○坂本昭君 きょうは、
全般的なことについて最初にお尋ねをして、それから各局の
所管事項について、それぞれ逐次お尋ねいたします。
質問を先に全部言ってしまいますから、それぞれ御準備をしておいていただきたいと思います。
まず、今ちょうど来年度の
予算編成で非常に苦心をしておられると思いますが、御
承知のとおり、所得倍増
計画の実施の中で、国民
生活の格差はだんだんと拡大しつつある。このことば、先般出された
厚生白書にも
指摘されておるところでありますが、しからば、こういう国民の
生活格差の拡大の中で、
厚生省としては、来年度の
昭和三十七年度
予算編成に、どういう
方針をもって臨んでおられるか、一番大きな
方針について御
説明いただきたい。特に、従来、私
どもは、「保」の字のつくものは、どれもこれも非常に問題点が多くて、
厚生省の三保、保育の保、国保の保、保健所の保、それにもう
一つ加えて、安保の保と、四つの保が、これは一番実は問題点でありますが、その三つの「保」をかかえている
厚生省として、特に、
地方自治の財政に及ぼす大きな影響の中で、どういう来年度
予算編成の柱を立てておられるか。そのことについて、これは、きょうは後ほど次官もお見えになるそうでありますから、事務
当局の
説明、さらにまた次官の
説明を求めたいと思います。特に、われわれが、この通常国会さらに臨時国会を通して、特に臨時国会で問題にしました二次補正の問題、これは一体いつごろ出してくるのか。この中には、当然医療費問題にからまって組まなければならないものが入っております。これについても、概括的な、いつごろ出てくるか、その
説明をいただきたい。
それからまた、例の医療費のことに関連しましては、中央医療協議会が新しく臨時国会で、法律改正されて、日程に上ってきておりますが、その後、どういうふうな進捗状態を呈しておるか。またこれに関連をして、臨時国会では附帯決議にも出されましたが、臨時医療報酬
調査会法案の提出、これについては、もう四十回国会になりましたが、どういう準備をしておられるかについても、関連して御
説明をいただきたい。
あと、各局に通じて、ひとつ逐次伺っていきます。
第一は、看護婦の問題であります。特に看護婦の数の不足の問題、これは臨時国会でも
質問いたしました。そのときに、いろいろと養成の具体的な
計画の
説明がありましたにもかかわらず、相当の欠員が現在の医療法の基準においても生じておる。こういうことを来年度の
予算の中ではどういうふうに具体化しておられるか。現在看護婦の不足の問題は、
各地域の重大な問題になりつつあります。そういう点で、あらためて来年度
予算、来年度の
方針と関連して、看護婦不足の問題についての
厚生省のお考えを承りたい。
それからなお、国立病院、療養所における患者給食、この給食費が現在百六円であります。しかし、一般の健康保険の場合は百五十円以上であります。いやしくも国立病院、養療所において、こういう
アンバランスのもとに患者給食をしているということは、はなはだ不当であります。これをどういうふうに是正していくおつもりであるか。
また、国立病院、療養所の問題について、これはかねがね臨時国会でもお尋ねしましたが、こういう国立医療
機関の目的に対して、来年度は新しい
方針をもって臨んでおられるのかどうか。私は特に、無医地区が
全国にまだ数百カ所ある。したがって、そこの無医地区を解消するためにも、国立病院というものの本来のあり方を、ひとつ
検討すべきではないか。少なくとも今のような特別会計、独立採算制を廃止して、国立病院の本来の目的に合致するような国立病院の運営をすべきではないかということを、前からお尋ねしてあります。これについての御
説明と
方針を伺いたい。特に結核の問題は、今回結核予防法の改正によって、結核
対策は一段と前進しつつあります。その中で国立療養所の統廃合の問題が起こってくる。この統廃合の目的とするところは、那辺にあるのか。われわれとしては、確かに結核
対策は、もう医学的に科学的なめどはついた。しかし入院患者はまだ八十五万を数えているし、ベッドを縮小する時期ではない。したがって、この国立療養所の統廃合、これがどういう目的をもって、少なくとも病床の縮小とはわれわれは考えていないが、その来年度の
計画の中で、どういうふうにこの国立療養所の統廃合について見解を持っておられるか、御
説明をいただきたい。
次に、日赤病院の問題であります。これは去年以来繰り返して、当
委員会でも議題として
審議して参りました。この日赤の運営の中で問題になったのは、病院の設備投資に対して、特に赤十字病院については、法律によって国がこれを補助をしてもよろしいという規定がある。しかし、実際の問題としては、いまだ
予算的な措置をされたことは一度もない。この日赤病院の運営について、特に独立採算制とプール制の問題、こういうことについて、
厚生省としてはこの一
年間にどういう
検討をしておられるか。たとえば、昨年の看護婦の養成に、日赤として二億円かかった。その二億円の養成費というものは、全部病院収入、診療収入を通じてこれをまかなっているということであります。これなどは、救急のための必要なる要員が法律によってきめられてある以上は、要員を養成するその費用は、日赤の診療報酬によるのではなくて、当然国の負担をもってこれは養成をすべきものではないか。そういう点がどういうふうに処理されているかということであります。
なお、特に日赤の病院の問題については、緊急の問題として山形県の東根の廃止の問題が出ているんです。この東根の病院は人口十五、六万の都市にある病院であって、こういうものがみだりに廃止されるということは、非常にわれわれとしては不審にたえない。特に先般は、該地区で赤痢の流行などがあったと伝えられておる際に、なぜこういう重要な病院を廃止するのであるか。それについても日赤病院の問題と関連して具体的な
計画をひとつ承りたいのであります。
次は、結核予防法の一部改正がこの十月から実施されていますが、実施後の
状況について御
説明いただきたい。五万四千の
予算で実施をされることになっておったと前承りましたが、その後各都道府県における国保の患者の切りかえの
状況、それらがどうなっているか。また
厚生省としてはどういう
方針でこの新しい予防法の一部改正を利用して結核
対策をお進めになるおつもりであるか、承りたいのであります。
その次は、上下水道の
対策、その促進について
予算的な措置の
方針を承りたい。特に補助率の問題、起債の問題、こういった問題は、もう昨年来たびたび問題になってきたところでありますが、来年度についてはどういう
方針を持っておられるか、ひとつ御
説明いただきたい。
次の問題は、例のポリオの生
ワクチンの問題であります。これについては二点伺いたい。
一つは、この夏の生
ワクの使用は、ソ連のボンボンを国民に投与いたしました。今度はソ連のものではなくて、カナダのものを利用するというふうに聞いている。その理由、根拠、それを承りたい。なお、ことしの流行を見ましても、十三才以上のポリオの症例というのがぼつぼつある。十三才以上に対しては、どういう
方針をとっておられるか。これは十三才以上について、少なくとも二十才以下までは国として
計画的に投与していただきたいと思う。それがなぜ実施されないかという点。さらに、どうしても何らかの正当な理由があって実施されないとする場合に、もし国がやらないならば、われわれは国民でひとつ十三才以上に飲ましたいと思うのです。場合によれば、ソ連なりあるいはカナダなりからボンボンを取り寄せて使いたいと思う。そうした場合に、
厚生省としては、これにいかなる理由に基づいて異議を差しはさむ、そういう余地があるかどうか。われわれとしては心配でありますし、ルーズベルトのようにわれわれもポリオにかかるかもしれないので、
厚生省が見てくれなければわれわれ自身で購入をして、われわれ自身で使おう。そうした場合に何かあなたのほうで、それはけっこうだからどうぞひとつ使ってくれと言われるのか、それとも何らかの理由に基づいて、それはいかぬという、そういう筋合いのものかどうか、この御
説明をいただきたい。
それからなお、この夏、当
委員会では大阪
方面に
委員を派遣しまして、薬局の問題についていろいろと
調査いたしました。そのときに薬局の開設について違反的な事実を
指摘したのであります。そのわれわれが直接
指摘したものにつきましては、改められたと承っておりますが、その後同じような違反行為が次々と出て、大阪に同じような、株式会社ヒグチ薬局、株式会社コクミン薬局というのがこの前この
委員会で
指摘されました。株式会社コクミン薬局という名前は、コクミン薬局というそれだけを書くことで、株式会社名をはずして、違法な
一つの看板を掲げておる。これはすみやかに撤回せよということで撤回したはずでありますが、その後さらに、ここに私
たちも現物を持っていますが、同じような株式会社ヒグチ薬局というものが現われて、しかも、この一軒はおそらく薬剤師がいるのでしょうが、これは二十三カ所のチェーンの店を開いています。したがって二十三カ所には
一つも、おそらくそれぞれについて薬剤師はおらないだろうと思う。こういう問題がまた再び大阪に現われている。これについて一体
厚生省の取り締まりは、こちらが一々
指摘すれば、そのつど直すのだけれ
ども、根本的にこういうものについてどういう
方針を持っておられるかを承っておきたい。
それから次の問題は、国保の問題であります。国保の問題については、衆参両院で附帯決議をしておるから、われわれは、当然政府はこの附帯決議を尊重するものと信じておりますが、それをよもや破るようなことはないと思うのですが、この際ひとつ念を押してお尋ねをしておきたい。国保の国庫負担については、どういう
予算編成の
方針であられるかという点であります。
それからもう一点は、年金福祉
事業団がいよいよ発足いたしました。われわれとしては、まだまた不十分な点が多いので、これをもってこの新しい法律では意に満たないという意思表示をしております。しかし、従来よりもこの年金の積立金が、
中小企業の人
たち、零細な国民の一人々々、あるいは
労働者に還元されて融資されていくという、この
方針については何とかして推進をしていきたいと考えています。その中で、やはり問題になるのは、従来までの還元融資は、大企業の会社等の社宅には回されておったが、一人々々の
労働者、あるいは零細な人
たち、こういう人
たちの特に住宅問題、こういうことについては、われわれは今回のこの年金の積立金をフルに利用して、零細な人
たちの住宅問題をこの際何とか解決をしていきたい、そういう面にこの
事業団が役立っているかどうかという点が一点であります。
さらにまた、保育所の問題は、これは先ほ
ども申し上げましたが、私立の保育所が特に運営上非常に困っている。この私立の保育所の運営についてどういう新しい考えを持っておられるか。後ほどまたお尋ねしますけれ
ども、少なくともこの
事業団の融資の対象としてある程度の
考慮が払われているかどうかということであります。さらにまた、この
事業団の運営については、われわれも附帯決議で、十分民主化してもらいたいということを
要望いたしました。この
事業団の運営の民主化について、具体的にどういう措置がとられているかということを承りたい。
最後に、今申し上げた保育所の問題をもう一ぺん取り上げますが、保母の給与の引き上げについて、これは
厚生省としてどの程度の意欲をもって、また責任をもって交渉しておられるのか。また特にこれに関連してきますが、措置費の内容については、来年度
予算の中でどういうふうな具体的な
計画をもって進んでおられるか。また、今までも問題になってきましたが、リンク制を断ち切っていくということは、各施設からの強い
要望であります。これらについて何か新しいお考えを持っておられるかということであります。
以上、逐次御
質問を申し上げましたので、ひとつ順序に従って御答弁をいただきたい。また、御答弁の
模様によっては、またこちらからお尋ねをしたいと思いますが、なるべく簡単にして要を得た答弁をお願いしたいと思います。