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説明員(鈴村信吾君) 看護婦の
不足対策につきましてわれわれもいろいろ考えておるわけでありますが、いろいろな方策があろうかと思います。
そこで、一つには、給与問題等もあると思いますが、そのほかに
制度面の問題等もございますので、ただいまわれわれのほうでいろいろ考えておりますのは、これは先ほどの
医療制度調査会の中間
報告にも大体うたわれておることでございますが、
制度面の問題といたしましては、たとえば準看護婦については名称変更等も考えよう。今の準看護婦というような名称が、何か身分的な
不満を譲成するというようなこともありますので、何か適当な名称に変更したらどうだろうか。それから、準看護婦の将来の問題につきまして、何とか看護婦との一本化というような問題も検討したらどうだ。ただ、その場合に、看護婦の水準の低下を避けるように配慮するということは当然でございますが、そのようなことも考える。それから、看護婦が正看に昇進する等の道につきまして、さらに合理的、効率的なものにしたらどうか。今その点について若干不便な点がございますが、そういう準看護婦の正看への昇進について、さらに容易にすると申しますか、効率的にしたらどうかということも考えておるわけでございます。
それから、待遇についても、必ずしも専門技能者としてこれにふさわしい待遇が保証されているということも言えない状況でございますので、さらに給与等の面についても十分考える。特に、民間の看護婦の給与が国家公務員に比べてもだいぶ低いわけでございますから、少なくとも国家公務員の線程度には民間看護婦も
引き上げていかなければならないということで、これは日本
医師会あるいは日本病院協会等の団体に対しましても、看護職員の給与について、これを適正にするように十分配慮してもらいたいということも申し入れをいたしておるわけであります。それから、国家公務員は比較的民間より高いわけでありますが、これもさらに、他の国家公務員との均衡上必ずしも十分であるかどうか疑問がありますので、この点もさらに、看護婦の技能にふさわしい給与の保証が行なわれるように、今後とも
改善をはかって参りたいというふうに考えておるわけであります。
それから、さらに、こまかい問題でありますけれども、看護婦宿舎の
整備充実等につきましても十分配慮していく必要があるというふうに考えております。
それから、看護職員の養成問題につきましては、現在国等も相当積極的にやっております。また、
都道府県その他の団体においても十分やっていただいておりますが、さらに国も積極的にやろうということで、とにかく能力一ぱいやる。たとえば、定員を下回っておるようなところにつきましては、これを定員一ぱいに養成するということで、できるだけこれを積極化して参る。それから、そのためには、現在
都道府県等に対しまして看護婦養成所の設置費の
補助が出ておりますが、これをさらに増額する。あるいは、現在運営費の
補助が出ておりませんので、この看護職員の養成についての運営費の
補助も将来
予算化することも考えておるわけであります。
それから、さらに、現在看護婦が必ずしもやらなくてもいいような仕事を看護婦にやらしておるという
傾向がありますので、看護婦の仕事をもう少し検討いたしまして、
補助者に譲るべきものは譲る。それから医者がやらなければならぬ仕事は医者がやるということで、とにかく看護婦は看護婦らしい仕事だけをやるという態勢をもっと確立する。そのためには、看護
補助者の増員等も必要でございますので、看護
補助者の増員をはかることも必要だと考えております。
それから、看護婦業務に対する一般の認識が必ずしも適正でない面もございますので、看護業務の重要性と申しますか、それについてさらに一般の認識を高める。それから、看護婦につきまして、自己の職務の重要性と申しますか、それについての認識を高めていく。一種の広報的な活動についてさらに力を入れたいということも考えておるわけであります。
それから、
医療法で、今患者四人に一人というような
基準がきまっておりますが、さらに社会
保険のほうで四・四・二というような
基準もきまっておりますが、これを再検討するということで、これは
医療法の
基準は十数年前にきまったことでありますので、必ずしもこれにこだわることなく、新しい見地から、たとえばタイム・スタディ等を行ないまして、新しい
基準の作成を直ちに検討する。その際に、看護
補助者を含めまして、要するに看護職員全般として、患者何人に幾ら要るか、その内訳として看護婦が幾らあるいは
補助者が幾らというようなことで、
医療法
施行規則の
基準を再検討するということも考えておるわけであります。まあ、今申し上げましたようなことで、できるものからひとつ実行していこうというふうに考えておるわけであります。