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1962-04-03 第40回国会 参議院 逓信委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月三日(火曜日)    午前十一時四十五分開会   —————————————   委員の異動 三月三十日委員谷村貞治辞任につ き、その補欠として黒川武雄君を議長 において指名した。 三月三十一日委員野田俊作辞任につ き、その補欠として中野文門君を議長 において指名した。 四月二日委員中野文門君及び黒川武雄辞任につき、その補欠として野田俊 作君及び谷村貞治君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     安部 清美君    理事            手島  栄君            松平 勇雄君            野上  元君    委員            新谷寅三郎君            最上 英子君            谷村 貞治君            久保  等君            光村 甚助君            森中 守義君            山田 節男君   国務大臣    運 輸 大 臣 齋藤  昇君    郵 政 大 臣 迫水 久常君   政府委員    運輸省船員局長 若狭 得治君    気象庁長官   和達 清夫君    郵政政務次官  大高  康君    郵政大臣官房長 金澤 平藏君    郵政省電波監理    局長      西崎 太郎君   事務局側    常任委員会専門    員       倉澤 岩雄君   —————————————   本日の会議に付した案件電波法の一部を改正する法律案(第  三十九回国会内閣提出)(継続案件)   —————————————
  2. 安部清美

    委員長安部清美君) たいへんお待たせいたしました。ただいまより開会いたします。  この際、両大臣並びに政府委員委員長から御注意申し上げます。  政府提案国会法律審議にあたりまして、各省の事情もあると思いますけれども、時間を延期されることは非常に委員会としては困る。自後、そういうことのないように厳重に御注意申し上げます。  電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引き続いて質疑を行ないます。
  3. 久保等

    久保等君 私は、この電波法改正に重要な関連のある気象観測業務の問題について、若干最初お尋ねをいたしたいと思いますが、年々日本災害問題で悩まされておりますし、つい昨年の秋に、臨時国会が特に災害国会という名のもとに開かれるというようなことで、災害といっても、特に台風等による災害によって多数の人命、あるいはまた貴重な家屋、財産、土地、そういったようなもので数百億に上る年々災害を受けているわけなんですが、この災害問題の予防という点で、非常に重要な関連のある気象観測業務の最近における、こういう災害に対処しての現状について、最初気象庁長官のほうから御説明をいただきたいと思います。
  4. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 仰せのように、わが国災害が非常に多いのでありまして、その災害をできるだけ防止、軽減するために、気象庁におきましては、予防警報の正確、迅速なる把握と、その恒久対策に対する基礎資料提供ということを任務として日ごろ努力いたしております。  近ごろの災害は、単に天然現象の異常のためだけでなく、社会状態によるものも相当これに加わっておりますが、何にいたしましても、気象庁としては、先ほど申し上げましたように、自然を的確に把握して、それを予想し、そして必要方面に早く知らせることであります。  このために、観測施設も年々に整備いたして参りまして、今日では地上はもとより、高層気象観測も、まず世界気象機関の規定する標準に達し、しかもわが国独得の設備を備えてきましたし、その中でも近代設備といたしましては、気象用レーダー活用、また山岳部における無人の雨量計の設置、また海岸におきましては、自動応答式気象観測設備、また高潮の状態が刻々にわかるような設備、あるいは風に対する、灯台ともいうべき施設というような面に意を注いで、極力防災のために観測施設整備して参りました。また、この観測資料の、的確に整備し、迅速に結果を出すために、電子計算機による数値予報も導入いたしております。  なお、こまかいことを申し上げますと、あるいは洪水に、あるいは航空に、あるいは漁船に、それぞれの気象施設と、気象業務改善進歩をはかって参りましたのでございますが、私ども気象庁においては、災害を防ぐということを最も大事な第一番の仕事といたしておる次第であります。
  5. 久保等

    久保等君 ただいまのは主として地上における観測設備整備等について御説明があったようですが、海洋気象の問題は、どういう状況ですか。
  6. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) わが国は海に取り巻かれておりますので、海上気象は非常に大切であります。海上では島を極力活用するということを第一にしておりますが、太平洋の広い海域には島のない広い区域がございます。これらにつきましては、昔から海上船舶観測する資料が重要な役目をいたしております。それに足りないところは定点観測船を配置するというような手段がございますが、わが国では、御承知のように夏の期間四国の南方に定点を置いております。なお、海上気象は、幾分飛行機の報告もこのために役立っておりますが、特に台風におきましては飛行機観測というものが非常に重要な役目をいたしておる状態でございます。現在におきまして、広い海上気象状態をいかに把握するかということは、気象業務におきまして非常に大きな問題でありまして、将来に向かっては種々の観測方法ども研究されております。その一つは、人工気象衛星活用というようなものもありますが、何分そのことは非常に困難なので、現在そういう技術開発に努めておるという次第でございます。
  7. 久保等

    久保等君 この気象観測は、陸上あるいは海洋を問わず、ますます整備ないしは強化していかなければならぬ状況にあると思うのですが、ここ数年予算面から見て、どういう経過になっておりますか。こまかい数字は別として、総ワク的な大まかな数字でけっこうですから御説明願いたいと思います。
  8. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 昭和三十七年度の気象庁予算の総額は五十五億八千二百万円何がしとなっておりまして、たとえば昨年は、昭和三十六年度は四十九億七千四百万円余りでありますので、まあその程度に、ここ七、八年整備はされて参っておる状態であります。
  9. 久保等

    久保等君 先ほどいろいろ御説明がありましたが、特に気象観測の面で設備等整備ないしは増強するという、何か御方針をお立てになって最近やっておられるようなことはあるのですか。
  10. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 私どもは、近代科学進歩に応じる気象業務を打ち立てるべく五カ年計画というのをもちまして、気象審議会にもそれを審議していただいて、その五カ年計画の二年目をいたしておる次第でございます。
  11. 久保等

    久保等君 三十七年度が第二年目に当たるわけですか。その五カ年計画の内容については、詳細は別途また何だったら資料でお出し願いたいと思うのですが、概略ちょっと御説明願いたいと思うのです。
  12. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 五カ年計画の冊子がございますので、あとで提出いたしたいと思います。気象業務全般にわたって、ここに書いてございまして、大分けにしますれば防災気象業務整備ということと、防災基礎業務の強化という二つになっております。この中にレーダー観測網だとか、それから水害に対すること、あるいは沿岸の防災気象のこと、あるいは地震、津波、火山、農業気象航空気象、そういうようなもの、それを行なう基礎施設態勢万般にわたっておりますが、そのほかに、私どもが重要で十分考えなければいけないと思うことに、定点観測問題とか、それから航空機を気象業務に使用すること、あるいは災害対策基本法というものができまして、その実施に対する気象庁の備えとか、というようなことがこの五カ年計画には十分まだ検討されておりませんので、目下検討中であります。
  13. 久保等

    久保等君 この五カ年計画というのは何ですか、第一次というか、初めてですか、第二次あたりなんですか。
  14. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 五カ年計画というようなものを作りましたのは、これが初めてでございます。
  15. 久保等

    久保等君 今の御説明の中に、定点観測船の問題も五カ年計画の中に計上しておられるような御答弁もあったんですが、新船建造の何か計画がありますか、今度の五カ年計画の中に。
  16. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 新船建造は五カ年計画の中にはございません。定点観測は五カ年計画ワク外で、これをどういうふうにすべきか、非常に多額な経費がかかるので、この五カ年計画とどういうふうににらみ合わせるかということで、別ワクになっております。
  17. 久保等

    久保等君 現在観測船は何隻あるんですか。定点観測
  18. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 定点観測は、運用は海上保安庁がいたして、観測員を私のほうから出さしております。どういうふうに運用しておるか、詳しいことをよく存じません。普通の海洋気象観測気象庁に属しておるものは六、七隻ございますが、その中には小さいものもございますので、ある程度の大きさ以上のものは気象岸にあります凌風丸、約千トンでございます。それから昭和三十七年度の予算に計上されておりますのは、函館気象台の三百五十トン、それから神戸海洋気象台の百五十トンの観測船長崎海洋気象台に二百トン、そのほかに小さいものもございますが、私どものほうとしては海上気象のもう少し観測船をもって観測いたしたいと思っております。
  19. 久保等

    久保等君 定点観測船所管海上保安庁だというお話ですが、運輸省のほうで、この定点観測船のそれぞれの大きさ、あるいは建造されたのがいつなのか。乗り組んでおられる人員が、それぞれ何人くらい乗り組んでおられるのか。それから一年間にどの程度航行運航をしておられるのか。まあそういったようなこと等について、ひとつこれも資料でお出しをいただきたいと思うのですが、海上保安庁のほうに御連絡を願って、ひとつ資料を後ほどお出し願いたいと思うわけです。  定点観測船について若干お尋ねをしたいと思ったのですが、そうすると所管責任者の方はおいでになりませんか——もちろん運輸大臣はおられるけれども、いないですか。  それじゃ、まあこの問題は保留しておきたいと思いますが、特に今度電波法改正関連して、気象庁として具体的に考えておられる計画はおありですか。
  20. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 気象庁が現在行なっております海上気象資料入手につきまして、今回の電波法及び船舶職員法の一部改正が行なわれます限りには、かなりこの夜間の資料入手がこのままでは困難になりますので、まあ三年の経過期間は置いてございますが、その後におきましては、必要な海域において関係方面の協力を得まして、船舶指定して、これらと契約を締結して資料入手するなどの措置を講ずるように努力したいと思っております。
  21. 久保等

    久保等君 それ以上に、もう少し具体的な方策というものは考えておられないのですか。それから特に三年の経過期間、これはその間、何らの措置もする必要がないというふうにお考えなんですか。
  22. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 私どもは、他のこれを補うようなことも三年の期間の間にできるだけいたしたいと思っております。ただし、ただいまこれをもってできるだけこういうことの補いをするということを申し上げるのには、もう少し検討をいたしてみないと申し上げにくいと、こういうふうに思います。
  23. 久保等

    久保等君 その検討ということは、たとえばどういうことを検討されるのですか。
  24. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 一つは、今後の科学進歩であり、一つはそれらの方向があまりに経済——経費的にも労力的にも大きい場合には、やはり技術的に一応考えなければならぬと思っております。
  25. 久保等

    久保等君 それは、たとえばどういうことについてですか。
  26. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 費用とか労力とかいうことを考えなければ定点観測……。また、多少技術進歩考えに入れて、努力して、できるかどうかというような問題には海上に浮遊する自動観測所、まあ、そのほかにも、上空を浮遊する観測器とかいうものもございますけれども、何分にも確実な資料を得るという点、またこれが毎日とか必要なときに得られるという点におきまして、そういうような、目下科学進歩の途上にあるものは、先ほども申しました人工気象衛星を含みまして、現在いつごろまでに、そういうものが、どの程度の役に立つかということを申し上げることはできないために、現在それを三年後に織り込むことはできないと思います。
  27. 久保等

    久保等君 三年の期間中に実施しようとする何か計画は、じゃ、全然ないわけなんですか。
  28. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 外国でも行なっておりますことは、日本の国情で、はたして外国と同じかどうかは別といたしまして、まあ、特定船舶契約いたしまして、船舶運航をよく気象庁連絡を受けまして、最も能率的に海上気象資料を得るということを第一に考えております。
  29. 久保等

    久保等君 それは何隻くらいの船で、一体そういうものを、もし指定するということになると、経費予算等金額的に見ると、どういった程度になるんですか。
  30. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) まあ、私ども目標としている全海、つまり日本気象資料のほしい全海域において一日四回で、日本時間で、その四回は、三時、九時、十五時、二十一時でございますが、九時、十五時、二十一時は百四十通くらい、そうして午前三時は非常にむずかしいので八十通くらい、これを目標にいたしておるわけでございます。
  31. 久保等

    久保等君 何隻くらいの船か。
  32. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) と申しますのは、結局、この通数が船の数になるわけでございます。
  33. 久保等

    久保等君 それは経費なり予算、そういった面では、どういった程度金額に上るんですか。
  34. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) これは、契約のときの話し合いで、各国いろいろのものがございます。単にある手当といったようなものだけでなく、この観測すべてに対して、これは国の気象事業の一端であるから補助すべきであるという考えでやっておる国もありますし、報奨制度みたいなものを活用いたしておるところもありますし、それぞれでございますが、まあ、私ども非常に、今勘定は非常にむずかしいのですけれども、一年一、二億という勘定はいたしましたけれども、しかし、やはり契約によりまして、どういうふうになりますか、ちょっとその数が非常に変わるかもしれないと存じております。
  35. 久保等

    久保等君 その指定は、一体いつごろから始めようとしておられるのか、時期的な問題についてお答え願いたいと思います。
  36. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 海洋気象は、従来船の安全のためということが非常に大きく取り上げられて、こういうような気象資料観測し、通報することが行なわれ出したんでございます。その後だんだん情勢が変わりまして、現在では船の安全もさりながら、日本気象事業、ひいては世界気象事業のために、船は移動する観測所であるという観念に立っております。そういう建前からしますれば、国はもっと船の気象観測あるいは通報というものに力を入れるべきであると、私はそう考えております。そういうことに御理解を願いまして、今後はそういうふうに努力いたしたいと思っております。
  37. 久保等

    久保等君 私の質問に対するお答えにはなってないんですが、要するに、ただいま言われたような、特定船舶指定して、それに気象観測を頼んで通報してもらうというのは、一体いつからお始めになる予定ですか。
  38. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 申しわけありませんでした。結局、三年の間にできるだけ予算化しまして、先ほど言いました趣旨は、ベストをできるだけ早くということを申し上げたんでございまして、三年の間に予算を通して、そして三年後には間違いなく行なわれるようにしたいということでございます。
  39. 久保等

    久保等君 三年後と言われるが、三年間の経過期間中においても、気象観測の面では、やはり海洋気象の面で従来よりもその密度が低下するという問題については、何らの考慮を払う必要はないとお考えになるんですか。
  40. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) まあ三年間は、現在のやり方で、私どももまた船舶側も、いろいろ努力しますれば、まず支障なく仕事はできると思います。
  41. 久保等

    久保等君 今言われる電波法改正に対する対策といいますか、措置、こういったようなことを三カ年の間に考えていくんだと、三年たったらとただいま言われる話も、きわめて何か、われわれ心もとない気はするんですが、しかし、それにしても、ぼつぼつまあやっていくんだが、予算化することについても、必ずしもそう楽観できないようなお話だったんですけれども、そういったことについて、一体運輸大臣はどういうふうにお考えになるんですか。
  42. 斎藤昇

    国務大臣齋藤昇君) 私は、ただいま気象庁長官お答えをいたしましたように、日本気象観測所を、必要なものはやはり国費をもってやるのが当然だという考え方をいたしております。  したがいまして、相当の金額を要しましても、これを全部船会社負担をさせておるという今日のいき方よりも、先ほど申しましたように、大体八十通ぐらい、これはさらにいろいろ検討いたしますると、どういう通数になるかわかりませんが、現在の船会社が背負っておる負担よりも軽くなることは明らかでございまするから、そういう方向で必ず実現をいたしたいと、かように考えております。
  43. 久保等

    久保等君 気象庁長官お尋ねしますが、先ほど説明のあった一月四回の指定船による気象観測、これに基づく通報を受けるという問題なんですが、これは現在の船舶による気象観測密度、これと比較をして十分に補うものであるとお考えになるのですか。正確にどういうように判断しておられますか。
  44. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 現在におきましては、通数は平均的には大体これだけ入っております。しかし、現在はなお努力すれば、もう少し豊富になり得るのであります。この電波法改正になりますとも先ほども申し上げました深夜の通報を狩ることに最大の努力を払う。まあこれは各国ともにその点は非常に努力しておるところでありまして、そのために他の三回を非常に確実に入れる必要があります。その他の三回の通数は、現在十分入る見込みがあると私は考えております。問題は、他の回数のところを十分にしまして、三時は多少足りなくても、その間を最小限度だけとろうという八十通になっております。船は数はあるのでございますが、これと契約いたしまして、目標数あるいはそれ以上にしたいと思っております。
  45. 久保等

    久保等君 深夜の通数八十通程度というんですが、現在はどの程度入っておるのですか。
  46. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 現在は百ないし百二十であります。
  47. 久保等

    久保等君 そうすると、この指定船舶によっても、航行について運輸当局指定をするわけには参らないと思うのですが、したがって、そうなれば任意の航行船舶としてはとるわけでしょうが、百通か百二十通ということになれば、現在の観測密度よりは明らかに低下するということになるのじゃないですか。
  48. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) この時間につきましては、資料がそれだけ減ります。それに対する対策は、先ほども申し上げましたが、他の時間を前よりもできるだけ正確なものを入れるということと、異常の気象のときには、これと別でありますが、そういうものの活用を十分はかるということによって補って参りたいと思います。
  49. 久保等

    久保等君 ほかの方法というんですが、そういうほかへ話をそらすと、また答弁にならんのですが、深夜が問題だというお話なんで、だから、その深夜だけの問題だけについて見るならば、やはり明らかに五割程度通数の減少ということが数字の上で出てくるわけです。そうなれば、観測程度の優劣という問題が数字の上ではっきり出ると思うんですがね。だから、そうなると、今度の電波法改正によってもたらされる穴埋めを完全にするということにはならんと思うんですがね。だから、ほかの時間に云々という問題になるなら、これはまたほかの問題として議論があると思うんですが、そうじゃなくて、最も穴のあく深夜の時間、その点についての問題が一番あなた、従来から御説明の中にも問題にしておられたと思うんですが、今の説明では納得しかねるのですが、明らかに低下することだけは事実でしょう。
  50. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) この三時の部門は確かに低下いたします。まあ私どもといたしましては、これは最低の目標としまして、実際には三年後にできるだけ低下しないようにいたしたいとは思っております。
  51. 久保等

    久保等君 低下しない方法ということになると、現行法でいって、それに対してしかるべき、従来はまあ手当あるいは補助といいますか、そういうものを全然出しておらなかったとするならば、それに必要な手当というか補助というか、そういうものを支給する方法がむしろ従来とられるべくしてとられなかったという問題が、むしろ私は問題になるのじゃないかと思います。  したがって、あくまでも若干でも気象観測の面で支障を来たすということがあるとするならば、これは私は電波法改正そのものについても非常に気象関係を直接担当しておられる気象庁としては納得のいかないところじゃないかと思うのです。今の御説明だと、深夜時間だけの問題をとってみても、今の数字の面が明らかに示すように、納得できないのですが、そういうことにならざるを得ないのじゃないですか、気象庁としても。
  52. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 私ども技術的に見まして低下いたすにしても、ここまでなら、まあ何とかしようというところを八十通と申し上げたのでありまして、もちろん将来、国がこういうものを、気象事業をやるということを国がもっと御理解下されば、それはたくさんできることになるのでありますけれども、私どもとしては、今回の改正趣旨からして、私どものぎりぎりのところで、こういう数字を出しておるわけでございます。
  53. 久保等

    久保等君 気象庁長官立場からいえば、大いにむしろ気象観測の面は拡充強化してもらいたいというお気持だろうと思うのですが、したがってむしろ外に向かって——外に向かってというよりも政府に向かって、今長官の言われるように十分にひとつ理解を持ち、また特に積極的な尽力をしてもらいたいというお気持だろうと思うのですが、運輸省という立場から見れば、もちろん気象庁を含めて、当然これは気象業務問題等運輸大臣責任の問題でもあるわけですが、そこらのところを従来から定点観測船問題あたりにしても、なかなか新船建造等が思うように実はやられないというようなことで、運輸委員会等でも長く問題になっておると私も聞いておりますが、先ほど言われた八十通なんかの問題にしても、定点観測船等で思ったところに、自分の任意なところに船が出せるということであるなら、あるいは八十通でなくても七十通でいいのかもしれません。しかし、やはりあくまでもそれぞれの任務を持って、それぞれが自由に動いておる特定の船に、たまたま時間を限って特定の時間に通報しろという契約をするんだと思うのですが、そうするならば、配置が、気象庁として希望するような船の位置でもって観測をして、そのデータを送ってくるということには相ならぬと思う。そうならば、百回なり百二十回観測をしておったものが、八十回程度に低下するということになれば、それだけ気象業務資料というものが低下することは、これはいなめない事実だと私は思うのです。そういうことの万全の措置がとられて、しかる後に私は電波法改正等について、気象観測上の立場からいうならば、まず賛成をしても支障がないという判断になってしかるべきだと思うのです。ところが、今気象庁長官お話によりますと、明らかに午前三時という特定の時間をとってみても、気象観測が低下をする。気象観測上非常な支障を来たすということが数字の上で明確だと思うのですが、この点はまあ反論というか、説明の余地がない事実だと思うのです。気象庁長官、そう理解して間違いございませんか。
  54. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 現在よりも、他の、つまり深夜以外の観測時の通数をふやし、それを正確にするということで、深夜の通数を少なくしている。それでやろうといえば、気象技術としては、われわれはこの趣旨に沿って努力してみようというところであります。  私のほうとしましては、極端な言い方をすれば、広い太平洋に、なかなか完全なことはできないのでございます。それにつきましては、定点観測船は、たとえば一隻ありますと、相当の通数にも匹敵するものでありますけれども、しかし広い海域に、もし定点観測船を置くとすれば、莫大な量になるわけで、そういうふうなことから考えまして、私どもとしては、これだけであっても全く足らないものであるし、しかもこの船舶通数というものは、仰せのように、どこへ片寄るかもわからないものであります。そういうものでありますから、私どもとしては、できるだけたくさん取り、完全な気象を知りたい。私どもは今回の法律が国として非常に大切であるということでありまするならば、私ども技術のほうでは、できるだけそれに見合うように持っていきたいというのが、今回の私ども検討したものでございます。そういう意味におきまして、御賢察いただきたい。
  55. 久保等

    久保等君 確かに、今御説明せられるように、広い海洋のことですから、定点観測船にしても、あるいはその他の船舶にしても、多ければ多いほど多々ますます弁ずということだろうと思うのです。  したがって、従来の観測自体が十全であったとは思えないし、むしろますます私はこれを増強していくという必要こそあれ、若干でもこれを軽減せられる、低下するというようなことは、私どもはとうていこれに了承を与えることができないのですが、もちろん現在のままでいいとさえ思っていないのすですから、したがって、若干でも低下するというようなことがあっては断じてならぬと思うのです。そういう立場からいうならば、何とかその穴埋めをするように、もし法が改正されるならば努力をしたいというのは、これは気象庁長官立場からいえば、私はそういう気持は当然だろうと思う。  しかし政府当局、特に運輸大臣立場考えた場合に、私は、気象観測というのは重要なる仕事だと思うのですよ。ところが、その点について、郵政大臣運輸大臣との間の文書のやりとり、特に運輸大臣の、昨年の五月十七日付で運輸大臣から郵政大臣に出された電波法改正についてという公文書の写し、これは資料としてお出しを願ったのですが、この中で言われていることも、徹頭徹尾人の問題だけに関して、通信士の人の問題だけに関して、国際水準にとにかく持っていくのだ、国際水準に比べて著しく高い。したがって海運の現状からみても不必要である上に、海運の国際競争力問題がある。その上経営基盤が弱い事業の現状からみて云々となっているのですが、気象観測の問題には、一言半句も触れておられないのですが、運輸大臣は、この気象問題に対しては、どういうお考えなのですか。
  56. 斎藤昇

    国務大臣齋藤昇君) 気象観測につきましては、ただいま気象庁長官が申し述べましたように、この電波法改正が行なわれましても、気象観測には支障のない措置政府としては講じたい、かように考えておるわけでございます。それは三年後のことでありますが、この法律が通りましたならば、直ちにその具体的の措置をさらにコンクリートに検討をいたしまして、最善の措置をとりたいと考えております。  先般、森中さんの御質問に応じまして、これが実施をされた場合に、かりに三年後、全部一人になってしまうと仮定をいたし、私はこの法律が最低限度をきめているわけでありまするから、実際問題といたしましては二人乗る船、あるいは見習い生を乗せる船というものが相当できるであろうと考えますが、かりに一人になってしまうと考えた場合に、先般、森中さんの御質問に応じて提出いたしましたのが、十六億八千万円節約できるということでありますが、このうちで、これはすべての船舶でありますから、太平洋地域を航行する船について、しかも必要なものということであれば、この十六億のうちのあるいは半分以下という数字が出てくるだろうと思います。その程度予算の支出は気象観測を安全ならしめるためには仕様がない、かように考えております。
  57. 久保等

    久保等君 今の運輸大臣の御答弁は、残念ながら私の質問に対する御答弁にはなっておらないので、気象観測支障のないようにやっていくんだといってしまえば、それだけの話なんだけれども、内容が、先ほど来私が気象庁長官に具体的な数字等で御答弁を願ったところから見ても、運輸当局として、気象庁長官答弁せられたことがこの電波法改正に対する対策、あるいは対応策だということであれば、まあ運輸大臣のその穴埋めについては、十分に考慮していくという御答弁はありましたけれども、私は従来の気象観測密度を低下させないという御答弁には残念ながらならないと思うのです。先ほど数字なんか、はっきりこれは物語っておると思うのですが、しかも、この電波法改正によって、具体的な施策等を示されて——私はだからデータの上で、数字の上で御説明をいただくならばこれは別ですが、ただ、今後も十分努力をやっていきたいし、穴埋めを何とかやっていくんだという抽象論だけでは済まされない問題だと思うのですよ。したがって、かりに定点観測船の建造の問題を考えておられるならば、定点観測船の建造問題についての具体的な御答弁なり、あるいはその他の方法なりが考えられるならば、そういったようなことを具体的に御答弁願わないと、答弁に私はなっておらないと思うのです。運輸大臣その点どうでしょう。
  58. 斎藤昇

    国務大臣齋藤昇君) 具体的な問題は、先ほど申しましたように、この法案の通過をいただきましたならば、それを前提にいたしまして、具体的なものを考えて参りたいと、かように考えております。先ほど夜間、深夜八十通最低限度必要だという気象庁長官答弁でございますが、さらにこれを詳細に検討いたしまして、これがやはり百通あったほうがなおいいということであれば、百通ということも考えられましょう。しかし今後三カ年に定点観測所をふやしていく、あるいは気象船をどうするということと両々相待っていくわけであります。ことにこの法律が通った後に三年後どういうように通信士が下船をするかという問題ともにらみ合わしていかなければなるまいと思います。これは最低限度の場合でありまするから、船主と船員との話し合いで、どういうように、日本の今後通信というものがなっていくかということも見通して参らなければなりません。  そういった不確定分子が相当ありまするから、今直ちにこれでやりますという具体案をお目にかけるわけには参らない、かように申し上げておきます。
  59. 久保等

    久保等君 この法改正については、長い間の経過があるわけですし、すでに三十三年の九月二十日の運輸大臣官房企画課長のほうから郵政大臣官房文書課長に出された文書の中にも、気象業務の遂行に支障を来たすことがないように所要の措置を講ずべく鋭意検討を重ねる所存でありますというような文書が出ておるんですけれども、もうすでに四年近くなっておるわけですし、法改正について特に従来から熱心かつ積極的だといわれておる運輸大臣あるいは運輸当局にしてみれば、私は今言ったような問題が少なくとも具体的な問題として計画せられ、法改正と少なくとも同時くらいに措置せられるくらいの具体案を当然用意をしておられてしかるべきだ。もちろん私ども改正に賛成する立場じゃございませんが、もし推進しようとする立場ならば、そういう重要な気象業務の問題、これはもう私がここで、そう喋々と申し述べるまでもない。まさに国にとって気象観測の強化こそ、従来からやかましく叫ばれておりこそすれ、若干でもそういったことについて疑義を持たせるようなことについては、非常に私は重大な問題だと思うのですよ。  劈頭にも申し上げましたように、国会そのものが台風による災害のために臨時国会が開かれておるというようなことも、ほとんど年々の例だといってもいいくらいの今日の状況の中にあって、単に船舶の要員合理化という立場だけから考えられるような電波法改正は、まことに私は無謀な企てだといわざるを得ないと思うのですよ。今言われる、ことによったら八十回を百回にしてもいいんだと言われますが、先ほど来の気象庁長官お話をお聞きしても、現在の百二十回よりも百三十回になるほうがむろんいいでしょうし、あるいは百四十回になるのもよけいいいだろうと思うのですが、そうだとすれば若干でも——まあ現在が理想的であるともいえないし、もちろんますますこれを強化していかなければならぬという現状に置かれていると思うのですが、しかし、少なくとも現状と比べても低下はしないのだという程度措置だけは、最悪の場合としても考慮されるのが私は運輸大臣立場からいって当然だろうと思うのです。ところが現在やっている程度に何とか一つ追い着く程度のことというようなことは、これは私は非常に重大な問題だと思うのですよ。だから、ことによったら百回にふやしてもいいんだという今、運輸大臣の御答弁ですが、百回にふやしたからといって、じゃ現在とどうだということを比べてみれば、やっぱりその点は低下をする。だから全然その点については、現在よりも低下させるようなことは絶対しないのだという御答弁ならば、まだこれは私も理解ができないことはないのです。しかし気象観測の問題については、現在でもいいわけじゃないのです。しかしせめて現状よりも若干でも低下させることは絶対しないという御答弁がなければ、私どもはとうてい納得できないと思うし、これはまあ国民の立場から聞いたってやはり同じだと思うのです。そうでなくてもノイローゼになるくらい気象問題については悩まされておる日本の場合、これこそ気象観測の面を国際水準から見てどうなのか私は知りませんけれども、少なくとも災害国だといわれる日本の場合について、電波法改正によって、あるいは船舶職員法の定員の改正によって、そういう事態が起こるとするならば非常に重大な問題だと私は思うのです。したがって何とか現在のところに近づくように努力をしようという程度のことでは済まされない問題だ。運輸大臣、その点いかがですか。
  60. 斎藤昇

    国務大臣齋藤昇君) 私の申し上げておりますのは、現在よりも絶対に低下しない措置をとる、かように申し上げておるわけです。気象庁長官は、予算の折衝に骨が折れるかもわからぬというので、非常に控え目なことを言って、そんな金はどうだろうというふうな考えもあろうと思いますが、その点は運輸大臣としまして、気象庁にも、今までより低下させるようなことは絶対にさせない所存でございます。  先ほど申し上げましたように、今後日本船舶が相当ふえて参ります。毎年八十万トンあるいは百万トンとふやして参らなければなりません。そのうちで現在の必要を満たしておりまする程度を確保いたしますことは、今日船会社負担させておりますよりも、よほど少なくて済むわけでありまするから、先ほど数字で申し上げましたように、十六億八千万円の節約になる、こういう数字が出ておりますが、しかしこれらの船が全体をおおっておるわけではありませんし、今後ふえていく分は見てありません。さように考えますと、八億や十億の金を使うことは、私はそうさしたる心配のあることではないと考えております。特に今後科学技術進歩して参りますと、私は、こういう不確実な観測よりも、さらに確実な定点観測あるいは気象船による観測ということも充実していかなければなるまい、かように考えて、今後機械の進歩その他とにらみ合わせまして、私は今日の気象図を描くについて、今日持っております資料よりも、もっと的確なものをより多くつかみ得るよう、最善を尽くしていく所存でございます。
  61. 久保等

    久保等君 若干、今の御答弁だと気象庁長官答弁と私は食い違いというか、相違があると思うんですよ。しかも、先ほど気象庁長官答弁だと、三年後あたりをめどにして御答弁せられておるわけなんで、この四月なり五月なり、もし法が通ったら直後にという御答弁じゃなくて、さっきの御答弁は、あくまでも三年後あたりをめどにしておられる。三年後ということになると、なおさら現状よりも、今運輸大臣が御答弁せられておるように、船舶の隻数からいっても相当ふえていると思うんです。そうなればなるほど、ますますどうも私どもには理解しにくい。運輸大臣がかりに、とにかく現状よりよくなりこそすれ絶対悪くなりはしないんだという御答弁だとすれば、これまた私はもう少し具体的な数字で御答弁を明確にいただかないと、その点了承するわけには参らないのです。  たとえば定点観測船の問題を考えた場合に、一隻の船を建造される、これは金額的にも私は相当膨大な金額だろうし、それから年間の運用の費用等も、これは膨大な金額になると思うんです。それこそ一億や二億という金じゃとうてい間に合わないと思うんです。運輸大臣、十六、七億ぐらいの合理化によって節約になるから、半分ぐらいは政府が肩がわりして、設備その他で補てんしていっても、プラス、マイナスすれば合理化される、大きな意味では節約になるんじゃないかというような御答弁のようですけれども、私は一億や二億、四億や五億、十億程度海洋気象の面が非常に増強せられるというふうには、ちょっとしろうとではごさいますが、理解できないのです。定点観測船を一隻建造せられて、どのくらいかかりますか。
  62. 斎藤昇

    国務大臣齋藤昇君) 私の申し上げますのは、定点観測によって全部をカバーすると申し上げておるのじゃございません。定点観測は、こういうことがあろうとなかろうと、さらにふやしていかなければならないと考えております。  それから私の申し上げまするのは、全部船が一人になってしまうというときを考えまして、先ほど気象庁長官が申しておりましたように、特定の航路あるいは特定船舶契約を結び、その契約に要る金はどのくらい要るかと考えますると、私は十億もかかるまい、かように申し上げておるのであります。五、六億程度で十分まかない得るのじゃないか。今日の太平洋の夜間気象を確保するために契約を結ぶにはその程度で十分事足りる。したがって、さように御心配をおかけする必要はなかろう、ただ気象庁長官は、そんな膨大な金は出してもらえるのかどうかというような心配から、非常に何というか、内輪に考えて述べておりますが、私はいよいよ予算要求等となりました場合に、今までの程度を確保するのに、どうしてもこれ以上なければならぬという数字をはじき出しまして、そうしてそれを確保いたして参りたいと思っております。
  63. 久保等

    久保等君 ただいまの問題にいたしましても、私はまた、いろいろ資料を出してもらった上で具体的な数字等で検討を加えたいと思います。それがためには、今後三年間を一応見通して、船舶が年々建造せられている、これは私は当然の趨勢だろうと思いますが、運輸大臣のほうでは、特に船舶関係についても十分責任当局でもあるわけなんですから、これから三年間、一体船舶はどの程度隻数において、特に通信士をもちろん一名以上乗せる船舶についての話ですが、そういった船舶が、どの程度ふえる可能性があるのか、そういったような見通し等についても資料でひとつお出しを願いたいと思う。  それから同時に、運輸大臣に、今の御答弁だと、指定船舶によっても、現在の気象業務支障のないように、絶対支障のないように通報がもらえるような措置をとっていきたいということなんですが、そうだとすれば、結局私は、現行法によって資料を集めるというのと、ほとんど変わらない程度の多数の船舶指定しなければならぬと思うのですが、そういったことについて、実際問題として、はたして先ほど言われたような一億円かあるいは二億円程度の金で間に合うという数字も、これは先ほど気象庁長官もはっきりした結論としてお答え願ったんじゃないのですから、私はこまかい数字をどうこうは申し上げないけれども、しかし、一億円や二億円程度という問題では済まされない問題じゃないかと思うのですがね。そこらのことについて、も少し数字をあげて、運輸大臣の言われる絶対低下させるようなことはしないのだというお話なんですから、それの対策等について、ひとつ資料でも御説明を願いたいと思う。
  64. 斎藤昇

    国務大臣齋藤昇君) 今日の気象通報に欠くることのない程度契約をする、そうすれば、今の現行と同じではないかとおっしゃいますが、これは、今日は三名を要求をいたしておりますが、しかしながら、この深夜の通報というだけであれば、通信士が一名、あとが見習生一名ということで事が足りるわけです。ことに欧州航路に対しましてはその必要がないわけであります。太平洋航路、太平洋を航行する船舶についてだけということに相なって参るわけであります。今後三年間の船舶の増強は、御承知のように、大体毎年約八十万トンふえるとお考えいただいてよかろうかと思います。その中の大部分、その中の太平洋を航行するのは六割ないし七割、これは太平洋を航行する船だろう、かように考えます。ことに航路をあるいは北米だけでなしに、南米のほうを通る航が今後相当ふえてくる、かように考えます。これが年間四、五十万トン、かようにお考え下さればよかろうと思います。毎年ふえて参りますのは。
  65. 久保等

    久保等君 私は、全体的な気象通報の問題について質問をしているんじゃなくて、先ほどたまたま気象庁長官のほうから、深夜においての気象観測の問題について御答弁があったので、その問題だけについて主としてお尋ねをしたんですが、したがって、総体的に見れば、明らかに気象観測上低下をもたらすということになることは数字の上で明白なんですが、ただいま深夜の、特に午前三時の気象観測についてだけいろいろ御質問を申し上げたんですが、それらの問題についても、しかし、深夜の場合をとってみても、先ほど来の御答弁では、とても運輸大臣の言われる絶対大丈夫だという根拠には全然ならぬと思うんです。  したがって、その点については、さらにまた、後日資料等をお出しいただいて、十分に検討してさらに御質問をいたしたいと思うんで、運輸大臣あるいは気象庁長官に対する質問は、本日のところ大体、以上で私とめておきたいと思うんです。
  66. 斎藤昇

    国務大臣齋藤昇君) ちょっと補足をいたしておきます。  一人になったときの問題は深夜が問題でありまして、それ以外の三回の通報には事欠かないわけでございます。しかも、この三回の通報の完全にできまする船の数は、先ほど申しますように、今後非常にふえて参るわけでありまするから、したがって、そういう意味から申しまして、深夜を除いた部分については、今後今までより以上、この気象通報が太平洋の海上から送られてくると、こういうことになるわけであります。  したがって、やはり問題は深夜でありまして、深夜以外の点は、今後非常にふえて参りますので、一人になりましても、その点は御心配がないわけでありますから、補足を申し上げておきます。
  67. 久保等

    久保等君 私は、その大臣の御答弁も、先ほど来お伺いいたしたことと総合して判断をすると、理解をするわけには参らないんですが、いずれその問題については、さらにもう少し資料等もお出しを願った上で質問を続けたいと思いますので、きょうのところは、運輸当局に対する質問は終わりたいと思います。  また、郵政大臣にもいろいろお伺いいたしたい点があるんですが、その点については、また後日に譲ることにいたしますが、ただ、この前私要求して資料を出してもらって、その資料が出て参っておりますが、運輸当局と郵政当局の間でやりとりせられた文書三通ばかり出ておるんですが、運輸大臣から郵政大臣に出された文書というのは、昨年の五月十七日の文書だけでしょうか、大臣でやりとりをせられた文書というのは。これはどちらからでもいいんですが。
  68. 若狭得治

    政府委員(若狭得治君) 運輸大臣から郵政大臣に申しました文書は、昨年の五月一回だけでございます。
  69. 久保等

    久保等君 けっこうです、きょうはもう。
  70. 森中守義

    ○森中守義君 資料運輸省にお願いします。昭和三十四年から三十六年に至る各社別の収支内容、それから融資の内容、それから資本金と利益の配当状況、これだけをひとつ早急にお出し願いたい。——わからないんですか。
  71. 若狭得治

    政府委員(若狭得治君) 大体わかりましたが、あとで、もう一度……。
  72. 森中守義

    ○森中守義君 委員長から……。
  73. 安部清美

    委員長安部清美君) いいですね。
  74. 山田節男

    ○山田節男君 気象庁長官が見えておるので、ちょっと関連質問的にお伺いしたいと思うんですが、海洋気象、それから航空気象、それから人工衛生による気象観測、現在の気象庁として、たとえば今問題になっておる海上の海難の予防という意味から、あなたのほうからデータを送られて通報される作業において、この海洋と、それから航空気象と、それから宇宙といいますか、たとえばアメリカがタイロスを発射して現にかなり詳細な宇宙圏における気象観測データを集めておるわけです。  気象庁としては、そういったような国際の協定もありましょうし、そういう宇宙とそれから航空海洋と総合した結果、一つの判断といいますか、気象の警報を出すべきかどうかというような、こういう警報の出す前に、これはどうしても出さなきゃならぬというときのデータは、どの範囲でおやりですか。
  75. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 普通の地上及び海上気象観測が、一般の天気予報あるいは暴風警報の基礎になっております。航空機による観測は、航空事業のほうには非常に使われますが、一般のほうにはその補いになっておる。人工衛星は、今少ししか回っておりませんし、日本の上にちょうど昼間にくるような時期が一、二カ月に一ぺんですから、そのときに送ってくるだけでありまして、台風期あたりで事実上有益であったこともございますけれども、これはまだ日常業務に頼るというわけには参らないのでございます。
  76. 山田節男

    ○山田節男君 ただいま航空気象海洋気象とは、これは関連が非常に密接なものだとしろうとながらそう考える。たとえばウエーキ島、あるいはホノルル、グァム等アメリカの基地のあるところ、航空気象については非常に詳細ななにを持っている。そのチャートをすべて無電で、刻々関係方面に発信しておる。そういうデータは日本政府の、すなわち気象庁に対しても現にそういうものを受けておられるのかどうか。  それからアメリカのそういう航空気象観測についてのデータは、向こうは軍事的なものとして、全然日本政府には連絡しないかどうか。この点どうですか。ただアメリカとのそういう点の協定があるかどうかという問題ですね。
  77. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 国際間における気象資料交換は、世界気象機関でされておるのでございます。別に軍がどうという協約はございません。普通航空のものでも一般の気象も、共通のものが多いので、そういうものは共通にいたしておりますが、単に航空だけの機上から送られてきた資料航空機が飛びながら送る資料、これらも普通の天気予報などに使っておりますが、一番大切なのは航空のための予報——航空気象に対して、一番有力になっておるわけでございます。
  78. 山田節男

    ○山田節男君 これは、私もとよりしろうとですから非常に幼稚な質問になるかもしれぬが、たとえばアメリカが沖繩、ウエーキ、その他グァム、そういう航空気象をやっておれば、たとえば台風日本に上陸するのは、大体この地点の観測から相当有力な予測のデータになる。航空気象はもちろん航空気象でしょうけれども、それはやがて、下界の海洋なり低空の気象に重大な関係を持っている。むしろ時間的に言えば、大空あるいは高空、そのデータで地上あるいは海洋における気象観測並びに予測が重要なデータになるのじゃないか、これは私のしろうととしての考えでありますけれども、そういうふうになれば、今のこういう電波法改正によって、今のままでいけば、ただいま久保委員との応答を聞いておりますと、そういう方面について非常にないがしろといいますか、足りない点が出てくるのじゃないか。すなわち海難にオート・アラームというものを設置して定員を一人にしてしまって、そうして深夜ということがことに問題になりましたけれども、それの発するデータの点で、やっぱり迅速にして、正確にして、当たりはずれはあるでしょうけれども、しかしなるべくそれのないものを、正確なものをあなたのほうから提供されるならば、今申し上げたようなことを気象庁としての良心的な考え方からいっても、費用の点もありましょうけれども、事、人命に関し、そういう海難ということになると、これは金の問題ではないのですから、こういう点に対する気象庁長官としての今までおやりになったことなり、現存おやりになっておることを承りたいと思います。
  79. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 私ども気象事業では、役に立つあらゆる材料を使うわけであります。それぞれ飛行機からも、あるいはそれが軍の観測でありましても、私どもに送られて役に立つのはあらゆるものを集めまして、そしていたしておる次第でございます。私のほうは、そういうものがあるのに使わないということは、私どもが知っておる範囲内ではないのでありますけれども、仰せのようにできるだけ使うということは、今後も努力したいと思っておる次第でございます。  飛行機から送ってくる気象資料が普通のものに役に立つかという御質問だと思いますが、それはもちろん役に立ちます。ただ普通の地上及び海上資料とはもちろん違った種類のものでありますが、やはりこれは書き込んで役に立っております。
  80. 山田節男

    ○山田節男君 簡単にいえば、たとえばこの地上における気象観測なり、それから海上における観測船ですね。これはきわめて平面的なものですよ。ですから、航空ならば少なくとも何千メートルかの高さ、それから宇宙人工衛星なら何千キロ以上ですから、交通通信が発達したときは、宇宙は小さいのですから、あなたが気象の予報をなさる場合に、今までやったことは、これは非常に平面的なものであって、もっと立体的なしかも全世界をカバーするような観測ができるのですよ。ただ、そのことをお聞きしておるのです。
  81. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 今日の気象事業は、立体のほうが主でありまして、高層観測のできるところでは気球を上げて二、三十キロメートルの高さまでみんなやっておるのでございます。飛行機のほうはある特定の高さを飛んで、そこの気象を知らしてくるわけであります。高層気象観測のほうは場所がきまっておりまして、そうたくさんの観測をすることはできません。飛行機特定の高さではありますけれども、飛んでおるときに絶え間なく送ってくるという利点がある。人工衛星は非常に高いので、現在のところは、単に雲の分布を知らせるということに役立っておる。そういうものをみなあわせまして、現在の天気予報、気象警報を出しておるわけでございます。
  82. 山田節男

    ○山田節男君 これはたとえば南太平洋のほうに、日本に襲来するかもしれないというような台風が起きた場合、これの最初の発見ですね、通報は、これはいろいろな種類によりましょうけれども、大体南太平洋のどういう地点に発生した、それがどういう方向に向かっているんだ、時速何キロできているんだ、こういう最初の発見なりその観測は、現在、日本気象庁観測船とか単独でできますか。
  83. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 島の観測、特に島では高層気象観測をしておる、それから船舶観測、そういうものの工合から、大体発生しそうだという見当がつきます。そのときに飛行機気象偵察が行なわれ、そして確認するわけでございます。そういうことが十分に予察できないときには、南のほうで割合に台風の形が少し整いますと、これは島の観測、船の観測で、かなりはっきりわかって参ります。この場合も、もちろん飛行機で偵察し、その位置、強さ、動きなどを確かめるわけでございます。
  84. 山田節男

    ○山田節男君 これも、たとえば太平洋を一つの範囲として考えまして、大体どのくらいな日本——外航船ですね、外航船で日本船、アメリカ船、その他の国の船が太平洋を往復しておるかということの数字は、これはむずかしいかもしれません。現実の数字はわからぬかもしれませんけれども、これは運輸大臣の御答弁になるかもしれませんが、大体日本船、アメリカ国籍のもの、その他のもの、北米南米、カナダを加えて、太平洋を航行しておる外航船ですね、これは非常に抽象的な質問ですけれども、大体、何ばいぐらい太平洋を航行しておるという、何かそういうような数字がわかっておりますかね。
  85. 斎藤昇

    国務大臣齋藤昇君) 的確にその航路なんかを調べておるわけではございませんが、気象庁の受けております通報は、大体多いときで百四十通あるいは百五十通、少ないときで百二十通ぐらい、先ほども御答弁申し上げておりますが、これから推測をいたしますると、全部の船が打っておるわけではない、中にはサボっておる船もあろうと、かように考えております。したがって、百五十そうから二百そう以内、これは定期航路と、それから不定期の航路すべてを含めまして、まあその程度であろうかと思います。これが今後相当ふえてくるだろうと思います。
  86. 山田節男

    ○山田節男君 気象庁長官に対する質問は、これで終わります。
  87. 安部清美

    委員長安部清美君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  88. 安部清美

    委員長安部清美君) 速記を起こして。  他に御発言もなければ、本日のところ、本案に対する質疑は、この程度にとどめておきます。  これにて散会いたします。    午後一時十分散会    ————————