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説明員(佐竹浩君) これにつきましては、御
承知のように、長期の資金の問題につきましては、
設備投資その他の資金源としては、株式あるいは社債もしくは長期信用銀行の長期貸し出しということでございまして、さらに短期の資金としては、これは普通銀行の預金を源泉とする資金があるかと思いますが、これらが円滑に全体としての資金
需要を充足するように見て参らなければならぬのでありますが、これにつきまして、やはり
経済の成長と見合いまして、
経済成長に必要なやはり通貨の供給というものが、まず根本的に立って、それらが全体としての
経済活動に必要な、つまり一種の血液を各所に配っているという役割を各種の機関を通じてやる、これの
関係が円滑に疎通をするように
考えて参らなければいかぬ、かように実は思っておるわけなんですが、私
ども銀行局のほうですから、株式、社債その他の長期資金の調達問題、これは理財局の
関係でございますが、とりあえず銀行川の
関係について申し上げます。
今の、長期資金の問題は、主として長期信用銀行の資金による供給、これはまあ御
承知のように、
金融債を主たる資金源としているわけでございまして、
金融債の円滑な発行、消化ということが非常に大事でございます。実は昨年来の利付
金融債につきましては、これはまあやや順調に伸びたのですが、割引債等につきましては若干その消化が思わしくないという
関係で、長期信用銀行の資金源といたしましては、一昨年に比べまして若干低下をする格好になっていますが、ただ、これは全体の
設備投資計画というものがどの程度が妥当であるかという問題ともからみまして、
設備投資があまり
行き過ぎるということになってもいけませんし、適正な
設備投資計画というものに見合っていかなければいけない。まあ現在までのところ、長期信用銀行による長期資金の供給というものは、三十五年に比べますというと、三十六年は若干落ちておりますが、しかし全体として
設備の投資の
行き過ぎを押え、繰り延べその他によって適正な規模にとどめようというような動きから見ますというと、まあ大体妥当な線に来ているのではないか、かように
考えております。
一方、短期資金につきましては、これは御
承知のように、預金を源泉とするものが大部分でございますが、このところ主として都市銀行
関係の預金の伸びが、一昨年に比べますというと、若干低調になっております。一方、地方銀行、相互銀行、信用銀行といったような都市銀行以外の
金融機関の資金源も、これはまあ順調な伸びを見せております。全体といたしまして、預金形態によるそういった資金というものは、大体当初
見込みましたいわゆる貯蓄目標の上から見まして、大体目標額程度はいくのではないか。ただ、その中で、今申し上げましたように、都市銀行
関係では落ちているけれ
ども、他の機関でふえている、しかし全体として見れば、ただいま申し上げたようなことというようなことで、大体現在の
設備投資計画というものを漸次スローダウンして参っておるのでありますが、まあそれらに見合った資金の供給というものが大体行なわれている。
しかし、通貨の量から申せば、全体の
生産水準のスローダウンの将来の
見通し等と
考え合わせますと、まだ若干現在の通貨の
水準は高めではございますが、昨年の七月以来、ずっと月を追ってだんだん収縮しておりますから、まあそれらに見合った全体としての長期、短期の資金というものの供給サイドにおいては、三十五年に比して若干落ちる部分もございますけれ
ども、一方非常に依然として資金の
需要が強い。そこで、需給のバランスから見ると、非常に緊張の度が強いわけでございます。しかし、これはやはり
設備投資を初めとする
事業計画というものを漸次調整して参らなければならない。その調整がだんだん進みますというと、全体としてのいわゆる
金融の需給面における逼迫感と申しますか、そういうものがだんだん解消していくべき性質のものではないか、かように実は
考えております。