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1962-07-11 第40回国会 参議院 建設委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年七月十一日(水曜日)    午前十時二十九分開会   —————————————   委員異動 七月六日委員田中一君及び武内五郎辞任につき、その補欠として小笠原二 三男君及び大森創造君を議長において 指名した。 七月七日委員稲浦鹿藏君、岩沢忠恭君、 小山邦太郎君、後藤義隆君、内村清次 君、小笠原二三男君、大河原一次君、 木下友敬君、及び野坂参三君議員の任 期を終了した。 七月九日委員大森創造辞任につき、 その補欠として武内五郎君を議長にお いて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    理事            徳永 正利君            村上 春藏君            武内 五郎君    委員            小沢久太郎君            太田 正孝君            三木與吉郎君            米田 正文君            田上 松衞君            小平 芳平君   委員以外の議員    議     員 稲浦 鹿藏君    議     員 小山邦太郎君    議     員 大河原一次君    議     員 田中  一君   国務大臣    建 設 大 臣 中村 梅吉君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    林野庁指導部治    山課長     手束 羔一君    通商産業省鉱山    保安局石炭課長 川本 宗生君    建設省都市局技    術参事官    奥田 教朝君    建設省河川局長 山内 一郎君    建設省道路局長 河北 正治君    建設省住宅局長 斎藤 常勝君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選の件 ○建設事業並びに建設計画に関する  調査  (梅雨前線豪雨による被害状況に関  する件) ○委員派遣に関する件   —————————————   〔理事村上春藏委員長席に着く〕
  2. 村上春藏

    理事村上春藏君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  初めに理事補欠互選についておはかりいたします。さる七月六日の委員異動に伴いまして、理事一名の欠員が生じておりますので、この際、その補欠互選を行ないたいと存じます。互選は前例により省略いたしまして、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、さよう取り計らって御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 村上春藏

    理事村上春藏君) 御異議ないと認めます。  それでは私から武内五郎君を理事に指名いたします。   〔理事村上春藏君退席、理事武内五郎君着席〕
  4. 武内五郎

    理事武内五郎君) 本日の委員会の前にあたりまして、御報告申し上げたい事項がございます。  本委員会委員でありまする田中清一君が事故によりまして負傷いたしました。去る七月七日に、委員会の一同を代表するといろ意味で、不肖私と調査室長並びに委員部からお見舞いに参りました。さよう御承知を願いたいと思います。負傷の程度は、腕の打撲傷それから胸部の打撲を受けまして、目下精密検査をやっておりまして、安静を要する状態であります。大体、たいして心配はないという家族のお話でございました。  右、御報告申し上げます。   —————————————
  5. 武内五郎

    理事武内五郎君) それでは次に、本日の調査を行ないたいと思います。今回の集中豪雨等によりまして、主として九州地方に水害、地すべり等が発生いたしておりまするので、その被害状況につきまして説明を伺いたいと存じます。
  6. 山内一郎

    説明員山内一郎君) それではお手元に資料が配付してございますが、その資料は「昭和三十七年六月上旬以降の梅雨前線豪雨による被害概況」こういう資料でございます。この資料に基づいて御説明をいたします。  一ページをお開きを願いたいと思います。一ページは、公共土木施設被害につきまして総括的にまとめてございます。直轄災害補助災害を区分いたしまして、月別に六月、七月上旬を区別してまとめてございますが、直轄災害は六月分三億五千万円、その内訳河川砂防道路になっておりますが、河川が三億一千三百万円、砂防が二千四百万円、道路——これは道路局関係でございますが、一千百万円、補助災害が二十九億一千百万円、合計いたしまして三十二億六千百万円、こういう金額に上っております。七月上旬は同じく直轄補助を区分いたしますと、直轄災害が十三億五千二百万円、そのらち河川が十二億二千九百万円、道路が二千三百万円、補助災害が八十五億五千四百万円、合計いたしまして九十九億六百万円というようになっております。したがって全部を合計いたしますと、右下をごらんいただきますように百三十一億六千八百万円という金額に上っております。これを例年に比較をいたしまして昨年は長野県が非常に大災害がございましたのでそれよりは相当下回わっておりますが、大体三十二年災、三十三年災程度と同じような災害ではなかろうか。まだ、七月全部終わっておりませんし、まだ梅雨が全部終わっておりませんので、大体、そういう程度になるのではなかろうかというように推定されます。  二ページ以降はこの内訳になります。二ページは直轄河川の六月中旬の災害でございます。六月は上旬、中旬、下旬と三回災害が発生しておりますが、直轄河川の六月十三日から十四日分、ここでごらんいただきますように、北陸地方建設局中部地方建設局管内におきまして、それぞれ手取川、常願寺川、千曲川、犀川、信濃川、それと天竜川上流、これらの川が被害を発生しております。被害報告額は、右下をごらんいただきますように、合計いたしまして三億一千…百万円というふうになります。  三ページは七月上旬の分が記載してございますが、七月になりましても、雨が降ったりやんだりしている関係上、水位最高になっては、また下がり、上がっているという状況が見られます。中国地方建設局管内の芦田川、太田川、郷川、これは五月の二日からずっと降りまして、五日に最高になりました状況がここに書いてございますが、この今回の最高水位計画高水位、これを比較していただきますと、その程度がわかるわけでございます。九州地方建設局筑後川菊池川、遠賀川、本明川、六角川、それぞれ被害を受けておりますが、筑後川は今回最高水位のところをごらんいただきますように、四日に一時水位最高になりまして、その後下がりまして、また八日に出水を見ている、こういう状況がわかるわけでございます。菊池川についても同様でございます。これらの水位関係をごらんいただきますと、一番本明川、それから六角川、これが非常に出水がひどかった、こういうことがわかります。被害報告額につきましては、現在調査中の分もございますが、わかりました分だけで、右下一つ上をごらんいただきますと、十三億二千九百万円、六月、七月の計が十六億四千二百万円というふうになります。  四ページは、直轄砂防被害状況でございまして、北陸地方建設局管内信濃川上流水系手取川水系におきまして、堰堤が被災をしております。その被害報告額は、右下をごらんいただきますように二千四百万円、こういうふうになっております。  五ページ、六ページは、道路局関係でございますので、これを飛ばしまして、七ページに参りまして、ここから補助災害の分が書いてございます。六月は先ほど申し上げましたように、上旬、中旬、下旬とございますが、七ページは六月の上旬の分でございます。被害報告額は、右に書いてございますが、これをごらんいただきますように、上旬の被害におきましては、兵庫県、京都府の、それぞれここに書いてある被害河川中心になりまして災害が発生しております。合計は右下をごらんいただきますように、二十億五千五百万円というふうになっております。  八ページは、六月の中旬分でございまして、長野県の木曾川水系天竜川犀川、こういう河川被害を受けておりますが、その金額はここに書いてございますような三億一千二百万円、それ以外を含めまして、右下に書いてございますような五億五千四百万円という金額になっております。  九ページは六月下旬の分でございますが、これは県名は、ここに書いてございますような県でございまして、中国山口県、それから四国の愛媛と、九州大体全般にわたりまして、被害が発生しております。これは顕著なところはございませんが、総額で三億百万円、六月分を全部合計すると二十九億一千百万円、こういうふうになります。  十ページ、十一ページは、補助災害の七月上旬分を、二日以降ずっと発生した分を全部一緒に書いてございます。総計は、十一ページの右下のほうをごらんいただきますとわかりますように八十五億五千四百万円、こういう金額に上っております。おもな点を拾って参りますと、上から三つ目愛知県、これが五億四百万円、その次、二つ置きまして和歌山県が五億二千万円、さらに二つ置きまして広島県が五億八千百万円、十一ページに参りまして福岡県が六億八千八百万円、佐賀県が、これが一番被害がひどうございまして二十三億五千六百万円、これはまだ多少上回る見込みでございます。長崎県が十四億九千四百万円、一つ置きまして熊本県が六億一千九百万円、合計いたしまして八十五億五千四百万円、六、七を合計すると百十四億六千五百万円、こういうような数字になるわけでございます。  以上、簡単でございますが、河川局関係の分の説明を終わります。
  7. 武内五郎

    理事武内五郎君) 次に、河北道路局長
  8. 河北正治

    説明員河北正治君) それでは、次に道路局関係の分を申し上げます。  道路局関係は、指定区間についての災害関係でございます。五ページ、六ページをごらんいただきたいと思います。  五ページが六月九日、十三日分でございます。六月九日に近畿地建一級国道の二十七号線、京都府和知町で法面崩壊、それから舗装の一部欠壊がございまして、それから六月十三日は、同じく近畿地建八号線の滋賀県木ノ本町飯浦で、やはり舗装欠壊石積擁壁欠壊法面崩壊等がございまして、いずれも一車線交通は確保いたしております。  それから六ページに参りまして、七月上旬分でございますが、七月四日には、九州地建管内で、一級国道三号線の熊本山鹿市を中心といたしまして、鹿北村に土砂くずれ、法面崩壊、それから山鹿市でやはり土砂くずれ、法面崩壊、それから同じく山鹿市南島で法面崩壊等がございまして、三カ所でございますが、いずれも一車線交通を確保しております。それから同じく一級国道三十四号線、長崎市の人口に日見トンネルというのがございますが、その取りつけ部分法面崩壊がございまして、これが一カ所、一車線交通は確保しております。それから七月五日には、中部地建で、一級国道一号線の愛知豊橋古田大橋の取りつけ、それから豊川市の名鉄の跨線橋の取りつけに、それぞれ法面崩壊がございまして、これはいずれも交通に支障はございません。それから七月六日に中国地建管内で、一級国道二号線におきまして、山口県の防府市、広島県の福山市、岡山県の笠岡市、以上三カ所で法面崩壊並びに土砂くずれがございましたが、いずれも一車線交通は確保しております。  以上、七月分が九カ所で二千三百二十万円、六、七月を合計いたしますと、十一カ所で三千四百八十万円ということになっております。  以上でございます。
  9. 武内五郎

  10. 奥田教朝

    説明員奥田教朝君) 都市施設関係被害報告を申し上げます。  都市施設関係は六月はございませんで、七月上旬だけでございます。関係いたしました府県といたしましては、愛知県、福岡県、佐賀県、熊本県の四県でございまして、愛知県では豊橋市で百五十万円、福岡県では、福岡市ほか四市でもって千九百五十三万円、佐賀県では佐賀市ほか三市でもって三百八十九万六千円、熊本県では熊本市と荒尾市でございまして六百二十七万五千円でございまして、合計いたしますと三千百二十万七千円となっております。
  11. 武内五郎

    理事武内五郎君) 次に斎藤住宅局長
  12. 斎藤常勝

    説明員斎藤常勝君) 住宅被害について御説明申し上げます。  十三ページをお開き願いたいと思います。六月の九日から十四日までの分で申しますと、全壊が十七戸、半壊が二十五戸という被害でございます。  十四ページのほうをお開き願いたいと思います。七月十日十七時現在の調べでございますが、これは全体で全壊が三百五十二戸、流失が七十戸合計いたしまして四百二十二月、半壊が四百十六戸というような事態になっております。
  13. 武内五郎

    理事武内五郎君) なお、通産省鉱山保安局より来ておりますが、質問に応ずることにしていきたいと思います。  ただいまの説明につきまして、質疑を行ないたいと存じます。  この際、お諮りいたしますが、このたびの通常選挙によりまして、委員以外の議員となられている方がございますので、委員以外の議員の方の発言を許すことにしたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 武内五郎

    理事武内五郎君) さよういたします。  質問を願います。
  15. 田上松衞

    田上松衞君 それぞれの被害状況を承ったわけですが、どこでもただ、これこれの被害があったというだけのことで、もっとおもな個所だけでもいいですから、こういうような手当をしたのだけれども、こうなったというようなことについて、ひとつ具体的にお伺いをしたいと思うのです。ただとの程度のことならば、すでにいろいろの新聞等でお聞きしている範囲を出でないわけであって、質問しようにも何にもしようがないと思います。どっちからでもいいですから、河川局からでも道路局からでもいいですが、重要な点について、前段申し上げましたような要点に触れて、親切な御説明が願いたい。
  16. 田中一

    委員以外の議員田中一君) この報告書には対策というようなものが立っておらないのですが、現場ですら、時間的な関係でもって詳細がわからぬということになると思いますけれども、どういう対策を立てているかという点はどうなんですか。この時点の現象で、あるいはまだ引き続いてあるかもわからぬから、全体を見てからというようなことになるのか、この際の災害としては、この辺で取りまとめて、集約して対策を立てるということになっているのか、それから、ことに佐賀県、長崎県等のボタ山被害というものは、地すべり法案が出て、もう何年にもなります。これに対して、どういう措置をとっておったのか、その手当を越える集中豪雨なりあるいは梅雨前線によって、今回の被害があったのか、災害があったのかという点など、ひとつ、今、田上委員が言っているように、おもなるものですね。河川災害に対しては現状としてこうだ。ボタ山等災害は、もはや政府も年々予算をとって、その保全施設は進んでいるはずです。であるから、今回の場合には、これこれの、その計画を越える集中豪雨なりあるいは梅雨前線の活動によって、こうなったというのを、ひとつ説明してほしいと思うんです。その反省なり集約がないわけですから。
  17. 山内一郎

    説明員山内一郎君) 現段階では、災害状況の把握、それから原因の究明、それとあわせまして、さらにどういう方法で復旧をするかと、こういう点につきまして、被害の激甚な地に係官派遣をしている段階でございます。したがって、現地におきまして緊急を要するものにつきましては、それぞれ工法を指示し、さっそく復旧に当たらせている、こういう状況でございまして、さらに進んで参りますと、県が準備できれば査定をして、予備金を支出する、こういうことになって参るかと思います。それは一般の災害でございますが、今回の災害で特異と思われますことは、太良町の地すべりでございますとか、それから長崎県の江迎町のボタ山、こういうものが顕著な事例だと思われます。  まず、ボタ山の点でございますが、これは鉱業権者がはっきりしているそうでございますので、地すべり等防止法には該当しない。しかし、私のほうも関係はないことはないのでございますので、ボタ山地すべりにつきましては、砂防課から特に人を派遣いたしております。それが帰り次第、建設省でとるべき処置がございましたら、それをとっていこう、こういうように考えております。  それからもう一つ太良町の地すべりでございますが、これは三十二年の諫早の災害のときに亀裂を生じたそうでございます。非常に危険である。そこで、そのときに、ちょうど地すべり防止法がその後できまして、山が森林法に基づく保安林地区指定されております。したがって、地すべり防止法につきましては、農林省のほうで手をつけまして、三十三年、三十四年の二カ年にわたって地すべり防止工事を完了いたしております。したがって、水抜き排水のボーリング、それから地表面排水溝というものを一応整備は終わっていた状況でございます。これも建設省としても、下のほうに道路もございますし、公共施設もございますので、係官がよく見てくるように現在出しておりますが、帰りましてから、具体的に建設省としてどうすべきであるか、こういうことをなお対策を立てたいと現在考えておる次第でございます。
  18. 田中一

    委員以外の議員田中一君) ボタ山災害について、御承知のように地すべり防止法ができて三年目になりますので、むろんこれは古いもので所有者のわからんものはだれかしなきゃならんから、国がしなきゃなりません。どういう指導をしていますか。あの法律を作るときには、鉱山保安局に対しては、もう厳重に——現在中小炭鉱というものは不況です。したがって、それらの管理をするということすら事実上経済的に不可能な面が多々ある。この現象というものは、もうあの法律を作るときにわかっておったんです。だから、どうするかということに対して、通産省に対する質問並びに確約はしているはずなんです。どういう措置をとってきて今日の現象というものが生まれたか、説明して下さい。
  19. 川本宗生

    説明員川本宗生君) 今回の江迎炭鉱ボタ山崩壊でございますけれども、これにつきましては、詳細な原因につきましては現在係官派遣いたしまして厳密に調査中でございます。それで、その詳細な原因につきましては、まだはっきりいたしておりませんけれども、ボタ山だけが現在くずれてきておるのか、あるいは北松地区におきましては地すべり地域でございまして、地すべりによってボタ山崩壊しているのか、この点についても検討中でございます。現在の私どもが得ました情報によりますと、ボタ山頂上部におきましては地はだが現われている。この地はだの面から、水がわき出しているというふうな状況になっているというふうに報告を受けております。この地はだ面が、地すべりによって起こった可能性もあるわけでございます。この点につきましては、はっきり現在のところ、どういう状況によって起こったということについては、まだ申し上げかねますけれども、いずれ調査しておる者が帰りました後には、はっきりいたすことだと思っております。ボタ山につきましては、地すべり防止法の施行当時から、現在鉱業権者の管理しているものにつきましては、もちろん鉱業権者災害防止責任があるわけでございまして、これの高さの制限あるいは法面の角度の制限というふうな基準を作りまして、ある一定程度以上のボタ山は作らせないというような指導をいたしておりまして、特に下部に人家その他のあるようなものにつきましては、その危険度に応じまして、精密な調査をいたしまして、くずれることのないように、あるいはくずれることのあるものにつきましては砂防堤を築かせる、こういう指導をいたしております。今回の江迎炭鉱ボタ山も、砂防堰堤ボタ山下部二百メートルに作っておらしたわけでございますけれども、その砂防堰堤自体も押し流して下部国鉄線潜竜駅までボタが達している状況でございます。  現在までの通産省としてとっております対策といたしましては、以上の状況でございます。
  20. 田中一

    委員以外の議員田中一君) もう一ペん河川局長に。むろん国土保全責任建設大臣になるわけですが、今のボタ山の付近の地すべり地帯並びにボタ山そのものの危険の予想される所の調査というものは、当然してあったはずなんです。そういう点に対しては、通産省のほうとは、十分に連絡あるいは共同調査等はしておったんでしょうね。これは、今回の崩壊というものは、そこの調査がしてなかったのですか、してあったのですか。
  21. 山内一郎

    説明員山内一郎君) ボタ山の、この江迎町のボタ山危険度合いと申しますか、そういう点について通産省と打ち合わしてあったかどうか——その点につきましては、私の知っている限りでは、打ち合わせはしてなかったように思います。
  22. 田中一

    委員以外の議員田中一君) 本明川、六角川は、かつても大きな災害があったことは、もうわれわれの記憶に新しいところなんです。全体のこの地域に対する地すべり対策は、どうなっているのですか。
  23. 山内一郎

    説明員山内一郎君) まあ佐賀県と長崎県は、非常に顕著な地すべりを起す危険のあるところでありまして、これらの県をあわせまして、全国的に地すべり防止法によりまして、危険地域指定いたしております。その指定したものにつきまして、逐次、砂防事業予算をもちまして手当をしている、こういうことでございます。その指定にこの区域が入っていたかどうかという点については、調べてから御報告したいと思いますが、特にこのボタ山について、その危険性について通産省と打ち合わせしたということは、私の知る限り、記憶はございません。
  24. 田中一

    委員以外の議員田中一君) 次に、伊那谷の問題をちょっと伺っておきますが、昨年の災害後、昨年の災害を受けた地域に、本年は同じ地域に、山腹土砂崩壊ということは、どのくらいありますか。
  25. 山内一郎

    説明員山内一郎君) 今回の雨量はそうたいしたことはございませんので、その後、昨年以降に、非常に顕著に崩壊を起こしたということはない模様でございます。
  26. 田中一

    委員以外の議員田中一君) 昨年の崩壊は、むろんわれわれも見て知っておりますけれども、処置なしというような——水流だけを適当な措置をとつて——全体に対しては原形復旧というようなことは、これは不可能だというふうに見て、そのまま放置してある。放置という言葉がどぎつければ、できないものはできないでいい、あとは水の流れる範囲対策は立った、というように理解していいですか。
  27. 山内一郎

    説明員山内一郎君) 崩壊した個所そのもの措置につきましては、詳細に今調査をしておりますが、それが下流に流れまして被害を起こさないように、御承知のように、現在緊急砂防を実施をいたしております。それと並行いたしまして、今後の根本的対策というものを考えているわけでございますが、現在、天竜川水系について、全般的にもう一回、その治水計画を練り直すということで、昨今、大体、まあ基本線ができたような状況でございます。それに基づきまして、具体的に砂防崩壊した所をどうしようか、そういう点をさらに検討している最中でございまして、全部放棄すべきかどうかということを、あらためて検討しつつあるところでございます。
  28. 田中一

    委員以外の議員田中一君) 提出されているこの資料部分々々で御報告になっているから、ちょっとその全体をつかむのに困難なわけですけれども、たとえば天竜川災害が、昨年の災害復旧工事ができないために、雨量も相当、昨年と比較して少ないけれども、土砂流出等があって、下流における災害があったというようなことはありませんか。昨年の災害に対する対策が不十分なために、下流にその影響がことしになって、少ない雨量にかかわらず、災害が発生したというような点はありませんか。
  29. 山内一郎

    説明員山内一郎君) 雨量の少なかったにもかかわらず、せっかく復旧したところが土砂のためにやられたとか、そういうことはないようでございます。まだ、未着工の所とか、そういう所は洪水が、はんらんはいたしておりますが、山地崩壊原因がおもなものであってやられたという所はないようでございます。
  30. 田中一

    委員以外の議員田中一君) 農林省来ておりますか。
  31. 武内五郎

    理事武内五郎君) 来ていない。
  32. 田中一

    委員以外の議員田中一君) じゃ河川局長に聞きましょう。  この山腹砂防の必要性というものは、当委員会でも長年にわたって主張してきているわけです。むろん集中豪雨として、われわれが予想されるもの以上の集中豪雨があった場合には、それは災害があることはやむを得ないという言葉は、ずいぶんよくないけれども、そういうことはあり得るということは言えると思うのです。だから、危険な地域における、ましてや多目的ダムの上流における山腹砂防というものは、しなければならないのだということは、相当強く強調してきているのですけれども、そられの点は、まあこれは建設省は、河川局長として農林砂防を見た場合に、山腹における施設というものは、どのくらい行なっておりますか。よその役所のことだから、自分からそういう批評的なことは、言えぬというかしらぬけれども、率直に、あなた同じ政府なんだから、集中豪雨そのものは、これはどこに降るかわからぬ、どこに集中するかわからぬから、これは、そこまでは追及できないと思う。しかし人為的に守れるもの、守れる範囲、あるいは守ろうという意欲が、これは当然政府の責任だろうと思う。ただ単に責任論をどうこう言うのじゃございません。予想されるものがあるわけなんであります。結局、そういう調査なり、施設なりができておらないからということになりますけれども、何といっても、国土の七割以上を占めている山というものは、そうどこもここもコンクリートに固めるわけにいかぬから、それは無理なことはわかっております。しかし危険個所その他のわが国の技術というものは、相当すぐれているものだと思うのです、今日では。予知されるものというものは相当あるのじゃないかと思うのですが、山腹砂防はどのくらい進んでおるか、ちょっと河川局長の批評を聞いておきたい。
  33. 山内一郎

    説明員山内一郎君) まことに不勉強でございまして、いろいろ調査してから、後の機会においてお答えしたいと思います。
  34. 武内五郎

    理事武内五郎君) 田中君に申し上げますが、ただいま林野庁に連絡をとっておりますので、さよう御了承願いたいと思います。
  35. 田中一

    委員以外の議員田中一君) それから、これは委員長に申し上げますが、人畜その他の災害というものも、一ぺん聞いておきたいと思うのです。これはまあ建設省所管の分だけ載っておりますので、通産省のほうも、やはりボタ山等災害がどの程度に、現時点で崩壊されているのはこれこれだというような資料がなくちゃ困るわけなんです。それはあると思うのです。警察庁の報告もむろんあると思いますし、それから農林省の報告もあると思うのです。やはりわれわれ建設委員会としては、やはり総合的な国土保全という見地から、ものを見なければならないので、ただ所管だけのものだけの報告があったのでは困ると思うのですが、その点は、ぜひ取り寄せていただきたいと思うのです。今の委員会に間に合わなければけっこうですが、取り寄せていただきたいと思うのです。  災害救助法を適用したということのしるしがついておりますが、これらはどの程度なんですか。災害救助法を適用した地域の一切の災害の規模、実情というものは、こういうものですか。それも河川局長質問するのはおかしいかもわからんけれども、しかし、河川局ではそういう点を、ここにしるしをしてきているわけですから、それはわかるでしょう。
  36. 山内一郎

    説明員山内一郎君) 災害救助法適用市町村は、ここにしるししてございますが、われわれとしては、どういう所に復旧の重点を置くか、こういうことのために、参考のためにしるしをつけたのでございます。詳細のことは、係官派遣中でございますので、その報告を待ちまして、重点的に、さらにその重点を絞ってやるか、あるいはそれ以外にも、やはり治水関係で相当ひどい所があるかというような、一応のめどとして、参考として、しるしをつけておる、こういうわけなんです。
  37. 田中一

    委員以外の議員田中一君) 調査が十分でないから、もう少し時間をかけて、待ってから、また質問します、報告を待ってから。
  38. 田上松衞

    田上松衞君 田中委員が言われたように、まことに調査は、まだ不十分だ。したがって、いろいろ質問を申し上げたいことは後日に譲りますけれども、私、一番不満に思いますことは、劈頭申し上げました、これこれの方法をやったのだけれども、やむを得ずこれくらいになったんだというような説明がほしい。それに対して、一言のお答えもない。実に不思議なことは、河川局関係だけで考えてみたところで、直轄被害が十六億四千万余りあるわけなんです。しかも、この中には調査中であって、計上されていないものが、まだ相当ふえるというふうに見て間違いないでしょう、これは。非常に不満に考えることは補助災害については百十四億六千五百何十万円というものがあるのだが、これはまあ不完全ではあるけれども、一応報告あったわけなんです。補助災害がこれだけつかめているのに、しかもこの補助たるや、ほとんどがこれは河川からくる被害だけのことなんです。それなのに、河川だけの直轄事業だけでも、多くまだ調査中だ、報告ができないというような、こんなだらしないことで、一体いいのかということなんです、問題は。どうも本省のやっていることは、これでは心細くてしょうがない。一体、これが国民に与える影響というものは大きなものがあるのじゃないか。都道府県に向かって、ああしろこうしろとかけ声だけはやっておるけれども、足元は一体何だ。明確にここに、こういうものが出てしまう、ということなんです。まあこういうようなことを考えるから、さっき申し上げた重要な点だけでいいのです。何千万円でなくて、何億というような数字でもわかるというような重要な部分だけでも、少し報告を出してもらって、それから調査ができていないということは、どういう理由で、まあ調査ができないのかというようなことも、少しわかるように親切に御説明願っておきたい。この程度ぐらいは、きょうでもお答えはできるはずだと、こう思うんです。
  39. 山内一郎

    説明員山内一郎君) 府県のほうは、現在わかっているところを知らして参ったわけでございますが、したがって八日の豪雨によるものは、なお相当変更する見込みでございます。それは書いてございませんが、増加する見込みでございます。それから直轄分で調査中といいますのは、今回の最高水位の日時のところをごらんいただきますとわかりますように、四日の分の出水については、筑後川菊池川についてわかっておる、その後の八日の分の出水については、まだ水位が高い関係上、一応現地で当たっておりますけれども、水位が下がってから、はっきりしてから報告をしたい、こういうことで、現在調査中になっている、こういうわけでございます。これも極力早く調査をやりたいと思っております。
  40. 田上松衞

    田上松衞君 直轄のいわゆる八日の災害については明確でないということなんですけれども、この被害個所から見ますると、やはりこれは、個所すらわかってないんですね、そうなんですね、金額の点について的確なあれはできないだろうけれども、およそ何個所ぐらいこれこれということすら、できなかったのかということですね。どうもその点が納得ゆきかねるんですよ。それとあわせて、こまかい問題はいいとしても、おおよその見込みとしては、たとえば何億とか、あるいは何十億円とか、あるいは何千万円程度だとか、一応の見込みはできませんか、それすらできないんですか。
  41. 山内一郎

    説明員山内一郎君) 個所は、筑後川菊池川ではカッコして書いてございますように、大体、見当ついております。本明川、六角川も、大体ついていると思いますが、これは記載してございません。ただ、金額は大体でどうだということになりますと、直轄のほうは、非常に慎重にやっておりまして、もし大き過ぎた数字を出しても、あとで訂正するのも困る、こういうことで多少慎重さのためにおくれている、こういうわけでございますので、できるだけ早くやりたいと思っておりますが、御了承をお願いしたいと思います。
  42. 田中一

    委員以外の議員田中一君) これに書いてないけれども、現在工事中の個所災害というものは相当あるんじゃないかと思うんです。工事中の個所ですね、従来とも、そういう問題はどう扱っておるんですか。計画面に現われているもの、それが災害工事中の——もう、災害を受けるものが多いと思ううんです、こういうものがあると思うんですよ。その場合には、そういうものの扱いは、どういう工合に解決しているんですか。そういうものがあるかどうかひとつ……。
  43. 山内一郎

    説明員山内一郎君) その点は、あると思います。その場合に、出水、洪水期前に各地建、府県によく注意をさせまして、いつ出水が来ても、出水前の状況が把握できるようにやらさしております。で、出来高から洪水のために取られた、せっかくできたものが、工事中のために、その分が取られた、これは災害復旧費で手当をしております。それ以上の分は、これは改良でやっている、こういう取り扱いをしております。
  44. 田中一

    委員以外の議員田中一君) そうすると、契約約款の上に基づく天災という条項があったはずですがね、それは、それを適用してやるということですか、そこに無理がありませんか、無理が。たとえば今河川局長が言っているように、災害時、その時点の原状というものの把握というものが常にやれといったって、なかなか持たれない場合がある、それがかりに、それを握っておらぬ場合には、まあ悪い業者は、水増しをするかもわかりません、また、ない場合に、原状把握できなかったから、きびしくそれを主張するという場合もあり得ると思うのです。そういう点が、どういう工合にそれを従来とも扱っているのか。肩たたいて納得さしてきているのか。あるいは、合理的にそういうないものは当然施行者のほうの要求をのむのだという態度なのか。私は、そういう面からも、よい慣行を作りたいために、やっぱりはっきりしなければならぬと思うのですよ、そういう点は、これは建設大臣ひとつ答弁して下さい。そういう点について、施行中の現場における災害というものが、天災によるものとして契約約款上どちらの負担に属するかということも明らかにしなければならぬ問題がある。従来ともに、それがほんとうの正しい姿、数字というものができないために正直な話し合いがつかない場合が往々にあるのです。現に佐久間ダムの問題にいたしましても、設計変更するために二十億以上の要求があって、それが話し合いでもって十何億、下がってきたというようなこと。これは幾らでもある。そういう点の建設省としての心がまえ、これはおそらくあると思う、こういう現場関係。それで、今河川局長の話では、その時点の原状というものを完全に把握するものを持っておってこれから出発した、災害というものに。そうしてマイナスになっておるものは災害復旧費でもって新しく予算として出すのだ。これはこれでいいと思う。しかし、力や権力でもってそれを圧服するという形はとっちゃならないと思う。そうして、その時点におけるところの実態というものが書類上何にもなかった場合に、どういう形でもってその話し合いを進めていくかということです。その点の心がまえは、建設大臣としてもどういう指示をするかということをひとつ説明していただきたいと思うのです。
  45. 中村梅吉

    ○国務大臣(中村梅吉君) 田中さんの御指摘まことに重要な点だと思いますが、確かに不当に要求さしてもいけませんし、それから不当に圧迫してももちろんいけません。今河川局長がお答えを申し上げましたように、七月の豪雨あるいは秋の災害、大体災害時というものを予定されますから、各地建におきまして、そういう原状把握は十分やらせるようにいたしておりますが、あるいは不十分の点も、広いたくさんの現場の中にはないとは限らないと思いますが、まあ私昨年の災害等にかんがみましても、それで当局と業者との間に問題になってわれわれのところまで耳に入ったというのは、幸いないわけです。しかしながら、あるいはわれわれの耳に入らないうちにそういう論争点もあって解決しているものもあるかもしれませんので、今後十分とつ注意をさせまして、原状把握、これは目で見たということ以外に、数字の上で、あるいはまた原状の写真等十分資料を整備さして、当局と請負業者との間に論争の起きないように万全を期するようにさしたい、こう思っております。
  46. 田中一

    委員以外の議員田中一君) もう一つ直轄砂防災害というのは、これはもうわかったでしょうけれども、これは、原因が施行にあるのか、異常出水あるいは上砂の崩壊ということにあるのかですね。非常にわれわれとしても関心を持つわけなんです。程度というものはたいしたものじゃないらしいですが、どの程度のものか。私ども直轄砂防を信用しています。それだけに、その原因が施行とかあるいは設計とか、こちらのほうに何か欠点があったんじゃ因ると思うのです。災害を守るための砂防でありながら、その砂防そのものが災害を受けるということになると……。これ調べてありますか。
  47. 山内一郎

    説明員山内一郎君) 概略はここに書いてございますように堰堤が三カ所ございますが、左岸のそでの部分の決壊、それから水叩、副堰堤、先または根元が掘れた災害、それからやはり副堰堤の掘れた災害、こういうことでございまして、設計施行上は誤りはないと思います。ただ、異常な豪雨によるものか、あるいはやはり維持の不十分によるかというような点については、さらに今調査しておりますが、そういうおそれはありますので、設計施行以外に、まあ維持の点に注意して調査をさしていく、こういうことでございます。
  48. 田上松衞

    田上松衞君 住宅被害については警察庁調べというものを提出さして、さっき住宅局長のほうから御報告受けたわけですが、肝心な人畜の被害についての資料がほしいわけですね。これは警察庁を呼んでいただいておけばよかったと思うのですけれども、もう過ぎたことですから……。これを急速に知らしてもらいたいと思うのです。これはわれわれの、建設省の所管でないなんということではない。今までの考えからいきましても、常に人間の命の問題は大事に取り扱って、あるいは自動車のほうに関する駐車場等の問題ですらも、常にこの人間の問題が基礎になって考えられてきている。今度のこんな大きな災害について、全然このことが知らされないということは、ちょっと不満足なんですがね。もし時間的な関係で警察庁を呼ぶことがちょっと無理だとするならば、どうですか、建設大臣はこれらについて大体お調べになっておりませんか、どうですか。少なくともその人畜の被害の数だけでもお聞きしておきたいと思います。
  49. 中村梅吉

    ○国務大臣(中村梅吉君) 実は私どもも今度多数の死者、行方不明等が出ておりますので、この点を重視をしまして、警察庁から現地で調べた資料をもらいまして、その原因等についても検討いたしておるわけでございますが、あいにく、実は目を通しましたけれども、その資料の手持がございませんので、後刻詳細は警察庁にでもおいで願って御説明を願うことにいたしたいと思います。
  50. 田上松衞

    田上松衞君 まあ今のような状態で、こうした機会にそれすらお答えできないというようなことで、まことに遺憾です。したがって、いろいろ質問申し上げたい点がたくさんあるのですけれども、きょうの場合はこれは質問しようにもしようがない。資料が来ていないということであるから、これらに関する被害全般に関する質問等を留保しておきます。
  51. 中村梅吉

    ○国務大臣(中村梅吉君) 少し前の分ですが、手持ち資料の分だけ事務当局から御説明申し上げます。
  52. 山内一郎

    説明員山内一郎君) これは七月九日の警察庁の発表でございますが、九州地方集中豪雨だけの状況でございます。死者が五十二人、行方不明が十九名、負傷が五十七名。それから耕地関係では、水田の流失、埋没が千六百六十五ヘクタール、冠水——水をかぶった分が三万九千三百五ヘクタール、畑の流失、埋没三百八十ヘクタール、冠水が千百七十八ヘクタール。大体以上のとおりでございます。
  53. 小山邦太郎

    委員以外の議員小山邦太郎君) 災害について、建設省に属する分は、これで不十分だけれども見られるとして、さらに足りないものはあらためて追加してもらう。それからその原因が、建設省の管轄の範囲内だけに起こったものではないだろう、その上のほうの何か農林関係砂防、その管轄地域において起こったものが原因して下のほうまでなにしておる。両方関連して調べてみることが大事じゃないかと思うのですね。そのことがやがて砂防の根本問題を片づける上に非常に大事な資料になりはしないか。したがって、両方をひとつ委員長から御心配をちょうだいして、今度の災害だけでなく、もう前にさかのぼって申し上げなければいかぬことですが、せめて今度の災害について両省の関係をお調べになって、原因はもっとどこにあるか、農林関係のほうでちょっと手が抜けておったために、下のほうにまで非常に大き災害を起こすということもありましょうし、でありますから、先ほど来からの御質問を私は承って、やはり両省を一体化してこの災害原因を究明することが大事じゃないかと、こう思いますので、これをひとつ委員長のほうで要求をしてもらいたいと思います。
  54. 武内五郎

    理事武内五郎君) 承知いたしました。
  55. 田中一

    委員以外の議員田中一君) 今、林野庁来るのですか。
  56. 武内五郎

    理事武内五郎君) 来ます。
  57. 田中一

    委員以外の議員田中一君) また中途半端な答弁じゃ困るから、では委員長から資料を要求しておいて下さい。  今の小山委員のと関連してでありますけれども、さっきから言っているのは、山の集中豪雨というものは、それを守るだけの施設というのはなかなか困難だろうと思うのです。実際上困難だろうと思うのです。しかしながら、一つ水系に関連する山くらいは、これは当然保全施設として山腹砂防に手をつけなければならぬと思うのですよ、林野庁なり農林省は。直轄でも補助でも、どっちでもですよ。そういう点が、もうこれはくどく長い間言っておるにかかわらず、私は連絡がとれていないと思うのです。昭和初年の農林、建設両省の申し合わせというものがありますから、それを尊重してやるならば、当然農林省は山腹砂防をしなければならないのですが、していないのですよ。これは山奥の崩壊なんというものは、これはどうあっても、大体人畜には、地域社会には、そう特別な災害はないわけなんですけれども、何といってもわれわれ人類というのは水の周辺に社会を持つものですから、その関連する山腹くらいは調査をして、山腹の砂防を完全に行なうということくらいは当然しなければならぬと思うのです。それは建設省とよく打ち合わせしてということになっておりますけれども、なかなか打ち合わせしていない。この委員会に顔を出す両省の責任者は、もう話し合いはやりますと言うけれども、末端に行けば、その課は違いますから、農地と土木で違うものだから、どうしてもそこに一体性がないわけです。もうこの点は委員長から、今までの一年間でいいですよ、三十六年度の予算上の山腹砂防というものが、どこどこやったか、補助砂防はどうだ、それから直轄砂防はどうなっているかという資料を、委員長から取って下さい。
  58. 武内五郎

    理事武内五郎君) はい、承知しました。
  59. 田中一

    委員以外の議員田中一君) おそらく、渓流に堰堤を作っていますが、その仕事は、私が現に見たのだって、三十メーターも離れている。下流建設省砂防がある、それから百メーター離れた所にはまたある、その間にすぽっと三十メーターぐらいの所に、これは農林省だといって入っている、そういうくだらぬことをして、ほんとうの山腹砂防というものは行なわれていないですよ。これは、今、小山委員が言っているように、一元化しなければいかぬです。
  60. 田上松衞

    田上松衞君 先刻お断わりしたように、いろいろな質問があったが、後日の機会にするといたしまして、この際、建設大臣に、もしおわかりになればという気持でお聞きしておきます。  一体、建設、農林あるいは自治、通産、これは各省にわたってあれがあると思うのですが、大づかみにして、今度の集中豪雨でおよそどのくらいの総額被害——人畜は別に、金で見積れるものは一体どのくらい額をお考えになりますか。公共土木だけで実に百三十二億というような大きな数字が出ているわけですが、いろいろ自民党の内部でも参議院の選挙の結果、ああだこうだ、内閣改造等、いろいろなややこしい問題等で、こんなことまだ調査もできなかったとか、閣議も開かれていないということかもしれないのですけれども、われわれやはり国政に参画いたします者の立場とすれば、これはまじめに、こういう点についてはこうしなければならないじゃないかということがなければ、その資格すらないわけですね、そういうことを頭に置きつつやってみると、一体今度ので総額どのくらいだったのだろうか、それすらもわからぬということでは、これはしようがないと思うのですがね。さっき河川局長は非常に慎重な態度をとられて、たとえば直轄事業等については、よけいなことをやっちゃったらおこられるだろうというようなあれがあったけれども、そういうことは別といたしまして、およそどのくらいのものかわかっていませんか、どうですか。
  61. 中村梅吉

    ○国務大臣(中村梅吉君) 大体いつの場合でも公共土木災害のほか通産、厚生、農林等、その他被害を合わせまして、公共土木災害の四、五倍に達するのが通常でございますが、昨日の閣議に各省から被害状況報告資料を出しまして、私どもも検討したわけでございますが、それを集計しますと、まだ調査未了の分もございますが、大体四倍余りに達しておるように——資料を持っておりませんが——記憶いたしております。
  62. 田上松衞

    田上松衞君 それじゃ、およそ五百億以上だと考えればよろしいわけですか。
  63. 中村梅吉

    ○国務大臣(中村梅吉君) そうです。
  64. 武内五郎

    理事武内五郎君) それじゃ申し上げます。今回の災害関係資料を、なおこのほかに農林省、厚生省及び警察庁その他関係官庁より取り寄せて御検討の資料にしたいと存じますので、御了承願いたいと思います。  なお、お諮りいたしまするが、今回の集中豪雨等によって災害の生じました状況調査のために、現地を視察いたすように取り計らいたいと存じまするが、関係委員会の意向などを調整いたしまして、その点を処置したいと思います。
  65. 田中一

    委員以外の議員田中一君) 僕は、委員外であるけれども、実は今までの経験から言うと、院議でお見舞に行くならかまいませんけれども、建設委員会として調査に行くということは、非常に迷惑なんです、現地が。迷惑ですから、これだけはもう八月過ぎでも行かないと、私の経験から言うと非常に迷惑であって、相手方がかえって反発を感ずる向きもございますから、その点はひとつ委員会としては考慮していただきたい。院議として見舞にいくなら、これは各会派から出るのは一向差しつかえないと思いますが、これですら非常に迷惑です。ですからその点は、われわれの経験から申し上げるのだけれども、十分に考慮していただきたいということです。
  66. 武内五郎

    理事武内五郎君) その点考えまして、処置したいと思います。御一任願いたいと思いますが、いかがでしょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 武内五郎

    理事武内五郎君) それでは、ただいま林野庁治山課長手束羔一君が出席しましたが、御質問ございませんか。——それでは手束山課長に申し上げますが、三十六年度の農林省所管の砂防の実態を出す、それは個所別、直轄補助の各工事、工種、工費、特にその工事の個所を地図に明記していただく、こういう資料を願いたい。  ほかに御質問もないようでございますから、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十四分散会