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1962-03-22 第40回国会 参議院 建設委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年三月二十二日(木曜日)    午前十時三十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     大河原一次君    理事            田中 清一君            徳永 正利君            武内 五郎君    委員            稲浦 鹿藏君            小沢久太郎君            三木與吉郎君            米田 正文君            内村 清次君            木下 友敬君            田中  一君            田上 松衞君            村上 義一君   国務大臣    建 設 大 臣 中村 梅吉君    国 務 大 臣 藤山愛一郎君   政府委員    経済企画政務次    官       菅  太郎君    経済企画庁総合    開発局長    曾田  忠君    建設省河川局長 山内 一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    農林省農地局参    事官      富谷 彰介君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○水資源開発公団法の一部を改正する  法律案内閣提出衆議院送付) ○連合審査会開会に関する件   —————————————
  2. 大河原一次

    委員長大河原一次君) ただいまから建設委員会開会いたします。  水資源開発公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、要求資料が提出されておりますので、これについて説明を願います。
  3. 曾田忠

    政府委員曾田忠君) お手元水資源開発審議会委員名簿資料と、それから昭和三十七年度水資源開発公団予算案、もう一つ水資源開発関係政令制定状況という三つの資料を御提出申し上げております。  初めに水資源開発審議会委員等名簿資料でございますが、これはまず水資源開発審議会委員任命は二月十九日に行なわれたわけでございます。委員の数といたしましては十五人以内になっておりますが、十五人全部が任命されております。大体、委員任命考え方といたしましては河川管理、あるいは水の供給という側と、それから水の需要側工業用水農業用水上水用水という需要側、もう一つは中立的な立場と申しますか、そういう立場の方ということを勘案いたしまして任命されたと考えております。  それから二番目は「総裁となるべき者の指定」、これは二月二十三日に進藤武左衛門さんに指定がされたわけでございます。  それから「設立委員任命」でございますが、それは三月十六日でございます。関係各省の事務次官を設立委員といたしまして任命されたわけでございます。  次に、三十七年度の水資源開発公団予算案につきまして御説明申し上げます。  収入といたしましては政府出資金が三億円でございます。それから交付金、これは治水部分に相当するものでございますが、十二億七千六万九千円ということでございます。補助金——工業用水補助金でございまして、六千六十万円。それから借入金といたしまして資金運用部資金が七億五千万円、公募債借入金が四億円、合わせまして借入金といたしまして十一億五千万円、負担金、これは今まで矢木沢下久保等東京都あたりが上水道負担金を払っておりますその負担金といたしまして十億五千八百十五万四千円、それから電気事業者受託金といたしまして三億百九十二万八千円、事業外収入といたしまして利息収入が三百万円、雑収入が二百万円、合わせて五百万円、トータルといたしまして四十一億四千五百七十五万一千円というのが収入でございます。  支出といたしましては、事業費が三十八億五千百三十四万九千円、一般管理費等が二億九千四百四十万二千円、合計四十一億四千五百七十五万一千円。  次の紙が大体事業個所別予算等を書いておるわけでございまして、まず水系名とそれから事業名で、公団で行ないます事業費と、それから事業費のいわゆる財源といいますか、その内訳を書いた表でございます。利根川につきましては矢木沢ダム下久保ダム上部導水路埼玉合口堰を合わせましたものになっておりまして、合計が二十九億九千六百万円、そのうち治水部分といたしまして交付金が十一億五千四百三十四万六千円、先ほど申し上げました負担金が十億五千八百十五万四千円、それから出資及び借入金といたしまして五億、電気事業者受託金といたしまして二億八千三百五十万、これが利根川関係事業費でございます。淀川は、高山ダム淀川の下流の長柄可動堰、この二つの事業といたしまして、その両方の事業費が七億五千五百三十四万九千円、このうち治水分交付金が一億一千五百七十二万三千円、可動堰工業用水補助金が六千六十万円。それから出資借入金といたしまして五億六千五十九万八千円、電気受託金といたしまして、一千八百四十二万八千円。次が調査費でございまして、これが一億。あと一般管理費等で二億九千四百四十万二千円でございます。  その次の紙は、利根川水系淀川水系につきまして、ダム等の現在すでに完成している分、あるいは工事中のもの、あるいは計画中のもの、そういうものを地図にした資料でございます。  以上で、とりあえず公団予算関係の三案の御説明を終わりまして、次は、水資源開発関係政令制定状況というものでございます。  第一番目は、水資源開発促進法に基づきます水資源開発審議会規定の問題でございますが、これは昨年の十一月二十七日に公布されております。次は、水資源開発公団法施行期日を定める政令でございます。これはことしの二月十五日に政令を公布いたしまして、二月の十六日から施行するというふうに定められております。それから三番目は水資源開発公団登記令、これは二月十九日に公布されております。次は、水資源開発債券令案でございますが、一応法制局審議はすでに終了しておりますが、制定の時期等は、まあ債券の発行の時期等とにらみ合わせまして、公布いたしたいというふうに考えております。第五番目は、その他の水資源開発公団法に委任されております政令関係を一括した公団法施行令でございますが、これを一応お手元粗案として提出申し上げております。大体の進行状況は、この粗案に基づきまして、法制局の第一読会を終わっております状況でございまして、なお若干の修正等がございますが、特にこの際申し上げておきたいことは、相当なものが政令に委任されておるわけでございますけれども、まだ若干、各省との意見調整ができていないところもございますので、その部分を待ちますと、施行令の全体の制定がおくれます関係上、まとまりましたものにつきまして、とりあえず三月末までに制定をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。  以上、簡単でございますが、終わります。
  4. 大河原一次

    委員長大河原一次君) それでは、前回に引き続きまして、質疑を行ないます。  御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  5. 田上松衞

    田上松衞君 藤山長官にお伺いいたします。公団資本金、すなわちそれは政府出資金ですが、その額を当面三億円か適当と認定された根拠は。——まあ言いかえますならば、三億円算定理由ないし根拠、これをひとつ御説明願いたいと思います。
  6. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 今回、公団発足にあたりまして初度調弁費用が相当必要だと思います。将来、それぞれの企画によって出資金考えますことは第二段といたしまして、一応、そういう意味において三億円を要求いたしたわけでございます。  こまかい内容等につきまして、事務当局から御説明いたさせます。
  7. 曾田忠

    政府委員曾田忠君) お答えいたします。公団出資金の問題でございますが、これも、一昨日の委員会におきましてお答えいたしておきましたように、いろいろな経緯があったわけでございますが、とりあえずの措置といたしまして、公団発足にあたりまして相当の初度調弁費をみないことには、職員の住宅とか、建物の借り上げとか、いろいろの費用が要るということが、この公団出資金といたしました大きな理由であり、また金額も一応、そういうような目安に基づきまして三億円ということを御決定いただいたわけでございます。  いろいろそれ以外の考え方といたしましては、やはり公団といたしまして、いろいろ複雑な事業をやるわけでございまして、何といいますか、公団運営の円滑、安定という意味におきましても、資金が要るという関係で、一口に言うと、こういう今後の公団運営円滑化ということで、とりあえずただいま申し上げた三億円の出資をお願いしたわけでございます。
  8. 田上松衞

    田上松衞君 私が伺っている要点が違うのですよ。私は、これを資本金が要るのだ、そしてそれは当面政府が全額を出すのだ、そういうことはわかるほどわかり切っているのです。ただ、お伺いをしている点は、三億円というものをはじき出したその根拠をお伺いしているわけです。どこから積み上げて、あの三億円という数字が出たのかという、その点をお伺いしているわけなんです。質問に答えて下さい。
  9. 曾田忠

    政府委員曾田忠君) 先ほど申し上げましたように、この公団のとりあえずの初度調弁費といいますものは、初年度におきましては、大体一億円程度考えております。しかしながらその出資金理由は、必ずしも初度調弁費だけをまかないませず、先ほど言いましたように公団運営円滑化ということも大きな問題でございますので……。
  10. 田上松衞

    田上松衞君 いやそれをお伺いしているのじゃないですよ。三億円という数字を出した根拠をお聞きしているわけです。どういう算定だったか。根拠があるはずでしょう。大体一億円を見込んでいるとか何とかいうことでなしに、これこれだからこれだけ要るのだという、その算定根拠をお聞きしているわけなんですよ。
  11. 曾田忠

    政府委員曾田忠君) 算定根拠といいますか、といたしまして申し上げられるのは、大体三十七年度におきましては、初度調弁費に一億ということをわれわれは考えております。これは先ほど何回も申し上げますように、この出資金といいますものは、その初度調弁費だけについて考えるべきものではなくて、今後の公団事業円滑化ということも当然頭に入れなければならないということで、できるだけ、率直に申し上げますと、出資金は多いほうがいいわけでございますけれども、そういう公団のまだ発足早々でございますし、具体的にどういう資金計画がいいかということも、まだ基本計画も未確定なところでございますので、はっきりした数字は実は出せなかったわけでございます。その初度調弁費として一億、それ以外に今後の公団運営ということを考えまして、とりあえず三億ということをお願いしているわけです。
  12. 田上松衞

    田上松衞君 くどいようですが、淀川についてこうだ、利根川についてこうだというような各河川に対する開発のために、これこれを今年度に進めたいからこれだ、というようなところまでいっていないということなんですね。そう了解すればいいんですか。
  13. 曾田忠

    政府委員曾田忠君) お説のとおりでございまして、三十七年度に行ないます事業は、現在建設省で行なっております事業をそのまま引き継ぐわけでございます。引き継ぎの事業やり方も、今までどおりのやり方を行なうという考えを持っておるのでございまして、先生お話のとおり、淀川あるいは利根川の三十七年度で行ないます事業に要する資金の問題ではございません。
  14. 田上松衞

    田上松衞君 この際、意見は抜きにいたしまして、次の質問を申し上げると大体わかっていただくと思うんですが、たとえば料金の点に入ってみて、農業用水あるいは工業用水上水道用水等、当面必要な水量を、どの程度にお見込みになっておるか、そしてその料金は、どれくらいが適当だろうというようなお考えを持っておられるのか、これは長官からお聞きしたほうがいいと思います。
  15. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 御承知のように、この水資源公団が仕事をして参りまして、できるだけ、何と申しますか、安い、あるいは受益者における負担が増大しないようにやることは望ましいことなのでございまして、そういう点を考えますと、ある程度政府出資をいたしまして、そして農業関係、その他水資源利用、それに対する料金というものを考える必要があろうかと思います。  ただ、財政事情等関係もございまして、愛知公団が出発いたしましたときに、必ずしも資本金が十分でなかったわけでございまして、そういう意味から申しますと、われわれとして、大蔵省に対しても、できるだけそういう趣旨説明いたしまして、率直に申し上げますと、もう少し多額の金額を出していただくようにお願いしたわけでございますが、なかなか、諸般事情等もあり、愛知公団の例もありますので、やれるのじゃないかというようなお話もございまして、この程度話し合いをつけたのでございます。しかし、これが将来やはり一つの例となって、そういう意味における資金出資の道が開けていく、こういうようなふうに考えるわけでございます。
  16. 田上松衞

    田上松衞君 基本調査等がまだ十分なされていない、いろいろなそういう関係等から、確実な御予定をお伺いすることは無理だろうことは百も承知なんです。承知なんですけれども、およそこれを発足してやろうという段階で、少なくとも経済企画庁としては、大体、工業用水はこれぐらい必要だろう、あるいは農業用水これだけなければならぬだろう、そうすると、料金に関連しては、今まで、ただみたいに使っておったところの農業用水等に対して高くしなくちゃいかぬから、これぐらいがいいじゃないかとか、あるいは上水道用水等につきましても、今言った、高くしちゃいかぬからどうだとか、したがって、そういう場合については、それぞれの事業者に対して、たとえば開発に要する工事費等を一部負担させることによって、料金にあれがかからぬようにしようとか何とかいうような、そういうような構想はなければならぬはずだと考えるのです。  この問題は、なぜ私がこう申し上げるかと申しますと、今まで各省が、世間でも知れ切っているようななわ張り争いをしまして、ああだこうだという案を出しておった。ほとんどつっこわしてしまうような状態になっておったのを、かろうじて一本化して、経済企画庁窓口になってやるということになったのであります。そういう経過を知っておる私どもといたしましては、それぞれが出した案というものの中に、およそそういうような見当はつけなければならないはずだったんです。ただこれを、話をまとめるために、経済企画庁が取り上げてしまったというだけの程度では、全くたよりない気がするわけなんで、そういう点についてのお見込みが、規模なり水量なり料金なりという、大体の見当が出てこなければならぬはずだ。そしてその上に立って、三十七年度は、これこれの事業しかできないんだ、これだけをするためには最小限度これだけ要るんだ、そこで当面三億円なら三億円というものが必要になってきたんだ、という理屈があるはずだと思うんです。そういうようなことは率直に打ちあけられて、そして若干考え直さなければならぬ点があるならば、お互いにすなおな気持でやってもいいんじゃないか、こういうような腹もありますので、それでこういう質問を申し上げているわけなんで、もっと的確にお答えできませんか。
  17. 曾田忠

    政府委員曾田忠君) お答え申し上げます。先生の今お尋ねの問題は、まことにごもっともな御意見だと思っております。特にこの水資源開発、いわゆる二法案ができましたのも、先生おっしゃる趣旨かと思いますが、特に問題になりましたのは、水資源開発公団法におきます要するに各水系基本計画というものの内容になろうかと思っております。  この点につきましては、われわれといたしまして、いろいろ各省から、それぞれの地域の水の利用の見通しというものを資料としてもらっておりますし、現在いろいろ各省調整中でございますが、非常にむずかしい問題を含んでおりますし、特に水資源開発審議会という機関に十分お諮りをする必要があるかと思っております。早急に各水系ごとに水の利用状況というものを現在とりまとめ中でございます。一応の数字は、実は持っておりますけれども、それぞれ関係都道府県実情等も、私どもといたしましても、十分承知しなければなりませんので、各省資料だけでなく、十分各都道府県知事意見をも聞きまして、一応の予算を作りたいという段階でございます。現在、どういう状況になっているかということの御発表は、残念ながらいたしかねる状況でございます。御了承願いたいと思います。
  18. 田上松衞

    田上松衞君 無理な点にまで入ってしまったので、この際、要望申し上げておきます。  長官も御記憶にあるだろうと思うのですが、この問題がずっと前に出されたときに、さっき触れましたように、各省が非常に深刻ななわ張り争いをやって、こういうような行き方では、国民要望にこたえるなんということは程遠いということで、私は本会議におきましても、これを一本のものにしなければだめだと、この一元化を実は強く要求したわけであります。結果において、今経済企画庁窓口になって一本化されておりますことについては、希望が達せられた感じがいたしますので、これでこそ、国民要望にも沿えることだろうと喜んでおったわけです。  ところが、せっかくここまできたのだけれども、まだどっちかというと、この問題はおそきに失するくらいのことなんです。地盤沈下はどんどんやってくるわ、いろいろな工場の分散等の問題もあるわ、もろもろの問題がやってきまして、早くかからないと間に合わないという状態、こういうような現実の問題を考えていきます時分に、この際は、企画庁は何をおいても、この問題をなるべく早く現実事業としてやっていくように歯車を回してもらわなければ困る、そういう観点から今日の段階ではいろいろな不備や故障があるとしても、結論的には賛成しなければいかぬという考えを持っているわけですけれども、今お聞きしたとおり、どうも内容がまだいろいろな支障が次から次起こって、一向軌道に乗っていかないという点、まことに遺憾だと思っておりますので、一刻も早く、これを固めていって、強力に推進をはかっていただくように、この際要望を申し上げておきます。  次の質問に移りますが、この前の委員会のときに、私は愛知用水公団統合してみたらどうだろうと申し上げたのに対しまして、藤山長官はどうもそれはいろいろな問題があって、今すぐはできないのだという趣旨答弁があったわけです。ところが先月の二十八日です、衆議院でこの法案の締めくくりに対しまして附帯決議がつけられたわけです。その附帯決議内容参考資料として、ただいま手元に配付されたわけですが、「政府は、水資源開発重要性緊急性にかんがみ、本公団発足後速かに愛知用水公団統合し、わが国の技術経験を総合的に活用して強力なる水資源開発措置を講ずべきである。」こういう決議がされたわけであります。これは全会一致なされております。その意味において参議院だって同種の問題をやっておるわけです。  ところがこれに対しまして藤山長官発言を求められて、「ただいま水資源開発公団法の一部改正にあたりまして、附帯決議がございました。私といたしましては、十分その御趣旨を尊重いたしまして善処したいと思います。」という明確な答弁をされておるわけなんです。こういう御答弁を二十八日になされていて、一昨日でしたかの私の愛知用水公団統合に対しましては、とてもじゃないが、それは無理だという趣旨の御答弁をされたのだ。これは一体、衆議院に対してはいいかげんなその場当たりのことだけを言われたのか、この食い違いを、一体どうしてくれるのですか。十分趣旨を尊重して善処するという意味は、一体具体的にはどうなんですか。
  19. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 衆議院附帯決議も、当然国会の附帯決議ですから尊重していくべきでございます。また政府としても、御承知のとおり前官房長官が言われておりますように、できる限り諸般の条件を整えて、そうして将来、これの解決をはかっていくということを言っておられるわけでありまして、世銀の借款もございますし、そういうような周囲のすべての問題を片づけて、できるだけすみやかに御趣旨に沿うように努力して参りたいと、こういうふうに考えておるのでございます。すぐに、何かこの日からというわけには参らないことは、この前の委員会のときにも申し上げておいたと思います。  また、衆議院でも、そういうことは申し上げておりますけれども、できるだけすみやかにやっていくことは、われわれも努力して参りたいと、こう考えております。
  20. 田上松衞

    田上松衞君 今すぐできないということについても、これは実はよく了解しておるのです。お話がありましたような、もろもろの問題があって、そう直ちにはいけないだろう。しかしこれも、できるだけこれをすみやかにしていって、とにかくあそこで愛知用水公団があの技術、あの経験、こういうものをたっぷり持っているわけですから、今度できるあやふや——あやふやというと言い過ぎになるかもしれませんけれども、何だかたよりないもので別個に進めていくというよりか、むしろそれを中心として、できる方面からあれは解きつつ、解除しつつ十の力というものは今度の公団に与え、私はそれを注入していくことが誠実だと考えるのですよ。したがって、やるとはいうのだけれども、それは時期をいっていないのだ。何かしら言いかえるような、アメリカが沖繩返還の問題に関するようなこと、返すのは返すのだけれども、いつごろといっていないというような、あまりに政治的な意図が、どうもこの種の問題について、それを当てはめられちゃ困ると考えるわけです。繰り返して申し上げておくように、これは国民の待望しておることなんです。いつだろうということを、あれしておるわけなんですから、この愛知用水公団統合の問題も、もう一ぺんくどいようですけれども、なるべく急速にするというような御答弁が望ましいわけなんですが、重ねてひとつ御見解を披瀝して下さい。
  21. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) お話のように愛知用水公団の持っております技術経験、これを生かしていくことは、これは当然なことでございまして、したがって、それを十分取り入れていくということが、愛知用水公団が縮小されていきます過程においても、これは当然のことだと思います。それによって対処できると思いますが、できるだけすみやかにわれわれとしては、お話のような方針のもとに問題の解決をはかって、そうして進めていくというつもりでおります。
  22. 田上松衞

    田上松衞君 もう一点だけ最後にお聞きしておきますが、関係都道府県との間のいろんな話し合い、打ち合わせ、そういうようなものは円滑にいっていますか。これも正直にひとつ教えていただきたい。
  23. 曾田忠

    政府委員曾田忠君) とりあえずの問題といたしまして、現在水系指定につきまして、各都道府県知事意見を求めておるわけでございますが、これもわれわれといたしましては、ただ文書だけでなくて、利根川につきましては、東京に集まっていただきまして、また淀川水系につきましては、こちらから現地におもむきまして関係者の御審議を願って、いろいろ内容説明して参っていたわけでございますが、現在のところでは、特に、いろいろ御意見はあるようでございますが、相互に円滑にいっているというふうに考えております。
  24. 田中一

    田中一君 二十条の二の「事業承継等」この事業承継というものは、公示の翌日からやるのだということに法にはなっておりますが、今回特例を設けなければならぬということの理由ですね。これは事務的なものが相当あると思うのです。  そこで承継される事業というものが、指定しようというものが全部されないものがあるというのは、どういうものかということですね。具体的にいうならば、事務的にとても間に合わぬから、とりあえず都道府県がやっておるものは都道府県がやっておるものとして、そのまま残しておいて、逐次話し合いのもとに吸収していくということだと思うのですが、これは、長官でなくてけっこうです。河川局長、それから農林省の双方から、ひとつ説明を聞かして下さい。
  25. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 建設省関係では、事業承継考えておりますのは、現在事業を実施をいたしておりますダムについて考えております。したがって利根川水系では矢木沢、下久保の二ダム、それから淀川水系では高山ダム、これらを考えております。
  26. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) 農林省関係事業の引き継ぎは、これは時期がまだはっきりしておりませんですが、現在印旛沼の干拓事業を行なっております。これは歴年でございますが、本歴年中に引き継ぐような計画で、現在事業を進めているわけでございます。
  27. 田中一

    田中一君 これに関連する事業というものですね、これはむろんこの目的は、いわゆる水の利用については二重投資を避けようじゃないか、なわ張り争いをやめて、一元的に円滑にやっていこうということは、都道府県が行なっているところの干拓事業等もあると思うのです。  それらの事業は、どうなっておりますか。現状における話し合いというものが——これはだれに聞いたらいいのか、結局経済企画庁が主管であるけれども、直接実施するんではないんだから、結局でき上がる水資源公団の総裁にでも聞かなければ方針が明示されないと思うのですが、とりあえずこの建設の考え方として、それが経済企画庁のほうに、集約された結論というものが何かあるだろうと思うのですが、それらのものを、どういう工合にやっていますか。むろんそういうものが、事業費としての予算の中には相当織り込まなければならない、織り込まれてくるはずのものである。しかし当面、それがあるならば、——あるいはないならば、どちらでもいいですが、こういう事業は、こうしてこれに承継していくんだという具体的な説明をしていただきたいと思います。
  28. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 都道府県が現在やっております事業で、公団に引き継ぐものがあるかどうかという御質問だと思うのですが、建設省関係では、その点は現在考えておりません。
  29. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) 農林省関係でも、府県の関係で引き継ぎを特に除外するというようなことはございません。
  30. 田中一

    田中一君 そうすると、たとえば農業用水の水路は、幹線となるべきものだけが計画されているものであって、したがって、それ以外の自分の灌漑用水にしても、自分の田畑に持っていくのは、それぞれ都道府県がそれをもとにして行なっているその事業は、むろんこの事業に入らぬけれども、そういう点は、どこで区切りをつけて、どこまでの事業を行なうということになるのですか、具体的に。
  31. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) 先ほど申し上げましたように、農林省関係で引き継ぎを予定しておりますのは、灌漑排水事業は現在ございませんで、干拓事業だけでございますので、先生の御質疑の点は、具体的な例が実はないのでございます。しかしながら、かりにあるといたしましたらば、やはり御指摘のような国営相当分を当然これは黙って引き継ぐ。それから県営、団体営の分は、県営の一部をあるいは引き継ぐか引き継がないかということは、国営事業との関連において引き継ぐということになろうかと思います。  なお、御参考までに申し上げますと、愛知用水では国営相当分、県営相当分、それから団体営相当分、これを全部一括して公団が行ないます。この水資源公団農業用水を行なう場合には、ただいま申し上げましたように引き継ぎについては、灌漑排水事業がございませんものですから、まだその点十分に煮詰めておりません。
  32. 田中一

    田中一君 そこで、その次の問題ですが、事業承継に伴う人事の問題、これは大体その現場というか、その事業を担当している人たちは、全部そのまま移るのだという考え方に立っているのか、公団が新しく任命をするのか、幅広くほうぼうから人材を集めて新しく作るのか、その人は、全部そのまま承継されていくのか、その点はどういうふうに考えるのですか、建設省と農林省にお伺いします。
  33. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 現在建設省でダムを実施いたしておりますが、そこにもちろん職員がおりますが、その職員が、そのまま公団に行く場合が一番仕事がスムーズに引き継がれていいのではないかと考えております。  ただし、いろいろな条件あるいは事情で、公団には行きたくないという人もあるかと思います。そういう点をいろいろ考え合わせまして、事業承継をスムーズにやりたい、こういうように考えております。
  34. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) 農林省関係も同様でございます。なお印旛沼干拓事業に関しましては、定員及び予算上の措置といたしましては、十カ月分の予算を農林省に計上いたしまして、その後の分は、定員が水資源公団に行くという想定で、現在予算は処理して、おります。
  35. 田中一

    田中一君 それは、どういうことになるのですか。そういう点の話し合いが、当該労働組合等との話し合いが進んでおらないのですか。もっともそういうものに話をする必要がないというのか、いやな者はいやでよろしいし、来たい者は集めるのだという態度で臨んでいるのか、その点は解決されておるのですか。
  36. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 公団がまだ発足いたしておりませんので、ただいま準備の段階でございますが、結局問題は、公団に行く、公団の職員となる者の給与、手当が問題になってくると思います。それがどういうふうになるかということは、公団ができる準備の段階におきまして、もちろん建設省においても考えていろいろやっておりますが、まだはっきりと職員の待遇という点につきまして、結論が出ていない段階でございます。  しかしその段階の途中におきまして、いろいろ事業承継につきましても、非常に現在ダムで働いておる諸君は、関心の深い点でございますので、こういうふうになるであろうというようなことは、いろいろ職員に話をしたりというような段階でございまして、まだ納得しているというような段階には至っておりません。
  37. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) 農林省の場合は、印旛沼と手賀沼の両方の沼の干拓事業、あわせて一つでやっております。したがって、定員関係では、両方合せて百二十四名の定員になっております。そのうちで印旛沼関係だけで申し上げますと、八十六名……。分離の仕事が残っておりますので、多少建設省の場合よりは、事情が複雑かと思いますが、処理の考え方は、全く同様であります。
  38. 田中一

    田中一君 大体、こうした公団等に出向するというよりも、転勤する職員の給与というものは、一応今まで数ある同種の機関の処遇から同じのものであろうということを予想しているわけなんです。今どういうことになっておりますか。われわれが今まで国会で政府から答弁を受けているのでは、大体において一割五分程度のベース・アップと申しますか、待遇はよくして持っていくのだ、行ってもらうのだ、それから、かつては国家公務員のままでやった場合もありますが、最近は分離されております。したがって、提出された資料の二十九ページにある、国家公務員等退職手当法施行令の一部改正でもって、大体同じになるのじゃなかろうかと思うのです。で、法律第十七条で、職員は——役員はむろんですが、役員、職員は、「公務に従事する職員とみなす。」ということになっておりますから、同等なものであろうと思うんです、権利としては、しかし従来の慣例からいうと、常に一割五分程度のベース・アップはされるんだというように、われわれは了解しておるんですが、この公団の場合には、そういう点は、どういう考え方に立っておるのか。これはだれに聞いていいんだか、長官は、そんなこまかいことおわかりにならぬでしょうから。
  39. 曾田忠

    政府委員曾田忠君) お話のとおり、従来の公団等の例に従いまして給与をきめたい、こういうふうに考えております。
  40. 田中一

    田中一君 その公団に最初に就職する給与というものは、そういう今、曾田局長が言っているような答弁——現状においては、実際上どうなんですか。何といっても、国家機関から向こうに転出した職員は、なるほどそのとおりで——そのとおりになると思います。しかし、これはやはり同じように相当伸びがいいんです、いわゆる出世もするんです。しかしながら、公団そのものが直傭したところの職員というものは足踏みをするというのが現状なんです。だから、常に政府機関関係の労働組合が、わっさわっさ騒ぐのはそれなんです。だから、国家公務員よりも一割五分待遇がいいんだというような出し方で、必要な、また大事な、現在従事している職員というものを、そのまま横すべりさせようという考え方よりも、もう少し基本的な態度をぴちっときめていくべきではないかと思うんです。そして、何があっても国家公務員——恩給、退職手当等は、これは今度の共済組合法によって統一されておりますけれども——社会的な地位と申しますか、何か国家公務員優先というような印象を国民に与えている現状から見ても、その点はやはり、今言っているとおり、一割五分上げて持っていきますよというようなことだけで、私済むものじゃないと思うんです。で、どういう形で持っていくか。出発しても、全然サボタージュも——国家公務員のはずですから、これはもうストライキはむろんできないでしょうけれども、やはりトラブルは生じてくるわけなんですから、すっきりした形でもって態度をきめておいて、来る人は安心してくる、いやな人は来ないわけなんですから。で、その点を、どうしても必要だからといって、河川局長あたりに、何というか、強く介入されると、不本意ながら行かなきゃならぬというような印象を受けることも、これはその事業のためには好ましいことじゃないんです。  その点は、どういう形で持っていくか。これは長官、ひとつ態度を——ことに今度の場合には出会い丁場です。いわゆる国家公務員の各省の出会い丁場になるんで、その点の態度を明らかにしておいたほうがいいと思うんです。
  41. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) お話のように、各省事業を引き継ぐことでもございますし、また、公団自身新しく採用する人も当然できて参ります。あるいは、先ほどのお話のように、愛知公団等とも技術と提携を持った方を入れていくということもありますし、各方面からの、いろいろな人事構成になっていくわけであります。これが一体となって、円満に運営をして、能率的に仕事をしていくという場合には、御指摘のとおりに、給与関係というものは非常に大きな問題だと思います。公団はまだ発足いたしておりませんので、その点につきましては、公団発足と同時に、あるいは総裁等に対しては、私どもも十分な注意をいたしまして、そして、それらの受け入れ態勢等について、万遺憾なきように、そして現場に有能な技術者が得られるように進めて参りたい、こう思っております。
  42. 田中一

    田中一君 ここにある——まあ今、長官から愛知用水公団の問題も出ましたけれども愛知用水公団の中でも、水資源公団のほうに一緒になりたいという職員の動きもあるのです、これは。これは職員の動きですが、これはもう政府考えている、こうした公団を作るための、作る必要性とマッチしているわけなんです。  そういう希望者があれば、それも喜んで吸収していくというような気持でいるのですか。これは農林省が——愛知用水公団は特別のものだけれども、監督権は農林省が持っているのでしょう、どうです。
  43. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) 水資源公団のほうに採用するのは、私たちのほうじゃございませんですが、推薦は私のほうが、公団の職員でそういう希望者がございますれば、新しい水資源公団のほうの人員の計画その他と見合いまして推薦いたすつもりでございます。
  44. 田中一

    田中一君 じゃ、ちょっとこの第二十条の二の三項をもう小し具体的に説明してもらえませんか。
  45. 曾田忠

    政府委員曾田忠君) これは逐条説明に若干詳しく申し上げたつもりでございますが、具体的に「国が有する権利及び義務」といいますものは、どういうものかと申し上げますと、工事中の、未完成の施設のほか、当該事業に使用されるか、または使用されるものと決定されておりまする事務所とか、倉庫、車両、機械器具、まあそういうものの所有権とか、あるいは工事の請負契約、工事材料の購入契約等の法律関係、そういうものを考えておるわけでございまして、政令で除かれるものといたしましては、治水特別会計で、過去におきまして、地方団体の負担金の納付を地方債償還で行なっておりましたが、そういうものはやはり公団に引き継ぐ意味がございませんので、それは治水特別会計にそのまま残す、そういうふうな意味でございます。
  46. 田中一

    田中一君 じゃ、長官に。とりあえず三十七年度の公団事業というものは、資料で拝見いたしましたが、大体利根水系淀川水系に一応限ろうという考え方に集約されるのですか。その点はどうですか。
  47. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 一応審議会等にもお諮りいたしましたのは、両河川についてお諮りを申し上げたのであります。  したがって、われわれとしても、公団発足当時でございますから、そう手広く仕事はできないだろうと思いますし、両河川についても、相当な広範な調査も必要でございますし、計画の策定も必要でございますが、まあ最初は、そうならざるを得ないのじゃないか、こう思っております。
  48. 田中一

    田中一君 これは河川局長並びに農林参事官から、利根川水系淀川水系に対して将来の計画——三十七年度はこれは明らかになっておりますが、将来の計画を推定して、どれくらいになるか、どういうところがあって、どのくらいの規模になるかということを、ひとつ概略でいいですから説明していただきたいと思います。図面が資料としてありますから、われわれは図面を見ながら伺いますから……。
  49. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 建設省考えておりますのは、ダムといたしましては、渡良瀬川の上流に神戸ダムというのが図面にありますが、この神戸ダム、それからずっと利根川の河口に参りまして、河口堰、それから、そのちょっと上に霞浦というのがございますが、これも入れたらどうか。これらのダムをさしあたり考えている段階でございます。
  50. 田中一

    田中一君 そうすると、現在工事中のものは矢木沢ダムと川俣ダムですか。下久保ダム、品木ダム、薗原ダムはどうなんですか。
  51. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) この図面の斜線が工事中でございまして、斜線のうちただいまお尋ねの薗原、品木、川俣……
  52. 田中一

    田中一君 二瀬は。
  53. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 二瀬はもう進行しておりますので……。なお、神奈川県に城山とございますが、これらは公団承継しない、現在どおりやっていくと、こういう方針でございます。
  54. 田中一

    田中一君 今考えられているものの事業費としては、どのくらいになりますか。
  55. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) だから矢木沢下久保ダムにつきましては公団でやることになりますが、それ以外の……
  56. 田中一

    田中一君 総経費。
  57. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 矢木沢ダムにつきましては、総事業費といたしましては九十八億というふうに考えております。下久保ダムにつきましては百八十億。それからなお今後やるものにつきましては、現在調査中でございますので、はっきり総事業費算定までは至っておりません。
  58. 田中一

    田中一君 あとは神戸ダムと、それから合口堰、それから霞浦ですね。
  59. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) そうです。
  60. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) 農林省のほうで現在やっておりますのは、この図面にございます印旛沼の事業、これが昭和二十一年に着工いたしまして総事業費約百二十億円でございます。現在継続中でございます。それから計画といたしましては、今先生のおっしゃいました合口堰、これは現在は国として着工はいたしておりませんが、調査を行なっているわけでございます。まだ調査の段階でございますので、事業費も非常に概算でございますが、約二百億円前後ではないかというふうな想定をいたしております。なお、淀川関係には特に農業用水関係事業はございません。
  61. 田中一

    田中一君 そうすると、幹線水路はどういうことになります。どこがどういう工合に……。
  62. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 幹線水路につきましては、現在建設省で図面にございます第一幹線水路、これを調査をいたしております。
  63. 田中一

    田中一君 これは建設省ですね。
  64. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 建設省で調査をいたしておりますが、これは何省の所管になるかにつきましては、今後審議会その他いろいろ基本計画等で決定されるべき問題じゃなかろうかと考えております。もう一点は、印旛沼から千葉、江戸川のほうへ参ります下部導水路、これも調査をしている段階でございます。
  65. 田中一

    田中一君 昭和放水路はどういうことに計画されているんです。
  66. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 昭和放水路は利根川水系全般の治水計画の一環として計画はございますが、ただいまのところ何年度から着工するかということはまだ未定でございます。
  67. 田中一

    田中一君 小見川の堤防等も十年前から問題があってまだそのまま解決されない。それにはやはり昭和放水路がどのくらい早くできるかということによってきまるんですが、現在、小見川関係の災害対策としてはもう十分なっておるんですか。
  68. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 小見川の改修にもやはり昭和放水路は関係することはただいま御指摘のとおりでございますが、現在の計画におきまして堤防工事あるいは護岸施設等を現在施行中でございまして、まだ小見川は完成というところまで至っておりません。なおそれをさらに完璧にいたしますためにはやはり昭和放水路が必要である、こういうことでございます。
  69. 田中一

    田中一君 では淀川水系
  70. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 淀川水系の図面のうち、公団で来年度からやる分について申し上げますと、工事中、斜線の分でございますが、それのうちの高山ダムでございます。なお、斜線でもう一つ夫ケ瀬ダムがございますが、これは承継しない予定でございます。それからなお淀川の下流、大阪に近いところに長柄堰というのがございますが、これのかさ上げを公団で来年度やるという予定でございます。  なお、そのほかに高山ダムの上流のほうに宇陀川、青蓮寺というダムがございますが、これは将来公団でやったらどうか、こういうふうに考えております。  なお、公団でやる一番大きい問題は琵琶湖の開発、これは公団でやるべき事業である、こういうふうに考えております。
  71. 田中一

    田中一君 農林省はこちらはございませんか。
  72. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) ございません。
  73. 田中一

    田中一君 先ほど田上委員も言っているように、ずいぶん施設の面と利用の面で争ったものですけれども、結局こうして集約されてみると、大したことないんですね。農林省の現在やっているあそこは、干拓するなんということはもうやめちゃって、あれは用水池にして水資源の保有池ということが性格上いいのじゃないかと思うんです。終戦直後のああいう姿で食糧問題から干拓云々ということが起きましたけれども、あそこに水をためておくことがどれだけいいかということは考えられると思うんです。  それから今伺ってみると、大体において建設省の仕事がそのまま来るということになるんですが、その他用水等の農林省が行なっている砂防堰堤なんかはそういう関連事業として含まれないんですか。  それからもう一つ、災害等が起こった場合に、やはり築造されるダムの上流なり下流なり、あるいはどこかにそうした意味の災害を守るための国土保全の面からの施設等が、関連事業として行なわれるのじゃないかということが考えられますが、その点はどういう想定のもとにいるんですか。
  74. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 砂防事業の点でございますが、これは公団法ができます途中の段階におきましてもいろいろ問題になりまして、やはり関連するものは公団でやるようになるのじゃなかろうか。ただ現在のところ具体的にどの地方でやるということは考えておりませんが、特に琵琶湖の開発等につきましてはそういう点を重視してやる、こういうことでございます。
  75. 田中一

    田中一君 農林省……。
  76. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) 私どものほうでやっております治山関係のダムでございますが、これはここでは考えておりません。
  77. 田中一

    田中一君 どうも利水の面にのみ重点を置くということは当然でありましょうけれども、少なくとも水の利用考えた場合、その水を守るということを考えなきゃならぬと思うのですよ。従来いかにダムを作っても長野県の美和ダムのように、作って三年目にはもはや三十年分の土砂が入って、水源の確保というものはそれだけ減ってくるというような場合も考えられますと、ダムの上流の砂防というものは、この公団事業というように割り切ったらどうなんですか。それが府県単独のものもあれば、補助事業もあれば、国の直轄するものもあればまちまちなんです。ことにまた建設省なり農林省が相変わらずそれらのものに対しては、昭和初めの申し合わせというものをお互いに侵し合いながら、お互いにというか農林省は侵してます、確かに私が見ただけでは。ちぐはぐな水源の確保をやってる。水資源を確保するための非常に多目的な公団事業でありながら、なわ張りで常にそれが侵されているのです。水資源がまるでさいの河原みたいに積んじゃくずし、積んじゃくずしでもって、事業があってあなた方の生活権というものは守られるかもしれぬけれども、そんなものであっちゃだめだと思うのです、国土保全というものは。これは長官に伺いますがれ。築造される水資源の確保のためのこうした施設の上流にある保全ということを考えておらなければ、これは意味ないんです。長官、四月になれば予算も通って楽になるでしょうから、私が案内しますから見に行きましょう。ほんとに見なきゃだめです。今まで企画長官というものは経済問題には熱を上げて財界人と会ったりして、大いに何かいいような、いろんな面のプラスになることあるかしらぬけれども、こうした国民生活、生命にも密着しているこういう国土事業というもの、総合開発というものに対して強い熱意を示してほしいんです。四月になったらば一つ案内しますからね。場合によったらあなたが案内してくれてもけっこうです、あなたのほうが費用があるでしょうから。そうして見ようじゃないですか。一応これも年度内に通さなきゃならぬ法律だと考えるから通すは通すとして、実際に今後公団がどういう形で仕事をするか、今までの宿弊です、なわ張り争いです。予算の獲得戦争なんですよ、官僚の。失礼しました、今官僚と言わない、国家公務員の幹部諸君の……。そうして国土保全事業というものをおくらしているんです。災害待ちの国土保全事業なんです。災害待ちは確かに選挙民といっちゃおかしいけれども、地元の人たちは予算が流れてきますから喜ぶものなんです。しかし被害を受けた者は生命財産を失うのです。そういう意味で今後の水資源公団ができることによってその水系、まあ仕事をする者はいろいろ当面の理由があるでしょうから、今伺った面は面として了承しますけれども、なおこの上流の水源に対しては今までの農林省、建設省が常に争っておった。そのために国民が非常に迷惑しており、生命財産を失っておるというこの施設に対しては、抜本的な対策をとるために、水資源公団に全部その事業場を委譲するということなんかも考えていいんじゃないかと思うんですよ、かりにそれが建設省なり農林省でもっていつも話し合いがつかないならばですよ。その点は長官どう考えています。あなたダムの上流の山、川をお歩きになったこと何回くらいあります。
  78. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 今お話のように各省それぞれ仕事の立場からいろいろな御主張があったのでございましょうし、それはそれでそれぞれの理由があったと思いますが、水資源の活用という大きな見地から、建設省も農林省も、大局に立って、話し合いの上で両者一致されて、こういうふうな公団を作り水資源開発の促進法を作るということになったわけであります。その点今後こういうものができて参りますと、両省におかれてもやはりこれを中心にしてそれぞれ調整もされていかれることだと思うので、単純に建設省と農林省とがけんかをされていくということにはならぬように運営がされていくべきものだと、こう考えております。また企画庁としてもそういう立場に立ちまして両方の御意見等も伺って、そうして十分両方のそれぞれの目的を達するように御協力申し上げていくことは当然のことですし、また公団運営にあたってもその面から努力していくという立場運営して参らなければならぬと思います。そうして御指摘のように無駄のないように、そうして現実に今御指摘のような、せっかくダムができたけれども砂で埋まってしまうというようなことのないようにやって参らなければ効果的じゃないわけでありますが、そういう点について別に、その目的ということ自体については、建設省としても農林省としても御異論があるわけではないのでありますから、その点は十分公団運営の上においてわれわれも注意しながら、両者とも相談の上で運営をしていくということにいたしたいと思います。
  79. 田中一

    田中一君 それであなた何回くらい歩いていますか。こういう法律案、今度この一部改正を提案するということについては、やはり上流のそういう事態を知って、各省の机の上の調整じゃないんですよ、事業のほんとうの本質の調整をしなければならないのです。こういう今説明を聞いていると、何も農林省に——農林省じゃない建設省の仕事じゃないかと感ずるわけですよ。手賀沼や印旛などは今までやっているのです、そうしてみんな建設省の仕事じゃないかというふうに感ずるのですがね。多少農業用水ということになると、利用の面では必要があるけれども、建設の面からいったならば九割九分建設省の仕事じゃないかというような印象を私は受けるのですよ。長官、それで行きましたか、どっかへ、見に……。
  80. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) はなはだ申しわけございませんけれども、昔私は山岳会で山登りをしておりますので、地点の名前くらいのことは存じておりますけれども現実にまだこういうふうな新しい方針のもとに、水資源のあれをいたすためには参っておりません。
  81. 田中一

    田中一君 それじゃ四月に行こうじゃないですか。そうせぬと指導ができるはずありませんよ。この委員をごらんなさい。この委員は御承知のように皆建設省の息のかかった者、農林省の息のかかった者、いろいろ多種多様です、そうして皆、息のかかっている人、戸籍がどっかにその二つか三つあった人が集まっているのが多いんです。ことに各新聞社等、毎日新聞の奥野さんなんかも入っておりますけれども、これは実態をお調べにならないで書類の上の論議をなさるので、実態を知っている者にかなわないから押しまくられてくるということなんです。ぜひとも四月になったら長官はそういう私が申し上げているように、その水源の上流の一切の国土保全という事業を一貫して行なわなければ、効果は百年は有効だと言われているものが三年、五年で無効になってしまう、効力を失うのです。そしてまた新しい災害が発生するわけですから、四月になったらばぜひ行くことに約束しましょう。
  82. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) どこへでも参りまして拝見さしていただきます。
  83. 田中一

    田中一君 そこでこれは山内局長、これはその水系、たとえば高山ダム、その奥へ行ったところに青蓮寺があり、宇陀川ダム等が予定されておりますが、これは全部やはり一水系淀川水系という幹線じゃなくて、木津川の水系として、それも全部国土保全の仕事も、これは農林砂防も、建設砂防もありません、一つになって行なうというような、両方で予算とってかまいません、仕事を向こうにまかすというような形でもっていくことはできませんか。ひどいものですよ。三重県などで山内君など知らなかったというけれども、五十メートルのところに建設砂防が二つある。その真中にでんと農林省が堰堤を築く。何がために築かなければならぬのか。それも同じ設計のものを築く。これはちょっと天下の奇観ですよ、ああいうところは。なるほどここにむだありというふうに感じたのです。そして建設省所管の事業なのか、農林省の所管の事業なのかわからぬ。上流砂防の間に、はさまっておる。これはよく参事官知らなければ案内します。そういう形の審議会で、そういうような真剣な提案は検討さしてみるということにしていただきたいです。これはとてもとても、建設省、農林省両方のやったのじゃ全然これは一緒にならない。もう四十年来の問題点であっていまだに解決つかないのです。話し合いいたしております、話し合いいたしております、なるほど各局長あたりは話し合いしているけれども、末端に行ったらたいへんです。何かというと自分の事業が減るから困る。だからどうしても人のために事業があるのだ。これはいけない。どうしても一水系一貫した国土保全ということを考え合わせながら、その見地から水の利用というものを考えるということを考えていただきたい。山内君どうです、その点は。
  84. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) たびたび御指摘をいただきまして、先般も三重県の鈴鹿川水系の御指摘を受けましたが、その後農林省と話し合いをいたしましておのおのの分野をきめております。今後同様に、やはりさらに農林省と話し合いをいたしまして、昭和三年の閣議決定の線に沿ってやるべく努力をいたしますが、なるべく同じ一つ水系についてはやはり一つの省がやったらいいと思います。この点十分留意してやりたいと思います。
  85. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) 御趣旨はよくわかりました。
  86. 田中一

    田中一君 そこで木津川水系高山ダムやるわけですから、今の局長、参事官答弁どおりの方法で行なうという考え方の立案を審議会に諮って下さい。これは長官にお願いします。長官だっておわかりでしょう。一つ水系にばらばらに入っては困るし、府県が入っても困る。それは府県の負担であろうと国の負担であろうと、一貫して公団がやるのだということは正しいと思う。それをひとつ長官、今度の審議会にそういう案件等も原案を作って諮ってもらえますか。
  87. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) よく両省の御意見を伺った上で、そういうむだのないようにひとつ審議会に諮ることにしたいと思います。
  88. 田中一

    田中一君 両省の御意見はだめなんです。両省の御意見はだめだから今あなたにお願いしたい。経済企画庁総合開発局というものがあるから、あなた見ておらぬからそれしか言えないのであって、四月に見ていただいて、自信を持ってそういうことをしなければむだが多くて、工事中にそれこそ高山ダムは事故があるかもしれません。そういう例がたくさんあるのですから、考えて下さい。
  89. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 十分ひとつ御趣旨に沿うようにいたします。
  90. 内村清次

    ○内村清次君 経済企画庁が設置法を改めて水資源局を設けようとされておりますが、その機構はどういうふうに構成されていくか、また公団業務の関係はどう処理されていくか、この点につきまして御説明願いたい。
  91. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 今こまかい点につきましては曾田局長から御説明申し上げます。これだけの仕事をやりますにつきましては、現在の開発局の仕事の中でやるわけには参りません。したがいまして今日までも、先ほどからいろいろ準備がないじゃないかという御指摘がございました。私もそう思います。しかし実際においてなかなか現在仕事が進まないものですから、今回水資源局を新設いたしまして、そして十分やりたいと思っておる次第であります。内容につきましては局長から申し上げます。
  92. 曾田忠

    政府委員曾田忠君) お答えいたします。水資源局の機構といたしましては、ただいま大臣がお話しいたしましたように、水資源開発関係の仕事と、それから現在調整局で行なっておりまする水質保全、この二つの仕事を水資源局で行なうわけであります。水資源開発関係の所管といたしましては、水資源課というものと管理課、これは主として公団の監督あるいは公団の監督の各省間の調整ということを行ないます。ただ水質関係につきましては、現在水質調査課と水質保全課とございまして、その二つの課を置くわけであります。
  93. 内村清次

    ○内村清次君 これは私たちもこの法案審議いたしまして、その内容の点からいたしましても企画庁のほうが窓口になる、こうされておりますならば、やはりこれを総合的に調整をしていくという見地から必要だ、こう私たち思っておるのです。たまたま最近臨時行政調査会ですか、調査会ができて、それで機構の大きな改革は見合わせていくというような関係も流布されておりますけれども、これとの関係で今国会でこの法案提出されておりますが、これはどういうふうな結果になっておりますか。見通しの点について。
  94. 菅太郎

    政府委員(菅太郎君) 経済企画庁設置法改正が目下衆議院に出ておりまして、明日内閣の委員会でたぶん御可決が願えるものと思っております。やがてこちらのほうに参ると思いますが、予算最小限度のものを今度大蔵省からいただいております。
  95. 内村清次

    ○内村清次君 それから水資源開発基本計画、実施計画等の作成にあたりまして国土総合開発計画及び電源開発基本計画等との調整が必要だ、こう速記録にも載っておるし、当然なことと私たちは思っておりますけれども、国土総合開発計画とどういうふうな調整を今後なさっていこうとされますか。
  96. 曾田忠

    政府委員曾田忠君) お答えいたします。国土総合開発、特に全国開発計画が一番その柱となっておるものでございますが、その全国総合開発計画におきましては、それぞれ産業の発展の方向とか都市の発展の方向、それに関連いたしまする公共投資のあり方、あるいはそれに必要な工業用水とか、上水道用水とか水の用途別の事業、そういうものを総合いたしました計画を目下策定を急いでおるわけでございますが、今申し上げましたように、産業の発展とか、それに伴いますこの水の需給といいますものは、当然この水資源開発基本計画に重大な影響があるわけでございまして、したがいまして水資源開発促進法にありますように、両者の調整をはかりまして国土の総合開発計画を円滑に進めて参りたいというふうに考えておるわけでございます。  なお、つけ加えて申し上げますと、全国総合開発計画といたしましては、そういうふうな全国的な規模で作るわけでございますが、他面、水資源開発基本計画は、この総合開発計画に基づきます事業一つの具体的な実施計画と、そういうふうにわれわれも解釈しておりまして、直ちにこの両者の調整が必要であるというふうに考えておるわけでございます。
  97. 内村清次

    ○内村清次君 これは昨年の基本法を審議します際に、この国土総合開発の問題は議題に供したわけです。その際に、これは二十五年以来その計画ができておらないというような状況は、大臣よく御存じのとおりですが、草案ができましたという答弁を聞いたわけですね。この草案というものは国土総合開発計画に対しましては審議会があるのですけれども、そうやった審議会におかけになって、そうしてそれを審議会で認められたというような経緯がありますか、どうですか。
  98. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 大へん国土総合開発計画の策定がおくれまして相済まなかったわけですが、昨年の七月に草案を作りまして、そしてそれに対しての広く世間の意見を聴取いたしております。四月の初めに審議会にかけまして、そうして草案に対して意見のあるところもつけ加えて、そうして最終的基本計画を策定いたしたい、こういうことで三月三十一日までに各方面の御意見をまとめていただくということで事務を進めております。大体できておるようでございますから、それを進めて参ります。
  99. 内村清次

    ○内村清次君 そうしますと、今回のこの公団法によりまして首都圏の整備計画というものが、先ほど利根川利水関係からいたしましても相当変わってきやしないかというような感じも受けるわけですが、この水資源開発基本計画を策定されるにあたって、この首都圏の整備計画とどういうふうな調整がなされていくか、これは具体的な案ができておりますか、どうですか。
  100. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) さしあたり水資源公団としては、いわゆる水不足と申しますか、水の供給を確保するという点が一番当面の問題でございますので——、その点について十分な仕事をしたいというのがただいまの目的でございます。むろん将来、国土総合開発計画の内部における首都圏整備の関係から起こってきますような水の問題等につきましては、今後首都圏の委員会のほうも、国土総合開発計画の中において、どういうように首都圏自体の拡大防止と申しますか、あるいは疎開と申しますか、そういうことも考えられるわけでございますので、そういうものと合わせて総合開発計画の中において、水資源開発のどこに重点を置いていくかというようなことも、今後それらとあわせて考えていく問題になろうと思います。当面は現在の水不足を解消するというようなところに基点がございますので、特別な変更はないわけでございます。
  101. 内村清次

    ○内村清次君 首都圏整備の委員長が来ていらっしゃいますがね、どうですか、この首都圏の整備計画と今回の公団基本計画というものが、事業継承後においてどういうふうに変更していくかという問題ですが、その点は首都圏整備委員会で御研究になりましたか、どうですか。
  102. 中村梅吉

    国務大臣(中村梅吉君) 首都圏整備計画は、御承知のとおり主として過度の人口集中を排除して、また既成市街地の混雑しておる住宅地域、商業地域等にあります工場をできるだけ集団的に衛星工業都市に移したい、ということが一つの重要な目標でございます。すでに工業衛星都市は相当数指定をいたしまして育成中でございますが、これは水資源の必要な工場が特に生まれてくれば、水資源計画と一体になっていかなければならないと思いますが、今のところでは私どもの見通しでは千葉の五井の衛星都市とか、東京と切り離された千葉側の開発というものと関係した水資源問題が、一番大きな問題じゃないだろうか、こう思っております。その他の地域では、大体既成市街地にあります水にそう関係のない工場が移っていっておりますから、直接の関係はないと思いますが、千葉関係の衛星都市につきましては、水資源関係と今後緊密な連絡をとりまして万全を期していきたい、こう思っておるわけでございます。
  103. 内村清次

    ○内村清次君 この点はまだ具体的に聞きたいと思っておったのですが、時間の関係もありますからこの程度にいたしたいと思いますが、これはやはり大臣、相当関係があるのです。ただ水の利用があるし、また必要とするところの工場が、今首都圏整備法の一部改正その他で、幾らか建設されない状況におかれる関係もあるでありましょうが、やはりこれは相当関係が深いと思いますね。この点は首都圏整備委員会で一応やはり御検討される必要があるだろうと私は思っておりますが、この点はひとつ大臣のほうで考慮していただきたいと思います。  次に、この公団法の改正法の事業承継の第二十条の二のところに、「建設大臣が河川法にいう河川に関する工事として行なっている事業又は国が土地改良事業」とこううたってあるのですね。この土地改良事業というものは今、公団法や促進法を見ましても、今回新たに加えられたのかどうか。まあこの基本法を御制定になるときに、当然こういった土地改良事業というものを想定されておったのかどうか。この点は基本法の一体何条にこれが該当しておるのか、その点ひとつお示し願いたいと思うのです。
  104. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) ここに書きました土地改良事業と申しますのは、法律の言葉で、土地改良法に基づきます事業、すなわち灌漑排水事業、開拓事業、干拓事業も入るわけでございます。したがってここで考えておりますことは、印旛沼の干拓事業の土地改良事業という中に含めまして、そうして書きましたようなわけでございます。本来の公団の仕事の中に、どこに入っておるかというお尋ねでございましたけれども、これは公団法第十八条業務の第一号で水資源利用のための施設というのがございまして、水資源利用と申しますと、水を農業用に使うという場合の水路でございますとか、その他の施設が入るようになっているわけでございます。
  105. 内村清次

    ○内村清次君 私がこの法律を見た関係におきましては、十八条の業務の項の二項ですね、二項の三号に該当するんじゃないですか、「水資源開発若しくは利用のための施設に関する工事又はこれと密接な関連を有する工事を行なうこと。」こういう点じゃないですか。
  106. 富谷彰介

    説明員(富谷彰介君) 法律の解釈でございますので、私よりもむしろ企画庁のほうがよいかと思います。
  107. 内村清次

    ○内村清次君 十八条の一のイの項は「ダム、河口堰、湖沼水位調節施設、多目的用水路、専用用水路その他の水資源開発又は利用のための施設」、施設関係の項目じゃないかと思うのですが、どの項目でこの土地改良という項目が出てきたのですか。
  108. 曾田忠

    政府委員曾田忠君) 今の十八条の第一項でございますが、ここにございますようにダムその他とありますけれども、多目的用水路あるいは専用用水路、これに農業用水がからんでおります場合は、これらの事業は現在土地改良事業という関連の法律等で行なっております事業でございまして、当然その中に入ってくるものと考えております。それ以外に第二十条の事業の実施計画という条文がございますが、これの第二項に土地改良区のような字句も入っております。われわれとしましては、この公団がいわゆる土地改良事業を行なうということは、基本法で当然考えておったのでございます。
  109. 内村清次

    ○内村清次君 どうも少し不明確だけれども、この点は十分考えて作られたと思うのですけれども、そうすると、事業の実施方針や基本計画というものはまだできておらないでしょう、内閣総理大臣が関係大臣と協議をして、そうしてそれを指定することが基本計画であるのですね、そうしてそれを実施方針に移す、主務大臣のほうで実施方針に移すというようなことになっていなくてはならないのですが、私は土地改良事業というものは、どういう部分公団にやらせるかというと、この点がまだちょっと不審に思っておるわけですけれども、この点明確にして、ただ印旛沼とはっきり農林省のほうで言われれば事がわかりますけれども、印旛沼を公団にやらせます、こういうことだったならよくわかりますが、しかし、それが法律のどの条項に関係しておるかということが、まだちょっと今の局長の御答弁でははっきりせぬような感じがするのだけれども……。
  110. 曾田忠

    政府委員曾田忠君) どういう事業公団でやりますかという問題でございますが、土地改良事業の例について申し上げますと、たとえばその事業が多目的事業であるか、あるいは専用事業であるかということが一つの基準になると思っております。専用事業といいますと、土地改良事業だけの事業だと、多目的といいますと、土地改良事業に関連しまして水が出る場合におきまして、その水が農業用水に限らず、たとえば工業用水とか上水道用水に使われる、そういうような観点で公団に実施させるべきであるかどうかということが、一応の基準になると思いますけれども公団事業といたしまして特にあるいは大規模であるとか、あるいは緊急性があるというような場合におきましては、必ずしもこういう基準にとらわれることはないのじゃないかと思っておりますけれども、まだ先生お話のように、基本計画はきまっておりませんので、具体的に基本計画ができます場合に、そういう点が明らかになるというふうに考えております。
  111. 内村清次

    ○内村清次君 それから水資源開発公団法には、既設の公団にある恩給法等の特別というものがないのですが、これはどういうわけですか。
  112. 曾田忠

    政府委員曾田忠君) お答えいたします。過去の、過去といいますか、当初にできました公団につきましては、公団法でそういう規定があるわけでございますが、これは別個の法律ができまして、その中にそれぞれ適用を受けます公団の名前を列挙するようになっておりまして、政令が出ているわけでございますが、その政令の中に今度は水公団の点について十分に考えております。
  113. 内村清次

    ○内村清次君 そうすると、施行令の改正というものは、いつ行なわれますか。
  114. 曾田忠

    政府委員曾田忠君) 先ほども申し上げました水資源開発公団法施行令案の粗案でございますが、これの二十九ページの三項、四項、五項でございます。三項が地方自治法施行令、これは地方公務員から公団に移る場合のものであります。四項は国家公務員等の退職手当法施行令の一部改正、これは退職手当の問題であります。それから第五項が国家公務員共済組合法施行令の一部改正、これは恩給関係と思いますが、そういう政令で、今の考え方としまして、できるだけ三月末までに制定をいたしたいというふうに考えております。
  115. 内村清次

    ○内村清次君 そうすると、阪神高速道路公団法には、地方公務員について通算規定というのが設けられてあったのですけれども水資源公団にはこの規定がないのですが、これもまた先ほど言われたように、施行令の改正と同時に通算規定というものを設けていくのだというお考えですか。あるいはまた、公団には地方公務員というものはもう御採用にならないというような考え方があるのですか、どうですか。
  116. 曾田忠

    政府委員曾田忠君) 阪神高速道路公団法内容をちょっと私知りませんが、この公団といたしましては、今申し上げました施行令の中の附則の第三項に、地方自治法施行令の一部を改正するという規定がございますが、二十九ページの初めのほうですが、ここで地方公務員が公団の職員になる場合の経過規定を書いているわけでございます。
  117. 内村清次

    ○内村清次君 確かですね、地方自治法施行令の中に恩給の問題、あるいはまた年限通算の問題というものがはっきり書いてありますね。その点は明確にしておいてもらわぬと安心できぬのですがね。
  118. 曾田忠

    政府委員曾田忠君) 地方公務員から公団等に引き継ぎます場合の経過規定は、地方自治法施行令にしかないと思いまして、その規定の中に水資源開発公団法を加えたわけでございまして、大体御趣旨のとおりじゃないかと思いますが、あるいは退職手当と、それから恩給全部が地方自治法の施行令に入っているのかも——ちょっとはっきり覚えておりませんので、後ほど調べましてお答え申し上げたいと思います。
  119. 田上松衞

    田上松衞君 公団法案の第九条の中に役員に関する事項があるわけですね。この九条で「総裁及び監事は、内閣総理大臣が任命する。」ということになっております。さっき資料で出されました「総裁となるべき者の指定」ということでこれは表現しております。二月二十三日にこれを持定したわけであります。これは即任命ということですかどうですか。
  120. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 先般閣議でもってそう了解をいたしたわけでございます。したがってそれに基づいて任命されることになろうかと思います。
  121. 田上松衞

    田上松衞君 そうすると、二人の監事というのは指定任命も、まだそこの段階に至っていないというふうに理解してよろしいのですか。
  122. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) そのとおりでございます。
  123. 田上松衞

    田上松衞君 二月二十三日の総裁となるべき者の指定をめぐりまして、巷間非常にうるさい話が伝えられておるわけです。たぶん長官も御承知だろうと思いますが、このことは率直に申し上げまして、大野伴睦自民党副総裁は、他の人物を推選して、すでにその話を総理のところにも伝えてあったのだ、にもかかわらず総理はじきじきにみずから電話をとって今ここに載っております進藤武左衛門さんに電話をかけて、お前さんを指定するぞということで了承を得てやった。その事のために大野副総裁は非常につむじを曲げてしまって、このことが衆議院の十月解散説にまで発展してしまっておるというような、こういう問題が言われておりますが、どうですか。その真相をお聞かせ願いたい。
  124. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) この総裁の人選につきましては、各方面でいろいろ御推選もあり御意見もあったわけでありますが、私の手元において取りまとめまして、総理と相談の上で総理に御決定を願ったわけであります。その間、別段政治的問題はないと心得ております。
  125. 田上松衞

    田上松衞君 そうすると、この問題については、これを所管されるところの藤山経済企画庁長官も、池田総裁と同意見であったという工合に理解してよろしいですか。
  126. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 私の手元に各方面からいろいろ御推選があったことは事実でございまして、それをそれぞれ企画長官としては意見をつけて、総理に御指定をお願い申し上げたわけでございます。そうして総理に御決定をいただいたわけでございます。
  127. 田上松衞

    田上松衞君 これはあまりにもこのうわさが強く伝わっているから、われわれもこれを打ち消すことのためにもいいと思って、他意あって言うのじゃないのですから、善意にお受け取り願いたいと思うのです。事業の大部分についてのあれは、幾らなんのかんのと言ったところで、建設省が、さっきからいろいろ議論されておりますようにしなければならぬわけで、こういうような人が総裁に就任されることについて、建設大臣は御満足であるかどうか。
  128. 中村梅吉

    国務大臣(中村梅吉君) 私も閣議の席におりまして、この人事を閣議了解の際に了解いたした一人でございますから、満足をいたしておる次第でございます。
  129. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 他に御質疑はございませんか——他に御質疑もないようでございますから、質疑は終了したものと認め、これより本案についての討論を行ないます。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより本案についての採決をいたします。  水資源開発公団法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案を原、案どおり可決することに御賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  130. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 全会一致であります。よって本案は可決すべきものと決定いたしました。  なお、本案の審査報告書の作成並びに自後の手続につきましては、委員長に御一任願います。
  131. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 次に、連合委員会開会要求についてお諮りいたします。  ただいま法務委員会に付託になっております建物の区分所有等に関する法律案につきましては、本委員会にも重大な関係があると考えますので、連合審査会開会の申し入れをいたすことにいたしたいと存じますが、さよう決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  132. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 御異議ないと認めます。それでは連合審査会の日時につきましては、委員長に御一任を願います。  本日はこれにて散会いたします。    午後、零時二十八分散会