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政府委員(佐橋滋君) 家庭川品
品質表示法の補足
説明をいたします。今週の火曜日に本
委員会に
大臣から提案理由の
説明をいたしましたが、若干の補足
説明をいたします。で、新しい
法律でありますので、条文構成を
中心に簡単に御
説明を申し上げます。
第一条は目的をうたっておりますが、目的として掲げておりますのは、表示の適正化をはかりまして、消費者の利益を
保護するということであります。御
承知のように、最近技術革新を背景にいたしまして、いろいろの商品が殺到いたしておりまして、消費者がこれの選択に非常にまあ困って、いろいろ不測の損害等も生まれておるというような事態にありますので、これが解決のためにはどういうことが
考えられるかと申しますと、消費者の消費知識の水準を上げるという消費者教育、と同時にこういった商品を売りますメーカーあるいは販売
業者に対して、正しい表示をさせるという、まあ二つの
方法があるかと思います。この両々相待って消費者の利益を
保護するということにならざるを得ないと思いますが、現在のわが国の消費者の商品知識の水準から申しますと、これのみによることは困難と
考えられますので、メーカー及び販売
業者等の表示義務を適正化することを今後本案としてはねらいといたしておるわけであります。
次に第二条でありますが、第二条は、この
法律で必要な事項の定義をいたしておるわけでありますが、本
法案で家庭用品と申しますのは、繊維
製品、合成樹脂加工品、電気機械器具及び雑貨、また工業品でありまして、しかもまあこういった工業家庭用品のうちで次の二つの条件を備えたものを本
法案で規制をいたしたいと
考えておるわけであります。
その第一点は、家庭用品の購入に際しまして、
品質を識別する必要がぜひあると、しかしその第二番目は、その
品質の識別が困難である、こういうまあ二つの条件を備えたものを政令で指定いたしまして、本
法案の規制の対象にいたしたい、こういうふうに
考えておるわけであります。
次に、表示の義務者であります製造
業者、販売
業者及び表示
業者を規定しておるわけでありますが、製造
業者、販売
業者は
説明を要しないと思いますが、表示
業者と申しますのは、メーカーあるいは販売
業者から表示の委託を受けて表示事務を行なっているものであります。これは
自分の力で判断をし、責任をもって表示をするという業態を
意味しておるわけであります。これは繊維等につきましては、こういったことが
現実に行なわれておりますので、表示
業者もあわして表示の義務者として指定をいたしたわけであります。
次は第三条でありますが、これから第七条までが実質的な規定でありまして、第三条は表示の標準を示す
内容を盛ってあります。これは本
法案で規制いたします家庭用品ごとに表示すべき事項——標準となる表示すべき事項及び順守事項を
通産省令で告示ができることになっております。これは罰則を伴いません規定でありまして、いわゆるまあ一般的な勧告といますか、
指導の規定であります。で、この第三条だけで家庭用品の健全な
品質表示が行なわれれば、あと以下の
法律条文は不必要であるわけでありますが、これだけでは、まあ、本案の企図しております実効も期しがたいと
考えられますので、四条以下に表示の指示その他の規定を設けたわけであります。われわれといたしましては、この三条までの訓示規定で業界が健全な表示を実施し、消費者の利益がそこなわれないという事態の現出を願っておるわけであります。
第四条には、そういった一般的な訓示だけで、間に合いません場合に、
通商産業大臣はそういった表示の標準に従っていない
業者に対しまして、個別的にその表示に従うべきことを命ずることができる規定を置いたわけであります。これはそういった
意味におきまして個々の
業者に対する指示を行なう。で、この場合、その指示に従いません場合には、二項におきまして、その従わない
業者の
実態を公表することができる旨を置いたわけであります。と申しますのは、これも罰則はございませんが、
通産省において必要と認めた場合に指示をし、さらに指示に従わない場合には、社会の批判といいますか、社会的の批判にゆだねようという規定であります。これまでは罰則を伴わない条文でございますが、第五条以下にさらにそれでも問題があります場合を規定いたしております。
第五条では、この表示の適正化のために、特に必要があると認めた場合、これはまあ、虚偽の表示が行なわれたり、あるいは適切でない表示が行なわれておるというような場合を防止しようという規定でありまして、この適正な表示をしなければ、適正な表示に従って販売をするようにという一般的な命令を出すわけであります。で、この条文に違反する場合には、罰則の規定があるわけであります。
次に第六条は、さらにそういった家庭用品の中でもきわめてわれわれの家庭に緊密な生活必需品的なものであって、この適正な表示が行なわれていないものが広く販売されておって、しかも一般の消費者の利益を著しく害するおそれがあるというような場合には、こういった表示をしなければ売ってはいけない、販売してはならない、あるいは販売のために陳列してはならないということを命ずる規定を置いたわけであります。これは、現在施行されております繊維
製品品質表示法にある規定であります。こういった強制を行なおうというのが第六条であります。
第七条は、こういった強制的に、表示しなければ販売あるいは陳列を禁止する規定に対しまして、そういった表示自身が非常に困難である場合、これはたとえば非常に検査の設備が高度であって、一
業者ではできないという場合、あるいは、できるにしても非常に経質的に負担になるといった場合には、
通産大臣が表示をしたものでなければ売ってはならない規定を設けたわけであります。
次の第八条は、
通産省の検査
機関のみでは必ずしも十分ではあり得ませんし、あるいは
業者の不便を増す事態も
考えられますので、
通産大臣が指定した
機関の表示を受けて売るという七条の補足的な
意味において八条の規定を置いたわけであります。
九条は、これはもう、ただいまのようないろいろの命令を出しました場合に、事態の変更による命令の変更のきわめて事務的な規定であります。
第十条は、こういった家庭用品の
品質の表示に関しまして、苦情を処理するための規定でございます。これは何んでも、
品質の表示が適正でないために、一般消費者の利益が害されておるという場合には、その旨を
通産大臣に申し出で、
通産大臣は事態を調査して善処をする規定を設けたわけであります。
十一条以下は、本
法案を適正に施行するために、家庭用品の
品質表示のための審議会を置く規定でございます。この
法律に規定をいたします家庭用品の
内容は非常に複雑多岐にわたりまして、その各家庭用品ごとに表示事項あるいは表示すべき事項が違うわけでございますので、こまかい点を
法律で規定するわけには参りませんので、政令ないしは省令にゆだねた点が多々ありますので、こういった点が適正に行なわれるために、権威のある家庭用品
品質表示審議会を設けて、その議を経て実施をして参りたい、こういうふうに
考えたわけであります。十一条から十七条までは、いわゆる審議会の例文規定でございますので、
説明を省略させていただきたいと思います。
十八条は、先ほど政府
機関が表示したものでなければ売ってはならない規定を設けておりますのに対応いたしましての手数料の規定を貫いたわけであります。
十九条は報告及び立ち入り検査の規定であります。本法を執行するのに最小限度の報告を徴し、あるいはその限度内においての立ち入り検査等を実施する必要がありますので、その旨を規定いたしております。
二十条は、この
法律施行の権限委任の規定でありまして、一部を通産
局長あるいは都道府県知事に委任ができる規定を置いたわけであります。
二十一条から二十三条までの三条は、本
法律案を施行するために必要な罰則の規定を置いておりますので、これも
説明を要しないと思います。
附則で、本
法案を御審議願いまして可決されました暁には、本年の十月一日から施行を期待いたしております。と同時に、現在施行されております繊維
製品品質表示法をこの
法律の中へ取り込みますので、この繊維
製品品質表示法はこの
法律の成立と同時に廃止にするつもりでございます。以下、きわめて
経過的な規定が載っているわけでございます。
この
法律を提案いたしますのにつきまして、現在の繊維
製品品質表示法の施行上の
経験に基づきまして、繊維
製品品質表航法、いわゆる現在こういった種々の繊維
製品の組成といいますか、糸を主として規定をいたしておるわけでありまして、最近の繊維
関係につきましても、いろいろの新
製品が出ておりまして、これの取扱い等が非常に問題になっておるわけです。たとえば、アイロンのかけ方から洗たくの仕方といったような点の表示がきわめて不正確であり、あるいはしていないものもありという点についての消費者の要請が非常に強いわけでありまして、主婦連あるいは商工会議所等からもこういった
法律の制定を強く要望されているわけであります。
通産省といたしましても、消費者のアンケート等も実施いたしまして、こういった
法律がぜひとも消費者
保護の見地から必要じゃないかということを痛感いたしまして提案をいたしたわけであります。この
法律に
関係をいたします主要
製品のメーカー団体等につきましても打診をいたしました結果、消費者
保護の見地から、こういった
法律はぜひとも必要だというような
意見を承っておりますので、
関係方面には問題はないかと
考えておりますが、よろしく御審議のほどをお願いいたします。