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1962-02-22 第40回国会 参議院 内閣委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十七年二月二十二日(木曜日) 午前十時四十八分開会
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
河野
謙三
君
理事
塩見 俊二君
鶴園
哲夫君
山本伊三郎
君
委員
上原 正吉君
木村篤太郎
君 下村 定君 中野
文門
君 松村 秀逸君 吉江 勝保君
国務大臣
農 林 大 臣
河野
一郎
君 運 輸 大 臣
斎藤
昇君
政府委員
大蔵省日本専売
公社監理官
谷川 宏君
農林大臣官房長
昌谷
孝君
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部長
高橋
末吉
君
事務局側
常任委員会専門
員 伊藤 清君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
農林省設置法
の一部を
改正
する
法律
案(
内閣送付
、
予備審査
) ○
公共企業体職員等共済組合法
の一部 を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)
—————————————
河野謙三
1
○
委員長
(
河野謙三
君) これより
内閣委員会
を開会いたします。 去る二月十九日、
予備審査
のため、本
委員会
に付託されました
農林省設置法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。
政府
から
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
河野農林大臣
。
河野一郎
2
○
国務大臣
(
河野一郎
君) ただいま
議題
となりました
農林省設置法
の一部を
改正
する
法律案
の
提案
の
理由
と
改正
の
内容
を御
説明
申し上げます。 第一は、
農林本省
の
内部部局
として
園芸局
を新設することであります。 最近における
国民生活
の向上に伴いまして、果実、
野菜等
の
園芸農産物
の
生産
は急速に増加し、今後におきましても需要が確実に増大していく
成長部門
として、
畜産
と並んで、その
発展
が最も期待されております。このような
園芸部門
の現在及び将来における
発展拡大
に応じまして、
農林行政
の面におきましても、その
生産対策
、
流通対策
、さらには加工、
消費
の各分野につきまして適切な
施策
を総合的に講じ得る
体制
を早急に確立する必要が高まっておるのであります。このような
見地
から、
園芸農産物等
に関する
行政
を
振興局
から分離いたしまして、新たに
園芸局
を設置することといたしたのであります。 第二は、
振興局
を改組して、
農政局
とすることであります。
農業
に関する
行政組織
は、今回、
園芸局
が設置されることにより、
畜産局
及び
蚕糸局
を含めまして
園芸特産
、
畜産
及び
蚕糸
の各
部門
につきまして、
生産
、
流通
及び
消費
を通ずる
行政
を一貫して担当する
組織
が確立することになるのでありますが、反面、現在の
家族農業経営
が複合的な形態で行なわれている
実情
を考えますとき、今後における
農業
に関する諸
施策
を、円滑に、かつ、総合的に実施して参りますためには、
地域
の実態に即して
農業経営
を
改善
するという観点から
農業行政
を所掌する
部局
の
必要性
が一そう高まってきていると思われるのであります。 このため、
園芸局分離独立
後の
振興局
は、残された
米麦雑穀等
の
生産部門
についての
行政
を担当することともに、以上のような機能を果たすことを期待することとし、現在、
農林経済局
において所掌しております
農業行政
に関する企画、
農業協同組合
その他の
農業団体
に対する
指導助成等
の
事務
をこれに移管するほか、
農業構造
の
改善
に関する
事務
を追加する等その
所掌事務
を
整備
し、これを
農政局
として改組することといたしたのであります。 なお
農林経済局
につきましては、
農政局
への
事務移管
のほか、
大臣官房
から
国際協力関係事務
を移管する等その
所掌事務
を
整備
し、
農林水産業
を通ずる貿易及び
国際協力
並びに
農林水産物
の
流通
及び
農林水産業
に関する金融上の
施策
を通じて
農林漁業者
及び
消費者
の福祉の増進をはかる
部局
としての性格を明確にいたすこととしております。 第三は、
地方支分部局
として
地方農林局
を設置することであります。
農林省
の
地方支分部局
としましては、従来、
本省
に
農地事務局
及び
統計調査事務所
、食糧庁に
食糧事務所
、
林野庁
に営林局及び営林署、
水産庁
に
漁業調整事務局
及び
事務所
がそれぞれ置かれ、
地方
における国の
事務
の遂行に当たっていたのでありますが、今後における
農林行政
は、従来にもまして
地域
の特性に適合した弾力的かつ、総合的なものとして展開される必要があり、
行政組織
の面においてもこれに即応する
体制
の
整備
が必要とされるに至っております。 このような
見地
から、従来の
地方支分局
のうち、
農地事務局
並びに
漁業調整事務局
及び
事務所
、
統計調査事務所
の一部を統合し、さらに、従来
本省
でもっぱら処理していた
事務
を大幅に移管することとし、東北、関東、北陸、東海、近畿、
中国四国
及び九州の七
地方農林局
を設けることといたしたのであります。 第四は、
林野庁
の
所掌事務
のうち、
労務管理
、
組合交渉
及び
職員
の
福利厚生
に関する
事務
の複雑繁忙なる
事情
にかんがみ、これらの
事務
を、従来所掌していた
林政部
から分離し、新たに
職員部
を設置することであります。 第五は、
水産庁
につきまして、人事、
会計等
の庶務を
長官官房
において行なうこととするとともに、次長を廃止し、各部の
所掌事務
の
整備
を行なう等その機構及び
所掌事務
に
改善
を加えることであります。なお、この際
水産庁設置法
を廃止し、
農林省設置法
に
水産庁
に関する
規定
を加えることといたしております。 その他、
肥料検査
及び
飼料検査
の
効率化
をはかりますために、
肥料検査所
及び
飼料検査所
の統合によって、
肥飼料検査所
を設置する等若干の
規定
の
整備
を行ないますとともに、
農林省
の定員に所要の変更を加えようとするものであります。 以上がこの
法律案
の
提案
の
理由
及び主要な
内容
であります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決下さらんことをお願いいたします。
河野謙三
3
○
委員長
(
河野謙三
君) 以上で
提案理由
の
説明
は終了いたしました。自後の
審査
は、これを後日に譲ります。
—————————————
河野謙三
4
○
委員長
(
河野謙三
君) 次に、
公共企業体職員等共済組合法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。 前回に引き続き
質疑
を行ないます。
関係当局
よりの
出席
の方は、
斎藤運輸大臣
、
高橋国有鉄道部長
、
吾孫子国有鉄道
副総裁、
八木国有鉄道厚生局長
でございます。
質疑
のおありの方は、順次御
発言
を願います。
山本伊三郎
5
○
山本伊三郎
君 それじゃきょうは、これは一応採決される議案になっておりますが、二、三点ひとつ確認をする意味において
運輸大臣
に質問しておきたいと思います。 この前の本
委員会
で、実は
運輸大臣
が退席されて、聞くことを残しておったのですが、
短期給付
の
出産手当
並びに
育児手当増額
の問題、これは
国家公務員
と同様にそろえられたということはわかるのですが、
現実
には、これは
付加給付
で支給されておるように聞いておるのです。
運輸大臣
でなくともいいんですが、
当局
からでも、その事実をひとつ御
説明
願いたい。
高橋末吉
6
○
政府委員
(
高橋末吉
君) ただいまの
お話
にもございましたように、各
企業体
それぞれ
付加給付
で、その最低限のものよりは相当上回ったものを支給してございます。各
企業体
それぞれみな同じではございませんけれども、財政上の
理由
によりまして、たとえば
国鉄
でありますと一万円というような支給を
付加給付
でやっております。
山本伊三郎
7
○
山本伊三郎
君 そういう現状ですから、
国家公務員
の
共済組合法
がそれだからということでなくて、やはりこれは
現実
の
状態
に即して
法律
を
改正
するという必要があると思うのですが、
大臣
どうです。
斎藤昇
8
○
国務大臣
(
斎藤昇
君)
法律
では
最低限度
をきめておりまするので、その
限度
以上は各
企業体
の
共済組合
の
実情
に応じてやるのが適当でなかろうか、かように考えております。
最低限度
の引き上げの程度にとどめております。
山本伊三郎
9
○
山本伊三郎
君 実は、そういう
実情
は
地方公務員
の場合にも各所にあるのですが、
最低限度
を
規定
しておる。もちろんその上はおのおのその
組合
の
経済事情
によってやってもいいのだというと、非常に各
組合
で問題が残ってくると思う。これは私今、
国家公務員
の
共済組合
の場合にも主張しておるのですが、やはり
実情
に合ったものを考えなくちゃいけない。それと同時に、
最低保障
といっても、五年ではどうも
最低保障
の
限度
は低いじゃないか、こう思いますので、これはひとつ十分御検討願いたい、かように思うのですが、いかがですか。
斎藤昇
10
○
国務大臣
(
斎藤昇
君) 他の省、
共済組合法
とも
関係
を持ちまして、御
意見
のとおりにごもっともな点としてもあるように存じます。以後よく
関係当局
と検討を続けて参りまして、御
趣旨
に沿うようにできるだけいたしたいと思います。
河野謙三
11
○
委員長
(
河野謙三
君) ちょっと申し上げます。その後、
政府側
から
中村国有鉄道常務理事
がお見えになっておりますから。
山本伊三郎
12
○
山本伊三郎
君 それではもう
一つ
、実は一応これで
年金
としては今度の
改正
である程度他の
法律
と均衡のとれたように直されてきたんですが、ただ
退職
一時金の場合に、
救済措置
というものは全然今までは考えておらない。したがって、まあこの
退職年金
の
資格取得期間
に達しない者がやめた場合には、やはり
権衡
上どうも納得ができないような点があるのですが、この点も一応
通算措置
にならって今後この
通算措置
を考える必要があるじやないか。
退職
一時金の
増額
といいますか、そういうものを考える必要があるのじゃないかと思いますが、その点どういうふうに考えておりますか。
斎藤昇
13
○
国務大臣
(
斎藤昇
君) 一時金についての
通算
は、これも他の
共済組合法
あるいは
恩給法等
と共通する問題でございます。確かにこれも
一つ
の問題だと存じます。さきの問題とあわせまして、
関係
各庁と検討いたしたいと思います。
山本伊三郎
14
○
山本伊三郎
君 それから今度も
附帯決議
をお願いしょうと思うのですが、これで一応大体
通算措置
については
権衡
がとれたようになったと思いますが、ただひとつ
外地関係
の、例を申しますと、
南満州鉄道
に勤務しておった人、そういう人々は残されておるような形でございます。もちろんこれは
恩給法等
との
権衡
の問題がありますから、直ちにここでどういうということはないと思うのですが、もちろん
恩給法
の
改正案
も本
委員会
にかかってくると思いますから、十分その際討議したいと思いますが、やはり
公共企業体職員等共済組合
は別個の背景でありますので、やはりそういう点について、
運輸大臣
の考え方をちょっとお聞きしておきたいと思います。
斎藤昇
15
○
国務大臣
(
斎藤昇
君)
外地鉄道等
の
職員期間
の問題は、なるほどこれは考えなきやならぬ問題の残されたものだと考えております。今
お話
になりましたように、
恩給法
や、あるいは
国家公務員共済組合法等
も
関係
をいたしまするが、
共同
に検討して参りたいと、かように考えております。
山本伊三郎
16
○
山本伊三郎
君 これは
事務当局
にちょっとお伺いしておきたいのですが、
外地鉄道——
特に
南満州鉄道
が主たるものだと思うのですが、そういう
関係者
が現在何人ぐらい
該当者
があるかというようなことを調査されたことがありますか、ちょっとお聞きしたい。
高橋末吉
17
○
政府委員
(
高橋末吉
君)
国鉄
だけについての資料でございますが、満
鉄関係
で現在
職員
である者が五千六百人ございます。
山本伊三郎
18
○
山本伊三郎
君 華北とかその他に
交通関係
のそういう者があったと思うのですが、それはもうわずかですか。私の聞いているのでは、問題にならぬほどわずかだと聞いておりますが、その点は調査されておりませんか。
高橋末吉
19
○
政府委員
(
高橋末吉
君) ほかの
外地鉄道関係
が二千五、六百名あるようでございます。
山本伊三郎
20
○
山本伊三郎
君 では最後にひとつ、実は
公的年金通算法
との関連ですが、これは単に
公共企業体職員等共済組合法
の
関係
だけではないのです。相当
通算
された場合に不利になるというような
状態
の人も中にはある。これは
女子職員
に相当多いと聞いておるのですが、こういう場合に、他の
法律
を見ますと、やはり有利なほうに
選択性
が認められているのですが、そういう点については、本
法律
の
改正
には直接
関係
ないのですか。
運輸大臣
としては、そういう点についてどうお考えになっておるか、それがひとつお聞きしたい。
斎藤昇
21
○
国務大臣
(
斎藤昇
君) 御指摘のような場合には、有利なほうを
選択
をするという建前を大体とっていると思いまするし、私もそれが至当であろうと、かように考えます。
山本伊三郎
22
○
山本伊三郎
君 それでは、先ほどの
外地鉄道
の問題について、ちょっと言っておきたいのですが、実は内地の
国際電気通信株式会社
とか、
日本電信電話工事株式会社
、そういう
会社
が実は
国策会社
として
——国策会社
ではございませんが、
戦争中国策
によって
強制買収
を受けて、それが
通算措置
をされておるのです。したがって、先ほど私質問いたしましたが、
外地鉄道
についても、やはりぜひひとつ
通算措置
をするべきであるということを思いますので、これは答弁は要りませんが、そういう例もありますので、特にこれはお考えおき願いたい、かように考えております。
河野謙三
23
○
委員長
(
河野謙三
君) 他に御
発言
もなければ、
質疑
は終局したものと認めて御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
河野謙三
24
○
委員長
(
河野謙三
君) 御
異議
ないと認めます。 それではこれより
討論
に入ります。御
意見
のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
山本伊三郎
25
○
山本伊三郎
君 本
改正案
につきましては、
社会党
といたしまして
賛成
いたします。 この前の
附帯決議
を尊重されまして
改正
された点につきましては、これは敬意を表したいと思います。しかし、
先ほど質問
の中で明らかにしましたように、いまだ
外地鉄道
その他の
関係
のほうが
通算措置
をされておらない
実情
でございますので、この点はひとつ考えておいていただかなければならぬと思います。 それじゃ自民党と
社会党共同提案
で
附帯決議
をひとつ
提出
したいと思います。その案文を朗読いたします。
公共企業体職員等共済組合法
の 一部を
改正
する
法律案
に対する
附帯決議
(案) 今回、本法の
改正
により、
日本医
療団及び外国政府
の
職員
であった者 の
期間
の
通算措置
が行なわれたが、 なお、
外地
にあった
南満州鉄道株式
会社等
に勤務していた
職員
について は、
通算措置
が未解決である。
政府
並びに
公共企業体当局
は
南満州鉄道
株式会社等
に勤務していた者につい ても
通算措置
を検討してその実現に 努められたい。 右
決議
する。
河野謙三
26
○
委員長
(
河野謙三
君) 他に御
意見
もないようでございますが、
討論
は終局したものと認めて御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
河野謙三
27
○
委員長
(
河野謙三
君) 御
異議
ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。
公共企業体職員等共済組合法
の一部を
改正
する
法律案
を問題に供します。
本案
を原案どおり可決することに
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
河野謙三
28
○
委員長
(
河野謙三
君)
全会一致
でございます。よって、
本案
は、
全会一致
をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、
討論
中述べられました
山本
君
提出
の
附帯決議案
を
議題
といたします。
山本
君
提出
の
附帯決議案
を本
委員会
の
決議
とすることに
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
河野謙三
29
○
委員長
(
河野謙三
君)
全会一致
と認めます。よって、
山本
君
提出
の
附帯決議案
は、
全会一致
をもって本
委員会
の
決議
とすることに
決議
いたしました。
斎藤昇
30
○
国務大臣
(
斎藤昇
君) ただいまは
公共企業体職員等共済組合法
の一部
改正
の
法律案
を満場一致で御可決いただきまして感謝をいたします。 ただいま
決議
になりました
附帯決議
の条項につきましては、
関係
各庁と協議を遂げまして、できるだけ御
趣旨
に沿うように努力をいたしたいと思います。
河野謙三
31
○
委員長
(
河野謙三
君) なお、本
院規則
第七十二条により、議長に
提出
すべき
報告書
の作成につきましては、慣例により、これを
委員長
に御一任願いたいと思いますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
河野謙三
32
○
委員長
(
河野謙三
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時十分散会
—————
・
—————