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1962-04-25 第40回国会 参議院 決算委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月二十五日(水曜日)    午後二時五十四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    理事            岡村文四郎君            佐藤 芳男君            鳥畠徳次郎君            大森 創造君            北条 雋八君    委員            上林 忠次君            木内 四郎君            津田 幸雄君            小林 武治君            谷口 慶吉君            温水 三郎君            木下 友敬君            山田 節男君            奥 むめお君   国務大臣    郵 政 大 臣 迫水 久常君   政府委員    調達庁総務部会    計課長     大浜 用正君    郵政省監察局長 田中 鎮雄君    郵政省郵務局長 西村 尚治君    郵政省貯金局長 荒巻伊勢雄君    郵政省簡易保険    局長      板野  学君    郵政省電波監理    局長      西崎 太郎君    郵政省経理局長 佐方 信博君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    会計検査院事務    総局第二局長  樺山 糾夫君    会計検査院事務    総局第五局長  白木 康進君    日本電信電話公    社総裁     大橋 八郎君   —————————————   本日の会議に付した案件派遣委員報告昭和三十四年度一般会計歳入歳出決  算(第三十八回国会内閣提出)(継  続案件) ○昭和三十四年度特別会計歳入歳出決  算(第三十八回国会内閣提出)(継  続案件) ○昭和三十四年度国税収納余整理資金  受払計笹書(第三十八回国会内閣提  出)(継続案件) ○昭和三十四年度政府関係機関決算書  (第三十八回国会内閣提出)(継続  案件)   —————————————   〔理事佐藤芳男委員長席に着く〕
  2. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) これより決算委員会を開会いたします。  委員長の委嘱によりまして、本日の委員会には私が委員長の職務を行ないます。  先般、山梨富士吉田福地用水実情調査のために、本委員会として委員派遣を行ないましたので、この際派遣委員から報告を聴取することといたします。
  3. 大森創造

    大森創造君 先般、本委員会で議題となりました、調達庁山梨県に対する特別損失防止対策工事費補助金交付の問題につきましては、四月十六日から二日間、田中先生と私が、現地調査し、視察して参りましたので、御告申し上げます。  本件は、御承知のように、三十五年度決算検査報告指摘事項でありまして、調達庁では、北富士演習場が荒らされ、豪雨のときなど、土砂桂用から福地用水路に流れて、農地に害を与えるということで、山梨県に千三百余万円の補助金交付し、この用水路コンクリート巻き立て工事をさせているが、元来、この用水路には樋門があるのだから、洪水時の悪水は、この樋門を閉じて、余裕のある桂川に放流すればよく、この工事施行する要はなかった、したがって補助金交付したのは不当であるというものでございます。  これに対して、調達庁側では、樋門を閉じれば被害を阻止できることは確かであるが、地元には昔から利水慣行があって、相当降雨時でも、この樋門を閉じることはむずかしい。それで、常時あけざるを得ないが、平常の雨降りにも土砂まじりの濁水水田に流れて放置できない。本件工事はこのため施行したもので、効果としては十分上がっているというものでございます。そこで、まず、この樋門は常時あけておかざるを得なかったかどうか、またあけていたとすればその結果農地にはどれだけの実需があったかということになりますが、この地域では以前から水争いが絶えず、大正末期から昭和にかけて、雪しろによる濁水防止のため閉じたこの樋門を、下流の農民がこわし、再度刑事事件となった例もあり、地元民の言葉の端からも、用水者は悪水をも負担すべしとの心情が根強く支配しているようでありました。それで、樋門管理者である富士吉田市長も、かつて閉じた事実はなく、相当の出水時にも締めることは至難であるということで、河床から五十センチの開口で施錠固定させてありまして、まずまずあけておかざるを得なかったのではないかと思われるのでございます。  また、この川水路では、東京電力と関係部落間の分水協定によりまして、一定の分水率で水を取り、今日約百五十町歩の水田に灌漑していますが、近来水田の開発に伴い桂川の水不足ははなはだしく、この用水路の流域では、濁水が平水に復すまでの数日間さえ取水を中断できなかったようなこと、また、非常用水であると同町に、日常の用水でもあったこと、また、水位の関係もありまして、樋門を開閉することは実際問題としてできなかったのではないかと考えられるのでございます。  そこで、次は、かくてこの樋門から常時流入する悪水の実害でありますが、至るところ表土のはがされた演習場内から、雨降りや雪解けに、鉄砂水火山灰土が多量に桂川に流入しておりますことは、工事完了後二、三年の砂防堰堤がはや満砂している現況から見ても明らかでありまして、この用の濁度は、通常降雨でも雪しろどきの二分の一程度で、このことは、農地に対しては一応雪しろの半分の被害を想定させるわけでございます。このため、本件用水路から同じ桂用の水を分流している中沢用水路では、本件工事によってその流量が軽減されたとは言い条、なおこの種工事施行が望まれておりまして、現に、河床土砂礫によってうず高く、濁水による侵食の様も見られ、近くのあぜ道には水田から除かれた土砂が積まれ、水田には、保水力を維持するため、多くの堆肥やわらのまかれているのが見受けられました。また、周辺の水田には、いわゆる砂だまりが反当たり約七坪設けられたそうでありますが、地元では、二十六年から五カ年の間かように堆積した土砂などをのけるのに要した労力費といたしまして、特損法に基づき約四百六十万円の損害補償の要求が行なわれた由でございます。さらに、三十一年から四年間にこれら用水路水田堆積除却をされた土砂などの量は、約五万四千立米、労賃に換算しまして約五百七十万円と算出されておりました。  もちろん、これら事態のすべてをもってこの工事施行の要否を断定するわけには参りませんが、実害の一半はこれを否定すべくもないのでありまして、特に、それが天災ではなく、半ば人災的事由から雨や雪とともに生じてくるものだけに、地元といたしましては、着工への熱望とうらはらに、これが演習場撤廃運動の一因となっていたものとうなずかれるのでございます。  しかしながら、今日では、先程の未着工中沢用水路工事済みの本用水路を見比べますと、前者では、流速も鈍く、堆積土砂による河床の隆起が見られるに対し、後者では土砂などの堆積は皆無の現況でありまして、同行の人々の言からも、地元の喜びは隠し切れぬものありと思われたのでございます。  そこで、如上の諸点から勘案いたしますと、本件工事施行は、地元利水慣行を尊重する限り、また、農業共済保険の適用など、この種被害に対して公的な救済の道がない限りにおきましては、特損法に基づく被害軽減措置として肯定できるのでありまして、私ども防衛支出金の使途に照らしても、本件補助金交付する必要がなかったとは言い切れないのでございます。  しかも、検査報告がこれに相反する見解を示したゆえんのものは、 ひっきょうするところ、地元実情実害の状況などに対する調達庁側説明や、検査院側調査の不十分さにあると思われるのでございまして、この点、ここかしこにうかがわれましたことは、その影響が微妙で大きいだけに遺憾なことでございます。  今後も、この種特撮工事は数多く行なわれるのでありましょうが、いやしくも行政行為につきまして、その当、不当を論断する場におきましては、双方とも徹底した材料と納得が必要でありまして、検査する側としては疑わしきは罰せずという心がまえ受検庁としては積極的な立証の努力が、この場合特に望まれる次第でございます。  以上で派遣報告を終わります。
  4. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) ただいまの報告に関連いたしまして、質疑の通告がございます。これを許します。
  5. 大森創造

    大森創造君 会計検査院のほうにお尋ねいたしますが、調達庁の方お見えになっておりますか。
  6. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) まだです。
  7. 大森創造

    大森創造君 調達庁のほうから御報告など受けたと思いますが、今までに雪しろや米軍演習による災害を防除するために各種仕事施行されているだろうと思います。昭和何年ごろから、どういう種類仕事が、全額どのくらい施行されましたか、調達庁がお見えになれば調達庁からお答え願いますが、会計検査院のほうでもその程度はお調べだろうと思いますから、検査院のほうからお答え願います。
  8. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) 一応私どものほうでも承知しているわけでございますが、ただいまちょっと資料がございませんので、正確な金額はちょっとお答えいたしかねます。
  9. 大森創造

    大森創造君 では、その点はあとから調達庁のほうにお伺いするとして、どうですか、これは私も自民党田中委員とともにまる二日間がっちり現地を慎重に調査して参った結果、ただいま報告したような結論になったわけですが、その後検査院のほうとしては、当初検査報告に書いた主張と変わりはございませんか。
  10. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) 私ども調査いたしました経過等につきまして一応御説明してお答えにかえたいと思いますが、現在この福地用水樋門が施錠されていることは、私ども承知いたしております。ただ、私どもは三十六年の八月に現地を実地検査いたしたのでございますが、その当時は閉鎖されていなかったということは事実でございます。したがいまして、私どもといたしましては、現地においてどれだけの被害があったかということをまず調査いたしたのでございまするが、実際の現われている被害と申しますと、たとえば農業共済被害だとか、あるいは用水そのもの洪水の際の被害とか、そういうものにつきましては、特に二十六年当時のルース台風被害はもちろんございます、それから農業共済共済金を確かにもらっておりますが、この土砂による被害というものははっきりいたしません。農業共済被害も、冷害であるとか、そういったものに原因する共済金は確かにこの付近において受領いたしております。したがって、どれだけの被害があったかということにつきまして、はっきりした資料はなかったわけでございます。それから、上流福地用水取り入れ口において五十五対四十五の割合で水を取っているということは、これは協定書がございまして、はっきりいたしております。それらの点を総合的に勘案しまして、われわれとしては、従来は樋門はあるいは締めていたのではないか、そういった点を別としましても、たいした被害はなかったのではないか、そういうような判断をいたしたわけであります。それから、たとえこの樋門を締めまして、洪水の際に下流に流しましても、下流のほうにおきましては同種の補助金によりまして桂川護岸工事を漸次施行いたしておりますので、そういった許容流量から見まして、下流被害を及ぼすおそれはないであろう、こういうような判断によりまして、この検査報告に記載したような結論を下したわけでございます。先生の御調査に対して、何もお言葉を返す気持はもちろんございませんが、われわれの判断いたしました経過はさようなことになっているわけであります。
  11. 大森創造

    大森創造君 樺山局長にお伺いしますが、あなた自身現場に行って御調査になりましたか。
  12. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) 本年の二月に現地を視察いたしております。
  13. 大森創造

    大森創造君 どの程度ごらんになりましたか。どこの部分とどこの部分ごらんになりましたか。
  14. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) 問題は、北富士演習場からの砂が出るということが、これが根本的な原因になっているわけであります。したがいまして、上流から砂防堰堤等調達庁補助金工事いたしております。そういった演習場から出る付近砂防堰堤、そういった工事、それから桂川の本流にも砂防堰堤を作っております。それから、問題の福地用水樋門、そういった点を中心といたしまして視察いたしたのでございます。
  15. 大森創造

    大森創造君 そこで、内閣とそれから国会のほうに会計検査院検査報告が出ましたが、そういう文書を書かれたについては、検査院部内でもって相談をされて、そして検査院全体の責任のもとにあの文書を書かれたのですか。
  16. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) 検査報告のことをお尋ねであると思いますが、この検査報告検査会議決定事項となっております。したがいまして、これも検査会議決定によって提出いたしておるわけでございます。
  17. 大森創造

    大森創造君 私は時間がありませんから端的にお伺いしますが、過般の決算委員会で、林調達庁長官は、設計の不備とかあるいは会計検査院に指摘されるようなことも若干なしとしないような趣旨をこの委員会の席では言われましたが、あとではそうでない。それから、私が現場へ行って直接その価に当たった調達庁連中の話を聞きますると、確信を持ってやっている−百パーセントこの仕事が正しい、吟味吟味をしても実際にこの工事を遂行すべきであった。一方会計検査院は、一千三百四十一万円の補助が、全額交付の要がなかったというように指摘されている。これは大問題だと思う。そこで、先ほど私が、調査の結果、自民党委員を含めてこういう報告を出したわけでありますが、調達庁の方今お見えでございませんが、あなたのほうの御主張とはこれは百パーセント迷うのですから、御主張が完全にこれは違うのですから、このままでは、国今会、決算委員会としては済まされないと思います。どうですか。私は会計検査院勇み足だと思う。会計上の不当、違法というものを検査するというのがおたくの建前である。それが一つのマンネリズムになって、ああいう仕事について、総合的にあの北富士演習場の全体を見渡して、昭和二十七年当時から相当大きな防災工事をやっている、その関連として考えなければならないと思うのです。たまたま行ったときに樋門が閉ざされていたとか、ないという問題ではないと思う。あの米軍演習場被害というものは、私は初めて見ましたが、相当なものです。もう、ちょっと雨が降るというと、土砂が流れてきて、各種防災工事はそれなりの効果を上げておりますが、百パーセントの防災にならない。したがって、今度の一千三百四十一万円のこの工事が不当である、補助金交付の必要がなかったというふうに、会計検査院のほうで権威をもってきめつけられるというと、私は、この仕事ばかりでないと思う。調達庁連中はそう言ってます。これと似たような仕事が全国で相当数取り上げられている。さしあたり北富士演習場についても、調達庁の方がお見えならばお伺いしたいと思いますが、これは相当種類仕事が今まで取り上げられている。あなたのほうでなくて、調達庁の方にお伺いします。これはこの仕事でありませんが、今までに、過去数年間に、米軍演習による被害防災工事、これはどの程度仕事を、どういう種類のものをやっておりますか、簡単にひと  つお答え願います。
  18. 大浜用正

    政府委員大浜用正君) 調達庁としましては、米軍軍事演習によりまして相当土地を荒廃させましたことにつきまして、北は北海道から、南は九州までに、毎年大体五十億ないし六十億の予算で、特別損失補償法に基づきまして、いわゆる被害を防止し、または軽減措置を講じております。
  19. 大森創造

    大森創造君 樺山局長現地へ行ってごらんになっておわかりだと思いますが、米軍演習による被害という竜の、これを防止するために歴年いろいろな仕事をやっておりますが、それは相当効果はあると私は考えます。それで、その一環として今度の仕事がなされたというふうに私は理解するのですが、あなたはどうですか。
  20. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) 私も現地を拝見いたしまして、北富士演習場から相当多量の土砂が出るということは承知いたしております。それから、先ほどお話がございましたように、砂防堰堤通常の場合の期間より非常に短い期間で一ぱいになる、そういうような事情もよく承知しております。先生お尋ねは、今後のこういった種類仕事に対する検査心がまえの問題ではないかと思います。われわれといたしましては、こういった種類のものにつきましては、十分実情調査いたしまして、無理のない結論を下したいというように私といたしましては考えておるわけでございます。
  21. 大森創造

    大森創造君 今の樺山局長お話でも大体推測できるのでございますが、今度のこの指摘事項については、少し会計検査院行き過ぎではございませんか。勇み足をしたんでしょう。柏戸ではないけれども、ちょっと突っかかり過ぎたのじゃないですか。
  22. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) 私は、先ほど申し上げたような判断によって結論が下されている一わけでございまして、それがあるいは見方によりまして御批判があろうかと思いますが、私といたしましては、さようなことはないというふうにお答えいたす次第でございます。
  23. 大森創造

    大森創造君 現地へ行ってみますというと、中沢用水とか、その他この米軍演習による被害を受けているので、それを防止するために今後相当仕事をやってもらわなければならぬ。これは地元市長以下全部言っているし、地元でなくて、調達庁連中もその点については頭を痛めている。それで、あそこの場所においてこの仕事を実施すれば百パーセント被害がなくなるという種類仕事はないかもわかりませんが、とにかくこのままでは済まされない。この間やった仕事はその一環であって、今後何億かの仕事をやってもらわなければだめだということを地元の人が言っているし、それから調達庁の側もそう言っております。ところが、今度一千三百四十一万円のこの仕事について、会計検査院のほうから待ったをかけられた、けちをつけられたから、今度からは、これからぐんぐん仕事をやらなければならぬのに、出鼻をそがれたというような見解をとっております。それはともかくとして、私は、全体の中の、総合計画の中の一環として見た場合に、この仕事を全面的に国庫補助の必要がなかったというふうにきめつけた会計検査院態度は私は会計検査院を全面的に否定する気持はございませんよ。仕事施行する場合には、会計検査院の立場からいうと、いろいろあるだろうと思います。でありますが、結論的に言うと、全面的に言うと、交付の必要がなかったということを言うことは、勇み足ではなかったかと思いますがどうですか。あなたお一人でお答えができなければ、もう一ぺん会計検査院部内意見をまとめて御回答下さってもけっこうですが、どうですか、あとで回答されますか、それともここで絶対に正しいと言い切れますか。
  24. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) 私としては、そういった判断によって結論は下された、提出されたのでございまして、正しいと申し上げるほかはないのでございますが、なお、先生の御意見もありますれば、さようなことにいたしてもいいかと考えております。
  25. 大森創造

    大森創造君 今の御答弁が大体わかりましたけれども、私は念のために申し上げておきますが、調達庁というのはどういう官庁ですか、一斉で言って下さい。こういう種類仕事を実施するのが調達庁ではないのですか。
  26. 大浜用正

    政府委員大浜用正君) 調達庁は、設置法に基づきまして、合衆国軍隊が駐留する基地施設及び労務を提供しましたり、あるいは、基地施設によって生ずる被害並びにこれに対する補償、そういうものに対して、設置法に基づきまして仕事をやっている官庁でございます。
  27. 大森創造

    大森創造君 それで、会計課長お尋ねしますが、今度の仕事については、やはりこれは施行してよかったと、地元では喜んでいるし、あなたのほうの部内調達庁意見としても、結論的にはそうですね。
  28. 大浜用正

    政府委員大浜用正君) この福地用水は、先生も御承知のように、北富士演習場の重戦車あるいは米軍機動部隊演習によって生じた火山灰による流水によって被害が田畑に生じておりまして、これは調達庁設置法の第四条十六号に基づきまして、当然調達庁としましては、この被害を軽減しもしくは防止しあるいは全面的に被害をなくするような方法を講じなければならない一つの職責を持っているような官庁だと私は信じております。
  29. 大森創造

    大森創造君 そこで私は、会計検査院のほうに一つだけお願いしておきますが、これはいわば行政上の問題だろうと私は思う。調達庁施行する行政行為だろうと思う。そういう問題について是か否かと言うのは、会計検査院としての行き方から見て、行き過ぎではありませんか。
  30. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) おっしゃるとおり、行政でございましょうと思いますが、これは駐留車行為によって損失を受けたものに対する救済手段として補助金交付されるわけでございます。そういった関係において国の経費と関係します場合に、私どもとして、もちろん検査対象になるだろうと考えておるわけでございます。
  31. 大森創造

    大森創造君 たまたまこの問題が問題になって、そうして検査報告に百パーセント否定されるような報告が出たから問題になったのでありますが、また、こいつを黙って見過ごす決算委員会では、あってなきがごとしと私は思っております。会計検査院報告を尊重しない決算委員会というのはないし、また調達庁も国の重要な施策を遂行する省庁でありますから、これのやり方についても私どもとしては注意せざるを得ない。したがって、この問題は、この仕事は一千三百四十一万円でございますが、日本の国政全体に及ぼす大きな問題だろうと思う。基地問題については、閣僚懇談会を作るとか、あるいはどう対処するかという問題が国政の重大問題でありますから、これは私は一つテストケースだろうと思う。そこで、会計検査院のほうにお尋ねしますが、これはやはり行政上の問題だろうと私は思いますよ。あるいは会計検査院のほうで指摘される事項かもしれないが、行政管理庁のほうで指摘してもいい問題だし、この仕事そのものについては、会計の不正不当はない、違法はない、それから手抜き工事もない、仕事はしっかりやっておる、ただこういう仕事が不適当であったから補助金交付の要はなかったというきめつけ方をしている。これは私は、そういう意味でテストケースだろうと思う。そこで、樺山局長のさっきの御答弁によると、会計検査院としてああいう検査報告を出したのだから、これは部内に帰ってみなければしっかりした最終的な態度表明はできない、しかしそのことをやってみるつもりだという御趣旨のように私は承りましたから、それを了といたしますが、どうぞひとつ、私どものほうでは、超党的にこの調査をして、がっちり調べてきて、そうして、決して地元意見に流されたとか、それからどう上かいう政治的な利害得失をこえてこれに対する一つのしっかりした結論を出そうということで、先ほど報告した私ども報告を出したのです。国会で承認を得、国費をもらって、そうして決算委員会の代表として行って参りましたので、この結論のようになることが必要だろうと思う。そこで、これは法則的にも問題だろうと思う。会計検査院はこういう検査報告を出した、それを内閣国会のほうが受け取った。そこで、それに基づいて、国会は私どもを正式に派遣をされて、前段申し上げたような報告を私どもとして出したということでございますから、そこであなたのほうからの先ほどのような御答弁がございましたから、どうぞひとつ、きょうの私の質疑、それからこの前の決算委員会の私の質疑等を考えられて、そうして会計検査院としての最終的な態度の御表明を今度の会期が終わるまでの間にお示し願いたいと思います。実を言えば、たまたまこの問題がひっかかっただけで、調達庁としては同様のケースが全国的にあるのじゃないかと思う。もちろん、会計の不当、違法は追及しなければなりませんけれども、そういうことばかりではございましたので、ひとつ会計検査院のほうでは新たな態度の御表明を今度の会期中までにお願いしたいと思いますが、いかがですか。
  32. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) 検査報告として提出されましたものでございますから、結論が変わるということはおそらく私にはないであろうと思いますが、ただ先生お話もございますので、一応私といたしましては、帰りましてから上司に報告いたしたいと考えます。
  33. 大森創造

    大森創造君 さっきの答弁とちょっとニュアンスが違う。なるべくならば逃げたいと思っているが、そうはいかない。これは私のほうで自民党を含めてこういう報告を出した。今のようなお話だというと、会計検査院調達庁とこれは真向からぶつかったままですよ。そういうことは、決算委員会としては済まされませんので、そこで、林調達庁長官も言われたように、幾らか会計検査院から指摘をされるようなところもどこかあるかもしれないというニュアンスを委員会で言われましたけれども、実はない、全然ない、百パーセントわれわれのやったことは正しいという立場で、地元へ行くというと、とんでもないと、こういう仕事にけちをつけられるなら、調達庁どうなんだ、これからどんどん仕事をやってもらわなきゃならぬのに、こういう仕事にまでけちをつけられては困っちまう、こういう主張である。めんどくさいし、米軍演習場を返してもらうということになる。しかし、それは別途の議論でございますが、そうでなくて、今度の問題については、今までの問答から、今までの経緯から考えてみて、私は、若干どころか、相当程度会計検査院のほうに勇み足があっただろうと思う。これはひとつ練り直して、一回文章を書いちゃったから、もうそれを搬回する意思はないなどということにかかわらずに、芥川院長に相談をしてひとつ善処していただけませんか。あなたとしては、文章を書いたのだし、会計検査院報告をそのまま撤回するなどということをここで私に言質を与えては事でしょうが、そうでなくて、ひとつあなたのほうのよりよき検査報告というものを今後期待しますが、どうですか、今度新たな最終的なこの問題についての態度表明するようにしていただけませんか。そうでないというと、これは並行線ですよ。いつまでも並行線でも私はかまいません。しかし、どうなりますかな、それでは。
  34. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) ちょっと説明がまずかったと思いますが、一応結論が変わるかどうか、私としてはお答えいたしかねますが、帰りまして上司と相談することにいたしたいと思います。先生の御趣旨は十分にお伝えいたすことといたします。
  35. 大森創造

    大森創造君 大体了承いたしましたが、ひとつ善処していただきたいと思います。それほどわけのわからないことを言っているつもりではございませんから、このままでは済まされませんからね。まあ意のあるところを私は了承することにいたします。
  36. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) ほかに御発言もございませんようですから、これをもって派遣委員報告並びにこれに関連する質疑は終了いたします。
  37. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) 昭和三十四年度決算を議題といたします。  本日は、郵政省並びに日本電信電話公関係の審査を行ないます。なお、念のため申し上げますが、昭和三十四年度決算において会計検査院より指摘を受けた事項は、郵政省関係では検査報告七十八ページ以下の十二件であり、電電公社関係では百二十二ページ以下に記載されておりまする四件であります。  それでは、これより昭和三十四年度郵政省関係決算について説明を求めます。
  38. 迫水久常

    ○国務大臣(迫水久常君) 郵政事業特別会計、郵便貯金特別会計、簡易生命保険及郵便年金特別会計並びに一般会計昭和三十四年度決算の概要と会計検査院から御指摘のありました事項について申し上げます。  郵政事業特別会計の歳入予算額は一千七百三十九億人千三百余万円、歳出予仰視額は一千七百八十六億四千五百余万円でありまして、これに対する決算額は、歳入は一千七百九十二億三千余万円、歳出は一千七百七十七億二千八百余万円となっておりますが、この中には収入印紙等の業務外収入支出や借入金、建設費等の資本的収入支出が含まれていますので、これらを除きました事業の運営による歳入歳出を見てみますと、歳入は一千三百四十八億四千百余万円、歳出は一千三百三十二億三千五百万円となっております。この収支差額につきましては、建設費の財源の一部をまかなうほか、債務償還に充当いたしました。  郵便貯金特別会計の歳入歳出はともに六号六億円でありますが、歳入中には歳入不足を補てんするための他会計からの受入金がありますので、損益計算上は六十四億二千八百余万円の欠損という処理をいたしております。  簡易化命保険及郵便年金特別会計につきましては、保険勘定の歳入予算額は一千五百四十六億一千四百万円、歳出予仰現額は五百二十二億四千五百余万円でありまして、これに対する収納済歳入額は一千五百四十五一億一千六百万円、支出済歳出額は四百九十五億九千六百万円となっております。この差額一千四十九億二千余万円は、法律の定めるところに従い積立金といたしております。  また、一般会計におきましては、十九億六百余万円の歳出予算現額に対し、支出済歳出額は十八億九千余万円となっております。  次に、昭和三十四年度の主要施策事項について申し上げますと、  第一は窓口機関の増置でありますが、無集配特定局百九十八局等の増置をいたしました。  第二といたしましては、郵便事業集配運送施設の改善であります。近年特に著しい郵便物数の増加に対処して、そのサービスを確保するため、主要幹線鉄道運送施設の増強及び軽自動車、スクーター、バイクモーターの配備等機動化の推進を行ないました。  第三に、国民貯蓄の増強であります。まず、郵便貯金の増加目標額一千億円に対しまして、経済事情の好転と全職員の懸命な努力によりまして純増一千三百二十一億七千四百万円の成果を上げ目標額を突破いたすことができました。郵便貯金の三十四年度末現在高は九千六百六十一億六千二百余万円となりまして、これは資金運用部資金の五六%を占めております。  また、簡易保険の三十四年度末現在高は、保険金額では一兆九千三百三十五億七千百余万円となっており、三十四年度において財政投融資へ一千百億円、契約者貸付へ八十七億円の資金を運用しております。  第四として、窓口機関の増置、郵便業務量の増加、特定局における電話施設並びに賃金者の定員化等で三千八百人の定員増加を行ないました。  最後に、会計検査院検査報告に掲げられた事項について、その概要を申し上げます。  まず、三十四年三月分の後納郵便料金の徴収決定を三月に行なった点及び予算総則の発動に関する点でありますが、これらの措置は、郵政職員の給与に関する仲裁裁定の実施及び未曾有の惨害をもたらした伊勢湾台風による被害の復旧、さらには年末首押し迫っての全逓との紛争による年賀郵便の処理及び年末首にわたる滞貨の排送等避けがたい経費の支出増に充てるため極力増収をはかり、もって歳出財源の確保に腐心いたしたのでありまして、予算総則発動当時におきましては、一応決算の結果を予測し十分検討の上行なったのでありますが、収入見込額が予定に達しなかったため、かかる結果となったことを遺憾に存じます。  次に、工事関係でありますが、これは宿舎の土留め石垣修繕その他工事六十三万五千円の施工が疎漏な旨の指摘を受けたものでありまして、まことに遺憾に存じます。関係者に対しましては厳重に注意するとともに、今後工事の監督及び完成検査にあたっては十分注意いたします。  不正行為につきましては、十一件の指摘を受けました。当省におきましては、従前からその未然防止と早期発見に努力して参ったのでありますが、なおこの種犯罪が跡を断たないことは、まことに遺憾に存じます。  今後、監督者並びに全員に対し、あらゆる機会を通じて責任観念を強め、防犯意識を高めて、再びかかる犯罪の発生を見ざるよう自治監査を厳重に行なうよう強力に指導すると同時に、業務考査並びに会計監査にあたりましても、従前どおり不正行為の防止を最重点事項といたしまして、機動的、効果的に実施し、その絶滅に全力を尽くす所存であります。
  39. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) 日本電電公社関係の三十四年度決算につきましては、三十六年の五月十五日の本委員会で、すでに説明を聴取しておりますが、なおこの際総裁より補足説明を求むることにいたしたいと思います。大橋日本電電公社総裁
  40. 大橋八郎

    説明員(大橋八郎君) 昭和三十四年度の決算検査報告につきまして、日本電信電話公社といたしまして御説明申し上げます。  昭和三十四年度は、一般経済界の好況による影響があったことはもちろんでありますが、電話の増設、市外通話サービスの向上等による利用の増大により収入も順調に伸長し、当初の予定を相当上回る成果を上げることができました。すなわち、損益勘定における収入は、予算額一千八百六十五億円に対しまして、収入済額は二千五十億円、支出額は、予算現額一千八百九十八億円に対しまして、支出済額は一千八百九十六億円となりました。また、建設勘定におきましては、収入の予算額八百五十億円に対しまして、収入済額は九百九十一億円と百四十一億円の増加となりましたが、これは建設勘定に繰り入れられる資本勘定において、電信電話債券、資産充当等の増加があり、このため建設勘定繰入額が増加したためであります。支出の面におきましては、予算現額一千八十八億円から建設工程の末完成等により翌年度へ繰り越しました七十二億円を除く一千十六億円が支出済額となりましたが、これをもちまして加入電話の増設三十一万加入、公衆電話の増設一万六千個、市外回線の増設九十万キロメートルの建設工程を実施したものであります。  三十四年度は、電信電話拡充第二次五カ年計画の第二年度に当たるのでありますが、最近における加入電話及び市外通話の需要の伸びはまことに著しいものでございますので、既定計画を大幅に拡大することを必要と考え、三十四年八月に三十五年度以降三カ年間の規模を、加入電話の増設百三十万加入、公衆電話の増設七万個、市外回線の増設四百二十万キロメートルとするよう当初計画を拡大改訂し、三十五年度から実施することといたしました。  次に、三十四年度の決算検査報告で指摘を受けました事項について申し上げます。指摘を受けました事項は、不当事項四件でございました。  その第一は、撤去したセレクターの転用を考慮しないで吸収セレクターに改造したため不経済になったというものであります。これは三十五年二月東京区域において一斉いに実施いたしました局番三数字化工事に際し、必要とする吸収セレクターの全量を新品によらないで、一部は撤去したセレクターを改造して使用いたしましたため、指摘を受けたものでありますが、撤去品全量の転用には種々困難な事情もありましたので、転用可能と認められるものに対しては、新品の吸収セレクターを充当いたし、さしむき転用見通しの立たないセレクターは、撤去品のまま在庫品として保有することを避け、これを吸収セレクターに改造の上使用する措置をとったものであります。しかしながら、今後このような工事につきましては、十分注意して実施することといたします。  不調事項の第二は、同軸ケーブルを所要の長さ以上に製作させたため不経済になったとの指摘でございますが、これにつきましては、関係部門間の連絡が不十分でありましたため、指摘のような結果になりましたので、今後さらに連絡を密にして、このような事態を生じさせないよう注意いたします。  不当事項の第三は、使用可能な工事用機器類をくず価格で売り渡したと指摘を受けたものでありますが、これにつきましては、不用物品に対する技術認定に欠ける点があったほか、契約処理におきましても適正を欠いたことは、まことに遺憾に存じております。不用物品の技術認定事務につきましては、その処理要領を一そう明確にいたし、適切な処理をはかるよう措置いたすとともに、契約事務の適正な実施についてさらに十分な配意を払うよう関係者の注意を換起いたしました。  なお、本件関係者に対しましては、厳重処分済みであります。  不当事項の第四は、購入契約書に定める保証条項に基づき無償で修理させ得るものを有償としたとの指摘でございますが、これにつきましては、保証条項に対する指示に不十分な点があったため、保証期間内であるにもかかわらず指摘物品について有償修理を行なったものであります。  本件につきましては、直ちに是正措置を講ずるとともに、指摘金額の全額を返納させましたが、なお、今後このような事態を繰り返さないため、保証条項に対して適確な処置ができるよう措置いたしました。  以上簡単でございますが、概略を御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  41. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) 次に、会計検査院より検査報告についての説明を求めます。
  42. 樺山糾夫

    説明員樺山糾夫君) 郵政省所管につきまして、検査報告の七十七ページに、郵政事業特別会計の経理の全般につきまして、三十四年度の特殊な事項を指摘してございます。  第一は、後納予算の料金収入でございますが、これを従来と取り扱いを変えまして十三カ月分を徴収決定いたしている点でございます。これは、いつ徴収決定をするかということは、部内の通達できめておられるわけでございますが、そういった点で、法令の違反というわけではございませんが、収入と経費が対応しないという面では、好ましくない事態ではないかというふうに考えられます。  次に、三十四年度の特別会計の予算総則によりまして、業績賞与などのために二十億四千百万円の使用を大蔵大臣に承認を求めたのでありますが、その際に、予定外の増収見込額を二十七億千七百万円と見込んだのに対しまして、実際に決算をしました結果は、先ほど申し上げたように、後納郵便料金を一カ月分よけいに徴収決定したものを合わせましても、増収額は十七億八千四百万円しかなかったということになりまして、結果から見ますと、承認を受けた額は一億二千三百万円超過したということになっているのでございます。  次は不当事項でございますが、二一二号の問題は、職員宿舎の土留め石垣の工事で、監督や検収が十分でなかったために、裏込めコンクリートとかぐり石が設計と全然違っているといった状況で、工事が全般的に粗漏と認められたものでございます。  次は、二一三号から二二三号までは、郵便局におきます職員の不正行為でございますが、三十五年の九月末までにまだ穴が埋まってないものの中で、一事項五万円以上のものが十八事項で千三百三十万円あります。このうちのおもなるものにつきましては、八十一ページから八十三ページに掲げてあるのでございますが、総体的に見まして、不正行為の金額は、前年度より件数、金額とも減少いたしておるわけでございます。  以上御説明を終わります。
  43. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) 白木会計検査院第五局長
  44. 白木康進

    説明員(白木康進君) 昭和三十四年度の電電公社関係の不当事項の概要につきましては、検査報告の百二十二ページ以降に四件記載しておりますが、先ほど総裁から概要の御説明がございましたので、やや補足して簡単に申し上げます。  まず第一に、東京局番の三数字化に伴うセレクターの処理の問題でございますが、この点につきましては、三数字化のためのセレクターの取りかえ総個数約七万一千佃のうち、四万二千個につきましては新品を購入し、残余のうち二万五千個については改造して取りつけたために、かえって効果がなかったという事案でございますが、当局においても新品を購入して設置するほうが経済的であるということについては十分御検討になっておったわけでございますけれども、年度予算によって工事をされる関係その他から、当該年度にさしあたり転用見込みのないものについては、これを支給材料等によって改造するのが適当であるという御判断であったと思うのであります。本院におきましては、やはり翌年度以降の転用も考慮して経済的事項をはかったならばなお三千余万円の節減をし得たという点で、これを指摘しておるわけでございます。  次に、同軸ケーブルの製作請負でございますが、これは前年度から、公社とそれからメーカーとの間におきまして、発注の際に、製造工程上当然付加される端末処理のためのプリングエンド及びトレーリングエンドについては、契約数量から除外し、別途メーカーがこれを付加するという協定になっておる点が、施設局から資材局に準備要求の際にやや検討が不十分であったために、これをあやまって付加したということのために生じた不経済一でございます。なお、この点は、その後三十五年度以降はお知らせのとおりに改訂されております。  次に、使用可能な工事用機器類を売り渡したために公社の不経済となっておるという点でございますが、これは第一点は、先ほど総裁から申されましたように、たなおろし結果報告によっても、十分使用可能品として報告されたものを、技術認定の際に不良品として処理されたあやまち及び一本件については、入札の際に、検査報告に書いてあります、別途関東通信建設株式会社からの譲り渡し要求に木づいて、これをくずとして処分しておりながら、入札の際には、物品処分の入札の際にこれをも含めまして入札が行なわれておるという経理上の手違い、そういった点が不当であるという事案でございます。なお、この点につきましても、先ほど総裁から申されましたように、責任者に対しては訓告、あるいは直接の当事者に対する減給等の処分が行なわれております。  最後に、保証条項を適用しなかったことにより不必要な修理代を払ったもの、これは実は前年度−三十三年度においても、同様の事態がございまして、本院から指摘して注意をいたしたのでありますが、なお現場事務の手違いから重ねてこういう事態があったということで、これを検査報告に指摘しておるわけでございます。なお、本件の保証条項を適用したら支払う必要がなかったと認められる修理代については、ここに書いております百五十三万余円は会社から公社に返納済みになっております。  簡単でございますが、以上で説明を終ります。
  45. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) これより質疑に入ります。御質疑の方は順次御発言を願います。
  46. 大森創造

    大森創造君 まず最初に、きのうある新聞で見たのですが、宇宙通信用のパラボラ・アンテナの設置ということについてお伺いしたいと思います。この計画は、郵政省の電波研究所によって立てられ、現在実施されておると思いますが、茨城県の鹿島町にことしの秋完成予定の直径三十メートルのパラボラ・アンテナというものはどういうものですか、時間がありませんからしろうとの私に簡単にわかるように御説明いただきたいと思います。
  47. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) 御承知のように、この宇宙開発というものが非常に進んで参っております。特に通信衛星というものを使いまして国際通信、端的に申しますと、たとえばテレビジョンの国際中継をやるといったようなことになりますと、現在あるところの短波の通信とかあるいは海底ケーブルでは用を果たさないわけです。そのために、今申し上げました通信衛星というものを媒介として外国との間に通信路を開く、こういうことが現在唯一の道と考えられておるわけでございまして、日本としましても、単にこのテレビ中継というだけではなく、将来の国際通信の発展に対処するために、この通信衛星に対応する地上施設というものを作る必要がある。それを、現在電波研究所として、それに必要な基礎研究用のために、今先生が御指摘になりました茨城県の鹿島の近くに、三十五年度から三十メートルの直径のパーラボラ・アンテナというものを建設中でありまして、おそらく三十七年度中に完成する、こういうふうに思っております。
  48. 大森創造

    大森創造君 それはどのくらいの予算でできるのですか。
  49. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) ちょっとはっきりした数字を覚えておりませんけれども、三十五年度で基礎工事用に二千五百万円、それから三十六年度にたしか一億五千万円程度、それから工十七年度に一億七千万円程度、こういった予算をいただきまして、それによって準備をいたしております。
  50. 大森創造

    大森創造君 そうすると、今のは直径三十メートルですが、今度は直径八十メートルのものを総工費四十四億円で四十四年度に完成予定でやるということが伝えられておりますが、これは事実ですか。
  51. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) それは将来の計画ということで持っておるわけでありまして、まだその点につきましては計画として、オーソライズされているわけではありません。ただ、外国におけるそういう面の状況とにらみ合わせて、まあそういう雄大な計画を早く作りたいということで、その程度の計画でございまして、まだ確定しておるわけではございません。
  52. 大森創造

    大森創造君 構想の段階でしょうが、いずれは作られるだろうと思いますが、その設定地はやはり茨城県の鹿島町あたりにするつもりですか。
  53. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) そういうわけで、まだ確定いたしてはおりませんけれども、もし可能であればそうしたいと現在は考えております。
  54. 大森創造

    大森創造君 神奈川県の上瀬谷通信基地周辺の問題が本決算委員会でもずいぶん問題になりましたけれども、こういうものができるというと、ラジオ、テレビなどろくに聞けないようなことになりゃしませんか。
  55. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) この点も、実はまだ検討中でありまして、その宇宙基地の周辺、ここに保護地域を設定する必要があるかどうかという点につきましては、まだ検討中の段階でありまして、ここで確信を持った御答弁はできないわけでありますが、しかし、上瀬谷の場合と、それから今の鹿島の場合は、周辺の状況からいってだいぶ違うのじゃないか。上瀬谷の場合は、御承知のように、相当周囲に人家もたくさんありまして、またその内部の施設の状況からいいまして、ああいった相当きびしい条件が必要になって参ったわけであります。まあ宇宙通信の基地の場合には、使用します周波数、これがだいぶテレビやラジオと違いますから、おそらくそうたいした問題は起こらないのじゃないか、こういうふうに考えております。なお、その点の詳細につきましては、まだはっきり御返事できる段階には参っておりません。
  56. 大森創造

    大森創造君 あの神奈川県の上瀬谷は人口が多いと、茨城県の鹿島町は条件が違うということでありますが、確かに条件は現在のところ違いますが、運輸省、建設省、それから茨城県とで計画しております鹿島港、これは相当大規模なものが昭和四十一年までにできることになっているし、関連産業は重工業を初めとして相当出てくるし、それから鉄道もあそこに敷かれる。今まではイモ畑でありましたが、これは四、五年か五、六年うちには様子を一変するだろうと思うのです。京浜地帯があまりにも錯綜しておりますから、茨城県の鹿島に昔からある鹿島立ちのことがそのとおりに、あそこに一大港ができて、それから重工業地帯ができることになりますと、これは神奈川県の上瀬谷以上の人口密度になるだろうと私は考えます。そういうことをひとつ計画に入れて、あなたのほうでは計画してほしいと思います。  そこで、念のために伺いますが、パラボラ・アンテナというものは事事上の目的はございませんか。
  57. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) 全然そういうことは考えておりません。先ほど申し上げました平和目的に、また日本の科学技術の発達のために使おうと、こういう考え方であります。
  58. 大森創造

    大森創造君 それで、直径三十メートルのやつがことしじゅうに鹿島町にできるということですが、八十メートルのやつを設置しようという場合には、こういう鹿島町あたりを有力な候補地にしようというお考えですか。
  59. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) 御承知のように、今考えておりますところは、私は詳細に現地を存じませんけれども、鹿島町の平井というところでありまして、できればそこに作りたいということでありますが、その点は、先ほど申し上げましたように、まだ確定したわけではございません。
  60. 大森創造

    大森創造君 これは世界有数の施設なんでしょうね。こういうものは、あなた方のほうでは作りたいのでしょう。
  61. 西崎太郎

    政府委員(西崎太郎君) そう思っております。
  62. 大森創造

    大森創造君 わかりました。  その次に、郵政省の簡易保険のことについてお伺いします。  前に決算委員会で時間がなかったのでしり切れトンボになりましたが、茨城県の石岡の郵便局と、それから結城郡の八千代郵便局に発生した刑事事件ですけれども、概要はこの前の委員会で承りましたが、内容についてはまだ承っておりませんので、御質問するわけですが、そこで私は、これは裁判公訴中でございますが、結論的に言うて、私は郵政当局の責任大だと思っております。非常に郵政当局の責任があると思うのです。この事件の概要は、局長おわかりだと思いますから、前段のほうは省きますが、この前の続きにもなりますが、郵政当局の責任は実に大きいと思うのです。郵便局員が刑事犯人という、そうして今休職ですか、これは刑事処分になったからやめさせられたのですか。それと、契約者十数人というのでございますが、裁判所で扱うということになりまするというと、これは問題になりましょうが、私は政治的に見て、行政的に見て、郵政省の責任が非常に大きいと思うのです。これについて、迫水郵政大臣は用事があって中座されましたが、どなたか責任のある方にお答え願いたいと思うのです。裁判になれば、確かに局員が問題になり、契約者が問題になりましょうが、私は行政的、それから政治的には、どうしても郵政当局の責任が一番大きいと思うのですが、これについてどう思いますか。
  63. 板野学

    政府委員(板野学君) お答え申し上げます。御承知のように、簡易保険、郵便年金両事業の経営の基礎は、新規の募集ということがもとでございまして、この新規募集によりまして事業の経営が成り立っておるということでございます。しかしながら、この契約の勧奨の実態を申し上げますと、まだわが国の保険思想の普及、こういうものがかなりおくれておりまして、契約者が郵便局の窓口まで出向いて契約の申し込みをされるということがほとんど皆無の状況でございまして、したがいまして、この簡易保険の従事員が局外におきまして加入を勧奨する必要がある次第でございます。したがいまして、この勧奨活動の目標といたしまして、毎年度一定の募集の目標を定めて、この推進をはかっておりますわけでございますが、この募集目標額は各郵便局に割り当てられるわけでございまするが、この各郵便局への割当にあたりましては、今までの実績から見ました従事員の能率とか、あるいは地方のその経済の事情などを勘案いたしまして、無理のないようにいろいろ配意をいたしておる次第でございます。ただ、目標の消化とか、推進にあたりましては、郵便局によりましては、ときによりましては、目標設定に対しまする趣旨を、少し趣旨に対しまする理解が欠けているといいますか、そういううらみもございまして、いろいろ、保険の募集につきましては、むずかしい点もございまするけれども、とかく安易な目標に努めていくというような結果が、このような募集が契約の不正を生じた原因と思われる次第でございます。正しい保険思想の普及、正しい姿で募集目標を消化していくということが、事業の発展の基礎でございますので、私といたしましては、特に従事員の指導につきましてはいろいろの方法でこのを強化をいたしている次第でございます。  また、事件の起きました八千代局と石岡局につきましては、特に一般のその付近の郵便局に比べましてその目標額の負担が多かったというよりも、むしろ目標額は低目に設定されているような状況でありまして、私どもといたしましては、この目標額が少し酷であったというふうには考えておらない次第でございますけれども、先ほど申し上げましたように、従事員の指導といいますか、あるいは一般のPRというような点につきまして、十分にこの点が徹底いたしませんで、今回のような事件が起きたような次第でございますので、今後は一そう、こういう点につきましては、ひとつ監督あるいはPRの点につきまして、十分に指導をしていきたいというふうに考えている次第でございます。
  64. 大森創造

    大森創造君 保険局の外務課というのがございますね。外務課の方が参りまして、郵便局に相当過酷な勧奨をする。郵便局長と、それから簡易保険の勧誘員を置いて、とにかく取れ、何が何でも取れ、隣の郵便局はやったじゃないか−これこれによってできませんというようなことを言うと、そんな弁解は無用だ、やらないと首だ、こういうことを外務課は言っているというのだが、そういう事実はございませんか。
  65. 板野学

    政府委員(板野学君) 先ほど申し上げましたように、奨励とか、その募集ということは、なかなか技術がむずかしい点もございまするけれども、この募集等にあたりましては、十分に、そういう無理な募集をいたしましても、結局はやはり最終の目的を達しないというのが私どもの過去の経験でございますので、指導とか、そういう面につき摂しては、いろいろ、パンフレットなり、あるいは実地指導等をいたしますけれども、外務課員が行きまして、これは目標を達成しなければ首だとか、あるいはほかの局はこれだけやるのだから、その局もやれないはずはないとかというような、きびしいしりたたきといいますか、そういうことは、いろいろな組合との関係も御承知のようにございまするし、またこれは事業遂行の常識といたしまして、私どもといたしましては、やらないということで、十分郵政局のほうにも趣旨を徹底さしている次第でございます。
  66. 大森創造

    大森創造君 簡易保険局長の段階ではそういう趣旨でやっておるのだろうと思いますけれども、実際八千代郵便局なり石岡の郵便局に行った人は、奨励するに急なるあまり、そういう言葉を使ったに違いないと思う。これは裁判で明らかになったことは、私どもは検事調書まで調べたけれども、弁護士は申すに及ばず、関係者全部そう言っている。昭和三十三年に、神奈川県下で自殺事件がございましたね。そういう事件がございましたな。私は、簡易保険局長の言明にかかわらず、これを奨励するあまり、事実としては相当手ひどい措置が末端の局においては行なわれているだろうと思います。そこで  お伺いいたしますが、簡易保険の割当というものはだれに向かってやるのですか。
  67. 板野学

    政府委員(板野学君) まずその土地の年の目標額が大体きまりまするというと、先ほど申し上げましたように、従事員の数とか、人口とか、あるいは経済状況、そういうものを勘案いたしまして、そうして郵政局へ大体の目標が割り当てられる。郵政局におきましては、これまた、本省と同様に、いろいろな経済事情とか、あるいは能率、あるいは従事員の数、そういうものを考えまして、また過去の募集の実績というものも考慮に入れまして、そうして各郵便局に大体の目標額が与えられるわけでございます。その郵便局におきましては、必ずしも全国的統一ではございませんけれども、それはまあ各人の一応の目標といいますか、大体この程度はひとつやれるんじゃないかというようなことで、そういうことをやる局もございまするし、またそうでない、まあ共同でひとつこういうことをやっていこうじゃないかというような局もございます。したがいまして、それは各局まちまちでございます。したがって、そういう際におきましては、私は、もうその能力のない人に無理な個人目標ということはやっていない。これはもう個人の能力に応じてやっている。特に、最近は、御承知のように、これは組合とのいろんな話し合いということはございませんけれども、いろいろそういうような面もございまするので、極力円滑にひとつこの募集がいきますように、名郵便局とも十分にそういう点は気をつけてやっておるというふうに私ども考えておる次第でございます。
  68. 大森創造

    大森創造君 この金額の割当について、あの八千代村あたりは相当災害があった。こういう災害などについては、勘案して、割当などは減らすという処置をとっておりますか。
  69. 板野学

    政府委員(板野学君) 天災その他災害がございますれば、それに応じてやはり減額するというような措置をとるようになっておる次第でございます。
  70. 大森創造

    大森創造君 そこで、その割当額の消化がずっとできない、二年も三年も続けてできないという場合には、どういう処置をおとりになりますか。
  71. 板野学

    政府委員(板野学君) そういう場合におきまして従事員の、実際その職場におきまする訓練指導もいたします。また、どうしても成績の悪いところにそういう目標額を持っていっても、これはもういろいろできませんので、むしろもう少し経済力もあり、あるいは個人的な募集の能力のあるところにその目標を回していくというような処置もとるわけでございます。
  72. 大森創造

    大森創造君 そういう場合には、事実上勧誘員が首になるというような処置は、組合の関係とかいろいろございますから、やらないにしても、陰に陽に首になるようにしむける処置はとりませんか。
  73. 板野学

    政府委員(板野学君) そういうことは絶対にございませんので、もう一年間一件も募集しないというような外務員もおる次第でございます。
  74. 大森創造

    大森創造君 そこで、八千代局で問題になった関という人は、郵政当局から成績が非常にいいというので十数回表彰されている。石岡の局の勧誘員についても、同様のことなんです。その表彰された翌年、こういう刑事事件になった。で、こういう問題は、監察官の方がおいでになって、この事件を摘発するということになったのですが、名前はきょう伏せておきますが、その監察官はこう言っている。こういう事件は全国至るところにあるのだ、無検査なんだから、こういう法の盲点をついて、制度上の欠陥があるんだ、われわれは——いいですか、監察官の人がおいでになりましたら、ひとつお伺いしたいと思うのですが——われわれはやろうと思ったら切りがない、こういう事件について摘発しようと思ったならば。たまたま茨城県の結城郡の八千代村あたりが適当だろうということで——あそこの契約者が十何人です、それから局員は、今申し上げました関という人が十数回の表彰されているにかかわらず、全国的なモデル・ケースとしてやろうということでこっちをやったということを言明しているというのだが、まずそういう事実がございますか。また、そういう方針で監察官は動きましたかな。
  75. 田中鎮雄

    政府委員田中鎮雄君) 前回の当委員会でも申し上げましたが、こういった種類の事件は、非常に全国的に見ましてもまれな事件でありまして、今の監察官がそういった言葉を述べたという点につきましては、私どもといたしましてはまことに了解のできないことであり、監察官は摘発主義が第一ということではないのでありまして、石岡の事件につきましては、東京の簡易保険局の事務の処理の途上でこういったことが発覚した、八千代事件は匿名の申告があって監察官が捜査に当たった、こういうような実情になっているのであります。
  76. 大森創造

    大森創造君 こういう問題について、これは八千代の場合には、三人の勧誘員が夜を日についで割当を消化するために非常に努力した、その努力の結果表彰を十数回受けているということである。これは病弱な人だとか老人などを被保険者にするということを初めから考えたわけではございません。裁判の段階で明らかになったことは、絶対にそういうことは初めから考えていないし、自分たちも不当領得しようという意思は毛頭なかった。これは原因するところ、どうしても簡易保険局、それから外務課など、割当を消化するのに奔命のあまり、熱意のあまり、こういう犯罪を犯すことになったのだろうと思う。そこで私は、郵便局というものの中で、そういう募集は、村のことですから、部落のことですから、わかるだろうと思うのです。局長局長代理とか、あるいはこれに対する、監察官ではなくて、常時業務の指導監督をする機関というものはあるのだと思うのですが、そういう方も全然今までお知りにならなかったのですか。
  77. 板野学

    政府委員(板野学君) そういうような不正契約を防止するということは、事業を安泰ならしめる最も重要なことでございまして、特に、簡易保険におきましては、御承知のように、無審査の保険でございますので、たとえば郵便局におきまする外務員につきましては、被保険者の面接監査を行なうように、また必要な事項につきましては告知を求める、いわゆる告知義務というものが被保険者に課せられている次第でございまして、こういう面につきましては、いろいろなパンフレット、あるいは実地の指導とか、あるいは最近のアプローチ・エイド・オートスライドというような、いろいろな施設を用いまして、指導をいたしておる次第でございます。  また、内勤者につきましては、外務員から引き継ぎを受けました保険契約の申込書によりまして、その申込が正規の取り扱いによって受理されたものかどうか、いわゆる面接とか、告知とか、義務の違反はなかったかどうかというようなことを審査いたしますとともに、その自後におきまして、契約関係者に対しまして、書面及び実地による調査を抽出の方式によって行なっている次第でございまして、特に契約者と被保険者の姓を異にする契約、いわゆる異姓契約等につきましては、重点的にそういう調査を行なっているわけでございます。  また、地方簡易保険局の取り扱いにつきましては、郵便局から送付されました申込書の内容を審査いたしまして、その中から抽出方法によりまして、被保険者に対する書面調査を行なっているわけでございます。さらに、異姓契約の被保険者につきましては、被保険者の同意の有無につきまして特に照会を行ないます等、保険契約の書面犯罪の未然防止及び早期発見に努めている次第でございます。  保険金の支払い請求がありました際におきましては、請求書数によりまして書面審査いたしました上、契約締結後短期間に死亡の者につきましては、その原因等につきまして照会をいたします等、特に審査をいたしておるのでございます。  また、羽政局におきましては、郵便局におきまして正規の取り扱いをしておるかどうかという点も十分指導いたしているわけでございますが、先ほど問題になりました八千代局あるいは石岡局等につきましては、そういうようないわゆる郵便局の内部における指導、あるいは監査なり、あるいは郵政局の指導等が十分でございませんのでこういう事件になりましたことを、私ども非常に遺憾に存じております。  ただ。石岡局につきましては、先ほど保険局長から報告がございましたように、東京地方簡易保険局の審査によりましてこの事実が発覚したということになるわけでございまして、こういう点につきまして、私どもはもう少し現場におきまするそういう指導監督の面をさらに強化する必要があるのじゃないかというふうに考えているわけでございますが、先ほども監察局長からちょっと報告がございましたように、非常に全国におきましてもまれな例でございます。もう何件しかないというような例でございまするので、私どもも特にそういう面につきまして今後気をつけていさたいというふうに考えております。
  78. 大森創造

    大森創造君 私どもは、あなたのほうから割り当てになる、それで割当が非常にきつい——これは八千代あるいは石岡ばかりきついわけじゃないというふうなお答えですが、私もそう、だろうと思う。全国的に相当——これは過重な割当があるのじゃないか。その割当を受けて、一生懸命勧誘をして成績を上げようとする。外務課のほうからその督促をされる。事実上は、成績が上がらないというと、やめざるを得ないようなことになる。これは事実でありますから、外務課の方がおいでになって、それで、隣の局はできた、あの局はこういうことをやった、お前のところは成績が上がらないというと、これは人を減らすことになるのだというようなことを局長の前で言明したというようなことも、裁判所の記録に出ておる。そうするというと、一生懸命やって成績が悪い、数字で示してこいというようなことを再三繰り返しておる。数字で示すというと、窮余の一策としてこういう方法が出てきたということになる。そうすると、部落や村の状況で、私は行って見ましたけれども局長が、成績を上げたその局員を、それから契約者を、一年に一回か二回招待しているのですよ。それで景品まで上げているのですよ、予算はどこから出てくるのか知らないが。で私は、日常村の人と接触している勧誘員、それからその勧誘員が書類を、自分のところの直接の事務主任といいますか、そういうところに持っていくといくという場合に、あれほどの事件について、全然私は知らないというはずはないと思うのです。  そこで、こまかい話になりますが、八千代の郵便局については、確かに知っていた。その当該の勧誘員ばかりじゃありません。私はほとんど局員の連帯責任じゃないかと思うのです。こういう事実を、さらに今度は簡易保険局のほうで、局長はお知りにならないか。こういうことによって成績を上げているということを知っている方がいたのではありませんか。その点は、あなたのほうはどうですか。あまりにずさんだと思う。
  79. 板野学

    政府委員(板野学君) 割合この局は成績のいい局で、実績から申しますと成績のいい局でございまして、その成績のいい局に対しましては、さらにその努力に報いるというようなこともやっておりますが、成績の悪いような局につきましては、いろいろ無理をするというような点もございますので、平素郵政局もいろいろ気をつけておるわけでございますけれども、少なくとも不正不良な募集はいけないということは、私どもは平素厳重に現業に対しても言っておるわけでございますので、知っておって見て見ぬふりをしておったということは、私は東京郵政局では絶対にないと確信をいたしておる次第でございます。
  80. 大森創造

    大森創造君 で、あなたのほうではそういう立場でございましょうけれども、狭い郵便局内で、常識的に、そういう相当期間にわたってこういう契約がなされているということ、そうして、局長外、局長代理の人や、それから直接の上司というものが、そういう書類を毎日受け付けていて、そうして表彰をされ、あるいはごちそうになるということを、村の段階でいった場合に、私はほかの局員が知らないということはない、だろうと思う。  そこで私は、これがたまたま問題になったのですけれども、監察官の手によって問題になったけれども、こういう問題について、裁判では、問題になった人を起訴をされる。それから休職になる、あるいはこれはやめさせられるということになるでしょうが、これはどうですか、そういう当該の人ばかりの責任ではないでしょう。あなたのほうでは、やるべきことをやったんだし、それほど過酷なことをやったんではないというけれども、この事件については、当該の勧誘員、八千代郵便局の場合には三人、これだけで済ませるべき性質のものではないと思う。あとで聞いてみるというと、郵便局長被害届などを出しておるそうですが、被害届なんて、形式上はそうなるかもしれませんけれども局長を含めて、簡易保険局のほうでも、私は責任がないとは言わせない。どうですか、それについてどうお考えになりますか。
  81. 板野学

    政府委員(板野学君) 先ほど申し上げましたように、事業の基礎がこの新規の募集ということにかかっておりまするので、私どもといたしましては、なるべくまあこの目標を完遂したいというようには考えております。もちろん、端的に申し上げまするというと、実際はこの募集目標というものは、実際の予算目標といいますか、そういうものもやや低目に持っていって、そうして無理のないようにして目的を速成させるというのが今までのやり方でございます。しかしながら、この不正な手段によって募集するとか、不正不良の募集をするということは、もう過去ずっとこの決算委員会におきましても非常に問題にされておりまするので、私どもといたしましては、そういうことが絶対にないようにということで、常に郵政局を通じ郵便局を指導いたしておる次第でございまして、それにもかかわらずこういう事件が起きた、こういう点につきましては、私どもたいへん遺憾に思うわけでございまするが、それを見て見ぬふりをしてそういうことをさしたとか、あるいはしいてそういうような募集をさせるとか、しりたたきをするとかというようなことは、私どもといたしましては、そういうことは絶対に慎しむ。また、慎しむほうがこの募集の成績を上げるゆえんだと、こういうことで、厳重にそういう点を戒めておる次第でございまして、もしそういう点がございますれば、またいろいろ、これはもうこういうような時代でございまするので、まあ外部にもすぐわかってくる、こういうのでございまするから、これはもう私どもといたしましては、そういうことはいたさない。  そこで、これはもう八千代局につきましては裁判の結果でございまして、そういう結論が出たと——判決が下されたということにつきまして、まことに私ども遺徳に思う次第でございますのるで、今後私どもといたしましては、ひとつ行政上の指導その他をさらに厳重にいたしまして、今後こういうような事柄が起きて、従事員はもとより、この保険契約をされた方にも御迷惑をかけないような、さらに一そうの指導をやっていきたいというように考えておる次第でございます。
  82. 大森創造

    大森創造君 局員三人がやめさせられて、そうして契約者、あれは一人どのくらいになりますかね、相当の、何十万という金を支払うということになって、この事件は終わりということになるというと、非常に私はあと味の悪いものになるだろうと思う。こういう問題について、局長なんていうのは責任ないのですか、局長とか局長代理というのは。
  83. 板野学

    政府委員(板野学君) たとえば八千代局におきましてどういうまあ局長に対する処分があったかということを、ちょっとここへ資料持ち合わせございませんけれども、そういう事件が起きましたことについて、私どもあるいは監督上の問題があるのじゃないかというふうに考えておりますけれども、所管がちょっと私違うものですから、ここではっきりお答え申し上げられませんので、いろいろ調査をしてお返事したいと思います。
  84. 大森創造

    大森創造君 あの佐藤洋之助氏が逓信委員長であった当時、この局長の兄弟が県会議員、そこでこの事件ができたときに、この局長代理やその関係者の人が佐藤代議士のところに行って、そうしていろいろ話をした。で、それによって、今度は、この事件が起きたときに、この局員に、何でもいいから監察官の言うとおりに、何でもいいからそのとおり認めろということを言われたということなんです。で、これは裁判でそういう事実が明らかになっておる。で、私はしろうとですが、その三人ぽっつり切り離して契約者とともにこれが厳罰に処せられた。あと局長、それからその他の方面には全然波及しない。ばっさりと局員が、しかも十数回も表彰を受けた、あの辺においても非常に信用のあるりっぱな局員がばっさり首になった。契約者が何十万という金を全部吐き出さされた。こういうことでこの事件済まされていいかという感じを持っておる。これは郵政局御当局としても、ことに簡易保険局のほうでは、これは反省の実を上げてもらいたいと思うのですが、どうですか。  それからもう一つ、もうこれで終わりますが、監察官のほうでは——監察官に調べられていたんで、朝から夕方の六時まで。それで、帰って来てから今度は卒倒して十数日寝ちゃったということを裁判所においても言うております。で、監察官の中にはそういう個人もいるのですね。そういう個人もいる。全部がそうでありませんが。そういう、何というか、手きびしい時分の司法警察と同じような——そういう性質の仕事を扱うのでしょうが、全く過酷に、もの峻烈に調べるあまり、そういう事実があそこに発生しております。で、このことはひとつ覚えておいていただきたいと思います、名前はあげませんけれども。ひとつ御答弁を求めて終わります。
  85. 板野学

    政府委員(板野学君) 先ほどお答えいたしましたように、かかる不正な、不良な契約の募集ということは、結局事業のためにもなりませんし、また契約者の方にも非常に迷惑を及ぼすことでございますので、今後におきましては、こういう事実の起きないように、さらに指導監督を強化いたしまして、また一般の国民に対しましては、PRを十分にいたしまして、そういうことのないようにひとつ努めていきたいというふうに考えております。
  86. 田中鎮雄

    政府委員田中鎮雄君) 監察官が取り調べの際に行き過ぎのないようにということにつきましては、平素から特に気を配って指導しておるつもりでございますが、ただいまのお話もございますし、今後とも一そうそういう点に  注意をいたしていきたいと考えております。
  87. 佐藤芳男

    理事佐藤芳男君) ほかに御質疑もございませんようですから、昭和三十四年度決算のうち、郵政省、電電公社関係質疑は、これをもって終了いたします。  なお、明二十六日は、厚生省、建設省、住宅金融公庫関係質疑を行ないます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十一分散会