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1962-04-26 第40回国会 参議院 決算委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月二十六日(木曜日)   午前十時二十九分開会   —————————————   委員異動 本日委員下村定君辞任につき、その補 欠として谷村貞治君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    理事            岡村文四郎君            佐藤 芳男君            林田 正治君    委員            上林 忠次君            木内 四郎君            小林 武治君            高野 一夫君            田中 清一君            谷口 慶吉君            温水 三郎君            増原 恵吉君            谷村 貞治君            木下 友敬君            大和 与一君            山田 節男君   国務大臣    厚 生 大 臣 灘尾 弘吉君    建 設 大 臣 中村 梅吉君   政府委員    厚生大臣官房会    計課長     今村  譲君    厚生省医務局長 川上 六馬君    建設大臣官房長 鬼丸 勝之君    建設大臣官房会    計課長     三橋 信一君    建設省道路局長 河北 正治君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    厚生省医務局次    長       鈴村 信吾君    厚生省保険局次    長       熊崎 正夫君    会計検査院事務    総局第三局長  中島 尚文君    会計検査院事務    総局第五局長  白木 康進君   参考人    住宅金融公庫総    裁       鈴木 敬一君   —————————————   本日の会議に付した案件昭和三十四年度一般会計歳入歳出決  算(第三十八回国会内閣提出)(継  続案件) ○昭和三十四年度特別会計歳入歳出決  算(第三十八回国会内閣提出)(継  続案件) ○昭和三十四年度国税収納金整理資金  受払計算書(第三十八回国会内閣提  出)(継続案件) ○昭和三十四年度政府関係機関決算書  (第三十八回国会内閣提出)(継続  案件)   —————————————   〔理事佐藤芳男委員長席に着く〕
  2. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) これより決算委員会を開会いたします。  委員長の依嘱により、本日の委員会は私が委員長の職務を行ないます。  このたびの会計検査院人事異動によりまして新たに第三局長になられました中島君より、就任のあいさつをいたしたいという申し出がございまするので、ごあいさつをお願いいたします。中島第三局長
  3. 中島尚文

    説明員中島尚文君) ただいま御紹介にあずかりました中島でございます。今度四月一日付をもちまして第三局長に新たに就任したものでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  4. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) 昭和三十四年度決算を議題といたします。厚生省関係の審査を行ないます。念のため申し上げますが、厚生省関係会計検査院より指摘を受けた事項は、検査報告四十三ページ以下の不当事項十件、是正事項一件であります。  それでは、昭和三十四年度厚生省関係決算について、厚生大臣より説明を求めます。灘尾厚生大臣
  5. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 昭和三十四年度厚生省所管一般会計及び特別会計決算概要について御説明申し上げます。  まず、一般会計歳出決算額につきましては、当初予算額一千三百五億四千三百余万円でありましたが、その後、災害救助費生活保護費国民健康保険助成費等不足に伴う補正予算額九十二億七千六百余万円、総理府所管及び大蔵省所管からの移しがえ増額一億六千三百余万円、前年度繰越額十一億六千六百余万円、予備費使用額十九億六千百余万円、計百二十五億六千七百二十六万余円を増加し、予算総額は一千四百三十一億一千三十一万余円となりました。これに対しまして、支出済歳出額は一千三百八十六億九千五百九万余円、翌年度繰越額は三十三億一千百七十三万余円、不用額は十一億三百四十八万余円で決算を結了いたしました。不用となりました主なものは、災害救助費国民年金事務取扱費社会保険国庫負担金等でありまして、以上が一般会計決算大要であります。  次に重要な事項についてその概要を御説明申し上げます。  第一は、国民年金制度実施に要した経費であります。昭和三十四年度におきましては、まず、無拠出年金を取り上げ、老令、障害、母子三つ福祉年金給付昭和三十四年十一月分から実施し、昭和三十五年二月分までの四カ月分を二百十七万一千余人受給権者に支払いをいたしました。その支払済額は八十五億七千万円であります。  第二は、国民保険の推進に要した経費であります。国民保険四カ年計画の第三年目に当たる国民健康保険につきましては、昭和三十四年度末の被保険者数は、その予定数を百万人以上も上回る四千三百六十三万人に達し、また全国市町村に対する普及率も九〇%に達しました。第三は、結核対策に要した経費であります。結核対策につきましては、本年度は、在宅患者等の徹底的な管理を行なうとともに、治療費公費負担率引き上げることにより、濃厚感染源患者入院措置を重点的に実施いたしました。  第四は、環境衛生対策に要した経費であります。簡易水道施設につきましては、七百六カ所の新設、また、下水道終末処理施設は、四十九カ所の新設等環境衛生施設整備は著しく推進されました。これら施設補助に要した費用は二十一億三千八百二十二万余円であります。  第五は、生活保護及び社会福祉の増進に要した経費であります。生活保護につきましては、炭鉱の不況、災害等による生活扶助及び医療扶助対象人員増加、また消費物価変動等による生活扶助基準の二・九%引き上げ等によりまして、本年度は四百五十三億四千四百八十九万余円を支出しております。次に社会福祉に要した経費でありますが、精神薄弱者保護更生援護をはかるため、新たに精神薄弱者福祉対策実施いたし、本年度はその収容施設一カ所の新設を見ました。また、低所得者対策のうち、世帯更生資金貸付につきましては、災害等による貸付対象件数増加によりまして、当初予算より約二億円多い四億九千八百十一万余円を支出しております。  第六は、児童保護に要した経費であります。児童福祉対策につきましては、前年度に引き続き、保育所児童遊園母子健康センター等整備拡充、また児童福祉施設職員待遇改善をいたしました。また、結核療養所に入所して医療を受けながら学校教育をおさめているカリエス児童に対する公費負担制度を新たに実施いたしました。これら児童保護に要しました費用は八十二億六千四百五十五万余円であります。  以上、厚生省所管昭和三十四年度一般会計決算概要を御説明申し上げましたが、次に特別会計決算大要について申し上げます。  第一は、厚生保険特別会計決算であります。厚生保険特別会計につきましては、一般会計より六十八億二千六百五十三万余円を繰り入れました。  まず健康勘定決算額について申し上げますと、収納済歳入額は八百十九億六千二十七万余円、支出済歳出額は七百九十八億二百八十二万余円でありまして、差引二十一億五千七百四十五万余円の剰余を生じ、これをこの会計積立金に積み立てました。昭和三十五年二月末の事業所数は三十四万四千余カ所、年間平均保険者数は七百五十六万二千余人に達しております。  次に、日雇健康勘定でありますが、その決算額は、収納済歳入額六十二億七千百七十七万余円、支出済歳出額六十二億三千五百七十四万余円でありまして、差引三千六百三万余円の剰余を生じ、これをこの会計積立金に積み立てました。なお、年間平均保険者数は八十八万三千人であります。  次は、年金勘定でありますが、決算額は、収納済歳入額七百九億二千七百九十二万余円、支出済歳出額百二十七億二千六百四十七万余円でありまして、差引五百八十二億百四十四万余円の剰余を生じ、これをこの会計積立金に積み立てました。  次は、業務勘定でありますが、その決算額は、収納済歳入額五十四億一千六百五十九万余円、支出済歳出額四十八億七千百六十四万余円、翌年度繰越額三億三千四百五十三万余円、でありまして、差引剰余額は二億一千四十二万円であります。この剰余金は、さきに述べた各勘定に按分して、それぞれの勘定積立金に組み入れました。  第二は、船員保険特別会計決算でありますが、本会計につきましては、一般会計より三億六千十四万余円を繰り入れまして、その決算額は、収納済歳入額七十四億七千四百六十八万余円、支出済歳出額五十四億四千四百六五万余円でありまして、差引二十億三千二万余円の剰余を生じ、剰余金は、この会計積立金に積み立てました、本年度事業状況を申し上げますと、年度平均の被保険者数普通保険で二十万七千余人保険給付につきましては、疾病保険で三十七億八千六百五十八万余円の給付であります。  第三は、国立病院特別会計であります。本会計には、一般会計より十二億九千三百十万余円を繰り入れまして、その決算額は、収納済歳入額百一億六千六百十五万余円、支出済歳出額九十八億五千六百七十一万余円でありまして、差引三億九百四十四万余円の剰余を生じました。本年度事業概況を申し上げますと、入院患者延べ数は八百四十三万六千余人外来患者延べ数は七百二十六万三千余人であります。  第四は、あへん特別会計でありますが、その決算額は、収納済歳入額二億九千四百二十四万余円、支出済歳出額二億八千五百九万余円でありまして、差引九百十五万余円の剰余を生じ、これをこの会計の翌年度歳入に繰り入れました。  以上が厚生省所管一般会計及び特別会計歳入歳出決算概要であります。  最後に、本決算につきまして会計検査院より指摘を受けた点がありましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。  今回指摘を受けましたものは、簡易水道等施設費補助金経理当を得ないもの五件、国民健康保険療養給付費補助金経理当を得ないもの五件並びに健康保険及び厚生年金保険保険料徴収不足是正に関するものであります。簡易水道等施設費補助金及び国民健康保険療養給付費補助金につきましては、国庫補助相当額をすでに返還させておりますが、今後とも事務処理方式改善をはかりますとともに、一そう指導を強化して経理の適正を期する所存であります。  また、保険料徴収不足につきましては、適用事業所に対する啓蒙指導に努める一方、調査の徹底をはかるとともに、事務取り扱いについてもその合理化を検討し、適正な保険料徴収努力いたす所存であります。  以上をもちまして厚生省所管一般会計及び特別会計決算の御説明を終わりますが、何とぞよろしく御審議のほど御願い申し上げます。
  6. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) 次に、会計検査院より検査報告についての説明を求めます。
  7. 中島尚文

    説明員中島尚文君) ただいま厚生大臣の御説明の中にございましたように、昭和三十四年度決算検査報告の中におきまして、厚生省所管といたしましては、三つ事項がございますが、簡易水道等施設費補助金等経理当を得ないもの、それから国民健康保険療養給付費補助金等経理当を得ないもの、それから健康保険及び厚生年金保険保険料徴収不足是正させたものの、三つ事項でございます。  簡易水道等施設費補助金につきましては、一般簡易水道に対しては事業費の四分の一、それから離島振興法に基づきますところの地域に布設する簡易水道補助金は十分の三・五以内で厚生省において補助金を出しておりますが、三十三年度支出済額は十億三千余万円、施行個所八百三十カ所、三十四年度支出済額は十億五千余万円、施行個所八百七十一カ所となっておりまして、これが三十四年度における会計実地検査対象になったのでございますが、その結果は、北海道外二十六都道府県におきまして、事業経理並びに施行の当否について実施調査いたしましたところ、本報告に述べておりますとおり、青森県外五県におきまして、実績報告書精算額より低額に施行していたり、あるいは工事の設計が過大となっていたりいたしまして、国庫補助金が過大に交付されているという事態が、一件二十万円以上のものがここに掲げてありますとおり五件で百五十万円でございます、このほかに、二十万円以下でこの表から除かれておりますものが四件六十六万円ございます。これらの不当事項が起こりますのは、事業主体において水道事業などに従事する技術員が充足されていないなど施行に不なれなためと、それからまた、事業主体のほうでできるだけ国庫補助依存をしようとして、国庫補助依存をして自己負担を少なくしようとする傾向がいまだに抜けない結果であると存ぜられます。  次に、国民健康保険療養給付費補助金等経理当を得ないものについて述べます。本院におきまして三十五年中に検査実施いたしましたのは、三十三年度療養給付費補助金交付を受けました三千百六十七保険者のうち、北海道外二十四都道府県でありましたか、その約六%に当たる百八十九保険者について調査をいたしました。その結果、保険料調定額及び同収納額が事実と相違していたのに、そのままこれによって本件補助金交付したため超過交付となっているものが、青森県外五県におきまして、六事項百七十七万余円ございました。このような事態につきましては、二十八年度以降しばしば決算検査報告において指摘をしてきたところでありますが、今なお一部の保険者において財政上等理由から補助金の不適正な交付を受けようとする傾向が見受けられることは遺憾でありまして、監督官庁の一そうの努力が要望されるところであります。  次に、健康保険及び厚生年金保険保険料徴収不足是正させたものについて述べます。厚生保険特別会計健康勘定及び年金勘定における保険料徴収不足を来たしている事態につきましては、従来、しばしば検査報告に掲記し、事業所に対する調査指導を徹底するよう要望してきたところでありますが、本年度検査でも、調査事業所の五三%に当たる三千二百五十四事業所において、健康保険保険料で六千二百余万円、厚生年金保険保険料で千六百余万円、合計七千九百余万円に上がっているのは、まことに遺憾に存ずる次第でございます。これらの徴収不足の態様を見ますと、保険料算定の基礎となる定時決定時における標準報酬月額が過小であったり、標準報酬月額に著しく異動を生じた場合は改定することになっているのに改定されていなかったり、被保険者資格取得届が適正に提出されていなかったことなどによるものであることは、従来と同様であります。このような徴収不足を生ずる原因は、直接には、事業主側において届出義務を怠ったり、届出に不実な点があったことによるものでありますが、一方実施機関側においても平素の啓蒙指導に欠けることがあったためと認められ、今後さらに指導監督の強化が望まれる次第でございます。  以上をもって説明を終わります。
  8. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) これより質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言を願います。  なお、この機会に発言者に申し上げておきたいのでありますが、厚生大臣衆議院並びに参議院における社労委員会出席予定になっておりまして、しかも、衆議院社労におきましては、矢のごとき催促を委員長は受けておる次第でございまするので、大臣向け質疑はきわめて簡潔に抜き出してあらかじめ御発言を願いたいと思います。
  9. 木下友敬

    木下友敬君 たいへんお互いに時間がありませんから、簡単に御答弁を願いたいと思います。大臣だけにお尋ねしておきますが、ここ数年医師会との問題が非常にこんがらがっていまして、国民としては非常に不安を感ずる。なぜこういうふうになっておるかということは、お話ししていただけば非常に長い問題になると思いますが、実はきのう衆議院で、支払側医療担当者側及び学識経験者から、おのおの一人をお呼びになって、委員会参考意見をお聞きになったような次第もありまして、非常に今おもしろくない状態に陥ってきているように思いますが、かいつまんででいいですから、われわれ決算委員会も、多額の国費を出している保険問題等に関しましては強い関心を持つものであります。どうか、かいつまんで、なぜこういうふうになっておるか、どういういきさつになっておるかということを、ひとつ説明して、そしてお帰りを願いたい。私も重ねてあとその問題について一、二はお尋ねしますけれども、別に深入りするような意味はありません。みんなが知っておかないといけないことだと思いますので、平かな気持で、ひとつありのままをお話しいただきたい。
  10. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 医療問題につきまして、いろいろみなさんに御心配をおかけしておるわけであります。まことに恐縮に存じております。ここ数年来、医療問題をめぐりまして、支払者側医療担当者側との間にどうも対立確執というようなものが生じて参ったように思うのでございます。御承知のように、医療費の問題は厚生大臣社会保険等についてきめるわけでございますが、その諮問機関として中央医療協議会というのがございます。この中央医療協議会で、医療費の問題について種々紛議が絶えなくて、しかも正常な運営がきわめて困難な状態に陥っております。医師会側が、いわゆる療養担当者側中央医療協議会出席しないというふうな姿まで出てきておりましたので、昨年の医療費の問題が起こりました際に、前の厚生大臣が、適正な診療報酬を支払うのにはどういうふうにしたらよろしいかというような意味で、中央社会保険審議会諮問をいたしたのであります。その答申は、従来医師会側不満といたしておりましたところの中央医療協議会において、支払者側と申しますか、いわゆる保険者側あるいは被保険者側が数にすると多い、どうも療養担当者側のほうが数において負けると、こういうふうな不平もだいぶございました。中央社会保険審議会におきましては、まず第一に診療報酬を算定する基準調査する審議会内閣に作ったらよろしいではないか、その基準に従って厚生大臣がそのときどきの診療報酬について具体的な諮問をしたらよろしいではないか、そうして中央医療協議会構成は、支払者側と——これは被保険者を含めて、支払者側と、それから療養担当者側と、それから公益を代表する側と、三者同数委員会構成したらいいではないか、こういうふうな趣旨の答申があったわけであります。これにのっとりまして、これは急いで答申をいただいたわけでありますが、前厚生大臣のときに、さき通常国会で、中央医療協議会改組する法案と、それから今度問題になっております臨時医療報酬調査会法案というものを出したのであります。この二つとも、国会においてとうとう成立するに至りませんでした。その間、その後昨年の七月、診療報酬の一部引き上げを行なったのであります。これに対しましては、療養担当者側に非常な不満がございまして、昨年の七月に、御承知のように、保険医辞退というような決意を表明するに至ったわけであります。この保険医辞退という事態は、国民のためにまことに遺憾なことでありますので、当時われわれといたしましては、何とかこの事態を回避したいと存じまして、自由民主党の幹部が仲に立ちまして、いろいろあっせんをいたしました結果、一つの合意に達しましたので、八月一日の保険医辞退というものは避けることができたわけであります。そのとき、たまたま私は、こういう状態がいつまで続いても困るではないか。いずれ意見が違う、利害の対立はありましても、国民保険という今日、関係者がそれぞれ基本においては承服して、国民のために国民保険改善向上をはかっていくという気持を持ってもらわなければ困る問題でございますので、医療懇談会というものを提唱いたしました。その結果、医療懇談会において支払者側並び療養担当者側それぞれ出席せられまして、その結果はある種の了解事項に達したのでございますが、この空気というものはかなり改善する方向に向かっておったと思うのでございます。その後、そのときの話にも出たことでございますので、厚生大臣といたしまして、前の医療費引き上げの点についてなお多少是正を要する点もあるかと、かように考えまして、中央医療協議会を開いて診療報酬引き上げの相談をいたしたわけでございますが、このときに医師会その他の療養担当者側出席せられませんでした。そういうふうなことでございましたが、支払者側といたしましては、中央医療協改組並びに臨時医療報酬調査会法案の成立を特に望んでおられたわけです。次の臨時国会におきまして、本来ならば両法案を提出すべきであると思いましたけれども、医療協改組につきましては、私は医師会側との話もつきましたので提案をいたしました。これが若干の修正を受けて通過したのであります。臨時医療報酬調査会につきましては、提案するところまでまだ話がつきませんでしたのと、同時に臨時国会がきわめて短期でございましたので、あと回しにいたしましたのでございますが、これも皆さん御承知と存じますが、当初古井大臣の当時に提案いたしました臨時医療協議会に対する三者構成構成の仕方が違っておるというふうな点で御不満があり、またこの報酬調査会を、これは関連しているものであるにかかわらず同時に出さなかったという点について、強いおしかりをこうむったわけであります。さような状態になりまして、今度は支払者側のほうにおいて非常な不満をお持ちになりまして、せっかく国会を通していただきました中央医療協議会が、まだ委員を出してもらって御協力を願うというところまで至っておらないのでありまして、私はまことに残念に存じております。本来、国会を通過したものでございますから、意見はいろいろございましても、この法案実施については御協力をいただきたいと、かように考えておりますけれども、今もって納得していただけない、こういう状態のままに今日まで推移いたしておるわけでございますので、私はしかし、誠意を尽くしまして、あくまでもこの中央医療協議会が満足な形においてでき上がるように努力継続したいと、かような心境に今日至っておりますようなわけでございます。さよう御了承いただきたいと思います。
  11. 木下友敬

    木下友敬君 たいへん大臣お急ぎのようですが、私は時計を見てまだ一分しか発言しておらない。五分と思っているのです。ですから、これはあとにしてもいいです。そのかわり厚生省決算も延ばしますよ、上げるのを。そうしなければ話にならぬわけだから、あと五分で私はいいけれども、答弁側で時間が長くなるから、だからどうするかです。
  12. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  13. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) 速記を起こして。  灘尾厚生大臣衆議院社労に出向かれる関係がございまするので、大臣に対する木下君の質疑は一時保留いたしまして、後刻御発言を願うことにいたします。
  14. 木下友敬

    木下友敬君 議事進行。私は午後はまたほかの委員会に出なければならぬ。それだから、大臣のほうで簡単にやってもらえばいいのですよ。
  15. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) 速記をやめて。   〔速記中止
  16. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) 速記を起こして。
  17. 木下友敬

    木下友敬君 今の大臣の冒頭の御説明の中にありましたように、こじれておるのは医療担当者側支払者側との確執が続いておると、こう言われましたが、私は、それもあるけれども、担当者側厚生省との間の不仲ということが、これがまた非常なおもな原因じゃないかと、こう思うが、大臣はどう見ておりますか。
  18. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 厚生省といたしまして、担当者側不仲になる理由はないわけでございますけれども、今お示しのようなものから申せば、厚生省に対する不満もあるかと存じます。
  19. 木下友敬

    木下友敬君 大臣はその原因は何であるとお考えになっておりますか。
  20. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 簡単に申し上げにくい問題でございますけれども、私は主として診療報酬をめぐっての不満であろうかと思います。
  21. 木下友敬

    木下友敬君 結局、診療報酬が安いとか、地域差があるというようなことについて、担当者側不満を持っておられる、その満足を得ないということと考えていいですか。
  22. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 大体、主たる原因はそういうところにあろうかと思います。
  23. 木下友敬

    木下友敬君 そこで私は、ほんとうは大臣に、今の診療報酬というものが大臣は安いと思っておるか、あるいは適正だと思っておるかということもお尋ねしなければならないけれども、長くなりますからほかの機会に譲りますが、今担当者側で公約違反だということをよく言っておりますね。あれはどんなことか、ひとつ御説明願いたい。いやしくも大政党が公約違反などということを天下に呼ばれては、御迷惑と思います。
  24. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 私も実は非常に迷惑いたしております。昨年の八月一日のストを回避する直前の七月三十一日に、党のほうの幹部と医師会とのお話があったものと見えまして、私のところにもたらされました一つの紙があるわけであります。それに四つばかりの事項をあげておるわけでありますが、その中に自由経済社会における診療報酬の確立というような事項があったわけであります。そのほか三つばかり事項がございました。いずれもきわめて重要な問題でありますけれども、きわめて抽象的な表現でございます。したがって、私は、これは文字どおりにとっておく、今後検討すべき重要な問題として了承をするというような意味で、これに同意をいたしましたのであります。それ以上具体的な何ものもございません。したがって、公約違反ということを言われることは、私は当たらないと思います。
  25. 木下友敬

    木下友敬君 医師会側のこの間の大会開催の後、陳情などしてあるところから聞いてみますと、全然解決の道がないとも思えない。というのは、これは私の憶測ですが、何か仲裁機関的なものがあれば、医療費調査会を作ることも認容するのじゃないかというようなニュアンスがあるように思いますが、そうでないのですか。それとも、もし仲裁機関があれば話がつくというようなことであれば、仲裁機関を作ってでもという御意思があるかどうか。
  26. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 医師会側のほうに、何か診療報酬の問題については、医者が切り出して、そうしてそれと支払者側とでやっており、もし紛争が片づかなければ仲裁機関を作ったらどうかと、この種のお考えはあるようであります。しかしこれは、現在の健康保険制度の建前から申しますというと、全く違っておる建前でございます。私は今現行法を改正するという考えはございません。現行法にのっとりまして厚生大臣診療報酬をきめる。それをきめる場合には、中央医療協議会に諮ってきめるわけでございます。具体的に諮ってきめるわけでございます。この中央医療協議会において、具体的な診療報酬をきめる前に、何かそれを算定するうまいルールはないかということを調査してもらおうというのが、今度の臨時医療報酬制度調査会でございます。したがって、現在の建前の上に立ちまして、この中央医療協議会が円滑に運用されるためには、この種の調査会を必要とする考え方に立っております。ただいまの医師会の言っておられるような考え方も、一つの考え方かと思いますけれども、今の建前を変えようという考えは現在持っておりません。
  27. 木下友敬

    木下友敬君 私がお尋ねするのは医師会がこれは物を売るほうだから、売るほうで値段をきめるという主張を取り上げるのじゃなくて、臨時医療報酬制度調査会というものを作ることは反対だ、しかし、そういうものを作るならば、一方的にきめられては困るから、そこで仲裁的なものがあればというような含みがあるのじゃないかと、こう思うわけですが、それでもそういう仲裁機関を作るというようなことには大臣は御賛成ないかどうか。
  28. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 現在といたしましては、さような考え方はございません。これも一つの考え方とは思いますけれども、ただ、今度の診療報酬調査会におきましても、医師会なり、保険者側なり、各方面の意向は十分調査もし、意見も聞くつもりでいるわけでございます。医師会発言の機会がないわけでもございませんし、意見を述べる機会がないわけでもございませんので十分それらを聞いた上で、皆さんの納得のいくようなルールができることを期待いたしているわけでございます。
  29. 木下友敬

    木下友敬君 そうしますと、大臣としては、そういう考えもないし、それから医師会は非常に頑強にしている。しかし、大臣の立場から見れば、公約違反でもないということであれば、これは打ちあけたところですが、大臣としては、医師会がやっている今のやり方というものは理不尽だと、一方的なやり方だというようなお考えはございますか。
  30. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 医師会の少なくとも発表しておられますところのものにつきましては、すでに発表しているものによって考えました場合に、今度の医療報酬調査会法案に対する御反対ということは、これは納得がいかない、理由が乏しい、こういうふうに考えております。
  31. 木下友敬

    木下友敬君 厚生省医師会に関しては——おそらく言い過ぎかもわからないけれども、まあ言い過ぎじゃないだろうと思うのですが、監督の立場にあることは間違いない、そうしたら、ある一つの医師会というふうな団体が、あなたから見て理不尽だと思うようなことを大がかりでやるというような場合には、もう少し踏み切って、あなたがきぜんたる態度でこれに当たるというようなことをなぜなさらぬ。私は、なさらぬのは、何かやはりあなは方のほうに弱味があるからそうは出られないのだと思うのであります。あるいは医療というものは非常に重大な問題だから、あまり怒らして保険医辞退というような問題が起こってくると国民に迷惑を及ぼすから、非常に寛大に自重しているのだ、こういうおぼしめしがあるかもわからぬと思うけれども、それと同時に、今申しましたように、もしあなたがほんとうに、医師会がやっているのに、厚生省として何にも間違いがない、厚生省が永年やってきたこの方針には間違いがないという御自信があるならば、もっと強い態度で出得るはずだと思うのですが、出られない理由というものをひとつ明らかにして下さい。
  32. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 従来厚生省が、ことにこの診療報酬の問題で、いつも騒ぎの種をまいているようなことでございますが、この点については、改善をすべき必要があると私は思っております。さような意味におきまして、従来の診療報酬のきめ方等について、医師会側において、その資料等において満足をしないとか、そのほか不満足の種もあろうかと思います。そこらを是正したいために、今回の法案を提出しようということでございます。医師会に対して権力をもって臨むというふうな考え方は、私は原則としてとらないのでありまして、ことに社会保障の問題、医療保険の問題等は、何と申しましても、医師会なり、支払い団体側なり、厚生省なり、この三者がほんとうにお互いに手をつないで、これを完成していこうという気持がなければ、いくら考えましても、実際問題としてうまくいかぬ問題でございますので、私はまあ、私の不敏なところはおしかりをこうむるのもけっこうでありますけれども、お互いにその気持をもって物事に当たっていこう、そういう気持を持ち、そういう場を作りたいということで努力いたしておる次第であります。
  33. 木下友敬

    木下友敬君 よくわかります。大事な医療行政であるから、権力をもって臨むようなことは自分はしない——どうかそういう気持でやってもらいたい。ですけれども、まだ国民という側から見ると、今度医師会が発表したところでは、今度の参議院選挙で三人の公認候補を自民党は立てておるが、これも事によっては考えるぞ、また選挙の済むまでは、全国的に演説会を開いて、そうして厚生省のやり方をたたくのだというようなことを言っておる。厚生省、自民党の公約違反をたたくと言っておる。ああいうところから見ると、診療担当者側でもそういう気持があろうし、厚生省側としても、今度の選挙で医師会という大きな団体の反対を受けては困るということで、非常にあなたのほうが縮み上がっておる。選挙前でなかったら、もう少し権力を出すとかいうことをされるけれども、選挙前だからというので、相手方もそうであるし、あなた方のやっておるのを私どもが見ても、なるほど選挙前だから遠慮しておられる、非常に低姿勢に出ておられるというような印象を受ける。それも人間であり、政党であるから、そういうことはありましょう。たとえば被買収農地の問題も、ああいうふうにごたごたしたのは、御承知のとおりだ。だけれども、度を過ぎるとおかしいですからね。選挙前だからといって、あなたが非常に遠慮しておられるということであっては、私どもは納得がいかない。まあ御承知のとおり、私自体も医師会員でございますから、医師会の言い分を全面的に支持せなければならない立場にありますし、多くの点でまた厚生省に文句を言いたいこともございます。しかし、そういうことを全部ただいま御破算しても、どうか、選挙前だからといって、もっと活発な論議をかわして、そうして何かすみやかに結論を出すようにせなければならぬのを、ただ低姿勢で、権力で臨むのはいやだという一点張りで、これをまたずっと政権後まで延ばしていって、そうして医療協議会も開かない、次の臨時国会が開かれても医療協議会のメンバーもきめないというような態度は、これは非常に印象が悪いですよ。そういうことだと、天下のあらゆる圧力団体というものは選挙前にはどういうことでも言い出すということになる。これは否定できないでしょう。こういうところでそういうことは言えぬかもわからぬけれども、選挙であなたやあるいは池田さんが——きのうの池田さんのごとく、選挙で非常に遠慮しておられるというのは、私はこれは大政党の行き方としてどうもあまりみっともいいものじゃない。どうですか。
  34. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) いろいろな人のいろいろな考え方もあろうと存じますが、私がこの問題に臨んでおる基本の態度は、要するに、医療保険というものを完成して参りますためには、お互いに心の中ではほんとうに協力するという気持がほしい、ほんとうに医療保険の一環としての役割を果たしてほしい、そういうような状態に持って参りたいということでやっておるわけであります。したがって、私といたしましては、別に選挙がどうの、何がどうのということでやっておるつもりはないのでございます。私は私なりに、自分の筋を通して参りたいという気持で、今日までやってきておるわけでございます。さように御了承いただきたいと思います。
  35. 木下友敬

    木下友敬君 もうこれ以上申しません。御就任以来、この困難な問題が、あなたならばこそりっぱに解決していただけると思って、私ども期待しておったのです。ところが、必ずしもその期待は今日まで満足な回答を得ておりませんけれども、まだ私はその期待を捨てていないわけでございますが、どうかひとつ、あまり選挙などにとらわれないで、正しいことなら正しい、また言いたいことなら十分言って、早く解決してもらいたいということをお願いします。どうぞよろしくお願いします。
  36. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 御激励をいただきまして、ありがとうございました。
  37. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) 厚生大臣退席されてけっこうでございます。続けて下さい。
  38. 木下友敬

    木下友敬君 保険局長見えてますか。
  39. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) 次長が見えております。
  40. 木下友敬

    木下友敬君 健康保険組合というものに毎年補助が出ておりますね。あの補助金というものは、あれは事務費だったと思いますが、どうですか。
  41. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) 健康保険組合に対しましての国の補助金は、事務費を全額法律上建前としてみることになっている。その事務費の分と、それから健康保険組合で、弱小な、財政力のきわめて弱いところにつきまして、臨時的な補給金として補助いたしております。
  42. 木下友敬

    木下友敬君 あらかじめ申し上げておきませんでしたから数字が出ないかもわかりませんが、弱小な組合というものがどれくらいあるか、弱小でないのがどれくらいあるか、あらかたわかりませんか。
  43. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) 正確な数字はちょっと覚えておりませんが、大体健康保険組合全部で千何百ございまして、そのうち弱小健保ということで現在補助金対象になっておりますのは、大体三十前後でございます。
  44. 木下友敬

    木下友敬君 その千以上の中から、弱小なのは三十で、これは私も確かには言い切れないけれども、この三十とというのは、おそらく、千の中でも、会社としてもそう大きな会社ではないのではないかと思うのです。  一流会社のはその三十の中には入っていないのじゃないかと思うのです。そういたしますと、今の臨時の診療費の補助なり、弱小な三十に行っているという事務費というものは、成績のいい、経済的にも何ら困っていないところ、かなり余裕のあるところにも事務費は行っている、こう考えなければならない。事実そのとおりであります。これは法律に従って、健康保険法の事務費は全額国が負担するということになっておりますから、今の法律のもとでは当然のことでございますか、その有力な健康保険組合の実態を見ますと、中には非常に余裕があり過ぎると思われるのがあると思うのです。これは厚生省としてもよく御存じと思いますが、もういつでも私ら言うことですから、たびたび言いたくないのですけれども、あらゆる遊び場と申しますか、避暑地あるいは寒いときに避寒する土地と申しますか、あるいは山と申しますか、そういうレジャーを楽しむというような場所ですね、これは健康地であるという表現もできようが、そういうところには、あるいはぜいたくな、あるいはぜいたくでないまでも完備した施設も持っており、相当な費用をそういうところにも健康保険組合は金を出している。けっこうなことだと思う。またふだんの厚生関係費用というようなものも、その剰余金の中からかなりたくさん出しておる、家族の診療費の半額負担もいろいろの方法でその組合から出しておるというのが、これが現状なのです。千のうち三十以外のところは大なり小なりそういうことをしておるし、そういう余裕のあるということはいいことでしょうけれども、そういうことをしている一方においては、政府管掌の健康保険というものは非常な貧弱な状態である。今もし医療費が安いと仮定した場合、そしてそれを高くしようとしても高くされないという理由のもとには、負担する者が負担能力がない。その中には弱小の組合もありますし、また政府管掌の被保険者のように非常に弱い者もあるし、また国民保険との関係もあるというようなことで、医療費が上げられないということにもなりましょう。そういうようなアンバランスがある。こういう状態で、困っておるところは非常に困っておる。政府管掌のほうは非常に困っている。また、弱小の健康保険組合も困っている。ところが一方では、非常なぜいたくと言ってもいい程度のことをしておるところもある。ところが、補助金はどちらにも同じに行っている。非常にりっぱな余裕のある健康保険組合にも、割合からいえば同額の補助金が行っておる。それは法律でそうなっているからということですけれども、これはどうかと思うのです。これをほかの例をとって申し上げるならば、国民年金などでは、国民年金を支給する場合には、福祉年金を支給する場合などは、ちゃんと年金を受ける者には資格があって、非常に収入の多い者にはそれは出さないとかいうような、そういう公平な、ほんとうの意味の公平というものがある。金の少ない中から出してやるのに、そういう金の余っておるところにもたくさん出すというような行き方は、いつの日かこれは改めてもいいのじゃないか、こういうような考え方を私持つのですが、当局としてはそういうふうなお考えはないでしょうか。
  45. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) 先生御承知のように、法律的に定められた規定に基づきまして予算額交付いたしておる次第でございまして、おっしゃるように、それぞれの組合において非常に富裕な組合とそうじゃない場合とあることも事実でございます。しかし、健康保険の組合の事務というものは、やはり社会保障の一環としまして、政府管掌と並んでこれから推進しなければならない仕事でもございますし、私どもとしましては、いろいろ御批判も多々あるのでございますけれども、現在のところ、やはり法律の建前をそのまま貫いていきたい、こういうふうに考えております。ただし、予算のそれぞれ算定の基礎になっております事務費の単価につきましては、ここ四、五年事務費の単価を上げるというような措置はとらないままに、ずっと百四十円でここ四、五年続けておるような次第でございます。これは、たとえば国民健康保険等におきまして事務費単価が毎年十円ないし十五円ずつ上がっていくのに比べまして、組合のほうは事務費の単価はそのまま据え置く、こういう形になっておるわけでございます。
  46. 木下友敬

    木下友敬君 もちろん、これは法律できまっておることだとは、私も申し上げたことだし、それからその事務というものは、これは広義な意味で社会保障と言っていいかどうかわかりませんが、社会保障というものの一環の中でやることだから、事務費というものは支払っていくのだ、これからもそうだということで、あなたの考えはわかったけれども、これはやはり私はそういう不公平ではいけないと思う。治療の内容にしましても、一般の政府管掌の健康保険の被保険者が受けておる治療内容と、あるいは予防措置にいたしましても、国民健康保険のものと、政府管掌の被保険者のものとは、これは格段の差があるのです。これはどうです。御否定できますか、厚生省として否定しますか。
  47. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) 予防の点につきましては、先生おっしゃる予防というのが、その意味がよくわかりませんけれども、いわゆる保健施設というふうな考えに立つとすれば、その辺は差があることは事実でございます。
  48. 木下友敬

    木下友敬君 予防ということ、予防は健康保険ではやれないということになっているから、あなたはこだわっているけれども、実際は保険組合では、ほんとうの意味の予防もやっております。それから医療の内容においても格段の差のあるところがあるということ、これはどうですか、否定しますか。
  49. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) 組合管掌におきましては、付加給付制度も認められておりまして、その意味で付加給付のほうで相当差があることは事実でございます。
  50. 木下友敬

    木下友敬君 その付加給付というのは、被保険者が出すのではなくて、組合のほうの会計から出ている。そうなんでしょう、付加給付は。
  51. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) 一部そういうことになっております。
  52. 木下友敬

    木下友敬君 ですから私は、言うのですよ。政府管掌のものと組合保険のものとに格段の差のあるケースが非常にたくさんあるということをあなた認めるかどうか。それは認めなければいかぬでしょう。
  53. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) 差があることは事実でございます。
  54. 木下友敬

    木下友敬君 それだから、世の中で差のあるということは、これは避けられぬことですわね。それは認めますよ。しかし、さっきあなた自身が言われたように、社会保障の一環だというような、そういう考え方でいくならば、あまりひどい差があってはいけないと思う。個人が金持であるとか貧乏であるとかいうことのために、そういう場合の差はまだいいのですよ。その原因はいろいろあっても、それは金のある人が電気冷蔵庫を持っているけれども、ない人はそんな段じゃないということは、これは避けられぬことですし、社会保障の一環として国が国策としてやっているこういう保険医療では、なるべく国民全体がある水準に近いのを公平な恩恵を受けるというようなものに持っていく努力が必要であると私は思う。どうでしょうこの考えは。それはやむを得ないという考えを押し通しますか。
  55. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) 組合管掌と政府管掌あるいは国民健康保険、それぞれ差があることは、先生御指摘のとおり、事実だろうと思うのでございます。それぞれ各制度につきましては歴史的な事情もございまして、現在のような形になっているわけでございますけれども、これを先生御指摘のようになるべく均一化していくという方向に持っていくのも、やはり将来の社会保障、この大きな目的として検討しなければならない最も大きな問題だろうというふうに、私どもも問題の認識自体は痛切に感じておる次第でございます。しかし、この問題は、それでは政府が直ちにそれをどういうふうな方法で対処していくかという問題につきましては、いろいろ各般の問題がございまして、簡単に一朝一夕には私はでき上がるものでないというふうに考えておりますし、こういった問題につきましては、内閣のほうに社会保障制度審議会がございまして、そちらのほうで総合調整をすでに答申を受けまして現在検討中でございまして、その総合調整の答申の線に沿いまして、私どもとしましても、真剣にこれから検討していかなければならない問題だ、こういうふうに思っているわけでございます。
  56. 木下友敬

    木下友敬君 なるべく同じあるライン、同じ水準まで持っていくというのが、これはまあ厚生省としても、そういう考えがないとは言えますまい。歴史的関係や現実の問題がありましてなかなかそこに持っていけないということも、私はわかる。そういう意欲があるかどうかということですね。そういう意欲があるということなんでしょう。とにかく、そういう審議会答申をしてもらったというようなことでしたならば、どういう答申が出ておりますか。
  57. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) 現在まだ答申は出ておりませんので、社会保障制度審議会で現在検討中になっております。
  58. 木下友敬

    木下友敬君 その検討中というのは、こういう組合関係のものと、それから政府管掌のものとのアンバランがひどい、これを一体どういうふうにしていけばよいかというようなことを、そのアンバランスを是正するにはどうしたらいいかということの諮問をしておるわけですか、あるいはアンバランスを是正する必要があるかないかというような諮問をしているのですか、どっちですか。
  59. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) 社会保障制度全般の問題といいますのは、医療保険それから年金保険を含めまして、全部通じた問題につきまして総合調整を諮問いたしておるわけでございまして、先生御指摘給付のアンバランスの是正という問題ももちろんその中に入りますし、その他の問題も全部含めて総合調整をいかにすべきかということで諮問をいたしておるというようなふうに聞いております。
  60. 木下友敬

    木下友敬君 ああいう審議会答申というものは、これはもう政府としては尊重していかなければならぬことでございますから、私どももその答申がどういうふうな答申が出てくるかということを見守っていきましょうが、それとは別に、厚生省厚生省として——その答申は、こうすればというようなおそらくこまかい行き方まで出るとは私どもは期待しないわけでございますが、もしこのアンバランスというものが非常に国民にとってよろしくないというようなお考えをお持ちであるならば、これは困難な問題だといって手をつけないということでは、私はいけないと思う。厚生省厚生省として、何とかせねばいけない。今度の局長もアンバランスがよくないと思っているけれども、自分の任期中にこれができようとも、どの局長も思わない。次々にすべての局長さんが、そういう非常に良心的な考えをお持ちにはなるけれども、手をつけられないということで、次々にそういう問題は長延びしていくと思う。困難な問題は——これはどの役所でもそうでしょうが。困難な問題は延び延びになっていって、結論が出ないままに残すのはいやだから手をつけないでおくというようなことになりやすいと思うのですが、どうかひとつあなたは、こういう大事な問題に手をかけておいて、歴史の新しい一ページに手をかけておいてもらいたい。しかし、御答弁の中で、ちょっとほんとうにこのアンバランスを是正するという意欲に燃えておられるとも考えないし、こういうアンバランスというものはよろしくないけれども、しいて言えば社会悪の一つの現われだからやむを得ないというような考えを持っておられるのじゃないかというような気もするのです。それからもう一つ。ひねくれて言えば、健康保険組合というものが非常に有力な組合であって、こういうものに手をつけることは困難なことであるから、利口な官僚というものは、こういうものに手をかけて喜ばれないようなことはしないというようなことがよくありがちのことだから、曲がるとそういうふうにも考えられる。中央からこういう組合に入っていかれることはないけれども、地方の公務員などでは、監督の立場にあった者があとでこういう組合の中に入っていった例というものは、私たちは一つや二つでなく知っている。非常に近い外郭団体と言っていいような関係にある場合も見受けておるわけなんです。だから、こういうものからにらまられるといやだから、好まれないものには手をつけないという利口さのゆえに手をつけないという方もないとは言えない。どうか、私は局長さんに——この問題はわが国の保険診療問題で大きな問題を残す原因の一つだと思う。こういう暗礁ですね、デッド・ロックといいますか、そういうものを片づけないでおいて、そうして表に現われてきた問題だけどうにか片づけていこう、安易な方面からやっていこうという考え方では、歴代の大臣を苦しめるような問題が次々と出てくることになってくる。どうかこういうようなところから是正していただきたいものです。  これはお尋ねしても、あなたの考えがそうで、今お話しの中に伺ったような次第だから、私の満足するような答えはないと思うけれども、多くの識者がたびたび唱えてきているし、また、あれはどこでしたか、やっぱり社会保障制度審議会答申だったと思いますが、各種の医療保険の整理統合というものが必要だということを言ったことがある。これは社会保障制度審議会であったかどうかっちょっと忘れましたが、相当のところからそういう答申も出ておったように思いますが、私どもはこういうようなたくさんの医療保険あるいは共済組合の保険というようなものがございますが、こういうものを一本になすことができるならば、これはもう理想的な姿だと思う。そうして、それに近づくような手を次々と打っていくことが今の困難な問題を根本的によく直していくところの方法だと考えておりますが、局長などは、一体こういう制度を単純化していく、一本とまではいきなりいかないでも、だんだん整理統合してすっきりした形のものに持っていくという方向に進めることに幾らかでも御関心があるかどうか、そういうことはとても現実の問題、歴史の問題等にかんがみてできない、だからやらない——どういうふうなのですか、お答えを願います。
  61. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) 私の答弁が、先生には非常にあいまいにとられましたのは、非常に残念でございますが、私どもとしましては、御指摘のように、しばしばこの保険の統合の問題は識者のほうでやかましく言われておりますし、この問題プロパーの問題として真剣に現在においても検討中であるわけでございます。ただ、厚生省は何にもそれじゃしていないじゃないかとというふうなことをおっしゃられると思いますけれども、その点はやはり、統合する前に、たとえば国民健康保険につきましては、他の社会保障制度に比べまして非常に給付内容も悪いということで、悪いところは逐次よくしてやっていくということも一つの方法でありますので、その辺は、今回の三十七年度におきましては、相当中身につきましての改善の措置もとったわけでございまして、逐次やはりそういう方向で、総合調整を目ざしつつ、厚生省としては、堅実な方法でもってやはり政策の充実に努めていく、こういうことを考えておる次第でございます。あわせて、あるいは御見解とは違うかもしれませんが、厚生省におきましても、厚生省設置法の改正をこのたび出しておりまして、いわゆる長期保険とそれから短期保険である医療保険を処理する内局を分離をいたしまして、その内局の保険局におきまして、医療保険の総合調整の問題をすっきりした姿で今後真剣に検討していこうというふうな態勢も固めつつあるやうな段階であることを申し添えたいと思います。
  62. 木下友敬

    木下友敬君 昔は国民の健康という問題は衛生局がこれはほとんど受け持ったのでございますが、現在ではもう何といっても皆保険でございますから、保険局のほうの一手販売になっておるわけです。それで、国民の健康ということについては、現在ならば全部あなたに責任がかかってきておる、九九%まであなたに責任があると言ってもいいように私は思うのでございますから、どうかこういう根本的な問題について、もっと熱心な、そうして熱意のある検討を進めていかれて、できるだけ早い機会にそういうアンバランスを取って、国民全体がひとしくその恩恵に浴することができるように御尽力が願いたいと思うわけです。その問題は、以上で質問は終わります。  次に、国民健康保険の直営診療所というのがございまして、これには補助金も出ておるようでございます。直営診療所に対する補助金というのは、これは私の考え違いかもわかりませんが、その施設を作るときと、それからあとの運営費、あるいは経営費といいますか、それのほうにも金が出ておったように思いますが、これはどうなっておりますか。
  63. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) 直営診療所の補助金としましては、まず第一点は、建設をする場合の三分の一の補助金、これが三十六年度におきましては一億九千四百万でございます。それから、これは新設の場合だけではございませんので、拡張の場合、内部設備の改築その他医療機械等につきましても補助対象にいたしております。それからも一つは、直営診療所の赤字を出しておりますところにおきましては、財政調整交付金のほうで、その算定基準の中に、赤字で、しかも非常に経営が困難であり、立地条件も悪いところにつきまして、調整交付金のほうでこれをみるというふうな措置をとっておるわけであります。
  64. 木下友敬

    木下友敬君 現在、数もちょっと控えておきましたが、直営診療所というのは数が相当たくさんあるようですが、これは都会地といなかと両方にあると思うのです。そうして、その経営は一般に楽でないように思うんですが、その状況のあらましを話して下さい。
  65. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) もちろん、病院、診療所によりましてそれぞれ経営内容も違っておりますし、それから立地条件が非常に異なっておりますので、これも立地条件のいかんによりまして非常に違うわけでございまして、まあ私どもでつかんでおります大体の直営診療所の全体の総体的な赤字といいますのは、三十四年度で十五億程度でございまして、おそらく三十五年度になればそれが二十億近くなっておるんじゃないかと考えておりますが、しかし立地条件のいいところでは、必ずしも赤字ではないというふうな事実もあるわけでございます。
  66. 木下友敬

    木下友敬君 都会地にある場合と、それから比較的いなかにある場合との状況で、経営の内容に差がありはしないかと思うのですが、それはどうなっておりますか。そういう見方から見て、都会のほうはよくやっておるけれども、いなかのほうではどうもいかないというような、大まかなそういうことは言えませんか。
  67. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) こまかい数字はデータを持っておりませんので的確にわかりかねますけれども、大体おおむねそういう傾向ではないかと思いますけれども、しかしいなかにあることが必ずしも赤字ということにはなっていないわけでありまして、大体直営診療所の建前といたしましては、なるべく医師の少ないところに診療所を作る、しかも患者も多いということを前提としましてこれまで直営診療所の建設を進めて参りましたので、非常な赤字と申しますと、やはり絶対的に人口が少なくて、したがって患者数もおのずから人口に左右されて少なくなっているというところは、これはやむを得ず赤字を出しているというふうな実情ではないかと思います。
  68. 木下友敬

    木下友敬君 直営診療所を建てる、そのプリンシプルですね、どういう場合に建てるか、それはどうなっておりますか。
  69. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) 建前としましては、直営診療所の補助金といいますのは、やはりなるべく医者の少ないところあるいはいないところに建てるのを建前といたしておりますけれども、しかし、その患者数がふえまして——診療所でありますけれども、有床診療所で、たとえばベッドが五つか十ぐらいしかない、入院患者がふえて、ぜひともこれを病院にしていきたいといった場合にも、その病院につきましては直営診療所の格上げという形で補助対象にいたしているような状況になっております。その辺はひとつ御了解いただきたいと思います。
  70. 木下友敬

    木下友敬君 初めここには直営の診療所を建てようと——ないところもありますね、そこに建ようというところは、どういうところに建てるのか。さっき言われたように、診療機関の少ないところというのも一つの条件ですが、そのほかに何かありますか。診療所を格上げするということじゃなくて、そういうものを作るというときに……。
  71. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) 厚生省全体の医療機関整備計画といいますものが、医務局においておおむねの線が確立されておりまして、私どもは、直営診療所を、あるいはこれを病院に格上げする場合におきましても、医務局のほうと相談しながら、日本全体のいわゆる医療機関整備計画といいますか、そういった線に従って、よく内部的に打ち合わせした上で法的に対象をきめていくという形をここ数年来とっているわけでございます。
  72. 木下友敬

    木下友敬君 今の問題で、もっと何か言い残していることはありませんか。それだけでいいでしょうか。それだとごまかしですよ。悪意であるかどうかわかりませんけれども、そんなものじゃないですよ。この国民保険を全国的にやる、皆保険の形に持っていくためにいろいろ努力をされたけれども、一番おくれたのは都市ですね。しかも、大きな都市ほどおくれていきましたね。そういうところも納得させて国民保険実施させるということの中には、たくさんの都市では、直営診療所を作ってくれるならばひとつ承諾しようというところが非常に多かったわけなんです。そこで、ある市などでは、あっちこっちに直営診療所を作って、そうしてやるというようなことになったことが非常に多いのです。だから、直営診療所の中で、ことに都会地にあるものの中には、今言われたように、医務局と相談して適正配置の意味でやられたというのもあるかもわからない。そうじゃなくて、地元の要請によって、国民保険実施する上において、それを急いでやりたいから、そのために、適正配置というようなことよりも、そのほうに重きを置いてやられたというのが事実なんです。私これはそういうことをはっきり言いますが、あなた首をかしげるけれども、そういうケースを御存知ないのですか。国民保険というのは、どうしても皆保険に持っていきたい、だからそれならばなるたけ地元の主張もいれたいという考えがたくさんあった、これは私らも知っておるんです。これは診療側では、直営診療所を作ってもらいたくないという声がまた非常にある。だけれども、ある一つの区といいますか、部落といいますか、そこでは、ある市で——Aという市で国民保険をやっていいけれども、そのためには、おれの選挙区に——市会議員ですが、おれの選挙区にひとつ直営診療所を作ってくれというようなことでできたところが現実にあるのです、そういうところは、実はあまり必要ないと思うのです。第一番目にあなたのお話しになった、なるたけ診療施設の少ないところ、そこに作る方針でやったと、これもうそじゃないですよ、それはほんとうでしょう。そういう方針ではあるけれども、そういう方針でいかれたけれども、あなたも御希望じゃなかったろうけれども、厚生省も御希望じゃなかったろうけれども、国民保険というもの、皆保険というものを達成するために、そこの土地の人の希望に従って直営診療所というものはできることになったといういきさつは、これを否定することはできない。そこで、否定されるならば否定すると、あとで言って下さい。そうであるならば、現実にもうこれは補助金が出ておるから、私は言うのです。ですから、直営診療所というものがもう必要のないような個所にあるところがかなりあるし、それから逆に、無医村とまではいかぬけれども、山間にあるようなところでは、直営診療所が非常に苦しんでおるところもある。ここにももう大きなアンバランスがあるから、私は言っているんです。なくてもいいところでは、相当の経済的な余裕を持っている。そういうところに補助をしているならば、そういうのを取りやめても、もう年がたっているから、自然これを縮小するなりやめていってもそう困らないところもあるんだから、それよりも非常に困っている、住民も困っておるという、その施設の悪いいなかの直営診療所というものにもう少し力を入れたらということを私は言いたいわけです。あなたの御所見をひとつ承りたい。
  73. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) 方針といたしましては、私先ほど申し上げましたとおりでございますし、先生の後段におっしゃるようなつもりで私どもも診療所の少ないところを重点的にやるという方針を堅持していくつもりでおりますし、従来ともその方針を堅持したつもりでございます。ただ、先生おっしゃるような、皆保険推進するために、いわば病院、診療所を、言葉は悪いかもしれませんが、道具に使ったというふうな事実は、私どもは実は聞いておらないのでございまして、これはあるいは、申請をする場合に、地元においてそういうふうな話があった事実はあるかもしれませんけれども、そういう点は厚生省のほうでは関係なしに今まで補助をしてきたつもりでおると思います。
  74. 木下友敬

    木下友敬君 これもわざわざ私取り上げて今話を出したくらいで、根も葉もないことをこういう場所で私が言うはずはございません。ですから、皆保険を進めるということは、これはもう大事なことだから、多少の難はあってもこれを進めたというのは、私は否定できない。だから、地元のほうの非常な希望によって、あるいはおぜん立ては、地元でそういうことをきちんときめて、そうして表向きあなた方に責任を負わせるようなことのない形で持ってきて、そうして、国民保険はできるが、直営診療所もできたという形になったかもわかりません。あなたの言われることはことさらそれを回避して言っておられるとも思いませんが、あなた方の目には映らないような内部事情があって、そしてあまり必要のないところにできたということは、一つの現象としてそういうこともあったのではないかと私は思うのです。だから、全部厚生省の責任とは言わないけれども、しかしだまされたとも言えるのです。方針と違ったものを、だまされたのは、これは自分のほうの知ったことではないという考えでは、これはいかぬのだから、私はそれを言っているのではないですよ。また、知ってだまされる場合もあるでしょうから、だまされた者が悪いのではないかと言いはせぬけれども、しかし調べてみる必要はある。補助を出しているんですから、もっと補助をやりたいところにも——これはしかし、法律でいったら、そう勝手に、お前のところは幾らと、こうやるわけにいかないけれども、ほんとうに必要なところに補助をしていくというようにしたいし、それから必要のないところの補助は取ってしまわなければ、こんなにたくさん——厚生省だけではない、いろんなところにたくさん補助が出ていく、これを少しでも減らしたり、あるいはふやしたりしていくことができればと思うから言うわけですから、これは一つのルールができた、レールが敷いてある、これは例年こうなっているから補助金はこうだというようなことを——そうはしておられないと思うけれども、一々検討して、これはことしも必要だろうか、どうだろうかということを熱意を持って調べて、増減をしてもらいたいと思うから申し上げているのです。これはどうですか、ひとつもう少し、自分のところには責任がないんだということでではなくて、私が非常に希望しているところだから、補助金のほうも、そういう意味で、できるだけ必要とするところに持っていくというようなことに、もっと熱意を示すんだという考えを示してもらいたいと思います。
  75. 熊崎正夫

    説明員(熊崎正夫君) 先生のおっしゃるとおりだと思いますし、私どももそういう方針で今後慎重にやって参りたいと思います。
  76. 木下友敬

    木下友敬君 そうでないと、そういうふうにやっていかないと、行政というものがマンネリズムになると思うのです。どこかで少しずついいほうに持っていくということにしてもらいたいと私は思います。  次に、無医村の問題ですが、無医村というのは、必ずしも少なくなってきていないように思うのですが、三十五年度の厚生白書などを見ましても、そう無医村が減ってきておるように思えない。一体無医村対策というものは、どういう方針で、現実にどういう方法でやっておられるかということを御説明を願いたい。
  77. 鈴村信吾

    説明員(鈴村信吾君) お答えいたします。ただいまのお話の、無医村があまり減っていないのではないかということでございますが、実は数字の上ではおっしゃるような点があるわけであります。と申しますのは、最初われわれが無医村を調査いたしましたときに、いわゆる無医地区等を調査いたしましたときに、各県側におきましては、あまり多くの数字を出すと、結局財政負担が非常にかかってくるというような配慮等もありまして、やや内輪目に報告を出したというような状態も実はあったわけでありまして、その後無医地区対策というものが、県側においても、なかなかほっておけない問題であるというような認識が漸次高まりまして、また国の財政援助も、二分の一というような比較的厚い補助が出ておりますので、その後の調査等によりますと、以前漏れておったものがむしろ上がってきた、それから報告漏れのあったものが、むしろ、報告漏れと申しますか、県のほうで報告を故意に漏らしたというようなことも出て参ったりいたしまして、そういう関係で若干ふえて参っております。  それから、こういう無医地区に対しまする対策でありますけれども、何と申しましても、こういう地区は経済的にも非常に貧困な地区であります。また人口数等も少ない関係で、なかなか、診療所を設けましても、経営も成り立たないと、また医者も来ないという地区でありますので、やはり通常の方法によらないで、相当国が財政的にも援助をする、また医師の獲得等についても特別な配慮をしなければならぬ、こういう点があるわけであります。そこで、厚生省といたしましてとっておりますいわゆる無医地区対策と申しますのは、単独に診療所を設置するのでなくて、必ず近くの——まあ親元病院と申しますか、国立の場合もありますが、あるいは県立の場合も、あるいは日赤、済生会のほうの病院の場合もありますけれども、そういういわば公的な病院を親元といたしまして、現地に出張診療所を設ける、そうしてその出張診療所へ親元病院から交代で医師が派遣される、こういう方式をとりまして医師の獲得をはかっておるわけであります。それから、人口数も少なく、また地元の財政状態も貧困でありますので、国が二分の一補助をするということにいたしております。建物その他の設置費に対する二分の一補助。さらに、おおむねこういうところは、運営した場合に赤字が出ますので、赤字に対しても二分の一の補助をする、こういう建前で来ておるわけであります。
  78. 木下友敬

    木下友敬君 その無医村の今まで報告されていなかったものが報告されたというようなことなどが原因して、数の上では必ずしも減っていないのではないかと思う。そうすると、その内容は、あなたのほうではわかっておりますね。たとえば、今まで、三十二年度から三十五年度までの診療所の増減を見てもい著しく減少したという状態が見られないが、これは初めからのもの——ずっと台帳に載っておるもののほかに、新しく台帳に載ってきたものがある。そうして、無医村でなくなったものか、初めからあったものでもうすでに無医村でないようになったものか、どうなっておるのか、そういう実情はちゃんとすぐわかるようになっておるのでしょうね。
  79. 鈴村信吾

    説明員(鈴村信吾君) いわゆる無医地区と申しましても、いろいろあるわけでありまして、特にわれわれのほう——厚生省の医務局におきまして重点的に取り上げておりますのは、そのうちで僻地と称するものであります。この僻地が、数年前の調査によりますと、二百三十七カ所ということでありまして、この二百三十七カ所を対象にいたしまして、昭和三十一年から、最初は五カ年計画でやりましたが、若干おくれまして、七カ年計画で一応この二百三十七カ所の僻地の対策は完了するということになっておるわけであります。その二百三十七カ所が、その後の調査によりまして若干ふえまして、四百カ所近いものにふえておるわけであります。このふえた理由は、先ほど申し上げましたように、従来報告漏れになっておったものが出てきたというふうに理解をしておるわけであります。それから、僻地以外に、全体の無医地区と申しますのは千五百カ所近くあるわけで、これは三十五年の調査でも千五百カ所近くあるわけでありますが、そのうち、無医地区であるけれども、比較的交通事情もよく、また近くに医療機関もあるので、必ずしも診療所を設けなくてもいいというものが約四百カ所くらいあるわけであります。したがいまして、そういうものを除きますと、どうしても医療機関を設けなければならぬ、あるいは設けたほうが望ましいというのが千カ所近くあるわけでありますが、その中で、特に国の援助を必要としなくても医療機関の設置が可能であり、また経営も可能であるというようなところも若干ありますので、そのものを除きまして、どうしても経営も困難であり、若干の援助を必要とするというものを選び出しまして、特に困難なものを、先ほど申し上げました僻地と称して、われわれは今まで対策をして参っておるわけであります。この僻地として取り上げます場合に、人口数等の関係もありますので、一応人口は三百人以上の地区というもので線を切りまして、それ以上のものを実は対策の対象にしておるわけであります。その他に人口が三百人未満の地区もだいぶんありまして、当面はわれわれは一応三百人以上の地区を対象にして今まで対策をして参っておるわけであります。こういうふうないわゆる無医地区の中にも、いろいろ状況によって差異がございますが、これに対して、いわゆる僻地以外につきましては、従来国民保険の直営診療所であるとかあるいはその他の診療所等が逐次設置されまして解消をはかられておるわけであります。それから、今ここに私ちょっと資料を持っておりませんけれども、無医地区の全体の数の推移等につきましては、もちろん常に把握をしておるわけであります。
  80. 木下友敬

    木下友敬君 無医地区で特に第二種に属するものを解消していくということは、これはなかなかむずかしいことだと思うのです。いなかのほうで経営困難なところにもし厚生省などが補助をやって作ったりしても、施設は作ってやったにしても、あとの経営が可能なところであれば、おそらく無医地区にはなっていないと思う。少なくとも、お年寄りのお医者さんでも行って、老後の仕事にやるという人も出てこようし、そういうことが考えられるのに、永年無医地区として残っているというのは、これはもうどうしてもしょうがないから無医地区になった。若い人ならば、そこに行っても、子供ができれば学校のことを考えるし、それから娯楽機関もない、といって収入があるわけでもないというようなことで、原因はもうたくさんの原因がもとになって、そこには医者はおれないというような条件が備わって無医地区になっているから、これはなまなかなことをあなた方がせっかくおやりになっても、それは長続きはしないというようなことで、これをやって下さいということは、非常に無理なことをお願いするわけでありますが、しかしこれはどうしてもやっていただかなければならぬ。今、親の病院があって、そこから診療所に出張してもらうという方法も、これは一つの方法であると存じます。これを仕合わせと思うところもあるけれども、驚いたことには、肺炎の患者ができて、これが普通のこういう、東京でなくても、都会でなくても、人家の多いところならば、どうかすると朝晩に先生が来て診察されるというようなのが普通なんです、そういう急性の病気には。だけれども、無医村になりますと、診療所へ出張していくお医者さんは、隔日に行ったり来たりしまして、肺炎でも二日に一。へん診察する。これでも必ずしも死んじゃうとは言いませんが、これは奇妙に思っている。肺炎というのは、都会地では一日二度も診察するけれども、何回も注射しているけれども、ああいう僻地では一日置きに往診してもらっても必ず死ぬときまってないと思うと、何か妙なものだなという気も起こりますけれども、しかしどうしたって治癒率は悪いでしょうし、日にちも長くかかるでしょう。そういうことですから、今の出張という制度も万全の策ではない、次善の策です。私自体も、そういう無医地区にどうすればいいかという成案を持ちません。持たないけれども、金だけで片づくならもっと金を出しなさい。そうして、診療所も建ててやるし、あとの経営に関する補助ももっと出しなさい。それで片づくものなら、一応それはお願いする、ぜひそうしてもらいたい。しかし、それもしてもらうけれども、もう一つは、看護婦なりお医者さんというものがなかなかそこに得がたいということです。そこで、お医者さんやら看護婦というものに、貸費だとか、いろいろな方法も厚生省は考えて、保健所の医者の貸費制度を作るとかいう、いろいろやっておられる御努力はわかるけれども、何とかもう一つ努力をして、設立ということだけでなくて、経営面で、あるいは医者の待遇をうんとよくするとか、看護婦の待遇もそういうところへは特別なことをするというようなことまで進んで考えていってもらいたいということ。これは、法律もないことだろうし、慣例上もないことだろうけれども、困難であろうけれども、その地方自治体と話をして、行政的にでもそういう措置をとるようにやっていかなければ、いつまでたってもいろいろの条件があるのだから、私は片づいていないと思う。片づいていないということをお前言うが、三年先を見てみいというようなことを言われるあなたにも私は勇気はないと思う。そんなものじゃないのだから。ですから、どうですか、ひとつそういうことについて、金の問題だけでなくて、金の問題も含めておるけれども、ひとつそういうものの解消には、法律違反にならない範囲で何か行政的な措置で特別優遇するというようなことをして、無医村を解消していくほうに努力が望みたい、希望したいと思うのですが、どうです。
  81. 鈴村信吾

    説明員(鈴村信吾君) おっしゃるように、非常に医師、看護婦の獲得に苦労しておるわけでありますが、大体今のわれわれの設置としております僻地診療所におきましては、原則として、医師、看護婦は毎日勤務する——そのためには、たとえば一週間交代になる場所もありますし、二週間交代、長くても一月交代というようなことで、一週間交代でありましても、とにかく医師、看護婦は毎日そこにおるというふうにいたしております。ただ、きわめて例外的に、隔日とか週何回というようなところもないではありませんけれども、原則としては毎日ということで運営いたしております。それから、運営の赤字額が年間相当な額になりますので、われわれのほうでは、今一応予算面では、個々の赤字が六十万見当ということで、その半分を補助予算を組んでおるわけでありますが、さらにその半分の赤字が地元負担になりますので、それにつきましては特別交付税というような形でみていただくように、自治省に特に今折衝をしておるわけであります。それから、人口が三百人未満のいわゆる特別僻地というようなところにつきましては、まだここに診療所を設置するまでに至っておりませんので、これは巡回診療車を相当数今手配いたしまして、巡回診療車あるいは巡回診療船というようなもので巡回診療をいたしておるわけであります。まあそういうような状況でありまして、医師の確保にはできるだけの配慮をいたしておりますが、さらに、これはもう三十七年度予算においても要求いたしまして、実現しなかった点でありますが、医師、看護婦に対する特別手当制度を国で考えるということも実は要求いたしたわけでありますが、これは遺憾ながら実現しておりませんが、この制度化につきましても、さらに来年度以降強力に推進いたしたいというふうに考えておる次第であります。
  82. 木下友敬

    木下友敬君 どうかひとつ努力をして、無医村の解消のために御尽力願いたいと思います。  そこで、今看護婦の問題が出てきたわけですが、今看護婦は非常に足らない。足らないけれども、法律上は、診療所は看護婦を置かなければならないし、病院はベット幾らに対して何人の看護婦を置かなければならぬというような規定がございますが、私は、今とうてい、ああいう規定を置いているけれども、看護婦は規定どおりに置いておるところは非常に少ないだろう、むしろ規定どおりには置いてないところが多いのじゃないか、それについてどうですか。第一、保健所にも、看護婦、保健婦、あるいはお医者さんというものの定員が不足しておるところが非常に多いのではないか。これは例年問題になりますが、この点でひとつ、保健所における医者、看護婦、それから保健婦の充足状態、それと、前段に言いました病院、診療所における看護婦の充足状態が法規と比べてどういう状態になっておるかということをお答願います。
  83. 鈴村信吾

    説明員(鈴村信吾君) 保健所のことにつきましては、私ちょっと、所管でもございませんので、あまり御答弁ができないかと思いますが、病院につきましては、実は国立病院等につきましては、比較的医療施行規則による基準どおり参っていると了解しておりますが、その他の私的な病院等につきましては、やはり必ずしもその法令による数が確保されているとは言い切れない状況だと存じます。まあ、この点につきましては、われわれも、看護婦の絶対数の不足という問題もございますし、その他の問題もありますけれども、できるだけ、少なくとも絶対数について不足することのないように、また地域的なアンバランス等もできるだけなくするということで、医療制度調査会にも特に看護婦問題についての審議をお願いいたしまして、その中間報告もあったわけでありますので、できるものなら三十七年度直ちに実施するという予算、法令等の措置を要するものを三十八年度以降に実施しようということで、できるだけの対策を練っているわけであります。  保健所につきましては、私の所管でもございませんので、詳しいことをちょっと申し上げられないのでありますが、少なくとも医師については、かなり定員を下回っているということが申し上げられると思います。
  84. 木下友敬

    木下友敬君 保健所の関係はだれも来ていませんか。来ておらなければいいです。
  85. 今村譲

    政府委員(今村譲君) その充足関係につきましては、資料をまとめて至急差し出したいと思います。
  86. 木下友敬

    木下友敬君 お見えになっておらなかったらいいですが、やはり、厚生省決算のときは、環境衛生……、保健所は何ですか。
  87. 今村譲

    政府委員(今村譲君) 公衆衛生局でございます。
  88. 木下友敬

    木下友敬君 やはり、来てもらわぬと困る。
  89. 今村譲

    政府委員(今村譲君) ちょっと、ついででありますが、予算上に私の記憶にありますのは、お医者さんにつきましては、充足率は三十六年度で五一%であったというふうに記憶いたしております。ただ、保健婦さん、そのほか薬剤師さん、そういうふうなものにつきましては、記憶にございませんので、追って資料を提出いたします。
  90. 木下友敬

    木下友敬君 今、医者の充足率が五一%だということでありまして、これもあきれた数字ですわね。五一%しかいない。ところが、看護婦、保健婦などもなかなかいないのです。そこで、看護婦という問題では、これは正と準と二とおりあるわけで、進駐軍が来てから特にこの問題がやかましくなって、正と準というものを作ってやっているのですが、ほんとうは必ずしも正でなくて済むという場合が非常に多い。私は準というものをもっとたくさん作ったらよかろうと思う。現在ではこれは絶対足りないです。だから、野球の選手をスカウトするというようなことじゃない。いろいろの点でスカウトして充足するということが行なわれているほど、絶対数が少ない。なり手がないのです。わざわざ、たとえば中学を出てから二年、三年の養成所に行って、そして時間の拘束のある、またおもしろくない診療所に勤めるというような、そういうことをするよりも、中学を出てくればすぐ相当の給料が直ちにもらえるという今日の社会情勢また正看護婦にしてもそれに類したことなんですから、これは今日の世の中の一つの現象で、何とか手を打たなければ、看護婦になり手はないわけです。看護婦というのは、しばらくは若い人たちの何か羨望の的というような、一つの、何といいますか、ロマン的な意味でも、そういう時代もありましたけれども、今はそういうことはないので、絶対数において非常に困っている。これは何とか中央においてひとつ手を打って、これの充足がたとえば七〇%ぐらいの率にはいかなければいけないが、今の看護婦の不足というものは、とてもそんなどころじゃない。医者が五一%だそうですが、これは保健所の問題ですが、全診療所、病院においては、とてもそんな数字じゃありません。これについて、どうして看護婦をよけい作っていくかということについて、おそらくあなたのほうでも何かお考えになっていると思うのですが、そういうもくろみはございませんか。
  91. 鈴村信吾

    説明員(鈴村信吾君) 看護婦の不足対策につきましてわれわれもいろいろ考えておるわけでありますが、いろいろな方策があろうかと思います。  そこで、一つには、給与問題等もあると思いますが、そのほかに制度面の問題等もございますので、ただいまわれわれのほうでいろいろ考えておりますのは、これは先ほどの医療制度調査会の中間報告にも大体うたわれておることでございますが、制度面の問題といたしましては、たとえば準看護婦については名称変更等も考えよう。今の準看護婦というような名称が、何か身分的な不満を譲成するというようなこともありますので、何か適当な名称に変更したらどうだろうか。それから、準看護婦の将来の問題につきまして、何とか看護婦との一本化というような問題も検討したらどうだ。ただ、その場合に、看護婦の水準の低下を避けるように配慮するということは当然でございますが、そのようなことも考える。それから、看護婦が正看に昇進する等の道につきまして、さらに合理的、効率的なものにしたらどうか。今その点について若干不便な点がございますが、そういう準看護婦の正看への昇進について、さらに容易にすると申しますか、効率的にしたらどうかということも考えておるわけでございます。  それから、待遇についても、必ずしも専門技能者としてこれにふさわしい待遇が保証されているということも言えない状況でございますので、さらに給与等の面についても十分考える。特に、民間の看護婦の給与が国家公務員に比べてもだいぶ低いわけでございますから、少なくとも国家公務員の線程度には民間看護婦も引き上げていかなければならないということで、これは日本医師会あるいは日本病院協会等の団体に対しましても、看護職員の給与について、これを適正にするように十分配慮してもらいたいということも申し入れをいたしておるわけであります。それから、国家公務員は比較的民間より高いわけでありますが、これもさらに、他の国家公務員との均衡上必ずしも十分であるかどうか疑問がありますので、この点もさらに、看護婦の技能にふさわしい給与の保証が行なわれるように、今後とも改善をはかって参りたいというふうに考えておるわけであります。  それから、さらに、こまかい問題でありますけれども、看護婦宿舎の整備充実等につきましても十分配慮していく必要があるというふうに考えております。  それから、看護職員の養成問題につきましては、現在国等も相当積極的にやっております。また、都道府県その他の団体においても十分やっていただいておりますが、さらに国も積極的にやろうということで、とにかく能力一ぱいやる。たとえば、定員を下回っておるようなところにつきましては、これを定員一ぱいに養成するということで、できるだけこれを積極化して参る。それから、そのためには、現在都道府県等に対しまして看護婦養成所の設置費の補助が出ておりますが、これをさらに増額する。あるいは、現在運営費の補助が出ておりませんので、この看護職員の養成についての運営費の補助も将来予算化することも考えておるわけであります。  それから、さらに、現在看護婦が必ずしもやらなくてもいいような仕事を看護婦にやらしておるという傾向がありますので、看護婦の仕事をもう少し検討いたしまして、補助者に譲るべきものは譲る。それから医者がやらなければならぬ仕事は医者がやるということで、とにかく看護婦は看護婦らしい仕事だけをやるという態勢をもっと確立する。そのためには、看護補助者の増員等も必要でございますので、看護補助者の増員をはかることも必要だと考えております。  それから、看護婦業務に対する一般の認識が必ずしも適正でない面もございますので、看護業務の重要性と申しますか、それについてさらに一般の認識を高める。それから、看護婦につきまして、自己の職務の重要性と申しますか、それについての認識を高めていく。一種の広報的な活動についてさらに力を入れたいということも考えておるわけであります。  それから、医療法で、今患者四人に一人というような基準がきまっておりますが、さらに社会保険のほうで四・四・二というような基準もきまっておりますが、これを再検討するということで、これは医療法の基準は十数年前にきまったことでありますので、必ずしもこれにこだわることなく、新しい見地から、たとえばタイム・スタディ等を行ないまして、新しい基準の作成を直ちに検討する。その際に、看護補助者を含めまして、要するに看護職員全般として、患者何人に幾ら要るか、その内訳として看護婦が幾らあるいは補助者が幾らというようなことで、医療施行規則の基準を再検討するということも考えておるわけであります。まあ、今申し上げましたようなことで、できるものからひとつ実行していこうというふうに考えておるわけであります。
  92. 木下友敬

    木下友敬君 看護婦問題については、よほどいろいろ考えてあります。御意見も出ております。各種保険整備統合というようなものについてのあの熱意のない御答弁と比べて、看護婦についてはいろいろのことを検討して、できるものからやっていこうというような考えで、不日これは解決されていくと思うのですが、今の看護婦の養成ですね、大事だと思うのです。国としては、これはほとんどやっていない。わずかしかやっていない。国立病院でやるとか、それから公的病院では赤十字がやるとかいうようなことで、準看護婦の大多数というものは民間でやっているわけです。全国の医師会がほとんどみんな準看護婦というものを作っている。そこでは授業料を取っている。授業料は、本人から取るか、あるいはそこの雇っているお医者さんが出すかは別として、授業料も取っている。教科書も買わなければならぬというような状態になって、医師会まかせなんです。これがよくないと思うのです。その土地の医者が使うというので、そこにまかせておくというような、県などもそういう考えかもわかりませんけれども、とにかくこういう公的なものは、やっぱり国でひとつ、あるいは責任を地方公共団体に待たせて養成していくというところまで行ってもらいたいのです。たとえば、授業料は出してやる。施設もしてやる。そこの教授をするのも、講義をして育てていくのも、土地の公的あるいは私的なお医者さんたちに頼むというようなことはいいけれども、費用までもそういう団体に持たすというようなことは、これはよろしくないと思う。ことに、厚生省補助を出すというような場合に多く対象にするのは、この問題も私いつか懇談会でちょっと聞いたのですが、補助がことしはどうなっているか——看護婦養成所の補助を出そうというときに、その補助の出し先は公的なところだけを考えておったということがあったのです。私立のいわゆる県医師会などがやっている、そういう養成所には出さないつもりだというようなことを、どこでしたか、そういう話を私懇談会に出たとき聞きましたが、そういうことではいけない。やっぱり困っているところによけい出すというようなつもりで、ひとつ養成ということを十分やってもらいたい。  それから、給与の面は、国立などのほうがいいのです。民間のほうがずっと低い。民間のほうは、国立についていこうとしてあえいでいる。ところが、その国立のほうでも、すでに世の中に比べて看護婦の給与が悪いというのです。そして、民間はなお悪い。仕事の面では、看護婦の仕事以外のことも看護婦にやらせる。こういうようなことは何かというと、これは経営上の問題で、もし経営が少しでも楽になれば、看護婦には看護婦の仕事をさせる、給与もよそ並みには出すということができるので、根本的に言えば、あなたを責めてもだめだけれども、今問題になっている医療費というものが、もう少し出て、看護婦に十分の報酬が出せる、お医者さんに十分の報酬が出せるということに持っていかなければ、根本の問題が解決しないと思う。だが、これはなかなか急にはいかないと思うから、どうか看護婦の養成ということには、国としてもう少し責任を持ってやってもらいたい。養成所を建てるとか、養成施設を市町村にひとつ制度として設けなければいかぬというようなことにするとか、そういうことを考えてもらわなければ、根本的な解決——根本的とまではいかぬでも、今日の困っている状態を少しでも緩和していくところにはとうてい行きません。全然看護婦を手に入れるということはあきらめている診療所もあるくらいですから、この点は特にお願いをしておくわけです。で、いろいろの補助金がたくさん出ていますが、私きょう取り上げたのは、医療問題を主として取り上げましたが、それはどういう見地からかというと、会計検査院がお調べになるのは、不正はないか、不当はないかということでお調べになる。私が申し上げるのは、不正不当を言うのではない。根本的な金の使い方がどうか。不正とか不当はもちろんよろしくありませんけれども、適切な必要なところに使っておるかどうかということであって、ただ、今までの習慣的な予算の作り方で、それにのってやっていくんじゃなくて、今日の現実に困っているもの、それから現実にアンバランスがあるというようなところを是正してもらって、補助金などでも、勇敢にもうやめるところはやめるとか、減らすところは減らす、ふやすところはふやすというように、自分の時代にそれをやっていくんだということを、行政の衝に当たる者が、めいめいがそういう心がまえを持ってもらいたいということを、私は決算委員として言いたいんです。  以上で私の質問を終わります。
  93. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) ほかに御質疑もないようですから、昭和三十四年度決算報告厚生省関係質疑は、これをもって終了いたします。  午後一時半再開することとし、建設省、住宅金融公庫関係質疑を行ないます。これにて休憩をいたします。   午後零時三十二分休憩    ————・————   午後二時開会   〔理事佐藤芳男委員長席に着く〕
  94. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) これより決算委員会を再開いたします。  この際、委員の変更について報告をいたします。  本日下村定君が辞任され、その補欠として谷村貞治君が選任されました。   —————————————
  95. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) それでは、午前に引き続き、昭和三十四年度決算を議題とし、建設省、住宅金融公庫関係質疑を行ないます。  なお、建設省関係会計検査院より指摘を受けたのは、検査報告九十六ページ以下の二十六件であり、住宅金融公庫関係では何もございません。  まず、昭和三十四年度建設省関係決算について、建設大臣説明を求めます。
  96. 中村梅吉

    国務大臣(中村梅吉君) 昭和三十四年度決算検査に関する建設省関係概要を御説明申し上げます。  所管事業を遂行するための経費の支出にあたりましては、いやしくも不当支出や批難されるべき点のありませんように、常に細心の注意を払って参ったのでありますが、昭和三十四年度決算検査におきまして、直轄工事及び補助工事に指摘事項がありましたことは、まことに遺憾に存ずるところであります。  これら指摘を受けました事項に対する措置といたしましては、設計に対し工事の出来高が不足しているものまたは工事の施行が不良なため工事の効果を達していないものについては、手直しまたは補強工事を命じ、国庫負担の対象とならないものについては、国庫補助金相当額を国庫に返還させる等の措置を講じました次第でありますが、今後とも、貴重な国費の支出につきましては、このような不当事項のありませんよう十分に注意いたし、適正な予算の執行をはかって参りたいと考えておる次第でございます。  まず、直轄工事につきましては、従前より事業全般の適正な執行をはかるため監察官の内部監査等により万全を期して参ったのでありますが、今回出来高不足として一件指摘を受けましたことは、はなはだ遺憾であります。今後はなお一そうの監督及び検収の強化に努めたい所存であります。  次に、地方公共団体が施行する国庫補助事業につきましては、国庫負担金等の経理当を得ないものとして相当数の指摘を受け、これらの事項については、事業の所期の目的を達するよう措置等を講じましたが、今後はさらに事業執行の改善について指導を強化いたしますとともに、市町村の施行する災害復旧事業等に対しましては、都道府県知事の監督及び検査を一そう厳重にし、このような事態の発生を未然に防止するよう指導する所存であります。  また、災害復旧事業費の査定額の減額につきましては、災害復旧事業費の査定について、実地検査をでき得る限り励行し、厳格なる査定を行なって参りましたが、なお相当額の減額是正をみましたことは、まことに遺憾であります。今後は、さらに一そう注意し、厳格な査定に万全を期するよう努力いたしたいと考えておる次第でございます。  何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げる次第でございます。
  97. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) 次に、住宅金融公庫関係について総裁の御説明を求めます。
  98. 鈴木敬一

    参考人(鈴木敬一君) 住宅金融公庫の昭和三十四年度事業施行の実績を概略申し上げたいと思います。  昭和三十四年度における事業計画は、戸数において十万二千戸、宅地の取得、造成を合わせまして七十六万坪でありまして、これに対しまして約三百八十億円の貸付契約を行なうような計画に相なっておりまするが、たまたま昭和三十四年九月に発生いたしました伊勢湾台風を初めといたしまして、諸種の災害が発生いたしまして、これらの災害による住宅被災者に融資いたしまするために、事業計画の一部を変更いたしまして、災害復興住宅の貸付が中心でありまするが、並びにこれらに並行いたしまして、個人住宅及び産業労働者住宅の災害に伴う特別貸付を行なう計画に追加変更いたしまして、最終的な事業計画は住宅十万四千戸に改めまして、宅地の取得、造成と合わせまして、当年度内の貸付契約金額は四百四十二億七千万余円に上った次第でございます。  上述の資金計画といたしましては、当初の貸付予定額三百七十九億円と相なっておりましたが、伊勢湾台風の発生による災害貸付に伴って大幅に増額を要することと相なりまして、その後の事業計画と資金消化の状況によりまして、最終資金計画における貸付予定額は四百十五億余円に相なったのでありまして、その資金構成は、出資金が四十五億円、借入金が三百五億円、回収金等六十五億余円でありまして、総計四百十五億余円に上った次第でございます。  次に、管理回収につきましては、回収予定高に対しまして九八・五%の成績を上げることができまして、金額にいたしましては二百五億余円と相なりまして、その一部は公庫の借入金の返済に充てまするし、なお一部は事業資金に再使用したものでございます。  最後に、住宅融資保険でございますが、この住宅融資保険保険契約額五十七億円を予定いたしましたところ、実際の契約額は約五十億円と相なり、保険関係の現実に成立いたしましたものは七百八十五件、金額にいたしまして四億四千万円であったのでございます。  また、この住宅融資保険業務は、御承知のごとく、特別勘定に相なっておりますので、特別勘定における利益一千万余円は別途積立として積み立ていたすことにいたした次第であります。  以上をもちまして、概略御報告申し上げました。
  99. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) それでは、会計検査院より検査報告についての説明を求めます。中島第三局長
  100. 中島尚文

    説明員中島尚文君) 三十四年度検査報告の建設省所管につきまして、その概要を御説明申し上げます。  直轄工事といたしましては、中部地方建設局で一件掲記されております。これは木曾川左岸の災害復旧工事におきまして、木工沈床の詰石が設計と相違しておりまして、工事費にいたしまして七十一万余円の出来高不足を来たしておるという問題でございます。これは三十五年の四月二十五日に手直し工事を完了したという報告に接しております。  次は、補助工事でございますが、一般会計におきまして、地方公共団体等の施行しました公共土木施設の工事におきまして、全国五万二千四百五十四カ所のうちで、北海道外三十八都府県につき、その九・四%に相当いたしますところの四千九百五十八カ所を実地に検査いたしました。結果は、九十七ページ以下の表に掲記してございますが、通常砂防関係で三件、それから道路改良工事で一件、中小河川改良工事で一件、それから災害復旧工事で十件でございまして、その態様別に申し上げますと、出来高不足案件が七件、施行不良の案件が六件、その他の事由によるものが二件でございまして、これに対する国庫負担金を返させる金額あるいは手直しをさせるべきものが七百二十八万余円になっております。  次は、道路整備特別会計関係におきまして、全国の工事現場八千百二十八カ所のうち、北海道外三十八都道府県におきまして、その二八・八%に相当いたしますところの二千三百四十二カ所について実地検査をいたしました結果、出来高不足案件が、七件、施行不良の案件が二件、不当金額にいたしまして四百六十五万余円に相なっております。  次に、災害復旧事業費の査定額を減額させた問題でございますが、三十四年発生の災害復旧工事につきましては、七号台風及び十五号台風等のために査定額の非常に多かった県、すなわち愛知県外九府県を選びまして、三十四年の十二月から三十五年の四月までの間に、総工事数は三万一千六百三十八カ所で、その査定額は八百七十六億四千二百七万余円でありますが、そのうち九千七百四工事、金額にいたしまして四百九十二億二千五百七十六万余円について実地に調査をいたしました。その結果、百五ページの表にございますように、農林省または運輸省の関係で二重査定に相なっておりましたものや、あるいは被災のないところに復旧工事を認めるなど、改良工事を施行しようといたしましたもの、あるいは工事費の計算を誤ったり工事用材料の運搬距離を過大に見込んだりして積算が過大となっているものなどがありまして、その査定工事費を修正する必要があると認めて当局に注意をいたしましたものが、工事件数にいたしまして千九百七十九件、減額是正を要した金額が三億一千六百五十六万二千円と相なっております。三十四年度の建設者関係の問題といたしましては、この査定の問題が非常に特徴的でございました。七号台風、十五号台風といった大きな災害がありました関係で、査定個所も非常に膨大な数字になっておりまして、金額にいたしまして一千数百億円に達しておりますので、十分に査定が行き届きかねたというような事情もあったかと存じますが、要するに三億をこえる是正金額を掲記するに至ったわけでありまして、その結果は先ほども申し上げたようなことでございますが、その中で特徴的なものは、やはり工事費の計算を誤ったりあるいは材料を過大に積算したりといったような積算過大の問題が多くて、二億四千九百二十八万九千円に上っておりますが、そのうちの約半分は過算、誤算に基づくものでございまして、査定に行かれた方が非常に激忙であったとは存じますけれども、注意をすれば避け得た問題であろうと存ずるわけであります。  以上、簡単でございますが、御説明申し上げます。
  101. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) 白木会計検査院第五局長
  102. 白木康進

    説明員(白木康進君) 住宅金融公庫につきましては、検査報告決算概要を掲記しておりますが、検査の結果不当と認めた事項はございません。
  103. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。  なお、この機会に発言なさる方に申し上げておきたいのでございますが、中村建設大臣は他の重要な会合から中座をお願いして出席を求めておりまするので、大臣向け質疑のほうを先におやり願いたいと思います。できる限り簡潔にお願いをいたしたいと思います。
  104. 田中清一

    ○田中清一君 これはだいぶ前のことですから、ちょっと御無理かと思いますけれども、この高速自動車国道中央自動車道の一部である小牧——西宮間において、著しい地盤の悪いところを工事をした関係上、建設費が非常に高くなったということを聞き及んでおるんですが、どこどこでそういった個所があったか承りたいと思うのですけれども。
  105. 中村梅吉

    国務大臣(中村梅吉君) 実は、日本道路公団で施行いたしておりますので、今手元に資料がございませんから、日本道路公団で施行いたしておりますので、今手元に資料がございませんから、日本道路公団監理官を今呼んでおりますので、その問題はひとつ、到着をいたしましてから、お答えをすることにさせていただきたいと存じます。
  106. 田中清一

    ○田中清一君 けっこうでございます。  それでは、大臣は何でしょうから、もう私は大臣には……。
  107. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) 大臣に申し上げますが、大臣への質問は省略をされるそうですから、退席をされましてけっこうでございます。
  108. 田中清一

    ○田中清一君 道路局長にお伺いしますけれども、この新道路整備五カ年計画の進捗状況について、どれほど進捗しておりますか、ちょっと簡単でよろしゅうございますから。
  109. 河北正治

    政府委員(河北正治君) 事業別に申し上げますと、一般道路で、三十六年度と三十七年度予定どおり遂行された結果では、一般道路におきまして、五カ年計画に対しまして三二・九%でございます。それから有料道路関係が二五・四%、総計いたしまし三一・〇%になる予定でございます。
  110. 田中清一

    ○田中清一君 この五カ年の年度内に二兆一千億というような大金がほんとうにこれを消化できるお見込みですか。
  111. 河北正治

    政府委員(河北正治君) 計画どおり二兆一千億の五カ年計画を遂行いたしたいと考えております。
  112. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) ほかに御質疑もないようですから、昭和三十四年度決算中建設省、住宅金融公庫関係質疑はこれをもって終了いたします。  なお、明二十七日は農林省、農林漁業金融公庫関係質疑を行ないます。  本日は、これにて散会いたします。  午後二時四十五分散会