○
委員以外の
議員(
石原幹市郎君) ただいま
議題となりました
栄養士法等の一部を改正する
法律案について、その提案の
理由を御
説明申し上げます。
まず、
栄養士法の一部改正について御
説明申し上げます。
栄養士法の改正につきましては、現行の
栄養士の免許についてはそのままとし、新たに管理
栄養士の
制度を設けることといたしたことがその主たる内容であります。
従来、集団給食施設等、大量の食事を
供給する施設における食品の
栄養上、合理的な消費、
栄養効果の十分な給食の実施、給食担当者の
栄養に関する知識の向上等、
栄養の指導に関する業務であって、複雑または困難なものにつきましては、
栄養士のうちでも、これに関する実務について多年の修練を経た者とか、
栄養士の養成施設のうちでも、特に修業して参ったのが実情であります。今後、社会生活の発展向上に伴いまして、
栄養の指導に関する業務であって、複雑または困難なものがますます
増加の傾向を示しておりますことにかんがみ、このような業務を行なう適格性を有する
栄養士を管理
栄養士として登録する
制度を設けますことが、社会の実情に即し、その要求にこたえるものと考えられるのであります。したがいまして、この際、管理
栄養士
制度を設けることとし、これに伴いまして、これが登録資格、管理
栄養士試験
制度の実施及びその受験資格等につきまして所要の規定を設けることといたしたのであります。
管理
栄養士の登録資格を有する
栄養士といたしましては、
厚生大臣の行なう管理
栄養士試験に合格した者であるか、または修業年限が四年である
栄養士養成施設のうち、学校にあっては文部大臣及び
厚生大臣が、その他の養成施設にあっては
厚生大臣が指定したものを卒業した者といたしたのであります。
これらの施設の指定は、管理
栄養士たるに必要な知識及び技能を修得するに必要な課目と修習時間を有するものとして、政令で定める基準により行なうものとしておるのであります。
管理
栄養士試験は、毎年少なくとも一回、
栄養の指導に関する高度の専門的知識及び技能について行なうこととし、その受験資格は、
栄養士であって、修業年限が二年である養成施設を卒業した者にあっては、
厚生省令で定める施設において二年以上
栄養の指導に従事したもの、修業年限が三年である養成施設を卒業した者にあっては、同様の施設において一年以上
栄養の指導に従事したもの、修業年限が三年である養成施設であって、学校にあっては文部大臣及び
厚生大臣が、その他の養成施設にあっては
厚生大臣が前述の基準に準じて政令で定める基準により指定したものを卒業したもの、または修業年限が四年である養成施設を卒業したものといたしたのであります。これは
栄養士がその卒業した養成施設について、修業年限の長短または同一の年限であっても、その課目と修習時間に差があることにかんがみ、これに対応して実務経験年数につき多少の差を設け、相互の均衡をはかることといたしたからであります。
次に、
栄養改善法の一部改正について御
説明申し上げます。
現行の
栄養改善法では、
栄養士を置いていない集団給食施設におきましては、その給食につき
都道府県等に置かれる
栄養指導員の指導を受けなければならないこととなっているのであります。ここに集団給食施設と申しますのは、特定かつ多数の者に対して継続的に一定数以上の給食を行なう施設をいうのでありまするが、
国民の
栄養改善が強く要望される今日は、かかる集団給食施設には、単に
栄養指導員の指導を受けるべしという段階を一歩進めて、その施設に
栄養士を置き、また、集団給食施設中でも、特に多数の給食を行なう施設に、これらの
栄養士のうち、少なくとも一人は管理
栄養士でなければならないようにすることが望まれるのであります。この場合、これら集団給食施設について、
栄養士の必置を規定することが望ましいのでありまするが、学校給食
関係等における
栄養士の設置状況等から見ても、必置を規定するについては、なお多少の日時をかすことが妥当と認め、この際においては、一応、集団給食施設における
栄養士の設置及び特定規模の当該施設における管理
栄養士の設置につき、努力規定とするにとどめたのであります。
次に、
都道府県等に置かれる
栄養指導員たるべき者の資格につきましても、管理
栄養士の
制度が設けられたことに伴い、従来、
栄養士の資格とあった部分を管理
栄養士の資格と改めました。ただし、すでに
栄養指導員である者については、直ちにその地位を失うものではないとの救済規定を設けております。
最後に、今回の改正前の
制度によってすでに
栄養士となっている者等が五年の実務経験を有することとなったときは、管理
栄養士試験の全部または一部を免除することができること等の
経過措置を講じました。
なお、
栄養士法の改正部分は
昭和三十八年四月一日から施行し、
栄養改善法の改正部分は
昭和三十九年四月一日から施行することといたしました。
何とぞ慎重御
審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。