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説明員(馬場一也君) それでは
資料4の
工業適正配置構想について
説明いたします。
これは昨年の六月、通産省で作りまして公表した
資料でございます。作りました
目的でございますが、一ページから二ページにかけて書いてございますように、最近非常に
工業生産が伸びておりますが、主として今まで日本で
工業が発展して参りましたいわゆる四大
工業地帯、特に京浜、阪神の既成の大
工業地帯では、いろいろ
用地用水等立地
条件が次第に枯渇して参っております。にもかかわりませず各企業はやはり既成
工業地帯にできるだけ立地したいという希望が、この一ページに書いてございますように、主要な
事業所にアンケート調査をいたしましても、
個々の企業としてはそういう意欲が強いという
状況でございますので、そういう全体の目から今後十年くらいの間にどの程度の立地要素が必要であるか、それを
全国的に見てどういうバランスになるかというのを概括的に見ますために配置構想を作ったわけであります。
それで配置構想の手続と申しますか、どういう工合に作業をやりましたかというのが四ページ以下に配置構想の概要というところに手順が書いてございますが、
個々の企業の二千三百くらいの
事業所にアンケート調査を一昨年行ないました結果、ただいま申し上げましたように
個々の企業の立地動向を把握した一方、もしその動向どおりに立地したという工合に仮定してみますと、それぞれ
地区ごとに
用地用
水面でいろいろアンバランスが生じてくるわけです。
用地用水につきましては、通産省が
昭和三十四年度以来行なっております
全国の工場適地調査、これもこの
地区をやっておりますというのは
資料の五にございます。こういう
資料で一応どの
地区にどういう
工場用地が得られるか、あるいは水がどの程度あるかというのがこの
資料で明らかになっております。こういうものと突き合わせいたしまして、その結果非常に企業としては行きたいという意欲が強うございましても、その
地区全体の供給量からすれば非常に窮屈であるというような
地区につきましては、ここに入り切れないものを他の
地区に分散をはかる、他のもっと適したところにそれぞれの業種に応じまして分散をさせる、というような構想を描いてみたわけでございます。そういうような手順で
全国を七ページにございますように十七の
地域に区分いたしまして、各
地域ごとにそういう突き合わせを行ないました結果、結論的に申しますと、その中ごろに第一図として表が載っておりますように、
昭和三十三年におきましてはその白い棒で示されるような
工業の配置になっているわけであります。これがただいまのような作業を行ないました結果、
昭和四十五年度という時点におきましては、その横に書いてございますように、斜線のような配置になるのが適当ではなかろうか、というのがこの配置構想の結論でございます。
全国いろいろ
地区がございますが、これをきわめて大づかみに申し上げますならば、現在最も
工業が密集しておりますのは関東の臨海部、それから近畿の臨海部でございます。これはその白い棒をごらんいただきますと、
昭和三十三年度におきましては関東の臨海部は二八・九%、近畿臨海部は二二・一%、合計約五割強の
工業が、
全国構成比から申しますと密集しているということになっております。この配置構想で作業をいたしました結論といたしましては、四十五年度におきましてこの両
地区のウエートは二三と一五・三、約四割弱に比重が低下するというぐらいのことを考えるわけでございます。そこで五一%強のものから約四〇%弱に比重が低下いたしますが、その分はそれではどこの
地区で肩がわりしたらばよろしいかというふうに考えてみますと、きわめて大ざっぱに申しまして、その比重の減りました約十何パーセントぐらいのものを肩がわりする
地域といたしましては、それぞれの関東臨海部ないし近畿臨海部のいわゆる後背地でございます。関東で申しますれば関東
内陸部、ちょうど
首都圏の
地域に相当するわけでありますがそれらの
地域、近畿臨海部でいいますならば、近畿の
内陸及び北部というような
地域にごらんのように若干ウエートがかかるという
状況になっておりまして、それらの両
地区を合計いたしますと、大体において減る分の約三分の一ぐらいのものをこれらの後背地で肩がわりする。それから残りの三分の一をごらんのように、東海あるいは山陽のいわゆる太平洋ベルト地帯といわれている
地域でございまして、現在御承知のように大型の
工業が立地を活発に行なっております。それらの
地域がごらんのように比重がふえております。これらの
地域のふえる分が大体三分の一強に相当する。残りの三分の一ぐらいのものがいわゆる北海道、東北あるいは北陸、山陰
地方、九州というような他の
地域にそれぞれ少しずつ分散をして行く、という工合な格好になるのが、いわゆる適正配置構想の結論と申し上げてよろしいかと思います。
以下
地区ごとにどの
地区がどのくらい伸び、そうして大体そこに伸びるであろうような業種は、おもにどういうものだろうかというのを十四ページ以下に
地域別に略説をいたしておりますが、これは
説明を省略さしていただきまして、もし御質問がございますればのちほどお答えしたいと思います。