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国務大臣(
中村梅吉君) 実は私どもの
立場としましては、
住宅の戸数をできるだけふやしていきたい、
計画戸数を下回るどころじゃなくて、上回るくらいにいたしたいくらいの情熱は持っているわけでございますが、いろいろ事情もございまして、三十七年度はこの
程度でがまんせざるを得ないことに相なっているわけでございます。率直に実は経過を申し上げますと、昨年木材の価格が非常に騰貴いたしまして、物価指数の上がりの一番大きなものは木材値上がりからきているという数字が
経済企画庁等から出まして、木材の価格をどうするかということと、それから
国際収支の
改善対策の一環として、設備投資の抑制をどうするかというような
議論が
政府部内でも出ました。この際、一部の人
たちからは民間の設備投資も押さえるが、
政府もある
程度協力をした形でなければいかぬ。それの一環としまして
住宅のほうもある
程度の繰り延べをすべきである。そうしないと、木材の価格の安定というものはできない、あるいは引き下げができない。
政府はどんどん建てる、それでは木材の価格安定ないし引き下げができないではないか、というふうな
議論も出まして、当時私は
住宅戸数の
確保をすることの
重要性にかんがみまして、それは絶対困る、あくまで
住宅に関しては別扱いであって、一部の繰り延べというようなことはできないということを強硬に言いまして、むしろ木材価格の安定なり引き下げをはかるのには他の手段をとるべきである、それには
国際収支や外貨事情もあるにいたしましても、外材の輸入等も強化して、そして物価指数の是正をはかる意味からも木材の価格の引き下げに資すべきではないかという主張をいたしまして、結果的には私の主張どおりになりまして、ようやく
住宅の繰り延べというものはいわばおつき合いしないで済んだわけでございます。自来木材のほうもやや弱
含みの
状態にございますが、実は一部にそういう見方もあること等が三十七年度
予算編成にも大きく影響がございますわけで、その中を縫ってできるだけ
確保をいたしたいという
考え方で努力いたしました結果、御承知のような数字になったわけでございます。一方、先ほど
住宅局長からもお話し申し上げましたように、各
地方公共団体の希望戸数というものは、戸数については大体の五万四千戸としての割り当ての
内容で話をしてみますると、戸数はいたし方ない、しかし何とか
地方の持ち出し分についての協力を
政府がしてもらいたいということが非常に強い要望でございました。そこで、建築単価につきましては、補正
予算の際に是正したものですが、なかなかこれはむずかしくて、いかにして
地方公共団体の持ち出し分を軽くするかという、
地方の強烈な要望にこたえる努力はそのまた半面、いたしたわけであります。その結果、とにかく公営
住宅を建てるにしても敷地を
地方公共団体は入手しなければならない。この入手をいたしまする敷地の
用地費というものが
相当に上っておる。これの是正ということならばどうも話がつきそうであるということで、結局
用地費について一九%の引き上げということでまあ
結論づけざるを得ないことになりました。さようなわけでいろいろな事情がからみ合いまして、今年度は五万四千戸というところに落ちついたわけでございますが、この公営
住宅の
建設は国の財政
経済情勢と大いに
関係ありますし、
地方公共団体の税収入、
経済状態というものも大いに
関係がございますので、われわれとしましては、来年度にどうもしわ寄せがいっておるようでございますが、
地方公共団体の財政事情、あるいは国の
経済状態というものと、にらみ合わせまして、来年度はひとつ大いに伸ばしたいと思っておるのでありますが、三十七年度としましてはこの
程度でやむを得ないところであるという実は観点に立っておりますようなわけでございます。