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1962-04-03 第40回国会 参議院 建設委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月三日(火曜日)    午前十時三十二分開会     —————————————    委員異動 三月二十七日委員徳永正利辞任につ き、その補欠として紅露みつ君を議長 において指名した。 三月二十八日委員紅露みつ辞任につ き、その補欠として徳永正利君を議長 において指名した。 三月二十九日委員小山邦太郎辞任に つき、その補欠として山本利壽君を議 長において指名した。 三月三十日委員山本利壽君、徳永正利 君及び小沢久太郎辞任につき、その 補欠として小山邦太郎君、宮澤喜一君 及び仲原善一君を議長において指名し た。 四月二日委員仲原善一君及び宮澤喜一辞任につき、その補欠として小沢久 太郎君及び徳永正利君を議長において 指名した。 本日委員岩沢忠恭辞任につき、その 補欠として佐野廣君を議長において指 名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     大河原一次君    理事            田中 清一君            徳永 正利君            村上 春藏君    委員            小沢久太郎君            佐野  廣君            内村 清次君            木下 友敬君            田中  一君            田上 松衞君            村上 義一君   衆議院議員    発  議  者 相川 勝六君   政府委員    建設政務次官  木村 守江君    建設省道路局長 河北 正治君    建設省住宅局長 斎藤 常勝君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    建設省道路局次    長       高田 賢造君   参考人    日本道路公団総    裁       上村健太郎君    日本道路公団理    事       浅村  廉君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選の件 ○参考人出席要求に関する件 ○建築物用地下水採取規制に関す  る法律案内閣提出) ○国土調査促進特別措置法案衆議院  送付予備審査) ○道路整備特別措置法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 大河原一次

    委員長大河原一次君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  初めに理事補欠互選についてお諮りいたします。  先般の委員異動に伴いまして理事一名欠員が生じておりますので、その補欠互選を行ないたいと存じます。  互選は前例によりまして、手続を省略し、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、さよう取り運ぶことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 御異議ないと認めます。  それでは委員長から徳永正利君を理事に指名いたます。     —————————————
  4. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 次に参考人出席要求についてお諮りいたします。  道路整備特別措置法の一部を改正する法律案審査ため日本道路公団上村総裁、同浅村理事参考人として出席を要求することにいたしましたので、さよう決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 異議ないと認めます。     —————————————
  6. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 次に建築物用地下水採取規制に関する法律案議題といたします。  まず提案理由説明をお願いします。木村政務次官
  7. 木村守江

    政府委員木村守江君) ただいま議題となりました建築物用地下水採取規制に関する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  近年わが国経済発展に伴い、地下水採取が著しく増大いたしましたため、大阪その他各地において地下水位が異状に低下し、さらには地盤沈下を引き起こしている状況にありますが、この地下水採取の大きな部分を占める工業用水採取につきましては、御承知のとおり、昭和三十一年に制定されました工業用水法によってその規制が行なわれているのであります。ところが最近経済の飛躍的な伸長市民生活の著しい向上によりまして建築物用地下水採取が増大し、これがまた各地において地盤沈下をさらに激化している実情にあります。  たまたま昨年九月第二室戸台風が襲来し、各地災害発生させ、特に地盤沈下している地域においては、人命及び財産に多大の損害を与えたことは周知の事実でありますが、建築物用地下水採取が重大な原因となって地盤沈下し、これに伴って、高潮出水等による災害が生じていることを考えますとき、早急にその採取規制をする必要が痛感されるのであります。  このような実情にかんがみ、政府といたしましては、建築物用地下水採取について地盤沈下防止ため必要な規制を行なうこととし、本法律案を提案することといたしたのであります。以下その要旨を御説明申し上げます。  第一に、建築物用地下水採取規制する地域は、その地域内において地下水採取したことにより地盤沈下し、これに伴って高潮出水等による災害が生ずるおそれがある場合において、関係都道県知事及び関係市町村長意見を聞いて、政令指定することといたしたのであります。  第二に、建築物用地下水採取規制する地域内において、吐出口が六平方センチメートルをこえる揚水設備により建築物用地下水採取しようとする者は、都道府県知事許可を受けなければならないこととし、この場合、知事は、建設省令で定める技術的基準に適合していると認める場合でなければその許可をしてはならないものとすることといたしたのであります。  第三に、建築物用地下水採取規制する地域政令指定された際、現にその地域内の揚水設備で、建設省令で定める技術的基準に適合しないものにより、建築物用地下水採取している者は、指定の日から二年を下らない期間で、建設省令で定める期間をこえては採取することができないことといたしたのであります。  なお、この法律施行の際、すでに地盤が著しく沈下しているため、これに伴う高潮出水等による災害発生のおそれが著しい地域につきましては、猶予期間を特に一年または六カ月に短縮することとしたのであります。  第四に、この法律違反した者に対しましては、許可の取り消し、建築物用地下水採取制限、その他違反を是正するため必要な措置をとることを命ずることができることとしたのであります。また予想することができなかった急激な地盤沈下に伴う災害発生のおそれが著しい場合においては、建築物用地下水採取を放置しえないと認められる限度において、必要な措置を命ずることができることといたしたのであります。  以上のほか、土地立ち入り報告の徴収、立入検査、国等援助等について所要規定を設け、この法律の円滑な施行を確保することといたしたのであります。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  8. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 御苦労さまでした。続いて逐条的に補足説明を願います。斎藤住宅局長
  9. 斎藤常勝

    政府委員斎藤常勝君) ただいま議題となりました建築物用地下水採取規制に関する法律案につきまして、逐条的に御説明申し上げます。  第一条は、この法律目的を定めたものであります。この法律は、特定地域内において、建築物用地下水採取につきまして地盤沈下防止ため必要な規制を行なうことにより、国民の生命及び財産の保護をはかり、もって公共の福祉に寄与することを目的といたしております。  第二条は、この法律において使用しております特別の用語の定義を掲げたものであります。  第一項は、建築物用地下水について定めておりまして、建築物用地下水とは冷房設備水洗便所、その他政令で定める設備の用に供する地下水をいうことといたしておりますが、温泉及び工業用水につきましては、それぞれ温泉法及び工業用水法によりまして、その採取規制が行なわれていますのでこれを除外しております。  第二項は掲水設備について定めておりまして、掲水設備とは動力を用いて地下水採取するため設備で、掲水機の吐出口断面積が六平方センチメートルをこえるものをいうことといたしておりますが、河川区域内のものは、河川法によってその採取規制が行なわれていますのでこれを除外しております。  第三条は、規制を行なう地域指定の要件、及びその手続について定めたものであります。以下この地域指定地域と略称して申し上げます。指定地域は、その地域内において地下水採取したことにより、地盤沈下し、これに伴って高潮出水等による災害が生ずるおそれがある場合において、政令指定することといたしておりまして、この政令により建築物用地下水採取規制されるべき地域が明確にされるわけであります。  第二項は、指定地域指定する政令制定または改廃の立案にあたっては、建設大臣は、関係のある都道府県知事及び市町村長意見を聞くことといたしております。  第四条は、指定地域内において建築物用地下水採取しようとする者は、都道府県知事許可を受けなければならないことを定めたものであります。なおこの場合指定都市におきましては、市長が許可することとなっております。  第二項は、都道府県知事は、許可の申請にかかる揚水設備が、建設省令で定める技術的基準に適合していると認める場合でなければ、許可をしてはならないことといたしております。以下この技術的基準を単に基準と略称して申し上げます。  第三項は、水洗便所の用に供する地下水採取に関する特例を定めたものであります。  第四項は、都道府県知事は、建築物用地下水採取許可をする際には、地盤沈下防止するため必要な条件を付することができることを定めたものであります。しかしながら、その条件は、国民の権利を不当に制限するものとならないようにいたしております。  第五項は、第二項の基準を定めようとする場合において、その基準にかかる指定地域が、工業用水法による指定地域と重複するときは、通商産業大臣に協議することといたしておりまして、相互の基準の調整をはかることといたしております。  第五条は、国または都道府県が、指定地域内でみずから建築物用地下水採取しようとする場合の手続上の特例について定めたものであります。  第六条は、経過措置について規定を設け、この法律の円滑な施行をはかっているのであります。  第一項は、指定地域指定の際、現に指定地域内の揚水設備基準に適合するものによって建築物用地下水採取している者は、許可を受けたものとみなすことといたしております。  第二項は、前項以外の場合、すなわち既存の揚水設備基準に適合しない場合には、指定地域の日から二年を下らない期間で、建設省令で定める期間内に限り、許可を受けたものとみすことを定めております。  第四項は、第二条第一項の政令に基づいて、地下水を使用する設備が新たに指定された場合の経過措置を定めたものであります。  第五項は、技術的基準改正した場合の経過措置について、第二項と同様に、猶予期間をおくことを定めたものであります。  第七条は、許可を受けた者が、氏名等を変更した場合の届出について定めたものであります。  第八条は、許可を受けた者から、揚水設備を譲り受けた場合等について、許可の承継を定めたものであります。  第九条は、建築物用地下水採取を廃止した場合等の許可の失効について定めたものであります。  第十条は、都道府県知事が行なう監督処分について定めたものであります。  第一項は、都道府県知事は、偽りその他不正な手段により許可を受けた者等に対して、その許可を取り消すことができることを定めております。  第二項は、都道府県知事許可を受けずに建築物用地下水採取している者等に対して、その採取の禁止、制限等その違反を是正するため必要な措置をとることを命ずることができることを定めております。  第三項は、都道府県知事が前二項の処分をしようとする場合においては、聴聞を行なわなければならないことを定めております。  第四項は、予想することができなかった急激は地盤沈下が生じ、またはそのおそれが著しく、かつ、これを放置することができないような緊急状態における特別措置を定めたものであります。  第十一条は、建設大臣または都道府県知事は、指定地域指定等、この法律施行するため測量または実地調査を行なう必要がある場合においては、その職員に他人の土地に立ち入らせることができること、及びその手続きについて定めたものであります。  第十二条は、土地占有者は正当な理由がなければ、前条第一項の規定による立ち入りを拒み、または妨げてはならないことを規定したものであります。  第十三条は、都道府県知事は、建築物用地下水採取状況を常に把握しておくこと等のため、必要がある場合においては、建築物用地下水採取している者に対して、その採取するため設備構造等について報告を求めることができることを定めたものであります。  第十四条は、都道府県知事は、監督処分等この法律による権限を行なうため必要な限度において、その職員に、立ち入り検査をさせることができること及びその手続について定めたものであります。  第十五条は、都道府県知事建設大臣に対し、市町村長都道府県知事に対し、建築物用地下水採取による地盤沈下防止に関し、意見を申し出ることができることといたしております。  第十六条は、国及び地方公共団体は、建築物用地下水を使用する設備地下水を使用しないものに改造することを促進するため、その改造のために必要なあっせん、技術的な助言その他の援助に努めるものとすることを定めて、切りかえが円滑に行なわれるようにいたしております。  第十七条から第十九条までは罰則について定めたものであります。  附則第一項は、この法律施行の日について定めたものであります。なお、法律施行指定地域指定をすみやかに行なうため、その指定手続等に必要な規定は、公布の日から施行することといたしております。  附則第二項は、この法律施行の際に、すでに地盤が著しく沈下している地域に関する特例を定めたものでありまして、この法律施行の日から二カ月以内に指定地域となった地域で、災害発生のおそれが著しい地域として政令で定めるもののうちにおいては、さきに第六条第二項において御説明いたしました二年を下らない期間で、建設省令で定める期間とあるのは、一年または六カ月とすることを定め、建築物用地下水採取をすみやかに規制することとしております。  附則第三項の建設省設置法の一部改正は、建築物用地下水採取規制に関する法律施行に関する事務を、建設本省所掌事務に加えたものでございます。  以上でこの法律案逐条ごと説明を終わりますが、十分御審議の上すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
  10. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 御苦労さまでした。本案審査は本日はこの程度にいたしたいと思います。     —————————————
  11. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 次に、国土調査促進特別措置法案議題といたします。  提案理由説明を願います。発議者相川勝六君。
  12. 相川勝六

    衆議院議員相川勝六君) わが国経済伸長発展と民生の安定向上をはかることは、国策の基調をなすものでありまして、これがためにはまず、国土実態を的確に把握し、これが開発保全効率的利用に資することが前提的要請であるといわねばなりません。  政府はここにかんがみまして、昭和二十五年本院の決議にこたえ、去る同二十六年国土調査法制定し、本事業本格的実施推進をはかることといたしたのであります。  さらにまた、特に本事業基本となる地籍調査促進につきましては、昭和三十二年、同法の一部を改正いたしまして、特定計画の確立並びに事業実施に伴う国庫補助率の引き上げを行なう等の措置を講じたのでありますが、次いで昭和三十四年、本院においてあらため国土調査推進に関する決議を上程し、満場一致これを可決いたしました。  しかるに翻っておもんみるに、本事業調査法制定以来今日すでに十年をけみするにもかかわらず、業績遅々として進まず、なかんずく、最も緊急を要する特定計画に基づく事業においてすら、五カ年間においてわずか計画量の一割にすぎない実情でありまして、かくのごとくにして遂行せんか、本事業の完成はまさしく百年河清を待つのほかなく、輓近のわが国経済情勢の急速度の進展に比し牛歩遅々たる著しい立ちおくれを余儀なくいたしているのであります。  特に、さきには農業基本法、低開発地域工業開発促進法、さらにまた、目下本院において審議中の新産業都市建設促進法など一連の経済立法制定に伴い、農業構造の改善、適地適産による産業立地適正化など緊急の課題に即応いたしまして、土地質的実態を科学的、かつ総合的に把握する土地分類調査必要性がますます重きを加えて参りましたにもかかわらず、この種の分類調査が、いまだに机上の試験的段階にとどまり、調査法に基づく準則規程すらなおいまだ成案を得ざることはまことに心外のきわみといわねばなりません。  かくのごとき客観諸情勢推移動向にかんがみまして、国及び地方公共団体を通じ、国土調査業務画期的推進をはかることは刻下喫緊の急務であると思うのであります。  すなわち、これがために、新たに本特別措置法制定いたしまして、これにより昭和三十八年度以降、十カ年計画を確立するとともに、これに必要な行財政上その他特段緊急措置を講ぜんとするものであります。以上が本法案を提案する理由であります。  次に本法案について若干の説明を申し上げます。すなわち、まず第一に、本法案目的とするところは、国土の効率的な開発利用に資するため、緊急かつ計画的に国土調査事業実施推進をはからんとするものであります。  第二に、この法律にいう国土調査事業定義規定しているのでありますが、この法律に基づく事業の内容は、地籍調査基礎となる基準点測量土地分類調査基準決定など国の機関が行なう基本調査と、これを基礎といたしまして、地方公共団体又は土地改良区の行なう細部調査との二本建といたしております。  第三に、国土調査事業十カ年計画の策定について規定いたしました。すなわち、十カ年計画は、国土の総合的な開発、低開発地域における工業開発農地利用高度化など、当面緊要な施策を講ずる区域において、所要調査を行なうことといたしまして、昭和三十八年度以降十カ年を目途として、実施すべき事業量を明らかにすることといたしております。  計画決定手続といたしましては、内閣総理大臣が、国土総合開発審議会並び関係都道府県意見を聞き、さらに関係行政機関の長に協議して計画案を作成し、特に閣議の決定を求めるべきものといたしました。  なお、土地分類細部調査にありましては、これが前提となる基本的地籍調査の進行と相待って、逐次緊急を要する地域について選択的調査に限定いたしました。  第四は、十カ年計画に基づく国土調査事業実施について、この法律において特に定めるもののほかは、国土調査法規定の適用がある旨を規定いたしております。  最後に、国土調査実施促進するため行財政上、特段措置を必要とすることにかんがみまして、政府においてこれを行なうことを規定いたしました。  なお、本法は、公布の日からこれを実施することといたしております。  以上が本法案提案理由でありまして、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  13. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 御苦労さまでした。本案についての本日の審査はこの程度にいたしたいと存じます。     —————————————
  14. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 次に道路整備特別措置法の一部を改正する法律案議題といたします。  前回までに説明を聴取いたしましたので、これより質疑を行ないます。  なお政府委員のほか、日本道路公団総裁上村健太郎君、同理事浅村廉君が参考人として出席しております。御質疑の方は順次御発言を願います。
  15. 田中一

    田中一君 なぜこうしなきゃならぬかということをひとつ先説明して下さい。なぜこうしなきゃならぬか。
  16. 河北正治

    政府委員河北正治君) 道路整備特別措置法につきまして、従来の有料道路建設管理の実際にかんがみ、これをより効率的かつ円滑ならしめるため、三公団道路管理者権限代行不法料金を免れた者から割増金を徴収する権限等に関しまして、所要改正をお願いした次第でございます。  まず第一に、高速自動車国道に関しまして、日本道路公団に、建設大臣指定した特別沿道区域及び沿道区域内の制限に関し、必要な措置を命ずることができる権限等代行さしたいということでございます。  それから第二に、高速自動車国道以外の有料道路に関しまして、三公団に、道路管理者指定した沿道区域内の制限に関し、必要な措置をすることを命ずることができる権限代行さしたいということでございます。
  17. 田中一

    田中一君 それは知っているんですよ。実態の問題からいって、今まで道路公団はもはや六年近く行なっているわけです。なぜこうしなきゃ不便なのかという点を実態の点から明らかにしてくれというんです。
  18. 高田賢造

    説明員高田賢造君) 有料道路実務上のことに関係いたしますので、私からお答えさせていただきたいと思います。  有料道路の現在の制度、ことに三公団をして当たらしめます有料道路の実際の施行は、実は建設大臣が行なうべきことをかわって公団実施をしていただくと、こういう組織で本法ができておるわけでございます。したがいまして、当初この法律の出発いたしました当時におきましては、権限相当建設大臣に留保いたしておったわけでございます。ところが実際過去数カ年の実際の経験に照らしてみますと、なお、さらに実務上の実際の事務にすぎない程度業務は相当ございまして、これらについてわざわざ建設大臣がみずからやらなきゃならぬということは、事務の簡捷、能率の向上という見地から考えまして、きわめてさらに検討をする必要がある、こういうことから研究いたしまして、今回おもに従来やっておりました中で、特にたとえば占用許可権等権限の委譲その他の権限代行事務で、実務的な観点から公団をしてやらせたほうがよろしいと、こう思われるものを委譲したわけでございます。  なおそのほか関連いたしまして、ただいま業務の実際に照らしまして、料金不法に払わんで逃げていく、こういう場合あたりにぶつかりまして、それらの経験にかんがみまして、割増金等その他若干の措置をしたほうがよろしかろう、これらのことを経験にかんがみまして考えたわけでございます。  そのほか調査事務等も、先ほど申し上げましたように、従来は公団実務を執行すると、こういう建て方でできておったものでございますから、調査事務についてまではこの規定を置いてなかったわけでございます。実際やってみますと、公団計画にあたりましてのいろいろの調査事務等も、やはり相当みずからやらなければならぬという、こういう部面も出て参りましたわけでございます。それらのもっぱら過去の経験にかんがみまして、事務の簡捷という見地から、その他も若干ございますが、そういうことになったわけでございます。
  19. 田中一

    田中一君 私は、今大体こまかい条文の問題よりも、若干法律案の要綱について質問しているわけですが、沿道区域内の制限という問題は、まあ、現在阪神高速道路公団、それから首都高速道路公団はまだ事業を開始していない、建設中であるから、これは触れませんけれども、道路公団が自分の行なっている、また管理をしている道路に対しては、これはまあいい、私はそのほうが非常に事務の簡素化といいますか行政上の簡素化も行なわれていいと思うのです。しかし、ここにある沿道区域内というものは、どの程度までを沿道区域内と称しているのですか。
  20. 高田賢造

    説明員高田賢造君) 沿道区域は、道路に接続しまして両側にそれぞれ二十メートル以内の範囲内で指定された区域を、沿道区域とすることができることになっております。なおその目的は、沿道区域の場合においては、道路の構造を保全して、また一般の交通の安全を保持する、こういう見地から沿道区域という制度を設けまして、指定し得るということになっておるわけでございます。
  21. 田中一

    田中一君 そうすると、二十メートル、これは長さですか。
  22. 高田賢造

    説明員高田賢造君) 幅でございます。二十メートル以内の幅でございます。両側の区域でございます。
  23. 田中一

    田中一君 ちょっともう一ぺん、幅というと……。
  24. 河北正治

    政府委員河北正治君) 道路の縦の方向については長さでございますが、横の方向には道路道路敷というものがございます。道路横方向に対しまして、道路敷の外縁端から二十メートル以内に沿道区域というものを指定することができるわけでございます。
  25. 田中一

    田中一君 で、その日本道路公団は、その管理する高速自動車国道にかかる建設大臣権限はそうすると、高速自動車国道だけということに限定して考えていいですか。
  26. 河北正治

    政府委員河北正治君) 高速自動車国道に関しましては、特別沿道区域と、それから沿道区域の両方を指定することができます。それから、高速自動車国道以外につきましては沿道区域しか指定できません。で、これはいずれも区域指定というものは、道路公団には権限を委譲してございません。あくまでも従来の管理者に権限を持たしてあるわけでございます。
  27. 田中一

    田中一君 そうすると、道路公団の場合には、高速自動車国道だけだというのですか。
  28. 河北正治

    政府委員河北正治君) 高速自動車国道に関しましては、特別沿道区域指定も、それから沿道区域指定もできるわけです。日本道路公団は何ができるかと申しますと、高速自動車国道に関しましては、建設大臣指定しました特別沿道区域、または沿道区域内の制限に関して必要な措置をすることができるということでございます。
  29. 田中一

    田中一君 そうすると、国道以外の自動車道、公団が行なっている、建設管理している道路ですね、それは。
  30. 河北正治

    政府委員河北正治君) 高速自動車国道以外は、沿道区域だけがあるわけでございます。
  31. 田中一

    田中一君 道路公団管理をしている道路は全部ですね。全部ということにならないのですか。道路公団高速自動車国道だけをやっているわけじゃないのです。おそらく村道もあるでしょうし、観光道路的なもの、あるいは村道的なものもあるかもしれない。あるいは今後生まれるかもしれない県道もあるでしょう。そういうものは当然一切、府県道であろうと、町市村道であろうと、道路公団管理にかかるものは全部道路公団にまかしてあるのですか。その場合には、地方公共団体管理権を持っているはずですが、それはどうなんです。
  32. 河北正治

    政府委員河北正治君) 今それぞれ御指摘の道路の、高速自動車国道以外は沿道区域しかございませんが、その沿道区域指定は、国道については知事が、それから県道につきましては地方公共団体の長が、それから県道及び市時村道につきましては、それぞれ管理している公共団体の長が、沿道区域指定をすることができるわけでございます。  それで、今申し上げましたそれぞれの地方公共団体の長が、指定いたしました沿道区域内におけるいろいろな制限に関する必要な措置だけが、道路公団でできるようにいたしたわけでございます。
  33. 田中一

    田中一君 もう少し具体的に、法律用語は使わぬでいいから、具体的に話して下さい。
  34. 浅村廉

    参考人浅村廉君) ただいまお尋ねの沿道区域及び特別沿道区域でございますが、簡単に申しますと、法律の御趣旨は、沿道区域というのは道路公団のいかなる道路についても、道路管理者が定め得ることになっております。これは少し長くなりますけれども、道路交通の保全、安全をはかるために、沿道にあまりいろいろなものを建てられたり、あるいは気が散るようなものがたくさんできまして、交通を誤るといけないということから、必要がある場合には、道路管理者が、道路の端から二十メートルの長さをこえてはいけませんが、その以内の部分は、一定の区域沿道区域指定することができるということになっております。沿道区域指定はそういうことになっておりますが、こまかいことは各都道府県の条例できめることになっております。いろいろなやり方があるわけであります。しかしいずれにしても沿道区域の中に家を建ててはいけないとか、そういうきつい制度はできないことになっているわけです。  ところが特別沿道区域というのは、それよりもっと強い制限を加え得る沿道区域でありまして、これは高速自動車国道についてのみで、高速自動車国道法によって認められている非常に強い制限のある沿道区域でございまして、したがって特別沿道区域という名前になっております。これは建設大臣指定されるということに、高速自動車国道法ではなっております。そういうわけでありますから、高速自動車国道については、一般の沿道区域ももちろん指定されることがありますが、さらにその特別法によりまして特別沿道区域指定もできる、こう二重になっております。この法律にありますことは、その区域指定道路公団のほうではやらしていただくことはできませんけれども、しかし、指定があったその区域内で、たとえば特別沿道区域の場合であれば建物を建ててもらっては困る、違反して建てたものは撤去してくれという命令を出す、それに適当な命令を出すというようなこと。それから沿道区域の場合であれば区域指定はできませんけれども、指定された区域内に交通に非常に障害になるような建物があったりなんかする場合には、障害にならぬような措置を講じてくれということを公団でいうことができる、こういうふうに今度の法律には私どもの権限も少し広げていただくということになっております。
  35. 田中一

    田中一君 この要綱の第二の点をちょっと伺いますが、「兼用工作物の管理のうち道路に関する工事及び維持以外の管理の方法について協議」、この協議は管理者ですか。
  36. 浅村廉

    参考人浅村廉君) この協議は、管理者が、たとえば鉄道と道路との何か兼用物があったといたしますと、それをどういうふうに管理するかということを、鉄道管理者と道路管理者で協議をするということが道路法にあるわけでございます。それで、道路公団が預かります道路についても、当然同じようなことが起こってくるわけで、そういう場合に、今までは全般的に協議することはおまえのほうに認めない、そういう権限を与えない、ただ、道路に関する工事と維持、それだけについて、おまえのほうで鉄道管理者と協議しろ、あとの負担金をどうするとか、そういうことは道路管理者が依然としてやる、こういうことになっておったわけなんです。まあ、公団も成立以来六年ぐらいになりましたので、その辺は道路管理者並みに全般的に他の工作物の管理者と協議をする権限を与えてやる、こういう御趣旨だと思います。
  37. 田中一

    田中一君 二つ四ですがね、「車両制限令に定める基準をこえて反覆して同一の道路に車両を通行させ」という、これは定期バスか何か、定期の運送が対象になっているのですか。どっちですか。
  38. 浅村廉

    参考人浅村廉君) これは「反覆して同一の道路に車両を通行させ」ということでありますから、路線バス、路線トラックを考えての条文だと思います。
  39. 田中一

    田中一君 じゃ、河北君、どういう場合を想定しているのです。
  40. 河北正治

    政府委員河北正治君) 現在有料道路につきまして、路線バス、路線トラックが営業しております範囲内におきましては、車両制限令に抵触するような営業路線はございません。しかし将来幅等は差しつかえないといたしましても、重量等——また、幅もございますが、重量等それから大きさ等、特に車両制限令に抵触するようなバス・トラックを運行しようというような計画が立てられた場合のために、この措置を講じようというものでございます。
  41. 田中一

    田中一君 この反覆して同一の道路に車両の通行を行なうということは、これはあなたの権限じゃない、運輸大臣の権限です、これを許可するならね。
  42. 河北正治

    政府委員河北正治君) 事業免許そのものは御指摘のとおり運輸大臣であります。
  43. 田中一

    田中一君 そうすれば最初からトラックの場合には運輸省と話をしていれば、別に一つ一つの問題をつかまえてとやこう言うことはないと思うのだ。その道路運送法の権限のうち、こうしたものを必要な措置を命ずることができるというような条文があるでしょう。一つ調べてみて下さい。道路運送法にここにあげられているような「必要な措置」ということを、運輸大臣または運輸省の所管のそれらを監督している部局で、そういう権限があるのじゃないですか。ないからここに持ってきたんですか。
  44. 高田賢造

    説明員高田賢造君) ここに書いてございます措置の命令と申しますのは、もっぱら車両制限令を実施いたしまするについて道路法の規定がございます、車両制限令との関係におきまして必要のあるときは待避所を設けろ、こういうようなことを命ずることができるわけでございます。その種の措置をいっておるのであります。
  45. 田中一

    田中一君 この資料の中に、車両制限令は入っておりますか。
  46. 高田賢造

    説明員高田賢造君) 制限令は昨年の七月十七日に制定公布されまして、お手元には今お配りしてないかと思います。
  47. 田中一

    田中一君 資料に入っていませんか。
  48. 高田賢造

    説明員高田賢造君) ちょっと説明させていただきます。  道路法の四十七条の第二項に「道路において前項に規定する政令で定める基準をこえる車両を通行させている者に対し、当該車両の通行の中止、総重量の軽減、徐行その他通行の方法について、道路の構造の保全又は交通の危険防止ための必要な措置をすることを命ずることができる。」こう書いてございます。
  49. 田中一

    田中一君 今まで自衛隊なんかの重戦車が通るときにとめた例がありますか。まあ橋梁などは制限をこえているものは通れないのは事実でありますが、道路でありますか。何トンくらいのものを大体考えているんですか。今回の法律改正によって道路公団に与える権限のうち、普通の一般高速道路等は何トンくらいのものを考えているんですか、軸重、荷重加えたもので。車両制限令にありますか。
  50. 高田賢造

    説明員高田賢造君) 車両制限令の第六条に「道路を通行する車両の総重量は二十トン以下、軸重は十トン以下、輪荷重は五トン以下であり、かつ、そのおのおのについて次条に規定する基準に適合するものでなければならない。」こう書いてございます。
  51. 田中一

    田中一君 自衛隊の持っているいろいろな兵器のうち二十トン以上のものありますか。
  52. 高田賢造

    説明員高田賢造君) ございます。
  53. 田中一

    田中一君 どんなものですか。
  54. 河北正治

    政府委員河北正治君) 特車と、特車等を運ぶためのトレーラーが総重量は二十トンを超過するということになります。
  55. 田中一

    田中一君 今までそれらのものの通行は許しておらないわけですね、この制限令が出てからというものは。
  56. 河北正治

    政府委員河北正治君) 車両制限令の十四条で、特殊な車両の特例というものに該当するものは、特例として通しております。
  57. 田中一

    田中一君 特例になっているものはどんなものか、資料であげて下さい。現在ある、自衛隊が扱っているもののうち特例として許されているものの車両のうち、どんなものが総トン数何トンあるかというものを資料であげて下さい。木村政務次官、あげて下さい。
  58. 高田賢造

    説明員高田賢造君) 先ほどの御説明にさらに加えて具体的に申し上げますと、車両制限令の第十五条に特例規定がございます。この十五条の政令に基づきましてさらに施行規則、省令でございます。車両制限施行規則の第三条の第六号で具体的にある程度どういう車両であるかということを指定をいたしております。たとえば野外機動訓練のために使用される車両、その他具体的にどういう車両かにつきましては……。
  59. 田中一

    田中一君 車両制限令の施行細則ですか。
  60. 高田賢造

    説明員高田賢造君) 施行規則でございます。
  61. 田中一

    田中一君 ないから出して下さい。
  62. 高田賢造

    説明員高田賢造君) 省令でございます。
  63. 田中一

    田中一君 この解釈は大体自衛隊の車両は自由に通れるのだということなんですか、大体において。
  64. 高田賢造

    説明員高田賢造君) このごらん願いました第三条の七号に適合しますものに限るわけでございます。
  65. 田中一

    田中一君 七号だね。八号が「緊急を要する火薬類の除去のため使用される車両」となっている。これは道路公団、今までこれの通行を許したことはありますか、有料道路で。
  66. 浅村廉

    参考人浅村廉君) 私ども道路公団始まりまして以来、まだ車両制限令というものがございませんでしたので、別にそういうことを特に注意いたしませんでした。私どもは、料金をとる、とらぬの問題で、自衛隊の車だからといってただ通ってもらっちゃ困るので、これはやはり普通の料金をいただいて通しているという次第でございます。
  67. 田中一

    田中一君 そうすると、この法律ができれば制限することができるね。しかし、ここにある三条の特例でもって通なければならないわね、そこで、今の道路公団料金さえもらえばいいんだから。しかし、車両制限令ができてから以後というものは、通ったものはありましたか。
  68. 浅村廉

    参考人浅村廉君) 制限令に抵触することは私どもは全然いたしておりませんから、今のお尋ねのもし違反の事態があったかということであれば、さようなことは私は全然ないと思います。
  69. 田中一

    田中一君 そういう車は何か許可したという標識でも持って通るんですか。
  70. 高田賢造

    説明員高田賢造君) 標識はございませんが、認定いたしました際に認定の証明を出しております。
  71. 田中一

    田中一君 その認定するのはだれが認定するんですか。従来の管理者ですね。
  72. 高田賢造

    説明員高田賢造君) 道路管理者でございます。
  73. 田中一

    田中一君 それじゃひとつ自衛隊を呼んでほしいんだがな、委員長
  74. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  75. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 速記をつけて。
  76. 田中一

    田中一君 どういう種類のものがあるか、ひとつ資料で出して下さい。それから現在道路運送法で許可されている車両等はどのくらいのトン数のものですか、荷重、総トン数はどのくらいのものが道路運送法で許可されているトラックとしてあるか、資料として出して下さい。
  77. 木村守江

    政府委員木村守江君) 承知しました。それではただいま田中委員からの御質問でありまするが、詳細な資料は持っておりませんが、自衛隊だけでなく超重量の自動車が通る場合には、管理者に許可願を出しまして、許可された場合には証明書を持って通行しておるように承知いたしております。
  78. 田中一

    田中一君 この施行規則には証明書を出すなんて書いてないですよ、許可証……わかりました。  この要綱の第二の五なんですね、これをちょっと詳しく説明して下さい。私が疑問に思っていることをちょっと言っておきます。そうするとここに、これは各公団は、前項第二号いわゆる「道路の占用を許可し、又は道路の占用について協議すること。」または四号車両制限令云々、「第二号又は第四号に掲げる権限を行なおうとする場合は、あらかじめ、当該道路道路管理者意見をきき、当該道路都道府県又は指定市の市道であるときは当該道路道路管理者の同意を得なければならない」ということは、何ですか、その道路ですが、一級国道または二級国道であるというその道路というものは、あるいはその指定市の市道というものは、道路公団管理をしておるものという前提なんですか、これは。それともこの道路の占用許可あるいは「車両制限令に定める基準をこえて」云々、この二つのものが公団管理をしておる道路ということなんですか。
  79. 高田賢造

    説明員高田賢造君) お話のとおり、管理者から権限をまかされましてこれを代行しておる、そういう道路管理道路公団でございます。
  80. 田中一

    田中一君 そうすると、建設大臣権限を持っておる高速自動車国道は、これは全面的に権限委譲を受けて代行することができるんだと、しかしその他の一級国道、二級国道並びに地方道の管理権というものはその当該、現在の管理者に管理権があるのだということですね。道路公団施行する道路というものは、高速自動車国道のみじゃないということは、これははっきりしていますね。その場合の一級国道または二級国道、または都道府県とか指定市道というものの管理権というものは、これはそれぞれ現行法による管理者がそのまま持っておるということなんですか。それで協議しなければならぬということになっておるのですか。
  81. 高田賢造

    説明員高田賢造君) 道路管理者管理権は、代行させました場合にその部分だけ権限が移っておるわけであります。こういう考え方でございます。
  82. 田中一

    田中一君 そうすると、一番前提にいっておる、先ほどからいっておる公団が工事を行ない、管理をしている一級国道、二級国道または都道府県道、指定市道というものはもう移っているのでしょう、管理権というものは公団に。
  83. 高田賢造

    説明員高田賢造君) ちょっと詳しく申し上げます。道路管理者というものそのものは、公団がやりましても従来どおり管理者でございます。たとえば都道府県管理者でございますと、都道府県管理者という資格はそのままなくならぬわけでございます。ただ公団に仕事をまかせますと、この法律に書きました代行を認めた範囲内においてそれはそのまま移りますから、管理者の名前は、従来どおり都道府県なら都道府県でございますけれども、その管理権の内容が減っておる、こういうふうにお考え下さるといいと思います。
  84. 田中一

    田中一君 そうすると、公団が現在有料道路として管理をしておる道路でも、道路管理権というものは、建設大臣または都道府県知事指定市の市長等が持っておるんだと、そのうちのこれに現われているこれこれのものが公団のほうに代行させまたはそのうちの第二の二、四というような程度のものは、これを協議しなければならぬ、こういうことですか。     —————————————
  85. 大河原一次

    委員長大河原一次君) この際委員異動について報告いたします。  四月三日付、岩澤忠恭君が辞任され、その補欠として佐野廣君が選任されましたので、御報告申し上げます。     —————————————
  86. 高田賢造

    説明員高田賢造君) お説のとおりでございます。
  87. 田中一

    田中一君 これは総裁というよりも浅村君、その程度でいいんですか。私はこの程度のものならば、たとえば道路の占用を許可することとかいうことは、これは公団が自由にできる。しかし、車両制限令によるものとか、それから占用許可もいけないわけですね。それで公団としては十分なんですか。
  88. 浅村廉

    参考人浅村廉君) 公団の立場を申し上げますと、むずかしい法律的な言葉の用い方はちょっと別にいたしまして、私どもでやっております道路管理権の大部分は、道路公団にすでにまかせていただいておるわけなんです。これは管理者は依然として、たとえば都道府県知事であるとかというようなことになっておりますけれども、法律的にはその管理権の大部分を道路公団代行するということが、もうすでにきまっております。ところがたとえば占用の問題を例にあげますと、高速自動車国道でありますと、すでにその管理権の大部分は建設大臣から公団にまかせていただいておりまして、占用の許可公団でできるし、占用料も公団に入ってくることになっておりますけれども、一般の道路については僕たちが一番関心を持っております占用の許可権は、これはおまかせいただいておりませんので、依然として道路管理者の手によって許可する、そしてその占用料は道路管理者がおきめになって、占用料は占用許可者の財源になってしまう。道路公団から全然はずれているということが従来から問題でありまして、そういうようなことを主眼にいたしまして、二、三大きなものがまだ漏れておるから、どうか全部公団におまかせいただきたいということを、繰り返し繰り返しお願いしておったわけです。今回この法律案によりますと、私どもの主張いたしておりましたことが全部ここに盛られておりまして、一般道路につきましても現在四十五本有料道路を経営いたしておりますが、それらいずれにつきましても占用の許可道路公団がやれるし、それから占用料は道路公団の財源になって、通行料金と同じように、道路の償還に役立たせることができるということになって参ります。そういうことで私どもは非常に期待をしておるわけでございます。
  89. 田中一

    田中一君 しかし辞典で、その管理というものは何かと調べると、「ある対象に対して、一般的に公の支配権を持つ者が、その支配権に基づいて、その対象を規制するものを総称する。」とこうなっておるのです。今の管理権というものが事実残っておるんだということになると、ちょっとおかしいわけです。全部管理権というものを代行さしたらいいじゃないか。代行ということは、結局そのもとにあるということになるのだけれども、協議をするとか同意をやらなければならぬということはやめたらいいじゃないですか。やっぱり二重管理ですよ、こういうことでは。むろん原則としては、法律上の管理権というものは残っているけれども、それなら協議も同意も要らぬじゃないか。そのくらい道路公団は実績は上げているはずなんです。だから同じような首都高速道路公団を作ったり、阪神高速道路公団を作ったりするわけです。二重管理なんか要らぬと思うのです。なぜそうしなければならぬかということです。そんなに道路行政に対して不十分な道路公団なのか。
  90. 河北正治

    政府委員河北正治君) 今御指摘の点でございますが、それらの行為を行なうため道路公団が弱体であるとか不適当であるとかいうことは考えておりません。ただ償還が終わりましたときに、それぞれ本来の管理者に引き渡されるものではないかと思いますので、そのときのためにこのような同意をするとか協議をするとかいうことを残してございます。
  91. 田中一

    田中一君 そうしたら、法律の上で明らかですね。管理権というものを持っている間は、ということにすればいいのじゃないですか。当然これが建設費が償還されて、その従来までの無料公開という道路の本来のものに返って、道路公団の営業部門から離れた場合には、これは当然管理権は戻るのですよ。そんなことはあたりまえじゃないですか。何もここで管理権というものは二重管理をする必要はない。同意を要さない。そうして、おのずから、道路公団の手を離れたならばもとの管理者に戻るということは明らかですよ。
  92. 高田賢造

    説明員高田賢造君) お答えいたします。ただいまの例として局長の申し上げましたのは、そういう場合のことを一つの例として申し上げたのでありますが、法律の上といたしましては、なお現行制度及び今回の改正によりましても、道路管理者に留保せられておりますこの管理権の内容は、個々の例をあげてもよろしいわけでございますが、ここにございますように、権限管理権者に一部残っております関係もございまして、その種の管理権者の意向を無視するということは実際の上からいっても妥当でない。こういうことからいたしまして、要綱の二にございますように、国道の場合は管理者の意見を聞くと、また都道府県指定市の市道の場合には同意を得るものとする、こういうことにして、管理者の意向を十分尊重するというふうにいたしておるわけでございます。
  93. 田中一

    田中一君 しかしもう、事実、管理権の大部分のものはといっているのだね。それならば移してしまったらいい。まあもっとも君らのほうの各派閥というかね、でもって県の道路課というものの事務が縮小されたのでは因る、という勢力争いなんかもあるかもしらぬけれども、しかし実際に国の幹線道路あるいは主要なる道路というものを公団にやらせようとするならば、実際の問題の権限管理権というものを、現在管理さしている、営業さしている場合は、全面的に委譲するのが正しいですよ。これはそんな二重管理という形で持つことはおかしいですよ。公団はパブリックなものですよ。決して私企業じゃないですよ。ここまで踏み切るなら当然そうするのがあたりまえです。ただ道路課長が道路係長になっちゃうと困るというのかもしらぬけれども、君らのセクトではよくあるのですよ、それは。そういうことは、これはもう当然道路公団というものに対して今度の大幅なこういう改正をするならば、全部まかしてしまいなさい。まかしてしまいなさい。残しておく理由は一つもないですよ。しかしながら代行させるのですから、実体としての管理権があるのですよ。しかしする必要ありませんよ、同意を求めるなんということは。
  94. 河北正治

    政府委員河北正治君) なるほど御指摘のとおりに、権限の大部分を三公団代行させることになっておりますが、しかし、私どもといたしましては、道路に関しまする道路管理者にまだ留保されている権限というものはございます。それは公団代行する権限前提となる基本的かつ包括的な権限は、道路管理者にまだ残されております。それで大部分ではございますが、三公団代行させる権限は、道路の構造または通行もしくは利用に密接な関連のある、いわば現場的措置でございます。そんな関係で私どもといたしましては、道路管理者意見を聞き、または同意を得て行なうというようなことにいたしておる次第でございます。
  95. 田中一

    田中一君 そのいたしているから、僕らの考え方は違うというのですよ。全部まかしてどういう支障がありますか。全部全面的に管理権というものを代行さしてどういうマイナスというか、支障がございますか。あなた方の先輩がみんな入っているのですよ。法律に詳しい者もいれば工事に詳しい者もいれば、そんな間違いすると思えませんよ。県庁の方にももう少し——県庁の方でなくて、今度もう本省の人間が行っているのだから、県庁の方よりももっと詳しく知っております。どうしてそうしなければならないか説明して下さいよ。
  96. 高田賢造

    説明員高田賢造君) 一般的に申し上げてたいへん失礼かも存じませんが、行政の組織と申しますか、道路行政の組織を考えます場合に、他の住宅関係でも同様でございますが、公団という組織形態をとっておるわけでございます。で、まあ道路の場合道路公団という一つの組織を作っておりますわけですが、公団というものが一体どういう法律的性格を持つか等、いろいろ議論があろうかと思うのでございます。本来行政というものは国みずから、あるいは公権力を持った公共団体とか、そういう統治権を持った行政主体と申しますか、そういうものが直接そういう行政権限を持つことが建前になっておりますから、それ以外のものに行政権をまかせます場合は、これは従来法律制度といたしましては、たいへん私申し上げて恐縮——失礼なんでございますが、まあ全面的に行政権をまかせるという例は、普通はないのが建前でございます。行政権の帰属は大体やはり行政機関ということになっておるわけでございまして、公団はそれにかわるべき一つの組織機構でございまして、行政権の一部をまかせておるわけでございます。公団的な組織体は本来の国家の機関そのものではないわけでございまして、公的組織をとっておるわけでございます。そういう組織体にどの程度権限をまかせますかということについては、個々の行政についていろいろ異なるであろうと思います。道路について申し上げますと、現在の道路法上の権限管理権が一つの大きな問題でございますが、行政権としてこれは国家の公的権限でございますそれを公団というものに全部まかせますと、おのずからそこにいろいろ他の面からいたしますと、問題があろうかと思います。先生の御意見のごとく公団に極力仕事をさせるということからいたしますと、権限の委譲ということは、できるだけいたしたほうがいいと思っているわけでございますが、国の公的権限ということになりますと、そこにおのずから国家そのものとあるいは公団というものとの間に、分野を適当に画する必要があろうかと思うのでございます。そういう見地から区分けをいたしておりますわけで、現行の私どもの提案いたしておりますのは、現在の実情にかんがみまして、この仕事の分野、行政権の委譲の程度等は、現在の段階といたしましては適当と私ども認めておりまして、御提案申し上げておるわけでございます。
  97. 田中一

    田中一君 何も委譲するのじゃないのですよ。代行ですよ。権限というものは明らかにあるのですよ。行政権の代行ですよ。だから何かもう少し明確に納得する形でもって説明して下さいよ。どう思うとか何とかというのじゃなくてどうなるんだ、また法律的にはそれができないならできないんだということとか……。
  98. 木村守江

    政府委員木村守江君) 田中委員の御質問、田中委員何でも承知をして御質問をしておるのでありまして、法的形態からもこういうように書くのが、今までのしきたりのような格好になっておりますので、そういう点から申しまして、あるいは代行さしておく、あるいは委譲さしておくというような問題等もありましたが、やはり代行するにしても委譲するにしても、いわゆる国あるいは管理者——都道府県、市町村、そういう管理者が厳然とある場合には、それと話し合いしまして、同意をし合うことが、決して公団の力が足りないとか、あるいは信用がおけないとかということではありませんが、最善の方途を尽くしておくほうが、将来運営上いいだろうというような観点から、かような法案を作って提案した次第であります。どうぞ御了承いただきます。
  99. 田上松衞

    ○田上松衞君 関連。田中さんみたいに何もかにも知りきっておる立場でなしに、しろうとの立場で今の問題に関連してお聞きするのです。  御説明聞いておると、ますますわからなくなってしまうんですよ。説明の中に都道府県道路、あるいは指定市市道、こういうような場合には、特に管理者というものはやっぱり現存しているんだという説明があった。だがこれらが持つところのいろいろな管理権というものを、それは代行さしてもらうんだとおっしゃる。そうすると具体的にここで考えてみますると、どういうことを代行するかというと、道路管理者指定した沿道区域内の制限に関し、必要な措置を命ずることができる権限代行するというのが一番大きな柱ですね。その次には占用許可権を代行するということ。その次にはしたがって占用料を管理者に渡さないで、全部これは公団が吸い上げてしまうぞということですね。  こういう建前からしていくと、一体あと管理者に残っている権限というものは、具体的に何が残るのかということなんですね。さっきの御説明聞くと、大部分は代行するんだというけれども、次の説明にいくと、しかし本格的な権限は残っているんだ、こう言われる。残っているところの権限は一体何であるか、この点が一点。よく聞いておいて下さい。残っている権限を、具体的にこういうものが残っているんだということを説明して下さい。私さっきの説明聞いて償還後において、やがてこれらに返すんだからということ、そのことの余地を残すためだろうということなんでは、私は田中さん言われたように、そんなことになったらば、代行している期間だけは権限は消滅されて……管理者の権限というものは、自然消滅する性質のものじゃないかという疑問が起こってくるわけです。  それから第二点は、こういうようなことになってきますると、三公団代行しようとするときに、やはり管理者の意見を聞き、または同意を得なければできないということになるはずなんですが、かりに同意しなかった場合にはどうするか。こじれた管理者があって、都道府県あるいは指定市において因る、ということは、これについてはここまで作り上げるのには、いろいろなむずかしい問題があったんだ、そういう完全に上に出ないいろいろな苦労というものが、消えさっていない間に、そんな何もかも料金まで取られてしまう、権限まで何してしまう、使用権までまかされてしまう、そういうことになったらどうなるかというような疑惑からして、同意しなかったという際にはどうなるか。この二点についてもっと明快にしろうとわかりがするように御説明して下さい。
  100. 木村守江

    政府委員木村守江君) ただいまの御質問でありまするが、管理権を三公団に委譲するわけでありまするが、その委譲しない部分を言われましたが、それでもなお都道府県あるいは市町村に保留するところの権限は、一体どういうことかというような御質問でありますので、具体的に申し上げますと、たとえば道路区域決定または変更の告示、それから道路の供用の開始、それから道路の占用の禁止または制限区域指定、それから沿道区域指定、自動車専用道路指定、そういうようないろいろなことが残っておるわけでございます。  なお管理者が三公団に対して、同意を与えなかった場合はどうなるか、というような御質問でありまするが、実際問題といたしまして、前に述べられましたようないろいろな項目につきまして話し合いをした場合に、同意を得られないことはないと申し上げても差しつかえないのじゃないかと、もしも同意が得られないような場合がありましたならば、その歴然たる理由がありまして同意ができないことでありまして、かようなことはないと私どもは考えております。
  101. 田上松衞

    ○田上松衞君 今あげられたところの項目は、これはその権限は三公団代行する範囲じゃないのですか。
  102. 木村守江

    政府委員木村守江君) 代行する範囲外で行なわれる権限でございます。
  103. 田中一

    田中一君 そこで今の第二の四号ですがね、この程度のものがやっぱり同意を得なければならないのですか。これは私はこまかい問題を言ってるんじゃない。ここにあげている「第二号又は第四号に掲げる権限」に対しては、同意を求めなければならないということになっているでしょう。「道路の占用を許可し、又は道路の占用について協議する」というのは、だれと協議をするのか知らないけれども協議をすると、それから車両制限令以上に反覆して通る場合に関して、必要な措置をすることを命ずることができる。たとえば橋を、重いからそれが通っちゃいかぬと、通るならばこうせいああせいということになって、そういう程度のことならば同意を求めなければならないということはないと思う。かりの自衛隊の重量戦車を許可する、まずそうすると道路制限量をこえておるけれども許可する。道路公団はしようがなしに、あぶない橋だけれども通さなければならないことになる、一方的に公団が受け付けなければならない。けれども管理者が重量でとても通れません、制限トン数外ですからこの橋は通れませんと言った場合に、かまわず通るのですか。公団もやはり政府機関の一つじゃないか、資金的に多少民間の資金が入っているにすぎないのであって。
  104. 高田賢造

    説明員高田賢造君) 要綱の第二の一項の四号、この種のものについて一々管理者の意見を聞き、または同意を得る必要はないではないか、こういう御趣旨だと伺いましたが、特にこの点管理者の意見を聞き、または同意を得るようにしておきましたのは、現行法の建前でございますと、道路運送法の規定によりまして路線バス、路線トラック等の業者にその事業を免許いたします際の規定がございまして、その規定によりますと、道路管理者意見を聞いて運輸大臣が免許することになっておるわけでございます。その道路管理者意見を聞いて運輸大臣が免許いたします際の意見を出しますのは、現在やはり道路管理者権限となっておるわけでございます。そういうふうに現在のところ、道路運送法等との関係におきましても、管理者の権限が留保されております。したがって第二の四号にございますような車両制限令の場合の、ここにございます必要な措置と申しますのは、やはり今申し上げました路線バス、路線トラック等についての規定でございまして、その運送法との規定とも平仄を合わす上からいたしましても、道路管理者意見を聞きまたは同意を得る、ということにいたすことが適当かと存じておるのでございます。
  105. 田中一

    田中一君 この自衛隊の、いやに自衛隊にこだわるけれども、自衛隊の車について、今の道路運送法によるところのものは、これはいいと思うのですよ。しかしそれも前々道路運送法による許可を与える場合には、一応管理者に相談する、自分のほうの総トン数何トンだ、乗客がどのぐらいあります、荷重どれぐらいあるという場合に、橋とか何かの交通のために聞くのは当然だと思うのです。しかし自衛隊なんかが通る場合どうするのですか。
  106. 木村守江

    政府委員木村守江君) この第二の四の条文は、自衛隊の重量トラックのことをいっておるのじゃないと思うのです、ただいま高田次長から言われましたように、バスあるいはトラック等の反覆して通る、いわゆる自動車のことをいっておるのだろうと思います。先ほど田中委員が指摘されましたように、重量トラックの問題と違うように考えます。
  107. 田中一

    田中一君 違うたって車両制限令には自衛隊の問題を特例として許可することになっておるのですよ。そうでしょう。通らぬことはない、通るのでしょう。これはことさら君らが自衛隊のほうは困るから隠して、こういう文章にしているのじゃないかい。
  108. 木村守江

    政府委員木村守江君) ただいまの御質問でありますが、自衛隊のトラック等を考えておるのではないのでありまして、これは隠しておるのでありませんので、バス、トラック等が定期に反覆して通る場合を……。
  109. 田中一

    田中一君 自衛隊の場合どうするのですか。
  110. 木村守江

    政府委員木村守江君) 自衛隊の場合は、先ほど申しましたように、自衛隊だけではなく、いわゆる超重量トラックが通る場合には、道路管理者許可申請を出しまして、その許可になった場合には証明書をもらって通行するようにいたしておるのであります。
  111. 田中一

    田中一君 道路公団に聞きますが、今後橋梁その他で荷重制限ぎりぎりのものを県のほうで、あるいは国のほうで許可してよこした。しかし、ぎりぎりで危ないという場合には当然拒否するでしょうね。そういうものは許可があろうとも。
  112. 浅村廉

    参考人浅村廉君) 私どもは道路管理の責任がございますから、危険な通行を認めるわけには参りません。
  113. 田中一

    田中一君 その場合はもう道路公団としては、たとえ許可証を携行してもそれはだめですということはできるのでしょうね。
  114. 木村守江

    政府委員木村守江君) 道路公団に重量車の通行の許可申請があった場合に、道路公団といたしましては……。
  115. 田中一

    田中一君 道路公団じゃないよ。
  116. 木村守江

    政府委員木村守江君) 道路公団管理している道路でしたら道路公団にいくと思います。道路公団管理している道路を重量車が通る場合には、これは通行の許可申請を出しまして、もしもその重量車が通ることによりまして多額の金額を費やして作りました道路、あるいは橋梁に破損を生ずるというような場合には、道路公団でこれは許可するはずはないと思います。
  117. 田中一

    田中一君 その場合、当該道路管理者の同意を得なければならぬということはどういうことなの。そうすると、その通行を拒否された者は大もとの道路管理者のところへ行って通してくれといった場合にどうなんです。
  118. 浅村廉

    参考人浅村廉君) 先ほどからお話が出ておりますが、私どもこう思うのですが、この問題になっております「車両制限令に定める基準をこえて反履して同一の道路に車両を通行させようとする者に対し、当該基準に適合するように、道路に関し必要な措置をすることを命ずること。」と、一番いい例は狭い道路に非常に幅の広い大型の車が通ると、道路と車の割合が非常におかしなことになって、本来道路が広ければ問題ないのでありますが、狭いところへ大型車が入り込む、よく路線バスなんかにそういうのがありますが、そういう場合には退避所を管理者側で作れば、まあ車両制限令のほうからも基準が適法になるということがあり得る場合がある。そういう場合に私どものほう、管理者のほうで予算がなくて退避所もできないというときには、通る側に金を持ってもらって車両制限令の基準違反しないようにしてもらう。金を出してもらってその金で退避所を作って、そうして車両制限令の規定違反しないような形にするということが間々あるわけであります。道路公団道路にそういうような問題が起こったときには、今までは道路管理者がそれをやっていたわけでありますが、この改正案によりますと、道路公団みずからそういうようなことを路線バスとか、路線トラックのほうに話をしまして、そうして措置をするということができることになるというわけであります。ただ、この場合に、道路管理者意見を聞く、ということが一つ条件になっておることは、先ほど来お話が出ておるとおりであります。今の非常に重量の大きな重い車が通る場合にどうかという問題は、これはまたちょっとこれとは別な問題ではないかと思いますが、それはいずれにいたしましても相談が管理者か私どもかどちらかに必ずあるはずであります。で、キャパシティをこえるものは、これは通すことは当然不可能なことでございますから、何かそれに補うような措置を講じてもらわない限り、通って下さいということは言えないという考えでおります。
  119. 田中一

    田中一君 第三ですがね。これはあらためてここに通行料金とあるのは占用料ですね。占用料はそれぞれの公団に帰属することになっておりますけれども、今まではどうだったのですか。
  120. 高田賢造

    説明員高田賢造君) 現行では占用料は、占用許可をいたしております管理者のところに帰属いたしております。
  121. 田中一

    田中一君 それ、全部でどのぐらいの額になりますか。
  122. 河北正治

    政府委員河北正治君) 現在日本道路公団管理しております有料道路を占用している物件は二百四十件ございまして、その占用料は年額約五十四万円でございます。なおそのうち昭和三十六年度におきまして新たに占用を許可された物件は五十四件ございまして、その占用料は十三万六千円でございます。
  123. 田中一

    田中一君 これだけの収入がかりに減るとする。それからまた道路公団の相当計画毛あるから四十何件というけれども、四十何件もっとふえるわけね、だんだん。その場合に地方公共団体として、その程度のものならば地方交付税に悪い影響はないですか。管理権としては残っておるのだね、道路の。これはまあ公共団体に帰属するのだから、従来は。それは予算に編成されて何か使われているのですか。地方交付税の関係はどうなんだね、その点は。
  124. 高田賢造

    説明員高田賢造君) ただいま御説明申し上げました額が、都道府県管理権の許可権の移動に伴いまして、それだけ収入が減るわけでございます。もともとこの種の占用料というものは、先生の御承知のとおり占用許可事務に伴う手続費用等が大部分でございまして、したがいまして占用許可事務がこちらに移りますのでございますから、それだけその部分だけ都道府県事務量が減るわけでございます。事務量が減るのに応じまして収入が減るのもやむを得ないじゃないかと大体私ども考えて、自治省の当局とも御相談をいたしましてこういうようなことにいたしておるわけであります。
  125. 田中一

    田中一君 そうするとこれは何も影響ないというのですね。この程度のものなら影響ないと自治省は言っているのですね。
  126. 高田賢造

    説明員高田賢造君) そのとおりでございます。
  127. 田上松衞

    ○田上松衞君 ちょっと関連して。具体的にこういう工合になっていく場合、今までたとえば監督をやっておったのが、占用料の徴収係であるとか、まあ次長が言われたいわゆる事務量といいますかね。そういう場合に、今度移りますと都道府県及び指定市等はそれだけの人間が要らなくなっていく。そうするとその具体的なそれらの人間は引き継ぐのですか。それとも放り出して返してしまうのですか。どうなんですか、これは。
  128. 高田賢造

    説明員高田賢造君) ただいまの御質問でございますが、実際の各府県の実務について先ほど申し上げました数字を各府県単位に当てはめてみますと、非常に軽微なものでございまして、そのためにこの事務がこちらに移るからといって人間を引き継ぐということは考えておらぬわけでございます。
  129. 田上松衞

    ○田上松衞君 返すんですね、人間は。
  130. 高田賢造

    説明員高田賢造君) 現在都道府県で、この占用許可事務に従事している人かと存じますが、それは従来どおりその府県が他のいろいろ仕事をしておりますので、そのほかの仕事に専念して、そのためにその人を引き継ぐということは、いたさないことにしております。
  131. 田中一

    田中一君 第四、これは道路法、第七十三条の負担金等の強制徴収という項をそのまま援用しているわけですね。
  132. 河北正治

    政府委員河北正治君) 御指摘のとおりであります。
  133. 田中一

    田中一君 これは延滞利子を取りますか。
  134. 河北正治

    政府委員河北正治君) 徴収いたします。
  135. 田中一

    田中一君 幾らになりますか。
  136. 河北正治

    政府委員河北正治君) 延滞利子は百円につき一日四銭の割合を乗じて計算した額をこえない範囲でございます。
  137. 田中一

    田中一君 四銭ときめた根拠は。
  138. 高田賢造

    説明員高田賢造君) この種の制度といたしましては、国税徴収法というのがございまして、その法律で定めている基準がございます。おそらくそれによったものと存じております。
  139. 田中一

    田中一君 国税徴収法によるところの延滞利子というのは日歩四銭、それから還付加算金、税の過払い、誤払い等によって返戻しなければならない利子は、日歩三銭です。もっとも国はその金を預金して利殖しないから一銭違うということになるかもしれないが、滞納金は四銭、しかし税務署のほうで無理やりに認定して取った金、これに対しては日歩三銭しかくれないのだ。
  140. 高田賢造

    説明員高田賢造君) 法律の上では、ただいま先生の御指摘のごとく、道路法でただいま御説明申し上げましたとおり、百円につき四銭の範囲でございますので、別途政令がございまして、施行令の第七条で、日歩三銭の割合を乗じて計算した額とすると、政令のほうで国税徴収の場合と歩調を合わせておるわけでございます。
  141. 田中一

    田中一君 国税徴収法では、欠損処分というのがある。この場合にはどこまでも追及して、そうして捜査網を拡大して、これは車でいくのだからたいへんなことである。一日追ったなら何といいますか、お金、かりに箱根新道などで岡山へ行く、それでも追跡して取りますか。それともあるいは……。
  142. 高田賢造

    説明員高田賢造君) この国税徴収法の例によるという文言を法律でうたっているわけでございます。御指摘のとおり欠損処分等については国税徴収法の例によって別途扱うわけであります。
  143. 田中一

    田中一君 箱根新道、あすこの乗用車は百八十円、そこで百八十円持っていない、で払えない者と払わない者と二つある。払わない者と払えない者の場合は、何かそれらに対してはそのとき払わなくても——払えないから払わない、払えない、そういう人に対してはどういう措置をとるか。
  144. 木村守江

    政府委員木村守江君) 料金を払えない者はどうするかという問題でございますが、料金がない車が有料道を通るということは、これは考えられないわけでございまして、そういう人は旧道を通ってもらえばいいと思います。
  145. 田中一

    田中一君 大体、有料道路には並行道路があることが原則になっているから、それでいいと思うけれども、しかし払わない者に対しては、強制徴収をするという規定がある以上、払わないで通る者がいるということが前提になっている。政務次官、そんなことを言うけれどもですね、この規定は払わないでも通る者がいるということが前提になっているのですよ。旧道を通りなさいと言ったところが、これに従わない者がいるから、この規定を盛っているのでしょう。そういうことでは答弁にはなりません。
  146. 木村守江

    政府委員木村守江君) 払わない者というものの中には、ほんとうに金がなくて払わない者、あるいは払う意思がない者、払う意思があっても忘れて払わないで行った者、こういうような三種類の大体人があると思います。しかし初めから金を持っていない人、そういう人が有料道路を通ることは適当でありませんので、そういう人は旧道を通ってもらう。それから払う意思のない者が無理に通って、いわゆる払わずに逃げて行くというような者に対しまして、この法律が該当するのだということでございます。
  147. 田中一

    田中一君 三倍払えばいいのでしょう、三倍。たいてい突っ走って逃げますよ、三倍払えばいいのだから、車を持っている者は。あるいは払いたくてもちょうど金がなくなった、ちょうどゲイトの所へ来て、ガソリンがなくなっちゃって動くことができないというような場合も想定されるのですよ。これは決して笑いごとじゃないのですよ。あり得るのですよ。その場合、やはりガソリンのない車にはガソリンを貸してやるというのは、これはヒューマニズムですね。こんなことはあり得るのだよ。しかし、そういうものを法文に盛り込むことはできないわね。それはこうやって走り逃げをするやつがいるから、こういう規定を盛ったと思うけれども、今まで道路公団では、そういうようなケースがどれくらいあったのですか。私は大体、こういうものは好きじゃないのですよ、こういうことを明文化するということは。私は国民というのは、みんな正しいものだと、法を守るものだという前提に立って考えたいのですよ。こういうことはおもしろいからやってみようじゃないかという者もいるかもしれません。もし、しいて言うならば、公団とは言わない、公団の罪とは言わないけれども、政府に対する不信から、そういういたずらをする者がいるのだ、政府に信頼がないから。ここにこうして明文化する以上、相当の被害があると思うから、公団から伺います。どういう被害があったか。
  148. 浅村廉

    参考人浅村廉君) 実はこの規定を入れていただきたいというのは、公団側からお願いしたのでありまして、実例といたしましては一番いい例は、関西に阪奈道路というのがございます。これは大阪から奈良へ直線で結ぶ道路であります。あの道路の両側の山をくずして土を運ぶトラックが続々あのゲイトを通った事態がございました。非常に乱暴な人たちでありまして、強行突破をされまして、いかに私どもが話をいたしましても警察に仲に入っていただいても話がまとまらないことがございました。これは別な方法で仲に人が入って下さいまして、ただいまはうまく解決いたしましたが、そういうような事態、苦い経験をいたしまして、あとで払えばいいじゃないかということを申しながら突っ走ってしまう、払えばいいだろうとい調子で。それもいつ払ってもらえるかわからない。そういうよう、なやや法律としてはあまり体裁のいいあれじゃございませんけれども、ひとつ入れていただいたほうがいいんじゃないか。それから湘南道路——江の島から逗子に至ります海岸を通っております道路にもよくオートバイに乗りまして、何というんですか、雷族と申しますか、ああいうのが強行突破をしてゆく、徴収員が非常にくたびれる事態が夏場になるとよく発生をいたします。そういう場合に、やはりこういうふうな三倍になるぞというようなことがあると、だいぶ防げるんじゃないか。遺憾なことでありますけれども、こういうような制度を法律的に認めていただいたらということでお願いしたんでございます。その他実例は所々方々に若干ずつございますが、特に目立ったのは、さような点でございます。
  149. 田中一

    田中一君 まあ少し公団がたるんでいるんだよ。あるいはまたゲイト等の施設が不完全なんですよ。いまにきっと鉄道公安官と同じように道路公安官を作ってくれと言い出すだろう。私はこういう考え方は政治の面で……特に知能的なものじゃないんですよ、まだまだ知能的な犯罪はたくさんある。しかしこの程度のもので、今のような事例ぐらいで、こういうことを明文化するということは賛成できないと思う。ゲイトの構造上の欠陥もあるんじゃないかと思う。たとえばゲイトの徴収する方向の側に、それこそ——この前あなたのほうの死んだ岸総裁とも話し合ったことがあるんだけれども、ジグザグなでこぼこの石を置きなさいよ、そんな重量物がすっ飛んできたら、ばんとはね返ってひっくり返るようなものを置いたっていいですよ、ちゃんと標識をつけて。踏み切りの適当なる手前にそういうものを置くという、これはアメリカでやったところがあるらしい話を聞いておりますけれども、とても普通に走ったんでは動揺あるいはすぐひっくり返るというような圧力があると思うから、やむを得ずブレーキをかけなければならぬというような構造上の問題で、そういうものも今のような程度の事例ならば避けることはできると思うんです。これはやはりゲイト付近、徴収場付近の構造、それを自分のほうで自分のほうの技術上の問題を解決しないで、何でも、そういう特定な、ごく少数の法を犯す者に対してこういうような明文化をすることは私は好ましくないと思う。これはやはり処罰という問題をたくさん扱うのは、これは警察国家になる一つの前提なんです。国家公務員が正しいんだ、国民は正しいんだという双方のものに対する信頼というものが、そういう問題をだんだん減らすことになるんですよ。それで罰則を設ける、必ず。罰則があるでしょう、罰則があるんです、金の問題じゃないんです。道路公団は、日本が警察国家へ移ってゆくことをお手伝いする必要はないんです。ゲイトにおける構造上の問題で解決される面がたくさんあるということなんです。泥を積んだものが突っ走ってくる、それは幅の大きな、ゲイト以外に通行をする場所もありますから、あれを突っ走ってくる、その前には必ずみぞを置けとは言いませんけれども、どうしても、まあまあ相当低い走行力といいますか、これによらなければとてもたえられぬというものを作っておいて、そしてどうしてもブレーキをかけなければだめだということによって、骨は折れてもというような悪いというか、土砂を運ぶような人夫がいたならば、それを説得して、だんだん理解させるというようなことをすべきなんです。  そういうことが、少しでもそういう法を犯す者を減らすもとなんです。罰則の強行や、そうしたものを明文化することは、ますます国民に対する反感を買うことになるのです。国民が反感を持つことになるのです。構造上の問題を考えたことがありますか。ゲイト付近の。
  150. 浅村廉

    参考人浅村廉君) まことにごもっともでありまして、私どもの考えておりますことは、もちろんこれだけじゃないんで、ただいまお話がありました公団料金を徴収いたしますゲートの手前で車がスピードを落とすような装置を考えるということも非常に大事なことであります。これについては、いろいろまた別な面から、快適に走れる道路に、なぜそういう障害物を設けるか、非常に反対の強い意見なども従来ございまして、しばしばその点は議論はいたしました。いたしましたが、一番いい例は、先ごろ開通いたしました箱根新道におきましては、下り斜線、これは非常な勾配で第一号国道に差しかかって参ります。その若干手前にゲイトがありますが、そのゲイトに差しかかる手前に、今のでこぼこのあれを作りまして、そうしていやでも応でも、あそこで車がスロー・ダウンするということを考えました。これはほかにも理由がございますけれども、ただいまの強行突破というようなことからいうと、非常にこういうものは防止に役立つものではないか、私どもはむしろそういう方向に、もちろん今後力を入れていきたいと思います。  ただ、まあこういうような事態が遺憾ながら起こった場合に、ただ、あとで徴収さしていただくというだけでは、一般にすなおに払っていただいております方にも申しわけないと思いますので、そういう意味からも、こういう規定を一つ設けていただきましたらばという考えであります。
  151. 田中一

    田中一君 私は、これは金でもって解決する、今資本主義社会だからね。三倍払えばいいんだ、堂々と逃げてつかまったら三倍払う、こういう一つのスリルを楽しむ人たちには確かにスリルだよ。うまくいったらしめた。もっとも国鉄でも、きせる乗車というやつをやっているそうだから、同じことなんです。僕はこいつは、もう何とかしてやめてほしい。これをやめて、もっと構造上の問題とかを考えてほしい。快適な道路というけれども、快適な道路ばかりじゃないのですよ。やっぱり私は快適というけれども、ゲイトへきてスロー・ダウンしたって一向差しつかえないわけですよ。危険を防止する意味ですよ、こいつはね。突っ走ってきてゲイトへ衝突しても困る。だから、そういうものをつけたいと思ってるんだという考え方を持つならば、何も……。だれが反対するのかしらぬけれども、反対するのは、おそらく池田さんか、吉田茂さんだろう。そんなことじゃない……。こういうものを作る前に、もっともっと構造上の問題を研究する。どうしてもこいつは、私はとっていただきたいと思うな。そういうものじゃ今にきっと道路公安官なんていうのを作り出すから。それでパトロールして何かあったらこらっと、こうやる。それはそうならざるを得なくなってくる。われわれは道路公団が行なっている事業というものを、ますます伸ばそうと思ってるんだ。そういう行き方はまだ早い。もっと大きな実害があった場合に、そのため道路公団が損する得するの問題でなくして、多くの国民に、それを利用するところの国民に大きな害を与えたことがあった場合には、生命とか財産に、そういう場合には、何とか考える、罰則の適用を強く考えるということはあり得るけれども、今のような程度の問題では、私はこういう条文は明文化すべきものじゃない。  一体、今まで推定される、払わないで逃亡した人たち、どのくらいの件数にのぼっていますか。つかまらないからわからないでしょうけれども。おそらくそういう報告は、そのゲイトの管理者の責任にもなるから、あまりたいしたものは報告してないんじゃないかと思うのですよ。
  152. 浅村廉

    参考人浅村廉君) ただいま私が申しました阪奈道路などは、ただいま資料を持っておりませんけれども、百台くらいの車が、これは一ぺんではございませんが、常に突破してしまうというような報告を受けております。それからその他の道路、湘南道路だとか、東山道路だとか、いろいろございますが、やはり夏場になりますと四、五十件の、そういう強行突破というような実例が増加いたしておりまして、私どもは、今後高速自動車国道が開通いたしました場合のことなども実は考えて、どういうふうにしたらいいかということに頭を痛めておるわけでございまして、高速自動車国道も開通いたしますと、これは料金の額も非常に大きくなりますし、長距離走ってゲイトを強行突破してしまった場合は、どういう事態が起こるかということが非常に心配になって、そういうことが未然に防止できるように、何かこういう方法で取り締まる——取り締まるというと言葉が悪いけれども、こういう方法で、そういうことをすると、あとがでかいぞということで、通る方に自粛をお願いすることができないかということと、それから私どものゲイトでよく職員がけがをいたしまして、やはり有料道路でありますから、料金をいただかなければ公平を失するわけでありますので、どうしてもいただこうとして車に向かう——向かうというのか、料金を下さいという態度を示すと、何をというわけで、それをはね飛ばして行くというようなこともありまして、こういうことで死んだのもおりますが、そういう事態もありまして、何とかこの料金をスムーズにいただく方法はないかということを日夜苦慮しておるわけであります。もちろん構造上の点も今後大いに考えて参りたいと思います。  こういうようないやなことはしたくございませんが、こういうことも、やはりどっかにございませんと、あとで払えばいいだろうというようなことで行かれてしまっても困るということで、これは公団として、ぜひひとつこの制度をこの際認めていただきたいということを、相当前からお願いをしてきておったわけでございます。
  153. 田中一

    田中一君 構造の問題を考えないで……、今の職員が死んだなんというのも、構造の問題ですよ。金さえ払えばいいんだということじゃないのですよ。大体また百八十円の三倍の五百四十円ですか、払えばいいんだといってやる、そんなことじゃないですよ。その逃げた者を一体警察に頼んで、それを逮捕するのですか、それはまた五百四十円取るために、どれくらいの費用がかかるかというのだ、そういう事犯のないようにするのが主眼だと思うんだ。これは当然、少しの法を犯した者に対する何というか、罰金か、こいつを自宅まで行ってつかまえるのに、おそらく車のナンバーを覚えておいて、そうしてだれかが取りに行く。考えてごらんなさい、あなたの職員は、おそらくそんなものはごめんこうむってしまいますよ。現にある。電柱を立てるための地代が一本何円という単価ですよ。おそらく何銭から何円になったでしょう。それも十円未満ですよ。そういうものをもらっている農民は、道路占用を自分の軒先をちょっと借りたために、これも何円という少額を支払う。それを徴収するため職員が何回となく行く。一ぺん行っていなけりゃまた行くんです。野良へ出ているから、野良で金持っていませんと言えば、また行くのです。そういうふうな繁雑な、行政の面で職員が労力を使うようなことをしなさんな。それよりも何とかして、そういうことのないように持っていく、させないように、それは構造上の面で管理できると思う。こういうものを設けたために、おそらく職員のいやな職務がふえるでしょう。かりに一万件あっても大したもんじゃないんですよ、道路公団の収入を考えた場合には。  だいぶこの法律の成立を急いでいるらしいから、それはもうお譲りしたいけれども、この点は、どこも納得できない。かりに一定のこれはあなたのほうの行政管理上の措置でもいい、公団が一年間これを待ってみよう、この実施を待ってみよう、法律がきまったけれども、そうして構造上そういうことのないように、何とかできないだろうかという研究をして、やはりだめだということになった場合には、まあその辺が妥協するところです。私にすれば、その辺で妥協します。しかし、今すぐにこれを実施してどうこうとなったのじゃ、私はこれはもう少し審議をしなければならんから、むろんきょうの採決には無理でありますし、もし与党の諸君ががんばってやるならば別ですよ、私は十分に実際のところを全部調べて、箱根新道は、それは感じてきました、確かにやっているなということは。ほかも全部調べて、場合によったらば人をやって、今の湘南道路ですか、あれなんかも、実際のところ調べてみて、実害というものが明らかになればやむを得ません。こういう傾向というものは全くいけないのです、これは上村さん、あなたの過去の経歴を言うのではないが、あなたはそういう警察国家的な気持をお持ちじゃないでしょうか、総裁は。平和利用のための高速道路なんですから、そんならば、こういうものを強いてやるということは早過ぎますよ、私はどうもこの問題については残しておく、留保しておきます。  次は、先へ進みましょう。  第五の問題ですが、「道路の交通量、道路の構造その他道路に関し必要な調査」、これは予算上、建設大臣許可する予算の上でもって、こういうものは全部、認められてある科目はあるのですか、調査費というもの、調査費がかかるのだから。
  154. 浅村廉

    参考人浅村廉君) この問題は、実は予算は道路公団の場合には、調査費という予算をいただいております。ところが制度的には、道路公団が直接道路の交通調査をすることができないという、これはどういういきさつでございましたか、法律的にはそうなっておりまして、したがいまして、実際の扱いは建設省にお願いいたし、依頼をいたしまして、建設省の方に道路公団の者を連れていっていただきまして、そして一緒に道路の交通の調査をしていく、こういうふうな形を従来とっております。  ところが建設省とされてもお忙しいのに、公団道路調査に一々立ち会うというものもたいへんだ、公団のほうは公団だけで、それをやらせていただければ非常に簡単だということで、実質的には、金のほうは調査費などで認めていただいたので、制度をこういうふうに直していただいたら、非常に実際に合うと思うのであります。
  155. 田中一

    田中一君 金のことはどうもというけれども、新線、新しい計画に対する調査費はあるだろうけれども、こうしたものを調査する——もっとも構造というのは、その道路の構造でなくて、全体の何というか、走るための全体の調査だと思うのですよ。構造上の問題も、そういうものを、新しく三十七年度の予算には、そういうものは事業方法書が、これでもって認められているのですか、そういう点は、新しく認められているのですか。たとえばここに書いてあるとおり道路に関する、「道路の交通量、道路の構造その他道路に関し必要な調査」をする費用というものは、予算上認められているかどうか。
  156. 浅村廉

    参考人浅村廉君) 来年度の予算におきましても、道路公団の予算の中に、調査費というのが計上されております。四億三千六百万円という額が、調査費として計上されておりまして、いろいろ内訳がこまかくございますが、これは道路調査と申しましても、ここにあります「交通量、構造その他道路に関し必要な調査」、これは公団だけで、道路に出張って行なわなくてもいい調査もございます。そういうものはもちろん公団独自ではありませんが、道路にこちらが出かけまして、道路上におりましていろいろ調査をする。そういうような場合には、予算はありましても、もしこれが認められませんと、建設省にお願いをして御一緒にやっていただくということになりますので、それをこの制度が認められれば、私どもだけでやれると、こういうことです。
  157. 田中一

    田中一君 それはいいんです。日本道路公団管理する道路に対する調査というものは、今予算に盛られておるものの四億何千万というものは、そういうものを対象に考えてないはずですよ。これは東北縦貫道や他の縦貫道の調査なんか、あとでしたかな、あとにきてないですか。あなたのほうで調べておるものは、新線の調査でしょう。これは新線じゃないじゃないですか。こういう特定調査じゃないですか。これは内容として項目ができておるんですか。
  158. 浅村廉

    参考人浅村廉君) 少し大きな金を申し上げまして、予算面で全体の額が四億三千六百万円でございますが、その中に、いろいろな費目がございまして道路の交通、自動車走行量の調査であるとか、一般の道路につきましての走行量の調査であるとか、その他いろいろな調査を行なう費用がその中に含まれております。
  159. 田中一

    田中一君 そこで最後に、上村総裁に聞きますがね、どうです、全体を通じて、今日まで営業している有料道路に対して御承知のように一定の償還年限をきめて、有料でもっていろいろと行なっておりますけれども、ワン・マン道路、戸塚道路などは、もはや近々あれだけを単独に言うならば、もう償却が近いと、こう私のほうから見受けておるんです。それに横浜新道を作って、横浜新道と戸塚道路とをプールして、そうして全体に対する料金による、何というか、無料道路にしようという期間を延ばしておるわけですがね。  私ども行ってみましてもワン・マン道路は相当通っておりますけれども、横浜新道のほうは、なかなか少ないんですよ。交通量が実際には。で、料金徴収というか何といったかな、償還年限ですか、償還年限というものを、今のような一本々々道路でもってきめてくるというんではなくて、われわれの希望するところは、先ほども言っておるように日本道路公団事業というものを、全国的にもっと急速にたくさん仕事をしてもらいたいというのが希望なんです。政府のほうでは、なかなかしないんですからね。さっき高田次長は、はっきり言ったのです。国がしないものですから、こういうことになる。本来ならば国がするべきものでございますということを先ほど答弁をした。おそらく道路公団のような機関の仕事をどんどん伸ばさなければならん。伸ばす方針だろうと思う。そうすると一本々々だと、伸びる伸張率が少ないわけですよ。一番料金の入るということは、交通量の多いところは、早く償還されてしまうと、これはもう財源にならない。何か方法を考えて、国民も納得する、やはり道路の通行料金によって、再投資というか、次の投資を行なって、そしてそれに見合ういい道路ができてくるのだということになるならば、もう納得するような段階にきているのじゃないかと思うのです。これはいろいろ問題があります。政治的にも、いろいろ問題があります。そういう方法を考えたことがありませんか。  それからワン・マン道路——戸塚道路と横浜新道とをプールして、償還年限を延ばしたいということも、やはりその辺にあるのだと思うのです。こいつは法律的にはどうですか。その点はちっとも、そういう形でもっていっても一向さしつかえないのか、その点はどうです、償還の問題は。ただあなた方の先輩は、国会でこの法律を作る場合に、再三再四、いち早く無料公開の原則に従いますということを答弁しておるのです、各大臣ともに。改正が出るたびに、それは答弁しております。しかし、もう今の時点から考えた場合には、何かもう少し、こうした道路を数多く作るというような方向に向うには、原資確保のために方法を考えなければいかぬという点を、ひとつ上村総裁並びに木村政務次官に伺っておきます。
  160. 上村健太郎

    参考人上村健太郎君) お尋ねの点は、プール制の問題として私ども検討いたしておりますが、政府部内におきましても、全国の有料道路をプールにいたしまして、そうして償還を一路線が終わっても、それは無料開放せずに、ほかの道路を作る資金に充当してはどうかという意見が非常に強く出ております。しかし、まだ現在のところ結論に至っておりません。  戸塚道路につきましては、戸塚道路は、まあ横浜新道とつながっておりますし、かつ戸塚道路そのものが横浜新道に比較いたしまして非常に悪いので、これは新年度から戸塚道路を拡幅いたしまして、そして路面も整備いたしたいということで、一本に考えまして料金を徴収しております。それからもう一つの例といたしましては京葉道路でございますが、あの道路は、大体が千葉県の五井まで延ばしたいという私どもの希望でございます。京葉道路、現在船橋までの間におきましては、おそらく料金は十年そこそこで償還になると思いますが、これも千葉県の御当局と御相談いたしまして、一本でひとつ料金をお願いしたいというようなことをやっております。これが非常にローカルな地方的な道路でございますと、割合に地元の一つの県の御了解さえ得ますればできますのでございますが、全体になりますと、受益者負担と申しますか、通行する自動車の台数の多いところからいただいた料金を、他のいろいろ産業的には重要でありまするけれども、地方の比較的自動車交通量の少い県の道路料金に補充をするというようなことが、現在のところ非常にむずかしいのでございまして、むずかしいのでありますが、プール制というものは、建設省御当局とわれわれのほうと、大蔵省、その他で、常に予算編成のときに問題になっておるところでございます。今後とも研究して参りたいと思うのでございます。
  161. 木村守江

    政府委員木村守江君) 有料道路がわが国の交通難を緩和する点、また産業経済に及ぼす重大なる影響につきましては、すでに御承知のとおりでありまして、現在の日本の道路網の状態から考えまして、何とかすみやかにりっぱな道路を作らなければならないということは緊急問題だろうと考える次第であります。  そういう点から考えまして、有料道路を数多く作るために、その資金源として、採算の非常にいい道路と、それから、これから開発する道路とを、あるいは採算の悪い道路とをプールいたしまして、そうして道路の整備をはかって参りますことは考えなければならない問題だろうと考えておる次第であります。したがって、これらの問題につきましては今後鋭意検討いたしまして、所期の目的を達成するようにいたしたいと考えておる次第であります。
  162. 田中一

    田中一君 われわれとしても、関門道路の場合は、政府の希望料金に対しては、相当衆参両院とも抵抗して値下げをさしたことがあるのです。それなんか相当安いのじゃないかという気持があります。地元の人たちは、そう思わんでしょうけれども。そこで、京葉道路にしても、十年間くらいでペイするのだということなら、料金が高いということなんです。そんなことはあまり言わないほうがいい。料金が高いということです。問題は今言ったように、最初に法律を作るときの精神というものが、その路線一つでもって無料公開に持っていくのだという前提に立って、われわれは法律を作ったわけなんです。したがって、京葉道路が十八年か、あるいは二十年になっているでしょう、それが十年でペイしちゃうということになると、料金を安くしなければならないということになる。だから、やはり愛される日本道路公団でなければならない。そうしてこの仕事は非常に伸びております。私なんかは信頼しております。だから相当事業量を伸ばすということについては、政府が財政上の熱意が欠けておるから、道路公団という機関を作った。これは高田次長でしたか、本来ならば政府がすべきであったということを言ったから、これは非常に正直でよろしい、だけれども、その点は率直に、各路線ごとに検討して、たとえば立山の観光道路にしても、あれは自衛隊にやらした。県から引き継いだのでしょうが、自衛隊にやらせた。路線のほうを見ると、あなたのほうのパンフレットを見ますと出ておりますが、正直なところは出ていない、われわれが専門的に知りたいことが出ていない。そういうものをひとつ出して下さい。一緒にいい道路を作り、そうして同時にその背景となる全国的な道路計画がなくちゃならぬと思います。どうしてもローカルな道路もあるし、幹線の道路もある。しかしながらその背景にはやはりああいう高速道路というものが新しい道路政策の重要な路線としていかなければならぬと思います。道路局の河北道路局長の先輩たちにも、いろいろ問題があると思うが、今の道路整備でいいのじゃないかという考えがあるかもしれぬが、今の日本の経済上、政治上の実態から見ると、われわれは強く主張して中央道を促進したいということもありますが、道路政策というものは、やはり変わって来なくちゃならない、変わらせる一つのものとして道路公団事業も、二つの公団事業もございますが、それらの点もあわせて考えていただきたい。私はこれでやめますが、あとの要綱の第四の二項については質疑を保留しておきます。
  163. 田上松衞

    ○田上松衞君 時間が過ぎましたので、まことに皆さんに申しわけないのですが、どうも理解しがたい点がございますから、一つだけお伺いいたします。  法案の第三十一条、要綱の第五、これだけは言うまでもなく建設大臣公団にいろいろ委譲した権限のほかの問題、工事、維持以外の管理というのを一切委譲されたわけですが、これと関係ない問題を法にはっきりきめた条項だと承知するわけなんです。言いかえるならば、道路法第七十七条の規定の適用を、ここで改められたんだ。法案でいうならば同法七十七条の規定の適用の中の「又は当該道路の存する地方公共団体の長若しくはその命じた職員」と、今までこうなっておったのを、新たに今度は「、当該道路の存する地方公共団体の長若しくはその命じた職員又は日本道路公団、首都高速道路公団若しくは阪神高速道路公団若しくはこれらの命じた職員」と、こういうふうに改められたんですね。この点明確なんですよ。要綱の五で説明されてあるのと同じように、この内容は何であるかというと、いわゆる「日本道路公団、首都高速道路公団又は阪神高速道路公団管理する道路の交通量、道路の構造その他道路に関し必要な調査日本道路公団、首都高速道路公団若しくは阪神高速道路公団又はこれらの命じた職員にも行なわせることができる」という工合に、これは書いてある。文句はわかるのですよ。文句はわかるんですが、この末尾にあるところの、「これら公団の命じた職員」とは、一体何をさしているのか。ちょっと、どこの職員のことをこれは言っておるのですか。これをお聞きしたい。
  164. 河北正治

    政府委員河北正治君) もちろん公団職員でございます。
  165. 田上松衞

    ○田上松衞君 そこで、そうじゃないかと考えるから、もしそうだとすれば、これは法案の大きな間違いじゃないか。私はこの場合、公団以外になし得るところの「当該道路の存する地方公共団体の長若しくはその命じた職員」といえば、今解釈されるような公団またはその命じた職員でも、これは通ずるのです。ところが、前段においては明らかに「地方公共団体の長若しくはその命じた職員」と、こううたいながら、後段に至っては「公団若しくはこれらの命じた職員」と、こうなるので、ここがおかしいと考えるのです。同じような文句であるならばわかるのですよ、違っておるじゃないか、この点が。地方公共団体については長、たとえば都道府県知事あるいは市長ですよ。もしくはそれらの命じた職員都道府県職員であるとか市の職員であるとかいうことをさしていると明確にしてある。後段に至っては、ただ公団として、それらの命じた職員ということになれば、ここに大きな解釈上の疑惑ができてしまうので、下手にとるならば、これは別個の公団が別個の職員を何か命じるようにしてあるかのような気がするのです。あるいは公団でなくしても、この条項においてのみ建設大臣権限をここに残しておるわけです。そうすると建設大臣、もしくは単なる公団ではないけれども、別の職員ということを意味するのかどうか。  その点非常に疑問が生じてしまうのですよ。おわかりになりますか。前は「地方公共団体の長」と書いてあるのに、あとは「公団」と、こう書いてある。「命じた職員」のことをはっきりしてもらいたい。
  166. 河北正治

    政府委員河北正治君) ただいまの御質問でございますが、地方公共団体の長という言葉を使いましたのは、地方公共団体は、議会との関係で特に地方公共団体の長と明記したのでございますが、公団では、その必要がございませんということと、道路整備特別措置法におきましては、すべて公団の長と言わずに、公団ということに統一しておりますことがその理由でございます。
  167. 田上松衞

    ○田上松衞君 疑惑を感ずる一点は、そういう意味であるならば、ただ、この公団にも行なわせると書けばよさそうなものを、「公団若しくはこれらの命じた職員」、一体公団の総裁が自分でこんなものを調査するなんて、ばかげたことは常識上考えられるかということです。やればこれは職員ですよ。特にこれは公団もしくは命じた職員ということをうたってある。  そこで、繰り返すようですけれども、片方においては、地方公共団体の長または命じた職員と区分けしておる理屈が、あなたの今の説明では徹底しないのでわからない。
  168. 河北正治

    政府委員河北正治君) 今御指摘の点、地方公共団体の長または公団の長が自分自身で交通、道路に関する調査をやるようなことは、まずないという点は御指摘のとおりであろうと思います。ただその「命じた」という言葉を使いましたのは、地方公共団体に所属する職員ならばだれでもいいかということになりますと、普通の道路調査ならばけっこうでございますが、御承知のように道路調査の中には、起終点を調査する調査もございます。そういった調査をする際に、地方公共団体職員なら、だれでもいいといいますと、弊害の起こるおそれもございますので、特に地方公共団体の長が命じた職員または公団の命じた職員という工合に限定いたしておるのでございます。
  169. 田上松衞

    ○田上松衞君 どうも私の気持がわかっていただけないのだな。地方公共団体の長、すなわち都道府県知事であるとか市長であるとか、こういう場合は、今のような特別にこれを命じた職員ならわかるのですよ。道路公団が命じた職員ということだと、あなたは言われたのだが、これは当然なことじゃないか、法文の中でこうするのは。法の書き方が地方公共団体といい、公団といい、一つの建設省にあらざるところの別個の団体なんですよ。一方では、その長またはそれが命じた者と書き、一方ではその団体またはその団体が命じたという、この区分けをしなければならない理由というものが、さっきの御説明ではわからない。あなたは今までの行き方について、ほかの文句が、こうした公団あるいは公社等の場合においては、特にそういう長という文字を使ってないのだから、ただ、それにならったというだけだとさっき……。ああ、そう考えておるのかと感じたわけなんです。私はしかし、そういうことでは、こうしたいろいろな提案理由説明であるとか、単なる資料として出される要綱であるとかいう文句なら、それでもいいのですよ、それでも、善意に解釈するのですけれども、法律の明文の上に、明かにこれを区分けをして書くということは、少し解釈の仕方によっては変なことになるのじゃないか。  したがって、要点を申し上げるならば、この際特に、この法文のここに「長」という文句を入れる必要はないのだ。入れないとするならば今度は「命じた職員」なんということを省いてもいいのじゃないか。いたずらなるそこに疑惑を起こす種をまいてしまっているのじゃないかと、こう考えるので、それについての見解をお伺いしたい。
  170. 高田賢造

    説明員高田賢造君) 仰せごもっともな点でございますが、実はこの種の場合の法律の文言の書き方につきまして、一つのしきたりと申しますとたいへんあれでございますが、ございますのでして、地方公共団体の場合は長と使っております。整備法におきましては、従来法律では、すでに公団ということで表現をさせていただいております。その関係で、この場合も文言といたしましては、「長」ということを使わなかったわけでございます。ただ、それだけのことでございまして、御了承いただきたいと思います。
  171. 田上松衞

    ○田上松衞君 それだから申し上げておるのですよ。ただ、前のいろいろな関係法律の書き方がこうなっているから、そのとおりにしただけの話だと言うのですが、私は、これは国民にはいろいろ疑惑を持つというような問題については、そんな古い条文なんかに頼って、それを基礎にしないで、新しい時代はどんどん進んでいって、そのものずばりでいかなければならぬ時代になっているのですから、少しでも国民が何らか変に思う点については、どんどん改正して、国民の危惧のないようにすることがいいのではないか。よけいなことを言わずもがなの問題、こんなものわかりきったことであって、いま少し……。一字一句でも変えるということは、原案を通過させてもらうために困るということであればですが。ではこの際、特に要望しておきます。今後、こういう問題については、もう少し国民がぴたっとわかるような条文に、回りくどいああだこうだ、昔の何というか、リバイバルのようなものではないようにやってもらうようにしないと、いたずらに迷わせてしまうだろう、こう考えるので、その点について、将来御考慮をお願い申し上げておいて、まあ私は今のことを善意にとって、他意がないのであればということにいたしまして、了解したことに、理解したことにいたします。
  172. 田中一

    田中一君 さっき留保しておいた質問について、もう一度申し上げます。したがって、これについて政府並びに公団から答弁願いたいと思うのです。  それは要綱第四の問題ですが、少なくとも現在できておる日本の道路公団の営業の面から見ても、先ほど浅村理事さんの答弁では、違反者等は、悪質な者はまれにしかないと言われたようにわれわれは判断する以外にないのです。同時にまた、違反者を多く出すというようなことは、職員管理面においても、勤務上の問題にしても、道路の構造上の問題、あるいはゲイトの施設の構造の問題等も含めて、適切な措置がとられるならば、あえてこういう道路法七十二条による罰を課するというような明文は必要ないのではないかこう思うわけなんです。こういうことは、なるべく平和に利用される高速道路としては避けるべきである。将来、こうした高速道路が全国土に相当伸びをもってくるような場合には、あるいは交通上の違反者に対するパトロール等が必要になるかもわかりませんけれども、今の段階では、まずそういう違反者をなくするということが主眼であって、この法律実施にあたって、どういう心構えを持って臨むか、政府並びに公団から答弁願いたいと思います。
  173. 木村守江

    政府委員木村守江君) ただいま田中委員から申されましたように、この法案に罰則的な意味を持つような条文を入れることは、私どもも決して望ましいことではないと考えております。しかしながら、まことに残念なことには、こういうような条項を織り込まざるを得ないような状態になっておることは御了承願いたいと考える次第であります。  しかし、この法律施行にあたりましては、あくまでもこういうような罰則的な、違反者のないように、あるいはゲイトとか、あるいはその他構造上の構想につきまして、早急に検討いたしまして御趣旨に沿うような方途を講じて参りたいと考えておる次第であります。
  174. 上村健太郎

    参考人上村健太郎君) ただいま次官からお答えになりましたとおりでございますが、公団といたしましても、なお打つべき手があると思います。割増金を取らないで済むような措置を講ずる、事務的にも、技術的にもあるかと思います。そういうことを第一義といたしまして考えて参りたいと思います。
  175. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 他に御質疑はございませんか。——他に御質疑もないようでございますから、質疑は終了したものと認めまして、これより本案について討論を行ないます。  御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようでございますから、討論は終局したものと認め、これより本案の採決を行ないます。  道路整備特別措置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。  本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  176. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 全会一致であります。よって、本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  なお、本案審査報告書につきましては、委員長に御一任を願いたいと思います。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時十七分散会      —————・—————