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田中一君 どうも利水の面にのみ重点を置くということは当然でありましょうけれ
ども、少なくとも水の
利用を
考えた場合、その水を守るということを
考えなきゃならぬと思うのですよ。従来いかにダムを作っても長野県の美和ダムのように、作って三年目にはもはや三十年分の土砂が入って、水源の確保というものはそれだけ減ってくるというような場合も
考えられますと、ダムの上流の砂防というものは、この
公団の
事業というように割り切ったらどうなんですか。それが府県単独のものもあれば、補助
事業もあれば、国の直轄するものもあればまちまちなんです。ことにまた
建設省なり農林省が相変わらずそれらのものに対しては、
昭和初めの申し合わせというものをお互いに侵し合いながら、お互いにというか農林省は侵してます、確かに私が見ただけでは。ちぐはぐな水源の確保をやってる。
水資源を確保するための非常に多目的な
公団の
事業でありながら、なわ張りで常にそれが侵されているのです。
水資源がまるでさいの河原みたいに積んじゃくずし、積んじゃくずしでもって、
事業があってあなた方の生活権というものは守られるかもしれぬけれ
ども、そんなものであっちゃだめだと思うのです、国土保全というものは。これは
長官に伺いますがれ。築造される
水資源の確保のためのこうした施設の上流にある保全ということを
考えておらなければ、これは
意味ないんです。
長官、四月になれば
予算も通って楽になるでしょうから、私が案内しますから見に行きましょう。ほんとに見なきゃだめです。今まで
企画庁
長官というものは経済問題には熱を上げて財界人と会ったりして、大いに何かいいような、いろんな面のプラスになることあるかしらぬけれ
ども、こうした
国民生活、生命にも密着しているこういう国土
事業というもの、総合
開発というものに対して強い熱意を示してほしいんです。四月になったらば
一つ案内しますからね。場合によったらあなたが案内してくれてもけっこうです、あなたのほうが
費用があるでしょうから。そうして見ようじゃないですか。一応これも年度内に通さなきゃならぬ法律だと
考えるから通すは通すとして、実際に今後
公団がどういう形で仕事をするか、今までの宿弊です、なわ
張り争いです。
予算の獲得戦争なんですよ、官僚の。失礼しました、今官僚と言わない、国家公務員の幹部諸君の……。そうして国土保全
事業というものをおくらしているんです。災害待ちの国土保全
事業なんです。災害待ちは確かに選挙民といっちゃおかしいけれ
ども、地元の人たちは
予算が流れてきますから喜ぶものなんです。しかし被害を受けた者は生命財産を失うのです。そういう
意味で今後の
水資源公団ができることによってその
水系、まあ仕事をする者はいろいろ当面の
理由があるでしょうから、今伺った面は面として了承しますけれ
ども、なおこの上流の水源に対しては今までの農林省、
建設省が常に争っておった。そのために
国民が非常に迷惑しており、生命財産を失っておるというこの施設に対しては、抜本的な対策をとるために、
水資源公団に全部その
事業場を委譲するということなんかも
考えていいんじゃないかと思うんですよ、かりにそれが
建設省なり農林省でもっていつも
話し合いがつかないならばですよ。その点は
長官どう
考えています。あなたダムの上流の山、川をお歩きになったこと何回くらいあります。