運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1962-02-06 第40回国会 参議院 大蔵委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月六日(火曜日)    午前十一時十三分開会   ——————————   委員異動 二月二日委員中野文門君辞任につき、 その補欠として山本米治君を議長にお いて指名した。   ——————————  出席者は左の通り。    委員長     棚橋 小虎君    理 事            上林 忠次君            荒木正三郎君            永末 英一君            市川 房枝君    委 員            大谷 贇雄君            木暮武太夫君            田中 茂穂君            林屋亀次郎君            堀  末治君            山本 米治君            木村禧八郎君            平林  剛君            原島 宏治君            須藤 五郎君   政府委員    大蔵政務次官  堀本 宜実君    大蔵省主税局長 村山 達雄君    大蔵省銀行局長 大月  高君   事務局側    常任委員会専門    員       坂入長太郎君   説明員    大蔵大臣官房財    務調査官    柏木 雄介君    大蔵省関税局総    務課長     武藤謙二郎君   本日の会議に付した案件 ○昭和三十六年産米穀についての所得  税の臨時特例に関する法律案内閣  提出衆議院送付) ○保険業法の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○関税法の一部を改正する法律案(内  閣提出)   ——————————
  2. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ただいまから委員会を開きます。  まず、委員異動について報告いたします。  二月二日付をもって中野文門君が委員を辞任され、その補欠として山本米治君が委員に選任されました。   ——————————
  3. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) これより、昭和三十六年産米穀についての所得税臨時特例に関する法律案を議題とし、まず補足説明を聴取することといたします。村山主税局長
  4. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) 補足説明を申し上げます。  この米穀予約売り渡し特例に関する法律案は例年出してございますが、三十六年産米につきましても、すでに申告時期が近づいておりますので、これにつきましても昨年と同様なやり方によりまして、同じように課税特例を認めようとするものでございます。  ただ、昨年と違います点は、それぞれ時期別格差のつく時期が、第一期でございますが、新潟県につきましては、去年は九月末日までとなっておりましたけれども、ことしは新潟県に限りまして十月五日まで石当たり八百円の時期別格差がつくことになってございます。これは御案内のように、新潟県はちょうどあのころ水害に見舞われまして、そのために第一期分の時期を延ばしているわけでございます。それと同じように、最後の第四期分でございますが、石当たり二百円の時期別格差のつく時期が、昨年でございますと、十月末日で一せいに打ち切られているわけでございますが、ことしは全国的に見舞いましたいろいろな風水害あるいは風のために、この時期を延ばしまして、十一月の四日まで四日間昨年より延ばしてあるわけでございます。これが昨年と変わった点の一つでございます。  もう一つ昨年と変わりましたのは、いわゆる等外米規格外米につきましては、これは政府買い入れますけれども、この場合には時期別格差はつきません。予約申し込み加算金の百円と、そのほかにこの減税の特典によりまして石当たり千百円、これは総収入金額から引きますが、時期別格差がつきませんので、その分は税法上総収入金額からもらいませんから、引くことにはしていない、この点が昨年と変わっているわけでございます。  ついでに申し上げますと、昨年も実は等外米あるいは規格外米について買い入れをいたしたわけでございますが、昨年のこれらの等外米買い入れの時期は、いずれも時期別格差のつかない十一月以降の買い入れでございます。したがいまして、特に法律でそのことをうたわなくても、事実上時期別格差のつかないときになっておりますので、特にその点をうたう必要はない。ことしは非常に作柄が悪いものでございますから、農林省ではすでに四回にわたりましてこの等外米規格外米の品種、規格を告示で発表してございます。十月末以前に相当の数量の買い入れがあるやに聞いておりますので、ことしはこの点についても手当てする必要があるというので、本法案の第二項におきましてそのことをうたってあるわけでございます。  これらの点が例年と変わった点でございます。  以上、簡単でございますが、補足説明を終わります。
  5. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 今、主税局長さんが例年やっている措置であって、三十六年産米については例年どおりやるということなんですけれども、しかし、御承知のように、この特別措置についてはいろいろな問題があるわけですね。すでに政府は、これを米価に算入して農家に還元するという措置もとるという方針を政府は出しているわけですね。しかし、まあそれにもかかわらず、ずっとこういう特別措置が続けられてきているのですが、基本的にどういう考えで、この三十七年度もやっぱりこれを続けていくのかどうか。税制調査会等でもしょっちゅう議論になるわけですね、御承知のように。政府は基本的にどういう考えか。これは税の負担の公平の問題、そういう点、あるいはまたこの法律のできた趣旨ですね、供出を促進する、そういう趣旨、こういうものもまた制定当時と違ってきているでしょう、米穀需給状況等も。その点について基本的にどういうふうに考えているか、その点ひとつ伺いたい。
  6. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) 御案内のように、この制度は、昭和三十年産米以前に適用されました供出完遂金であるとか、超過供出奨励金、その制度あとを受けまして、昭和三十年産米から現在のような予約米減税制度になったわけでございます。その際、米の需給を円滑にするという趣旨のこの予約米制度に合わせまして、税法上におきましても何らかの措置を講ずる必要があるというのが、そもそも事柄の発足点でございまして、現行のような制度をとったわけでございます。  ただ、そのときには適用の全農家数が、今はっきりとした数を覚えておりませんが、たしか私の記憶では全農家数のうち二〇数%この適用を受けたわけでございます。その後相次ぐ所得税一般減税によりまして非常に農家数が少なくなってきているわけでございまして、去年の当初予算、三十六年の当初予算ベースでは十三万人くらいというふうにしか見込まれなかったのであります。この数字はもちろん昨年の米価の改定によりまして家行見込みではふえて参るとは思いますが、十三万人を基礎にして考えてみますと、兼業農家まで含めました全農家数にして二%くらいでございます。それから、米の売り渡し農家数に対しましては三・六%くらいになってきておる。なるほど負担軽減ということは、考えようによりましては、それは米価の一部を補償するということも考えられないことではございませんが、現実適用を受けるということを見ますと、十三万戸くらい、二%くらいになっておる。はたしてこれが米価政策といえるかどうかという問題が一つございます。  まあこれはわれわれのほうでは単独法で出してございますが、いわば租税特別措置的な考え方でございますので、だんだんウエートが少なくなった政策というものが、税の負担の公平という点からして、ウエートが少なくなったら廃止をして、もっと必要なる措置を打ち出すべきであるというふうにわれわれは考えているわけでございまして、一般的減税なんかもわれわれは中小所御者をねらってやっておるわけでございます。ことし、おそらく今後提案になりますが、住民税相当大幅な減税がございますが、主としてオプション・ツウただし書き地域適用されることになりますが、そういたしますと、業種といたしましては、農業方面に非常に大きく響く措置でございます。そういった効果のある措置に切りかえるべきではなかろうかというのが、政府税制調査会における検討の結論であったわけでございまして、したがいまして、政策効果が上がらなかったものについては租税特別措置的なものは全部廃止すべきではなかろうかということでございます。ただ、それにいたしましても、一方国会で論議されますようないろいろな関係がございます。租税特別措置農家に対して非常に少ないんじゃないかというような御議論、あるいは現実の問題として供米を円滑にさせるというようなことからいたしまして、三十六年度産米につきましては、従前どおり提案いたしたい、こう思っておるわけでございますが、三十七年産米以降の問題につきましては、それら両方の要請をよくにらみ合わせまして、さらに今後具体的に検討して参りたい、かように思っておるわけでございます。
  7. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これには直接関係がないのですが、三十七年度の減税措置によって農家に対する減税措置、さっき住民税オプション・ツウただし書きのことを言われましたが、しかし、県民税がふえるわけですね。これは地域によっていろいろ違うのですよ。必ずしも一律にそういえないのですけれども、減税措置によって農家税負担というものがどういうようになるのですか。
  8. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) これは国税地方税、非常にその厚薄の点はございますが、農家をねらった措置としましては、いろいろ考えられるのでございますが、まず第一に、国税におきましては、所得税相続税登録税物品税の一部のようなものがこれに該当しております。それから、地方税におきましては、住民税を中心といたしまして、さらに特別措置的なものとして不動産取得税固定資産税、あるいは電気ガス税、こういうものにつきまして、それぞれそれらの分野におきます一般減税農家に比重がかかるということのほかに、それぞれの項目で農家特例的な措置を設けておるわけでございます。所得税で申しますと、今度の減税、これは予約米特例措置も含めて、改正前の納税人員改正後の納税人員の点ではっきり出てくるわけでございますが、もしこれらの改正をしないとした場合には、農業国税の有資格者数は十九万二千人くらいかと見込まれますが、これらの改正を行なった後におきましては、現在のところ十七万一千人くらい、二万一千人くらいは失格すると思われるわけであります。税額におきましても相当減ると思いますが、それは税額におきましても、現行法で十一億七千六百万、改正法におきまして七億八千万程度でございますので、四億円くらい税額で減ってくる。これは一般改正だけでございますが、そのほかに特例法による分といたしまして約六億くらい減収が出る。これは国税の面でございます。  それから、相続税につきましては、これは一般的に基礎控除遺産から引く基礎控除改正してございますが、現行法は百五十万プラス相続人の数に三十万かけた金額を引きます。相続人の数を五人といたしますと、百五十万と百五十万、合わせて三百万の現行遺産からの基礎控除額でございますが、今度はその三十万を五十万に上げますので、大体四百万くらいになります。その辺のねらいが農家の大体二町五反くらいの経営面積人たち相続税がかからないようにというあたりをねらっておるわけでございます。これは直接農家だけに響くわけではございませんが、これは比較的相続財産の低いところに大きくかかるわけでございますが、結果的には農家に響くところは相当大きい。  それから、登録税につきましても、農林中金の出します債券につきまして登録税現行千分の三でございますが、これを千分の一・五に下げようとする措置を今後提案しようとする見込みでございます。  なお、物品税につきましても、農家に直接は関係ございませんが、農家畜産物を使っておるもので、たとえば乳酸飲料であるとか、あるいは同じジュースでありましても、農家の作っておる果実をよけい使う、果汁の、果実ウエートの高いものについては、減免措置を講ずるというような、税額ではたいしたことはございませんが、そういうこまかい改正をやっております。  なお、住民税につきましても、一番大きな問題は、ただし書き地域におきます現在の扶養親族控除額は、これは全額控除でございますが、全国平均約三百二十円と見込まれておりますので、今後六百円くらいまで一挙に上げてしまおうということを考えております。なお、住民税について、課税所得七十万以下のものにつきまして相当程度税率を引き下げる予定になっておりますが、これは農家だけではございません、全部に及ぶものと思います。ただし、これは実施時期は三十八年分の住民税からということになっております。  それから、不動産取得税等について、かつて問題になっておりました過剰入植のためにその後農家が離村する場合がございます。その跡地を残っておる人が買い取るというような事実がございまして、その場合の不動産取得税をどうするかという問題がありますが、昨年の国税登録税の例にならいまして、今年は地方税不動産取得税においてもこれについては減免措置を講じていくということでございます。その他、国の助成にかかる農業協同組合共同施設取得であるとかというものにつきましても、同様の配慮が加えられておる。  それから、電気ガス税、これは農村のほうの負担所得に比べて非常に重くなっているということで、非常にわずかではございますが、一〇%を九%に、一%下げるというようなことを一般的にやっております。ほかに農家特定施設で使う、協同組合だと思いますが、協同組合特定施設に使う電気等につきましては軽減措置を講じておる。  また、固定資産税につきましても、国の助成にかかるいろいろな近代化のための機械設備取得した場合には、三年間、固定資産税課税標準を二分の一にするというような措置地方税法において講ぜられんとしておるわけであります。  相当目ぼしいのは昨年やりましたものですから、こまかいところを拾いますと、農村方面に対する考慮が今年度の税制改正においても相当払われておるというふうに考えておるわけでございます。
  9. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この住民税ただし書き税率のあれ、もうきまりましたか、成案を得たのですか、税率改正
  10. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) まだどの辺までかわかりませんが、最終決定をしたというふうにわれわれは聞いております。政府部内では。
  11. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうですが。そうすると、まだあれは法律案として出てきていませんね。
  12. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) それも詳細なことはまだわかりません。あとで調べまして、お答え申し上げます。
  13. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私、聞きたかったのは、税制改正のときは、特に所得税ですが、さっき主税局長からお話があったように、農家においては納税対象人員が非常に減ってきておるわけですね。そこで、減税という場合に、こまかいその他の、所得税以外の減税お話がございましたが、金額としては非常にわずかだと思うのです。決してそれが効果がないというわけではありませんけれども。ですから、農家に対しては所得税減税のような場合には、多くの農家は均霑しないということになるわけですね。そういう点、どうも私はちょっと割り切れないのですが、その場合には何かはかの方法でそういう埋め合わせといっては変んですが、填補措置が必要でないかと思う、よく農家に聞くと。それは自民党の人なんかにとっては重要であるくらいですよね。減税々々といって、たとえば税金の話に行って、農家の人に、所得税を納めている人どのくらいおりますかというと、百人ぐらいおるところで、ある部落では、三、四人ぐらいしかいないと、こういうことが多いわけですね。そういう点は、減税をやる場合にどういうふうに考えておられるのですかね。農家にとって減税措置がどういう影響を及ぼすかということを今伺ったのですが、全体として金額からいくとずいぶん農家のほうは均霑するあれが少なくなっているのだな。免税対象が少なくなっているということがある。それから、予約米特別措置につきましても、二%でしょう。大体農家減税によって均霑をされるという人は富農属じゃないですか。大体がそうじゃないですか。
  14. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) おっしゃるとおり、国税の面、特に所得税の面におきましては、かつて昭和二十四年は農家数で三百二十万戸課税になっておったわけです。その後シャウプの税制改正によりまして、大幅に減りました。その後逐年の減税によりまして、ことしの予算では、先ほど言いましたように、十七万一千人というところまで落ちたわけでございます。これらの人の納めている税金も非常に、そう言っては何ですが、先ほど言うように、八億くらいになるかと。所得税全体の数字から申しますと、これ五千億になんなんとしている数字でございますから、したがいまして、今後所得税減税によりまして農家減税というのが少なくなるということはやむを得ないであろうと思うわけであります。  問題は、おそらく一番大きな問題は住民税でございますが、住民税はまた住民税として負担応分精神がございまして、応能課税のほうは国税で強く出す。むしろ地方税におきましては、一般的に応益課税、同時に負担応分に、広く浅くすべての人にある程度の分に応じた負担をしてもらうというようなのが基本的な精神になっておりますから、勢いその住民税課税対象が多いわけでありまして、住民税の今の予約減税を受ける農家数だけを見ましても、三十六年度の予算ベースで約百六十六万人程度と、予約減税を受ける農家はそのくらいであると見込まれるわけであります。したがいまして、国税所得税納税人員に比べまして非常に多いということは一応いえるわけでございます。ただ、農家という場合、特に問題になるのは、本文ただし書きバランスの問題だろうと思うわけでございまして、この点につきまして、われわれもただし書き地域負担本文地域に比べて重いという点は十分わかります。そういった点がございまして、今度思い切ったーー思い切ったと申しましても、従来のわれわれの立場からいえば相当思い切った減税案を出そうとしているわけでございます。  しかし、まあこの問題は、一方におきましてそれぞれの財政需要をどうまかなうかという問題がございまして、なかなかむずかしい問題であると。そこに税源配分というような問題をかみ合わせて参りませんと、なかなか所期の目的も達せられないということでございまして、本年はそういった点も考えまして、別途所得税入場税たばこ消費税、これらの税源配分をやりまして、それに対して平年度肝五億の財源を増強しようというのもこの辺でございますが、なかなか一挙に負担バランスという問題からだけ、歳出面考慮は抜きにして、負担バランスという問題からだけすっきりした形にするのは、一挙にはなかなかむずかしい。われわれとしましては、実行可能な限り、一歩々々前進して参りたいと、かように考えて、目下この問題と取っ組んでいるわけでございます。
  15. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 直接この特別措置と関連した質問でないので、ちょっと恐縮ですがね、あまり長い質問はいたしませんから……。今地方税のことをおっしゃいましたが、この機会にお聞きしたいのですが、住民税ただし書きを取れないのですかね。それが一つと、もう一つは、今度は県民税につきまして税率変えましたね、十三段階のやつをね。今〇・八%から六・五%まで累進で十三段階になっているでしょう。それを二段階にしちゃいまして、百五十万以上は四%、百五十万以下は二%。そうすると、高額の人が非常に得しちゃうのですね。それから、低額の人が非常に損する。今まで〇・八でしょう。それが二%になるのですね。それから、上の人は今まで六・五%でしょう。それが四%になっちゃうのですからね。非常にそこが不公平になるでしょう。そういう点、非常に今度の県民税改正点、割り切れないのですけれどもね。その二つの点についてちょっと伺っておきたいのですがね。
  16. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) まず、あとのほうの問題、税率調整税源配分の問題に伴う税率調整の問題でございますが、現行最低税率がおっしゃるとおり〇・八%、最高が、これは五千万円超でございまして、五・六%になっております。それで十三段階になっております。今度改正せんとするものは、百五十万円のところで切りまして、百工十万円以下二%、百五十万円超四%という率でございます。したがいまして、一番上と下で便宜見ますと、一番下のところでは一・二%の増率に形式上なってございまして、県民税税額だけを見ますと。それから、上のほうでは五・六ですから、一・六の減率になっておるわけです。実はこの分は、国税に、これは税源配分でございますので、国民の負掛とは実際、理論としては関係せしめてはいかぬわけでございまして、その分は所得税税率において調整しておるわけでございます。同じ階級について申しますと、国税においてそのところでは、一・二の減率で足りるわけでございますが、二%の減率をしたわけでございます。最低のところ、現行所得税が一〇%になっております。それを八%に下げます。そういたしますと、〇・八だけ税率として下がるわけでございます。上のほうは一・六%地方税のほうで減率になっておりますが、その点は逆に上げてございまして、最高のところを五%上げておるわけでございます。現在最高国税におきましては七〇%になっておりますが、最高七五%まで持っていく。そこは五%アップしております。途中の段階におきましても、それぞれ税率を幾らに持っていくというふうにずっとならしてあるわけでございます。そこは国民にとっては、税源配分によって国税地方税を通じては負担の増減なし。ただ、別途国税プロパー減税といたしまして、そのほかに税率軽減をやっておるわけでございます。先ほど申しました二%下げ五%上げというところは、実はその税源調整分と、税源配分調整分税率改正減税分を含めた最後の答えの差し引きの計算でございますが、考え方としましては、その中に税源配分国税プロパー減税に伴う税率の引き下げというものを含めてあるわけでございます。  なお、多少問題になりますのは、いずれまた御審議願うと思いますが、現在課税所得が違うわけでございます。これらの率は、すべて地方税につきましても、国税についても、課税所得について計算されておるわけでございます。ところで、所得税課税所得と、それから地方税課税所得は、御案内のように違います。地方税課税所得は三十五年の所得税課税所得によっておるわけでございまして、その後国税は進んで先に減税しております。したがいまして、地方税のほうは課税所得のほうがふくらんでおるわけでございます。この点の調整税率ではっきません。そとで、地方税のほうでは別途税領控除方式をそれらのものについては行なわんとするものでございます。具体的に申しますと、たとえば配偶者控除金額は二万円違う。それから、今の十五才以上の扶養親族控除額は二万円違います。それから、白色申告者専従者控除は二万円違います、所得金額。それから青色については四万円違います。そこで、一番税率の違ったところはどこかと申しますと、先ほどの〇・八から二というところが一番開いておるわけでございます。この分は一・二上がっておりますので、その一・二をかければ一番最高を引いておるわけでございます。一人当たりもしそういうものがありましたら、税額控除におきまして二万円に一・二をかけた数字、すなわち二百四十円を引く、すなわち青色申告は四万円違いますので四百八十円引く、それが一番地方税として増率になっておるところでございますが、その一・二を使っておれば、それは負担の増になるわけはないのでございまして、最高のところを税額控除方式によって調整しておる、こういう仕組みになっておるわけでございます。  先ほどの最初のお話ただし書きの問題、これはわれわれといたしましても、本文方式が大体国税課税所得計算方式に大体のっとっております。所得控除方式にのっとっておるのでございます。これはただし書きのほうは発足当時から税額控除方式になっております。その結果として、御案内のようなただし書きとしてある地域のほうが負担が重くなっておることは御指摘のとおりであります。ただ、これは地方自治の問題がございまして、それぞれ自治の観点に立って、財政事情をにらみ合わせた上で現在の制度になっております。もちろん、その背景としましては、それらの団体の収入がどうなっておるか、財政事情がどうなっておるかで、それらの点でこれらの制度が採用されたと思いますが、とにかく負担がアンバランスになっておることは確かのようでありますので、国としても今後機会を見まして、これらのアンバランスを是正する方向に極力持って参りたいというふうに考えておるわけでございます。
  17. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これは直接法案に関係ないからやめますけれども、大体その個人負担分の関係についてはわかりました。地方財政になると非常に、私は最近地方を回ってみたんですがね。入場税国税に返還されると、その穴埋めに——穴埋めというか、その代償に県民税でやるのですが、地域によって非常に違いますね。かえってプラス、マイナス赤字になるところがだいぶあるのですが、東北なんかずいぶんそうなんです。そういう調整をどうするか。どうも自治庁内では、最初交付税で見るとか言われておりますがね。そのアンバランスの点は、主税局のほうはどういうふうにお考えになっておりますか。それは御承知でしょう、地域によって。その点、どういうふうに理解したらいいでしょうか。
  18. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) これも今度提案いたします税源配分の際の一つの大きな課題でございまして、なるほど総額といたしましては、所得税入場税の引きかえ、これで総額では所得税が多い。そのほかに、たばこ消費税が県に一%、それから市町村に一%、これが約七十一億でございますので、合計すると百五億くらい平年度地方に増強になるということでございますが、地方団体別にどうなるかという問題でございます。御案内のように、入場税は現在譲与税でございまして、人口割で府県に返しておるわけでございます。ただ、東京とかなんとかいう不交付団体には譲与しておりません。それだけに非常に徴税力は強い。一方、所得税のほうは不交付団体のほうも全部入るわけでございます。  そこで、一つ考えられますが、それを是正する方法として考えるのは、一つが比例税でございます。これは累進税率をもっていくよりも比例税率にしたほうが、同じ税額を上げる場合、不交付団体から交付団体に税がずっと流れるわけでございますが、これが一つ措置でございます。  それから、その次に、別途出て参ると思いますが、事業税のほうは現在、府県別に財源として分ける場合には従業員割で分けております。たとえば工場で何人おる、本店に何人おる、その人数割で本店の事業税がきまってきまずから、その総額を分けております。その配分方法について相当合理的な方法をやろう。われわれ今聞いたところによりますと、製造業のある一定規模のものの本店の人員については、一人と数えないで、適当の合理的な数字をかけた人数でやっておる。そうすることによって税制上も理由が立つことになって、財源としては現在の分割よりも地方に流れるような措置を講ずる。  それから、たばこ消費税につきましても、現在はそれぞれこの税源配分で一%ずつアップしますが……。
  19. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 一%ずつアップしますか。
  20. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) 率です。率でやりますが、御案内のように、現在のあれは小売定価によって何%と、こういうことになっておるわけでございます。現行で申しますと、市町村が一一%、それから府県が八%になっておるわけであります。今度一%ずつ上がりますから、それぞれ一二%、九%になるわけであります。総額はそれできまりますが、課税標準を同じような見地からいたしまして合理化していこう、価格によらないで一本当たりの本数によって課税標準をきめていく。で、その算出の基礎は、その前年でもって売り上げられた金額がございますから、その一本当たりの売上金額というのはわかるわけでございます。それを課税標準にするということにいたします。そうすると、現行でございますと、品種の高い高級たばこは都会でのまれているわけでございます。下級品はいなかでのまれておりますので、定価が違います。それぞれ同じように数量がふえたといたしましても、価格の違いでどうしても都市のほうにたばこ消費税が流れる。これを本数割りにいたしますと、その伸びは、全国の本数の伸びは違いますが、とにかく高級品をのむか下級品をのむかという地域的差異はなくなる。これは増率分についてだけやるのでなくて、根元から現在の一一%、それから八%も根っこから課税標準を本数当たり改正しよう。で、これらの措置、まあ所得税住民税の比例税率にするということ、それから今の事業税の分割基準を改定する、それからたばこ消費税課税標準を合理化する、この措置をとりますと、まあ主税局のほうの試算したところでは、府県、市町村を通じまして、交付、不交付団体ごとに見まして、そのふえ方の程度には違いがございますが、減るところはない、すべてある程度ふえてくるという結果になるわけでございます。  で、そのうち特にまあことし改正いたしますのは、ことしはそんなことでございますが、将来を考えてみますと、所得税の伸長率は非常に高いわけでございます。過去四年の実績をとってみますと、大体年率二二ないし二三ぐらいになってございます。申告所得税で二二%、源泉で二三%ぐらいになっております。で、一方国税に移管します入場税をとってみますと、五%ぐらいの伸びにしかすぎない。しかも、その内容を見てみますと、人員は年々減ってございます。まあ五%から八%ぐらい減っております。辛うじて料金のアップによって課税標準が五%アップになっておる。こういう状況でございまして、将来性からいってもあまりない。この辺を考えまして、税源配分の対象税目として特に所得税入場税、それから比較的地域的の偏在度の少ないたばこ消費税、こういうものを税目としていただきまして、で、さらに先生御指摘になったような交付団体に赤字が出るんじゃないかというような点をも、先ほど申しました三つばかり措置を講じまして、そういうことのないようにという配慮が加えられておるわけでございます。
  21. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これはまた、あなたのほうから税源配分法律が出てきたときにちょっと伺いますが、たばこ消費税を本数にした場合、その基準価格はどういうふうにしてきめるのですか。
  22. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) いずれこれはまあ自治省のほうから詳細なあれがあると思いますが、われわれと相談したところでは、前年度実績によって一本当たりの売上価格というものがきまってくるわけでございます。たとえば、前年実績でずうっと見ますと、品種はずっと高級に移ったとかいろんなことはございましょうが、全体の売上金額割る本数でやりますと、課税標準が出るわけでございます。
  23. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 専売公社の。
  24. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) はあ。それを毎年々々改定していこう。ですから、だんだん上がっていきますと、品種が上がりますと、毎年々々一本当たり課税標準は上がってくる。その趨勢を織り込みたい、こういう方法でやっていこうというわけでございます。
  25. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 先ほど木村委員質問の答弁で、予約米減税措置ですね、これは政策的な効果はなくなっている、こういうふうな答弁だったのですけれども、やはり相当供出意欲を刺激するという点では、効果がなくなっておるというのは言い過ぎじゃないですか。来年はそういう制度をやめたいと、こういうお話のように聞いたのですが、それは若干疑問があると思います。
  26. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) まあなくなったとは申しませんが、先ほど申しましたように、非常に薄くなった。かつて設けられたときから比べますと、非常に適用農家数も少なくなり、これによる恩典額も少なくなっておるということで、まあ来年度をどうするかという問題は、これからの検討だと申し上げたわけですが、税制的な考え方としては効果の多い方向に向かうべきでないかと、これは抽象論でございますが、そういう角度も一方ございますが、他方におきまして、ただいま先生おっしゃったように、なるほど薄くなったといっても、まだ相当じゃないか、こういう御議論がある。特に住民税考えますと、住民税については相当農家数になっておる。この辺の点を考えながら、いずれ来年度も慎重に検討して参りたい。来年度はやめるとかやめないとか、今からもちろんいえないわけでございますが、考慮する要素としてもそれは二方面のことがございますので、慎重に検討して参りたい、かように申し上げたわけでございます。
  27. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 予約供出制度というものをとっている以上、やはりこういう制度は生きているのじゃないですかね。これをやめてもいいという考えの根本には、予約供出制度の問題を検討するというふうなことが含まれているのですか。
  28. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) これは予約供出制度をやめるかどうかというのは、われわれはちょっとわかりかねます。わかりかねますが、ただ、こういうことはいえるのじゃないかと。ほんとうにこの予約供出制度、国の制度でやっているわけです。この制度に乗っかっておるほんとうの減税というのは、予約申し込み加算金です。それから今の時期別格差、これはまさにこの制度に乗っかって、制度のもとにおける追加払いでございます。これはこの制度をとる限り、それについても税制は歩調を合わせなければならぬということは、一応まあ——別の考えもございましょう。根本的に整理すべきだとかなんとかいう考えはございますが、一応是認できる。しかし、そのほかに、この金額というのは、実は去年平均して石当たり二百円。ことしは時期別格差がどう出るかわかりませんが、二百五十五円程度と見込まれておるわけでございます。そのほかに供出したものについては千百円引くわけでございます。これは実は予約制度と直接の関係はないわけでございます。もちろん、予約制度を機会にこの制度ができたわけでございますけれども、この予約制度との関連の度合いから申しますと、保有米とは違ったベースで特に評価としてそれだけ引くわけでございます。これはどうも関連からいうと、なるほど発生の過程においては今度の予約米制度と一緒に発生した現行のもとにおいて、この制度については同じく考える場合においてもやはり比重の違いがあるのじゃないか、まあ率直に申しますと、そんな感じがするわけでございます。
  29. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 この問題は額にしても少ないし、またそれに該当する農家の戸数も少ないというふうなことから、あるいは税制の考え方からして、軽く見るという考え方相当多いと思うのですがね。けれども、社会党としてもこの国会で衆議院のほうでこれと同様な案を出しているわけです。それはやはりこの問題を量の上から、あるいは税額の上から、あまり軽く見るということについては反対なんですが、そういう立場から、今後この問題の処理については慎重にやってもらいたいというふうに思いますがね。そういうことを要望して、この程度にいたしておきます。
  30. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ほかに御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。ーー別に御意見もなければ、これにて討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 御異議ないものと認めます。  これより採決に入ります。昭和三十六年産米穀についての所得税臨時特例に関する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに御賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  33. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 御異議ないものと認め、さように決定いたしました。    ——————————
  35. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 次に、保険業法の一部を改正する法律案を議題とし、補足説明を聴取することにいたします。
  36. 柏木雄介

    説明員(柏木雄介君) 保険業法の一部を改正する法律案につきまして、若干補足説明をさせていただきたいと思います。  船舶保険料率に関する保険業者間の協定は、世界的に確立した慣行でございまして、英国を初めとする諸外国におきましては、保険業者の自主的な料率協定が行なわれております。すなわち、イギリスにおきましては、合同船舶保険委員会を中心とする多くの協定料率が、ロイズ及び保険会社を通ずる保険市場全体のものとしまして制定、順守されております。また、完備した独占禁止法体系を持っておりますアメリカにおきましても、一九二〇年の海運法によりまして、船舶保険を含む海上保険に対しましては、独禁法の適用が除外されております。アメリカ船舶保険シンジケートを初め、若干のシンジケートが結成されまして、広く船舶保険全般にわたる協定が行なわれております。その他、ノルウェー、西ドイツ、フランス、イタリー等におきましても、いずれも船舶保険の料率協定が維持されております。これらの各国の実情は、船舶保険におきましては協定料率制が事業の性質上本来必要かつ合理的であることを示すものであろうと思います。  ところが、わが国におきましては、提案理由として御説明申し上げましたように、昭和二十六年の保険業法改正当時は、わが国の船腹がいまだ少なく、かつ、戦標船、老齢船等の質の悪い船舶が多くて、保険の成績もよくなかったために、船舶保険本来の姿でありまする協定料率制を採用することなく、算定会料率を適用することになりまして、今日に至っているわけでございます。  しかし、この算定会料率によりますと、協定料率と異なりまして、料率がどうしても一率包括的にならざるを得ませんので、各船主、各船舶の特色、特性を反映した、いわゆるきめのこまかい料率の算出は困難であります。また、料率を左右する事情の変更や、新しいリスクの出現、料率の国際的動向に迅速、柔軟に対処することがとかく困難であるというような難点を伴うものでございます。もちろん、こういう難点は、船舶保険が国際性の強い特殊な企業保険でございまして、不特定多数の一般大衆または各種の事業を含む工業等に対する火災保険等とはおのずから性質を異にする特殊な分野であるということに伴うものでございます。  このように、船舶保険の分野におきましては、本来算定会料率によることなく、むしろ諸外国の例にならいまして協定料率制とすることが、保険業界、海運業界の双方にとりまして望ましいわけでございますが、このような制度といたしますには、これまで海運業、保険業のそれぞれが相当基礎を持つようになり、経験を重ねて参ることが必要であったわけでありまして、この十年の間にわが国の船腹が新鋭船舶を中心に相当の拡充を見まして、しかも各船主、各船舶の特色、特性の事績も、相当期間にわたりまして積み上げられたことによるのであります。  また、個々別々でなく協定制をとります理由としましては、船舶保険におきましては、共同保険及び再保険による危険の分散がどうしても必要でありますが、協定によって歩調をそろえませんと、その円滑な運営がきわめて困難でありますこと、また戦前におきましても、保険業者間の自由競争が行き過ぎまして、過当な料率引き下げ競争による弊害を招いたという事例がありますことなど、こういうことも船舶保険の一つの特色によるものと思います。  ところが、現在の保険業法第十二条の三第一号のカッコ書きの規定によりますと、海上保険のうち船舶の料率だけにつきましては、共同行為ができなくなっておりますので、今回このカッコ書きの規定を削除し、共同行為ができるように改正する必要があるわけであります。  以上、簡単でありますが、補足説明をさせていただきました。    ——————————
  37. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) では、次に、関税法の一部を改正する法律案を議題とし、補足説明を聴取することといたします。
  38. 武藤謙二郎

    説明員武藤謙二郎君) 関税法の一部改正の法案でございますが、内容は、鹿児島空港を税関空港に改め、水島港を開港に追加すると、それだけの内容でございます。で、関税法では、開港は関税法の別表第一に掲げる、それから税関空港は別表第二に掲げる、こういうことになっておりますので、別表第一と第二に水島と鹿児島を追加する、そういう内容でございます。  で、水島港につきましては、昨年非常に外国貿易が伸張いたしましたので、設備その他を考えまして、これを開港に追加することが適当である、そう考えて追加しようとするものでございます。  それから、鹿児島空港につきましては、昨年の九月から沖縄との問に定期空路が開けましたので、これを税関空港に追加しよう、そういう内容でございます。  簡単でありますが、これで補足説明を終わります。
  39. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 資料要求。この機会に資料要求いたしたいのですが、主税局長さんおられますか。国税通則法につきましてね、もう成案ができましたですか、それが一つですね。成案できたら、いつごろ配付してもらえるか、それが第一ですね。それから、国税通則法に関連して、その各税法はまた変わってくるわけですね。で、国税通則法の制定による各税法改正、各税法別に、その点ですね。それと、この地方税法改正があるわけですね、通則法関係地方税法の、この点……。それからもう一つ、今般一応印紙税法相続税法と通行税法が出てきていますがね、この中でどうも通則法の制定に関連するような個所が、非常に罰則規定において見える。人格なき社団の規定が入ってきているのですね、ここに新しく。これは通則法の門係はどうなんですか、その点。
  40. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) 逐次お答え申し上げます。  通則法は、まあその法律の性質上、各税法ができ上がりませんと、なかなかできないという問題が一つございます。で、それと同時に、各税法もまた通則法を見ないとわからないところがあるわけでございまして、これは作業の順序でございますが、各税法は本日まあ閣議で全部かかって、多分通過したと思いますが、したがいまして、これから通則法も、これはもう何回かやっておりますが、最後の固めにこれから入ろうとするわけでございまして、今後一週間ないし十日以内には提出したいというふうに、これから極力まあ馬力をかけるつもりでございます。  それから、各税法改正案がまあ出て参りますが、そのうち通則法の改正をある程度前提にしたものもございます。これはまあほとんどは形の上なんでございますが、そういうものもございます。たとえば、物品税を今度全面改正するわけでございます。この点はもう大体通則法を前提にして書かれておる点がかなり多いと思います。
  41. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは今度は申告になるわけですね、申告になる。そういう点は出ている。
  42. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) まあ通則法は、どの税金申告納税にするというようなことは書いてございませんです。たとえば、課税方式というのは、申告納税制度と賦課課税方式でございます。申告方式というのは、こういう方法によって申告し納める税金でございます、賦課課税方式というものはこういうものでございますと、ここまで書いて、各税法で、自分の税は、その課税方式については申告納税制度をとるとか、あるいは賦課課税方式によるとかといいますと、その方式は通則法で定める方式でございます。こういうような形を予定しているわけでございます。で、なお、むずかしい問題でございまして、通則法に伴って各税法を直した分野もございます。この点につきましては、やはり通則法の制定に伴う各税法の整理に関する法律という、ちょうど、この前三十四年でございますが、国税徴収法の全文改正をいたしましたときに、その制定に伴って各税法を整理いたしました。あれと同じような整理法が一部出ると思っております。  それから、地方税法でございますが、これは自治省におきまして国税に関する通則法が固まりますと、大体これを模範といたしまして、地方税の通則法を設けるやに聞いておるわけでございます。
  43. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは地方税改正ということになるのですか。それとも、別に地方税の通則法として出てくるのですか。
  44. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) 法律の形はどうなりますか、まだ聞いておりませんが、おそらく地方税の通則法ということで出てくるのじゃないかと思います。あるいはことし間に合いますかどうですかわかりませんが、大体われわれ聞きましたところでは、国税の方で通則法ができたら、それを範として地方税に、まあ特殊なものがございますから、それらの点を織り込んで地方税の通則法を定めたいというつもりであるというふうに聞いております。  それから、今まで出ました、すでに提案になりました印紙税、登録税、それから通行税でございます。これは通則法と関係する部分はまあ非常に少のうございますが、御指摘の、いわゆる人格なき社団というところは、通則法で人格なき社団については、各税法でその特別の定めのある場合のほかは法人とみなす。個人か法人か、どっちかとおっしゃいますから、これは法人と見る。特に個人と見る必要があるのなら、それぞれの税法においてその旨を善きます。こういう趣旨のことを通則法で書いていく予定でございます。それだけを受けまして、あと改正が行なわれております。したがって……。
  45. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これはやはり通則法の人格なき社団の規定を受けて、今の三つのものがすでに出てきている、両罰規定によって……。
  46. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) 両罰規定のところは直接関係はございませんです。これは各税法改正だろうと思います。ただ、あそこで初めから人格なき社団は法人と考えて誓いてあるわけでございます。そこの点が通則法を受けているというわけでございます。両罰規定そのものは、両罰規定のやり方、その内容、それはそれぞれの各税法に出て参るわけでありまして、これは印紙税、登録税、通行税のみならず、すべて先ほど申しました個人とみなす以外の税金につきましては、すべて同じような条文が入って参るわけでございます、各税法に。
  47. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ですから、これも通則法を受けているわけでしょう、一応。
  48. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) 法人と見るという限度において通則法を前提にしておるわけです。
  49. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それから、しかし刑事訴訟法の適用なんかもこれに入っていますよ。
  50. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) はい。
  51. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうなると、内容についても違ってくるのじゃないですか。だから、通則法の内容も受けているのじゃないですか。
  52. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) ですから、何といいますか、これはずっと関連はございます。直接通則法を受けているところは通則法で人格なき社団は法人と見るというところをぴしゃっと受けて、あと法人とする結果、どういうことに両罰規定がなりますか。それから、刑事訴訟法上その代表する者はだれでございますかというような問題は、それぞれ各税法できめていきます。しかし、それは通則法を前提にして、それが法人であるという建前でできておる、それだけの関連があるわけでございます。
  53. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それから、何か大蔵省で通則法の審議経過を記録したものがあるやに聞いているのですが、そういうものはございますか。それから、通則法の解説みたいなものがございましたら、配付していただきたいのですが。
  54. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) これはあるいは御案内かと思いますが、三年間にわたりまして、各単界、それから関係官庁の人たちに入っていただきまして、この通則法に関する事項を討議していただいたわけでございます。それに基づく答申が、昨年の六月でございましたか、出てございます。ただ、その中にも非常に方向として研究に値する問題があったわけですが、いよいよ実定法に移る場合になりますと、いろいろ考えさせられる点がございまして、今後の客観情勢の成熟とか、あるいはさらに具体ケースを考えなければいかぬという問題、あるいは現在の租税法定主義とどう結びつくかというような問題、いろいろ問題がございまして、とにかく今後の研究に残すとしたものが相当多うございます。したがって、今度の政府提案では、そういう事項を除きまして、さしあたり種々の観点から急を要すると思われる問題、しかもその改正は納得者の原則として利益になるとか、あるいは物事を明確にするとか、私法との関係をはっきりさせる、こういうような問題に限定して提案してございます。ですから、今の答申と政府提案になっているものが、どういう項目で、なぜ答申の一部を削除したかというようなものを書いたものはございますので、そういうものを場合によりましたら差し上げたいと思います。
  55. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その審議経過に関する記録です。それはありますか。——ですから、今御説明は、今度提案される通則法は、これを実施に移す場合に、今までの研究成果の中ですぐにこれは取り入れて実施すべきものもあるし、もっと研究を要するものもある。それで、今法案に取り入れた部分についての説明とか、そういうものの資料をお出し下さると言われるけれども、そうでない除いた部分についても、これはやっぱり研究の余地があるわけですね。そういうこともわれわれは知りたいわけです。
  56. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) 今の答申の中に審議経過が取りまとめて書いてございます。いろいろな説があったという……。いろいろな説を、要約して三つか四つ、いろいろな考え方がある。それらが全部出ておるわけでございます。最後の答申になった過程が出ておりますので、答申を見ていただけば、審議の経過の概要を整理したものがおわかりになるのじゃないかと思います。
  57. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 別に審議経過……。
  58. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) 審議経過というものはございます。三年間やっておりますから、膨大な資料になるわけでございます。
  59. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 必要なときは見せてもらえるわけですね。
  60. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) はい。
  61. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それじゃ、一応答申ですか、答申に整理した……。それじゃ、さっき御説明になった資料をひとつ配付していただきたい。その膨大な資料は、要求しても無理ですから、それは仕方がございません。そのほかの資料を……。
  62. 村山達雄

    政府委員村山達雄君) 承知しました。
  63. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時十九分散会    ————・————