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政府委員(山本正淑君)
厚生省の関係で提出予定
法案といたしましては、現在九件あるわけでございます。その中で
予算関係法案といたしまして七件ございまして、他の二件につきましては、今日なお検討中でございまして、明確な態度はまだきまっておらないのでございます。そこで現在衆議院に付託になっておりますものが四件ございます。それからまず申し上げますと、医療金融公庫法の一部を改正する
法律案でございますが、これは
内容的には公庫の資本金を二十五億ふやしまして五十五億円とするということと、
理事長を総裁に改める、この二点でございます。
それから次に、
児童扶養
手当法の一部を改正する
法律案でございますが、これは
国民年金法の一部を改正する
法律案と関連が一部ございまして、
児童扶養
手当の月額を
引き上げようという趣旨でございます。それは第二子四百円を六百円にする、第三子以降を従来の二百円を四百円にするという点が
国民年金法の一部改正と関連する点でございます。それからもう一点、これもまた
国民年金法の一部改正と関連する点でございまして、受給資格者の前
年度の所得に対する
支給要件といたしまして、従来前
年度所得が十三万円以下の者に対して
支給することに相なっておりましたが、これを十五万円に
引き上げるという性質のものであります。これによりまして、この
所得制限の
緩和によりまして、対象人員は約四千七百人ほど
増加する見込みでございます。
次に、
国民健康保険法の一部を改正する
法律案でございますが、これは御
承知のように、療養
給付に対します
国庫負担が従来の二割から二割五分に
引き上げられるという
予算案に相なっておりまして、これに伴いまして
法律の
国庫負担の率を五%
引き上げるという趣旨のものでございます。
次に、
国民年金法の一部を改正する
法律案でございますが、これは改正点が数点ございまして、
一つは
国民年金におきましては、御
承知のように、低額所得者に対しましては
保険料を免除するという
措置が講ぜられておるのでございますが、この
保険料を免除された者について、その免除期間の
国庫負担はひとつしていこうという趣旨のものでございます。そうすることによりまして免除を受けた期間の、部分の保険、
年金額が被
保険者にとってはふえるわけでございまして、そういう趣旨のものでございます。それから第二点といたしましては、ただいま申し上げましたのは
拠出年金のものでございますが、
福祉年金につきまして、
一つは所得の要件を
緩和いたしまして、さっき申しました十三万円から十五万円に増額するという点、それからまた子供、母子年金におきます子供の
手当、
年金額を二百円ずつ
引き上げていく、こういうような趣旨のもの。それからもう
一つは、若干大きな問題でございまして、
福祉年金につきまして、いわゆる他の
公的年金との併給という
措置を講じております。と申しますのは、従来恩給あるいはまた厚生年金その他の
公的年金を受けます者については、その金額が
福祉年金の
年金額でございます一万二千円以下の場合には従来も
支給しておったのでございますが、一般的にはこの併給は認められていないのでございます。それをいろいろの要望もございますし、その他の理由によりまして、今度併給を
実施していこうということに相なったわけでございます。またこの問題につきましては、御
承知のように、恩給のベース・アップという問題がございまして、その対象人員というものは、ベース・アップが
実施されますと若干変わって参りますが、今それを大ざっぱに申し上げますと、恩給のベース・アップにつきましては、御
承知のように二万四千円ベースに戦闘行為による公務員の扶助料等は引き上がる、それから一般文官等のものは二万円ベースに引き上がる、しかも四カ年計画によって
実施するという段取りになっておりまして、本年の十月から第一次の
引き上げをやる。続いて現在の段階におきましては、三十九年の七月から完全な
引き上げを
実施する。こういうような恩給法の改正の骨子でございますが、それに見合いまして、この
国民年金の併給というものにつきましては対象人員は若干の
異動がございますが、とにかくことしの十月から年金の併給を
実施いたしたいという趣旨でございます。そういたしますと、大体ことしの十月からこの併給の対象となります人員は約四十四万人ほどに相なるわけでございまして、そういたしまして完全にベース・アップが
実施されましたあとにおきましては、なお二十四万人の対象人員が残る、こういうような結果に相なるかと推定されておるのでございます。そういったようなことが
国民年金法の一部改正の骨子でございます。
この四
法案につきましては、ただいま衆議院に付託になっております。
それからなお残っておりますものは、重要
予算関係法案としての扱いの中では、船員保険法の一部を改正する
法律案でございます。これは船員保険では標準報酬月額が現在最低五千円から最高三万六千円ということに相なっておりまして、これは健康保険におきましては現在最高五万二千円まで
引き上げておるというような、その他の保険との関係もありまして、一応七千円から五万二千円というような
引き上げにいたしたい。このことによりまして傷病
手当金が増額になる、あるいはまた
年金額の最低の基本額が
引き上げられますので、その
年金額あるいはその他の年金
給付額が増額になるというような結果に相なるわけでございます。
第二点は、寡婦年金、鰥夫年金及び遺児年金というような
制度が現在もまだ残っておりますが、これを遺族年金の
制度に統合するというような
内容のものでございます。これは今日なお
社会保障制度審議会その他の諮問機関の関係がございまして、提案する段取りにまだなっておりません。
それからもう
一つは、
戦傷病者戦没者
遺族等援護法の一部を改正する
法律案でございますが、これは、
法律といたしましては一本になっておりますが、この遺族
援護法と、それから未帰還者留守家族等
援護法、その他の
法律の若干の改正を一括いたしまして
内容としておるものでございます。この骨子は、さっき申しました恩給のベース・アップに伴いまして、
遺族等援護法のはね返りがあるわけでございます。このはねっ返りを
措置していくというのが
一つの骨子でございます。それから、留守家族
手当とか、その他のものにつきましては、若干の改正があるわけでございますが、それは省略させていただきます。
そしてもう
一つは、
厚生省の
設置法の一部を改正する
法律案でございますが、これは、
委員会といたしましては、あるいは
内閣委員会の所管に相なるかと思いますが、
厚生省の外局として社会保険庁を
設置いたしまして、現在の保険局、年金局が所掌いたしております事務を、いわゆる計画、企画等、
監督を含む部門を内局に残して、そして事務の運営についての現業を分離いたしまして、社会保険庁で
実施していきたいという趣旨でございます。
それからもう
一つは、医療
制度調査会という
委員会がございまして、今日
審議を続けておるのでございますが、この
委員会の存続期間をさらに一年延長いたしたい、こういう趣旨のものでございます。
あとの
予算関係法案でございません大気汚染防止
法案、清掃法の一部を改正する
法律案等につきましては、これは
内容的にいろいろ論議のあり、かつまた関係省——通産省などとの関係もございまして、今日それを調整している段階でございまして、どういうような取り扱いをするか、予定としてはいたしておりますが、取り扱いそのものについては、まだ最終的な結論に達しておらないという段階でございます。
以上簡単でございますが、予定
法案を
説明いたしました。