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田中一君 内容の大きな問題がたくさんあることですから、こうしたときの
委員会ではなかなか詳細な質問はできませんから、大体伺っておきますが、たとえばこの新聞にあるように新
産業都市ということを
考える。
岡山県の
岡山市ならびに
臨海地方を
中心として百万
都市を
考えているという場合を想定すると、やはりこれによってそういうような
工場誘致なり
設備投資なりが行なわれてそうした形になるんだ、というような
国民に
印象づけがされるわけなんです。しかし一方、
設備投資に対しては
金融措置によって大乗的な、大乗的というよりも総括的な問題でとられるのじゃなくて、まあ小じゅうとが嫁いびりをするような形でもって、一応
私企業として
一つの
計画を立っているものを、
うしろのほうから針でつつくようなことをして、痛みに耐えかねてやめるというようなことをしている。あるいは
うしろ髪を引っ張って、行っちゃいかんぞということにしているというようなことは、これはもう困るんです。だから
岡山周辺の
一つの新
産業都市という
考え方を持てば、ここに今すぐにでも
一つのものが出てくるのじゃないかという
印象を受ける。私もこれが決して与党の
選挙対策だと思っておりません。これは懸案です。私どもは長い間要求していた問題でありますからそうは思いません、思いませんが
国民に与える誤解というものがあっちゃならんと思う。そういう点も明らかにするというつもりでおりますか、それが
一つ。
それから
私企業に対する
指導といいますか大体の
考え方としては、新
産業都市建設促進法による
指定というもの、それから低
開発地域工業開発促進法による
指定というものがいろいろあると思います。これらのものによって相当各
府県とも
地方自治団体は招致の運動をしておる。どこに決まるにしてもそこに、もはやというものが急速に
建設されるんだというような
印象を持つ。そうすると、
私企業に対する全体の
生産面における
調整というか
指導というものをどうするんだ、
私企業というものは、もうければ、売れれば作るんです。売れる見通しのもとに作る。売れてくればますます作る。そうすると
過剰生産になることは当然なんです、
私企業の
営利追求という面からくる場合にはですね。そこに競争も行なわれる。そうしてまたある面は倒れていく、だれかが残るというような形でもって
発展してきているわけです。私はそうした
意味の統制をやれというのじゃございません。しかし、
指導としてはどういう
産業をどの
地域に求むべきかということは、
私企業そのものが
考えるのじゃなくて、やはり
総合開発としての国が
考えるべきものじゃなかろうか、
考えそして
指導すべきものじゃなかろうか。この点が第二の問題。
それから時間がないから一括的に申しますがね。大体において
臨海工業都市というところに
重点を置いているわけですが、
臨海地域に置くということが
重点なのか。あるいは
日本でも
内陸がございます、
内陸は
山岳地帯が多くてそれはなかなか
仕事をするにも困難でしょう、また費用もかかるでしょう。しかしただ単に
臨海地域にだけそれを求めているということも、これは将来の
計画については問題があろうかと思うのです。
私企業の
自由経済のもとに、一番便利で一番もうけがよくてということを
考えるならば、まあ
臨海地域が一番いいと思うのです、ことに
原料等の
運搬等を
考えても。しかし御
承知のように
国土開発縦貫道という
計画もございます。ことしも相当大幅な予算がつけられて一歩々々その
計画が進みつつある。そういう場合には、もう場合によれば
臨海地帯に持たないで
内陸に持つという
考え方もあると思う。しかし今までの
計画を見ると、みんなこれが
臨海工業地帯にあるということが第二の問題。
それから第三の問題はやはり
太平洋面に
重点が置かれているということなのです。これはもう否定できない姿です。私ども、やはり
日本海方面にもそうした低
開発地域の解消、
格差をなくするということならば、あり得ると思うのです。
原料等も、
日本の国際的な
立場、隣接する
大陸との貿易とか、
大陸との
関連を持つところの
日本の
産業というものを
考えておらないのかどうか——おるのかおらないのかということです。平和な
日本の国という
建前からするならば現在でも敵はないはずなんです。正常な
国交の
回復を持たない国はあります。しかしこれも
民族としてはどこまでも正常な形の
国交回復を行なって、そしてそれらとの資源的な交流をすべきである。ところがこれが全部
太平洋向けになっておる、という点に対してはどういうお
考えを持っておるのか。ただ単に
日本が孤立したところの
モンロー主義で
日本の
経済は成り立つものではございません。もはや地球というものは狭くなっている。国際的な連帯の上に立つところの
日本の
民族の自立、
国土の
開発が行なわれなければならぬと思う。あるいはアラスカで
パルプを作っているが、シベリアでその
事業を行なうならば、われわれ
民族にはもっと安くていい
パルプ等が供給されるかもわかりません。そういう点も考慮に入れてあるのかどうかという点です。
それからもう
一つ申し上げたいのは窓口の問題です。これはまあ
経済企画庁はただ
各省各庁が
計画されるものを総合的に
調整して、
一つの
計画を立てるのだ、ということじゃならないと思うのです。かつての安本と同じようにせめてこの
計画だけは、
地方的な
地域開発は別としても、
全国的な
開発計画に対しては、やはりもう少し強力な
推進力というのがどこかになくちゃならぬわけです。
昭和二十五年にでき上がったこの
総合開発法が、今日まで足踏みしているということは、そこにあるのです。
地方計画あるいは
公共投資、あるいは
私企業等々の孤高的な
配置とかというものが、今日困難ならしめているのはこれは当然であります。もうそうなっているものでありますけれども、少なくとも
全国計画というものを
調整しながら、五百年千年後の
民族のために
計画されるものでなくちゃならぬと思うのです。これはどうお
考えになっているか。そして現在では
各省間にどういうような話し合いで進められているか。従来
どおりこの
総合計画というものが
こま切れに
各省各庁の主権に分割される、そしてそれはおのおのまた
地方におきましては、
公共投資の
補助とかなんとかという形でもって
地方にまた分散する、というようなことではならないと思うのです。その点をひとつ伺っておきたいと思います。できるならば自治省としての
措置をとっていただきたい。
それからもう
一つ、
資金関係については、先ほども大来さんから
説明があったように、いろいろ
助成とか
補助とかという形でやっていこうといいますけれども、これに要するところの総合的な
資金計画というものができていると思うのですが、これをひとつ大まかなところでいいから、何年
計画でどのくらいの
資金があればその目的が達せられるのだ、ということをお示し願いたいと思う。
それからもう
一つ。時間がないからどんどん言ってしまいます。最後に、この
仕事を遂行するのには、私はこれに先行するものは何かといいますと、
国土調査だと思う。
一体日本の
民族は、
日本の
国土がどういう形になって、どういうものになっているのか知っておらないと思う。かつては
陸軍というものが国防的に
日本の領土というもの国防の面から掌握しておりました。今はそういうものはございません。これも二十七年にできたところの
国土調査法によって、一応年間一億五千万か二億
程度の
補助金で、
特定地域の
調査をやらしておりますけれども、それではあきたらなくなってきて、御
承知の前国会で
国土調査促進特別措置法というものが成立しました。これに示しているものは十カ年ということです。ことにかつての
陸軍の
陸地測量部がやっておったようなことでない、非常に科学的な、機械的な、
機動力を持ったところの
調査が可能なんです。地積その他の面については、これはむろん従来
どおりの
方法でやらなければならぬと思うのですけれども、この
国土調査促進特別措置法とからみ合わせて、いつごろまでにこれを完成しようとするのか、完成しなければわからぬ問題です。これはいつの時点の
国土というものの姿を想定されて
考えているか、あるいは
一定地域に
臨海工業地帯を
指定されて、
施設を持つ場合には、その地下の
地盤はどうなっているのか、あるいは
工業用水等の問題もどうなるかというような、多角的なそれを形成すべき各要素というものは現在はむろんのこと将来にわたって検討された後に、
指定されなければならぬということは明らかです。これに
関連する
国土保全の問題がまず第一。災害に対する防衛の
立場から、現在の
一つの水域にしても、それが現在のままの形であり得ないということを
考えなければならぬと思うのです。現在のままの形で
水資源があり得るか、あり得ないと
考えなければならない。それを変えなければならぬのだということもあり得るのです。そういうこれに
関連するこのような
国土調査はだれがするか。基本的な
国土調査、地形なり
地盤なりを調べないで、
計画だけ立てたのではだめなんです。
経済的な、そろばんの上ではじくところのもの、だけであってはならぬということです。やはり科学的な
調査が並行しなければ、ものの決定はなし得るものではないのです。
地盤沈下は
臨海工業地帯にはどうしてもあり得ることです。
工業地帯に供給する
水資源にいたしましても、
台風待ちなんていうようなことでは非科学的です。それではほんとうの
意味で
生産が向上するものではないと思うのです。その点についてひとつ、これは大来さん、時間がないから、あまり詳しく言わぬでもいいから、一応の
考え方だけでいいです。