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湯澤三千男君 この参議院という
立場でございますが、これはまあ
総理も多少お気づきになっておられるとか思いまするが、参議院の
立場は
衆議院からどうも参議院を軽視するのじゃないかという一つの参議院のコンプレックスがあるのですね。そこで、こういうふうに切迫した期間に持ってくるというのも、参議院はどうでもいいやというような心持があるわけじゃないと思いまするが、どこかにやはり両院対等で、両院の制度を維持していくというような
立場から、参議院も尊重しなければならぬ、こういうような心持が
衆議院の諸君にはないのじゃないかというような一つの何があるのでございます。そこで、われわれの地方行政
委員会の仲間は、
与党野党とも割合につまり仲がいいのです。きわめて和気あいあいであるのです。そこで、ひとつこの機会に、参議院の権威を樹立するためにひとつ
修正案を出そうじゃないか。むしろこの
政府案と同じようなものを出したらどうだろうか、こういつたような
意見もぼつぼつわれわれの耳にもする仲間がおるわけなんです。そこで、多少ともこれは誘惑になるのです、われわれに対しまして。これはいい、この機会に
衆議院の諸君に対して参議院の権威をひとつ高めるために一あわ吹かしてやろうじゃないか、極端にいえば……。(「賛成」と呼ぶ者あり)けれ
ども、(笑声)これを賛成されますと、とんだことになりはしないか。これはどうも
審議期間が非常に短いのでありますから、結論から言うと、私はこれは私だけの
考えであるかもしれませんが、結局、この
衆議院の
修正案というのは、とんでもない悪い
修正案だというわけには私はいかぬと思うのです。これはもうすでにこの地方行政
委員会における
公述人の話の中にも、ことに
審議会の
委員をしているたとえば阿部真之助君であるとかあるいは一橋の田上教授であるとかいうのは、それほど悪いものじゃない。現行法が五十点ならば
衆議院の
修正案も七十点もしくは八十点つけてもいいのじゃないか。それから阿部真之助君のごときも、この際
審議未了になるというようなことよりも、自分は
審議会の
委員であるから、
審議会
委員の案どおりにやってもらいたいけれ
ども、しかし、それが内外の情勢からいきますると
審議未了になってしまう。それならば、
衆議院の
修正案をこの際通すほうが非常に賢明であるし、やっぱり
選挙界の粛正というような点に
おいても相当貢献をするのだ、こういうことを第三者である
公述人も言うておるであります。私はこの
時点にきてみまするというと、どうしてもこの
政府案に比べて、どっちが勝っておるか劣っておるかというような点もありましょうし、あるいは
審議会からは遠く離れておるという
議論をする人もありましょうけれ
ども、この際に
おいては、この
衆議院の
修正案を通すよりほかに仕方がないのじゃないか。私はそういうようなふうに現在の
時点に
おいて
考えるのです。そこで、そういうようなふうに
考えまするから、先ほど
総理がこの
修正案に対してどういうふうなお
考えを持っておるかということを私は確かめておきたいと思ってお尋ねをしたのですが、私も大体に
おいてそういうようなふうに思いまするし、またこの際、今の参議院の権威を高めるというようなことで、
修正案をこしらえて
衆議院に一あわふかせるというようなことが、結果に
おいては元も子もなくしてしまうと、これはひとり
池田総裁ばかりでなく、われわれ
与党の連中からいえば、今日
衆議院の諸君のところへまた
修正案を持っていってまとめるだけの時間もありませんし、それから私は能力といっちゃ語弊がありますけれ
ども、今日自民党内の何人をもってしても、それは私はできないと思う、そういうことの
考えからいえば、この際はこの
修正案をぜひ通過させるということについて、骨は折れるが仕方がない。それには
総理がやはり陣頭指揮をせられるようなお
気持で、先ほどお答えになりましたけれ
ども、われわれは日曜も廃し、祭日も廃してやろう、また、夜でもやろうと、こういうふうに思っておりまするから、ひとつ質問に対してお答えにならないでも、そこに
総理が出席せられるということだけでも、私は非常に
審議の促進というようなことに相なると思いまするから、ぜひその点はひとつ御実行になられることをお願いをいたしまして、またほかに問題がございますけれ
ども、私は二十分ぐらいと申しましたのでありますから、それひとつ私の質問は打ち切ります。