事院勧告された、そのとおりなんですよ、今日も。今日もそのとおりです。同じだというようなことは言えない。ですから、総裁なり今の瀧本局長が御答弁になりましたように、民間給与というものを主たる対象として均衡をとるようなふうに進めていかれる。同時に、現実問題として三公社現業、あるいは総裁のおっしゃるところの四現業、こういうものと国家公務員の期末、三月末の手当についてある程度均衡のとれるように努力されるという必要があるのじゃなかろうかというふうに思うのです。三月末に毎年出ているのに、人事院がその考えは要らないようなお話公務員に対してはこういう措置をして放置していいのかどうかと私は思うのです。毎年三月末になるとみじめな思いをする。まあみじめな思いじゃないかもしれませんけれどもね、情けない話です。いつもゼロ。こういうものを私は放置するわけにいかないのじゃないかと思う。さらに、民間において二回になっておるというようなお話ですが、民間においては三回出しておるところもありましょうし、四回出しておるところもありますが、しかし、毎勤統計などを見てみましても、集中的にいっているのは、十二月、それから一月というところに集中しております。それから夏は六、七、八というところに集中しておりますし、もう一つ〇・二程度の山がこの四月にあるわけですね。はっきり毎勤統計に毎年出てくる。ですから、民間をお考えになりましても、少なくとも人事院がお考え程度のものなら、これは三月といいますか、四月にこういう手当を出されるということは、民間関係でもいえると思います。それは夏とか六月とか、十二月ほど集中的じゃない。しかし、はっきり四月という月が出ておるのです、目立っておるのです。ですから、そういう点について、どうも人事院がこの三十一年の勧告が、政府に、これを実施するに至らなかった、特別手当を創設するに至らなかったという意味から、少し人事院としては配慮を払われ過ぎておるのじゃないかというふうに思うのですが、この点について、もっとやはり国家公務員の立場に立って真剣に検討されるお気持はないものかどうか、伺いたいと思います。
  22. 入江誠一郎

    政府委員入江誠一郎君) 先ほど申し上げましたとおり、これは公務員に限らず一般民間の職員でございましても、やっぱり三月に金が要るということは大体同じだろうと思います。まあ子供を持っておりますと学校の入学に関係して経費が要るとかいった——。そこで、もし民間のほうで三月に出ておりませんで、それをまあ不自由をしておられるとすれば、それのいい悪いは別問題といたしまして、公務員だけにこの三月に、それは事情は十分わかりまするけれども民間に出ておらぬものを出すということについては、これはやっぱり十分、何といいますか慎重に考えなければならぬ問題があると思います。  そこで民間関係は、たびたび申し上げて恐縮でございますが、大体決算期、年二回の決算期に出すという関係もございまして、それは三月、四月ごろに出ておるのもございますけれども、きわめて全体のパーセントとしては少のうございます。やはり、六月、年末今御指摘のように夏と暮れというものが中心でございまして、いわゆる年度手当と申しますか、三月に特別の手当を出すということは、民間臨時給というものを基準にする以上は、なかな現在考えにくいのじゃいかという気もいたすのでございます。ところが、現業ではそれを出しておられるという問題がございまして、ここが私どもとしてはちょっとはなはだむずかしいところで、しかし、業績手当の  ほうはこれはまあやむを得ないとして、四現業について、今までの解釈といたしましては、公務員給与よりも実施がおくれておるというような意味で出されておるというふうな仲裁裁定理由でございますから、それならばこれはまた均衡という画が考えられない。それからもう一つ、例の二千一年以来の四現業につきましての臨時給というものは、私どもとしては、合理化されたと思っておるのでございます。それが事実どういうふうになっておりますものか私どももなかなか立ち入って調査もできませんから、まあ私どもの持っておる資料では、三十一年までは四現業についても出ておりましたのがその後ゼロになりました。それから昨年度、今年度がああいうふうになっておるという資料なのでございます。まあ大体そういうふうな考え方でございます。
  23. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 どうも人事院側の見解がはっきりしないのですが、まあこれ私毎年取り上げるものですからね。本年あたりにひとつピリオド打ちたいという気持がありましてね、根強くやっておるわけです。で、これはもう御存じのように、どうも人事院としてのこの三公社現業のそういうような問題についてのこれは関心があるようであってなかなか薄いような印象を受ける。したがって、もっとそういう意味においてもひとつ御検討をいただきたい。私毎年これは五現業公社関係でこれは問題にいたしておるわけですし、ぜひひとつこの三公社現業との関係、十二月、六月の分、これと同じであるなどと言うことだとたいへんなことであると私は思います。それとこの三月末——さらにこの民間関係におきましても、これは夏季手当あるいは年末手当と同じようなものがあると私は申し上げていないわけでありまして、毎勤統計でも明らかに四月という月にはこういう相当目立った金が出ておるわけですから、これは平均してならしますからなかなか出にくいのでありますが、ならしてみてもこの毎勤統計に出ておるようにはっきり山が出ておるわけですから、決して看過していいようなこまかい山じゃないのです。当然目を見開いて見なきゃならぬ山が出ておるわけです。そういう関係等もひとつ考慮なさいまして、ぜひひとつ三月末の特別手当創設について人事院の真剣なるひとつ御検討を御要望申し上げておきたいと思います。  次に、今大蔵省の政務次官見えましたので、暫定手当について伺いますが、この暫定手当は、昨年の臨時国会、三十九国会におきまして種々まあ大蔵大臣、それから公務員制度担当大臣、それから人事院総裁等御出席内閣委員会におきまして種々論議になって、要するに、この暫定手当についてはやはり参議院、衆議院の附帯決議のあるような形で処理するということしか方法ないのじゃないかというようなことに相なったというふうに見ておりますが、そうして昨年の十二月の十四日に人事院勧告をいたしたわけであります。暫定手当についての処理について勧告いたしたわけでありますが、ところが、この処理につきましてこの三十壮年の予算に組み入れてない。それから法律改正ということもないという形になっておるわけであります。したがいまして、この問題について、先般旅費の一部改正法律案が出ましたときに、大蔵省当局の意見も伺い、続いて公務員制度担当大臣の御意見も伺たっわけでありますが、大蔵省当局のこの意見といたしましては、人事院が昨年七・一%という勧告を、民間との給与の水準でしたと、その後いささかなりともその公務員給与水準を動かすようなこの暫定手当実施について消極的であったと、したがって、実施しないということにしたのだと、こういうような御答弁なんですよ。で、同時にもう一つありましてですね、どうもこの実施については給与水準を動かす。つまり、おそらくことしも八月八日あたりに人事院勧告されるということになりますけれども、そういう時期に考えるのではないか、あるいは実施されるのではないかという印象を受けるような御答弁をなさっておられるわけであります。  そこで、このうしろのほうはあとでお伺いいたしますが、前者の、給与水準をいささかたりとも動かすということについては消極的であったという点についてもっと明確にひとつ答弁をいただきたいわけであります。それは、昨年、一昨年ですね、十二月に人事院がこの暫定手当について、同一市町村内におきます暫定手当についての勧告を行なったわけです。それについては、これもいささかなりともということになりますが、いささか公務員給与水準を動かすことになるわけですが、それについてはその翌年の四月一日から実施されたわけなんです。法律改正し、予算に計上して実施されたわけなんです。それをやっておって、ことしになりましていささかなりともというようなお話ではこれはどうにも理解がつかない。ですから、どういうようなことをお考えになっておられるか。いささかなりとも侵したくない、そういうお考えなのかどうか、お伺いいたします。
  24. 天野公義

    政府委員(天野公義君) ただいまの御質問の、あとの点からお答えいたしますと、三十五年四月実施暫定手当の同一市町村内における不均衡の是正の措置は、この間の勧告の本俸繰り入れの措置とは性格が違いまして、市町村合併等に伴うための不均衡是正の措置でありますので、前回はそういう措置をとったわけであります。で、昨年の暫定手当の整理についての人事院勧告につきましては、それまでのいろいろな経緯が御承知のとおりあったわけでありますが、給与体系全体の中で総合的に検討する必要があるというような観点でありまして、三十五年度給与法の改正によりまして、人事院暫定手当に対する調査勧告を明確化して参ったわけでありまして、その趣旨からいたしましても、今回の底上げ方式による一段階の整理ということはいろいろな給与体系の、たとえば民間との給与の格差の問題にも影響を与えるというようなことでございまして、本年の人事院の調査によるいろいろな資料の結果というような問題をいろいろ研究した上で総合的に決定をしたいというふうに考えるわけでございます。
  25. 河野謙三

    委員長河野謙三君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  26. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 速記を始めて。
  27. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 どうも私奇妙なお話を聞くのですけれども、妙な話だというふうに印象を受けるのですが、一昨年の同一市町村内におきます暫定手当の処理の問題は、これはやはり水準を侵すのですよ。公務員給与水準というものは、御承知のとおり、本俸、家族手当、それにこの暫定手当を含めて給与水準になっておるのです。ですから、同一市町村内の暫定手当の不均衡を直されるということは、今までに支給されていないということです。あるいは若干支給されているところに一段階加わった。ですから水準を侵すことになる。今度のやつは無級地に対して一段階の三分の一を本年支給しようということです。その意味では若干水準は変わります。無級地に対して一段階の三分の一ですから、大体一・二%、それを全公務員に直しまして〇・一ぐらいの水準が動くことになる。〇・一%か〇・二%程度の水準が動くと思います。しかし、先ほど言いましたように、昨年の実施だってこれは水準は動くのです。ことしだって水準は動く。ただ違うのは、本俸に繰り入れていくという措置が違うだけの話、これは三年後の措置でしょう。ですから水準が動くということで消極的であるということについては、これは理解つかない。さらにもっとさかのぼって言いますと、この地域給というものを暫定手当にするというふうな意向の強かったのは、政府のほうがそういう意向が強かった。そうしてこの暫定手当について一段階無級地に対しても全部支給して本俸に繰り入れていった、そういう主張が強かったのは政府のほうの考え方なのです。それが今になってこの〇・一ぐらいの水準が動くのはけしからぬという御判断は私としては納得できないのです。もし、そういうようなこまかいことをおっしゃるなら、私としては昨年人事院が七・一%、約千八百円、五月から引き上ぐべきであるという主張に対して、五月から引き上げないのはどういうわけか、民間との水準差をそういうふうに事やかましく主張されるならば、なぜそれは五月一日に実施なさらなかったのか。さらに夏季手当にいたしましても、〇・二という夏季手当は当然民間との水準をやかましく言われるならば、これは昨年の六月に支給すべきだ。これをことしの六月に一年ずらされた。そういうような措置をしておるのですから、これは他の大きなものをやるよりは、こういうものは微々たるものはへいちゃらだというお考えなら別だが、私としては理解つかない。すみやかに処理すべきだというふうに思います。
  28. 天野公義

    政府委員(天野公義君) 先ほど申し上げました市町村合併等に伴うのは、合併した市町村で不均衡があるということは、非常にこれはおかしなことでございますので、そういう観点から局部的に措置をしたわけでございます。  暫定手当の繰り入れの問題につきましては、全般にも影響のある問題でございますので、よく検討しなければならない問題でございまして、検討いたしているところでございます。
  29. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それじゃ、いささかなりとも水準を侵すというような妙な論理は撤回したものと、そういうような印象を受けますが、けっこうです。したがって、すみやかにこの点についての実施をひとつ、要望いたします。  もう一つ、問題は、どうも公務員給与の水準を動かす場合に処理したいという感じを私は受けているわけです。これはそういうことをされてはかなわない。昨年は御存じのように、人事院民間との給与差、これは公務員が七・三低いという資料を出した。そうして、人事院勧告は七・一%。ですから、〇・二%切り捨てた。今回先ほど申しましたように、この暫定手当実施するにあたっては、全公務員に対して大体〇・一か〇・二ですよ。そういうものを今度の勧告に織り込める、突っ込めるのではないかという考えを持っておられるのではないかという感じ、私は気がしてしようがない。そういうようなこそくな手段を使われると、国家公務員としても非常に感じが悪い。こういうことをされたのでは。ですから、私は給与を改定されるときと分けて実施すべきだというふうに思いますが、突っ込みますと、〇・一%か〇・二%ですから、全体を並べますと財源的には突っ込めるわけですよ。  繰り返して申し上げますが、昨年の民間との差は七・三%、勧告は七・一%、〇・二%切り捨てた。そういう措置がとれるのですよ。私は人事院政府が密接な連絡をとってやられるということは直接考えませんが、そういう印象を強く与えますね、考え方は。ですから、給与水準を侵すということは別にして処理していただきたい。そういう点をいかがお考えですか。
  30. 天野公義

    政府委員(天野公義君) 暫定手当に対する人事院勧告というものを全然考えておらないというのではなくて、暫定手当に対する勧告を尊重していろいろ研究しているわけです。それとまた、給与改定等の問題が起こるというような場合におきましては、これは当然両方合わせて考えていかなければならないことは当然であろうかと思います。
  31. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 両方合わせるというその考え方が私は非常に危険な——危険といいますと恐縮ですけれども公務員の気持としては割り切れない。ですからやはり給与水準を動かすときとは別にこの暫定手当を処理していただきたいという私の気持なんです。そうでありませんと、どうもその勧告に基づいて押し込んじゃうんじゃないか、〇・一か〇・二を押し込んじゃうんじゃないか。そして何かもうごまかされちまったという感じを——もらうほうはもう無給地としてもらうんですからいいんですけれども、全体として財源的に見て、そういう処理をされるんじゃないかという気持を持ちますから、分離して実施してもらいたいということです。
  32. 谷村裕

    政府委員(谷村裕君) 政務次官からもお答え申し上げておりますので、補足的に申し上げさしていただきたいと思います。  だんだん御指摘のとおり、また、当方の大蔵大臣が衆議院でもお答え申し上げておるとおりでございまして、暫定手当勧告に従いまして将来処理して参るということは、これはかねがねの政府考え方でもありますので、決してそういうことに消極的であるわけではございません。ただ、昨年度一般給与改定に関する、今おっしゃいました七・一%という給与改定の勧告が出まして、それから追っかけて暫定手当のまた勧告が出たわけでございますが、官民給与格差の考え方なりあるいは給与改定と暫定手当の問題は別ではありますが、実質的には公務員給与水準を多少なりともふくらますという関係もあり、人事院勧告において、たとえば今お話しになりました〇・二という差が、実はそれを予定していたかのごとく鶴園委員おっしゃいましたかのようにも伺ったのでございますが、はたして暫定手当勧告を織り込んであらかじめ八月の勧告をされたのであるか、しからずして八月の勧告勧告暫定手当はまた暫定手当ということになりますというと、要するに早く一歩を進めたか、一歩おくれて追っかけていくかというふうな問題でございまして、まあわれわれは〇・二くらいの点は別途初任給調整手当等の関係において、全体として見れば調整されている問題であろうかというように聞いておったのでございますが、いずれにいたしましても、ただいま政務次官お答えになりましたとおり、今後におきますまあ公務員給与勧告と合わせるという言葉の解釈にもよりますが、よく見合いまして、そうしてそれと一緒くたにしてどうするという意味ではございませんが、彼此よく相互に勘案いたしました上で、政府としては処理するのがよかろうという結論に立ち至ったわけでございます。決してその消極的であるとかいうふうな意味のものではございませんことをしばしば大蔵大臣も申しておりましたことを御了承いただきたいと思います。
  33. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は、そういうことをおっしゃるなら、さっきからるる述べておりますように、この暫定手当について、これは地域給を暫定手当にするという政府の御見解もあったんだし、それを本俸に突っ込んでいくということをやってこられたわけですね。今回に限ってこういうことを言われる。水準を少し動かすのはいやだと。じゃあ一昨年のあの勧告はどうだ。あれも水準を少し動かすんです。〇・一%ぐらいになるかわかりませんが、少し動かすんです。そういう論理を使われるなら、今回に限ってどうしてそういう論理を使われるのかと思うわけです。聞くところによると、春闘にいささかなりとも刺激を与えないんだというようなことも聞くんですけれども、全く話にならぬのですね、〇・一ぐらいでは。ですから、私はそういう答弁ではなくて、人事院が今度また給与水準を動かすときとは別に処理すると、こういうふうに政府に要望したいわけです。そうでありませんと、私は将来の問題を申し上げているんですよ、過去のでなくて。かりにこの八月にX%勧告をしたという場合に、その中にぶち込まれるのじゃないかという懸念です。ですから分けて処理してもらいたいという点です。お分けになるのか、ならないのかという点を伺いたい。
  34. 谷村裕

    政府委員(谷村裕君) これは論理的にはもちろん別の問題であると思いますけれども、きのうも大蔵大臣が衆議院の内閣委員会でお答え申しておりましたが、いずれにいたしましても、本件はすみやかに人事院勧告の線に従って処理することとしてただいま考えておりますということを申し上げておりますので、私もそういう点についてお伝え申しておきたいと思います。
  35. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 要するに、分離するのですな。一緒だと誤解を受けるのですよ。これはもう一ぺん大蔵大臣に来てもらいたいと思いますよ。それでまあかりに分離しておやりになるとしましても、これはもう法案の準備はないわけですね。今国会どうということはないわけですね。ですから次の国会になりますよ。次の国会になりますと、給与勧告と一緒になるわけですよ、給与勧告を処理する臨時国会、おそらく臨時国会のときに、ことしの八月の人事院勧告の処理問題も当然出来ましょう。今の国会ではしようがないのですよ。そのときに一緒になるのじゃないかという気がするのですよ。ですから、私は暫定手当について臨時国会でよろしゅうございますがね、今の国会はしょうがないのですよ。今やれといったって法案の準備がないのですから、そのときになりましょうが、そのときに明らかに分離して、そうしてさかのぼってもらいたい。さかのぼらないといけないのです。そうでないと分離したということになりがたいですよ。疑いを濃厚に持たせますからさかのぼってもらいたい。もしなんでしたら、ぜひ一つ大蔵大臣来てもらって、この点をはっきりした答弁をいただきたいというふうに思います。
  36. 天野公義

    政府委員(天野公義君) 御意見の点はよく承っておきますが、先ほどから御答弁申し上げておりますように、暫定手当勧告は尊重いたしましていろいろ研究をいたしておきます。また、人事院勧告がかりに今後出たという場合におきましては、その人事院勧告というものをよく拝見をさしていただき、また、そうしてこの問題との関連性等もよく研究をして処置をしなければならないのではないか、かように思うわけであります。
  37. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 どうも私そこのところまだ関連さして——関連さしてというのは、この八月の勧告と関連さしてという考えですと、依然としてやはり水準問題にこだわっておられる。どういうわけで今回に限って水準問題と一緒にやろうとなされるのか私わからないですよ。るる述べているのですよ。今回だけこれを主張されるのですよ、今回だけ。国家公務員に要する経費は約六億八千万円ですがね、この間三公社現業裁定が出ますとどんぴしゃり四月から実施になるわけですね。国家公務員についてはこういう六千八百万円程度の——程度といいますと恐縮ですが、六千八百万円という金が何か水準を少し動かすのじゃないかという御懸念をなさる。これでは私ども国家公務員にとっては浮かばれない、こういうことでは。分けてやるということをはっきり明言してもらいたい。なければもう一回大蔵大臣と、いずれ大蔵省設置法がかかっておりますから……。
  38. 天野公義

    政府委員(天野公義君) 分けてお考え下さってもけっこうでございますし、また、勧告が出た場合には、これはまたいろいろと考えていかなくちゃならない問題でございますから、別にそのときになって一緒になって考えなければならぬという問題でもないわけでございまして、分けた考え方で研究しておるわけでありまして、もし出た場合にはこれはやっぱり一緒に考えなければならぬでございましょうと、こういうふうに申し上げているわけです。
  39. 河野謙三

    委員長河野謙三君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  40. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 速記をつけて下さい。
  41. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それじゃ委員長お話もありますから、今の暫定手当はこのくらいにおきますが、この給与の問題について、これは国家公務員制度担当大臣の問題でもあるし、本内閣委員会においても、この春こういう論議をしなければならぬと思いますし、したがって、ぜひこの機会に若干質問をしておきたいと思いますが、人事院がまたことし民間給与の実態調査に入っておるわけです。入ってといいますか、この四月の民間給与を調査するために、要綱ができまして、そして各ブロックで説明会を開きまして、五月連休があけますと直ちに全国的な調査に入られるわけですが、そこで、総裁に一点ほど伺っておきますけれども、今度の調査様式、これは昨年につけ加わったものがあるのか、あるいは昨年のもので変えたものがあるか、そういう点について簡単に伺いたいと思います。
  42. 入江誠一郎

    政府委員入江誠一郎君) 大体昨年どおりでございます。ただこまかいことでございますけれども、かねて鶴園さんからも大体お話のございました宿日直手当に関連いたしまして、多少調査をいたそうと思っております。
  43. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 この労働省で出しておられます毎月勤労統計、これは人事院勧告の場合の資料としても重要な資料になっておるわけでありますが、この資料を見ますと、昨年の五月から毎月民間給与がずっと上昇して参っておりますね。これは一昨年とは目立った上昇の仕方をしておるわけです。毎月同年前月と比べてみて相当上がって参っておりますね。それで、この昨年の四月を一〇〇としますと、この十二月には  一一・一%上がっていますね。二千三百六十九円上がっている。それから一月は少し下がりまして、これはいつも十二月は幾らか上がるのですが、一月は下がって、千七百九十三円上がって、率として八・七%上がっておる。こういう関係から、私は今回労働省としてもよく御存じだと思いますが、この一月、二月、中小企業なりそういうのが、非常によく賃金が近代化して参っておる、上がって参っております。さらにこの四月の新聞等に出るような組合においても賃金が相当に上がったことは御存じのとおりです。したがって、私は人事院は四月末で調査をなさるわけですが、その場合に、毎勤統計でおそらく二千五百円程度上回るのじゃなかろうか、こういう判断をいたしておるわけであります。そういたしますと、昨年は毎勤統計で千七百円程度一年間に上がったわけです。ことしは二千五百円程度上がるということになりますと、これは相当な勧告を出さなければならぬというような私は推定をいたしておるわけなんです。そういうことについて、人事院としまして種々御賢察になっておるのだろうと思うのですよ。年一回の調査をやるのだから、それまで待てばいいというのじゃなくて、公務員給与については日夜、やはり始終お考えになっておると思われるのです。したがって、資料としてありますのは、今労働省が持っておりますこの毎月勤労統計ですか、そういうものから判断をして、人事院はどういう考えを持っておられるか。
  44. 入江誠一郎

    政府委員入江誠一郎君) 毎勤の資料でございますとか、総理府統計局の資料とか、もちろん私どもといたしましては、一般労働経済情勢というものに非常な関心を持っておりますけれども、具体的に公務員法に従いまして、八月ごろになりまするか、報告をし、あるいは勧告をするかどうかというようなことは、これはやはりただいまお話民間給与調査を見まして、それから人事官会議を開きまして慎重に検討いたすべき問題でございまして、現在全然白紙でございます。
  45. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 勧告については白紙であることはもちろんでありまするが、少なくとも、公務員給与をあずかっておる人事院が、この毎勤統計をごらんになっておると思うのです。したがって、この毎勤統計の趨勢から見まして、おそらくことしもまたこれは相当な上がり方になるだろう、私はおそらく少なくともこの十二月の民間の上がり工合、つまり昨年の四月から昨年の十二月、二千三百六十九円民間が上がったわけですが、この上がり方は四月にはこすだろうというふうに見ております。例年の例から見まして四月は十二月分をこすということは明らかでありますので、はるかにこすのじゃないかというふうに見ておるわけです。そういうふうな御判断もあってしかるべきだと思うのですが、この春にそういうお感じもないというのでは、はなはだ遺憾に思うのですけれどもね、そういうふうな検討をなさっておられるかどうか。     —————————————
  46. 河野謙三

    委員長河野謙三君) この際、委員の異動について御報告いたします。  ただいま吉江勝保君が辞任され、勝俣稔君が選任されました。     —————————————
  47. 入江誠一郎

    政府委員入江誠一郎君) いろいろ現在の資料を勉強いたしましたり、関心を持つということと、実際人事院がどういうふうに国会なり政府にお願いいたすべきときにお願いするかということと、これは別な問題でございまして、やはり問題は、人事院として、公務員給与をどういうふうに国会並びに内閣にお願いするかということが問題なんでございますから、その意味におきましては、現在のところでは全然白紙でございます。
  48. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いや、それは白紙のことはわかるんですよ。それを聞こうと思っているんじゃない。いつも人事院総裁が言っておられるように、民間給与との均衡をとるということですか.ら、今どんどん上がってきているわけですね。そういうことと関連して、ことしはこれは相当なものだというお感じを持っておられるだろうと思うんですよ。あるいは何も考えなくて白紙だというお話では、これはどうも人事院としてちょっとおかしいですね。私せっかく数字をあげて言っているのですから、それに対して、私どももそういう問題について検討しておりますが、こんな工合になるかもしれません、というようなことくらいは……、しかし、勧告はそれはまた別ですと、それならわかる。
  49. 入江誠一郎

    政府委員入江誠一郎君) これは鶴園さんも十分御存じのとおり、単に相当なものだから……、それからが問題でございまして、人事院側からそれを簡単に申し上げられませんことは、これは十分御了承願えると思います。
  50. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は、これは公務員制度担当大臣にも、それから最も関係のある大蔵当局にも、ひとつこういう席上で聞いておいてもらいたいと思う。そうでないと、〇・一%の給与水準を動かすのもごたごたと意見が出るような状態ですから、それでことしは例年と違って非常に民間が上がって、私はほくほくしているわけです。相当な上がり工合ですね。で、私は、毎勤統計の一年間の上がり工合と、それから人事院勧告と、これは詳細に関連して検討してみているわけでして、そこから質問したい点もありますが、きょうは労働大臣お急ぎのようですから、特にその点申し上げませんですけれども、これはまた、ことしも今のような状態ではそのままになって、人事院としては、おせっかいな話ですが、ピンチに立たされるんじゃないかというような気もしているものですから伺っているわけですが、これは勧告とは別問題ですから、時間の関係もありまして次に移りますがね。  期末手当ですね。これも私は勧告と毎勤統計との関係を詳細に検討して参っているので、私は毎月勤労統計を見ているんですがね。総裁のほうはどうもそうでないような印象を受けるのです。それで毎勤統計を見ておりまして、エコノミストに出ておりますから、毎月まずこれを見て楽しんでいるわけですけれども、この期末手当も相当ふえてきておりますね。昨年の四月から一月で、毎勤統計で見ますと、約〇・六カ月分くらい民間がふえておりますね。総計いたしますと〇・六ヵ月分ふえているわけですよ。それで人事院のやつは五十人以上の給与ですから、例年これより少しふえるんですね。ですから、期末手当についても相当ふえるんじゃないかという期待を持っておりますが、この点については、人事院に伺いたい点もありますけれども、どうも総裁渋られるようですから、それは人事院関係のあります、私がこの委員会で毎回取り上げている公務員期末手当を、民間の職員と工員との平均で比較されるということについては、これは改める意思がないかどうかということを伺いたいと思います。改める意思がなければ毎回国会で問題とし、今日においても相当徹底した私は論議をしようと、こういう気持を持っております。これは急に変えられるというわけにもまたいきにくい点があると思いますが、昨年の勧告で明らかなように、職員は四・〇六カ月分、工員は二・六二カ月分くらいであります。平均して三・四六カ月分というものを出しておられる。これは、改めると、期末手当はぐんと上がりますから、ちょっと人事院としてもたいへんなことだろうと思うのです。しかし、四十万の人事院所管の公務員の中で、工員というのはほとんどないんですからね。給与はこれは職員と比較して、期末手当は工員と職員と半数ずっとって比較されるというやり方は改むべきだという主張を始終言っているのですが、総裁の御見解をひとつ。
  51. 入江誠一郎

    政府委員入江誠一郎君) この問題も毎回お話が出て、毎回同じことを申してたいへん恐縮なんでありますが、結局ただいま御指摘のように、俸給と申しますか、本俸は非常に職種別、あるいは年令別というふうに、分析いたしまして、比較いたしております。ところが、臨時給につきましては御存じのとおり、民間公務員と違いまして、男女別に違っております。また、階層別と申しますか、上下で非常に違っておりますとか、個人的に非常に差がございます。そこで、やはり期末手当については大数観察と申しますか、全体として比較するというのがむしろ適当じゃないか。そこをまあ今職員と工員ということを、もっとも抽出されてお尋ねなんでございますが、もちろん御指摘の点はごもっともでございまするけれども、やはり人事院といたしましては、俸給と違いまして、臨時給は全体的に比較する、そういう意味で今後も現在の観察を続けて参りたいと思っております。
  52. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 給与は職員と比較されるけれども期末手当については、工員と職員と半数ずつとって比較されるというようなやり方は、筋が通らないのじゃないですか。民間期末手当というものと、官庁におけるところの期末手当というものは差があるということはわかっております。意味もまた確かに差があると思います。ですから、そういう点は、お考えになっていいと思いますけれども、少なくとも公務員と職員と——民間の職員とやはり比較すべきですよ。そうでないと職員は四・幾月分を、工員は二・幾月分を、そこで切り下げるために工員をぶち込んだというふうにしかつかないのですね。ですから、私は人事院に対して、この点は、この期末手当についての最大の不満な点です。他にもいろいろ不満はありますが、これが一番大きな不満で、これさえ解決してもらえば、まずまず大部分は解決する。これをお変えにならないということは、私は理解がつかないのです。それは公務員に対する期末手当はできるだけ低めるという、そういう考え方に立っているのではないかというふうに私は思うのです。ですから、これは人事官会議の問題でもありましょうし、総裁がここで今一人で、そういうことも考えてみようかというような話も、なかなか言いがたいと思いますから、これはまたひとつ日をあらためましてやりますが、ただ私は、公務員給与にしましても、それから期末手当、あるいはまた、三月末の特別手当にいたしましても、公務員といわれる三公社現業なり、あるいは政府機関なり地方公務員という中にあって、国家公務員が中小企業的な処遇を受けているという点、この点はすでに総裁御存じのとおりです。あるいは谷間と申してもいいかもしれません。谷間にあるというのですね、国家公務員が。この点は国家公務員が情なくも思うし、また、悲哀とも思っているところでございますし、特に意を用いて人事院としても御努力を願いたいと思いますし、また、政府としましても御努力を願いたいと思います。  さらに私は、最近公務員になり手がないという点、さらに公務員になってもやめていくという顕著な状況になっているようであります。それは公務員試験というのがありますが、これなんかを見ましても、相当な変わり方だと思うのですね。上級職、中級職、あるいは初級職の試験を見ておりまして、応募者の数というのがぐっと減ってきている、半分くらいに。合格はするけれども、返事もよこさぬというのが半分くらいいる、上級職の場合。中級職あるいは初級職にしても同じです。だからそういう意味では公務員になり手がない、さらに公務員になってみましても、これは会社と関係のあるところは抜けていくという傾向がありますね。一昨日の新聞にもそういうものが大きく取り上げられておりましたけれども、そういう点から考えてみましても、私は公務員給与というものはもっと人事院政府も真剣にひとつ考えてもらいたいということを強く要望いたしまして、だいぶ委員長はお急ぎのようですが、あと寒冷地給の問題につきまして人事院にぜひ伺っておきたいのですが、これは前の通常国会でも、それから第三十九臨時国会におきましても、この寒冷地給の問題は種々この委員会で問題になっておるわけですが、これについては御存じのように、三十八国会、つまり昨年の通常国会におきまして、衆議院の附帯決議がついております。さらに参議院の附帯決議がついております。これは二つとも違いますが、寒冷地給について、寒冷地手当について附帯決議がついている、したがって、これの実施方、あるいはこれの実現力について人事院総裁に種々質問をいたしまして、その速記録をまたここで調べまして、丁寧にとって参っているのですが、総裁の御答弁としましては、人事院勧告が済んだら、昨年の話ですね。済んだらひとつ寒冷地給の問題に取りかかりたいというお話でした。ところが、この臨時国会、昨年の三十九ですね、九月から十月の末までありましたあの臨時国会になりますと、少し変わりまして、暫定手当を先にしてから続いてひとつこの寒冷地手当の問題についてすみやかに検討いたしたい、こういう答弁になつたのです。この寒冷地手当について衆議院の附帯決議、さらに参議院の附帯決議、相当むずかしい問題であるということは、総裁の御答弁のとおりでありますし、私どももそういうふうに思っております。しかし、暫定手当が済んだらすみやかに検討をしたいと、明年度の予算に間に合う、つまり三十七年度の予算に間に合うかどうかと、そういうことは言えぬという御答弁なんですよ。しかしもう四月ですし、ですから人事院としてもすみやかにこの暫定手当についての処理をしてもらいたいという要望であり、質問です。いい答弁をいただきたいのですが、というのは、総裁発言は全部ここへ収録してちゃんと整理をしてありますから……。
  53. 入江誠一郎

    政府委員入江誠一郎君) 暫定手当につきましては、ただいま御指摘のように、寒冷地手当でございますか、暫定手当の問題が済みましたので、鋭意検討いたしまして、現在の段階において、次のような結論になってきましたので、率直に答えさしていただきたいと思いますが、これは三点ございまして、一つはいわゆる全国における支給区分の是正という問題、一つはいわゆる市町村合併に伴いまする同一市町村内における人事交流の関係合理化をはかる問題、それから第三点には、いわゆる支給割合の増加の問題と、これらがまあ国会の附帯決議になり御要望になっておるわけですが、第一点の、全国的な支給割合の是正という問題は、これは昨年御存じのようにできるだけのことをいたしましたので、当分勧告はいたさないつもりでございます。それから同一市町村内の人事交流の問題につきましては現在鋭意検討中でございます。  それから最後の支給割合の増加の問題でございますが、これが非常に国会なり、公務員組合においても御要望があるのでございますが、これはどうも私どもといたしましては、たとえば二十四年なら二十四年、あるいは二十九年を基点といたしまして、光熱費の指数でございますとか、生計費、あるいは消費者物価の指数など、その他諸種の点から検討いたしたのでございますが、どうもその寒冷地手当は、御存じのように、俸給の定率制になっておりますので、寒冷地手当のほうの増加部分が多うございまして、人事院として理論的には現在支給割合を増加して勧告をするのもどうも理屈が立ちません。そこでまあ国会で附帯決議があるじゃないかというお話があり、人事院としてもどうも筋が立ちませんので、その点を苦慮しておるわけでございまして、まあこの問題は今後も検討をいたしたいとは思っております。
  54. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 あの附帯決議が二つついて、衆議院でついて、参議院でもってついて、総裁の御答弁と今の御答弁の間に、そう大きな食い違いはないように思います。思いますが、今非常に苦慮しておられます支給割合の問題ですね。これは非常に苦慮なさいました末、ひとついい結果が出ますように要望いたしておきますが、それからなるべく早く、今までこういうような三点御発表になりましたから相当検討は進んでおるというふうに思いますが、できるだけひとつすみやかに出していただくように、また八月の勧告も迫っておりますから、その前にひとつ処理していただくようにと思いますが、その時期の問題を言うと、また総裁どうこうというお話になりますが、まあめどとしましては八月八日の勧告の前というふうに承知してよろしゅうございますか。
  55. 入江誠一郎

    政府委員入江誠一郎君) 衆議院の附帯決議の人事交流の関係のはそう御了承願っても、まだお約束はできませんが、けっこうじゃないかと思いますが、支給割合の問題は、まあなかなかむずかしいのじゃないかと思います。
  56. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そうなりますと、まあ私としましては総裁発言の内容からもう少しものを言いたくなるわけですが、まあ苦慮なさっておることも十分了解つくわけですし、そういうような言い方でなくて、苦慮した末に何らかの前進のあとが見られるような御努力をひとつ要望いたしまして、きようのところひとつ終わりたいと思います。
  57. 一松定吉

    ○一松定吉君 私は関連質問といいますか、労働争議等に関するごく大体についての政府意見を確かめておきたいのであります。  御承知のとおり、近来非常に労働争議、ストイラキとかいうようなものがひんぱんに突発いたしまして、それがために工場にいたしますれば、生産に非常なる障害を来たす、国家にいたしますれば、国の執務に対して非常な障害を来たし、それがために国民、あるいは国家、あるいは使用者、あるいは労働者、そういう人に非常なる損害を及ぼすことは、これは顕著な事実でありますが、これを何とかしてそういうことのないようにして、労使の満足のいくような方法を法律上講ずるということが、今日私は急務であると考えておるのであります。たとえば運輸省の諸君、あるいは郵政省の諸君が自分の給与が少ないとか、手当が少ないとか、もう少し増額せよとかいうようなことで、いわゆる団体を作って、そうして全くその勤務を放棄してしまう。それがために国民の損害はどれだけであるかということは、お互いが経験していることによって明らかでありまするが、こういうようなことをひとつなるたけなからしめ、もしくは是正するというようなことは、政府にしても、労働者にしても、また、立法の府にあるわれわれ国会議員にしても、これは考えなきゃならぬことであると私は痛切に思うておるのであります。自分らの満足がいかないからというて、同じ業務に従事する全国の者が、数十万人が一致結束して、三日も一週間も十日も一カ月も職務を放棄するということになったら一体国家の秩序はどうなるでありましようか。あるいは役人がそういうことをしたら、それがためにわれわれ民衆の受ける損害というのは多大なことなんです。しかるに、今それを今日平気でやっておる。役人がはち巻をして、たすきをかけて、そうして赤旗を打ち振って、そうして市街を行進して何日問も何日間も続いてやって、結局使用者を威嚇し、政府を苦難に陥れしめて自分らの目的を達成しようと、こういうやり方が今日の実情なんです。こういうようなことを是正し、なからしめるためには何か政府はひとつこれを考えて、労使双方にまあまあこの程度ならわれわれも満足しなければならぬなというようなあきらめを持たせるような制度というものが今日必要ではないでしょうか。そういうことをするについては、今、人事院の諸君が法律に基づいてこういうような給与をふやすとかあるいは手当てをふやすとかあるいは実費をふやすとかいうような勧告をする。その勧告はこれがほんとうに神様の立場から見て公平無視であるならば、それは使用者もあるいは労働者もそれに服するということはできましょうが、もし、この人事院勧告とか調査とかいうようなものが不公平であるとかいうようなことになりますると、それに対してやはり双方が不平不満であるというようなことになっては、なかなかこれは容易におさまらないことが現状ですから、こういうことをひとつどうすればいいか、しかし、私は今のままでほっておくことはできまいと思う。それがためにあるいは労働争議は数ヵ月続くあるいは数年間続くということのために、使用者はその業務を放擲してしまって、廃業とか破産とかしなければならぬ。また、勤労階級の諸君はそういうことをした結果、自分らの勤める場所がなくなる。そのためにさっそく衣食に困るというようなことが往々にあることはこれは言うまでもありません。これをどうすればいいか、これについては私は今のような制度で、あるいは双方の調停機関を設けて調停させてみて、その調停に不服であるからというてそれならばおれはこのストライキをやめないというようなことが継続するということが今日の実情でありまするが、私は何とかしてそういうようなことをやめさせる方法としてはいわゆる調整の機関を法律上設ける、あるいは労使双方の利害関係を勘案するようなものを設けて、そうして第三者によってこれを勘案して、まあこの程度ならやむを得ないなということであきらめさせるような制度を設けて、それだけでいけないなら最後は結局裁判にもっていって、裁判の確定判決によって自分らの主張がいいか悪いかということを判断してもらって、そうして確定判決がそこで出たならばそれに労使も従わなければならないというような制度を設けることが必要ではないかと私は思うのです。ただ、今日この労働者の諸君が憲法の二十八条ですか、これによってわれわれには団結権があるのだ、交渉権があるのだというようなことで、これは憲法の二十八条はそのまますぐに表だけから解釈してそうしていわゆる憲法の十二条、十三条公共の福祉に反せざる程度においてというような制限を頭に入れないで、ただ、自分らには団結権がある、交渉権があるというので、この憲法二十八条をたてにとって、そうしてやって、自分らの主張が正しいのだ、ゆえにこれに応じなければいつまでも業務に従事しないのだというような態度では私はよくないと思うのですから、こういうような二十八条の解釈はそういうような解釈ではないのだ、これには十二条、十三条の制限規定があるのだよ。公共の福祉に反してはならぬぞ、こういうような程度が、公共の福祉に反するのだ、この程度ならば公共の福祉に反しないで君方の主張はやれることができるのだよというようなこともほんとう、明確にこの労使双方に認識を深めるような法規を求めて、この憲法の解釈等も正しい解釈を与えるようなことにすることが必要であると同時に、今言うように、自分らの希望を満足するために、全部の者がその職務を放擲してしまってやるということはどれだけ国家の損害であるかわからぬ、ですから、そういうときにはいわゆる代表者ならば代表者を設けて、代表者が自分らの団結の意思をある機関に申し出でる。そうすると、ある機関は、その労使の申し立てによって機関を設けて、それで判断をする。その判断に服しないときには、最後に裁判にかけて裁判できめるとかなんとかいうような制度を私は設けることが今日の急務であると思うのですが、そういう点について労働大臣はどうお考えでありまするか、それをひとつお聞きしたい。
  58. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 御高説つつしんで拝聴いたしましたのであり、今後の参考に大いにいたしたいと存じますが、ことしの春闘を例にとって見てみまして、私はまあ満足な姿には、御指摘のようにとうていいっているとまでは申せないと思うのでありますが、だいぶ最近お話のような点については傾向が改善されてきたということは否定できないと私は思うのでございます。まず第一に、ことしの春闘が経済問題が中心であって、賃上げ等の経済問題が中心であった。一昨年に見られましたように、安保闘争というようなものがからんで政治闘争と一緒になっての動き、そういうものが今度の春闘の場合には見られなかった。こういうことは、これは私はまあ幾らかでもよくなったと、こういうように考えておる。それからまた、第三者機関の裁定のようなものに対して、これを尊重する、尊重して労使双方が問題の解決点に到達するという点においても従来よりははるかに前進した。それで労働組合側の諸君の表現でも、卒直な話、前には割合に今申しましたような第三者機関等に対してもあまりこれに従うような表現をしないで、いわば力本位で解決を、まあ口にする、公にするというような態度が多かったのでありますが、今年の場合においては、中労委や公労委、何かそういうような第三者機関を活用するというような文字等も使って表現をいたしておりました。こういうような点、その他幾つかの点が見られるのでありますが、なおまた、世論というものが今度の場合非常に両者の間での問題の解決の上に大きく作用したと、こういう点も見られるのであります。しかし、今先生お話のように、一部には遺憾な事態もございました。こういうことの全然なくなるようなことは衷心望ましいと思うのでございます。いずれにいたしましても、よき労使関係の、ないしはよき労使慣行の確立という方向へある程度前進しておりますることは、これは私は確信を持って言い切れると思うのであります。ただし、今先生が強く御指摘になったように、まだまだこれが完壁の姿だなどとは、これは労働大臣としてとうてい申せないのでございます。それだけに今後一そうの努力をいたさなければならぬと思うわけでございます。いろいろお話になりました点につきましては、私どもも冒頭に申し上げましたるごとく、今後そういう御意見も参考にして対処したいと存じます。直ちに法律上の改正措置等はこれはなかなか重大問題でございますので、今直ちに私がどういたしますということを申し上げられないのでございます。まず現行法制のもとにおいて御注意のありましたようなことにつきまして、できるだけすみやかによりよき姿にもっていくことに努力して参りたい、こう存ずる次第であります。
  59. 一松定吉

    ○一松定吉君 今の大臣の御意見はごもっともでありまして、今直ちにそういうような法制を設けて取り締まるということはなかなかこれは重大問題で、研究の余地もたくさんあると思いまするが、要するに、今私の申し上げたことは、これらの労働者諸君なり使用者諸君が、もうおれの言うことを聞かなければ、おれは、われわれ団体は一致結束してお前方の命令には従わぬぞと言って、全国の者が手を握って、しかも全国各地からわざわざ数百人、数千人の人間が東京に、たくさんの時間と労力と費用を使って集まってくる。そして自分らの仕事を放棄するなんということは、これは本人のためにも不利益でありまするが、国家がそれによって受ける損害というのは絶大、非常なものだ。こういう点はやはり何か代表者を選んで折衝の地位に当たらせるとかいうような何か法規を設けるとか、あるいはそういうようなときには、お互いが自分らの主張だけを通して、結局お前勝手にせい、おれはおれの考えどおりにやるのだというようなことになってくると、いつまでもその争議というのは円満に解決しないのでありますから、先刻私が申し上げましたように、何らか法律上のほんとうの機関を設けて、この機関が裁断したことであれば、労使とも服しなければならぬという、ちょうど裁判みたような制度を設けるということが非常に必要ではなかろうか。今のような大臣のお話のように、中立の機関だとか中労委とかその他の世論というふうなことで、だいぶ昔のやり方よりも劣ってきて、だいぶん国民も、ああ、ああいうことをすると自分らのためにもよくないのだから、もうこの程度でやめようということに、労働者諸君も考えて、一週間しょうと思ったが三日間でがまんするとかいうような形勢に動きつつあることは、これは今大臣のおっしゃるとおりですけれども、しかし、そういうようなことを彼らがやるということはおもしろくない。彼らも自分の収入をふやし、自分の生活権を擁護するという建前から見れば、いわゆる憲法の交渉権とか団結権とかいうことがあるが、これはわれわれの権利を擁護してくれるありがたき法律じゃということで、それをただ一途に考えて、いわゆる公共の福祉に反する行動であるとかなんとかいうことを判断に入れずしてやるということが今日多いですから、今あなたのおっしゃられるように、だんだんこういう弊害が除去せられつつあることは実際でありまするが、一そうこういうことを、みな労使双方とも、また、政府並びに公務員らが互いに国家の静ひつを害することなく、国家の不利益になるようなことなく、ある程度でもう円満に解決するという制度を設けることが必要であると私は痛感いたしておりまするから、今あなたのおっしゃるように、今急速にできないということは私もよく承知しておりまするから、われわれも研究いたしまするが、ひとつあなたの労働省の方面でも、また、政府の方面でもこれを研究して、こういうことのなるべく円満にいくような制度を設けるということをぜひひとつお考え願いたい。これは諸外国においてもここまでほんとうに完全に労使の争いがなくなって国家のために円満にゆくということは容易に打ち立てられないという実情にあることも承知しておりまするが、できる限りひとつ早くそういう点に御理解を賜わりまして、今社会党の諸君が非常に心配せられておりまするようなことがなるたけ少なくなるようなふうにひとつ御考慮を願いたい。こまかい具体的のことは申しませんが、要点だけをお願いいたしまして、私の質問を終わりますが、どうぞよろしくお願いします。
  60. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。労働省設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  63. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 多数でございます。よって本案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  65. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 速記を始めて。     —————————————
  66. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 続いて経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。  政府側から出席の方は、藤山経済企画庁長官、村上官房長中野調整局長、曽田総合開発局長でございます。  御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  67. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 二点だけ伺いたいです。一つは事務当局のほうに伺いたいんですが、今度七名でございましたか、定員外職員を定員内になさるわけですが、その七名定員外職員が定員内職員に繰り入れられまして、なお二十名近く経済企画庁に残るように承知をいたしておりますけれども、経済企画庁には、御承知のように、これは私が申し上げるまでもなく、なかなか人が来ないといいますか、——という傾向が各省よりもちょっと強いように思いますし、しかし、仕事のほうはやはりふえるということだろうと思います。そこで、なかなか定員も十分全部埋まっているというわけにいかないという点もあって、賃金で支払っておられる人たちが四百何名の中で二十名というと、相当大きな数になるわけですけれども、おられるわけですが、私はどうもその二十名の人たちもやはり定員化してゆくべき人じゃなかろうかという気持がしておるんですが、全部とは申しませんけれども、そういう点についてどういうお考えを持っておられるのか伺っておきたいと思います。
  68. 村上一

    政府委員(村上一君) お答え申し上げます。賃金支払いの職員は二十二名ございましたわけでございますが、そのうち七名を今回定員化いたしまして、十五名残ります。そのうち二人は水資源公団へ仕事の関係で引き継ぐ予定にしておりますので、残ります者は十三名でございます。その職務内容を見ますと、いろいろございますが、たとえば経済白書の編集の際の集計事務とか、国民生活白書を発表いたします際の集計事務、そういう臨時的な職務に従事しておるわけでございまして、これを直ちに定員化する必要はないと思います。なお、今後の問題につきましては、できるだけ本来職務の内容が定員であるべき者を賃金でとるというような実態がまず発生しないように、仕事の内容がもしそういうものであれば、初めからできるだけ定員でとってゆくということで考えたいと思います。
  69. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 経済企画庁で新しく人を採用されます場合に、なかなか東京都でも採用がむずかしいあるいは地方庁からとられるということもおありのようですし、いろいろやはりその辺の配慮もあって定員内と同じような仕事をしておる人たちにつきましては、今のお話のように、やはり定員としてひとつ処理されるようにお願いを申し上げておきたいと思います。  次にもう一点は、これは衆議院でも私は議事録を拝見しますと出ておるのですが、したがって、簡単に長官に伺っておきたいのでありますが、三月の十九日の日に、経済企画庁発表ということで、これは内容は経済研究所のいろいろ研究された生産性、物価、賃金という問題についての御発表なんでありますが、正面に出ているのは経済企画庁発表、こういうことになっております。これはちょうど時期的に三月十九日という時期は、やはり労使関係というものに対して政府が中立を守っていく、そういう立場をとるというのがこれは常識でありますし、経済研究所の見解でということですけれども、やはり時期的に私どもとして懸念する点がありますし、それともう一つは、あの内容を見てみますというと、経済研究所が種々検討なさった結果、どうも逐次西欧型の方向へ、賃金の動きと生産性の関係の動きだと思いますが、したがって、経済政策として賃金を考えていく必要があるんじゃないかというようなまあ結論づけになっておるようですが、それに対して企画庁の中の調整局にも種々意見があるようにも新聞にも出ておりましたけれども、どうもそういうような主張が経済企画庁のほうからああいう時期に発表されるということは、私どもとしては当を得ていないんじゃないかという気がするわけです。そういう点について長官の御見解を承っておきたいと思います。
  70. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 実は経済企画庁といたしましては、今経済の動向あるいは経済に関する諸般の総合的な数字等を集めて参りまして、そうして集計してみることが一つの仕事で、それによって動向を観察して参らなければならない。したがって、これは正しい何らの政治的意図なしに、なまの数字を出していかなければならぬことは、これは申すまでもございません。先般の問題は、昨年の十一月に経済審議会の総合部会におきましていわゆる倍増計画の立案をされたわけですが、その総合部会におきまして、その後の状況等についていろいろお話がございまして、そして物価の問題、賃金の問題、その他の趨勢等をひとつ調べてみるという御意見があったわけであります。したがって、経済研究所にこれを委嘱いたしまして、経済研究所が純粋に経済研究の立場からこれを集計をいたしたものなのでございまして、三十五年度状況を報告した、こういうことでございます。たまたまそういうことでありましたので、十一月から作業にかかりまして早急にそういうことをまとめて、そうしてこれにこたえただけだということでありましたので、それを発表することになったわけでございまして、そういう点については何らの政治的意図を持っておるわけではございませんし、純粋にそういう経済動向の調査研究という建前からいたしたわけでございまして、あの問題を総括的に——あの報告と申しますか、研究の結果をごらんいただきますれば必ずしも片寄った点があったとは思いません。部分的な点だけお考えになりますとあるいはそういうことになるかもしれませんが、そういう感じもあると思いますが、全体としてごらんいただけばあれはないのじゃないか。また、今後ともわれわれといたしましては、数字もしくはそういうものについては、全くゆがめられた形で出ますれば、経済政策全般についての立案をいたしあるいは検討をいたし、各省を指導することはできませんから、そういう意味では今後とも——今日までもそうでありますが、今後ともそういう点については全く政治的考えなしに数字を出していきたい、こういうふうに存じております。
  71. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 一点だけ。三月の九日でございましたが、物価に対する総合対策十三項目のやつが出まして、それから二、三日たちましてあの総合対策について賃金の問題が強く出ていないのはよくないというような新聞記事が出たのです。私は総合対策というのは物価に対する総合対策だというふうに思っていたところが、そういう新聞記事が出て、ははそういうことについて不満があるのだなと思った。ところが、三月十九日にあれが出たものですから、どうも関連するのじゃないかという感じを持ったわけです。そこで、長官に伺ったわけなんですけれども、今のようなお話でありますので、まあ時期的に——やはり経済企画庁発表というようなことになりますので、御要望をその点については申し上げておきたいと思います。以上で終わります。
  72. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述へを願います。——別に御意見もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 御異議ないと認めます。     —————————————
  75. 河野謙三

    委員長河野謙三君) この際、委員の異動について御報告いたします。ただいま塩見俊二君が辞任され、鍋島紹君が選任されました。     —————————————
  76. 河野謙三

    委員長河野謙三君) それではこれより採決に入ります、経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  77. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 全会一致でごさいます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  本日はこれにて散会をいたします。    午後三時四十八分散会      —————・—————