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1962-03-01 第40回国会 参議院 逓信委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年三月一日(木曜日)    午後一時二十九分開会   —————————————    委員の異動 本日委員光村甚助君辞任につき、その 補欠として森中守義君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     安部 清美君    理事            寺尾  豊君            松平 勇雄君            野上  元君    委員            白井  勇君            新谷寅三郎君            鈴木 恭一君            谷村 貞治君            永岡 光治君            森中 守義君            山田 節男君            奥 むめお君   国務大臣    郵 政 大 臣 迫水 久常君   政府委員    郵政大臣官房長 金沢 平蔵君    郵政省郵務局長 西村 尚治君    郵政省電波監理    局長      西崎 太郎君   参考人    日本放送協会副    会長      溝上 けい君    日本放送協会専    務理事     田辺 義敏君    日本放送協会専    務理事     小野 吉郎君    日本放送協会理    事       赤城 正武君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○放送法第三十七条第二項の規定に基  づき、国会承認を求める件(内閣  送付予備審査) ○郵便切手類売さばき所及び印紙売さ  ばき所に関する法律の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 安部清美

    委員長安部清美君) ただいまより開会いたします。  委員の変更についてお知らせいたします。本日、光村甚助君が委員を辞任せられまして、その補欠森中守義君が選任せられました。   —————————————
  3. 安部清美

    委員長安部清美君) 放法第三十七条第二項の規定に基づき、国会承認を求めるの件を議題といたします。  まず、本件に対する政府の御説明を願います。
  4. 迫水久常

    国務大臣迫水久常君) ただいま議題となりました日本放送協会昭和三十七年度収支予算事業計画及び資金計画提案理由につきまして、御説明申し上げます。  この収支予算事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条二項の規定によりまして、これらに対する郵政大臣意見とともに国会に提出するものであります。  郵政大臣としましては、これら収支予算等につきまして、お手元にお配りいたしましたとおり、おおむね適当であるとの意見を付し、国会の御審議をお願いする次第でございます。  その大略を御説明いたしますと、まず、収支予算でございますが、その規模は、収入支出とも総額五百七十五億一千四百万円と予定しております。  これを昭和三十六年度に比べますと、いずれも百十八億二千九百万円の増加となっております。  その内訳は、資本収入百二億八千七百万円、資本支出百五十七億一千六百万円、事業収入四百七十二億二千七百万円、事業支出四百十三億九千八百万円、予備金四億となっており、事業収入のうち五十四億三千万円は、建設費等資本支出に充当することとなっております。  次に事業計画でございますが、その重点といたしましては、受信契約ラジオテレビジョンとを包括して一本化した契約ラジオだけの契約との二種類とすることに改め、受信料をそれぞれ月額三百三十円、五十円とするほか、テレビジョン放送放送網及び放送各組拡充放送施設整備等を推進することとしております。  なお、資金計画は、この収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金に関する計画でございます。  以上のとおりでございますが、何とぞ御審議の上、御承認のほど、よろしくお願いいたします。
  5. 安部清美

    委員長安部清美君) 次に、日本放送協会補足説明をお願いいたします。
  6. 溝上けい

    参考人溝上けい君) 本日は阿部会長がかぜで休んでおりますので、私から御説明することをお許し願いたいと思います。  ただいま議題となっております日本放送協会昭和三十七年度収支予算事業計画及び資金計画につきまして、御説明申し上げる機会をお与え下さいましたことに対し厚くお礼申し上げます。  協会公共放送としての使命を積極的に遂行するため、さきに昭和三十三年度起点とする放送事業五カ年計画を策定し、委員各位の絶大なる御協力を得まして、ラジオにおける難聴地域解消テレビジョン放送網拡充及び番組充実等を着々と達成し、総合テレビジョン放送全国世帯に対するカバレージを見ましても昭和三十六年度末八二%に達することとなり、テレビジョン放送受信契約者も近年急速な増加を示して参りました。  このように従来のラジオ放送に加えてテレビジョン発展によりまして、一方におきましては豊かでよい放送番組に対する受信者の要請も一そう強くなって参りますとともに、他方においてその聴視態様に変化が現われて参りまして、ラジオ受信契約者数においては減少の傾向を続けるに至りました。これらの最近における諸情勢を考慮しまして、今後における事業遂行と将来にわたっての経営の安定をはかりますため、昭和三十七年度からは放送聴視の実態に即応した新し放送受信契約実施を予定いたしますとともに、従来の放送事業五カ年計画を吸収いたしまして、昭和三十七年度起点とする第二次六カ年計画を策定することといたしました。  昭和三十七年度事業計画におきましては、その初年度としての諸計画遂行に努め、放送全国普及と、すぐれた放送を通じ国民生活充実向上に資することをその基本的な方向といたしております。  それでは、まず放送受信契約の新しい体系から申し述べますと、昭和三十六年度予算審議の際にいただきました各位の貴重な御意見をもとといたしまして、適正な受信料制度の確立のため、部外の有識者からなる受信料調査会設置等により、慎重に検討を加えました結果、放送受信契約につきましては、協会の行なうすべての放送受信についての契約と、ラジオのみの受信についての契約の二種に改めることといたしまして、前者を放送受信契約甲、後者を放送受信契約乙と呼ぶことといたしております。この新受信契約に対する受信料月額につきましては、受信契約者の負担の軽減をはかることを目標といたしますとともに、第二次六カ年計画の効果的な遂行の面を勘案いたしまして、放送受信契約甲においては三百三十円、乙においては五十円と予定しているものであります。  次に建設計画につきまして申し上げますと、ラジオテレビジョン放送のすみやかな全国普及達成のために、放送局置局増力等を積極的に推進しますとともに、放送番組拡充をはかるため、演奏所整備及び放送設備機器充実改善に努めることといたしまして、総額百三十億円を計上しております。  すなわち、ラジオ放送網におきましては、受信困難な地域解消外国電波による混信を防止するため、東京超大電力局建設中継放送局の新設二局、第二放送の増設二局等を行ない、年度末におけるカバレージにつきましては、第一放送九九・七%、第二放送九七・六%を予定しております。これと並行いたしまして、放送の新しい分野であるFM放送開発をはかるため、名古屋など七局のFM実験局建設を予定しております。  一方、テレビジョン放送網につきましては、総合テレビジョン局において、第一次チャンネルプランに基づく昭和三十六年度までの四十九局の置局に引き続きまして、第二次チャンネルプラン地区等に対し、既設の四十四局に加えて、厳原、富士吉田など三十五局の建設を行ない、教育テレビジョン局においては、第一チャンネルプラン局十八局、第二チャンネルプラン局五十二局の建設を行なう計画であり、これにより年度末の全国世帯に対するカバレージは、総合放送八六%、教育放送七九%を予定しております。  このほかラジオテレビジョン放送網の進展、テレビジョン放送時間の延長ローカル放送拡充番組様式複雑化等に対応いたしまして、演奏所整備、放設備機器充実改善を進めますとともに、放送番組及び技術に関する研究のための機器事務機械化を推進するための設備充実することといたしております。  これらの建設計画実施に要する資金百三十億円につきましては、減価償却引当金及び売却固定資産代金四十一億六千万円と放送債券及び、長期借入金五十八億四千万円とによりますほか、財政の健全化建設計画の円滑な推進をはかるため、受信料収入から三十億円の繰り入れを行なうことといたしております。  次に、事業運営計画のおもな事項といたしましては、まず、放送番組面におきまして、極力その充実、刷新に努めることといたしておりますが、特にラジオにおきましてはFM番組時間の八時間の一増加、テレジョンにおきましては、総合放送三時間、教育放送一時間三十分、カラー放送三十分の時間延長を行ないますほか、ローカル放送につきましても拡充をはかりまして、広く国民の要望にこたえることといたしております。また、国際放送におきましては、放送時間の拡充送信電力増力等をはかり、諸外国との経済文化の交流と親善に一段と寄与する考えであります。  一方、放送番組利用につきましては、わが国教育の振興に資するよう、特に番組教育面への利用を促進することといたしまして、放送利用通信高等学校の設立をはかり、運営を助成するほか、僻地の小、中学校等に対しまして、学校放送テキスト無料配布テレビジョン受信機の贈呈を行なう計画であります。このほか、受信者に対する施策といたしましては、事業の周知、低普及地域開発を積極化いたしますとともに、テレビジョン共同受信施設に対する助成を拡充いたしまして、受信契約者増加に一そう努めることといたしております。  また、経営管理につきましては、業務全般にわたり近代化合理化を強力に推進し、事業発展と経費の節減に努めることといたしておりますが、特に昭和三十七年度からは電子計算機の導入による事務機械化を進めまして、事務の増大と複雑化に対処する考えであります。  最後に、これらの事業計画に対応する収入につきまして申し述べますと、昭和三十七年度における有料受信契約者数の動向につきましては、契約甲においては年度初頭九百七十四万に対し年度内に三百三十万の増加契約乙については年度初頭五官八十四万に対し、年内に百四十四万の減少が見込まれ、これより四百六十八億三千五百万円の受信料収人を予定いたしております。  なおこのほか、国際放送関係等交付金収入一億一千万円及び雑収入二億九千二百万円を合わせまして昭和三十七年度に予定する事業収入総額は四百七十二億二千七百万円であり、このうち減債用法定積立金外部資金返還金等資本関係支出に五十四億三千万円を充て、事業運営関係支出には四百十七億九千七百万円を計上いたしております、  以上、昭和三十七年度事業計画のあらましを述べさせていただきました、協会といたしましては、わが国経済文化発展国民生活向上により、一そうその責務の重要性の加わりつつあることに思いをいたしまして、従業員一同総力を結集して使命達成に努力する所存でありますので、委員各位の一そうの御協力をいただきまして御審議の上、何とぞすみやかに御承認賜わりますようお願い申し上げまして私の説明を終わらせていただきます。
  7. 安部清美

    委員長安部清美君) 本件につきましては、本日は趣旨説明の聴取にとどめておきます。   —————————————
  8. 安部清美

    委員長安部清美君) 郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  前回に引き続いて質疑を行ないます。質疑のある方はどうぞ順次御発言願います。
  9. 森中守義

    森中守義君 これは大臣どうなんですか。改定されて二年くらい経過している。これはやはり署名運動が始まったり、切手売りさばき人のほうからいろいろな陳情請願等が絶えず来るのですが、何か、こういうように声が起こってきたから改正に踏み切るのか。あるいは郵政省自体で、こういう経済変動等においては、しなければならぬ何か一定の方針をお持ちなんですか。
  10. 迫水久常

    国務大臣迫水久常君) これは陳情に動かされてやるというのじゃ決してございません。陳情がいろいろありますということは、その間おのずからそういう必要性が社会的に存在しているということの一つの現われだとは思いますが、私たちの方で三十三年以後の経済情勢、もろもろの経済指標を検討しますると、七分では損がやはりかかってくる。たいしたことでもないかもしれませんけれども八分にすべきだという結論が出ましたので八分にいたした次第でございます。
  11. 森中守義

    森中守義君 たばこですとか、塩、ああいう専売品との比率はどうですか。
  12. 迫水久常

    国務大臣迫水久常君) たばこは、ただいま八分五厘及び八分という二段階でございます。十二万円までが八分五厘、十二万円をこえる部分が全部八分、それが今回十二万円までが九分はなり、十二万をこえる分に八分据置ということになるのでございますが、全般的に手数料というものは、社会情勢を反映して若干ずつ上がる方向にあると思います。
  13. 森中守義

    森中守義君 これはたばこと同率でなければならないという論拠も別にあるわけでもありません。ただしかし、実際の手数料あるいは取り扱いの方法、こういう点からいけば、あまりたばこ切手も変わらない。そういう意味で確かにたばこよりも少し率が低い。どうですか、思い切ってたばこくらいに上げてみたら。
  14. 迫水久常

    国務大臣迫水久常君) こういうことを言ってどうかわかりませんけれども、本来郵便のほうを上げるとすれば、一万円までというのを三万円とか、五万円まで八分というような上げ方のほうがいいのじゃないかというふうな私は感じがしているのです。一万円までのものを九分にするよりも二万円か三万円の限度まで……。今一万円をこえる部分は四分になるのを、下の足をもう少し高くする、そういう方向で直していくほうがいいのじゃないかと私も実は思っているのですが、そう言っては変かもしれませんけれども、たばこよりも印紙切手のほうがスペースを取ることも少く、それから店を別に飾る必要もなし、コスト計算をすれば、たばこのほうがちょっと高いほうがあたりまえじゃないか。切手が八分ならばたばこは一割くらいがバランスがとれるのじゃないかなあという、これは目の子算でございますが、そういう感じがしております。これは方針としてきめているのじゃなくて、迫水久常としてそういう感じだということをお答えいたした次第でございます。
  15. 森中守義

    森中守義君 私の言っているのも別に根拠があって言っているのじゃなく、また大臣も、大臣というよりも迫水さんとしての御意見なんでありますから、これはいずれも間口をとるとかあるいは手数をよけいとるというそういう議論ももちろん必要でしょう、検討するときには。ただ問題は、政府事業を委託するという意味においては全然異質のものではないそうなると、もちろん段階刻みたばこ切手と、これは同類であっていいのか、今の状態に置くのか、これはいろいろ意見がありましょうが最低たばこの額まで切手も上げたらどうか、こういうことを私は言っているのです。それが郵政省予算に非常に大きなひびを入れるということにもならないし、最低たばこまで上げていくべきだというような、そういう考えを私は持つのですが、どうですか。将来検討すべき問題としてお答えいただきたい。
  16. 迫水久常

    国務大臣迫水久常君) 上げていくべきだという考え方、上げることが適当であるというものの考え方、そこに言葉の問題がありますが、まあ上がるものなら上げたほうがいいと私も思っております。将来、ですから段階的には下のほうがたばこにそろうときがくるのじゃないかなと思いますが、今度は非常に大蔵省も問題ですししますので……。
  17. 森中守義

    森中守義君 これは今までも、それから今回の改定にいたしましても、別段理論的な根拠とかあるいは科学的な根拠はない。要するに、原価計算的なものがきちんとあってこのことが出たとも私は思わないわけです。前回このくらいだから今度はこれこれでいいのじゃないかという目の子算じゃないかと思う。だからさっき申し上げたように、陳情が出たから改定の意思に踏み切った、あるいは経済変動があったから率を改定する、おおむね在来の経過を見ておりますと、そういう一つの何かの転機が、歩率改定の際はかなり大きなファクターを占めていると思うのです。そうなりますと、今回別に根拠があってやったのじゃないのだから、たばこぐらいまで上げたらいいのじゃないかという意見を持っているのです。そういうような陳情もけっこうだし、請願もけっこうだし、経済変動も考慮しなければならないと思いますが、何かもう少しきちんとしたものを一応検討されてもいいのじゃないかと思うのであります。今回はこれでいいでしょうけれども、将来そういうことはどうですか、少し検討されてみたら……。
  18. 迫水久常

    国務大臣迫水久常君) これは目の子算でと森中さんおっしゃればそれっきりの話ですけれども、決して目の子算でやっているのではなくて、一応原価計算をしている立場であることは御了承願います。  なお将来、私も大体御意見方向が正しいと私個人的には思いますから、その方向で検討して参りたいと思います。
  19. 森中守義

    森中守義君 どうも議論になってしまって悪いのですが、これは、私は今まで委員会に出ていなかったので、どういう質疑がかわされたか知りませんが、あえて原価計算外に基づいたというなら、それをひとつ見せて下さい。ですから、これはあまりむずかしい議論をしなくても、大体、そう正確に、理論的に根拠がこうこうで、あるいは何かこうこうでというようなものが積み上げられてこういうことになったとは私は思っていないのです。その辺があまり議論していくと妙なことになるから、あまり深みに入りませんが、どうですか、たばこぐらいまで……。特に迫水さんたばこ関係だから、たばこばかり大事にして切手を大事にせぬということはありませんよ。(笑声)
  20. 迫水久常

    国務大臣迫水久常君) 大蔵省というのは一とおり理屈がつかないと納得しませんから、大蔵省を納得せしめる程度の計算的根拠は持っております。  そこで、率直にいえば、理屈はいろいろありまして、たばことは性質が少し違うとか、収入印紙部分はこれだけしかどうだとかいう理屈はあるようですけれども、大まかな議論として、一番下の限度たばこと同じ歩率くらいまでしたら私も適当だと個人的にはそう思うですけれども、なかなかやっぱり一またぎにはいきませんので、だんだんそういう方向にいきたいと思います。
  21. 安部清美

    委員長安部清美君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 安部清美

    委員長安部清美君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 安部清美

    委員長安部清美君) 別に御意見もないようでございますから、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 安部清美

    委員長安部清美君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。  郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案議題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の御挙手を願います。   〔賛成者挙手
  25. 安部清美

    委員長安部清美君) 挙手総員でございます。よって本案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 安部清美

    委員長安部清美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  これにて散会いたします。    午後一時五十四分散会