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政府委員(小平久雄君) まず結論から申しますと、本日午後二時ちょっと過ぎでございましたが、
調査会の工藤会長が総理のところに見えられまして、一昨日の
調査会における決定に基づきまして総理に申し入れをなされました。きわめて簡単でありますから、念のため、御参考までに申し上げますと、
申し入れ書
農地被
買収者問題調査会は昭和三十六年七月十二日以来、
政府の諮問事項につき鋭意審議検討中でありますが、いまだ答申の運びに至らざる前に
政府において農地被買収者に対し二十億円の融資が公表せられたことはなはだ遺憾であります。よって当
調査会は諮問事項に対し答申のあるまで、右資金の貸し出し実施等、農地被買収者に対する特別
措置の実行を延期せられるよう厳重に申し入れる次第であります。
昭和三十七年三月十三日
農地被
買収者問題調査会
会長 工藤昭四郎
内閣総理
大臣
池田 勇人殿
こういう内容になっております。そこで、一昨日十三日の
調査会におきまして、私に出てくるようにというので出て参りました。その前回の
調査会——先月の二十七日の
調査会にも出てこいということでございましたので、その際も出て行ったのでありますが、先月二十七日の際におきまして、今回
政府が二十億円の貸し出しをする、そのために
法律といたしましては、これは御
承知のとおり、国金法の増資というだけでございますが、そういう処置をとったことに対して説明を求められましたので、これは総理なりあるいは大蔵
大臣なりが
国会において御説明申し上げているとおりの立場でやったものであるということを私からお伝えいたしました。さらにその際話が出ましたことに、まあ
委員の中から国金貸し出しというものが
一般の国金の
やり方でやるならば、他に前例もないわけではないから、一応
調査会の
調査しておることとは
関係のないことであるというふうに理解できないこともないといったような御発言もございました。そこで、この貸し出しの
方法について、実際貸し出しを行なう場合において、それ以前に
調査会のほうの答申がかりに出たという場合に——その答申もまだどういうものが出るか、これは一向何もわからないのでありますが、これまたかりに今回
政府がとらんとしておる処置と何らか関連するような内容の答申が出た場合においては、
政府の
考えておる貸し出しの
方法等について、これを答申との間で調整をする
意向があるかどうかという話が出たわけであります。それについて一昨日の
調査会で回答を求められたわけであります。
なお実は、私は、今申し上げた点だけが先月二十七日の
調査会で問題になったと、こういう報告を受けておったのですが、その点だけお答えしょうと思って出て参ったのですが、一昨月の
調査会でさらにもう一点、
調査会の答申が出るまで貸し出しの実施を延期するということができるかどうか、そういう
考えがあるかどうかということをやはり先月の二十七日の会合の際でも話が出たのである、こういうことを申されました。結局まあその二点について説明しよう、こういうことでございました。
そこで、第一点のほうにつきましては、
政府の貸し出し実施が開始前にこれと関連のある答申が出まするならば、その間調整をいたしてやることには何ら差しつかえがありません。それは十分答申を尊重して調整いたすつもりでありますと、こういう御説明をしたわけであります。
それから、ただ貸し出しの実施自体を答申が出るまで延期せよと、この点につきしては、今
政府の立場としては、すでに閣議決定も御
承知のとおりしたわけですから、閣議決定をして提案をいたすという際において、あの法案が今後
国会でどういう取り扱いになるかはわかりませんが、かりに最初から、法案を出す以上は貸し出しの実施自体を
調査会の答申が出るまで延ばしますということを私のほうとしては、
政府の立場からすれば、これをさように申し上げるわけにも参りませんという、実は御説明をいたしたわけであります。そこで
政府側は退席をしておりまして、
委員の皆さんだけで御相談をなさいまして、その結果いろいろ今述べましたような申し入れをさらにいたすということに決定をいたした次第であります。そのことは一昨日、会が終わりましてから工藤会長から口頭で私
ども承りました。本日書面で正式に申し入れをされた、こういう
事情であります。