○平林剛君 大体、ことしはできなかったけれ
ども、来年はこの問題について
検討するというお話がありましたから、あまりきょうは申し上げませんけれ
ども、先ほど私が指摘したとおりに、ピースやハイライトが六六・四、六六・五に対して、新生やバットでさえも六五・三とか六二・九という同じ
税率が課せられているわけです。これは
税率の面からいきますというと、いわゆる
税法から見ると、少し低額所得者に対して苛酷な
税率になっているということはいなめない事実です。酒の場合には、特級を飲む人に対しては今度下がりましたから、今私が申し上げる
数字は違うかもわかりませんが、今日までは特級の場合には
税率が五六・七だった。一級酒になりますというと、四六・四と下がってくるわけです。二級酒になると三五・一%という工合に、大衆酒になるに従って
税率が下がっているわけです。たばこの場合はあべこべなんです。全部
税率が同じような水準になっている。そればかりじゃない。グロリアとかパンドールという葉巻たばこ、御存じでしょうね。あれの
税率・
考えてごらんなさい。あれは五〇%台の
税率になっていますよ。新生とかバットのようなものは、六五・三とかあるいは六二・九という高率の
課税をしておきながら、パンドールとかグロリアとかいう、
比較的高額所得者が吸うであろう葉巻たばこのほうが
税率が低い。これはあべこべだと思う、酒から比べて見ると。だから、そういう
意味からいきますと、私はやはり大衆のたばこと目されておる、現在の状況から目されておる大衆たばこ、少なくとも新生とかバットというものは、この際値下げをすべきでなかったか、こういう
考えを持っておるわけです。
それから、専売公社自体でも、今日いろいろな機械が入って参りまして、新しい工場が建設をされる。設備投資にもかなり重点を置いて計画が進められておりますけれ
ども、
戦前やあるいは
基準年度を
比較しますというと、その生産量、生産性というのは著しく高まっている。普通の企業ですと、生産性が高まってくると、あるいはその製造能力が大きくなれば、たばこを安くしていかなければならぬというのが常識だと思う。これはたばこを税と見るか商品と見るかによってずいぶん違うでしょうけれ
ども、それだけの設備能力を持ち、たくさんの製造能力になってき、生産性が高まっているとすれば、少しは大衆に還元をしていくという
考え方がなくちゃならぬじゃないだろうか。
私は、やはりある
程度そういう考慮がなければいかぬ。今、
大蔵大臣は、いや、このごろ価格は据え置きになっているとおっしゃるけれ
ども、それは確かに価上げはなかったですよ。価上げなんかしたら、とんでもないことになる。値上げはなかったけれ
ども、生産性、それからいろいろな設備拡張その他から考慮すれば、当然ある
程度大衆のサービスという面もこの際
考えていくべきでないだろうかと私は思うのです。今の
税率の
比較からいいましても、あるいは生産性の向上という点から見ても、今度ほんとうはある
程度無理をしても、酒を下げるならば、たばこも下げるべきでなかったかと思いまして、
大蔵大臣に注意を喚起しておきたい。来年度はぜひこの問題を真剣に
考えてもらいたい。ただ
検討するというだけでなくて、今
大臣があげられた理由によるというと、永久にたばこの価格は引き下げはできないようなことになってしまう、今のあげられた理由だけなら。そうでなくて、
衆議院の
大蔵委員会でも、またただいまでも、来年度引き続き
検討するとおっしゃられた以上は、その
検討ということは積極的に、ただいま申し上げたような事実が現実となって現われるようにやるのだという
程度のことは、おっしゃっていただきたいと思います。